JP3074124B2 - 液体金属冷却炉の要素試験装置 - Google Patents

液体金属冷却炉の要素試験装置

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JP3074124B2 JP07052785A JP5278595A JP3074124B2 JP 3074124 B2 JP3074124 B2 JP 3074124B2 JP 07052785 A JP07052785 A JP 07052785A JP 5278595 A JP5278595 A JP 5278595A JP 3074124 B2 JP3074124 B2 JP 3074124B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体金属冷却高速増殖炉
の原子炉システムの試験装置に係り、特に原子炉容器内
の多様な熱流動の課題を実証するためのスケールモデル
の要素試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体金属冷却高速増殖炉は、炉心で発生
した熱を効率的に利用するため、冷却材にナトリウム等
の液体金属を使用し、原子炉出口温度で550℃の高温
で運転する。原子炉システムは炉容器、炉心、炉内構造
物、炉上部機器、炉上部蓋構造等により構成されてい
る。原子炉システムには炉心で発生した熱を冷却するた
めの冷却システムが接続されており、冷却システムは、
通常複数の冷却ループより構成される。従って、炉内の
液体金属の熱流動は、炉心、炉内構造物、炉上部機器及
び冷却システム等の関連で複数なものとなり、関連機器
の熱応力による構造健全性についても設計段階での十分
な検討が必要となる。このような炉内の熱流動・構造健
全性については、実際に高温の液体金属を用いて、実機
に近いシステムで確認することが必要となり、通常、ス
ケールモデルの試験装置による確証試験が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記に示した実機に近
いシステムで、実際の高温の液体金属を用いて試験を実
施することには、以下に述べるような技術的及び経済的
な問題がある。
【0004】試験装置に関しては、まず、核エネルギー
を用いずに模擬炉心部での液体金属の加熱状態を作り出
す必要があるが、加熱装置をそのまま試験装置の模擬炉
容器の中に組み込むことは発熱体のエネルギー出力密度
を考えると極めて困難である。また、炉内の流動は冷却
系の複数ループの影響を考慮できるようなものとし、か
つ、冷却システムは試験装置の設備容量の観点で可能な
限りシンプルに模擬する必要がある。さらに、スケール
モデルの模擬炉容器により、実機の熱流動で確認したい
状況を適切に模擬する必要がある。加えて、同一の試験
装置で、炉上部機器、炉内機器のいくつかの設計オプシ
ョンの確認試験を可能とする必要がある。
【0005】一方、このような実機のスケールモデルの
確証試験装置は、通常数十MWtの加熱装置が必要とな
るが、試験に要する燃料費等のコストは極めて大きく、
長時間の試験を実施することは経済性の観点から困難と
なっている。
【0006】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、その第1の目的は、模擬炉容器及び周辺の
冷却システム等を合理的な大きさの範囲で、模擬炉心部
での加熱状態を模擬し、炉内流動への冷却系の複数ルー
プの影響を考慮可能とし、さらに、実機の熱流動の状況
をスケールモデルで適切に模擬可能とした液体金属炉の
要素試験装置を提供することにある。
【0007】また、第2の目的は、同一の試験装置で炉
上部機器、炉内機器のいくつかの設計オプションの試験
実施を可能とした液体金属炉の要素試験装置を提供する
ことにある。
【0008】さらに、第3の目的は、試験に要する運転
コストを少なくし、長時間の試験を経済的に実施可能な
液体金属炉の要素試験装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、原子炉を模擬した模擬炉容器と、この模擬炉
容器内に設置されて上部プレナムと下部プレナムとの境
界を構成する仕切り板と、上部プレナムの自由液面上に
形成された模擬カバーガス空間と、前記模擬炉容器の頂
部に設置され複数の貫通孔を有する蓋構造と、前記下部
プレナム内に設けられた高圧室と、外部で温度制御され
た液体金属を前記高圧室に供給する入口配管と、前記上
部プレナムに連設した出口配管とを具備した液体金属冷
却炉の要素試験装置において、前記模擬炉容器の内側に
は、多重環状空間構造をなす模擬炉壁保護構造が設置さ
れ、各環状空間内の液位を外部から制御可能としたこと
を特徴とする。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】本発明はまた、液体金属加熱器、バッファ
タンク、ダンプタンク、循環ポンプ、配管および弁を有
する高温循環系と、液体金属冷却器、バッファタンク、
ダンプタンク、循環ポンプ、配管および弁を有する低温
循環系とを設け、前記両循環系を、入口配管と出口配管
との間にそれぞれ接続するようにしたことを特徴とす
る。
【0014】本発明はまた、液体金属加熱器、模擬中間
熱交換器および1次循環ポンプを有する液体金属循環系
を設け、この液体金属循環系を、入口配管と出口配管と
の間に接続するようにしたことを特徴とする。
【0015】本発明はまた、液体金属加熱器、バッファ
タンク、ダンプタンク、循環ポンプ、配管および弁を有
する高温循環系と、液体金属冷却器、バッファタンク、
ダンプタンク、循環ポンプ、配管および低温循環系と、
