JP3076694U - 女性用衣料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 腕の上下運動によっても、衣料の必要部分が
伸縮してよく追従し、乳房カップ部のずれ落ちを防止し
乳房カップ部を安定的に保持した比較的タイトにフィツ
トさせて着用する女性用衣料を提供する。 【解決手段】 乳房カップ１の下部に連なりボディスー
ツ脇側１１から乳房カップ１の最下点１２を超えた範囲
の下胸部近傍の領域を他の部分より容易に伸縮する易伸
縮性生地（ａ）５で構成し、ボディスーツ裏側におい
て、左右の乳房カップ１の下辺の刳り２の前中心側同士
を連結し且つ左右の乳房カップのそれぞれの下辺の刳り
２の脇側とボディスーツ本体表側布の脇上縁９ならびに
後身頃６の脇側縁を連結しその下側の縁は衣料本体表側
布に縫着されていないフリーな縁部の伸びが無いか又は
伸びの少ない生地からなる乳房カップ安定支持部片
（ｂ）が設けられているボディスーツ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、乳房カップと、その下に連なり伸縮性生地からなる部分を含み少な くともほぼウェスト上部近傍までをカバーする胴部を有する身体に比較的タイト にフィツトさせて着用する女性用衣料に関する。

【０００２】

【従来の技術】

乳房カップと、その下に連なり伸縮性生地からなる部分を含み少なくともほぼ ウェスト上部近傍までをカバーする胴部を有し、身体に比較的タイトにフィツト させて着用する女性用衣料、例えば、ボディスーツ、ボディセパレート、ロング ブラジャー、レオタード、水着などは、身体の肌に直接接するか、又は比較的肌 に近い側に着用され、ボディラインを美しく整える女性用衣料として、広く普及 している。

【０００３】 これらの女性用衣料は、乳房カップは別として、乳房カップの下に連なる胴部 は、胃から下腹部の形を整えるためのお腹押さえなどの特定の部分を除いてほぼ 伸縮性の生地から作られている。お腹押さえなどは伸縮性が小さいか又は少なく とも衣料横方向には伸縮性が小さい生地が充当されるか、伸縮性の生地で作られ た前身頃ないし前中心身頃の裏側ないし表側に前述した伸縮性が小さいか又は少 なくとも衣料横方向には伸縮性が小さい生地を当て布として用いているものもあ る。また、例えばボディスーツ、レオタード、水着などのヒップ部を覆い、股部 を有する衣料においては、ヒップアップさせるなどヒップの形状を整えるため、 ヒップの下側から脇側にかけての部分の伸縮パワーを強くしたり、伸びの小さい 生地を裏打ちするなどの手段がとられている。本考案においては、このように伸 縮性のある衣料といえども、当然、その一部に非伸縮性の部分も存在するような 場合もあることから、「伸縮性生地からなる部分を含み」と表現し、胴部全部が 伸縮性生地からなっていてもよいし、一部に伸縮性が小さいか又は伸縮性の無い 部分を含んでいる場合があってもよく、これらをまとめて「伸縮性生地からなる 部分を含み」と表現したものである。

【０００４】 しかして、これらは、乳房カップと、その下に連なる胴部において、胴部の伸 縮性生地からなる部分は、身体に比較的タイトにフィツトさせるため、ある程度 の伸縮パワーのある生地が通常用いられている。従って、日常よく行われる動作 である腕を上に上げて下げるなどの動作により、特に身体の脇の下近傍の脇側か ら乳房のバージスラインの最下点近傍までの範囲の下胸部近傍の領域の皮膚の伸 縮が最もよく伸縮するため、従来の前述したような女性用衣料では、この部分の 生地の伸縮性が皮膚の伸縮に追従しきれず、その結果、乳房カップ部がずれ落ち ると言う問題が生じていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記従来のかかる女性用衣料の問題を解決し、腕の上げ下げなどの動 作によっても、衣料の必要部分が比較的よく追従し、乳房カップ部のずれ落ちを 防止し、乳房カップ部の位置が安定して所定位置に保たれるようにした、乳房カ ップと、その下に連なり伸縮性生地からなる部分を含み少なくともほぼウェスト 上部近傍までをカバーする胴部を有する身体に比較的タイトにフィツトさせて着 用する女性用衣料を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、本考案は次の様な女性用衣料を提供するものである 。

【０００７】 （１）乳房カップと、その下に連なり伸縮性生地からなる部分を含み少なくと もほぼウェスト上部近傍までをカバーする胴部を有する身体に比較的タイトにフ ィツトさせて着用する女性用衣料であって、前記女性用衣料の乳房カップの下部 に連なり衣料脇側から少なくとも乳房カップの最下点近傍までの範囲の下胸部近 傍の領域を他の部分より容易に伸縮する易伸縮性生地（ａ）で構成し、当該衣料 裏側において、少なくとも左右の乳房カップの下辺の刳りの前中心側同士を連結 し且つ左右の乳房カップのそれぞれの下辺の刳りの少なくとも脇側と衣料本体表 側布の脇上縁ならびに後身頃の脇側縁を連結する伸びが無いか又は伸びの少ない 生地からなる乳房カップ安定支持部片（ｂ）が設けられており、前記乳房カップ 安定支持部片（ｂ）の下側の縁は衣料本体表側布に縫着されていないフリーな縁 部であることを特徴とする女性用衣料。

【０００８】 （２）前記（１）項に記載した本考案の女性用衣料においては、易伸縮性生地 （ａ）が、乳房カップの下部に連なり衣料脇側から乳房カップの最下点近傍を少 なくとも越える範囲の下胸部近傍の領域を構成していることが好ましい。

【０００９】 （３）また前記（１）項に記載した本考案の女性用衣料においては、易伸縮性 生地（ａ）が、乳房カップの下部に連なり衣料脇側から前中心に至る範囲の下胸 部近傍の領域を構成していることが好ましい。

【００１０】 （４）また前記（１）〜（３）項のいずれかに記載した本考案の女性用衣料に おいては、易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方向の平均長さが約５ｃｍ以上である ことが好ましい。

【００１１】 （５）また前記（１）〜（４）項のいずれかに記載した本考案の女性用衣料に おいては、乳房カップ安定支持部片（ｂ）の合計面積が易伸縮性生地（ａ）の合 計面積より小さいことが好ましい。

【００１２】 （６）また前記（５）項に記載した本考案の女性用衣料においては、乳房カッ プ安定支持部片（ｂ）が乳房カップの下辺の刳りの前中心側同士を連結し且つ左 右の乳房カップのそれぞれの下辺の刳りの下側を通り乳房カップの下辺の刳りの 脇側に至り、更に衣料本体表側布の脇上縁ならびに後身頃の脇側縁を連結してい る連続した生地からなることが好ましい。

【００１３】 （７）また前記（１）〜（６）項のいずれかに記載した本考案の女性用衣料に おいては、易伸縮性生地（ａ）がストレッチメッシュ状編物又はツーウェイトリ コットであることが好ましい。

【００１４】 （８）また前記（１）〜（８）項のいずれかに記載した本考案の女性用衣料に おいては、乳房カップ安定支持部片（ｂ）が、マーキゼットからなることが好ま しい。

【００１５】 （９）また前記（１）〜（８）項のいずれかに記載した本考案の女性用衣料に おいては、女性用衣料が、ボディスーツ、ボディセパレート、ロングブラジャー 、レオタード、水着から選ばれた衣料であることが好ましい。

【００１６】

【考案の実施の形態】

本考案の女性用衣料は、乳房カップと、その下に連なり少なくともほぼウェス ト上部近傍までをカバーする胴部を有する。前述したように、胴部を構成する生 地は、通常、伸縮性生地からなるか、胃から下腹部の形を整えるためのお腹押さ えなどの特定の部分がある場合を除いてほぼ伸縮性の生地から作られている。お 腹押さえなどは伸縮性が小さいか又は少なくとも衣料横方向には伸縮性が小さい 生地が充当されるか、伸縮性の生地で作られた前身頃ないし前中心身頃の裏側な いし表側に前述した伸縮性が小さいか又は少なくとも衣料横方向には伸縮性が小 さい生地を当て布として用いてもよい。また、例えばボディスーツ、レオタード 、水着などのヒップ部を覆い、股部を有する衣料においては、ヒップアップさせ るなどヒップの形状を整えるため、ヒップの下側から脇側にかけての部分の伸縮 パワーを強くしたり、伸びの小さい生地を裏打ちするなどの手段がとられている 。この様な部分を設けるかどうかは、本考案の衣料においては、本考案の主要な 問題ではないので任意である。

