JP3077462B2 - ガラスの切断方法 - Google Patents

ガラスの切断方法

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JP3077462B2 JP05217295A JP21729593A JP3077462B2 JP 3077462 B2 JP3077462 B2 JP 3077462B2 JP 05217295 A JP05217295 A JP 05217295A JP 21729593 A JP21729593 A JP 21729593A JP 3077462 B2 JP3077462 B2 JP 3077462B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B33/00Severing cooled glass
    • C03B33/08Severing cooled glass by fusing, i.e. by melting through the glass
    • C03B33/082Severing cooled glass by fusing, i.e. by melting through the glass using a focussed radiation beam, e.g. laser

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラス板、ガラス管、ガ
ラス棒などのガラス部材を炭酸ガスレーザ光(以下、C
2 レーザ光という)の照射により垂直性良く切断加工
するガラスの切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス導波路を用いた導波路型光部品の
研究開発が活発化してきた。この光部品を実用化する上
では、導波路端面に光ファイバを接続する技術が必須と
なる。この接続を低損失で実現するためには、導波路の
端面を垂直性良く、かつ鏡面状態に研磨しておくことが
基本条件である。
【0003】導波路端面を垂直性良く、かつ鏡面状態に
研磨する方法として、ダイシング、研磨工程を用いる従
来の工程に対して、本発明者はCO2 レーザ光を照射す
ることにより、切断と研磨とを一度に実現する方法を提
案した(特願平4−201520号)。これは図8に示
すように、切断しようとするガラス基板1の表面上にC
2 レーザ光2を集光して照射し、光エネルギーにより
ガラス基板1を1−1と1−2に切断する方法である。
切断に際しては、ガラス基板かCO2 レーザ光のいずれ
かを切断方向に移動させて切断する。ここで、CO2
ーザ光2はガラス基板表面に垂直方向、すなわち光軸A
−A’に沿って照射される(α1 =α2=90°)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たCO2 レーザ光による切断方法では、切断されたガラ
ス基板1−1と1−2の端面は図示したように、入射側
のエッジ角θ1 とθ2 は93°から94°の値となり、
逆に出射側のエッジ角θ3 とθ4 は86°から87°の
値となる。つまり、垂直に切断されず、テーパ状に切断
されることがわかった。図9に実際の導波路(厚み1m
m、移動速度0.73mm/sec )の切断端面図を示す。
【0005】これは、CO2 レーザ光2のガラス基板表
面におけるビームスポット径が100μm φ近くもあ
り、しかもこのスポット径内の光パワ分布がガウス分布
しているために生ずることがわかった。これを防ぐに
は、ビームスポット径を小さくするか、CO2 レーザ光
2をガラス基板上に集光させるレンズの焦点距離を長く
する等の対策が必要であった。しかし、上記対策を実現
するためには、極めて高価な設備を必要とすることがわ
かった。
【0006】そこで、本発明の目的は、前記した従来技
術の問題点を解消し、垂直性よく鏡面状態に切断加工す
るガラスの切断方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ガラス部
材にCO2 レーザ光を照射し、CO2 レーザ光をガラス
部材に対し相対移動させてガラス部材を切断加工する際
に、CO2 レーザ光の光軸に対するガラス部材の表面角
度が91°から100°の範囲になるように、ガラス部