模擬中間熱交換器および1次循環ポンプを有する液体金
属循環系とを設け、前記各循環系を、入口配管と出口配
管との間にそれぞれ接続するようにしたことを特徴とす
る。本発明はまた、模擬中間熱交換器が、高温循環系ま
たは低温循環系のバッファタンクを兼ねるようにしたこ
とを特徴とする。
【0016】本発明はまた、模擬中間熱交換器を複数設
け、各模擬中間熱交換器を、模擬炉容器に設けられた複
数の出口配管に各別に接続するようにしたことを特徴と
する。
【0017】本発明はまた、模擬中間熱交換器の2次側
に、模擬蒸気発生器を設けるようにしたことを特徴とす
る。
【0018】本発明はさらに、模擬蒸気発生器を、模擬
炉容器および模擬中間熱交換器をバイパスして液体金属
加熱器に接続できるようにしたことを特徴とする。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【作用】本発明においては、模擬炉容器の内側に模擬炉
壁保護構造が設置され、各環状空間内の液位が外部から
制御できるようになっている。このため、原子炉容器の
構造健全性を高める低温ナトリウム循環方式の炉壁保護
構造の試験や、実機においてプラントの起動により液体
金属温度が上昇し上部プレナム内液位が上昇するとき
に、原子炉容器に接する液位を一定に保つ起動時液位一
定方式の炉壁保護構造の試験等を行うことが可能とな
る。
【0023】また、本発明においては、模擬炉容器に、
高温循環系と低温循環系とが接続されている。このた
め、流路内に模擬炉容器を含む運転と含まない運転のい
ずれの試験も可能となる。
【0024】また、本発明においては、液体金属循環系
が模擬炉容器に接続されている。このため、熱交換器を
含めた熱過渡確認試験を行なうことが可能となる。
【0025】また、本発明においては、模擬炉容器に、
高温循環系、低温循環系および液体金属循環系が接続さ
れている。このため、設計限界確認を含めた熱過渡条件
に対する流動、下流側機器への影響を確認することが可
能となる。
【0026】また、本発明においては、模擬中間熱交換
器がバッファタンクを兼ねている。このため、系統構成
の簡素化が可能となる。
【0027】また、本発明においては、模擬中間熱交換
器が複数設けられ、これらは相互に異なる出口配管に接
続されている。このため、模擬中間熱交換器の試験裕度
が増し、実プラントで想定される1ループ停止事象等の
非対象モードの模擬も可能となる。
【0028】また、本発明においては、模擬中間熱交換
器の2次側に、模擬蒸気発生器が設けられている。この
ため、蒸気発生器を含めたプラントの試験が可能とな
る。
【0029】さらに、本発明においては、模擬蒸気発生
器が、模擬炉容器および模擬中間熱交換器をバイパスし
て液体金属加熱器に接続できるようになっている。この
ため、低コストで蒸気発生器の試験を行なうことが可能
となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を図面を参照して説明する。
【0031】図1は、本発明の第1実施例に係る液体金
属冷却炉の要素試験装置を示すもので、図中、符号1は
模擬炉容器であり、この模擬炉容器1内には仕切り板2
によって仕切られた上部プレナム3および下部プレナム
5が構成され、上部プレナム3の自由液面上には、径方
向は実機の縮尺比で高さ方向は実機と同一の模擬カバー
ガス空間4が設定されている。そして、この模擬カバー
ガス空間4を、径方向のみ縮小寸法とすることにより、
カバーガス部の熱流動特性および原子炉容器のナトリウ
ム液面から上部の軸方向の温度分布を詳細に模擬した試
験ができるようになっている。
【0032】模擬炉容器1の頂部には、複数の貫通孔6
を有する蓋構造7が設置されており、この蓋構造7から
は、模擬炉上部構造14が取付フランジ15を介して上
部プレナム3内に吊下げられているとともに、複数の炉
容器模擬入口配管16および炉容器模擬出口配管17が
それぞれ上部プレナム3内に吊下げられている。そして
これにより、原子炉容器の上部プレナム3の体系を模擬
できるようになっている。また貫通孔6を用いて模擬炉
上部構造14、炉容器模擬入口配管16および炉容器模
擬出口配管17を引抜き交換することにより、各種形状
をパラメータに試験ができるようになっている。炉容器
模擬入口配管16と炉容器模擬出口配管17とは、蓋構
造7上部で上部連結配管20を介して相互に連結されて
おり、炉容器模擬入口配管16は、下部プレナム5に開
口し、またこの下部プレナム5には、出口配管10が結
合されている。また、模擬炉容器1の下部は、模擬炉容
器支持構造11により自立可能に支持されている。
【0033】下部プレナム3内には、下部から入口配管
9が連設される高圧室8が設置されており、この高圧室
8内には、ヒータ付模擬燃料集合体13が設置されてい
る。また、上部プレナム3の自由液面下には、模擬炉内
熱交換器12が設置されている。
【0034】一方、模擬炉容器1の内側には、3重円筒
からなる模擬炉壁保護構造18が設置されており、この
模擬炉壁保護構造18の各環状空間には、模擬炉壁保護
構造ナトリウム配管19がそれぞれ連通している。
【0035】以上の構成において、外部で温度制御され
たナトリウムを、下部プレナム3下部に連接された入口
配管9から高圧室8内に流入させ、ヒータ付模擬燃料集
合体13によって急峻な過渡的温度制御を行い、上部プ
レナム3より流出させることにより、上部プレナム3内
の熱流動特性の各種試験が可能となる。この場合、ナト
リウムの温度は外部の温度制御と模擬燃料集合体13に
設置のヒータとで自由に制御することができるため、比
較的単純な体系により広範な試験が可能である。上部プ
レナム3内のナトリウムは、炉容器模擬出口配管17を