【００１７】 本考案においては、かかる胴部において、乳房カップの下部に連なり衣料脇側 から少なくとも乳房カップの最下点近傍までの範囲の下胸部近傍の領域を他の部 分より容易に伸縮する易伸縮性生地（ａ）で構成することが必要である。易伸縮 性生地とは、胴部の他の部分に使用されている生地に比べてより小さい応力で容 易に伸び、応力を取り去ればほぼもとの形状に縮む生地であり、伸縮パワーの小 さい易伸縮性生地である。

【００１８】 かかる、生地であれば、特にその編み組織などは限定されるものではないが易 伸縮性生地（ａ）のうちでは、ストレッチメッシュ状編物が特に好ましくメッシ ュ状であると比較的伸縮パワーを小さくでき、また、通気性も特に良好で好まし い。また、ツーウェイトリコットなども好適に使用できる。もちろんこれらの生 地にはポリウレタン繊維糸などの弾性繊維糸が含まれている。

【００１９】 易伸縮性生地（ａ）以外の胴部の伸縮性生地からなる部分は、特に限定するも のではないが、パワーネット、トリコネットなどが好適に用いられる。もちろん ツーウェイトリコットなども使用可能である。例えば、易伸縮性生地（ａ）以外 の胴部の伸縮性生地としてツーウェイトリコットを用い、易伸縮性生地（ａ）の 部分にもツーウェイトリコットを用いる場合には、易伸縮性生地（ａ）の部分に 用いられるツーウェイトリコットは、生地を構成する弾性繊維糸を細くするなど して、易伸縮性生地（ａ）以外の胴部に用いられるツーウェイトリコットよりも 小さい力で容易に伸びる伸縮パワーのより小さいツーウェイトリコットを用いれ ばよい。言い換えれば、生地の編み組織名が同じ名称ないし同じ分類の生地であ っても、易伸縮性生地（ａ）の部分に用いられる生地は、易伸縮性生地（ａ）以 外の胴部に用いられる生地よりも小さい力で容易に伸びる伸縮パワーのより小さ い生地を用いればよい。

【００２０】 易伸縮性生地（ａ）で構成される部分は、前述したように、乳房カップの下部 に連なり衣料脇側から少なくとも乳房カップの最下点近傍までの範囲の下胸部近 傍の領域に存在すればよいが、さらにもう少し、衣料の前中心側にも延在して、 衣料脇側から乳房カップの最下点近傍を少なくとも越える範囲の下胸部近傍の領 域に存在することが好ましい。こうすることにより、腕の上げ下げによる脇側か ら下胸部近傍の皮膚の伸縮への衣料の伸縮の追従がより容易になる。更に必要な ら衣料脇側から前中心に至る範囲、すなわち下胸部近傍の領域の左右の領域が前 中心で連続していてもよい。

【００２１】 以上説明したのは、易伸縮性生地（ａ）で構成される部分の存在領域のうち、 下胸部近傍の範囲の主として横方向の領域について説明したが、易伸縮性生地（ ａ）で構成される部分の縦方向の長さは、特に限定するものではないが、つまり 、サイズによっても異なるので一概に規定しがたいが、衣料上下方向における平 均長さが約５ｃｍ以上であることが好ましい。この長さの意味は、衣料を上下方 向に、すなわち地面に衣料を垂直に立てて置いたと仮定した場合、それと直角方 向すなわち衣料の真横方向に１ｃｍづつの間隔をおいて衣料の上下方向の易伸縮 性生地（ａ）の長さを測定し、その長さを平均した長さが約５ｃｍ以上であるこ とが好ましいことを意味している。

【００２２】 なお、易伸縮性生地（ａ）で構成される部分の下端は、ウェスト上部までくら いの下胸部近傍の領域が好ましく、あまりに長くしすぎるとフィツト性が低下し たり、体型補整機能が低下する傾向になる。

【００２３】 かくして衣料本体表側布は構成されるが、本考案においては、乳房カップの位 置を安定的に保持するために、更に衣料本体裏側に、伸びが無いか又は伸びの少 ない生地からなる乳房カップ安定支持部片（ｂ）を設けることが必要である。す なわち、乳房カップ安定支持部片（ｂ）は、衣料本体裏側において、少なくとも 左右の乳房カップの下辺の刳りの前中心側同士を連結し且つ左右の乳房カップの それぞれの下辺の刳りの少なくとも脇側と衣料本体表側布の脇上縁ならびに後身 頃の脇側縁を連結する伸びが無いか又は伸びの少ない生地からなり、乳房カップ 安定支持部片（ｂ）の下側の縁は衣料本体表側布に縫着されていないフリーな縁 部となっている。乳房カップ安定支持部片（ｂ）が設けられる領域の一部ないし 全部が、易伸縮性生地（ａ）が設けられている領域と重なることがあり、乳房カ ップ安定支持部片（ｂ）の下側の縁も衣料本体の表側布に逢着してしまうと、少 なくともその逢着ラインの一部又は全部が易伸縮性生地（ａ）の縁以外の中間部 に縫着されてしまうことになり、易伸縮性生地（ａ）の伸縮を阻害することにな るので、乳房カップ安定支持部片（ｂ）の下側の縁は衣料本体表側布に縫着され ていないフリーな縁部となっていることが必要である。乳房カップ安定支持部片 （ｂ）の下側の縁以外の縁は、連結される乳房カップの下辺の刳りと衣料本体表 側布の脇上縁ならびに後身頃の脇側縁の部分で衣料本体表側布に縫着されるので 、乳房カップ安定支持部片（ｂ）が易伸縮性生地（ａ）の縁以外の中間部に縫着 されてしまうことを避けることができる。

【００２４】 また、乳房カップ安定支持部片（ｂ）は、乳房カップの位置を安定的に保持す るために設けるものであって、その目的が達成できる限り、易伸縮性生地（ａ） の伸縮作用をできるだけ阻害しないように、乳房カップ安定支持部片（ｂ）の合 計面積が易伸縮性生地（ａ）の合計面積より小さいことが好ましく、その目的が 達成できる限り、なるべく小さくすることが好ましい。

【００２５】 乳房カップ安定支持部片（ｂ）は、（ｉ）最低でも、衣料本体裏側において、 少なくとも左右の乳房カップの下辺の刳りの前中心側同士を連結し且つ左右の乳 房カップのそれぞれの下辺の刳りの少なくとも脇側と衣料本体表側布の脇上縁な らびに後身頃の脇側縁を連結する部分に設けられるが、（ii)乳房カップ安定支 持部片（ｂ）が乳房カップの下辺の刳りの前中心側同士を連結し且つ左右の乳房 カップのそれぞれの下辺の刳りの下側を通り乳房カップの下辺の刳りの脇側に至 り、更に衣料本体表側布の脇上縁ならびに後身頃の脇側縁を連結する部分に設け ている連続した生地からなる態様とすると、乳房カップを所定の位置に安定して 保持する機能がより強化される。

【００２６】 乳房カップ安定支持部片（ｂ）を構成する生地としては、乳房カップの所定位 置への安定的保持を目的とするものであるから、伸びが無いか又は伸びの少ない 生地を用いることが必要である。生地としては、乳房カップの所定位置への安定 的保持の目的を達成できるものであれば特に制限はないが、マーキゼット、パワ ーネット、トリコット、織物などで、伸びが無いか又は伸びの少ない生地が用い られる。これらのうちでも特にマーキゼットは、非伸縮性で左右の乳房カップを 安定的に連結、保持でき、乳房カップ安定支持性に優れるとともに、薄い編物で あるので肌触りがよく、身体になじみやすく、易伸縮性生地（ａ）の裏側に使用 しても、厚みがでることがなく、着用者のシルエットラインもスムーズになり極 めて好ましい素材である。

【００２７】 以下、本考案の理解を容易にするため、実施の形態例を図面を引用しながさら に具体的に説明するが。本考案はこの実施の形態例に記載されているもののみに 限定されるものではない。

【００２８】 まず、ボディスーツの例を挙げて説明するが、図１〜図８はボディスーツにお ける易伸縮性生地（ａ）の位置や形の態様を主として説明するために記載した図 であり、図９〜図１４はこれらのボディスーツ本体の裏側に取り付けられる乳房 カップ安定支持部片（ｂ）の位置や形や取り付け態様を主として説明するために 記載した図である。

【００２９】 従って、まず、ボディスーツのについて、その易伸縮性生地（ａ）の態様につ いて注目して図１〜図８を用いて説明する。

【００３０】 図１は本考案のボディスーツの正面斜め側から見た斜視図、図２はその背面斜 め側から見た斜視図である。なお、図２においては図１に示された人体右側に相 当する乳房カップや、その乳房カップに取り付けられている肩紐が見えるはずで あるが、これらを図示すると図面が複雑になり、理解しづらくなるので、あえて 図示を省略している。なお、他の実施の形態例の図面（背面斜め側から見た斜視 図）においてもほぼ同様の省略を行っている。

