JP3076431B2 - 石灰焼成炉における回収ダストの再利用方法 - Google Patents

石灰焼成炉における回収ダストの再利用方法

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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2/00Lime, magnesia or dolomite
    • C04B2/10Preheating, burning calcining or cooling
    • C04B2/104Ingredients added before or during the burning process

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生石灰製造に伴い発生
する飛散ダストを集塵装置により捕集し、回収したダス
トの再利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より石灰焼成炉を用いて生石灰が製
造されているが、焼成排ガスに伴って微細なダストが炉
外に排出されている。このようなダストは、通常煙道の
途中に設けられたサイクロンやバグフィルタ−等の集塵
装置を用いて捕集され回収されている。集塵装置等によ
り捕集され、回収されたダスト(以下、回収ダストい
う。)は微細な粉末であり、また酸化カルシウム(Ca
O)が成分として含まれているため、廃棄すれば粉塵や
アルカリ公害等の環境破壊を招く可能性があるため、再
度石灰焼成炉に戻して利用されている。
【0003】このような回収ダストの再利用方法とし
て、石灰焼成炉の各種排ガス集塵装置で捕集されたダス
トを空気輸送装置等の手段を用いて再度石灰焼成炉の好
ましくは焼成帯に送入して焼成し、生石灰粉として製品
化する方法が知られている(特開昭60−204644
公報)。しかしながら、このように回収ダストを微細な
粉末のまま空気輸送装置等の手段を用いて石灰焼成炉
(以下、単に炉という。)に投入する方法では、回収ダ
ストの投入位置次第では一部のダストは再飛散したり、
炉内を再循環したり、また炉の煉瓦への付着量が増し、
その付着物が時間の経過とともに大きく成長して炉内容
積を狭め通風障害を招くため、15日程度の短期間サイ
クルで炉を停止して付着物を除去しなければならないと
いう問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生石灰製造
に伴い煙道ガスとともに飛散し、集塵装置により捕集さ
れ回収されたダスト(回収ダスト)の再利用に際し、従
来の利用法に残されている課題であるダストの再飛散や
再循環、及び炉内煉瓦へのダスト付着を極力減少させ、
炉の稼働サイクルを長くさせるとともに回収ダストを有
効に生石灰粉末として製品化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため、ダストの再飛散や再循環、及び炉内煉瓦
へのダスト付着を極力減少させ、炉の稼働サイクルを長
くさせるとともに回収ダストを有効に生石灰粉末として
製品化する方法について鋭意検討した結果、回収ダスト
を特定の方法で炉へ戻すことにより、前記目的が達成で
きることを見いだし本発明を完成した。即ち、本発明
は、生石灰製造時に発生するダストを回収して利用する
方法において、回収されたダストをスラリ−とし、この
スラリ−を石灰焼成炉に戻すことを特徴とする回収ダス
トの再利用方法である。
【0005】通常石灰焼成炉の煙道ガスに含まれるダス
トは、まず粗粒を主体とする部分がサイクロン等の集塵
装置で捕集され、ここで捕集できなかった微粒部分のダ
ストは引き続きバグフィルタ−等の集塵装置で捕集さ
れ、ダストホッパ−に一旦貯蔵されている。このような
回収ダストの平均的な性質を表1に示す。回収ダストは
主として44μm以下の微細な粒子から成り立ってお
り、また成分的には炭酸カルシウム(CaCO3 )、酸
化カルシウム(CaO)、燃料からの未燃炭素(C)が
含まれている。
【0006】
【表1】
【0007】本発明の方法は、このような微細なダスト
をスラリ−化して、ダストの再飛散や再循環、炉内煉瓦
への付着を防ぐとともに生石灰粉末として製品化する方
法である。以下、本発明の方法を回収ダストの処理工程
に従って説明する。図1は生石灰製造における煙道ガス
中に含まれている飛散ダストを利用する本発明の実施態
様の一例を示すブロック図である。煙道ガス中に含まれ
るダストは、サイクロンやバグフィルタ−の集塵装置を
用いて捕集し、一旦ダストホッパ−に貯蔵する。次いで
ダストホッパ−よりスクリュ−フィ−ダ−を用いて一定
量のダストを取り出し、一定量の水とともに撹拌機に入
れ、均一なスラリ−となるまで撹拌する。このスラリ−
をスラリ−ポンプを用いて、原料石灰石を炉へ搬送する
スキップまで送り、原料石灰石にふりかけ、原料石灰石
とともに装入コンベアで炉に搬送し装入する。
【0008】ここで、スラリ−濃度は高いほど好ましい
が、スラリ−ポンプの搬送能力、ダストの処理量、装入
コンベアの角度等から40〜60%程度が好ましい。ス
ラリ−濃度が40%未満の場合は、炉内で蒸発させる水
分量が増えるため、また搬送コンベアの角度が大きい場
合はスラリ−の一部が流れ落ちる等好ましくない。また
スラリ−ポンプによる経済的な搬送等から60%程度が
限度である。しかし本発明は、ダストをスラリ−化する