通り蓋構造7の上部で上部連結配管20にて炉容器模擬
入口配管16に導かれ、模擬炉容器1の下部プレナム5
に流出し、出口配管10で模擬炉容器1外に導かれる。
この場合、模擬炉容器1内へのナトリウムの入出口配管
9,10が模擬炉容器1の下部に集中しているため、配
管の引き回しスペースを限定でき、実機との縮尺率を変
えずにコンパクトな試験装置の実現が可能となる。
【0036】図2は、本発明の第2実施例を示すもの
で、炉容器模擬出口配管17の下部に、上下のプレナム
3,5を連通させる上下プレナム連通配管21を設置
し、さらに模擬炉内熱交換器12に連通する模擬炉内熱
交換器ナトリウム配管22を、模擬炉容器1下部から引
出すようにしたものである。
【0037】これにより、模擬炉内熱交換器12内のナ
トリウムを、模擬炉内熱交換器ナトリウム配管21によ
り外部に導出して冷却し、冷却後のナトリウムを、模擬
炉内熱交換器ナトリウム配管21により模擬炉内熱交換
器12内に導入することにより、炉内熱交換器運転時の
上部プレナム内の熱流動の試験が可能となる。
【0038】また、炉容器模擬出口配管17の下部に上
下プレナム連通配管21を設置し、上部プレナム3内の
ナトリウムを一旦炉容器模擬出口配管17内に吸い上
げ、これを上下プレナム連通配管21により下部プレナ
ム5に流出させ、出口配管10にて模擬炉容器1外に導
出する構造としており、蓋構造7にはこれらに係わるナ
トリウム配管を設置していない。また、模擬炉容器1内
に設置の模擬炉内熱交換器12には内部のナトリウムを
外部へ導出して冷却後導入する模擬炉内熱交換器ナトリ
ウム配管22が下部プレナム5方向に設置されている。
このため、模擬炉内熱交換器ナトリウム配管22が蓋構
造7を貫通することなく炉内熱交換器運転時の上部プレ
ナム内の熱流動の試験が可能となる。
【0039】また、模擬炉容器1は、模擬炉容器支持構
造11で下部で支持されているため自立が可能で模擬炉
容器1の設置が容易であり、蓋構造7をナトリウム配管
が貫通しないこととあわせ、貫通孔6を用いて炉容器模
擬出口配管17を引き抜き形状の異なる物を挿入するこ
とが容易となり、模擬炉上部構造14の取付フランジ1
5により上部プレナム3内に吊り下げられている模擬炉
上部構造14の交換が容易となる。
【0040】図3は、本発明の第3実施例を示すもの
で、3体の炉容器模擬出口配管17の下部に、個別に出
口配管10をつなぎ、3ループの冷却系を分離できるよ
うにしたものである。なお、高圧室8内のヒータ付模擬
燃料集合体13(図1参照)は省略されている。
【0041】このように、各炉容器模擬出口配管17
に、各別に出口配管が接続されているので、ループ毎に
流量等を変えることにより、上部プレナム3内の熱流動
特性をさらに詳細に模擬することができる。
【0042】図4は、本発明の第4実施例を示すもの
で、模擬炉壁保護構造18間の各環状空間23に、模擬
炉壁保護構造ナトリウム配管19をそれぞれ接続すると
ともに、これらに弁A24、弁B25、弁C26および
弁D27をそれぞれ設置するようにしたものである。
【0043】これにより、各弁24,25,26,27
の切換により、模擬炉壁保護構造18内のナトリウムの
流動状況を可変とすることができ、さらに模擬炉壁保護
構造内液位28と上部プレナム内液位とを可変とするこ
とができる。例えば、図4に示すように第1上部プレナ
ム内液位29及び第2上部プレナム内液位30の2段階
に切り替えできる。ここで、弁A24を開、弁B25を
閉、弁C26を開、弁D27を開とし、弁A24から最
外周空間31に上部プレナム3内のナトリウムよりも低
温のナトリウムを供給し、弁B25を通して排出させ、
このとき第1上部プレナム内液位29と組み合わせる
と、原子炉容器1を内包するナトリウムよりも低温のナ
トリウムで冷却することにより原子炉容器1の構造健全
性を高める低温ナトリウム循環方式の炉壁保護構造の試
験が可能となる。また、弁A24を開、弁B25を閉、
弁C26を閉、弁D27を開とし、弁A24から最外周
空間31のみにナトリウムを供給し、このとき上部プレ
ナム内液位の変化と無関係に模擬炉壁保護構造内液位を
制御することにより、実機においてプラントの起動によ
りナトリウム温度が上昇し上部プレナム内液位が上昇す
る時に原子炉容器1に接する液位を一定に保つ起動時液
位一定方式の炉壁保護構造の試験が可能となる。
【0044】また、弁A24を開、弁B25を開、弁C
26を閉、弁D27開とし、弁A24から最外周空間3
1のみにナトリウムを供給し、このとき上部プレナム内
液位の変化と無関係に模擬炉壁保護構造内液位を制御す
ることにより、実機において、プラントの起動によりナ
トリウム温度が上昇し、上部プレナム内液位が上昇する
時に、原子炉容器に接する液位を一定に保つ起動時液位
一定方式の炉壁保護構造の試験が可能となる。
【0045】表1は、これらをまとめたものである。
【0046】
【表1】 図5は、本発明の第5実施例を示すもので、模擬原子炉
容器51に、高温循環系61および低温循環系62を配
管63(a,b)を介し接続するようにしたものであ
る。
【0047】すなわち、高温循環系61は、循環ポンプ
53、加熱器52、バッファタンク54、ダンプタンク
55及び配管64(a〜g)より構成され、液体金属を
加熱、循環するとともに、模擬原子炉容器51に加熱さ
れた高温液体金属を供給することが可能である。一方、
低温循環系62は、循環ポンプ58、空気冷却器56、
補助加熱器57、バッファタンク59、ダンプタンク6
0及び配管65(a〜h)より構成され、液体金属を冷
却、循環するとともに、模擬原子炉容器に冷却された低
温液体金属を供給することが可能である。この中で、補