【００３１】 図１及び図２において、１は乳房カップ、２は乳房カップの下辺の刳り、３は 前中心身頃、４は前脇身頃、５は前脇身頃のうちの易伸縮性生地（ａ）で構成さ れた部分、４ａは前脇身頃４のうちの易伸縮性生地（ａ）で構成された部分以外 の部分、６は後ろ身頃、７は前中心身頃３と前脇身頃４との境界の接ぎライン、 ８は前脇身頃４と後ろ身頃６との境界の接ぎライン、９は衣料本体の脇上縁、１ ０は左右の後ろ身頃６、６の後ろ中心における接ぎライン、１１は易伸縮性生地 （ａ）の衣料脇側部分、１２は乳房カップの最下点、２０は肩紐、２１はクロッ チを示している。

【００３２】 図１、図２に示したボディスーツは、乳房カップ１と、その下に連なり伸縮性 生地からなる部分を含みウェストを経由して腹部と臀部ならびに股下をカバーす る前中心身頃３、前脇身頃４（前脇身頃のうちの易伸縮性生地（ａ）で構成され た部分５）、後ろ身頃６からなる胴部を有する身体に比較的タイトにフィツトさ せて着用する女性用衣料である。そしてこの態様においては、易伸縮性生地（ａ ）で構成された部分５（Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれた部分）は、 乳房カップ１の下部（Ａ−Ｅライン）に連なり衣料脇側１１から少なくとも乳房 カップ１の最下点１２をやや前中心方向に越える範囲の下胸部近傍の領域（Ａ− Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれた部分）を充当しており、Ｂ−Ｃラインで それより伸縮パワーが大きい生地からなる前脇身頃４ａと接ぎ合わされている。 すなわち易伸縮性生地（ａ）で構成された部分５は、Ａ−Ｅラインが乳房カップ １の下部の下辺の刳り２に縫着され、Ａ−Ｂラインは前中心身頃３と前脇身頃４ との境界の接ぎライン７で前中心身頃３の縁と接ぎ合わされ、Ｂ−Ｃラインで前 脇身頃４ａと接ぎ合わされ、Ｃ−Ｄラインは前脇身頃４と後ろ身頃６との境界の 接ぎライン８で後ろ身頃６の脇側縁と接ぎ合わされ、Ｄ−Ｅラインは衣料本体の 脇上縁９を構成している。この態様ではＢ点の位置はウェストより若干上の位置 になり、易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方向における平均長さが約５ｃｍ以上の 態様である。

【００３３】 図２３に、易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方向における平均長さの測定を説明 するための図１の部分拡大図を示した。易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方向にお ける平均長さは、衣料を上下方向に、すなわち地面に衣料を垂直に立てて置いた と仮定した場合（垂直ラインをｙで示した。）それと直角方向すなわち衣料の真 横方向（真横方向をラインｘで示した）にＤ点から１ｃｍづつの間隔ｓをおいて 衣料の上下方向の易伸縮性生地（ａ）の長さ（図２３ではａ、ｂ、ｃ、ｄ、ｅ） を測定し、その長さを平均した長さ、すなわちこの例では（ａ＋ｂ＋ｃ＋ｄ＋ｅ ）／５で示される。他の態様においても、易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方向に おける平均長さの測定ならびにその定義は同様の趣旨である。

【００３４】 図１、図２に示されたボディスーツは、易伸縮性生地（ａ）で構成される部分 は、前述したように、乳房カップの下部に連なり衣料脇側から乳房カップの最下 点近傍を少し衣料の前中心側に越えて延在して、衣料脇側から乳房カップの最下 点近傍を少し越える範囲の下胸部近傍の領域に存在するので、腕の上げ下げによ る脇側から下胸部近傍の皮膚の伸縮への衣料の伸縮の追従がより容易になる。そ して後述する裏側に配置される乳房カップ安定支持部片（ｂ）との組合せにより 、腕の上げ下げなどの動作によっても、乳房カップ部のずれ落ちを防止し、乳房 カップ部の位置が安定して所定位置に保たれる着崩れのないボディスーツが提供 できる。

【００３５】 次に図３は本考案の別の態様のボディスーツの正面斜め側から見た斜視図、図 ４はその背面斜め側から見た斜視図である。

【００３６】 この態様においては、易伸縮性生地（ａ）で構成された部分５（Ａ−Ｂ−Ｃ− Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれた部分）は、乳房カップ１の下部（Ａ−Ｅライン） に連なり衣料脇側１１から乳房カップ１の最下点１２までの範囲の下胸部近傍の 領域（Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれた部分）を充当しており、Ｂ− Ｃラインでそれより伸縮パワーが大きい生地からなる前脇身頃４ａと接ぎ合わさ れている。すなわち易伸縮性生地（ａ）で構成された部分５は、Ａ−Ｅラインが 乳房カップ１の下部の下辺の刳り２に縫着され、Ａ−Ｂラインは前中心身頃３と 前脇身頃４との境界の接ぎライン７で前中心身頃３の縁と接ぎ合わされ、Ｂ−Ｃ ラインで前脇身頃４ａと接ぎ合わされ、Ｃ−Ｄラインは前脇身頃４と後ろ身頃６ との境界の接ぎライン８で後ろ身頃６の脇側縁と接ぎ合わされ、Ｄ−Ｅラインは 衣料本体の脇上縁を構成している。この態様ではＢ点の位置はウェストより若干 上の位置になり、易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方向における平均長さが約５ｃ ｍ以上の態様である。

【００３７】 図３、図４に示されたボディスーツは、易伸縮性生地（ａ）で構成される部分 は、前述したように、乳房カップの下部に連なり衣料脇側から乳房カップの最下 点近傍までの範囲（図１、図２に示されたボディスーツの易伸縮性生地（ａ）よ りその面積が占める割合が小さい例。但し必要な範囲は満たしている。）の下胸 部近傍の領域に存在するので、腕の上げ下げによる脇側から下胸部近傍の皮膚の 伸縮への衣料の伸縮の追従が容易になる。そして後述する裏側に配置される乳房 カップ安定支持部片（ｂ）との組合せにより、腕の上げ下げなどの動作によって も、乳房カップ部のずれ落ちを防止し、乳房カップ部の位置が安定して所定位置 に保たれる着崩れのないボディスーツが提供できる。なお、上記で説明した以外 の部分で、図１、図２と同一の名称の部分には同一の符号を付して、重複説明は 省略した。

【００３８】 次に図５に本考案の更に別の態様のボディスーツの正面斜め側から見た斜視図 、図６にその背面斜め側から見た斜視図を示した。

【００３９】 この態様においては、易伸縮性生地（ａ）で構成された部分５は、左右両乳房 カップ１の下部の下辺部刳り２の略全長（Ａ−Ｅライン）に連なり衣料脇側１１ から乳房カップ１の最下点１２を越えて前中心２２に至る範囲の下胸部近傍の領 域、すなわち衣料脇側から前中心に至り、左右の領域が前中心で連続している範 囲の下胸部近傍の領域（Ａ−Ｅ−Ｄ−Ｃ−Ｆ−Ｂ−Ａで囲まれる領域が前中心ラ イン（図示せず、この態様ではＡ−Ｂ及び２２を通るラインとなる）を軸として 図５の左側にも左右線対称で存在する。以下、これを総称して「連続下胸部近傍 領域」と略称する。）を充当している。なお、この態様は、前中心ラインを対称 軸として左右線対称なので、以下、図５の説明では前中心ライン（図示せず）よ り図の右側部分のみ取り上げて説明するが、左側部分も前中心ラインを対称軸と して左右線対称で同様に構成されている。

【００４０】 この態様に於いて、易伸縮性生地（ａ）で構成された部分５は、下側の縁のＢ −Ｆラインで前中心身頃３の上側の縁と接ぎ合わされ、Ｆ−Ｃラインで前脇身頃 ４の上側の縁と接ぎ合わされ、Ｃ−Ｄラインで後ろ身頃６の脇側縁と接ぎ合わさ れ、Ｄ−Ｅラインは衣料本体の脇上縁を構成している。この態様ではＢ点の位置 はウェストよりやや上の位置になり、図１に示した易伸縮性生地（ａ）のＢ点の 位置より上になっている。なお、易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方向における平 均長さが約５ｃｍ以上の態様となっている。

