JP3076162U - 補正機能付下着 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 着用者の心身やファッション性（外観）に悪
影響を与えるなどの不都合を伴うことなく体のラインの
補正を図ることができる補正機能付下着を提供する。 【解決手段】 前身頃１の生地の上縁部１ａが裏側に折
り返されて縫着されており、また、フロント当布２が前
身頃１の裏側に設けられており、このフロント当布２の
左右両縁５，５がそれぞれフロント当布２の下縁部２ｂ
から遠ざかる方向および脇側方向に引っ張られた状態
で、その上縁部２ａが前身頃１の生地の前記上縁部１ａ
に縫着され、その下縁部２ｂが股布部４の前縁部４ａに
縫着され、その左右両縁５，５の上部５ａ，５ａのみが
前身頃１の左右側部１ｃ，１ｃに縫着され、その左右両
縁５，５の上部５ａ，５ａを除いた部分５ｂ，５ｂおよ
びフロント当布２の中間部は縫着されていない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、体のラインを補正する機能を有するショーツやガードルなどの補正 機能付下着に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の補正機能付下着として、例えば、下腹部の引き締め機能を持たせるため に、前身頃の裏側に当布を設けたものがある。

【０００３】 しかし、上記従来の補正機能付下着では、前記当布の全面が前身頃に縫着され ていたのに加えて、当布が前身頃の上端部にまで配置されていたことから、前記 下着を着用した者（以下、着用者という）が、特に床や椅子に座ったときに、自 らのウエスト部分に苦しく感じる程度あるいはそれ以上の圧迫を受けることがあ り、これにより、前記着用者の健康面や精神面に悪影響が及ぶというおそれがあ った。また、前記当布が前身頃の足口周縁部付近にまで配置されていたことから 、着用者の鼠蹊部付近が強く締めつけられ、歩行時などにおける足の動き（足さ ばき）が妨げられたり、鼠蹊部付近に痛みや炎症が生じたりするおそれがあった 。

【０００４】 なお、前記当布を、例えば引張応力が小さく伸縮性に富んだ生地によって構成 すれば、上述した着用者のウエスト部分に対する圧迫を緩めることができるが、 この場合には、下腹部を引き締めるという機能が損なわれてしまうこととなって いた。

【０００５】 また、他の従来の補正機能付下着として、例えば、ヒップアップ機能を持たせ るために、適宜の数に分割された生地を縫製することによって後身頃を形成して あるもの（後身頃の生地の切り換えを行っているもの）や、後身頃の裏側下部に 当布を設けたものがある。

【０００６】 しかし、上記従来の補正機能付下着では、臀部の比較的突出する部分を覆う位 置に縫い目が形成されており、この縫い目が、補正機能付下着の外側に着用した 比較的身体に密着して着用されるアウターファッション（例えば、タイトスカー トやスラックス等）の表面に所謂稜線として出現してしまい、外観が悪くなるな どの問題があった。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

すなわち、上記いずれの従来の補正機能付下着においても、体のラインの補正 を図るに際して、何らかの不都合が伴うこととなっていた。

【０００８】 本考案は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、着用者の心身や ファッション性（外観）に悪影響を与えるなどの不都合を伴うことなく体のライ ンの補正を図ることができる補正機能付下着を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の補正機能付下着は、前身頃の生地の上縁 部が裏側に折り返されて縫着されており、また、フロント当布が前身頃の裏側に 設けられており、このフロント当布の左右両縁がそれぞれフロント当布の下縁部 から遠ざかる方向および脇側方向に引っ張られた状態で、その上縁部が前身頃の 生地の前記上縁部に縫着され、その下縁部が股布部の前縁部に縫着され、その左 右両縁の上部のみが前身頃の左右側部に縫着され、その左右両縁の上部を除いた 部分およびフロント当布の中間部は縫着されていない（請求項１）。

【００１０】 上記の構成からなる補正機能付下着では、前身頃の生地の上縁部が裏側に折り 返されて縫着されており、フロント当布が前身頃の上端部付近には設けられない こと、および、前身頃上端部にテープが使用されていないことから、着用者が、 特に床や椅子に座ったときに、自らのウエスト部分に苦しく感じる程度あるいは それ以上の圧迫を受けて、前記着用者の健康面や精神面に悪影響が及ぶというこ とを防止することができる。