助加熱器57については、空気冷却器56出口温度の微
調整用として設置するものである。また、低温循環系6
2のバッファタンク59の出口に配管66を接続するこ
とにより、模擬原子炉容器51の炉壁保護構造に低温の
液体金属を供給することが可能となっている。
【0048】これにより、各循環系61、62の弁の切
換により、流路内に模擬原子炉容器51を含む運転及び
含まない運転のいずれも実施可能である。したがって各
々の循環系61,62の運用により、模擬原子炉容器5
1に対してはあらゆる熱過渡を負荷することが可能であ
る。例えば、模擬原子炉容器51に液体金属の急峻な温
度降下を与えようとする場合、初期状態として、高温循
環系61は、模擬原子炉容器51から配管64a、循環
ポンプ53、加熱器52及び配管64eを介して模擬原
子炉容器51に戻る流路で高温(例えば550℃)運転
し、低温循環系62は、配管65a、循環ポンプ58、
空気冷却器56、補助加熱器57、バッファタンク59
及び配管65d、65e、65fを介して循環ポンプ5
8に戻る流路、即ち模擬原子炉容器51をバイパスする
流路で低温(例えば350℃)運転した状態から、接続
配管63a、b及び配管64f、65f上に設置される
弁の切換により、模擬原子炉容器51にバッファタンク
59で蓄えられた低温ナトリウムを配管65d、65e
及び63bを介して模擬原子炉容器51に注入すること
により、模擬原子炉容器に、急激な温度変化(例えば2
00℃の温度降下)が負荷できる。この際、バッファタ
ンク59は、空気冷却器の過渡的な除熱遅れ等による温
度変動を直接模擬原子炉容器51に与えず安定した温度
の液体金属を供給する役割を果たしている。
【0049】模擬原子炉容器51から流れ出た液体金属
は、配管65a、65bを介して再度空気冷却器56で
冷却されてバッファタンク59に戻る。また、急激な温
度上昇を負荷する場合には、前記と逆の運用を行えばよ
く、初期状態として低温循環系62を介して模擬原子炉
容器51を低温運転した状態から、流路切り替えにより
高温循環系61からの高温循環とすることにより実施可
能である。さらに高温循環系61と低温循環系62の液
体金属を模擬原子炉容器51の入口で混合させ、各々の
流量比を循環ポンプ53、58で調節することにより、
緩慢な温度変化も負荷することが可能である。
【0050】このように図5の要素試験装置では、試験
で必要とするあらゆる過渡条件の模擬が可能であり、機
器の設計限界確認を含めた柔軟な試験が実施可能であ
る。また、バッファタンク54,59を設置することに
より、高温又は低温の液体金属を蓄えることができるた
め、加熱器52及び空気冷却器56の容量を小さくする
効率的な設備とすることが可能である。
【0051】図6は、本発明の第6実施例を示すもの
で、模擬原子炉容器71に、加熱器74、中間熱交換器
72及び1次系循環ポンプ73を1次系配管78によっ
て連接し、1次系ループを加熱、冷却及び循環運転が可
能な構成にするとともに、中間熱交換器72の2次側に
は、蒸気発生器80及び2次系循環ポンプ81を配管8
2によって連接し、加熱器74で発生した熱を中間熱交
換器72を介して蒸気発生器80から水蒸気系(図示省
略)で除熱できる構成としたものである。なお、炉内熱
交換器75による模擬原子炉容器71内の冷却運転を模
擬するため、模擬炉内熱交換器75、空気冷却器76及
び循環ポンプ77を配管79によって連接し、除熱運転
を可能としている。
【0052】このように、模擬原子炉容器71に加熱器
74及び中間熱交換器72を連接するとともに、中間熱
交換器72の2次側は、蒸気発生器80に連接して熱交
換が可能な構成としているので、中間熱交換器72及び
蒸気発生器80の要素試験も同時に実施することが可能
になると同時に、蒸気発生器除熱喪失等の事故事象に対
して、実機プラントに近い状態の模擬が可能となる。ま
た、模擬炉内熱交換器75から、循環ポンプ77によっ
て空気冷却器76に循環する流路を設置したことによ
り、模擬炉内熱交換器75による模擬原子炉容器71の
除熱運転を行った際の模擬原子炉容器71内温度変化・
温度分布等を詳細に把握することが可能である。従っ
て、図6の実施例によれば、複数の機器の要素試験が実
施できるとともに、熱交換器を含めた熱過渡確認試験の
機能も合わせ持つ効率的な要素試験装置とすることが可
能である。
【0053】なお、図5では模擬炉内熱交換器の循環ル
ープを省略しているが、図6と同様の模擬炉内熱交換器
及び空気冷却器の循環ループを設置して除熱模擬試験を
行うことにより、同様の試験が可能である。
【0054】図7は、本発明の第7実施例を示すもの
で、中間熱交換器を複数機設置するようにしたものであ
る。
【0055】すなわち、模擬原子炉容器71の出口ノズ
ル(図示の例では3本)の内1本は、中間熱交換器A7
2a及び1次系循環ポンプA73aを配管78aによっ
て連接し、残りについては、中間熱交換器B72b及び
1次系循環ポンプB73bを配管78bによって連接
し、各々の中間熱交換器の出口配管を合流させた後に加
熱器74を介して模擬原子炉容器71に流入させるよう
に構成したものである。なお、中間熱交換器A72a及
び中間熱交換器B72bの2次側については、蒸気発生
器80及び2次系循環ポンプ81を各々の2次系配管8
2a、82bによって分岐・合流させることにより、1
基の蒸気発生器80によって除熱運転が可能な構成とな
っている。
【0056】このように、模擬原子炉容器71に2基の
中間熱交換器A72a、中間熱交換器B72bを連接し
ているので、複数の中間熱交換器の要素試験が可能とな
る。また、模擬原子炉容器試験体における1ループの機
能喪失事象等非対象運転の模擬も可能である。すなわ
