JP3074676B2 - ナノスケールレジスト材料を用いたパターン形成方法 - Google Patents

ナノスケールレジスト材料を用いたパターン形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細加工技術に関
し、更に詳しくはアルカリ現像が可能なレジスト材料を
用いたレジストパタン形成方法及びエッチング方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体集積回路の微細構造を製造
する際、微細加工方法としては、溶媒に溶解した有機ポ
リマーを基板に塗布してその後に溶媒を除去し、作製し
たレジスト膜に高エネルギー線、あるいは紫外線を部分
的に照射して潜像を形成し、現像によって所望のパタン
を製造し、これをレジストとして加工を行うのが通例で
ある。
【0003】これまでの微細加工技術に関する従来技術
として、特公平3−42464では、電子ビーム用ネガ
レジストとして、アルカリ可溶性のヒドロキシスチレン
とクロロメチルスチレンと共重合させて調整した二元共
重合体、又はヒドロキシスチレンとクロロメチルスチレ
ンにスチレンをも共重合させた三元共重合体から成る材
料を用い、このレジスト材料を用いてアルカリ現像する
パターン形成方法が開示されている。
【0004】従来はこのレジスト材料として、分子量が
1万前後のポリマーを基底樹脂とするレジストが使われ
ていた。また最近では、高スループット、つまり、高感
度化の要求に応えるために、レジスト樹脂の架橋反応を
促進する触媒を添加された化学増幅型レジストが一般的
になってきている。例えば、シプレイ社製のSAL60
1レジストがそれである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、吉村ら
のジャーナル オブ バキューム サイエンス アンド
テクノロジー B 1992年第10巻p2615に記
載されている報告によると、SAL601レジストで
は、触媒である酸の拡散を抑制しても高々20ナノメー
トル幅のラインパターンしか形成できていない。
【0006】又同時に、SAL601レジストでは約十
ナノメートル程度もの基底樹脂分子サイズに起因すると
考えられるパターン側壁ラフネスについても報告されて
いる。これについては、吉村らからアプライド フィジ
クス レターズ 1993年第63巻p764でも報告
されている。以上からわかるように、0.1ミクロンル
ールより大きい半導体集積回路のために開発されたレジ
スト材料では、ナノメートルオーダのパターン形成は難
しいことがわかる。
【0007】又、近年、ナノメートル級微細パターン形
成や加工に適した低分子量のネガ型有機レジストとし
て、カリックスアレーンレジストがある。(文献ジャー
ナルオブ バキューム サイエンス アンド テクノロ
ジー B 1996年第14巻p4272)
【0008】カリックスアレーンレジストは分子サイズ
が小さいので、従来型レジストと比較して、ラフネスの
小さいパターンが形成可能である。しかしながら、カリ
ックスアレーンレジストの現像プロセスは現像液として
有機溶媒を使用しなければならない。
【0009】本発明の主な目的は、アルカリ現像が可能
なナノメートル級加工に適したレジスト材料を提供し、
それを用いたパターン形成プロセス及びエッチングプロ
セスを示すことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為に
本発明のナノスケールレジスト材料を用いたパターン形
成方法は、分子サイズが、ナノメートルオーダであるナ
ノスケールレジスト材料を用いて、半導体基板上にレジ
スト膜を形成するステップと、高エネルギー線を前記レ
ジスト膜の第1の領域を除く第2の領域に照射して、潜
像を形成するステップと、前記レジスト膜を有する基板
に対して現像処理を行い、前記第1の領域と前記第2の
領域の一方を除き、他方を残すステップとから成る事を
特徴とする。
【0011】前記レジスト膜を形成するステップが、分
子サイズがナノメートルオーダである前記ナノスケール
レジスト材料をクロルベンゼンに溶解して第1の溶液を
作製するステップと、前記第1の溶液をメッシュフィル
タでろ過し、レジスト溶液である第2の溶液を作製する
ステップと、前記第2の溶液を基板上に塗布してレジス
ト膜を製作するステップとから成る事を特徴とする。
【0012】前記第1の領域と前記第2の領域の一方を
除き他方を残すステップが、前記現像処理後に純水でリ
ンスするステップを含む事を特徴とする。
【0013】前記材料が、水酸化スチレンオリゴマーで
ある事を特徴とする。