【００４１】 図５、図６に示されたボディスーツは、易伸縮性生地（ａ）で構成される部分 は、前述したように、連続下胸部近傍領域に存在するので、腕の上げ下げによる 脇側から下胸部近傍の皮膚の伸縮への衣料の伸縮の追従が極めて容易になる。そ して後述する裏側に配置される乳房カップ安定支持部片（ｂ）との組合せにより 、腕の上げ下げなどの動作によっても、乳房カップ部のずれ落ちを防止し、乳房 カップ部の位置が安定して所定位置に保たれる着崩れのないボディスーツが提供 できる。なお、上記で説明した以外の部分で、図１、図２と同一の名称の部分に は同一の符号を付して、重複説明は省略した。

【００４２】 次に図７に本考案の更に別の態様のボディスーツの正面斜め側から見た斜視図 、図８にその背面斜め側から見た斜視図を示した。

【００４３】 この態様のボディスーツは、図５、図６に示した態様のボディスーツと、易伸 縮性生地（ａ）で構成された部分５の形状が若干異なっている点を除いては、良 く似ており、易伸縮性生地（ａ）が連続下胸部近傍領域を充当している態様の変 形態様のものである。すなわち図５、図６に示した態様のボディスーツの易伸縮 性生地（ａ）で構成された部分５の形状は前中心においてＢ点において下に凸に 突出した形状の態様であるが、図７、図８に示した態様のボディスーツの易伸縮 性生地（ａ）で構成された部分５の形状は前中心のＢ点が下に凸に突出した形状 ではなく、比較的平坦な形状になっている点が異なるのみである。

【００４４】 すなわちこの態様においては、易伸縮性生地（ａ）で構成された部分５は、左 右両乳房カップ１の下部の下辺部刳り２の略全長（Ａ−Ｅライン）に連なり衣料 脇側１１から乳房カップ１の最下点１２を越えて前中心２２に至る範囲の下胸部 近傍の領域、すなわち衣料脇側から前中心に至り、左右の領域が前中心で連続し ている範囲の下胸部近傍の領域（Ａ−Ｅ−Ｄ−Ｃ−Ｆ−Ｂ−Ａで囲まれる領域が 前中心ライン（図示せず、この態様ではＡ−Ｂ及び２２を通るラインとなる）を 軸として図７の左側にも左右線対称で存在する。すなわち前述した連続下胸部近 傍領域を充当している。なお、この態様は、前中心ラインを対称軸として左右線 対称なので、以下、図７の説明では前中心ライン（図示せず）より図の右側部分 のみ取り上げて説明するが、左側部分も前中心ラインを対称軸として左右線対称 で同様に構成されている。

【００４５】 この態様に於いて、易伸縮性生地（ａ）で構成された部分５は、下側の縁のＢ −Ｆラインで前中心身頃３の上側の縁と接ぎ合わされ、Ｆ−Ｃラインで前脇身頃 ４の上側の縁と接ぎ合わされ、Ｃ−Ｄラインで後ろ身頃６の脇側縁と接ぎ合わさ れ、Ｄ−Ｅラインは衣料本体の脇上縁を構成している。この態様ではＢ点の位置 はウェストよりやや上の位置になり、図１に示した易伸縮性生地（ａ）のＢ点や 図５に示したＢ点の位置より上になっている。なお、本態様においても易伸縮性 生地（ａ）の衣料上下方向における平均長さが約５ｃｍ以上の態様となっている 。

【００４６】 図７、図８に示されたボディスーツは、易伸縮性生地（ａ）で構成される部分 は、前述したように、連続下胸部近傍領域に存在するので、腕の上げ下げによる 脇側から下胸部近傍の皮膚の伸縮への衣料の伸縮の追従がかなり容易になる。そ して後述する裏側に配置される乳房カップ安定支持部片（ｂ）との組合せにより 、腕の上げ下げなどの動作によっても、乳房カップ部のずれ落ちを防止し、乳房 カップ部の位置が安定して所定位置に保たれる着崩れのないボディスーツが提供 できる。なお、上記で説明した以外の部分で、図１、図２と同一の名称の部分に は同一の符号を付して、重複説明は省略した。

【００４７】 次に、ボディスーツ本体の裏側に取り付けられる乳房カップ安定支持部片（ｂ ）の位置や形や取り付け態様を主として説明するために、乳房カップ安定支持部 片（ｂ）の態様について注目して図９〜図１４を用いて説明する。

【００４８】 図９〜図１４は図１に示した表側のボディスーツ本体の乳房カップの刳り２よ り下側の部分を点線で表して、裏側に取り付けられる乳房カップ安定支持部片（ ｂ）を記入した図であり、ボディスーツ本体と区別して乳房カップ安定支持部片 （ｂ）の位置や形状が容易に理解できるようにした図である。点線で表している ボディスーツ本体は、図１に示したものを代表的に転用しているが、何ら図１の ものに限られるものではなく、図３〜図８やその他の本発明の衣料であれば同様 に適用できることは容易に理解されるところである。

【００４９】 図９は本考案のボディスーツ本体の正面斜め側から見た斜視図にその裏側に取 り付けられている一態様の乳房カップ安定支持部片（ｂ）を記入した図であり、 図１０はその背面斜め側から見た斜視図に相当する図である。

【００５０】 この態様においては、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０がボディスーツの裏 側において、左右の乳房カップ１の下辺の刳り２の前中心側同士を連結し且つ左 右の乳房カップ１のそれぞれの下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）の下側を通り乳房カップ １の下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）の脇側（Ｑ側）に至り、更に衣料本体表側布の脇上 縁９ならびに後身頃の脇側縁３１を連結する部分に設けられている連続した生地 からなっている。

【００５１】 乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０は、伸びが無いか又は伸びの少ない生地か らなっていて、ボディスーツの裏側において、その上側の縁は、乳房カップ１の 下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）に縫着されており、更に衣料本体表側布の脇上縁９に沿 って縫着され、後身頃６の脇側縁３１に沿って縫着されているが、乳房カップ安 定支持部片（ｂ）３０の下側の縁３２は衣料本体表側布に縫着されていないフリ ーな縁部の状態で取り付けられている。したがって、乳房カップ安定支持部片（ ｂ）３０により、易伸縮性生地（ａ）の伸縮性を阻害せず、腕の上下運動による 易伸縮性生地（ａ）の追従伸縮機能を阻害せず、しかも乳房カップを所定の位置 に安定して保持することができる。

【００５２】 この態様においては、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０が乳房カップの下辺 の刳りの前中心側同士を連結し且つ左右の乳房カップのそれぞれの下辺の刳りの 下側を通り乳房カップの下辺の刳りの脇側に至り、更に衣料本体表側布の脇上縁 ならびに後身頃の脇側縁を連結する部分に設けられている連続した生地からなっ ているので、乳房カップを所定の位置に安定して保持する機能がより強化されて いる。しかも、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０の下側の縁３２は乳房カップ の最下点１２よりわずかに下にはみ出る程度であって、比較的乳房カップ安定支 持部片（ｂ）３０の面積が小さいので易伸縮性生地（ａ）の易伸縮機能をほとん ど阻害することなくしっかりと乳房カップを所定の位置に保持することができ、 好ましい。

【００５３】 次に図１１〜図１２を用いて、乳房カップ安定支持部片（ｂ）の別の態様を説 明する。図１１は本考案のボディスーツ本体の正面斜め側から見た斜視図にその 裏側に取り付けられている別の態様の乳房カップ安定支持部片（ｂ）を記入した 図であり、図１２はその背面斜め側から見た斜視図に相当する図である。

【００５４】 この態様においては、乳房カップ安定支持部片（ｂ）は、ボディスーツの裏側 において、左右の乳房カップ１の下辺の刳り２の前中心側（Ｐ−ＲとＰ−Ｒ′） 同士を連結している乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０ａと、左右の乳房カップ １のそれぞれの下辺の刳り２の脇側（Ｑ−Ｓ）と衣料本体表側布の脇上縁９なら びに後身頃の脇側縁３１（前脇身頃４と後ろ身頃６との境界の接ぎライン８の上 部）を連結する部分に設けられている左右線対称形の乳房カップ安定支持部片（ ｂ）３０ｂとの３つの乳房カップ安定支持部片（ｂ）から構成されている（図９ 左側の乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０ｂは図示されていない。）。

【００５５】 乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０ａならびに３０ｂは、伸びが無いか又は伸 びの少ない生地からなっていて、ボディスーツの裏側において、乳房カップ安定 支持部片（ｂ）３０ａの上側の縁は、乳房カップ１の下辺の刳り２の前中心側（ Ｐ−ＲとＰ−Ｒ′）に縫着されており、また乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０ ｂの乳房カップの下辺刳り側の縁は乳房カップ１の下辺の刳り２の脇側のＱ−Ｓ ラインに縫着されており、更に衣料本体表側布の脇上縁９に沿って縫着され、後 身頃６の脇側縁３１に沿って縫着されているが、乳房カップ安定支持部片（ｂ） ３０ａ及び３０ｂの下側の縁３２ａ及び３２ｂは衣料本体表側布に縫着されてい ないフリーな縁部となっている。したがって、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３ ０ａ及び３０ｂにより、易伸縮性生地（ａ）の伸縮性を阻害せず、腕の上下運動 による易伸縮性生地（ａ）の追従伸縮機能を阻害せず、しかも乳房カップを所定 の位置に安定して保持することができる。

