JP3076526U - 容器カッター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペットボトル等の容器を分断により減容化す
ることで減容化率を高め、それによって、回収時に効率
的に運搬し得ると共に回収後のリサイクル工程における
処理作業を軽減し得るようにした容器カッターを提供す
る 【解決手段】 被切断容器４壁面に当接される開口縁１
ａを備えた、把持可能な柄体１と、先鋭な刃先２ａとそ
れに続く刃部２ｂを備え、刃部２ｂが柄体１の開口縁１
ａ内側に収容される位置から柄体１の開口縁１ａ外側に
起立する位置まで揺動可能に柄体１に支承されたナイフ
体２と、柄体１とナイフ体２との間に介設され、刃部２
ｂが柄体１の開口縁１ａ内側に収容される方向にナイフ
体２を常時付勢するばね体７と、柄体１を把持しつつ操
作可能に配置され、ナイフ体２を、刃部２ｂが柄体１の
開口縁１ａ外側に起立する位置まで、ばね体７の付勢力
に抗して揺動させるナイフ体操作部材（従動歯車８、原
動歯車９）とから構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として、ペットボトル等の容器の回収に先立って、それらの容器 を適宜の大きさに分断することにより、容器全体の容積を減少させて回収時にお ける効率的な運搬を可能にすると共に、その後のリサイクル工程における処理作 業を軽減させるために好適に使用し得る容器カッターに関する。

【０００２】

【従来の技術】

清涼飲料水その他の容器として使用されるペットボトルは、周知のようにＰＥ Ｔ（ポリエチレンテレフタレート）樹脂からなり、繊維製品、射出成形品、包装 材等に再利用が可能である。

【０００３】 このようなペットボトルは、回収時に効率的に運搬し得るように容積を小さく しておくことが要求され、現状では人力や専用機により圧縮、減容化され、回収 に供されている。 しかしながら、圧縮、即ち押し潰しにより減容化する方法では、操作が手軽で ある反面、圧縮後に若干復元することもあって、減容化率が元の容積の１／３程 度に止まるものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、ペットボトル等の容器を分断により減容化することで減容化 率を高め、それによって、回収時に効率的に運搬し得ると共に回収後のリサイク ル工程における処理作業を軽減し得るようにした容器カッターを提供することに ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る容器カッターは、被切断容器壁面に当接される開口縁を備えた、 把持可能な柄体と、先鋭な刃先とそれに続く刃部を備え、刃部が柄体の開口縁内 側に収容される位置から柄体の開口縁外側に起立する位置まで揺動可能に柄体に 支承されたナイフ体と、柄体とナイフ体との間に介設され、刃部が柄体の開口縁 内側に収容される方向にナイフ体を常時付勢するばね体と、柄体を把持しつつ操 作可能に配置され、ナイフ体を、刃部が柄体の開口縁外側に起立する位置まで、 ばね体の付勢力に抗して揺動させるナイフ体操作部材とからなるものである。

【０００６】 前記容器カッターでは、その使用前は、ナイフ体の刃部がばね体の付勢力によ り柄体の開口縁内側に収容されている。被切断容器の切断に際しては、容器カッ ターにおけるナイフ体操作部材の駆動操作により、ナイフ体を、その刃部が柄体 の開口縁内側に収容される位置から柄体の開口縁外側に起立する位置まで、ばね 体の付勢力に抗して揺動させる。

【０００７】 被切断容器の切断手順として、例えば、被切断容器を、前記容器カッターによ り、比較的肉厚で硬い底部及び肩部と比較的柔らかい胴部とに輪切りにより分断 し、さらに胴部を軸線方向に切断して複数片に分断してもよい。胴部における前 記軸線方向の切断により、胴部周囲に時として被覆されている熱収縮性フィルム 等も容易に取り外すことができる。 また、被切断容器の口部に螺合されている再処理困難なキャップ部については 、キャップ部を普通に回して取り外す以外に、被切断容器の口部をキャップ螺合 状態のまま前記容器カッターにより輪切りして切り落とし、非再処理域に分別す ることもできる。

【０００８】 前記ナイフ体操作部材は、例えば、ナイフ体にその揺動を可能にするように連 結された操作レバー部材であってもよく、或いは、ナイフ体の揺動軸を中心にナ イフ体と一体に回転可能に柄体に支承された従動歯車と、従動歯車と連動回転可 能に柄体に支承されると共に柄体を把持しつつ回転操作可能に配置された原動歯 車とからなるものであってもよい。

