JP3076218U - 切断工具用定規 - Google Patents

切断工具用定規

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被切断物に対し切断線を引くという作業をな
くすと共に、切断工具用定規を切断線に合わせるといっ
た作業をもなくして、被切断物に対する切断作業を容易
に行えるようにすることができる切断工具用定規を提供
すること。 【解決手段】 第1の方向に伸びているスライド体2と
第2の方向に伸びているガイド板4とを、第2の方向に
伸びているガイド板4が第1の方向に伸びているスライ
ド体2の左端又は右端の上面に位置するようにガセット
プレート6を介して直角に固定した切断工具用定規。ガ
セットプレート6又はスライド体2の上面に巻尺18
a,18bが設けられ、一方の巻尺18aのテープ12
は第1の方向左方に延び、他方の巻尺18bは第1の方
向右方に延びる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、主としてサイディングボードやベニヤ合板等の建築用板材(以下単 に「板材」と言う)を、電動式丸鋸等の切断工具(以下単に「丸鋸」と言う)にて切 断する際に用いる切断工具用定規に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、サイディングボードやベニヤ合板等の板材を、丸鋸にて所定の寸法に切 断する際には、板材の一端から切断位置までの寸法を巻尺又は直線定規にて計っ て目印をつけ、この目印に直線定規を当てがって切断線を鉛筆等の筆記具にて引 き、丸鋸の鋸歯をこの切断線に合わせた状態にて丸鋸底部のベース盤の一側縁( 左側縁)に切断用のガイド板を沿わせ(図6参照)、このガイド板を板材の表面 に圧接保持しながらガイド板の右側縁に沿って丸鋸を前方に移動させることによ り切断していた。
【0003】 このように、板材に切断線を引くには、巻尺や直線定規にて寸法を測り、所定 の寸法位置に一又は二箇所目印をつけた後、この目印に合わせて直線定規を当て がい切断線を引くといった作業が必要であり、この作業は、原則として各板材に ついて行う必要があった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、前記の作業は、例えば、巻尺と直線定規と鉛筆といった三種類のそれ ぞれ別個の用具を使用する必要があり、この内、巻尺はベルトに挟み、鉛筆は耳 に挟んだりして常時身に付けておくことができるが、直線定規については長いた め身に付けることができず、作業位置近くの手のとどく場所に置いておく必要が あった。このような条件における板材への切断線付与作業は、作業能率が重視さ れる現場では大変煩わしく、時間のかかる作業であった。
【0005】 前記切断線は、板材の基準面となる下端縁に対して直角に引かれることが多い ため、直角線専用の定規として、第1の方向に伸びるスライド体(以下単に「ス ライド体」と言う)と第2の方向に伸びるガイド板(以下単に「ガイド板」と言う )とを、第2の方向に伸びているガイド板が第1の方向に伸びているスライド体 の右端の上面に位置するようにガセットプレートを介して直角に固定した切断工 具用定規が開発されている。
【0006】 この切断工具用定規は、基本的には図1、図2、図3に示す形態と同様(巻尺 及び角度調整ねじを除く)のものであるが、その機能は、スライド体の上面を、 被切断物である板材の下端縁を基準面として左右にスライドさせることにより、 ガイド板の外側縁にて任意の位置に基準面に対して直角の線を引くことができ、 また、このガイド板の外側縁に丸鋸底部のベース盤の側縁を沿わせながら丸鋸を 移動させることにより、板材を基準面に対して直角に切断することができるもの であった。
