JP3073981U - フェライトコアの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁干渉防止の領域に運用され、比較的小さ
い空間或いは装置に使用され、大インダクタンスと電磁
波遮蔽の能力を有し、フェライトコアの体積と使用者の
負担するコストを減らすことができるフェライトコアの
構造の提供。 【解決手段】 外形が略楕円体を呈し、並びにフェライ
トコアの二側に磁場を発生するためのコイルを有し、比
較的小さい体積で高インダクタンスを発生する形状を有
するフェライトコアの構造とされている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種のフェライトコアの構造に係り、特に、外形が略楕円体を呈し、 並びにフェライトコアの二側に磁場を発生するためのコイルを有し、比較的小さ い体積で高インダクタンスを発生する形状を有するフェライトコアの構造に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

科学技術の進歩発展により、多くの異なる用途の電子製品が発展したが、これ らの電子製品はいずれも異なる強度の電磁波を発生する可能性があり、それがあ る数値を超過すると人体に対して不良な影響を与え、時には癌や不妊症等の病気 を発生させるほか、また一方で、その他の電器に対して干渉現象を発生し、例え ば、コンピュータスクリーンの前で携帯電話を使用すると複数の斜めの線条がス クリーンに出現する。このため世界の各先進国家はいずれも電子製品の電磁波標 準を制定しており、例えばヨーロッパのＣＥ、米国のＦＣＣ、台湾のＣＮＳ等が あり、電子製品生産者がその製品の電磁波を減らす規範としている。このため、 いかに有効に電磁波の発生を抑制するかが当業者の努力の目標とされている。

【０００３】 電子製品の生産業者の不断の研究と改良により、製品の寸法の軽薄短小化、多 元化と多機能の方向への発展への努力がなされ、このため、電子製品に付加され る電磁干渉抑制の装置も、この方向に向けて発展している。一般の、電磁干渉防 止の方法では、電源線或いは信号線の外縁をフェライトコアで挟み付けるのが極 めて良好な方法とされている。しかし、コンピュータ或いはノートパソコン等、 電子製品が日増しに縮小されるに伴い、そのフェライトコアもミニ化されなけれ ば要求を達成できなくなっている。しかしそれにより発生する効果は、電磁波濾 過の能力が下がり、インダクタンスが飽和程度に達成しやすくなるということで あり、一般のフェライトコア製造業者はその製品を改良して市場の要求に符合さ せねばならない。この目的の達成は、フェライトコアの製造材質上、断面積とイ ンダクタンスを増大することによらねばならない。

【０００４】 図１及び図２はそれぞれ周知の環状コアと矩形コアの斜視図である。両者はい ずれも業者がフェライトコアのインダクタンスを増強して電子製品の発生する電 磁波を消去するために設計した異なる形態のフェライトコアである。そのうち環 状コア１０は捲線可能な体積が比較的大きいという長所を有しているが、却って 断面積が小さ過ぎるという欠点を有し、もう一方の矩形コア２０はそれと反対に 、比較的大きな断面積を有するが捲線可能な体積が小さいという長所と欠点とを 有している。両者はいずれもその欠点を解決できず、寸法縮小とインダクタンス 増強の方面で予期された効果を達成できず、ゆえに業者による努力と改善の空間 が残されていた。

【０００５】 図３は、周知の環状コア１０或いは矩形コア２０は一つの電源フィルタ４０の 内部に運用され、該電源フィルタ４０は一つの電源システムに置かれて電源中の 不安定な調波を濾過し、さらに一つのフェライトコアが電源フィルタ４０の内部 に置かれて電源干渉防御に用いられる。ただし前述の２種類のフェライトコアの 体積は大き過ぎ、そのため電源フィルタ４０の体積を縮小できなくして、電源シ ステム内部で極めて大きな空間を占有し、且つフェライトコアがインダクタンス 不足で飽和しやすいため、大インダクタンス高磁抵抗の機能を獲得できず、この ため改善の余地があった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、有効にフェライトコアの体積を縮小し、インダクタンスを増大し、 生産製造コストを下げることができ、且つ周知のフェライトコアと同じ機能を達 成できる長所を有する、一種の新たなフェライトコアの構造を提供することを課 題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、環状コアの上下二側を適宜位置で平行に切断し、楕円形の 外形を有する楕円形コアの中心に一つの円孔を設け、該楕円形コアの二側に複数 のコイルを巻付けて形成したフェライトコアの構造において、該楕円形コアが大 捲線体積と大断面積を有して体積の縮小と電磁干渉抑制効果が増強されたことを 特徴とする、フェライトコアの構造としている。 請求項２の考案は、請求項１に記載のフェライトコアの構造において、楕円形 コアの上下の切断部分の二端を修正研磨して円滑なＲ角を有するものとしたこと を特徴とする、フェライトコアの構造としている。 請求項３の考案は、請求項１に記載のフェライトコアの構造において、楕円形 コアの電磁干渉抑制の機能が、環状コア或いは矩形コアの１．２倍に増進された ことを特徴とする、フェライトコアの構造としている。 請求項４の考案は、請求項１に記載のフェライトコアの構造において、楕円形 コアを同じ空間で応用する時、環状コア或いは矩形コアの体積の約１００分の８ ０の体積とされることを特徴とする、フェライトコアの構造としている。 請求項５の考案は、請求項１に記載のフェライトコアの構造において、巻き付 けるコイルはエナメル線とすることを特徴とする、フェライトコアの構造として いる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本考案のフェライトコアの構造は、フェライトコアの外形を一つの楕円体を呈 するものとし、並びにその中心部分に一つの円孔を設け、さらにその二側に複数 のコイルを巻付けたことを特徴とし、該楕円形のフェライトコアは環状コアのコ イル体積が比較的大きいという長所と矩形コアの断面積が比較的大きいという長 所を共に具備し、有効に磁束密度を減らしてインダクタンスを増加し、同体積の 環状コア或いは矩形コアと機能を比較すると、同じ空間で応用した時に、本考案 は外形寸法を周知のフェライトコアの約１００分の８０まで減らすことができ、 並びに比較的大きなインダクタンスを得ることができ、且つ比較的小さい空間中 に運用可能で、各種の電磁波遮蔽を必要とする電子製品のいずれにも応用するこ とができる。