【００１１】 また、上記の構成からなる補正機能付下着では、上述のような不都合の発生を 防止しつつ、特に着用者が立っているときには、下腹部の引き締め機能を発揮し て体のラインを補正することができる。

【００１２】 さらに、フロント当布の左右両縁の上部を除いた部分およびフロント当布の中 間部は前身頃に縫着されないことから、フロント当布が上述したような下腹部の 引き締め機能を発揮して、前身頃とフロント当布とが異なる伸縮をしても、この 異なる伸縮によって生じえた皺や食い込みなどは上記の縫着されない部分の存在 によって解消されることになる。

【００１３】 また、前記フロント当布が、略Ｙ字形状をなしているとした場合には（請求項 ３）、前記フロント当布の上縁部がその中央側ほど下方に位置する形状となるこ とから、着用者が立っているときには、下腹部の引き締め機能を発揮して体のラ インを補正するという効果は保たれる一方、着用者が、例えば床や椅子に座るこ とによって、フロント当布が緊張状態となった場合であっても、フロント当布が 着用者のウエスト部分を締めつけようとする力は分散されるなどして小さくなり 、自らのウエスト部分に苦しく感じる程度あるいはそれ以上の圧迫を受けて、前 記着用者の健康面や精神面に悪影響が及ぶということをより確実に防止すること ができる。また、前記フロント当布が、略Ｔ字形状をなしているとしてもよい（ 請求項４）。

【００１４】 さらに、前記フロント当布が、前身頃の足口周縁部付近には配置されないとし た場合には（請求項５）、前記フロント当布が前身頃の足口周縁部付近には配置 されていないことから、着用者の鼠蹊部付近が強く締めつけられ、歩行時などに おける足の動き（足さばき）が妨げられたり、鼠蹊部付近に痛みや炎症が生じた りするということを防止することができる。

【００１５】 また、本発明の補正機能付下着を、臀部を側方から取り囲むような略円弧形状 をしていて、その外側縁が後身頃の側縁部，足口周縁部に縫着され、その内側縁 の上部は後身頃に、下部は後身頃の中心縫合部分に縫着され、中間部は縫着され ていない状態で後身頃に取着される左右一対のヒップ当布が後身頃の裏側に設け られており、このヒップ当布の下部が左右方向において後身頃の中心縫合部分側 に引っ張られた状態で縫着されているとしてもよい（請求項６）。

【００１６】 上記の構成からなる補正機能付下着では、臀部の比較的突出する部分を覆う位 置に縫い目が形成されていないため、縫い目が、補正機能付下着の外側に着用し た比較的身体に密着して着用されるアウターファッション（例えば、タイトスカ ートやスラックス等）の表面に所謂稜線として出現してしまい、外観が悪くなる ということを防止することができる。

【００１７】 また、前記上記の構成からなる補正機能付下着では、上述のような不都合の発 生を防止しつつ、前記ヒップ当布によって、着用者の臀部の側部を引き締め、か つ、臀部の最下部を持ち上げるという体のラインの補正を行うとともに、後身頃 によって着用者の臀部を柔らかく包んでおくことが可能である。

【００１８】 さらに、前記ヒップ当布の内側縁の上部の下端から外側縁の足口周縁部付近の 箇所にかけて、後身頃に縫着される縫着部が形成されているとした場合には（請 求項７）、着用者の臀部の最下部を持ち上げるという機能を上昇させることがで きる。

【００１９】 また、本発明の補正機能付下着を、前身頃の生地の上縁部が裏側に折り返され て縫着されており、また、フロント当布が前身頃の裏側に設けられており、この フロント当布の左右両縁がそれぞれフロント当布の下縁部から遠ざかる方向およ び脇側方向に引っ張られた状態で、その上縁部が前身頃の生地の前記上縁部に縫 着され、その下縁部が股布部の前縁部に縫着され、その左右両縁の上部のみが前 身頃の左右側部に縫着され、その左右両縁の上部を除いた部分およびフロント当 布の中間部は縫着されず、一方、臀部を側方から取り囲むような略円弧形状をし ていて、その外側縁が後身頃の側縁部又は上縁部，足口周縁部に縫着され、その 内側縁の上部は後身頃に、下部は後身頃の中心縫合部分に縫着され、中間部は縫 着されていない状態で後身頃に取着される左右一対のヒップ当布が後身頃の裏側 に設けられており、このヒップ当布の下部が左右方向において後身頃の中心縫合 部分側に引っ張られた状態で縫着されているとした場合には（請求項２）、請求 項１に係る発明によって得られる効果および請求項６に係る発明によって得られ る効果の双方が得られるのみならず、請求項１に係る発明によって得られる下腹 部引き締め機能および請求項６に係る発明によって得られるヒップアップ機能が 、互いの機能を高め合うことになる。