【0007】 しかし、この直角定規を使用する場合でも、板材には従来と同様に巻尺又はガ イド板に付与されている目盛を使って、切断位置に切断線を引かなければならな かった。 本考案の目的は、従来のような被切断物に対し切断線を引くという作業をなく すと共に、切断工具用定規を切断線に合わせるといった作業をもなくして、被切 断物に対する切断作業を容易に行えるようにすることができる切断工具用定規を 提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、第1の方向に伸びているスライド体と第2の方向に伸びているガイ ド板とを、第2の方向に伸びているガイド板が第1の方向に伸びているスライド 体の左端又は右端の上面に位置するようにガセットプレートを介して直角に固定 した切断工具用定規において、 該ガセットプレート又はスライド体の上面に、少なくとも1個の第1の方向に テープが伸縮する巻尺を設けたことを特徴とする。
【0009】 この考案に従えば、ガセットプレート又はスライド体の上面に少なくとも1個 の巻尺が設けられているので、この巻尺を利用して被切断物の左又は右の一端か らの丸鋸の切断位置を測り、この定規位置においてガイド板の外則縁に丸鋸のベ ース盤の側縁を沿わせて移動させることにより、被切断物に切断線を引くことな く所要の通りに切断することができる。 また、本考案では、巻尺が、第1の方向に沿って位置調整自在に設けられてい る。
【0010】 この考案に従えば、使用する丸鋸の種類により、ベース盤の側縁から鋸歯まで の寸法が変わるが、このように巻尺を位置調整自在に設けることにより、同じ目 盛の巻尺を用いて被切断物を所定の寸法に切断することができ、各種丸鋸に対応 して用いることができる。 また、本考案では、巻尺がガイド板に対して第1の方向左方にテープを引き出 せる形態のもので、テープ先端の爪を被切断材の左端に引っ掛けた状態における 定規上の所定位置におけるテープ上の読取目盛が、その定規位置においてガイド 板の外側縁に丸鋸のベース盤の側縁を沿わせた状態における被切断物左端から丸 鋸の鋸歯までの寸法と一致するように付与されている。
【0011】 この考案に従えば、巻尺のテープを左方に引き出し、テープ先端の爪を被切断 物の左端に引っ掛けた状態における定規上の所定位置(基準点)での読取目盛が 、その定規の位置で丸鋸にて切断した被切断物の左端からの寸法となる。従って 、定規を右又は左に移動させて巻尺の目盛を切断幅に合わせ、この定規位置にて 定規を被切断物の上面に押圧保持し、この定規のガイド板の外側縁に丸鋸のベー ス盤の側縁を沿わせて移動させることにより、被切断物を所定の幅(巻尺の読取 目盛の幅)に簡単に且つ容易に切断することができる。
【0012】 また、本考案では、巻尺がガイド板に対して第1の方向右方にテープを引き出 せる形態のもので、テープ先端の爪を被切断材の右端に引っ掛けた状態における 定規上の所定位置におけるテープ上の読取目盛が、その定規位置においてガイド 板の外側縁に丸鋸のベース盤の側縁を沿わせた状態における被切断物右端から丸 鋸の鋸歯までの寸法と一致するように付与されている。 この考案に従えば、巻尺のテープを右方に引き出し、テープ先端の爪を被切断 物の右端に引っ掛けた状態における定規上の所定位置(基準点)での読取目盛が 、その定規の位置で丸鋸にて切断した被切断物の右端からの寸法となる。従って 、定規を右又は左に移動させて巻尺の目盛を切断幅に合わせ、この定規位置にて 定規を被切断物の上面に押圧保持し、この定規のガイド板の外側縁に丸鋸のベー ス盤の側縁を沿わせて移動させることにより、被切断物を所定の幅(巻尺の読取 目盛の幅)に簡単に且つ容易に切断することができる。
【0013】 更に、本考案では、スライド体の下面両端部に、板材の基準面に対するガイド 板の角度を調整できる角度調整ねじが、スライド体を貫通させて設けられている 。 この考案に従えば、スライド体の下面両端部に設けられた左右いずれかの角度 調整ねじをねじ込んでスライド体の上面(被切断物の下端縁と接する面)より突 出させることにより、被切断物下端縁の基準面に対するガイド体の角度を微調整 することができる。
【0014】
【考案の実施の形態】