【０００９】

【実施例】

図４は本考案の捲線前の斜視図であり、該フェライトコアの外形は一つの楕円 体を呈する。このフェライトコアの製造方法は、環状コア１０をその上下二側の 適宜部分で平行に切断してそれを楕円形の外形を有するものとし、続いて上下の 切断部分の二端を修正研磨し、それを円滑なＲ角を有するものとし、また、楕円 形コア３０の中心部分に一つの円孔を設ける。図５、６の楕円形コア３０の二側 に複数のコイル３０を巻き付けた斜視図及び正面図である。この巻き付けるコイ ルは一般のエナメル線とされる。本考案の特徴は以下のとおりである。即ち、該 楕円形コア３０が、環状コア１０の捲線体積が比較的大きい長所と矩形コア２０ の断面積が比較的大きい長所とを共に具備し、有効に磁束密度を減らしてインダ クタンスを下げることができることにある。

【００１０】 さらに図７は本考案の楕円形コア３０を一つの電源フィルタ４０の内部に運用 した状態を示し、該電源フィルタ４０は電源システムに置かれて電源中の不安定 な調波を濾過するのに用いられ、楕円形コア３０が電源フィルタ４０の内部に置 かれて電源干渉防御の機能を達成する。本考案の楕円形コア３０は大断面積と比 較的多くの捲線区域を有し、このため本考案は大インダクタンス、低磁束密度、 体積減少及び磁束漏洩防御の優れた特性方面において、極めて大きな効果を獲得 でき、このような長所を有することにより、本考案はミニ化と高電磁波干渉の傾 向にある各種の電子製品に運用される時、良好な適用性と遮蔽効果を具備する。

【００１１】

【考案の効果】

本考案の楕円形コアの電磁干渉抑制の効果は環状コア或いは矩形コアの１．２ 倍とされ、言い換えると、同じ空間で応用された時、本考案は外形寸法が周知の フェライトコアの約１００分の８０まで減少され、比較的小さい空間、例えばノ ートパソコン、パーソナルディジタルアシスタント（ＰＤＡ）等の電子製品に運 用可能で、楕円形コアの大断面積と高インダクタンスにより電磁波と雑音を抑制 する効果を提供しており、ゆえに、本考案は実用性、新規性、進歩性及び産業上 の利用価値を有している。

【００１２】 以上の説明は本考案を説明するための実施例に係るものであって本考案の請求 範囲を限定するものではなく、本考案に基づきなしうる細部の修飾或いは改変は 、いずれも本考案の請求範囲に属するものとする。

【図面の簡単な説明】

【図１】周知の環状コアの正面図である。

【図２】周知の矩形コアの正面図である。

【図３】図１又は図２の実施例の正面図である。

【図４】本考案のコイル設置前の斜視図である。

【図５】本考案の斜視図である。

【図６】本考案の正面図である。

【図７】図６の実施例の正面図である。

【符号の説明】

１０ 環状コア １１ コイル ２０ 矩形コア ２１ コイル ３０ 楕円形コア ３１ コイル ４０ 電源フィルタ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 環状コアの上下二側を適宜位置で平行に
   切断し、楕円形の外形を有する楕円形コアの中心に一つ
   の円孔を設け、該楕円形コアの二側に複数のコイルを巻
   付けて形成したフェライトコアの構造において、該楕円
   形コアが大捲線体積と大断面積を有して体積の縮小と電
   磁干渉抑制効果が増強されたことを特徴とする、フェラ
   イトコアの構造。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のフェライトコアの構造
   において、楕円形コアの上下の切断部分の二端を修正研
   磨して円滑なＲ角を有するものとしたことを特徴とす
   る、フェライトコアの構造。
3. 【請求項３】 請求項１に記載のフェライトコアの構造
   において、楕円形コアの電磁干渉抑制の機能が、環状コ
   ア或いは矩形コアの１．２倍に増進されたことを特徴と
   する、フェライトコアの構造。
4. 【請求項４】 請求項１に記載のフェライトコアの構造
   において、楕円形コアを同じ空間で応用する時、環状コ
   ア或いは矩形コアの体積の約１００分の８０の体積とさ
   れることを特徴とする、フェライトコアの構造。
5. 【請求項５】 請求項１に記載のフェライトコアの構造
   において、巻き付けるコイルはエナメル線とすることを
   特徴とする、フェライトコアの構造。