【００２０】 また、本発明の補正機能付下着は、ショーツとして形成されているとしてもよ く（請求項８）、ガードルとして形成されているとしてもよい（請求項９）。

【００２１】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の実施例を、図を参照しながら説明する。 図１（Ａ），（Ｂ）および（Ｃ）は、本考案の第一実施例に係る補正機能付下 着Ｄの構成を概略的に示す正面図，背面図および側面図、図２は、前記補正機能 付下着Ｄの縫製前の各布片の構成を概略的に示す説明図、図３（Ａ）および（Ｂ ）は、前記補正機能付下着Ｄの主要部の縫製前および縫製後の構成を概略的に示 す説明図であり、図３（Ｃ）は、前記補正機能付下着Ｄの効果を概略的に示す側 面図である。 補正機能付下着Ｄは、主に下腹部の引き締め機能を有する下着であり、前身頃 １と、この前身頃１の裏側に設けられるフロント当布２と、後身頃３と、股布部 ４とを有している。

【００２２】 前記前身頃１の生地の上縁部１ａは、裏側に折り返されて縫着されている。こ れにより、前身頃１の上端部１ｂは二重構造となって、適宜のクッション性を有 するようになり、補正機能付下着Ｄの着用者のウエスト付近がきつく締めつけら れず、ウエスト付近に適宜のゆとりを持たせることができて、着用者に不快感を 与えることがなく、また、ウエスト付近がきつく締めつけられることによって段 状となることの防止を図ることも可能となる。

【００２３】 前記フロント当布２は、前記前身頃１の生地よりも引張応力の強い生地（例え ば、ナイロンとポリウレタンとからなるいわゆるパワーネット）からなり、略Ｙ 字形状をなしている。そして、このフロント当布２は、その左右両縁５，５がそ れぞれフロント当布２の下縁部２ｂから遠ざかる方向および脇側方向に引っ張ら れた状態で、その上縁部２ａが前身頃１の生地の前記上縁部１ａに縫着され、そ の下縁部２ｂが股布部４の前縁部４ａに縫着され、その左右両縁５，５の上部５ ａ，５ａのみが前身頃１の左右側部１ｃ，１ｃに縫着され、その左右両縁の上部 を除いた部分５ｂ，５ｂおよびフロント当布の中間部は縫着されない開放部分と なっている。なお、フロント当布２は、前身頃１の生地と同等の引張応力を有す る生地あるいは前身頃１の生地と同じ生地からなっていてもよい。また、その形 状もほぼＹ字形状に限るものではなく、例えばＴ字形状であってもよい。

【００２４】 上記のように前記フロント当布２は、その左右両縁５，５がそれぞれフロント 当布２の下縁部２ｂから遠ざかる方向および脇側方向に引っ張られた状態となる ように設けられており、この構成が下腹部を引き締めるという機能を実現してい る。

【００２５】 上記の構成からなる補正機能付下着Ｄでは、前身頃１の生地の上縁部１ａが裏 側に折り返されて縫着されており、フロント当布２が前身頃１の上端部１ｂ付近 には設けられないことから、着用者が、特に床や椅子に座ったときに、自らのウ エスト部分に苦しく感じる程度あるいはそれ以上の圧迫を受けて、前記着用者の 健康面や精神面に悪影響が及ぶということを防止することができる。

【００２６】 また、上記の構成からなる補正機能付下着Ｄでは、上述のような不都合の発生 を防止しつつ、特に着用者が立っているときには、下腹部の引き締め機能を発揮 して体のラインを補正することができる。

【００２７】 さらに、上記の構成からなる補正機能付下着Ｄでは、前記フロント当布２の全 面が前身頃１に縫着されているのではなく、フロント当布２の左右両縁５，５の 上部５ａ，５ａを除いた部分５ｂ，５ｂおよびフロント当布２の中間部に縫着さ れない開放部分が形成されているため、フロント当布２が図３（Ｃ）に示すよう な下腹部の引き締め機能を発揮して、前身頃１とフロント当布２とが異なる伸縮 をしても、この異なる伸縮によって生じえた皺や食い込みなどは前記開放部分の 存在によって解消されることになる。また、上記のような開放部分を設けてある 本発明の補正機能付下着Ｄでは、当布が前身頃に完全縫製されている従来の補正 機能付下着に比して、特に着用者が座った場合に受ける圧迫感を大幅に減らすこ とが可能である。