以下、図に基づき、本考案の実施形態について説明する。 図1、図2及び図3は、本考案に係る切断工具用定規の実施形態の最も望まし い一例を示すもので、図1は本考案に係る切断工具用定規の正面図、図2は同側 面図、図3は同底面図である。 本考案に係る切断工具用定規は、図1乃至図3に示すように、約1cm角で長 さが約30cmのアルミニューム製による第1の方向(図1において左右方向) に伸びているスライド体2と、厚さ約2mm、幅約6cm、長さ約75cmのア ルミニューム製による第2の方向(図1において上下方向)に伸びているガイド 板4とを備え、これらスライド体2とガイド板4とが、ガイド板4がスライド体 2の右端上面に位置するように厚さ約1mmのステンレス製のガセットプレート 6を介して直角に固定されている。ガセットプレート6の上面には、取扱いが容 易なように握り8が設けられ、スライド体2、ガイド板4、ガセットプレート6 及び握り8が直角定規10を構成する。かかる直角定規10の基本的な構造は公 知であるため、これらに関する詳細な説明は省略するが、スライド体2はガセッ トプレート6の下端部上面に乗った形態にて固定され、このガセットプレート6 の右端部がガイド板4の左半部下面に嵌め込まれた状態にて固定され、ガイド板 4の下面とガセットプレート6の下面とは面一状態に形成されており、これら両 者の下面には滑り止めとして薄いゴム板(図示せず)が設けられている。なお、 図中7は、ガセットプレート6の下方左右に設けられたスライド体2の突き当て 確認窓である。
【0015】 この実施形態では、ガセットプレート6の上面に、第1の方向(図1において 左右方向)にテープ12が伸縮する例えば2mの巻尺18が設けられている。こ の巻尺18は、前記ガセットプレート6の上面下方に第1の方向に設けられた厚 さ約2mm、高さ約5cmのアルミニューム製の支持板30に、巻尺の裏面に備 えているベルト用のクリップ20を挟む形態にて固定されている(図5参照)。 従って、この巻尺18は支持板30の長手方向に位置調整自在に取り付けられ、 支持板30の適宜な位置に移動させることができる。この巻尺18は、図5に示 すように、支持板30に適宜なピッチでねじ孔32を設け、クリップ20の外面 に横方向(第1の方向)に延びる長孔34を設け、このねじ孔32や長孔34を 利用して固定ねじ36を締め付けることにより巻尺18を任意の位置に位置調整 可能に強固に固定することができる。
【0016】 この実施態様においては、使い勝手を考慮して支持板30の左右に2個の巻尺 18a、18bが反対方向に装着され、左方の巻尺18aには左方に引き出せる テープ12が設けられ、右方の巻尺18bには右方に引き出せるテープ12が設 けられている。 左側の巻尺18aのテープ12を左方に引き出すように設置する場合、図5に 示すように、テープ12の下面が支持板30における固定用の折り曲げ底部31 の上面に擦れる程度の高さになっており、図示例の場合、巻尺18aのテープ1 2は、常時ガセットプレート6の左端部50にテープ先端の爪4を引っ掛けてお くようになっている。
【0017】 また、右側の巻尺18bのテープ12を右方に引き出すように設置する場合、 図4に示すように、テープ12の下面がガイド板4の上面に擦れる程度の高さに なっており、図示例の場合、ガイド板4のほぼ中程にテープ12の幅より少し広 い幅のスリット38を設け、常時このスリット38にテープ先端の爪4をはめ込 んで引っ掛けておくことにより、この定規のガイド板4の外端縁4aに沿わせて 丸鋸を使用する際にも、この巻尺のテープ12が丸鋸の邪魔をすることはない。
【0018】 なお、各々の巻尺18a、18bにおけるテープ12の先端上部には、テープ 12を引き出しやすいように、図4に示すような摘み16が設けられており、こ れらのテープ12は何れも常時その先端部が巻尺18から一定量引き出されてい る状態にあるため、このテープ12を引き出す際には前記摘み16を指で摘み上 げて引き出せばよい。 この切断工具用定規においては、巻尺18a、18bのテープ12の目盛に次 の通りの工夫が施され、定規の所定位置(基準点)におけるテープ12の読取目 盛の寸法がそのまま板材の切断寸法(仕上り寸法)になるようになっている。
【0019】 図6を参照して、例えば、左側の巻尺18aの場合、直角定規10の第1の方 向(図6上での左右方向)における左端(ガセットプレート6の左端)50から 右端(ガイド板4の外側縁)までの寸法がX、また使用する丸鋸42の底部に設 けられたベース盤44の左側縁から鋸歯46の左面48までの寸法がYとすれば 、(X+Y)の寸法を巻尺18aのテープ12の先端(0)から引いた寸法が、 テープ先端の目盛となる。即ち、例えば上記寸法Xが例えば310mm、上記寸 法Yが例えば90mmとすると、この合計寸法(X+Y)400mmをテープ先 端から引いた寸法、換言すると元のテープ12の目盛における400mmの位置 がテープ12の先端となっている。