ち、1次系は、1次系循環ポンプA73aを駆動して模
擬原子炉容器71から中間熱交換器A72aを経る流路
と、1次系循環ポンプB73bを駆動して模擬原子炉容
器71から中間熱交換器B72bを経る流路を同時に運
転し、両流路が合流して加熱器74に至り、さらに模擬
原子炉容器71に戻る閉ループで循環した状態から、1
次系循環ポンプA73aが故障し、ポンプトリップに至
る事象を模擬すると、1次系循環ポンプB73bから吐
出された液体金属は、1次系循環ポンプA73aから中
間熱交換器A72aを経て模擬原子炉容器71に至る流
路を逆流する実機プラントと同様の挙動が模擬可能であ
り、非対象運転時における模擬原子炉容器での複雑な温
度挙動の把握が可能となる。
【0057】このように図7の実施例によれば、図6の
実施例で得られる効果に加えて、中間熱交換器の試験裕
度が増すとともに、実プラントで想定される1ループ停
止事象等の非対象モードの模擬も可能な試験装置とする
ことが可能となる。
【0058】図8は、本発明の第8実施例を示すもの
で、図5に示した模擬原子炉容器51と高温循環系61
及び低温循環系62からなる要素試験装置と、図7に示
した模擬原子炉容器71に複数の中間熱交換器を連接す
る試験装置とを、模擬原子炉容器及び加熱器を兼用して
結合したものである。
【0059】すなわち、図5に示す系統構成は、前記の
如く急峻な熱過渡を含めて任意の熱過渡を模擬原子炉容
器51試験体に負荷する熱過渡試験装置であり、図7
は、模擬原子炉容器に接続される機器の影響を含めた実
機プラントの熱過渡模擬が可能な試験装置である。これ
らの機能を一つの試験装置で達成するため、図8は、図
5の構成に模擬原子炉容器51を兼用して中間熱交換器
72a、72b及び1次系循環ポンプ73a、73bを
1次系配管78a、78bによって接続している。
【0060】プラントの通常運転を模擬する際には、1
次系配管78a、78bによって模擬原子炉容器51か
ら中間熱交換器72a、72bに送り、熱交換を行って
低温にした上で1次系循環ポンプ73a、73bを経て
模擬原子炉容器51(下部)に戻し、そこから下部接続
配管13によって高温循環系61の加熱器52で加熱し
た上で再度模擬原子炉容器51に循環する運転を行う。
この状態から、事故模擬試験を実施する場合には、図7
と同様に運用することができる。
【0061】一方、高温循環系61の流路を低温循環系
62に切り替えることにより、模擬原子炉容器51には
急峻な熱過渡が負荷可能であり、中間熱交換器72a、
72b等の下流側機器に対しても実機プラント条件を上
回る厳しい熱過渡に対する影響を見ることができる。
【0062】このように、図8の系統構成によれば、図
7に示した効果に加えて、設計限界確認を含めた種々の
熱過渡条件に対する流動、下流側機器への影響を確認す
ることが可能となる。
【0063】図9は、本発明の第9実施例を示すもの
で、高温循環系のバッファタンクを、中間熱交換器の外
容器と兼用としたものである。
【0064】すなわち、模擬原子炉容器51、高温循環
系61、低温循環系62、中間熱交換器72a、72b
及びその循環ループを構成することは図8と同じである
が、図8における高温循環系61のバッファタンク54
を中間熱交換器72aの外容器を兼用し、図8の系統構
成をより合理的にしたものである。このため、中間熱交
換器72aには、上部出入口配管78aに加えてバッフ
ァタンクの接続配管64c、64d、64gを接続する
構成としている。
【0065】図8の系統構成は、図5の任意の熱過渡負
荷機能と、図7の系統熱過渡挙動確認及び複数機器の試
験機能のために模擬原子炉容器51及び加熱器52のみ
を兼用しており、試験装置の物量が大きくなることが考
えられる。これを改善するため、中間熱交換器72aの
外容器を高温循環系のバッファタンク54と共用するこ
とにより、系統構成の簡素化を計ることが可能である。
プラントの通常運転を模擬する際の運転方法は図8にお
ける場合と同様であり、高温循環系61から低温循環系
62に切り替える運用も図5又は図8における場合と同
様である。中間熱交換器72aの外容器は、例えば1次
系配管78aの中の液体金属を空とし、模擬原子炉容器
51との流路を切り離すことにより図5と全く同様の構
成でバッファタンクとして使用することが可能である。
このように、図9の構成によれば図8で得られる効果を
より簡素な系統構成で達成することが可能である。
【0066】図10は、本発明の第10実施例を示すも
ので、模擬原子炉容器51の内、1ループの上部出入口
を配管78で中間熱交換器72及び循環ポンプ73と接
続するとともに、模擬原子炉容器下部出入口を配管10
2a、102b、102c、102d、102eによっ
て加熱器52と接続し、中間熱交換器試験ループをも構
成している。さらに、他のループは、配管104a、1
04b、104c、104e、104f、104g、1
04dによって循環ポンプ103、空気冷却器56、補
助加熱器57、バッファタンク59より構成される循環
系に接続している。
【0067】また、模擬原子炉容器51を経由せず中間
熱交換器72の外容器に加熱器で加熱された液体金属又
は空気冷却器56で冷却された液体金属を直接供給・循
環するため、加熱器52の出入口には循環ポンプ101
及び接続配管102g、102iを、また空気冷却器5
6を具備する循環系と中間熱交換器72を接続する配管
105a、105b、105cを設けている。さらに模
擬原子炉容器51の上部出口配管の内、1ループを他の
熱交換器試験体106と配管107a、107bによっ
て接続することにより、併せて他の熱交換器試験も可能
としている。
【0068】本実施例においては、模擬原子炉容器51