【００２８】 また、前記フロント当布２が、略Ｙ字形状をなしているとした場合には、前記 フロント当布２の上縁部２ａがその中央側ほど下方に位置する形状となり、前身 頃１が左右方向の引張を受けた場合に、フロント当布２の上縁部の伸びる割合が 前身頃１の上端部１ｂの伸びる割合よりも小さくなることから、着用者が立って いるときには、下腹部の引き締め機能を発揮して体のラインを補正するという効 果は保たれる一方、着用者が、例えば床や椅子に座ることによって、フロント当 布２が緊張状態となった場合であっても、フロント当布２の上端が、左右方向で はなく左右方向から少し傾いた状態で設けられていることや、前身頃１の上端よ りも伸びの割合が小さいことなどから、フロント当布２が着用者のウエスト部分 を締めつけようとする力は分散されるなどして小さくなり、自らのウエスト部分 に苦しく感じる程度あるいはそれ以上の圧迫を受けて、前記着用者の健康面や精 神面に悪影響が及ぶということをより確実に防止することができる。

【００２９】 さらに、前記フロント当布２が、前身頃１の足口周縁部１ｄ，１ｄ付近には配 置されないように構成すれば、足口周縁部１ｄ，１ｄ付近にまで配置されたフロ ント当布２によって着用者の鼠蹊部付近が強く締めつけられ、歩行時などにおけ る足の動き（足さばき）が妨げられたり、鼠蹊部付近に痛みや炎症が生じたりす るということを防止することができる。

【００３０】 図４（Ａ），（Ｂ）および（Ｃ）は、本考案の第二実施例に係る補正機能付下 着Ｄ₂ の構成を概略的に示す正面図，背面図および側面図、図５は、前記補正機 能付下着Ｄ₂ の縫製前の各布片の構成を概略的に示す説明図、図６（Ａ）および （Ｂ）は、前記補正機能付下着Ｄ₂ の主要部の縫製前および縫製後の構成を概略 的に示す説明図であり、図６（Ｃ）は、前記補正機能付下着Ｄ₂ の効果を概略的 に示す側面図である。なお、上記第一実施例に示したものと同一構造の部材につ いては、同じ符号を付し、その説明を省略する。 補正機能付下着Ｄ₂ は、主にヒップアップ機能を有する下着であり、前身頃１ ’と、後身頃３と、この後身頃３の裏側に設けられるヒップ当布６と、股布部４ とを有している。

【００３１】 前記前身頃１’は、第一実施例における前記前身頃１に比して、その上端部１ ｂが二重構造になっておらず一重構造となっている点で異なる。なお、前記前身 頃１’に代えて、第一実施例の前身頃１を用いてもよい。

【００３２】 前記ヒップ当布６は、前記後身頃３の生地よりも引張応力の強い生地（例えば 、ナイロンとポリウレタンとからなるいわゆるいわゆるパワーネット）からなる 。そして、臀部を側方から取り囲むような略円弧形状をしていて、その外側縁７ が後身頃３の側縁部３ａ，足口周縁部３ｂおよび股布部４と前身頃１’（前身頃 １）の後縁部１ｅとの縫着部分に縫着され、その内側縁８の上部８ａは後身頃３ に、下部８ｂは後身頃３の中心縫合部分３ｃに縫着され、中間部８ｃは縫着され ていない状態で後身頃３に取着される左右一対のヒップ当布６，６が後身頃３の 裏側に設けられており、各ヒップ当布６の下部が左右方向において後身頃３の中 心縫合部分３ｃ側に引っ張られた状態で縫着されている。なお、ヒップ当布６は 、後身頃３の生地と同等の引張応力を有する生地あるいは後身頃３の生地と同じ 生地からなっていてもよい。