材を傾斜設定してガラス部材を切断する方法である。表
面角度を91°から100°の範囲としたのは、この範
囲内に設定すると、少なくとも片方側の切断されたガラ
ス基板がほぼ垂直に切断されるからである。
【0008】第2の発明は、第1の発明において、CO
2 レーザ光の焦点位置にガラス部材の表面が設定される
ようにしてガラス部材を切断する方法である。
【0009】第3の発明は、第1から第2の発明におい
て、CO2 レーザ光を筒内を伝搬させ、その伝搬方向に
沿ってCO2 レーザ光の外周からガスを流しながらガラ
ス部材を切断する方法である。
【0010】第4の発明は、第1から第3の発明におい
て、ガラス部材の表面上にダミー用のガラス材を重ね、
ダミー用ガラス材の上からCO2 レーザ光を照射してガ
ラス部材を切断する方法である。
【0011】第5の発明は、第1から第4の発明におい
て、ガラス部材、またはダミー用のガラス材およびガラ
ス部材が分離されて吹き飛ばないように固定した状態で
ガラス部材、またはダミー用ガラス材およびガラス部材
を切断する方法である。
【0012】第6の発明は、第4から第5の発明におい
て、ダミー用のガラス材にギャップを形成し、このギャ
ップに沿ってCO2 レーザ光を照射するようにしたガラ
スの切断方法である。
【0013】第7の発明は、第6の発明において、ギャ
ップの端面にCO2 レーザ光を反射させる反射膜が形成
されているガラス部材の切断方法である。
【0014】第8の発明は、第1から第7の発明におい
て、ガラス部材としてガラス板、ガラス管、ガラス棒を
用いたガラス部材の切断方法である。
【0015】第9の発明は、第8の発明において、ガラ
ス管およびガラス棒を切断する際にはガラス管またはガ
ラス棒の軸を中心として回転させながら切断する方法で
ある。
【0016】
【0017】
【作用】第1の発明によれば、CO2 レーザ光を用いる
ため鏡面状態で切断することができる。また、ガラス部
材を光軸に対して傾けるので、ガラス部材の少なくとも
片方側の端面は垂直に切断され、反対側の端面は斜めに
切断される。通常、切断して有効に使うガラス部材は片
方側のみであるので、その端面が垂直性良く切断されて
いればよい。反対側のガラス部材は、通常の場合、不要
であるので、垂直性良く切断されていなくてもよい。な
お、この反対側のガラス部材の端面も垂直性を希望する
場合には、この反対側のガラス部材を再度傾斜設定して
垂直に切断すればよい。
【0018】このように片方側の端面のみが垂直に切断
されるのは、次の理由による。ガラス部材をCO2 レー
ザ光の光軸に対して直角に設定して切断すると、図8に
示すようにエッジ角θ1 およびθ2 が90°+ψ(ψ=
3〜4°)になることから、このψを見込んで図1に示
すようにガラス部材の表面のCO2 レーザ光軸に対する
角度を90°+α(α2 〓4)に傾斜設定すれば、θ1
はほぼ90°になり、θ2 は(90°+ψ)以上の値に
なる。
【0019】第2の発明によれば、CO2 レーザ光の焦
点位置にガラス部材の表面が来るように設定することに
より、θ1 とθ2 は90°に近付けることができる。す
なわち、図10に示す本発明者による実験結果から明ら
かなように、ガラス部材がCO2 レーザ光の焦点位置か
ら外れるにしたがって垂直性が劣化し、特に焦点位置よ
りも短い所(マイナス側)にガラス部材を設置する程、
垂直性の劣化の度合が大きいことがわかった。
【0020】第3の発明によれば、CO2 レーザ光を筒
内を伝搬させ、その伝搬方向に沿ってCO2 レーザ光の
外周からガスを流しながら切断することにより、CO2
レーザ光が外部のじょう乱によって変動するのを抑圧す
ることができる。またガラス部材の表面を常にクリーン
な雰囲気に保って切断することができる。さらに切断時
に蒸発して飛散するガラス微粉末がガラス部材やレン
ズ、ミラー、などに付着するのを抑えることができる。
【0021】第4の発明によれば、切断しようとするガ
ラス部材の表面上にダミー用のガラス材をおいた状態で
CO2 レーザ光を照射することにより、切断したガラス
部材端面の上方エッジ部が円くなるのを抑えることがで
きる。
【0022】第5の切断方法は、ガスを吹きつけながら
切断するので、切断時に2つのガラス片に分離して吹き