【0014】前記現像処理が、アルカリ現像液を用いる
事を特徴とする。
【0015】前記第1の領域又は第2の領域は、10か
ら15ナノメートルの幅を有するラインパターンである
事を特徴とする。
【0016】前記レジスト膜は、その膜厚が15から5
0ナノメートルである事を特徴とする。
【0017】前記高エネルギー線が、電子線、X線或い
はイオンビームである事を特徴とする。
【0018】分子サイズが、ナノメートルオーダである
ナノスケールレジスト材料を用いて、基板上にレジスト
膜を形成するステップと、高エネルギー線を前記レジス
ト膜の第1の領域を除く第2の領域に照射して、潜像を
形成するステップと、前記レジスト膜を有する基板に対
して現像処理を行い、前記第1の領域と前記第2の領域
の一方を除き、他方を残すステップと、前記レジスト膜
を有する基板に対してエッチングを施すステップとから
成る事を特徴とする。
【0019】前記エッチングが、ドライエッチングであ
る事を特徴とする。
【0020】前記基板が、半導体、又は金属である事を
特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明であるナノスケール
レジスト材料及びパタン形成方法の実施の形態に関して
添付図面を参照して詳細に説明する。
【化1】 [化1]に本発明のナノスケールレジスト材料である、水
酸化スチレンレジストの化学構造式を示す。
【0022】次に、図1に重量平均分子量1050、数
平均分子量965、分散度が1.1の水酸化スチレンオ
リゴマーを使用したレジストパターン形成方法例をフロ
ーチャートで示す。
【0023】図1を参照して、本発明のパタン形成方法
は、始めにクロルベンゼンに水酸化スチレンオリゴマ−
を1.5wt%溶解し、0.2ミクロンのメッシュフィ
ルタでろ過して、レジスト溶液を調合する。
【0024】次に、清浄なSi基板をスピンコータにセ
ットした後基板上にレジスト溶液を滴下し、4000r
pmで60秒回転塗布して、厚さ35ナノメートルのレ
ジスト薄膜を形成した。
【0025】更に、走査電子線露光装置(日立製S50
00)を用いて、電子線照射を行い潜像パターンを形成
する。その後、アルカリ現像液(TMAH溶液)に30
秒浸して現像処理を行い、純水でリンスを行う。図2
に、現像、リンス後のレジストパターンの例を示す。図
2を参照して、加速15kVの電子線により、線幅12
ナノメートルの水酸化スチレンオリゴマーのラインパタ
ーンが形成できている。尚、本実施の形態におけるレジ
スト材料は、電子線照射量を変化させることによりネガ
及びポジ型両者に対応するものとしている。
【0026】以上の実施の形態では、レジスト薄膜に照
射する高エネルギ線として電子線を採用しているが、こ
の高エネルギ線としては他にX線、イオンビームを使用
しても、電子線の場合と同様の効果が実現可能であり、
微細レジストパターンの形成が可能である。
【0027】上述したレジストパタン形成方法により作
成した水酸化スチレンオリゴマーのレジストパターンを
用いて、更に微細構造物を形成する方法を以下に記す。
微細構造を作製する為の基板を用いて、例えばSiやG
aAs等の半導体、又はGeなどの金属上に上記と同様
のパタン形成方法で水酸化スチレンオリゴマーのレジス
トパターンを形成する。
【0028】水酸化スチレンにはこれらの半導体や金属
に対して十分なエッチング耐性があることが確認でき
る。例えば、CF4プラズマを用いた場合、Siに対す
る水酸化スチレンオリゴマーのエッチング選択比はほぼ
1である。Si基板上に作製した線幅15ナノメートル
の水酸化スチレンオリゴマ−レジストパターンをCF4
プラズマでエッチングし、線幅12ナノメートルの微細
Si線を作製した。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のナノスケ
ールレジスト材料及びパタン形成方法によれば、数ナノ
メートルの長さの水酸化スチレンオリゴマーをレジスト
の基底樹脂として用いるという基本構成に基づき、ナノ
メートル級を実現した極微細レジストパターン、及び極
微細構造物が提供される。
【0030】尚、本発明は上記各実施例に限定されず、
本発明の技術的思想の範囲内において、各実施例は適宜
変更され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、水酸化スチレンオリゴマーを使用した
レジストパターン形成方法を説明する為のフローチャー
トである。
【図2】図2は、水酸化スチレンオリゴマーのレジスト
