JP3072555B2 - ポンプの脈動抑制装置 - Google Patents

ポンプの脈動抑制装置

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JP3072555B2 JP10072322A JP7232298A JP3072555B2 JP 3072555 B2 JP3072555 B2 JP 3072555B2 JP 10072322 A JP10072322 A JP 10072322A JP 7232298 A JP7232298 A JP 7232298A JP 3072555 B2 JP3072555 B2 JP 3072555B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体製造
装置におけるICや液晶の表面洗浄等の各種処理用薬液
などの移送液を往復動ポンプによって各部に送給する移
送液配管途中に介在されて、上記ポンプの往復動に起因
する流量・圧力の変動に伴って発生する脈動(脈圧)を
抑制するように構成されているポンプの脈動抑制装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のポンプの脈動抑制装置として、
本出願人は、例えば特開平8−159016号公報に開
示されているような構成のものを既に提案している。同
上公報等で既に提案している脈動抑制装置は、往復動ポ
ンプによる移送液を一時貯溜可能な液室とベローズやダ
イヤフラムなど上記液室に対して伸縮変形自在な隔膜を
介して隔離されて脈動抑制用の気体が封入される気室と
を設け、上記隔膜と気室内の封入気体圧力とのバランス
によって液室の容量を変化させて上記移送液の吐出圧に
よる脈動を吸収させるように構成されているとともに、
上記隔膜の閉鎖端側の変位に連動してその軸線方向に往
復動作する軸状操作杆を介して上記気室に通じる給排気
通路を給気口に連通させる状態と排気口に連通させる状
態とに自動切換え可能な弁体を有する給排気用切換弁機
構を設けてなるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような構成を
持つ本出願人による既提案のポンプの脈動抑制装置は、
移送液の吐出圧による脈動を抑制するだけでなく、ポン
プの吐出圧が変動した場合の液室容量の変化の増減を液
圧と気体圧の圧力バランスによって所定範囲内に保持さ
せてポンプの吐出圧の変動にかかわらず脈動幅を小さく
抑えることが可能である。
【0004】しかし、上記の本出願人による既提案のポ
ンプの脈動抑制装置を含めて従来から使用されている全
ての脈動抑制装置においては、例えば上記気室内への気
体供給を失念した状態で装置を駆動したような場合、移
送液の圧力が高いとき、上記圧力バランスの崩れによっ
て隔膜が所定値以上に伸長してしまい、該隔膜の閉鎖端
面が気室内に設置されている部品、詳しくは、隔膜の閉
鎖端面側の変位に連動してその軸線方向に往復移動する
ことにより給排気用切換弁機構を自動切換えするための
軸状操作杆の端部に強い力で接当するために、隔膜の閉
鎖端面が変形あるいは損傷しやすく、また、軸状操作杆
にも無理な力が加わって該操作杆が変形あるいは破損し
やすい。このような事態が発生すると、それ以降の動作
に支障を与えて所定の脈動抑制機能を発揮させることが
できないだけでなく、隔膜の閉鎖端面の損傷度合によっ
ては薬液など移送液が外部に漏洩するといった重大な事
態に陥りかねないという問題があった。
【0005】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、簡単な構成付加により隔膜の伸長量を変形や
損傷のない安全な範囲に止めて長期間使用に際しても、
所定の脈動抑制機能を確保できるとともに、移送液の外
部漏洩といった重大な事態を回避することができるポン
プの脈動抑制装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るポンプの脈動抑制装置は、密封容器状
の装置本体内に往復動ポンプによる移送液を一時貯溜可
能な液室とこの液室に対して伸縮変形自在な隔膜を介し
て隔離されて脈動抑制用の気体が封入される気室とを設
け、上記液室の容量変化により上記移送液の吐出圧によ
る脈動を吸収させるように構成しているとともに、上記
気室内に挿入され上記隔膜の閉鎖端面側の変位に連動し
てその軸線方向に往復動作する軸状操作杆を介して上記
気室に通じる給排気通路を給気口に連通させる状態と排
気口に連通させる状態とに自動切換え可能な弁体を有す
る給排気用切換弁機構を設けてなるポンプの脈動抑制装
置において、上記隔膜が所定値にまで伸長したとき、こ
の隔膜の閉鎖端面に平行に接触して該隔膜のそれ以上の