飛ばされる。そこで切断用のガラス部材または、ダミー
用のガラス部材および切断用のガラス部材を固定した状
態で切断する。固定して切断することにより、ガラス片
が吹き飛ばされることがなく、しかも切断した端面をよ
り鏡面状態にすることができる。また、ダミー用ガラス
部材のエッジ部は、切断用ガラス部材に代って、照射時
間が長くなり、蒸発によるガラス微粉末の飛散等により
ダレを生じるため、切断用ガラス部材のダレを抑えるこ
とができる。
【0023】第6の発明のように、ダミー用のガラス材
にギャップを設け、そのギャップに沿ってCO2 レーザ
光を照射するようにして切断すれば、ギャップは切断用
ガラス部材の切断端面のダレを抑えると共に、ギャップ
が切断用ガイドとして作用するので、高寸法精度の切断
ができる。
【0024】第7の発明のように、上記ギャップの端面
にCO2 レーザ光を反射させる反射膜を形成しておくこ
とにより、CO2 レーザ光を切断部に集光させることが
でき、光エネルギーのより高い集中作用により短時間、
かつビームスポット径よりも小スポット径で切断するこ
とができる。
【0025】本発明の切断方法は、第8の発明のよう
に、ガラス板(平板、並板、等)、ガラス管、ガラス棒
を切断することができる。
【0026】第9の発明のように、ガラス管あるいはガ
ラス棒を切断する際には、ガラス管あるいはガラス棒の
軸を中心として回転させながら切断すれば、より均一な
切断端面を得ることができる。特に、大口径のガラス棒
とか、肉厚のガラス管を切断する際にはこの方法は有効
である。
【0027】
【0028】
【実施例】図1に本発明のガラスの切断方法の第1実施
例を示す。この例では、ガラス部材として、厚さがT
(T=0.2mm〜10数mm)のガラス基板1を切断する
場合を示している。ガラス基板1には、石英系ガラス
(石英ガラス、高珪酸ガラスなど)、多成分系ガラス
(ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、リン酸系ガラス、フッ
化物系ガラスなど)などを用いることができる。
【0029】CO2 レーザ光2の光軸A−A’に対し
て、ガラス基板1の表面角度はα2 =90°+ψ(ある
いはα1 =90°−ψ)のように、斜めに傾けられて設
置されていることが特徴である。逆の言い方をすれば、
ガラス基板1の表面に対して斜めにCO2 レーザ光2が
照射される構成になっている。ここで、CO2 レーザ光
2は光軸A−A’方向に沿って伝搬し、ガラス基板1の
表面上に焦点を結ぶように設定される。
【0030】ところで、CO2 レーザ光2はガラス基板
1の表面上では、ある径(100μm 前後)のビームス
ポット径をもっているために、図9で既に説明したよう
に、ガラス基板1の深さ方向にテーパ状の穴をあける。
ところが、ガラス基板1の表面を水平面からψだけ斜め
に傾けておくと、切断されたガラス基板1−2側の端面
のエッジ角度θ1 とθ3 はほぼ90°となる。それに対
して他方の切断されたガラス基板1−1の端面のエッジ
角度θ2 は(93°+ψ)〜(94°+ψ)となり、θ
4 は逆に(87°−ψ)〜(86°−ψ)となる。ψは
本発明者の種々の実験結果から3°〜4°の値をとる。
【0031】ここで、切断された片方側のガラス基板1
−2が必要とする基板であり、反対側のガラス基板1−
1は不要な基板として処分する。不要な基板1−1の面
積を十分に小さくなるように設定して切断すれば、処分
して捨ててもそれ程のコスト高にはならない。このよう
に、必要とする側のガラス基板端面を垂直性良く切断す
ることができる。
【0032】具体的な実施例として、CO2 レーザ光2
は波長10.64μm 、パワー70Wに選んだ。そして
ガラス基板1として、厚さTが1mm、直径3インチの石
英ガラス基板を用いた。ψを3°に定め、ガラス基板1
を0.73mm/sec で移動し、直径3インチの基板を半
分に切断した。その結果、切断されたガラス基板のう
ち、1−2側のθ1 とθ3 は、ほぼ90°であった。θ
2 は96度、θ4 は84°であった。またガラス基板1
を2.2mm/sec の速度で移動して同様に切断実験を行
ったところ、、θ1 とθ3 は、ほぼ90°に切断され
た。また切断された切断面3−1と3−2はいずれの実
験でも鏡面状態に加工されていた。