【００３３】 また、前記ヒップ当布６の内側縁８の上部８ａの下端から外側縁７の足口周縁 部３ｂ付近の適宜の箇所７ａにかけて、後身頃３に縫着される縫着部９が形成さ れており、さらに、外側縁７の足口周縁部３ｂ付近の適宜の箇所７ｂから前記中 心縫合部分３ｃにかけて、股布部４の後縁部４ｂと後身頃３との縫着部分に縫着 される縫着部１０が形成されている。なお、前記適宜の箇所７ａおよび７ｂは、 例えば後身頃３の足口周縁部３ｂ付近に相当する部分に設けられている。また、 前記適宜の箇所７ａおよび７ｂは、同一箇所であってもよい。

【００３４】 上記の構成からなる補正機能付下着Ｄ₂ では、臀部の比較的突出する部分を覆 う位置に縫い目が形成されていないため、縫い目が、補正機能付下着Ｄ₂ の外側 に着用した比較的身体に密着して着用されるアウターファッション（例えば、タ イトスカートやスラックス等）の表面に所謂稜線として出現してしまい、外観が 悪くなるということを防止することができる。

【００３５】 また、上記の構成からなる補正機能付下着Ｄ₂ では、主に後身頃３のみからな る部分（ヒップ当布６が設けられていない部分）よりも緊張度が高くなるヒップ 当布６の内側縁８の上部８ａ付近によって着用者の臀部の側部を引き締め、かつ 、主に前記ヒップ当布６の上部よりも緊張度が高くなるヒップ当布６の内側縁８ の中間部８ｃ付近によって臀部の最下部を持ち上げることによって体のラインの 補正（ヒップアップ）を行うとともに、着用者の臀部を、その最下部を持ち上げ た状態に保持しつつ、主に後身頃３のヒップ当布６が設けられていない部分によ って柔らかく包んでおくことが可能である。

【００３６】 さらに、上記の構成からなる補正機能付下着Ｄ₂ において、前記縫着部９を形 成した場合には、縫着部９を形成しない場合に比して、前記ヒップ当布６の中間 部８ｃ付近の緊張度がより高まるため、上述した着用者の臀部の最下部を持ち上 げるという機能が上昇することになる。

【００３７】 なお、上記の構成からなる補正機能付下着Ｄ₂ では、前記各ヒップ当布６の外 側縁７が、後身頃３の側縁部３ａ，足口周縁部３ｂに縫着されているが、このよ うな構成に代えて、例えば、図４（Ｃ）に示すように、前記各ヒップ当布６の外 側縁７が、後身頃３の上縁部３ｄ，足口周縁部３ｂに縫着されているとしてもよ い。図４（Ｃ）では、このときのヒップ当布６の内側縁８の上部８ａを一点鎖線 で示している。

【００３８】 本考案の第一実施例に係る補正機能付下着Ｄは、前記前身頃１，後身頃３およ び股布部４に、フロント当布２を備えたものであり、本考案の第二実施例に係る 補正機能付下着Ｄ₂ は、前記前身頃１’（または前身頃１），後身頃３および股 布部４に、ヒップ当布６を備えたものであるが、前記前身頃１（または前身頃１ ’），後身頃３および股布部４に、フロント当布２とヒップ当布６とを備えたも のを本考案の第三実施例に係る補正機能付下着とすることができる。

【００３９】 なお、上記の構成からなる第三実施例に係る補正機能付下着は、第一実施例の 補正機能付下着Ｄによって得られる効果および第二実施例の補正機能付下着Ｄ₂ によって得られる効果の双方が得られるのみならず、第一実施例の補正機能付下 着Ｄによって得られる下腹部引き締め機能が働くことによって後身頃３の生地が 左右に引っ張られ、第二実施例の補正機能付下着Ｄ₂ によって得られるヒップア ップ機能が高まり、また、第二実施例の補正機能付下着Ｄ₂ によって得られるヒ ップアップ機能が働くことによって前身頃１（前身頃１’）の生地が左右に引っ 張られ、第一実施例の補正機能付下着Ｄによって得られる下腹部引き締め機能が 高まるのである。

【００４０】 上記第一〜第三実施例における補正機能付下着は、ショーツとして形成しても よいし、ガードルとして形成してもよい。

【００４１】

【考案の効果】

上記の構成からなる本考案によれば、着用者の心身やファッション性（外観） に悪影響を与えるなどの不都合を伴うことなく体のラインの補正を図ることがで きる補正機能付下着を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ），（Ｂ）および（Ｃ）は、本考案の第一
実施例に係る補正機能付下着の構成を概略的に示す正面
図，背面図および側面図である。