【０００９】 ナイフ体操作部材が前記のような従動歯車と原動歯車とからなる場合、原動歯 車を所要方向に回転駆動することにより従動歯車が回転させられ、それによって 、ナイフ体を、その刃部が柄体の開口縁外側に起立する位置まで、ばね体の付勢 力に抗して揺動させることができる。原動歯車の前記回転操作は、原動歯車を指 等で直接回転駆動してもよく、或いは操作レバー等を介して間接的に回転駆動す ることもできる。また、従動歯車と原動歯車との間に、それらと噛合可能に中間 歯車が介設されていてもよい。前記従動歯車は、ナイフ体と別体に設けられても よく、或いはナイフ体自体に刻設されてなるものでもよい。

【００１０】 前記状態において、ナイフ体を、柄体の開口縁が被切断容器壁面に当接される まで、その刃先から被切断容器壁体に貫通させ、その後にナイフ体操作部材の操 作を解除すると、被切断容器壁体は、ばね体の付勢力により、ナイフ体の刃部と 柄体の開口縁とでＶ字状に挟圧された状態になる。

【００１１】 前記状態において、柄体の開口縁を被切断容器壁面に当接させつつ、容器カッ ターをナイフ体の刃部が被切断容器壁体に食い込む方向に相対的に移動させるこ とにより、被切断容器壁体は、ナイフ体の刃部により順次切断される。その場合 、ナイフ体の刃部は、切断に伴う被切断容器壁体からの反力とばね体の付勢力と のバランスに応じた角度で柄体の開口縁外側に起立するが、被切断容器壁体から の反力がばね体の付勢力に比して大きいとき、ナイフ体の刃部は、柄体の開口縁 外側に最大の角度で起立した状態となる。なお、前記ナイフ体は、被切断容器壁 体の切断後、被切断容器から離脱すると同時に、ばね体の付勢力により、刃部が 柄体の開口縁内側に収容される位置に自動的に復帰する。

【００１２】 前記柄体の開口縁は、直線状であってもよいが、切断に際して、被切断容器壁 面に円滑に当接し得るように円弧状に凹設されてなるものが好ましい。

【００１３】

【考案の実施の形態】

図１は本考案の実施例に係る容器カッターの内部断面図、図２は図１に示す容 器カッターの切断状態下における内部断面図である。

【００１４】 同図において、柄体１に、ナイフ体２がその基部においてナイフ軸３を介して 支承されている。柄体１は、被切断容器４壁面に当接される、円弧状に凹設され た内周側の開口縁１ａと、円弧状に突設された外周側の外縁１ｂとを有し、開口 縁１ａはナイフ体２の出し入れ可能にスリット状に開口されている。ナイフ体２ は、先鋭な刃先２ａとそれに続く刃部２ｂを備え、図１に示すように、刃部２ｂ が柄体１の開口縁１ａ内側に収容される位置から、図２に示すように、柄体１の 開口縁１ａ外側にその開口縁１ａに対して起立する位置まで揺動可能とされ、柄 体１には、ナイフ体２が前記両位置を越えて外方向に回動しないように各々規制 する収容位置ストッパー５及び起立位置ストッパー６が設けられている。

【００１５】 ナイフ体２基部には、柄体１との間に引っ張りばねからなるばね体７が介設さ れ、それによって、ナイフ体２は、その刃部２ｂが柄体１の開口縁１ａ内側に収 容される方向に常時付勢されている。さらに、前記ナイフ体２基部には、ナイフ 軸３を中心とする従動歯車８が刻設され、また柄体１には、従動歯車８と噛合可 能に原動歯車９が歯車軸１０を介して支承されると共に、原動歯車９の一部が、 その回転駆動操作を可能にするために、柄体１の外縁１ｂから露出されている。 前記従動歯車８及び原動歯車９等は、協働してナイフ体操作部材を構成している 。

【００１６】 前記構成において、容器カッターの柄体１を把持しながら、原動歯車９を反時 計回りに回転させることにより従動歯車８が時計回りに回転し、それによって、 ナイフ体２は、図２に示すように、その刃部２ｂが柄体１の開口縁１ａ外側に起 立する位置までばね体７の付勢力に抗して時計回りに揺動させられる。なお、必 要に応じて、従動歯車８と原動歯車９との間にそれらと噛合可能に中間歯車（図 示を省略する。）を介設することにより、原動歯車９の回転操作方向を時計回り に変更することができる。