【0033】次に、ガラス基板1として、多成分系ガラ
ス(コーニングガラス社製の7740ガラス、直径3イ
ンチ、厚さ1mm)を用い、同様の方法により切断実験を
行った。この場合にも切断されたガラス基板1−2は垂
直性良く、かつ鏡面に加工されていた。しかも、ガラス
基板の切断速度は石英ガラス基板の場合に比し、1.6
倍から2倍程度早い速度で切断することができた。さら
に、ガラス基板1の厚みが10mm程度の場合でも、切断
速度は若干遅くなるものの、垂直性良く鏡面状態に切断
加工することができた。
【0034】なお、CO2 レーザ光2の発振波長が、1
0.19μm 、9.54μm 、9.28μm のように短
くなっても切断することはできたが、発振波長が短くな
る程、鏡面状態が少しずつ悪くなることもわかった。ま
た、ガラス基板1の厚さがより厚いものを切断するのに
は、CO2 レーザ光2をガラス基板1の表面上に集光さ
せるためのレンズの焦点距離が長いもの、例えば、焦点
距離25mm、63.5mmを用いた方が好ましかった。
【0035】図2は上述した第1実施例の方法を実現す
るためのガラス切断装置の実施例を示したものであり、
レーザ発生装置と照射ヘッド(固定系)が固定され、ガ
ラス基板(可動系)が移動するようになっている。
【0036】まず、可動系に付いて説明する。切断用ガ
ラス基板1は真空排気装置付きベース10上に固定され
ている。このベース10のガラス基板1を固定する面に
は、真空吸着用の穴(図示省略)が多数設けられてお
り、この穴を通してガラス基板1をベース10上に真空
吸着により固定するようになっている。これら真空排気
装置、真空吸着用穴からベース10に切断用ガラス基板
1を固定する固定手段が構成される。
【0037】また、ガラス基板1に傾きψを持たせるよ
うに、ベース10に角度β調節用の微動機構(図示省
略)も設けられている。図2では便宜的にベース10の
表面そのものに角度ψを持たせて角度が固定となる場合
を示してある。さらに、ベース10には、ガラス基板1
を所望の速度でX方向、およびY方向に移動できる機構
(図示省略)も備っている。また、CO2 レーザ光2を
ガラス基板1の表面上に焦点を結ばせるようにZ軸方向
への微動機構(図示省略)も有している。そして、CO
2 レーザ光がガラス基板1を貫通してベース10上で反
射しないように、CO2 レーザ光の直下のベース10に
はCO2 レーザ光貫通用溝部11が設けられている。
【0038】次にレーザ光を照射する固定系について説
明する。レーザ発生装置を構成するCO2 レーザ4の出
力側に、CO2 レーザ4から発生するCO2 レーザ光を
導いてガラス基板1上に照射する照射ヘッドHが接続さ
れている。照射ヘッドHは、CO2 レーザ光を下方にガ
イドするために折り曲げた筒6と、そのコーナ部にミラ
ー5と、出射側に集光レンズ7を備える。CO2 レーザ
4からの光はミラー5、レンズ7を通して集光される。
ここでCO2 レーザ光2は筒6内を伝搬することによ
り、常にクリーンな雰囲気に保たれ、外部のじょう乱に
対して変動しないようにガードされている。
【0039】また、照射ヘッドHの出射口近傍の外周
に、CO2 レーザ光の伝搬方向に沿ってCO2 レーザ光
の外周からガスを導入して出射口から噴出するガス導入
口Mが設けてある。このように、CO2 レーザ光の伝搬
方向に沿ってその外周からガスが矢印8−1方向から矢
印8−2方向へ流れるようにすることによって、同様に
クリーンな雰囲気に保ち、外部のじょう乱による変動を
抑圧し、さらに、噴出ガスにより切断時に蒸発して飛散
したガラス微粉末が光学系に付着して光学特性を劣化さ
せないようにするようになっている。
【0040】図3は本発明のガラス基板切断方法の第2
の実施例を示したものである。これは、切断用ガラス基
板1の上面にダミー用ガラス板12を重ね、そのダミー
用ガラス板12の上からCO2 レーザ光2を照射し、ダ
ミー用ガラス12と切断用ガラス基板1を併せて切断す
る方法である。このダミー用ガラス板12を用いる理由
は、図1の場合には、切断されたガラス基板1−1と1
−2の表面付近のエッジ4−1と4−2がダレを生じ、
丸味を帯びることがあったが、これを改善するために用
いる。
【0041】ダミー用ガラス板12を切断用ガラス基板
1上に重ねておくと、切断されたダミー用ガラス板12