【図２】上記実施例の縫製前の各布片の構成を概略的に
示す説明図である。

【図３】（Ａ）および（Ｂ）は、上記実施例の主要部の
縫製前および縫製後の構成を概略的に示す説明図であ
り、（Ｃ）は、上記実施例の効果を概略的に示す側面図
である。

【図４】（Ａ），（Ｂ）および（Ｃ）は、本考案の第二
実施例に係る補正機能付下着の構成を概略的に示す正面
図，背面図および側面図である。

【図５】上記第二実施例の縫製前の各布片の構成を概略
的に示す説明図である。

【図６】（Ａ）および（Ｂ）は、上記第二実施例の主要
部の縫製前および縫製後の構成を概略的に示す説明図で
あり、（Ｃ）は、上記第二実施例の効果を概略的に示す
側面図である。

【符号の説明】

１…前身頃、１ａ…上縁部、１ｃ…左右側部、２…フロ
ント当布、２ａ…上縁部、２ｂ…下縁部、４…股布部、
４ａ…前縁部、５…左右両縁、５ａ…上部、５ｂ…上部
を除いた部分、Ｄ…補正機能付下着。

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前身頃の生地の上縁部が裏側に折り返さ
   れて縫着されており、また、フロント当布が前身頃の裏
   側に設けられており、このフロント当布の左右両縁がそ
   れぞれフロント当布の下縁部から遠ざかる方向および脇
   側方向に引っ張られた状態で、その上縁部が前身頃の生
   地の前記上縁部に縫着され、その下縁部が股布部の前縁
   部に縫着され、その左右両縁の上部のみが前身頃の左右
   側部に縫着され、その左右両縁の上部を除いた部分およ
   びフロント当布の中間部は縫着されていないことを特徴
   とする補正機能付下着。
2. 【請求項２】 前身頃の生地の上縁部が裏側に折り返さ
   れて縫着されており、また、フロント当布が前身頃の裏
   側に設けられており、このフロント当布の左右両縁がそ
   れぞれフロント当布の下縁部から遠ざかる方向および脇
   側方向に引っ張られた状態で、その上縁部が前身頃の生
   地の前記上縁部に縫着され、その下縁部が股布部の前縁
   部に縫着され、その左右両縁の上部のみが前身頃の左右
   側部に縫着され、その左右両縁の上部を除いた部分およ
   びフロント当布の中間部は縫着されず、一方、臀部を側
   方から取り囲むような略円弧形状をしていて、その外側
   縁が後身頃の側縁部又は上縁部，足口周縁部に縫着さ
   れ、その内側縁の上部は後身頃に、下部は後身頃の中心
   縫合部分に縫着され、中間部は縫着されていない状態で
   後身頃に取着される左右一対のヒップ当布が後身頃の裏
   側に設けられており、このヒップ当布の下部が左右方向
   において後身頃の中心縫合部分側に引っ張られた状態で
   縫着されていることを特徴とする補正機能付下着。
3. 【請求項３】 前記フロント当布が、略Ｙ字形状をなし
   ている請求項１または２に記載の補正機能付下着。
4. 【請求項４】 前記フロント当布が、略Ｔ字形状をなし
   ている請求項１または２に記載の補正機能付下着。
5. 【請求項５】 前記フロント当布が、前身頃の足口周縁
   部付近には配置されない請求項１〜４のいずれかに記載
   の補正機能付下着。
6. 【請求項６】 臀部を側方から取り囲むような略円弧形
   状をしていて、その外側縁が後身頃の側縁部又は上縁
   部，足口周縁部に縫着され、その内側縁の上部は後身頃
   に、下部は後身頃の中心縫合部分に縫着され、中間部は
   縫着されていない状態で後身頃に取着される左右一対の
   ヒップ当布が後身頃の裏側に設けられており、このヒッ
   プ当布の下部が左右方向において後身頃の中心縫合部分
   側に引っ張られた状態で縫着されていることを特徴とす
   る補正機能付下着。
7. 【請求項７】 前記ヒップ当布の内側縁の上部の下端か
   ら外側縁の足口周縁部付近の箇所にかけて、後身頃に縫
   着される縫着部が形成されている請求項２または６に記
   載の補正機能付下着。
8. 【請求項８】 ショーツとして形成されている請求項１
   〜７のいずれかに記載の補正機能付下着。
9. 【請求項９】 ガードルとして形成されている請求項１
   〜８のいずれかに記載の補正機能付下着。