【００１７】 前記のように、ナイフ体２を、刃部２ｂが柄体１の開口縁１ａ外側に起立する 位置に保持して、柄体１の開口縁１ａが被切断容器４壁面に当接されるまで、そ の刃先２ａから被切断容器４壁体に貫通させ、その後に原動歯車９の回転駆動操 作を解除すると、被切断容器４壁体は、ばね体７の付勢力により、ナイフ体２の 刃部２ｂと柄体１の開口縁１ａとでＶ字状に挟圧された状態になる。

【００１８】 続いて、柄体１の開口縁１ａを被切断容器４壁面に当接させつつ、容器カッタ ーをナイフ体２の刃部２ｂが被切断容器４壁体に食い込む方向に相対的に移動さ せると、被切断容器４壁体は、ナイフ体２の刃部２ｂにより順次切断されること になる。

【００１９】 なお、前記容器カッターは、被切断容器４壁体を前記のように輪切り状に切断 し得るのみならず、例えば被切断容器４の軸線方向に切断したり、螺旋状に切断 することも可能である。

【００２０】

【考案の効果】

本考案に係る容器カッターは以上のように構成され、ペットボトル等の容器を 分断により減容化することで減容化率を高めることができ、それによって、回収 時に効率的に運搬し得ると共に回収後のリサイクル工程における処理作業を軽減 し得るものである。

【００２１】 また、前記容器カッターにおけるナイフ体の刃部は、容器カッターの使用前は 、ばね体の付勢力により柄体の開口縁内側に収容された状態にあり、容器カッタ ーの使用中は、柄体の開口縁外側に起立していても容器の被切断容器壁体内部に 貫通された状態にあり、また容器カッターの使用後は直ちに、ばね体の付勢力に より柄体の開口縁内側に自動的に収容されるので、使用者にとって安全なものと なっている。

【００２２】 ナイフ体操作部材が前記のような従動歯車と原動歯車とからなるものでは、原 動歯車を所要方向に回転駆動することにより、ナイフ体を、その刃部が柄体の開 口縁外側に起立する位置まで、ばね体の付勢力に抗して揺動させることができる 。その場合に、従動歯車がナイフ体自体に刻設されてなるものでは、従動歯車を 別体として設けたものに比して、構造の簡素化と軽量化を図ることができる。 また、柄体の開口縁が円弧状に凹設されてなるものでは、開口縁を被切断容器 壁面に円滑に当接させることができ、被切断容器の切断作業を容易にすることが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る容器カッターの内部断面
図である。

【図２】図１に示す容器カッターの切断状態下における
内部断面図である。

【符号の説明】

１ 柄体 １ａ 開口縁 ２ ナイフ体 ２ａ 刃先 ２ｂ 刃部 ４ 被切断容器 ７ ばね体 ８ 従動歯車 ９ 原動歯車

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被切断容器壁面に当接される開口縁を備
   えた、把持可能な柄体と、先鋭な刃先とそれに続く刃部
   を備え、刃部が柄体の開口縁内側に収容される位置から
   柄体の開口縁外側に起立する位置まで揺動可能に柄体に
   支承されたナイフ体と、柄体とナイフ体との間に介設さ
   れ、刃部が柄体の開口縁内側に収容される方向にナイフ
   体を常時付勢するばね体と、柄体を把持しつつ操作可能
   に配置され、ナイフ体を、刃部が柄体の開口縁外側に起
   立する位置まで、ばね体の付勢力に抗して揺動させるナ
   イフ体操作部材とからなる容器カッター。
2. 【請求項２】 ナイフ体操作部材が、ナイフ体の揺動軸
   を中心にナイフ体と一体に回転可能に柄体に支承された
   従動歯車と、従動歯車と連動回転可能に柄体に支承され
   ると共に柄体を把持しつつ回転操作可能に配置された原
   動歯車とからなる請求項１に記載の容器カッター。
3. 【請求項３】 従動歯車がナイフ体自体に刻設されてな
   る請求項２に記載の容器カッター。
4. 【請求項４】 柄体の開口縁が円弧状に凹設されてなる
   請求項１に記載の容器カッター。