【００５６】 この態様においては、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０ａ、３０ｂがボディ スーツ本体裏側において、左右の乳房カップの下辺の刳りの前中心側同士を連結 し且つ左右の乳房カップのそれぞれの下辺の刳りの脇側と衣料本体表側布の脇上 縁ならびに後身頃の脇側縁を連結する部分に設けられているので、乳房カップを 所定の位置に安定して保持する機能が発揮される。しかも、乳房カップ安定支持 部片（ｂ）３０ａと３０ｂとは必要最小限の部分に設けられており、極めて乳房 カップ安定支持部片（ｂ）３０ａと３０ｂの合計面積が小さいので易伸縮性生地 （ａ）の易伸縮機能を阻害することなく乳房カップを所定の位置に保持すること ができる。

【００５７】 次に図１３〜図１４を用いて、乳房カップ安定支持部片（ｂ）の更に別の態様 を説明する。図１３は本考案のボディスーツ本体の正面斜め側から見た斜視図に その裏側に取り付けられている更に別の態様の乳房カップ安定支持部片（ｂ）を 記入した図であり、図１４はその背面斜め側から見た斜視図に相当する図である 。

【００５８】 この態様においては、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０がボディスーツの裏 側において、左右の乳房カップ１の下辺の刳り２の前中心側同士を連結し且つ左 右の乳房カップ１のそれぞれの下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）の下側を通り乳房カップ １の下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）の脇側（Ｑ側）に至り、更に衣料本体表側布の脇上 縁９ならびに後身頃の脇側縁３１を連結する部分に設けられている連続した生地 からなっている。図９ならびに図１０に示した態様と異なる点は、図９ならびに 図１０に示した態様においては、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０の下側の縁 ３２は乳房カップの最下点１２よりわずかに下にはみ出る程度であったのに対し 、図１３ならびに図１４に示した態様においては、乳房カップ安定支持部片（ｂ ）３０の下側の縁３２は乳房カップの最下点１２よりその幅がやや広めに下には み出していることにより、乳房カップを所定の位置に保持する機能をより重視し ている点である。

【００５９】 乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０は、伸びが無いか又は伸びの少ない生地か らなっていて、ボディスーツの裏側において、その上側の縁は、乳房カップ１の 下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）に縫着されており、更に衣料本体表側布の脇上縁９に沿 って縫着され、後身頃６の脇側縁３１に沿って縫着されているが、乳房カップ安 定支持部片（ｂ）３０の下側の縁３２は衣料本体表側布に縫着されていないフリ ーな縁部の状態で取り付けられている。したがって、乳房カップ安定支持部片（ ｂ）３０により、易伸縮性生地（ａ）の伸縮性をあまり阻害せず、腕の上下運動 による易伸縮性生地（ａ）の追従伸縮機能の発揮を達成でき、しかも乳房カップ を所定の位置に十分安定して保持することができる。

【００６０】 この態様においては、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０が乳房カップの下辺 の刳りの前中心側同士を連結し且つ左右の乳房カップのそれぞれの下辺の刳りの 下側を通り乳房カップの下辺の刳りの脇側に至り、更に衣料本体表側布の脇上縁 ならびに後身頃の脇側縁を連結する部分に設けられている連続した生地からなっ ていて、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０の下側の縁３２は乳房カップの最下 点１２よりその幅がやや広めに下にはみ出していることにより、乳房カップを所 定の位置に安定して保持する機能が十分強化されている。しかも、乳房カップ安 定支持部片（ｂ）３０の下側の縁３２は衣料本体表側布に縫着されていないフリ ーな縁部の状態になっているので、易伸縮性生地（ａ）の易伸縮機能を強く阻害 することなく極めて安定的に乳房カップを所定の位置に保持することができる。

【００６１】 以上、ボディスーツについて図１〜図２、図３〜図４、図５〜図６、図７〜図 ８に本考案のボディスーツの表側に表れているボディスーツ本体、特に易伸縮性 生地（ａ）の各種の態様のものを示し、また、図９〜図１０、図１１〜図１２、 図１３〜図１４にこれらのボディスーツ本体の裏側に取り付けられる乳房カップ 安定支持部片（ｂ）の各種の態様のものを示した。本考案は、実施の態様例にお いては、図１〜図２、図３〜図４、図５〜図６、図７〜図８のいずれかのボディ スーツ本体と、図９〜図１０、図１１〜図１２、図１３〜図１４に示されたいず れの乳房カップ安定支持部片（ｂ）の組合せにおいても本考案のボディスーツが 実現できる。これらの組合せについては、それぞれの実施の態様で説明した特性 の説明から、どれとどれの組合せにしたら、どのような効果が発揮されるかは、 容易に理解されるところである。強いてその特性の傾向を再度説明するならば、 易伸縮性生地（ａ）で構成される部分の面積が大きければ大きいほど、腕の上げ 下げによる運動追従性は良くなるが、乳房カップ部を所定位置に安定して保持す る機能は下降気味の傾向になる。一方、乳房カップ安定支持部片（ｂ）部分の面 積が大きければ大きいほど、乳房カップ部を所定位置に安定して保持する機能は 向上するが、腕の上げ下げによる運動追従性機能は若干下降気味の傾向になる。 したがって、どの程度の運動追従性機能と乳房カップ部安定保持機能とを発現さ せたいかによって、適宜の組合せを選定すれば良い。なお、もちろん、上記に図 示された態様は一部の少数の態様であるから、本考案は、これら図示された態様 の組み合わせのみに限定されるものではない。強いて最も好ましい組合せ態様を 示すならば、図１〜図２に示された易伸縮性生地（ａ）で構成される部分の態様 と、図９〜図１０に示された乳房カップ安定支持部片（ｂ）との組合せが、腕の 上げ下げによる易伸縮性生地（ａ）の運動追従機能と乳房カップ部安定保持機能 とをバランス良く発現でき、好ましい組合せの一つと言える。

【００６２】 なお、上述した各種態様のボディスーツにおいては、例えば胃から下腹部の形 を整えるためのお腹押さえとして、そこに相当する部分に充当される生地を、伸 縮性が小さいか又は少なくとも衣料横方向には伸縮性が小さい生地とするか、あ るいは伸縮性の生地で作られた前身頃ないし前中心身頃の裏側ないし表側に前述 した伸縮性が小さいか又は少なくとも衣料横方向には伸縮性が小さい生地を当て 布として用いても良いことはもちろんである。また、例えばボディスーツにおい て、ヒップアップ機能などヒップの形状を整える機能を強化するため、ヒップの 下側から脇側にかけての部分の伸縮パワーを強くしたり、伸びの小さい生地を裏 打ちするなどの手段を更に採用しても良いことはもちろんである。

【００６３】 次に図１５〜図１８を用いて、本考案の女性用衣料であるボディセパレートに ついて説明する。ボディセパレートは、例えば図１〜図２に示したボディスーツ のクロッチ部分が存在せず、裾の部分がタイトスカートの如く左右の両脚の間を 隔てるクロッチなどのない態様にした身体に比較的タイトにフィツトさせて着用 する体型補正機能を有する女性用衣料である。

【００６４】 図１５はボディセパレートにおける易伸縮性生地（ａ）の位置や形の態様を主 として説明するために記載した本考案のボディセパレートの正面斜め側から見た 斜視図、図１６はその背面斜め側から見た斜視図であり、図１７は図１６に示し た表側のボディセパレート本体の乳房カップの刳り２より下側の部分を点線で表 して、裏側に取り付けられる乳房カップ安定支持部片（ｂ）を記入した図であり 、図１８はその背面斜め側から見た斜視図である。

【００６５】 図１５及び図１６において、１は乳房カップ、２は乳房カップの下辺の刳り、 ３は前中心身頃、４は前脇身頃、５は前脇身頃のうちの易伸縮性生地（ａ）で構 成された部分、４ａは前脇身頃４のうちの易伸縮性生地（ａ）で構成された部分 以外の部分、６は後ろ身頃、７は前中心身頃３と前脇身頃４との境界の接ぎライ ン、８は前脇身頃４と後ろ身頃６との境界の接ぎライン、９は衣料本体の脇上縁 、１０は左右の後ろ身頃６、６の後ろ中心における接ぎライン、１１は易伸縮性 生地（ａ）の衣料脇側部分、１２は乳房カップの最下点、２０は肩紐を示してい る。