伸長を制限する伸長制限機構を上記気室内に設置して
り、この伸長制限機構には、上記気室内の気体流通を阻
害しない気体流通部が形成されていることを特徴とする
ものである。
【0007】本発明によれば、往復動ポンプにより移送
液が装置本体内の液室を通って流出する際、その移送液
の吐出圧の脈動の山部においては液室容量が増大し、隔
膜が伸張変形して圧力を吸収し、かつ、脈動の谷部にお
いては液室容量が減少し、隔膜が収縮変形して移送液の
圧力が上がって脈動を吸収するとともに、このような動
作時において、上記ポンプの吐出圧の変動で液室容量が
増大するときは、給排気弁機構によって気室内への給気
が行なわれて封入圧を上昇させ、かつ、液室容量の減少
するときは、給排気弁機構によって気室内からの排気が
行なわれて封入圧を下降させるといったように、ポンプ
の吐出圧の変動に対応して気室に対して自動的に給排気
することによって、隔膜の伸縮変形を一定範囲内に制約
して脈動幅を小さく抑えることができる。
【0008】その上、上記のような脈動抑制動作におい
て、例えば上記気室への給気を失念した状態で装置を駆
動したとしても、液圧の上昇に伴い隔膜が所定値まで伸
長したときは、該隔膜の閉鎖端面に伸長制限機構が平行
に接触してそれ以上の伸長が制限されることになるため
に、隔膜と軸状操作杆の端部との接当に伴う隔膜の変形
や損傷、さらには軸状操作杆の変形や破損を防止するこ
とが可能である。これによって、軸状操作杆が隔膜に対
して常に垂直に作用する状態を保って所定の給排気作用
および脈動抑制機能を確保できるとともに、隔膜の閉鎖
端面が破損されて移送液が外部に漏洩するような重大な
事態の発生を回避することができる。
【0009】また、上記伸長制限機構に該機構を構成す
る円筒体や円輪板の強度を損なわない程度の大きさの切
り欠きもしくは孔など気室内の気体流通を阻害しない気
体流通部形成されていることによって、伸長制限機構
が気室内に設置されるものでありながらも、気室内の気
体圧を気室内全域に亘って均一に保ち、隔膜の歪み変形
や損傷を抑制して隔膜を安定的に伸縮変形させることが
可能である。
【0010】上記構成のポンプの脈動抑制装置におい
て、上記伸長制限機構としては、請求項2に記載のよう
に、上記隔膜の閉鎖端面に対して平行に接触する円筒端
面を有し、同芯状に配置して上記気室内に設置された複
数個の円筒体から構成されたもの、あるいは、請求項3
に記載のように、上記隔膜の閉鎖端面に対して平行に全
面またはほぼ全面接触するように上記気室内に固定設置
された円輪板から構成されたもののいずれであってもよ
く、要するに、円筒体の長さや円輪板の設置位置を隔膜
の伸長量が破壊などしない安全な値になるように設定さ
れていればよい。
【0011】さらに、上記構成のポンプの脈動抑制装置
が請求項に記載のように、隔膜を水平方向に伸縮変形
させるような横置き型に構成されたものである場合、上
記気室内の底部位置に液漏れ検出用センサーを設けるこ
とによって、万一、隔膜の破損などに起因して気室内へ
の液漏れが発生したとき、その液漏れを可及的速やかに
検出して、装置本体外部への漏洩といった重大事態への
発展を未然に防ぐことが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は本発明に係るポンプの脈
動抑制装置の全体縦断正面図であり、同図において、1
は密封容器状の装置本体で、この装置本体1内の下部側
には、ポンプによる移送液Qを流入口2aから取り込ん
で一時的に貯溜して流出口2bから流出させる液室3が
形成されている。
【0013】4は上記装置本体1内の上部側に形成され
た気室であり、この気室4は上記液室3に対して伸縮変
形自在な隔膜、たとえばベローズ5によって隔離され、
その中央部位5aは液室3の一部を構成している。上記
ベローズ5の閉鎖端面5bには、その中央部に位置させ
て液室3の容量の増大方向、つまりベローズ5の伸張方
向に向いた筒形連結部材6がスプリング18の弾性付勢
力によって押付けられている。
【0014】7は上記気室4側の装置本体1の上壁1a
の外面に装備された給排気用切換弁機構であり、この給
排気用切換弁機構7は次のように構成されている。すな
わち、有底筒形のケーシング8内にシリンダ部9が収容
されており、このシリンダ部9内にはその軸線方向(上
下方向)に沿って摺動変位可能にスライド弁体10が嵌
合されている。11は上記装置本体1の上壁1aに形成
した孔1bを貫通して上記気室4内に挿入された軸状操
作杆であり、その上端部が上記スライド弁体10の下端
部に一体に同軸連結され、かつ、この軸状操作杆11の
下端側の連結つば部11aが上記筒形連結部材6内の基
準位置に連結されている。
【0015】上記ケーシング8の周壁には、その下部側
