JP3074983B2 - ジェットエンジンの排気ノズル - Google Patents

ジェットエンジンの排気ノズル

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JP3074983B2
JP3074983B2 JP04332038A JP33203892A JP3074983B2 JP 3074983 B2 JP3074983 B2 JP 3074983B2 JP 04332038 A JP04332038 A JP 04332038A JP 33203892 A JP33203892 A JP 33203892A JP 3074983 B2 JP3074983 B2 JP 3074983B2
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良也 中村
忠昭 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジェットエンジンやス
クラムジェットエンジンに好適な排気ノズルに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、マッハ数2.5〜5の航行速度で
巡航する機体に使用するエンジンとして、ラムジェット
エンジンの開発が行われている。該ラムジェットエンジ
ンは、ガスタービンエンジンのように空気圧縮機を持た
ず、空気の圧縮は、該空気がエンジン内に高速で流入す
る際のラム圧力で賄うようになっている。したがって、
圧縮機を駆動するタービンも不要で、構造が極めて簡単
であり、しかも、流入空気の速度が高まるほど、すなわ
ち、機体の航行速度が高くなるほど、その燃焼効率を向
上することができるので、将来の超高速機用エンジンと
して研究が進められている。
【0003】ところで、このようなラムジェットエンジ
ンの作動に際して、燃焼器における燃焼効率の向上のみ
ならず、該燃焼器の後段に配される排気ノズルにおける
燃焼気流(噴流)を利用することにより、推力効率を向
上することができることが知られている。そして、該燃
焼気流を利用するための排気ノズルとして、図4に示す
構造のコンバージェント・ダイバージェント(CD)型
の排気ノズル1が採用されている。
【0004】この排気ノズル1は、間隔を空けて対向す
る一対の固定壁2と、その間に対向状態に配される一対
の可動フラップ3とによって矩形断面を有するダクト状
に形成されている。該可動フラップ3は、それぞれ燃焼
ガスGの流通方向に沿って並べられる2枚の平板状のフ
ラップ板3a・3bを相対角度変更自在に連結して構成
されている。そして、それぞれのフラップ板に取り付け
られるシリンダ等の駆動手段(図示略)を作動させ、前
記フラップ板の連結部3cを関節として相対角度を変化
させることにより屈曲させられ、燃焼ガスGの流通方向
に沿って流路面積を変化させることができるようになっ
ている。
【0005】このように構成された排気ノズル1にあっ
ては、各航行速度において最適な推力効率を得るための
指標としてのノズル開口比ηが航行速度に応じて決定さ
れることが知られている。該ノズル開口比ηは、排気ノ
ズル1の後縁1aにおける流路面積A1を排気ノズル1
の最小流路面積となるスロート部1bにおける流路面積
2で除した値、すなわち、 η=A1/A2 である。例えば、航行速度がマッハ数2程度の低超音速
度であるときには、ノズル開口比ηは、 η≒1 となり、このノズル開口比ηを実現するために前記フラ
ップ板3a・3bの相対角度を小さくしてスロート部1
bを排気ノズル1の後縁1a近傍に配置する。また、航
行速度が高くなれば、それとともに最適な推力効率を得
ることができるノズル開口比ηが、 η>1 の範囲で変化する。そして、各航行速度において最適な
推力効率を得ることができるノズル開口比ηを実現する
ために、前記フラップ板3a・3bの連結部3cを屈曲
させて、該連結部3cにスロート部1bを形成するとと
もに、該連結部3cの屈曲を鋭く形成して排気ノズル1
内に突出させることにより、スロート部1bの流路面積
2を小さくし、かつ、排気ノズル1後縁1aにおける
流路面積A1を増大させることが行なわれる。
【0006】このように排気ノズル1を構成すると、該
排気ノズル1を流通する燃焼ガスGは、スロート部1b
によって一旦絞られることによりマッハ数1程度まで加
速され、さらに、その後に発散させられることによって
超音速まで増速されることになり、推力効率が向上され
ることになる。しかも、各航行速度に応じて最適な推力
効率を達成するノズル開口比ηが実現されるので、広い
航行速度範囲に亘って、高い推力効率を得ることができ
るという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような排気ノズル1であると、高超音速航行速度範囲に