【００６６】 図１５、図１６に示したボディセパレートは、乳房カップ１と、その下に連な り伸縮性生地からなる部分を含みウェストを経由して腹部と臀部をカバーする前 中心身頃３、前脇身頃４（前脇身頃のうちの易伸縮性生地（ａ）で構成された部 分５）、後ろ身頃６からなる胴部を有する身体に比較的タイトにフィツトさせて 着用する女性用衣料である。そしてこの態様においては、易伸縮性生地（ａ）で 構成された部分５（Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれた部分）は、乳房 カップ１の下部（Ａ−Ｅライン）に連なり衣料脇側１１から少なくとも乳房カッ プ１の最下点１２をやや前中心方向に越える範囲の下胸部近傍の領域（Ａ−Ｂ− Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれた部分）を充当しており、Ｂ−Ｃラインでそれ より伸縮パワーが大きい生地からなる前脇身頃４ａと接ぎ合わされている。すな わち易伸縮性生地（ａ）で構成された部分５は、Ａ−Ｅラインが乳房カップ１の 下部の下辺の刳り２に縫着され、Ａ−Ｂラインは前中心身頃３と前脇身頃４との 境界の接ぎライン７で前中心身頃３の縁と接ぎ合わされ、Ｂ−Ｃラインで前脇身 頃４ａと接ぎ合わされ、Ｃ−Ｄラインは前脇身頃４と後ろ身頃６との境界の接ぎ ライン８で後ろ身頃６の脇側縁と接ぎ合わされ、Ｄ−Ｅラインは衣料本体の脇上 縁９を構成している。この態様ではＢ点の位置はウェストより若干上の位置にな り、易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方向における平均長さが約５ｃｍ以上の態様 である。（ボディスーツにおいて、図１〜図２で示したと同様の態様である。） 次に上記本考案のボディセパレート本体の裏側に取り付けられている乳房カッ プ安定支持部片（ｂ）について説明する。

【００６７】 図１７は本考案のボディセパレート本体の正面斜め側から見た斜視図にその裏 側に取り付けられている一態様の乳房カップ安定支持部片（ｂ）を記入した図で あり、図１８はその背面斜め側から見た斜視図に相当する図である。

【００６８】 この態様においては、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０がボディセパレート の裏側において、左右の乳房カップ１の下辺の刳り２の前中心側同士を連結し且 つ左右の乳房カップ１のそれぞれの下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）の下側を通り乳房カ ップ１の下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）の脇側（Ｑ側）に至り、更に衣料本体表側布の 脇上縁９ならびに後身頃の脇側縁３１を連結する部分に設けている連続した生地 からなっている。

【００６９】 乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０は、伸びが無いか又は伸びの少ない生地か らなっていて、ボディセパレートの裏側において、その上側の縁は、乳房カップ １の下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）に縫着されており、更に衣料本体表側布の脇上縁９ に沿って縫着され、後身頃６の脇側縁３１に沿って縫着されているが、乳房カッ プ安定支持部片（ｂ）３０の下側の縁３２は衣料本体表側布に縫着されていない フリーな縁部の状態で取り付けられている。したがって、乳房カップ安定支持部 片（ｂ）３０により、易伸縮性生地（ａ）の伸縮性を阻害せず、腕の上下運動に よる易伸縮性生地（ａ）の追従伸縮機能を阻害せず、しかも乳房カップを所定の 位置に安定して保持することができる。

【００７０】 この態様のボディセパレートにおいては、易伸縮性生地（ａ）で構成される部 分は、前述したように、乳房カップの下部に連なり衣料脇側から乳房カップの最 下点近傍を少し衣料の前中心側に越えて延在して、衣料脇側から乳房カップの最 下点近傍を少し越える範囲の下胸部近傍の領域に存在するので、腕の上げ下げに よる脇側から下胸部近傍の皮膚の伸縮への衣料の伸縮の追従がより容易になる。 そして、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０が乳房カップの下辺の刳りの前中心 側同士を連結し且つ左右の乳房カップのそれぞれの下辺の刳りの下側を通り乳房 カップの下辺の刳りの脇側に至り、更に衣料本体表側布の脇上縁ならびに後身頃 の脇側縁を連結する部分に設けている連続した生地からなっているので、乳房カ ップを所定の位置に安定して保持する機能がより強化されている。しかも、乳房 カップ安定支持部片（ｂ）３０の下側の縁３２は乳房カップの最下点１２よりわ ずかに下にはみ出る程度であって、比較的乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０の 面積が小さいので易伸縮性生地（ａ）の易伸縮機能をほとんど阻害することなく しっかりと乳房カップを所定の位置に保持することができ、好ましい。

【００７１】 図１５〜図１８を用いて、本考案の女性用衣料であるボディセパレートの一実 施の形態について説明したが、図１〜図２、図３〜図４、図５〜図６、図７〜図 ８のいずれかに示された本考案のボディスーツの表側に表れているボディスーツ 本体と同様の易伸縮性生地（ａ）の各種の態様が本考案のボディセパレートに適 用でき、また、図９〜図１０、図１１〜図１２、図１３〜図１４のいずれかに示 されたボディスーツ本体の裏側に取り付けられる乳房カップ安定支持部片（ｂ） の各種の態様が本考案のボディセパレートにも適用でき、したがってこれらの各 種の態様の易伸縮性生地（ａ）と乳房カップ安定支持部片（ｂ）の各種の組合せ が本考案のボディセパレートに適用できることは明らかである。

【００７２】 なお、上述した各種態様のボディセパレートにおいては、例えば胃から下腹部 の形を整えるためのお腹押さえとして、そこに相当する部分に充当される生地を 、伸縮性が小さいか又は少なくとも衣料横方向には伸縮性が小さい生地とするか 、あるいは伸縮性の生地で作られた前身頃ないし前中心身頃の裏側ないし表側に 前述した伸縮性が小さいか又は少なくとも衣料横方向には伸縮性が小さい生地を 当て布として用いても良いことはもちろんである。また、例えばボディセパレー トにおいて、ヒップアップ機能などヒップの形状を整える機能を強化するため、 ヒップの下側から脇側にかけての部分の伸縮パワーを強くしたり、伸びの小さい 生地を裏打ちするなどの手段を更に採用しても良いことはもちろんである。

【００７３】 次に図１９〜図２２を用いて、本考案の女性用衣料であるロングタイプのブラ ジャー（ロングブラジャーとか、ロングラインブラジャーとも称される。）につ いて説明する。ロングブラジャーは、例えば図１〜図２に示したボディスーツを ウェストライン近傍でカットしたような形状の衣料であり、ウェストライン近傍 より下側が存在しない形状の身体に比較的タイトにフィツトさせて着用する女性 用衣料である。

【００７４】 図１９はロングブラジャーにおける易伸縮性生地（ａ）の位置や形の態様を主 として説明するために記載した本考案のロングブラジャーの正面斜め側から見た 斜視図、図２０はその背面斜め側から見た斜視図であり、図２１は図１９に示し た表側のロングブラジャー本体の乳房カップの刳り２より下側の部分を点線で表 して、裏側に取り付けられる乳房カップ安定支持部片（ｂ）を記入した図であり 、図２２はその背面斜め側から見た斜視図である。

【００７５】 図１９及び図２０において、１は乳房カップ、２は乳房カップの下辺の刳り、 ３は前中心身頃、４は前脇身頃、５は前脇身頃のうちの易伸縮性生地（ａ）で構 成された部分、４ａは前脇身頃４のうちの易伸縮性生地（ａ）で構成された部分 以外の部分、６は後ろ身頃、７は前中心身頃３と前脇身頃４との境界の接ぎライ ン、８は前脇身頃４と後ろ身頃６との境界の接ぎライン、９は衣料本体の脇上縁 、１０は左右の後ろ身頃６、６の後ろ中心における接ぎライン、１１は易伸縮性 生地（ａ）の衣料脇側部分、１２は乳房カップの最下点、２０は肩紐を示してい る。