【0020】 また、右側の巻尺18bの場合、前記直角定規10の寸法がXには関係なく、 丸鋸42のベース盤44の左側縁から鋸歯46の左面48までの寸法Yを巻尺1 8bのテープ12の先端(0)に加えた寸法がテープ先端の目盛となる。即ち、 上記寸法Yが例えば90mmとすると、この寸法Yをテープ12の先端に足した 寸法、換言すると元のテープ12の目盛における−90mmの位置、即ち、元の テープ12の先端に長さ90mmのテープを足した位置がテープ12の先端とな っている。
【0021】 上述した切断工具用定規は、丸鋸42を用いて被切断物である板材Pを切断す るときに使用され、その使用方法を主として図6を参照して説明すると、次の通 りである。 板材Pの左端から所定寸法の位置で切断する場合 まず、 左側の巻尺18aから摘み16を左手で持ってテープ12を引き出し 、被切断物である板材Pの左端に爪14を引っ掛けた状態にて定規下部のスライ ド体2を板材Pの下端縁(基準面)Qに沿わせて直角定規10の握り8を右手で 持って右方に移動させる。
【0022】 次に、目的とする板材Pの左端からの切断寸法、例えば550mmの目盛が定 規左端の基準点50と合致した位置、即ち切断の定規位置で握り8を左手に持ち 替え、スライド体2を板材Pの下端縁Qに押し付けながら直角定規10を板材P の上面に圧接保持する。 次いで、右手で丸鋸42を持ち、直角定規10のガイド板4の外側縁4aに丸 鋸42のベース盤44の左側縁を当てがいながら、ガイド板4の外側縁4aに沿 って丸鋸42を前方に押し進めると、板材Pの左端から、前記巻尺のテープ12 が基準点50にて示した目盛寸法と同じ長さの550mmの位置にて板材Pの切 断ができる。このように丸鋸42をガイド板4に沿って移動せることによって、 板材Pをその左端から所定幅に簡単に且つ容易に切断することができる。
【0023】 この切断時には、巻尺18aから引き出したテープ先端の爪14は板材Pの左 端部に引っ掛けたままでもよく、直角定規10を固定した後板材Pの左端部から 外して図1のように直角定規10の左端部に掛けておいてもよい。 板材Pの右端から所定寸法の位置で切断する場合 まず、右側の巻尺18bから摘み16を右手で持ってテープ12を引き出し、 被切断物である板材Pの右端に爪14を引っ掛けた状態にてスライド体2を板材 Pの下端縁(基準面)Qに沿わせて直角定規10の握り8を左手で持って左方に 移動させる。
【0024】 次いで、目的とする板材Pの右端からの切断寸法、例えば225mmの目盛が 定規右端のガイド板4の外側縁4aと合致した位置でスライド体2を板材Pの下 端縁Qに押し付けながら直角定規10を板材Pの上面に圧接保持する。 次いで、テープ先端の爪14を板材Pの右端から外して、ガイド板4の中程に 設けられたスリット38に嵌めかえる。 その後、右手で丸鋸42を持ち、直角定規10のガイド板4の外側縁4aに丸 鋸42のベース盤44の左側縁を当てがいながら、ガイド板4の外側縁4aに沿 って丸鋸42を前方に押し進めると、板材Pの右端から、前記巻尺18bのテー プ12がガイド板の外側縁4aの位置(基準点)にて示した目盛寸法と同じ長さ の225mmの位置にて板材Pの切断ができる。このように丸鋸42をガイド板 4に沿って移動せることによって、板材Pをその右端から所定幅に簡単に且つ容 易に切断することができる。
【0025】 この切断時には、巻尺18bから引き出して板材Pの右端部に引っ掛けたテー プ先端の爪14を板材Pの端部から外して、図1のようにガイド板4に設けたス リット38にテープ先端の爪14を引っ掛けておくことにより、ガイド板4の外 側縁4aに沿わせて切断する丸鋸42の移動が妨げられない。 なお、前記の実施態様においては、それぞれテープ12に別個の目盛を施した 2個の巻尺18a、18bを固定した切断工具用定規について説明したが、この 巻尺は必ずしも2個必要とするものではなく、左側の巻尺18aのみ、又は右側 の巻尺18bのみを設けるようにしてもよいが、使い勝手をよくするためには、 左右向きの異なる2個の巻尺18a,18bを図示のように設けておくのが好ま しい。