に中間熱交換器72を含む循環ループを設けるととも
に、その他のループは、循環ポンプ103、空気冷却器
56、補助熱交換器57、バッファタンク59より構成
される循環系に接続したものである。このように構成さ
れた試験装置においてプラントの通常運転を模擬する際
には、液体金属を一次系配管78によって模擬原子炉容
器51から中間熱交換器72に送り、熱交換を行って低
温にした上で循環ポンプ73を経て模擬原子炉容器51
(下部)に戻し、そこから下部接続配管102a、10
2bを経て加熱器52で昇温した上102c、102e
を経て再度模擬原子炉容器51に循環する運転を行う。
一方、他のループについては、模擬原子炉容器51の上
部より1次系配管104a、104b、104c、10
4dの流路を循環ポンプ103で等温循環し、模擬原子
炉容器51入口の配管102eと合流した上で、再度模
擬原子炉容器51に戻している。
【0069】この際、103を出た液体金属は、配管1
04e、104f、104gを用いて少量をバイパスさ
せ、前記中間熱交換器72の出口温度とほぼ同一となる
ように空気冷却器56にて冷却、補助加熱器57で温度
微調整した後、バッファタンク59を介して模擬原子炉
容器51に戻る配管104dに合流させている。
【0070】このように、実際に熱交換を行うのは、前
述の中間熱交換器72を含む1ループのみであるが、模
擬原子炉容器51には、複数ループ(図10の例では3
ループ)分の流動を模擬することができる。また、この
状態から過渡試験を実施する場合、例えば原子炉スクラ
ム事象を想定すると、炉心での発熱停止を模擬するた
め、模擬原子炉容器下部出口配管102aから加熱器5
2へ至る流路をバイパスして模擬原子炉容器51に戻る
配管102d、102e側の流路に切り替え、循環する
ループを形成させる。
【0071】これにより、模擬原子炉容器51の下部入
口ノズルには、配管102eより循環ポンプ73出口の
液体金属が直接供給される。一方、他のループについて
は、模擬原子炉容器51の上部ノズルより配管104
a、104b、104c、104dにて等温循環してい
た流路を空気冷却器56及びバッファタンク59、配管
104c、104e、104f、104g、104dを
経る流路に切り替え、前記模擬原子炉容器入口の配管1
02eに合流することにより、前記バッファタンク59
で蓄えた中間熱交換器出口温度と同一温度の低温ナトリ
ウムを模擬原子炉容器51に注入することが可能であ
る。
【0072】また、このような過渡事象では、中間熱交
換器72の出口温度は逐次変動するが、他のループにつ
いても模擬原子炉容器51の出口からそのまま模擬原子
炉容器51に戻る配管104dの流量と空気冷却器56
及びバッファタンク59を経由する配管104gの流量
の比を中間熱交換器72の出口温度と同一になるように
調節・制御することにより、模擬原子炉容器51には、
実機系統を模擬した熱過渡条件を複数ループ分の流量で
供給することが可能である。
【0073】また、空気冷却器56を含む循環系は、基
本的に図5の要素試験装置における低温循環系と同一構
成であり、模擬原子炉容器に対して急峻なコールドショ
ック等の過渡変化を与えることも可能である。また、中
間熱交換器72を試験対象として、模擬原子炉容器51
を経由せず直接中間熱交換器72の外容器に加熱器52
で加熱された液体金属及び空気冷却器56で冷却された
液体金属を供給・循環することも可能とするため、加熱
器52の出入口には循環ポンプ101及び接続配管10
2g、102iを、また前記空気冷却器56を具備する
循環系と中間熱交換器72を接続する配管105を設け
ている。これにより、中間熱交換器回りに限定した熱過
渡試験をより小規模な範囲で実施することが可能であ
る。
【0074】例えば、中間熱交換器72の容器を試験容
器として転用し、内部に中間熱交換器本体以外の試験体
を挿入、設置した上で当該容器に直接液体金属を供給す
るラインで熱過渡試験を行うことも可能である。
【0075】さらに模擬原子炉容器51の上部出口配管
の内、1ループを他の熱交換器試験体106(図10に
は、具体的に図示していないが、例えば図7に示す他の
中間熱交換器試験体等)と配管107によって接続する
ことにより併せて他の熱交換器試験も可能としている。
【0076】このように、図10の系統構成に従えば、
1ループが中間熱交換器を含む循環系で構成され、他の
ループは通常熱交換を行わない循環系で構成するととも
に、過渡時はバッファタンクで予め貯留した液体金属を
用いて中間熱交換器出口と同様な熱過渡を模擬すること
が可能であるため、中間熱交換器を含む実機系統の熱過
渡、流動確認試験がより少ない加熱源で実施可能であ
る。また、空気冷却器を含む循環系は、実機熱過渡条件
を上回るコールドショック負荷用の低温循環系としても
使用することが可能であり、熱過渡試験、系統試験等巾
広い試験に適用可能である。
【0077】さらに、加熱器出口の高温液体金属及び空
気冷却器出口の低温液体金属は、中間熱交換器の容器に
直接供給、循環することも可能であり、中間熱交換器容
器を用いた熱過渡試験をより範囲を限定して実施するこ
とが可能となっている。
【0078】図11は、本発明の第11実施例を示すも
ので、図6に示す構成の系統設備において、蒸気発生器
の水蒸気側にタービン発電設備を設置するようにしたも
のである。すなわち、図11において液体金属ループで
構成される図中蒸気発生器80より左側の部分は、図6
と同様であり、蒸気発生器80をタービン発電機83、
復水器84、復水ポンプ85、脱気器86、給水加熱器
87及び給水加熱器88と配管89によって連接するこ
とにより、蒸気発生器80で発生した加熱蒸気で発電が