【００７６】 図１９、図２０に示したロングブラジャーは、乳房カップ１と、その下に連な り伸縮性生地からなる部分を含みウェストまでの前側の部分をカバーする前中心 身頃３、前脇身頃４（前脇身頃のうちの易伸縮性生地（ａ）で構成された部分５ ）、後ろ身頃６からなる胴部を有する身体に比較的タイトにフィツトさせて着用 する女性用衣料である。そしてこの態様においては、易伸縮性生地（ａ）で構成 された部分５（Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれた部分）は、乳房カッ プ１の下部（Ａ−Ｅライン）に連なり衣料脇側１１から少なくとも乳房カップ１ の最下点１２をやや前中心方向に越える範囲の下胸部近傍の領域（Ａ−Ｂ−Ｃ− Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれた部分）を充当しており、Ｂ−Ｃラインでそれより 伸縮パワーが大きい生地からなる前脇身頃４ａと接ぎ合わされている。すなわち 易伸縮性生地（ａ）で構成された部分５は、Ａ−Ｅラインが乳房カップ１の下部 の下辺の刳り２に縫着され、Ａ−Ｂラインは前中心身頃３と前脇身頃４との境界 の接ぎライン７で前中心身頃３の縁と接ぎ合わされ、Ｂ−Ｃラインで前脇身頃４ ａと接ぎ合わされ、Ｃ−Ｄラインは前脇身頃４と後ろ身頃６との境界の接ぎライ ン８で後ろ身頃６の脇側縁と接ぎ合わされ、Ｄ−Ｅラインは衣料本体の脇上縁９ を構成している。この態様ではＢ点の位置はウェストより若干上の位置になり、 易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方向における平均長さが約５ｃｍ以上の態様であ る。（ボディスーツにおいて、図１〜図２で示したと同様の態様である。） 次に上記本考案のロングブラジャー本体の裏側に取り付けられている乳房カッ プ安定支持部片（ｂ）について説明する。

【００７７】 図２１は本考案のロングブラジャー本体の正面斜め側から見た斜視図にその裏 側に取り付けられている一態様の乳房カップ安定支持部片（ｂ）を記入した図で あり、図２２はその背面斜め側から見た斜視図に相当する図である。

【００７８】 この態様においては、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０がロングブラジャー の裏側において、左右の乳房カップ１の下辺の刳り２の前中心側同士を連結し且 つ左右の乳房カップ１のそれぞれの下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）の下側を通り乳房カ ップ１の下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）の脇側（Ｑ側）に至り、更に衣料本体表側布の 脇上縁９ならびに後身頃の脇側縁３１を連結する部分に設けている連続した生地 からなっている。

【００７９】 乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０は、伸びが無いか又は伸びの少ない生地か らなっていて、ロングブラジャーの裏側において、その上側の縁は、乳房カップ １の下辺の刳り２（Ｐ−Ｑ）に縫着されており、更に衣料本体表側布の脇上縁９ に沿って縫着され、後身頃６の脇側縁３１に沿って縫着されているが、乳房カッ プ安定支持部片（ｂ）３０の下側の縁３２は衣料本体表側布に縫着されていない フリーな縁部の状態で取り付けられている。したがって、乳房カップ安定支持部 片（ｂ）３０により、易伸縮性生地（ａ）の伸縮性を阻害せず、腕の上下運動に よる易伸縮性生地（ａ）の追従伸縮機能を阻害せず、しかも乳房カップを所定の 位置に安定して保持することができる。

【００８０】 この態様のロングブラジャーにおいては、易伸縮性生地（ａ）で構成される部 分は、前述したように、乳房カップの下部に連なり衣料脇側から乳房カップの最 下点近傍を少し衣料の前中心側に越えて延在して、衣料脇側から乳房カップの最 下点近傍を少し越える範囲の下胸部近傍の領域に存在するので、腕の上げ下げに よる脇側から下胸部近傍の皮膚の伸縮への衣料の伸縮の追従がより容易になる。 そして、乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０が乳房カップの下辺の刳りの前中心 側同士を連結し且つ左右の乳房カップのそれぞれの下辺の刳りの下側を通り乳房 カップの下辺の刳りの脇側に至り、更に衣料本体表側布の脇上縁ならびに後身頃 の脇側縁を連結する部分に設けられている連続した生地からなっているので、乳 房カップを所定の位置に安定して保持する機能がより強化されている。しかも、 乳房カップ安定支持部片（ｂ）３０の下側の縁３２は乳房カップの最下点１２よ りわずかに下にはみ出る程度であって、比較的乳房カップ安定支持部片（ｂ）３ ０の面積が小さいので易伸縮性生地（ａ）の易伸縮機能をほとんど阻害すること なくしっかりと乳房カップを所定の位置に保持することができ、好ましい。

【００８１】 図１９〜図２２を用いて、本考案の女性用衣料であるロングブラジャーの一実 施の形態について説明したが、図１〜図２、図３〜図４、図５〜図６、図７〜図 ８のいずれかに示された本考案のボディスーツの表側に表れているボディスーツ 本体と同様の易伸縮性生地（ａ）の各種の態様が本考案のロングブラジャーに適 用でき、また、図９〜図１０、図１１〜図１２、図１３〜図１４のいずれかに示 されたボディスーツ本体の裏側に取り付けられる乳房カップ安定支持部片（ｂ） の各種の態様が本考案のロングブラジャーにも適用でき、したがってこれらの各 種の態様の易伸縮性生地（ａ）と乳房カップ安定支持部片（ｂ）の各種の組合せ が本考案のロングブラジャーに適用できることは明らかである。

【００８２】 以上、図面を引用しながら本考案のボディスーツ、ボディセパレート、ロング ブラジャーの実施の形態について説明したが、本考案はこれらのみに限定される ものではなく、その他レオタード、水着など、乳房カップと、その下に連なり伸 縮性生地からなる部分を含み少なくともほぼウェスト上部近傍までをカバーする 胴部を有し、身体に比較的タイトにフィツトさせて着用する女性用各種衣料にも 適用できることは明らかである。

【００８３】

【考案の効果】

以上説明した通り、（１）本考案の女性用衣料は、乳房カップと、その下に連 なり伸縮性生地からなる部分を含み少なくともほぼウェスト上部近傍までをカバ ーする胴部を有する身体に比較的タイトにフィツトさせて着用する女性用衣料で あって、前記女性用衣料の乳房カップの下部に連なり衣料脇側から少なくとも乳 房カップの最下点近傍までの範囲の下胸部近傍の領域を他の部分より容易に伸縮 する易伸縮性生地（ａ）で構成し、当該衣料裏側において、少なくとも左右の乳 房カップの下辺の刳りの前中心側同士を連結し且つ左右の乳房カップのそれぞれ の下辺の刳りの少なくとも脇側と衣料本体表側布の脇上縁ならびに後身頃の脇側 縁を連結する伸びが無いか又は伸びの少ない生地からなる乳房カップ安定支持部 片（ｂ）が設けられており、前記乳房カップ安定支持部片（ｂ）の下側の縁は衣 料本体表側布に縫着されていないフリーな縁部となっているので、腕の上げ下げ などの動作によっても、衣料の必要部分が比較的よく追従し、しかも乳房カップ 部のずれ落ちを防止し、乳房カップ部の位置が安定して所定位置に保たれるよう にした身体に比較的タイトにフィツトさせて着用する女性用衣料を提供できる。

【００８４】 （２）また、本考案の女性用衣料において、易伸縮性生地（ａ）が、乳房カッ プの下部に連なり衣料脇側から乳房カップの最下点近傍を少なくとも越える範囲 の下胸部近傍の領域を構成している本考案の好ましい態様とすることにより、腕 の上げ下げによる脇側から下胸部近傍の皮膚の伸縮への衣料の伸縮の追従がより 容易になる。したがって運動による乳房カップ部の所定位置からのずれをより少 なくでき、また乳房カップ安定支持部片（ｂ）の作用により、乳房カップ部のず れ落ちを防止し、乳房カップ部の位置が安定して所定位置に保つことができ好ま しい。

【００８５】 （３）また、本考案の女性用衣料において、易伸縮性生地（ａ）が、乳房カッ プの下部に連なり衣料脇側から前中心に至る範囲の下胸部近傍の領域を構成して いる態様とすることにより、腕の上げ下げによる脇側から下胸部近傍の皮膚の伸 縮への衣料の伸縮の追従がかなり容易になる。したがって運動による乳房カップ 部の所定位置からのずれを比較的少なくでき、また乳房カップ安定支持部片（ｂ ）の作用により、乳房カップ部のずれ落ちを防止し、乳房カップ部の位置が安定 して所定位置に保つことができる女性用衣料が提供できる。

【００８６】 （４）また、本考案の女性用衣料において、易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方 向の平均長さが約５ｃｍ以上である本考案の好ましい態様とすることにより、腕 の上げ下げによる脇側から下胸部近傍の皮膚の伸縮への衣料の伸縮の追従がより 容易になる。したがって運動による乳房カップ部の所定位置からのずれをより少 なくでき、また乳房カップ安定支持部片（ｂ）の作用により、乳房カップ部のず れ落ちを防止し、乳房カップ部の位置が安定して所定位置に保つことができ好ま しい。