【0026】 また、巻尺18a,18bにおけるテープ12の目盛についても、必ずしも前 記のように直角定規10の幅の寸法や丸鋸42のベース盤44の側縁から鋸歯4 6までの寸法等を加減して考慮したものとする必要はなく、先端が零(0)目盛 の市販されている巻尺を使用することもできる。尚、この場合には、通常の目盛 が付されたテープの基準点における読取目盛は、所定の切断寸法と対応するもの とはなるが、そのまま所定の切断寸法とは一致せず、切断寸法を割り出すには、 左側にテープを引き出す巻尺の場合、テープ上の読取目盛に対して直角定規の幅 寸法を加えなければならず、また、右側にテープを引き出す巻尺の場合、テープ 上の読取目盛に対して丸鋸42のベース盤44の左端縁から鋸歯46までの寸法 を引かなければならない。
【0027】 なお、本考案において巻尺18が、支持板30に対して第1の方向に移動調節 可能であるということは、例えば使用する丸鋸42の機種が変わって、ベース盤 44の側縁と鋸歯46との距離が変わった際でも、この寸法差を巻尺の移動によ って調節することにより、同じ目盛の巻尺18により前記と同様の手順にて板材 Pの切断ができる。 また、上述した切断工具用定規では、スライド体2の下面左右の両端部に、該 スライド体2を貫通させて第2の方向に角度調整ねじ40a、40bが設けられ ている。この左右の角度調整ねじ40a、40bのいずれかをねじ込んでスライ ド体2の上面(板材Pの下端縁Qと接する面)より突出させることにより、板材 P下端縁の基準面Qに対するガイド体4の角度を微調整することができる。
【0028】 即ち、左方の角度調整ねじ40aを図7に示すように少しねじ込めば、スライ ド体2の左端部が板材Pの基準面Qより少し離れて左下りの状態となるので、こ れに伴いガイド板4の基準面Qに対する角度も直角より少し鋭角になる。また、 逆に、右方の角度調整ねじ40bを少しねじ込めば、スライド体2の右端部が板 材Pの基準面Qより少し離れて右下りの状態となるので、これに伴いガイド板4 の基準面Qに対する角度も直角より少し鈍角になる。このようなガイド板4の角 度の微調整は、工事現場において現物合わせにより切断作業をする場合に大いに 役立つ。
【0029】 前記の実施形態においては、ガイド板4をスライド体2の右端部に直角に設け た、いわゆる右利き用の切断工具用定規に適用して説明したが、左利き用のもの 、即ちガイド板4をスライド体2の左端部に直角に設けれたものにも同様に適用 することができ、この形態の場合でも、前記と同様の手順で巻尺を使用して寸法 を計り、板材Pの切断に際しては右手にて定規を押圧保持し、左手にて丸鋸42 を使用することにより、上述したと同様に板材Pを簡単に且つ容易に切断するこ とができる。
【0030】 また、前記した実施形態における直角定規10の各部の寸法は、例えば幅60 cmのベニヤ合板切断用のものとしての寸法であり、この寸法は被切断物である 板材Pの幅や厚さ等により適宜スケールアップ又はスケールダウンされるもので ある。 また、この実施形態では、ガセットプレート6の上面に巻尺18a,18bを 設けているが、このような構成に代えて、スライド体2の上面に巻尺18a,1 8bを設けるようにしてもよく、かかる場合においても、例えば、スライド体2 の上面に支持板を設け、この支持板に巻尺18a,18bを位置調整自在に取り 付けることができる。
【0031】 更に、前記の実施形態においては、切断工具用定規として丸鋸を例に説明した が、丸鋸以外でも丸鋸と同様な使い方をする切断工具であれば、本考案に係る定 規は使用可能である。
【0032】
【考案の効果】
本考案の請求項1の切断工具用定規によれば、ガセットプレート又はスライド 体に設けた巻尺を利用して被切断物の左又は右の一端からの丸鋸の切断位置を測 り、この定規位置においてガイド板の外側縁に丸鋸のベース盤の側縁を沿わせて 移動させることにより、被切断物に切断線を引くことなく所要の通りに切断する ことができる。
【0033】 また、本考案の請求項2の切断工具用定規によれば、巻尺を位置調整自在に設 けることにより、同じ目盛の巻尺を用いて被切断物を所定の寸法に切断すること ができ、各種丸鋸に対応して用いることができる。 また、本考案の請求項3の切断工具用定規によれば、巻尺のテープを左方に引 出し、定規を右又は左に移動させて巻尺の目盛を切断幅に合わせ、この定規のガ イド板の外側縁に丸鋸のベース盤の側縁を沿わせて移動させることにより、被切 断物を所定の幅(巻尺の読取目盛の幅)に簡単に且つ容易に切断することができ る。