おいて、フラップ板3a・3bを相対回転自在に連結す
る連結部3cに、スロート部1bが形成されるため、該
連結部3cが高温状態に加熱され、焼付き等の不具合を
発生することが考えられる。この場合にあっては、該連
結部3cにおけるフラップ板3a・3bの相対回転が阻
害されることになり、航行速度に応じた排気ノズル1の
形状変化が困難となる。
【0008】さらに、従来の排気ノズル1であると、連
結部3cによって連結された各2枚のフラップ板3a・
3bの相対角度を変化させることにより、最適なノズル
開口比ηを実現することとしているため、特に、高開口
ノズル比ηを実現するときには、上述したように、スロ
ート部1bの流路面積A2を絞るとともに、排気ノズル
1後縁1aにおける流路面積A1を拡大することが行な
われる。このとき、上述のような平板状のフラップ板3
a・3bを連結して構成される可動フラップ3によっ
て、小さい流路面積A2のスロート部1bと排気ノズル
1後縁1aにおける大きい流路面積A1とを実現しよう
とすると、前記連結部3cの下流に配されるフラップ板
3bの傾斜角度を大きくする必要がある。しかしなが
ら、フラップ板3bの傾斜角度を大きくした場合である
と、排気ノズル1後縁1aから噴出される燃焼ガスGが
必要以上に広がってしまい所望の推力を得ることができ
ないという不都合があった。また、η≒1とすると、フ
ラップ長過大となり、摩擦抵抗が増加して推力効率を低
下させることになるという不都合を生じる。
【0009】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、可動フラップの健全性の向上、高超音速
度範囲における推力効率の向上等を図ることができるジ
ェットエンジンの排気ノズルを提供することを目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、間隔を空けて配される一対の固定壁と、
その間に対向状態に配される一対の可動フラップとによ
り矩形断面を有するダクト状に形成されてなり、その内
部に燃焼ガスを流通させるジェットエンジンの排気ノズ
ルであって、前記可動フラップは、燃焼ガスの流通方向
に沿って連設される前部フラップおよび後部フラップを
具備し、該後部フラップは、前部フラップ後部に重畳状
態に接触させられて排気ノズル内面の一部を形成する曲
率半径の大なる凸曲面を有するとともに、該後部フラッ
プに、該後部フラップを前記前部フラップから離間させ
ることによりその間隙から外部空気を流入させる離間手
段と、該後部フラップを前記凸曲面に沿う方向に変位さ
せる後部フラップ移動手段とが配設されており、該後部
フラップ移動手段は、前記固定壁に取り付けられるガイ
ドレールと、該ガイドレールに配置されるスライダと、
該スライダと前記後部フラップとを連結するリンク機構
と、前記後部フラップに排気ノズルの長手方向に移動さ
せる力を付与する移動シリンダとを有するジェットエン
ジンの排気ノズルを提案している。
【0011】
【作用】本発明に係るジェットエンジンの排気ノズル
は、一対の後部フラップと、該後部フラップの凸曲面に
接触状態に配される前部フラップとからなる可動フラッ
プを対向状態に配置し、一対の固定壁とともに矩形断面
を有するダクト状に形成される。航行速度が低超音速度
にあるときには、後部フラップ移動手段を作動させて、
後部フラップの後縁位置において燃焼ガスの流路面積が
最も小さくなるように後部フラップを配置する。そし
て、航行速度の上昇とともに、後部フラップ移動手段を
作動させて、後部フラップの凸曲面位置において燃焼ガ
スの最小流通面積となるスロート部を構成することによ
り、所望のノズル開口比を実現する。さらに、航行速度
が高超音速度に達したときには、後部フラップ移動手段
を作動させて、後部フラップをその凸曲面に沿って後方
に移動させることにより、スロート位置を一定位置に保
持したまま、後部フラップの後縁位置を後方に移動させ
ることができる。これにより、後部フラップの傾斜角度
を抑制しつつ、所望のノズル開口比を実現することが可
能となる。また、離間手段を作動させることにより、前
部フラップと、後部フラップとが離間させられることに
なり、これによって形成される両フラップの間隙から外
部空気を排気ノズル内に取り込んで燃焼ガスの排出速度
を低下させることが可能となる。加えて、後部フラップ
移動手段は、固定壁に取り付けられるガイドレールと、
該ガイドレールに配置されるスライダと、該スライダと
後部フラップとを連結するリンク機構と、後部フラップ
に排気ノズルの長手方向に移動させる力を付与する移動
シリンダとを有する構成であるため、簡素な構成で後部
フラップを凸曲面に沿う方向に変位させることができ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係るジェットエンジンの排気