−1と12−2のエッジ部は丸味を帯びてダレ13−
1、13−2を生ずるが、切断用のガラス基板1−2と
1−2のエッジのダレはまったく生じないことがわかっ
た。
【0042】ここで、ダミー用ガラス板12としては、
前述した材料、すなわち、石英系及び多成分系ガラスな
どを用いることができる。また、このダミー用ガラス板
12の厚みは十分に薄くてもよく、0.1mm〜数mmでよ
い。
【0043】図4は上述した第2実施例の方法を実現す
るためのガラス切断装置の実施例を示したものである。
これはダミー用ガラス板12を切断用ガラス基板1上に
重ねて切断する場合の装置を示したものである。このダ
ミー用ガラス板12もベース10上に公知の手段(図示
せず)により確実に固定される構成になっている。
【0044】図5は本発明のガラス切断方法の第3実施
例を示したものである。これは、ダミー用ガラス板12
にギャップ14、例えば、図示例のように深さ方向にテ
ーパ型になっているものとか、あるいは真直な平行型に
なっているものなどを設け、このギャップ14に沿って
B−B’のごとく切断線15上にCO2 レーザ光2が照
射されるようにしたものである。このギャップ14のギ
ャップ幅G(数10μm から数百μm )はCO2 レーザ
光2のビームスポット径と同程度に設定しておくのが好
ましい。このギャップ14は切断したガラス基板1−1
と1−2の端面のエッジのダレを抑える以外に、切断面
の位置合わせ用としても利用できるため、高寸法精度の
切断ができる。なお、ギャップ14は、図示例では底面
まで達している場合を示したが、途中まで形成したもの
でもよい。
【0045】図6は本発明のガラス切断方法の第4実施
例を示したものである。これは、テーパ型ギャップ14
の両面にCO2 レーザ光2を反射させる反射膜16−1
と16−2とを設けたものであり、この反射膜により、
CO2 レーザ光2を切断用ガラス基板1上に集光させ、
より効率的にCO2 レーザ光を利用することができる。
【0046】図7はガラス部材として切断用ガラス管1
7を用いたガラス切断方法の第5実施例を示したもので
ある。切断用ガラス管17は管軸C−C’を中心に矢印
に示す回転方向18に回転させながら切断する。ガラス
管17の代わりにガラス棒としてもよい。なお、本発明
はガラス板、ガラス管、ガラス棒以外に、表面が凹凸、
あるいは並形のガラス板でも切断することができる。
【0047】
【発明の効果】
(1)請求項1に記載の発明によれば、ガラス部材をC
2 レーザ光の光軸に対して所定角度に傾斜設定するよ
うにしたので、高価な設備を必要とすることなく、ガラ
ス部材を垂直性良く、鏡面状態に切断することができ
る。
【0048】(2)請求項2に記載の発明によれば、C
2 レーザ光の焦点位置にガラス部材の表面を設定する
ようにしたので、より垂直性良く、鏡面状態に切断する
ことができる。
【0049】(3)請求項3に記載の発明によれば、C
2 レーザ光を筒内を伝搬させ、伝搬方向に沿ってCO
2 レーザ光の外周からガスを流すようにしたので、CO
2 レーザ光の変動を抑圧でき、またガラス部材の表面を
常にクリーンな雰囲気に保って切断することができる。
さらに切断時に飛散するガラス微粉末のガラス部材や照
射ヘッド等への付着を抑えることができる。
【0050】(4)請求項4に記載の発明によれば、ガ
ラス部材の表面上にダミー用のガラス材を重ねるように
したので、切断したガラス部材端面の入射側エッジ部が
円くなるのを抑えることができる。
【0051】(5)請求項5に記載の発明によれば、ガ
ラス部材を固定した状態で切断するようにしたので、ガ
ラス部材が吹き飛ばされることがなく、しかも切断した
端面を鏡面状態にすることができる。
【0052】(6)請求項6に記載の発明によれば、ダ
ミー用ガラス材に設けたギャップに沿ってCO2 レーザ
光を照射するようにしたので、切断端面のダレを抑えこ
とができると共に、高寸法精度の切断ができる。
【0053】(7)請求項7に記載の発明によれば、ギ
ャップ面にCO2 レーザ光を反射させる反射膜を形成し
たので、光エネルギーのより高い集中作用によって短時
間に、かつ小スポット径で切断することができる。
【0054】(8)請求項8に記載の発明によれば、ガ
ラス板、ガラス管、ガラス棒を切断することができる。