可能な構成としたものである。
【0079】通常、試験装置では、蒸気発生器80で発
生した過熱蒸気をタービン発電機のかわりに減温、減圧
器等によって廃熱しているが、このように構成される大
型設備の加熱器74(通常、燃料として液化石油ガス等
を使用)の運転費用は多大であることから、蒸気発生器
80の定常運転試験等過渡的な試験を実施しない期間に
ついては、タービン発電機83に通気して発電を行う効
率的な運用が可能である。このように、図11の実施例
によれば、発電による試験装置の有効利用が可能であ
り、運転コストの削減が可能な試験装置とすることがで
きる。
【0080】図12は、本発明の第12実施例を示すも
ので、図11のように構成される系統設備において、模
擬原子炉容器及び中間熱交換器をバイパスして蒸気発生
器の試験を実施できるようにしたものである。
【0081】すなわち、図12において、1次系、2次
系及び水蒸気設備の構成は図8と同様であり、加熱器7
4から模擬原子炉容器71に至る配管78より分岐して
中間熱交換器72から蒸気発生器80に至る2次系配管
82に合流し、蒸気発生器80に流入できるバイパス配
管90を設けるとともに、蒸気発生器80から2次系循
環ポンプ81に至る2次系配管82より分岐して中間熱
交換器72の1次側出口配管78に合流するバイパス配
管91を設置したものである。
【0082】これにより、蒸気発生器80の運転試験を
行う場合には、模擬原子炉容器71及び中間熱交換器7
2を介して蒸気発生器80を運転する必要はなく、むし
ろこれらの機器およびその接続配管の放熱、中間熱交換
器72の熱交換性能の影響によって加熱器74の出力を
より大きくして運転する必要がある。したがって、上記
のように蒸気発生器80の運転試験の際には、1次系の
機器をバイパスすることにより、加熱器74の運転コス
トの削減が可能となり、またタービン発電機83による
発電を行う際にはその発電効率も向上する。
【0083】このように図12の実施例によれば、より
低コストで蒸気発生器80の試験が実施可能であるとと
もに、発電コストを削減することも可能な試験装置とな
る。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、模
擬炉容器の内側に模擬炉壁保護構造を設置し、各環状空
間内の液位を外部から制御できるようにしているので、
低温ナトリウム循環方式の炉壁保護構造の試験や、起動
時液位一定方式の炉壁保護構造の試験等、各種の試験を
行うことができる。
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】また本発明は、模擬炉容器に高温循環系と
低温循環系とを接続するようにしているので、流路内に
模擬炉容器を含む運転と含まない運転のいずれの試験も
行なうことができる。
【0089】また本発明は、模擬炉容器に液体金属循環
系を接続するようにしているので、熱交換器を含めた熱
過渡確認試験を行なうことができる。
【0090】また本発明は、模擬炉容器に、高温循環
系、低温循環系および液体金属循環系を接続するように
しているので、設計限界確認を含めた種々の熱過渡条件
に対する流動、下流側機器への影響を確認することがで
きる。
【0091】また本発明は、模擬中間熱交換器にバッフ
ァタンクを兼ねさせるようにしているので、系統構成を
簡素化することができる。
【0092】また本発明は、複数の模擬中間熱交換器毎
に格別に出口配管を接続するようにしているので、模擬
中間熱交換器試験裕度が増し、実プラントで想定される
1ループ停止事象等の非対象モードを模擬することがで
きる。
【0093】また本発明は、模擬中間熱交換器の2次側
に、模擬蒸気発生器を設けるようにしているので、蒸気
発生器を含めたプラントの試験を行うことができる。
【0094】さらに本発明は、模擬蒸気発生器を、模擬
炉容器および模擬中間熱交換器をバイパスして液体金属
加熱器に接続できるようにしているので、低コストで蒸
気発生器の試験を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る液体金属冷却炉の要
素試験装置を示す構成図。
【図2】本発明の第2実施例を示す図1相当図。
【図3】本発明の第3実施例を示す図1相当図。
【図4】本発明の第4実施例を示す要部相当図。
【図5】本発明の第5実施例を示す系統図。
【図6】本発明の第5実施例を示す系統図。
【図7】本発明の第7実施例を示す系統図。
【図8】本発明の第8実施例を示す系統図。
【図9】本発明の第9実施例を示す系統図。
【図10】本発明の第10実施例を示す系統図。
【図11】本発明の第11実施例を示す系統図。
【図12】本発明の第12実施例を示す系統図。
【符号の説明】
1 模擬炉容器 2 仕切り板 3 上部プレナム 4 模擬カバーガス空間 5 下部プレナム 6 貫通孔 7 蓋構造 8 高圧室 9 入口配管 10 出口配管 11 模擬炉容器支持構造 12 模擬炉内熱交換器 13 ヒータ付模擬燃料集合体 14 模擬炉上部構造 16 炉容器模擬入口配管 17 炉容器模擬出口配管 18 模擬炉壁保護構造 19 模擬炉壁保護構造ナトリウム配管 22 模擬炉内熱交換器ナトリウム配管 51、71 模擬原子炉容器 52、74 加熱器 53、58、77 循環ポンプ 54、59 バッファタンク 55、60 ダンプタンク 56、76 空気冷却器 61 高温循環系 62 低温循環系 72、72a、72b 中間熱交換器 73、73a、73b 1次系循環ポンプ 80 蒸気発生器 81 2次系循環ポンプ 83 タービン発電機 84 復水器 85 復水ポンプ 86 脱気器 87 給水ポンプ 90、91 