ノズルの一実施例について、図1ないし図3を参照して
説明する。これら各図において、符号10は排気ノズ
ル、11は可動フラップ、12は前部フラップ、13は
後部フラップ、14は移動機構(後部フラップ移動手
段)、15はガイドレール、16はスライダ、17は連
結部材、18はエジェクタシリンダ(離間手段)、19
は移動シリンダである。なお、本実施例において、図4
に示す排気ノズル1の従来例と共通する箇所に同一符号
を付し、説明を簡略化する。
【0013】本実施例の排気ノズル10は、間隔を空け
て対向する一対の固定壁2と、その間に対向状態に配さ
れる一対の可動フラップ11とによって矩形断面を有す
るダクト状に形成されている点で、従来例と共通してい
る。しかし、本実施例の排気ノズル10は、可動フラッ
プ11の構造において、従来例と相違している。
【0014】前記可動フラップ11は、燃焼ガスGの流
通方向に沿って前後に分割状態に配される前部フラップ
12と後部フラップ13とを具備している。該後部フラ
ップ13は、排気ノズル10の内面の一部を構成する表
面の前半部に凸曲面13aを有し、該凸曲面13aの後
方には、該凸曲面13aに滑らかに接続する平面部13
bを有しており、全体として略翼形状に形成されてい
る。前記凸曲面13aは、例えば、該排気ノズル10に
対して遠方に配される中心O1を有する円周面からな
り、図1に示す例では、後部フラップ13の長さと同程
度の半径寸法に形成されている。また、前記前部フラッ
プ12は、機体(図示略)に固定されておりその後端部
12aを前記後部フラップ13の凸曲面13aに重畳状
態に配されて、前記排気ノズル10の内面の一部を構成
するようになっている。
【0015】このように構成された可動フラップ11に
おいて、後部フラップ13には、該後部フラップ13を
変位させる移動機構14(後部フラップ移動手段)が配
設されている。該移動機構14は、例えば、図1ないし
図3に示すように、前記排気ノズル10両側の固定壁2
にそれぞれ取り付けられるガイドレール15と、該ガイ
ドレール15に沿って間隔をおいて配置される2組のス
ライダ16と、前記後部フラップ13の側面下部とスラ
イダ16とを連結する連結部材17と、該連結部材17
の途中位置と前記後部フラップ13の側面上部とを連結
するエジェクタシリンダ18(離間手段)と、後部フラ
ップ13の先端と機体(図1ないし図3では、機体に固
定された前部フラップ12)とを連結する移動シリンダ
19とを具備している。
【0016】前記連結部材17と後部フラップ13との
連結部17a、連結部材17とスライダ16との連結部
17b、前記エジェクタシリンダ18と後部フラップ1
3との連結部18a、エジェクタシリンダ18と連結部
材17との連結部18b、前記移動シリンダ19と機体
との連結部19a、移動シリンダ19と後部フラップ1
3との連結部19bは、それぞれ揺動自在に連結されて
いる。
【0017】前記エジェクタシリンダ18は、前記連結
部材17のそれぞれに取り付けられており、伸縮させる
ことによって後部フラップ13を排気ノズル10に交差
する方向に移動させることができるようになっている。
すなわち、該エジェクタシリンダ18を伸張させること
により、ガイドレール15と後部フラップ13との間隔
寸法を広げるように力が作用することになり、該エジェ
クタシリンダ18と連結部材17とからなるリンク機構
によって、後部フラップ13が移動させられることにな
る。また、その逆にエジェクタシリンダ18を収縮させ
ることにより、後部フラップ13が上記とは逆方向に移
動させられ、前記前部フラップ12の後端部12aに接
触する位置まで戻されることになる。
【0018】前記移動シリンダ19は、伸縮することに
よって後部フラップ13を排気ノズル10の長手方向に
移動させる力を後部フラップ13に作用させる。後部フ
ラップ13は、ガイドレール15によってその移動の自
由度を規制されているので、後部フラップ13と移動シ
リンダ19との連結部19bおよび移動シリンダ19と
機体との連結部19aを適宜揺動させることによって、
後部フラップ13をガイドレール15に沿って移動させ
ることができるようになっている。
【0019】前記ガイドレール15は、前記後部フラッ
プ13の凸曲面13aが前記前部フラップ12の後端部
12aと接触状態に配されたときに、前記後部フラップ
13の凸曲面13aの中心O1と同一位置に配される中
心を有する円弧状に形成されており、前記スライダ16
を該円弧に沿って移動可能に取り付けている。
【0020】このように構成された排気ノズル10をジ
ェットエンジンの燃焼器(図示略)後段に配して航行を
実施する場合にあって、機体の航行速度が低超音速度で
あるときには、図1に示すように可動フラップ11を構