【0055】(9)請求項9に記載の発明によれば、ガ
ラス管あるいはガラス棒を切断する際に、ガラス管ある
いはガラス棒の軸を中心として回転させながら切断する
ようにしたので、より均一な切断端面を得ることができ
る。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すガラス基板の切断方
法の説明図。
【図2】本発明の第1実施例の方法を実施するためのガ
ラス部材切断装置の構成図。
【図3】本発明の第2実施例を示すガラス基板の切断方
法の説明図。
【図4】本発明の第2実施例の方法を実施するためのガ
ラス部材切断装置の構成図。
【図5】本発明の第3実施例のガラス基板の切断方法の
説明図。
【図6】本発明の第4実施例のガラス基板の切断方法の
説明図。
【図7】本発明の第5実施例のガラス管の切断方法の説
明図。
【図8】本発明者が先に提案したガラス基板の切断方法
の説明図。
【図9】本発明者が実験によって得た光導波路の切断結
果の一例を示す断面図。
【図10】本発明者が実験によって得た焦点位置からの
ずれに対するガラス基板の切断結果の特性図。
【符号の説明】
1 ガラス基板 1−1 切断されたガラス基板 1−2 切断されたガラス基板 2 CO2 レーザ光 3−1 切断面 3−2 切断面 4−1 エッジのダレ 4−2 エッジのダレ α2 表面角度

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス部材にCO2 レーザ光を照射し、こ
    のCO2 レーザ光をガラス部材に対し相対移動させてガ
    ラス部材を切断加工する際に、CO2 レーザ光の光軸に
    対するガラス部材の表面角度が91°から100°の範
    囲になるように、ガラス部材を傾斜設定してガラス部材
    を切断するガラスの切断方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のガラスの切断方法におい
    て、CO2 レーザ光の焦点位置にガラス部材の表面が設
    定されるようにしたガラスの切断方法。
  3. 【請求項3】請求項1ないし2のいずれかに記載のガラ
    スの切断方法において、CO2 レーザ光を筒内を伝搬さ
    せ、その伝搬方向に沿ってCO2 レーザ光の外周からガ
    スを流しながらガラス部材を切断するガラスの切断方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載のガラ
    スの切断方法において、ガラス部材の表面上にダミー用
    のガラス材を重ね、ダミー用ガラス材の上からCO2
    ーザ光を照射してガラス部材を切断するガラスの切断方
    法。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載のガラスの切断方
    法において、ガラス部材、またはダミー用のガラス材お
    よびガラス部材が分離されて吹き飛ばないように固定し
    た状態でガラス部材を切断するガラスの切断方法。
  6. 【請求項6】請求項4または5に記載のガラスの切断方
    法において、ダミー用のガラス材にギャップを形成し、
    該ギャップに沿ってCO2 レーザ光を照射するようにし
    たガラスの切断方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のガラスの切断方法におい
    て、ギャップ面にCO2 レーザ光を反射させる反射膜を
    形成したガラス部材の切断方法。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれかに記載のガラ
    スの切断方法において、ガラス部材として、ガラス板、
    ガラス管、ガラス棒を用いたガラスの切断方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のガラスの切断方法におい
    て、ガラス管またはガラス棒を切断する際に、ガラス管
    またはガラス棒をその軸を中心として回転させながら切
    断するガラスの切断方法。
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