パターン形成例を示す為の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−133374(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/32 G03F 7/004 G03F 7/038 G03F 7/039 H01L 21/027

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子サイズが、ナノメートルオーダである
    ナノスケールレジスト材料を用いて、基板上にレジスト
    膜を形成するステップと、 高エネルギー線を前記レジスト膜の第1の領域を除く第
    2の領域に照射して、潜像を形成するステップと、 前記レジスト膜を有する基板に対して現像処理を行い、
    前記第1の領域と前記第2の領域の一方を除き他方を残
    し、そして純水でリンスするステップとから成る事を特
    徴とするナノスケールレジスト材料を用いたパターン形
    成方法。
  2. 【請求項2】分子サイズが、ナノメートルオーダである
    ナノスケールレジスト材料を用いて、基板上にレジスト
    膜を形成するステップと、 高エネルギー線を前記レジスト膜の第1の領域を除く第
    2の領域に照射して、潜像を形成するステップと、 前記レジスト膜を有する基板に対して現像処理を行い、
    前記第1の領域と前記第2の領域の一方を除き、他方を
    残すステップとから成り、 前記ナノスケールレジスト材料が、水酸化スチレンオリ
    ゴマーである事を 特徴とするナノスケールレジスト材料
    を用いたパターン形成方法。
  3. 【請求項3】分子サイズが、ナノメートルオーダである
    ナノスケールレジスト材料を用いて、基板上にレジスト
    膜を形成するステップと、 高エネルギー線を前記レジスト膜の第1の領域を除く第
    2の領域に照射して、潜像を形成するステップと、 前記レジスト膜を有する基板に対して現像処理を行い、
    前記第1の領域と前記第2の領域の一方を除き、他方を
    残すステップとから成り、 前記現像処理が、アルカリ現像液を用いる事を 特徴とす
    るナノスケールレジスト材料を用いたパターン形成方
    法。
  4. 【請求項4】前記レジスト膜を形成するステップが、 分子サイズがナノメートルオーダである前記ナノスケー
    ルレジスト材料をクロルベンゼンに溶解して第1の溶液
    を作製するステップと、 前記第1の溶液をメッシュフィルタでろ過し、レジスト
    溶液である第2の溶液を作製するステップと、 前記第2の溶液を基板上に塗布してレジスト膜を製作す
    るステップとから成る事を特徴とする請求項1乃至3の
    何れか一項に記載のナノスケールレジスト材料を用いた
    パターン形成方法。
  5. 【請求項5】前記第1の領域又は第2の領域の残された
    領域は、10から15ナノメートルの幅を有するライン
    パターンである事を特徴とする請求項1乃至3の何れか
    一項に記載のナノスケールレジスト材料を用いたパター
    ン形成方法。
  6. 【請求項6】前記レジスト膜は、その膜厚が15から5
    0ナノメートルである事を特徴とする請求項1乃至3の
    何れか一項に記載のナノスケールレジスト材料を用いた
    パターン形成方法。
  7. 【請求項7】前記高エネルギー線が、電子線、X線或い
    はイオンビームである事を特徴とする請求項1乃至3の
    何れか一項に記載のナノスケールレジスト材料を用いた
    パターン形成方法。
  8. 【請求項8】分子サイズが、ナノメートルオーダである
    ナノスケールレジスト材料を用いて、基板上にレジスト
    膜を形成するステップと、 高エネルギー線を前記レジスト膜の第1の領域を除く第
    2の領域に照射して、潜像を形成するステップと、 前記レジスト膜を有する基板に対して現像処理を行い、
    前記第1の領域と前記第2の領域の一方を除き他方を残
    し、そして純水でリンスするステップと、 前記レジスト膜を有する基板に対してエッチングを施す
    ステップとから成る事を特徴とするナノスケールレジス
    ト材料を用いたパターン形成方法。
  9. 【請求項9】前記エッチングが、ドライエッチングであ
    る事を特徴とする請求項8記載のナノスケールレジスト
    材料を用いたパターン形成方法。
  10. 【請求項10】前記基板が、半導体、又は金属である事
    を特徴とする請求項8記載のナノスケールレジスト材料
    を用いたパターン形成方法。
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