成する。すなわち、前記移動機構14のエジェクタシリ
ンダ18および移動シリンダ19をいずれも収縮状態と
して、後部フラップ13の凸曲面13aを前部フラップ
12の後端部12aに接触状態としかつ後部フラップ1
3の後部に形成される平面部13bが固定壁2とともに
概略四角柱状の排気ノズル10を形成するように配す
る。そして、後部フラップ13の後縁10a位置におい
て燃焼ガスGの流路面積A1が最も小さくなるように排
気ノズル10を構成することにより、スロート部10b
が排気ノズル10後縁10aに形成され、ノズル開口比
ηが、 η=1 となって、低超音速度において良好な推力効率を得るこ
とができることになる。
【0021】次に、機体の航行速度が上昇した場合に
は、前記移動機構14を作動させて、図2に示すように
可動フラップ11を構成する。すなわち、移動機構14
におけるエジェクタシリンダ18を収縮状態に維持し
て、移動シリンダ19を徐々に伸張させる。これによ
り、後部フラップ13がガイドレール15との相対関係
を維持したまま、該ガイドレール15に沿って移動させ
られる。このとき、後部フラップ13の凸曲面13aの
中心O1は、ガイドレール15の中心と同一位置に配さ
れているので、ガイドレール15に沿う移動にあたって
凸曲面13aがその法線方向に移動しないように維持さ
れる。つまり、後部フラップ13の凸曲面13aに接触
状態に配された前部フラップ12の後端部12aは、こ
の後部フラップ13の移動に際しても凸曲面13aとの
接触状態を維持して一連の排気ノズル10を構成し続け
ることになる。
【0022】そして、後部フラップ13がこのように移
動させられた場合であると、該後部フラップ13の後縁
13cが、後方に移動させられるとともに前記ガイドレ
ール15の中心O1回りに回転させられることになり、
排気ノズル10後縁10aにおける流路面積A1が拡大
して該後縁10aに形成されていた排気ノズル10のス
ロート部10bがその前方に位置する凸曲面13aの位
置に移動する。この状態で、後部フラップ13が、さら
に移動させられた場合であっても、上述したように凸曲
面13aがその法線方向に移動しないので、スロート部
10bの流路面積A2が一定値に維持される。これによ
り、ノズル開口比ηが増大され、高超音速度での機体の
航行における最適な推力効率が実現されることになる。
また、航行速度の変化に応じて、後部フラップ13が適
宜移動され、推力効率が常に最適な値に維持されること
になる。
【0023】このように、本実施例の排気ノズル10に
おいては、後部フラップ13の移動経路を決定するガイ
ドレール15が排気ノズル10に対して遠方に位置する
中心O1を有しているため、該ガイドレール15に沿っ
て後部フラップ13が移動させられることによって、そ
の後縁13cにおける流路面積A1が拡大される際に、
該後縁13cの位置が後方に移動することになる。この
場合にあって、後部フラップ13の凸曲面13aはガイ
ドレール15の中心O1と同一位置に配される中心O1
有しているので、スロート部10bの位置は、同一位置
に固定される。その結果、スロート部10bから後部フ
ラップ13の後縁13cまでの距離寸法を大きく構成す
ることができ、同一ノズル開口比ηを実現するための従
来の排気ノズル1と比較して後部フラップ13によって
形成される排気ノズル10内面の傾斜角度が低減される
ことになる。
【0024】したがって、本実施例の排気ノズル10に
よると、ノズル開口比ηを最適な値に設定したときに、
スロート部10bの後方に位置する排気ノズル10内面
の傾斜角度を小さくすることができるので、排出される
燃焼ガスGの広がりを低減して、該燃焼ガスGの指向性
を向上し、推力の向上を図ることができる。
【0025】また、本実施例の排気ノズル10にあって
は、機体の離着陸時に、移動機構14のエジェクタシリ
ンダ18を伸張させることにより、後部フラップ13を
排気ノズル10に交差する方向に移動させることがで
き、これによって、前部フラップ12と後部フラップ1
3とを図3に示すように離間させ、その間隙を通して排
気ノズル10内に外部空気を流通させる、いわゆるエジ
ェクタ形態を実現することができる。これにより、推力
を維持したまま、排気速度を低下させることができ、離
着陸時における騒音防止等を図ることが可能となる。
【0026】〈他の実施態様〉なお、本発明に係るジェ
ットエンジンの排気ノズル10にあっては、以下の技術
を採用することができる。 後部フラップ13の凸曲面13aを円周面とした
が、これに代えて、排気ノズル10の長手方向に沿って
曲率の変化する任意の凸曲面とすること。 凸曲面10の半径を後部フラップ13の全長と同程
度としたが、これに代えて、任意の半径寸法を有する円
周面に形成すること。 後部フラップ13がエジェクタシリンダ18および