こと自体に目的の一つがあり、ダストの処理系統やその
設備能力等に応じて前記スラリ−濃度範囲外の濃度とす
ることを否定するものではない。また、スラリ−の調製
において、回収ダストを分散させる液体は水が最も好ま
しく、必要に応じてこれに分散剤やスラリ−粘度を調整
するための添加剤等を添加することもできる。
【0009】原料石灰石にふりかけるスラリ−の量は、
重量割合で原料石灰石重量に対してスラリ−中のダスト
重量が2%以下とすることが好ましい。原料石灰石重量
に対するダスト重量の割合が2%を超えると、製品生石
灰粉末の色合いが悪くなり好ましくない。従って、スラ
リ−を原料石灰石にふりかけるとき、スラリ−濃度に応
じて原料石灰石重量に対するダスト重量の割合が前記割
合となるようにふりかける量を適宜調節すればよい。ま
た、スラリ−を原料石灰石にふりかける位置は前記スキ
ップ部以外に、炉の原料石灰石装入口付近でもよく、特
に限定されるものではない。
【0010】原料石灰石にふりかけられたスラリ−は、
原料石灰石に付着し、その表面にスラリ−の層を形成し
た状態で炉へ装入される。炉内では原料石灰石の装入口
から焼成帯に移動する間に、高温の焼成排ガスと接触し
てスラリ−の水分が蒸発し、スラリ−中のダストは原料
石灰石の表面に付着したまま固化した状態で焼成され生
石灰となる。スラリ−中のダストの酸化カルシウム成分
は、水と反応して水酸化カルシウムに変化しているが、
焼成により再び酸化カルシウム(生石灰)となり、また
未燃炭素成分は焼失し、炭酸カルシウム成分は酸化カル
シウムとなる。焼成帯を通過後は炉内移動中に押しつぶ
され、生石灰粉末として製品とともに回収される。得ら
れる生石灰粉末の粒度は、スラリ−の水分が蒸発し凝集
固化した状態で生石灰となってため、従来よりも粗い粒
度構成となる。このため、再利用のため炉に投入した回
収ダストが再飛散することはなく、また炉壁にも付着し
にくくなる。また、炉内でのダストの挙動は、生石灰粉
末の一部は炉内ガスとともに運ばれて、その一部がチャ
ンネル部炉壁レンガに付着する。このように炉壁に付着
したダスト(以下、付着ダストという。)は、時間の経
過とともに通風障害を起こす程度にまで成長するため、
従来の回収ダストを粉末のまま再利用する方法では、短
期間で炉を停止して付着ダストを除去する作業が必要で
あったが、回収ダストをスラリ−として再利用すること
により、炉壁へのダスト付着量が減少して炉の稼働日数
が長くなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳しく説
明する。 (実施例1)ダスト濃度55重量%のスラリ−を調製し
た。スキップ位置で原料石灰石重量に対してスラリ−中
のダスト重量が1.5重量%となるように前記スラリ−
量を調節して、原料石灰石にふりかけた。スラリ−は搬
送中に原料石灰石の表面に付着した状態で炉(メルツ
炉)に装入された。これを1,100℃の温度で焼成し
たが、炉の運転に何ら支障なく焼成できた。得られた生
石灰粉末の化学成分と粒度分布を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】炉の稼働日数は45日程度となり、従来よ
りも長い稼働サイクルで炉を運転できることがわかっ
た。また、炉運転中のダスト発生量を測定した結果、
0.03kg/kg・CaOであり、この値はダストを
再利用しないときとほぼ同様な値であり、再利用のため
炉へ装入したダストが再飛散していないことを示してい
る。また炉を停止して炉内の煉瓦へのダストの付着状況
を調査した結果、チャンネル部炉壁レンガ1にダスト2
が付着しているものの、回収ダストを粉末のまま再利用
するときのダストの付着状況と比べて、約1/3程度に
減少していた。炉のチャンネル部炉壁レンガへのダスト
付着概略図を図2に示す。
【0014】(実施例2)スラリ−の原料石灰石へのふ
りかけ位置を炉の原料石灰石装入口付近としたほかは、
実施例1と同様にしてダストを処理した。得られた生石
灰粉末の物性、炉の運転状況等は、実施例1と同様の結
果であった。
【0015】(比較例1)回収ダストを粉末のまま炉に
戻す方式で生石灰を焼成した結果、半月で炉を停止して
付着ダストの除去作業をしなければならなかった。
【発明の効果】生石灰製造に伴い発生するダストを、ス
ラリ−として生石灰焼成炉に戻して焼成することより、
生石灰粉末として製品化できるとともに、炉も長期稼働
ができる。本発明の方法は、ダストの廃棄等による2次
公害の防止やダストの100%利用による資源の有効利
用が期待できる工業的に有用なダストの利用方法であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 回収ダストの利用例を示すブロック図。
【図2】 メルツ炉チャンネル部のダスト付着状況説明
図。
【符号の説明】
1 チャンネル部炉壁レンガ 2 炉壁レンガに付着したダスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 2/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生石灰製造時に発生するダストを回収し
    て利用する方法において、回収されたダストをスラリ−
    とし、このスラリ−を石灰焼成炉に戻すことを特徴とす
    る回収ダストの再利用方法。
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