【0034】 また、本考案の請求項4の切断工具用定規によれば、巻尺のテープを右方に引 き出し、定規を右又は左に移動させて巻尺の目盛を切断幅に合わせ、この定規の ガイド板の外側縁に丸鋸のベース盤の側縁を沿わせて移動させることにより、被 切断物を所定の幅(巻尺の読取目盛の幅)に簡単に且つ容易に切断することがで きる。 更に、本考案の請求項5の切断工具用定規によれば、被切断物下端縁の基準面 に対するガイド体の角度を微調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る切断工具用定規の一実施形態を示
す正面図。
【図2】図1の切断工具用定規の側面図。
【図3】図1の切断工具用定規の底面図。
【図4】図1におけるA−A線による拡大断面図。
【図5】図1におけるB−B線による拡大断面図。
【図6】図1の切断工具用定規における巻尺の使用方法
を説明するための正面図。
【図7】図1の切断工具用定規における角度調整ねじの
使用方法を説明するための正面図。
【符号の説明】
2 スライド体 4 ガイド板 4a ガイド板の外側縁 6 ガセットプレート 8 握り 10 直角定規 12 巻尺のテープ 14 テープ先端の爪 16 摘み 18(18a,18b) 巻尺 20 クリップ 30 支持板 40 角度調整ねじ 42 丸鋸 44 ベース盤 46 鋸歯

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の方向に伸びているスライド体と第
    2の方向に伸びているガイド板とを、第2の方向に伸び
    ているガイド板が第1の方向に伸びているスライド体の
    左端又は右端の上面に位置するようにガセットプレート
    を介して直角に固定した切断工具用定規において、 該ガセットプレート又はスライド体の上面に、少なくと
    も1個の第1の方向にテープが伸縮する巻尺を設けたこ
    とを特徴とする切断工具用定規。
  2. 【請求項2】 巻尺が、第1の方向に沿って位置調整自
    在に設けられている請求項1記載の切断工具用定規。
  3. 【請求項3】 巻尺がガイド板に対して第1の方向左方
    にテープを引き出せる形態のもので、テープ先端の爪を
    被切断材の左端に引っ掛けた状態における定規上の所定
    位置におけるテープ上の読取目盛が、その定規位置にお
    いてガイド板の外側縁に丸鋸のベース盤の側縁を沿わせ
    た状態における被切断物左端から丸鋸の鋸歯までの寸法
    と一致するように付与されている請求項1又は2に記載
    の切断工具用定規。
  4. 【請求項4】 巻尺がガイド板に対して第1の方向右方
    にテープを引き出せる形態のもので、テープ先端の爪を
    被切断材の右端に引っ掛けた状態における定規上の所定
    位置におけるテープ上の読取目盛が、その定規位置にお
    いてガイド板の外側縁に丸鋸のベース盤の側縁を沿わせ
    た状態における被切断物右端から丸鋸の鋸歯までの寸法
    と一致するように付与されている請求項1又は2に記載
    の切断工具用定規。
  5. 【請求項5】 スライド体の下面両端部に、板材の基準
    面に対するガイド板の角度を調整できる角度調整ねじ
    が、スライド体を貫通させて設けられている請求項1乃
    至4のいずれかに記載の切断工具用定規。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102039637A (zh) * 2009-10-15 2011-05-04 雷誉(上海)包装制品有限公司 一种圆盘锯导向装置
JP2017209793A (ja) * 2016-05-23 2017-11-30 シンワ測定株式会社 切断用定規
JP2020189349A (ja) * 2019-05-20 2020-11-26 シンワ測定株式会社 定規用スライダ

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