バイパス配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 村 博 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番 地 株式会社東芝 京浜事業所内 (72)発明者 藤 木 憲 治 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番 地 株式会社東芝 京浜事業所内 (72)発明者 山 下 卓 哉 茨城県東茨城郡大洗町成田町4002 動力 炉・核燃料開発事業団 大洗工学センタ ー内 (56)参考文献 特開 昭62−129792(JP,A) 特開 昭60−149998(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 17/00 G21C 23/00 G21C 1/02 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉を模擬した模擬炉容器と、この模擬
    炉容器内に設置されて上部プレナムと下部プレナムとの
    境界を構成する仕切り板と、上部プレナムの自由液面上
    に形成された模擬カバーガス空間と、前記模擬炉容器の
    頂部に設置され複数の貫通孔を有する蓋構造と、前記下
    部プレナム内に設けられた高圧室と、外部で温度制御さ
    れた液体金属を前記高圧室に供給する入口配管と、前記
    上部プレナムに連設した出口配管とを具備した液体金属
    冷却炉の要素試験装置において、 前記模擬炉容器の内側には、多重環状空間構造をなす模
    擬炉壁保護構造が設置され、各環状空間内の液位を外部
    から制御可能としたことを特徴とする液体金属冷却炉の
    要素試験装置。
  2. 【請求項2】原子炉を模擬した模擬炉容器と、この模擬
    炉容器内に設置されて上部プレナムと下部プレナムとの
    境界を構成する仕切り板と、上部プレナムの自由液面上
    に形成された模擬カバーガス空間と、前記模擬炉容器の
    頂部に設置され複数の貫通孔を有する蓋構造と、前記下
    部プレナム内に設けられた高圧室と、外部で温度制御さ
    れた液体金属を前記高圧室に供給する入口配管と、前記
    上部プレナムに連設した出口配管と、液体金属加熱器、
    バッファタンク、ダンプタンク、循環ポンプ、配管およ
    び弁を有する高温循環系および液体金属冷却器、バッフ
    ァタンク、ダンプタンク、循環ポンプ、配管および弁を
    有する低温循環系とを備え、前記両循環系は、入口配管
    と出口配管との間にそれぞれ接続されていることを特徴
    とする液体金属冷却炉の要素試験装置。
  3. 【請求項3】原子炉を模擬した模擬炉容器と、この模擬
    炉容器内に設置されて上部プレナムと下部プレナムとの
    境界を構成する仕切り板と、上部プレナムの自由液面上
    に形成された模擬カバーガス空間と、前記模擬炉容器の
    頂部に設置され複数の貫通孔を有する蓋構造と、前記下
    部プレナム内に設けられた高圧室と、外部で温度制御さ
    れた液体金属を前記高圧室に供給する入口配管と、前記
    上部プレナムに連設した出口配管とを具備した液体金属
    冷却炉の要素試験装置において、 前記模擬炉容器内には複数の炉容器模擬出口配管が設け
    られ、これらの出口配管のうちの1本は中間熱交換器試
    験体に連接され、他の出口配管は液体金属冷却器、バッ
    ファタンク、循環ポンプ、配管および弁を有する循環系
    に連接されていることを特徴とする液体金属冷却炉の要
    素試験装置。
  4. 【請求項4】原子炉を模擬した模擬炉容器と、この模擬
    炉容器内に設置されて上部プレナムと下部プレナムとの
    境界を構成する仕切り板と、上部プレナムの自由液面上
    に形成された模擬カバーガス空間と、前記模擬炉容器の
    頂部に設置され複数の貫通孔を有する蓋構造と、前記下
    部プレナム内に設けられた高圧室と、外部で温度制御さ
    れた液体金属を前記高圧室に供給する入口配管と、前記
    上部プレナムに連設した出口配管と、液体金属加熱器、
    バッファタンク、ダンプタンク、循環ポンプ、配管およ
    び弁を有する高温循環系と、液体金属冷却器、バッファ
    タンク、ダンプタンク、循環ポンプ、配管および低温循
    環系と、模擬中間熱交換器および1次循環ポンプを有す
    る液体金属循環系とを備え、前記各循環系は、入口配管
    と出口配管との間にそれぞれ接続されていることを特徴
    とする液体金属冷却炉の要素試験装置。
  5. 【請求項5】模擬中間熱交換器は、高温循環系または低
    温循環系のバッファタンクを兼ねていることを特徴とす
    る請求項4記載の液体金属冷却炉の要素試験装置。
  6. 【請求項6】模擬中間熱交換器は複数設けられ、各模擬
    中間熱交換器は、模擬炉容器に設けた複数の出口配管に
    各別に接続されていることを特徴とする請求項4記載の
    液体金属冷却炉の要素試験装置。
  7. 【請求項7】模擬中間熱交換器の2次側には、模擬蒸気
    発生器が設けられていることを特徴とする請求項4記載
    の液体金属冷却炉の要素試験装置。
  8. 【請求項8】模擬蒸気発生器は、模擬炉容器および模擬
    中間熱交換器をバイパスして液体金属加熱器に接続可能
    となっていることを特徴とする請求項7記載の液体金属
    冷却炉の要素試験装置。
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