【００８７】 （５）また、本考案の女性用衣料において、乳房カップ安定支持部片（ｂ）の 合計面積が合計面積より小さい本考案の好ましい態様とすることにより、易伸縮 性生地（ａ）の伸縮性による運動追従機能へ及ぼす影響を少なくすることができ 好ましい。

【００８８】 （６）また、本考案の女性用衣料において、乳房カップ安定支持部片（ｂ）が 乳房カップの下辺の刳りの前中心側同士を連結し且つ左右の乳房カップのそれぞ れの下辺の刳りの下側を通り乳房カップの下辺の刳りの脇側に至り、更に衣料本 体表側布の脇上縁ならびに後身頃の脇側縁を連結している連続した生地からなる 本考案の好ましい態様とすることにより、乳房カップを所定の位置に安定して保 持する機能がより強化され、好ましい。

【００８９】 （７）また、本考案の女性用衣料において、易伸縮性生地（ａ）がストレッチ メッシュ状編物又はツーウェイトリコットである本考案の好ましい態様とするこ とにより、これらの生地は、小さい応力で比較的容易に伸縮できる生地を容易に 得ることが出来好ましく、特にメッシュ状編物は伸縮パワーをかなり小さくでき 、また、通気性も特に良好で好ましい。

【００９０】 （８）また、本考案の女性用衣料において、乳房カップ安定支持部片（ｂ）が 、マーキゼットからなる本考案の好ましい態様とすることにより、マーキゼット は、非伸縮性で左右の乳房カップを安定的に連結、保持でき、乳房カップ安定支 持性に優れるとともに、薄い編物であるので肌触りがよく、身体になじみやすく 、易伸縮性生地（ａ）の裏側に使用しても、厚みがでることがなく、着用者のシ ルエットラインもスムーズになり極めて好ましい。

【００９１】 （９）また、本考案の女性用衣料において、女性用衣料が、ボディスーツ、ボ ディセパレート、ロングブラジャー、レオタード、水着から選ばれた衣料である 本考案の好ましい態様とすることにより、これらの衣料は、着用者の肌に直接接 するか、比較的肌に近い側にタイトにフィットさせて着用する女性用衣料であり 、本発明の機能が効率的に発揮され好ましい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のボディスーツの正面斜め側から見た斜
視図。

【図２】図１のボディスーツの背面斜め側から見た斜視
図。

【図３】本考案の別の態様のボディスーツの正面斜め側
から見た斜視図。

【図４】図３のボディスーツの背面斜め側から見た斜視
図。

【図５】本考案の更に別の態様のボディスーツの正面斜
め側から見た斜視図。

【図６】図５のボディスーツの背面斜め側から見た斜視
図。

【図７】本考案の更に別の態様のボディスーツの正面斜
め側から見た斜視図。

【図８】図７のボディスーツの背面斜め側から見た斜視
図。

【図９】本考案のボディスーツ本体の正面斜め側から見
た斜視図にその裏側に取り付けられている一態様の乳房
カップ安定支持部片（ｂ）を記入した図。

【図１０】図９の背面斜め側から見た斜視図。

【図１１】本考案のボディスーツ本体の正面斜め側から
見た斜視図にその裏側に取り付けられている別の態様の
乳房カップ安定支持部片（ｂ）を記入した図。

【図１２】図１１の背面斜め側から見た斜視図。

【図１３】本考案のボディスーツ本体の正面斜め側から
見た斜視図にその裏側に取り付けられている更に別の態
様の乳房カップ安定支持部片（ｂ）を記入した図。

【図１４】図１３の背面斜め側から見た斜視図。

【図１５】本考案のボディセパレートの正面斜め側から
見た斜視図。

【図１６】図１５のボディセパレートの背面斜め側から
見た斜視図。

【図１７】図１５の本考案のボディセパレート本体の正
面斜め側から見た斜視図にその裏側に取り付けられてい
る一態様の乳房カップ安定支持部片（ｂ）を記入した
図。

【図１８】図１７の背面斜め側から見た斜視図。

【図１９】本考案のロングブラジャーの正面斜め側から
見た斜視図。

【図２０】図１９のロングブラジャーの背面斜め側から
見た斜視図。

【図２１】図１９の本考案のロングブラジャー本体の正
面斜め側から見た斜視図にその裏側に取り付けられてい
る一態様の乳房カップ安定支持部片（ｂ）を記入した
図。

【図２２】図２１の背面斜め側から見た斜視図。

【図２３】易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方向における
平均長さの測定を説明するための図１の部分拡大図。

【符号の説明】

１ 乳房カップ ２ 乳房カップの下辺の刳り ３ 前中心身頃 ４ 前脇身頃 ４ａ 前脇身頃４のうちの易伸縮性生地（ａ）で構成さ
れた部分以外の部分 ５ 易伸縮性生地（ａ）で構成された部分 ６ 後ろ身頃 ７ 前中心身頃３と前脇身頃４との境界の接ぎライン ８ 前脇身頃４と後ろ身頃６との境界の接ぎライン ９ 衣料本体の脇上縁 １０ 左右の後ろ身頃６、６の後ろ中心における接ぎラ
イン １１ 易伸縮性生地（ａ）の衣料脇側部分 １２ 乳房カップの最下点 ２０ 肩紐 ２１ クロッチ ２２ 前中心 ３０、３０ａ、３０ｂ 乳房カップ安定支持部片（ｂ） ３１ 後身頃６の脇側縁 ３２、３２ａ、３２ｂ 乳房カップ安定支持部片（ｂ）
の下側の縁

フロントページの続き (72)考案者 高木 映子 京都府京都市南区吉祥院中島町29番地 株 式会社 ワコール内 (72)考案者 坂田 昌代 京都府京都市南区吉祥院中島町29番地 株 式会社 ワコール内

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 乳房カップと、その下に連なり伸縮性生
   地からなる部分を含み少なくともほぼウェスト上部近傍
   までをカバーする胴部を有する身体に比較的タイトにフ
   ィツトさせて着用する女性用衣料であって、前記女性用
   衣料の乳房カップの下部に連なり衣料脇側から少なくと
   も乳房カップの最下点近傍までの範囲の下胸部近傍の領
   域を他の部分より容易に伸縮する易伸縮性生地（ａ）で
   構成し、当該衣料裏側において、少なくとも左右の乳房
   カップの下辺の刳りの前中心側同士を連結し且つ左右の
   乳房カップのそれぞれの下辺の刳りの少なくとも脇側と
   衣料本体表側布の脇上縁ならびに後身頃の脇側縁を連結
   する伸びが無いか又は伸びの少ない生地からなる乳房カ
   ップ安定支持部片（ｂ）が設けられており、前記乳房カ
   ップ安定支持部片（ｂ）の下側の縁は衣料本体表側布に
   縫着されていないフリーな縁部であることを特徴とする
   女性用衣料。
2. 【請求項２】 易伸縮性生地（ａ）が、乳房カップの下
   部に連なり衣料脇側から乳房カップの最下点近傍を少な
   くとも越える範囲の下胸部近傍の領域を構成している請
   求項１記載の女性用衣料。
3. 【請求項３】 易伸縮性生地（ａ）が、乳房カップの下
   部に連なり衣料脇側から前中心に至る範囲の下胸部近傍
   の領域を構成している請求項１記載の女性用衣料。
4. 【請求項４】 易伸縮性生地（ａ）の衣料上下方向の平
   均長さが約５ｃｍ以上である請求項１〜３のいずれかに
   記載の女性用衣料。
5. 【請求項５】 乳房カップ安定支持部片（ｂ）の合計面
   積が易伸縮性生地（ａ）の合計面積より小さい請求項１
   〜４のいずれかに記載の女性用衣料。
6. 【請求項６】 乳房カップ安定支持部片（ｂ）が乳房カ
   ップの下辺の刳りの前中心側同士を連結し且つ左右の乳
   房カップのそれぞれの下辺の刳りの下側を通り乳房カッ
   プの下辺の刳りの脇側に至り、更に衣料本体表側布の脇
   上縁ならびに後身頃の脇側縁を連結している連続した生
   地からなる請求項５に記載の女性用衣料。
7. 【請求項７】 易伸縮性生地（ａ）がストレッチメッシ
   ュ状編物又はツーウェイトリコットである請求項１〜６
   のいずれかに記載の女性用衣料。
8. 【請求項８】 乳房カップ安定支持部片（ｂ）が、マー
   キゼットからなる請求項１〜８のいずれかに記載の女性
   用衣料。
9. 【請求項９】 女性用衣料が、ボディスーツ、ボディセ
   パレート、ロングブラジャー、レオタード、水着から選
   ばれた衣料である請求項１〜８のいずれかに記載の女性
   用衣料。