移動シリンダ19を具備する移動機構14によって作動
させられることとしたが、これに代えて、他の任意のア
クチュエータを有する移動機構を採用すること。 前部フラップ12を機体に固定し、後部フラップ1
3をエジェクタシリンダ18によって前部フラップ12
から離間させることとしたが、これに代えて、前部フラ
ップ12を揺動可能に支持して、後部フラップ13から
離間させること。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係るジェ
ットエンジンの排気ノズルは、一対の固定壁と、一対の
可動フラップとにより矩形断面を有するダクト状に形成
されてなり、可動フラップが、曲率半径の大なる凸曲面
を有する後部フラップと、その凸曲面に重畳状態に配さ
れる前部フラップと、該前部フラップを後部フラップか
ら離間させる離間手段と、後部フラップを凸曲面に沿う
方向に変位させる後部フラップ移動手段とを具備して
り、後部フラップ移動手段が、固定壁に取り付けられる
ガイドレールと、該ガイドレールに配置されるスライダ
と、該スライダと後部フラップとを連結するリンク機構
と、後部フラップに排気ノズルの長手方向に移動させる
力を付与する移動シリンダとを有する構成であるため、
以下の効果を奏する。 後部フラップをその凸曲面に
沿う方向に移動することにより、後部フラップの後縁位
置を排気ノズルの長手方向に移動しつつ該後縁における
流路面積を拡大するので、該排気ノズルから排出される
燃焼ガスの指向性を向上して、推力効率を向上すること
ができる。 可動フラップを移動可能な後部フラップ
とそれに重畳状態に配される前部フラップとにより構成
したので、排気ノズル内に従来のような関節部を配置す
ることがなく、燃焼ガスの熱による可動フラップの健全
性の低下を防止することができる。 離間手段によっ
て前部フラップと後部フラップとを離間することにより
エジェクタ形態を実現することができ、外部空気の導入
により排気速度を低下させて、離着陸時における騒音防
止効果の向上を図ることができる。 簡素な構成で後
部フラップを凸曲面に沿う方向に変位させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジェットエンジンの排気ノズルの
一実施例であって、低超音速度時の可動フラップの状態
を示す縦断面図である。
【図2】図1の排気ノズルの高超音速度時の可動フラッ
プの状態を示す縦断面図である。
【図3】図1の排気ノズルのエジェクタ形態における可
動フラップの状態を示す縦断面図である。
【図4】ジェットエンジンの排気ノズルの従来例を示す
模式図である。
【符号の説明】
2 固定壁 10 排気ノズル 10a 後縁 10b スロート部 11 可動フラップ 12 前部フラップ 12a 後端部 13 後部フラップ 13a 凸曲面 13b 平面部 13c 後縁 14 移動機構(後部フラップ移動手段) 15 ガイドレール 16 スライダ 17 連結部材 18 エジェクタシリンダ(離間手段) 19 移動シリンダ G 燃焼ガス A1・A2 流路面積 η ノズル開口比
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02K 1/08 - 1/12 F02K 1/28 F02K 1/36 - 1/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間隔を空けて配される一対の固定壁と、
    その間に対向状態に配される一対の可動フラップとによ
    り矩形断面を有するダクト状に形成されてなり、その内
    部に燃焼ガスを流通させるジェットエンジンの排気ノズ
    ルであって、前記可動フラップは、燃焼ガスの流通方向
    に沿って連設される前部フラップおよび後部フラップを
    具備し、該後部フラップは、前部フラップ後部に重畳状
    態に接触させられて排気ノズル内面の一部を形成する曲
    率半径の大なる凸曲面を有するとともに、該後部フラッ
    プに、該後部フラップを前記前部フラップから離間させ
    ることによりその間隙から外部空気を流入させる離間手
    段と、該後部フラップを前記凸曲面に沿う方向に変位さ
    せる後部フラップ移動手段とが配設されており、該後部
    フラップ移動手段は、前記固定壁に取り付けられるガイ
    ドレールと、該ガイドレールに配置されるスライダと、
    該スライダと前記後部フラップとを連結するリンク機構
    と、前記後部フラップに排気ノズルの長手方向に移動さ
    せる力を付与する移動シリンダとを有することを特徴と
    するジェットエンジンの排気ノズル。
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