に給気口12が形成されているとともに、上部側に排気
口13が形成されている。上記給気口12は、移送液Q
の最大圧力値以上の圧力の空気を供給するようになされ
ており、また、排気口13は大気に開放されている。こ
れら給気口12および排気口13に対応して上記シリン
ダ部9の周壁にポート14,15が形成されている。1
6aは上記ケーシング8の周壁に形成された給排気用通
路で、上記気室4とシリンダ部9内とを連通するもので
ある。
【0016】上記スライド弁体10にはその軸線方向に
所定間隔を隔てて3つの摺動用つば部10a,10b,
10cが形成されており、中央つば部10bと下部つば
部10cとの間が給気用空間S1に構成され、中央つば
部10bと上部つば部10aとの間が排気用空間S2に
構成されている。このスライド弁体10はポンプ吐出圧
の変動に応じて液室3の容量が増大すると、上昇変位し
て給排気用通路16aを空間S1に連通させ、かつ、液
室3の容量が減少すると、下降変位して上記排気用通路
16aを空間S2に連通させるように構成されている。
【0017】上記装置本体1の上壁1aには、上記気室
4内に軸状操作杆11に同芯状で、かつ、同一長さに突
出する2個の円筒体19A,19Bが一体形成されてい
る。これら円筒体19A,19Bの下端部は上記ベロー
ズ5の閉鎖端面5bに対して平行な円筒端面19a,1
9bに形成されており、これら円筒体19A,19Bに
より、上記ベローズ5が所定値にまで伸長したとき、そ
れらの円筒端面19a,19bがベローズ5の閉鎖端面
5bに平行に接触して該ベローズ5のそれ以上の伸長を
制限する伸長制限機構19を構成している。なお、円筒
体の数は、ベローズ5が伸長変形して円筒端面に接触し
た場合において、ベローズ5の閉鎖端面5bが設計許容
値以上に伸びないように決定されるものであって、2個
に限らず、3個以上であってもよい。
【0018】また、上記伸長制限機構19を構成する円
筒体19A,19Bの周壁部下端部には、図2に示すよ
うに、各円筒体19A,19Bの強度を損なわない程度
の大きさの切り欠きによる空気流通部(気体流通部)
0A,20Bが形成されている。これら空気流通部20
A,20Bは、図3に示すように、上記ベローズ5が所
定値にまで伸長してその閉鎖端面5bが伸長制限機構1
9を構成する円筒体19A,19B下端の円筒端面19
a,19bに接触した状態においても、気室4内の空気
を同図の矢印で示すように、内外方向に流通させて該気
室4内の全域における気圧を均一に保つ機能を果たすも
のである。この空気流通部20A,20Bとしては、切
り欠き以外に貫通孔であってもよい。なお、図1中17
は上記ケーシング8内に設置されてスライド弁体10に
上方へのばね力を付勢して該スライド弁体10を基準位
置に保持させるばね部材である。
【0019】次に、上記構成のポンプの脈動抑制装置の
動作について説明する。往復動ポンプの作動により移送
液Qが所定の部位に向けて送給されると、ポンプ吐出圧
は山部と谷部との繰り返しによる脈動を発生する。
【0020】上記移送液Qは流入口2aから取り込ま
れ、液室3に一時的に貯溜されたのち流出口2bから流
出する。このとき、移送液Qの吐出圧が吐出圧曲線の山
部にある場合、移送液Qは液室3の容量を増大するよう
にベローズ5を伸張変形させるので、その圧力が吸収さ
れる。この時、液室3から流出される移送液Qの流量は
ポンプから送給されてくる流量よりも少なくなる。
【0021】一方、上記移送液Qの吐出圧が吐出圧曲線
の谷部にさしかかると、ベローズ5の伸張変形にともな
い圧縮された気室4内の封入空気圧よりも移送液Qの圧
力が低くなるので、ベローズ5は収縮変形する。この
時、ポンプから液室3内に流入する移送液Qの流量より
も液室3から流出する流量が多くなる。この繰り返し動
作、つまり液室3の容量変化によって上記脈動が吸収さ
れ抑制される。
【0022】また、上記のような動作中において、ポン
プの吐出圧が上昇変動すると、移送液Qによって液室3
の容量が増大してベローズ5が大きく伸張変形すること
になる。このとき、軸状操作杆11を介してスライド弁
体10が上方に摺動変位し、給排気通路16aが空間S
1を介して給気口12に連通される。このため、給気口
12から高い空気圧が上記空間S1および給排気通路1
6aを経て気室4に供給されて該気室4の封入空気圧が
高められ、これによって、ベローズ5の伸張変形量が制
約され液室3の容量が過度に増大することが抑えられ
る。
【0023】一方、ポンプの吐出圧が下降変動すると、
移送液Qによって液室3の容量が減少し、ベローズ5が
大きく収縮変形することになる。このとき、軸状操作杆
11を介してスライド弁体10が下方に摺動変位して、
給排気通路16aが空間S2を介して排気口13に連通
される。このため、上記気室4内の封入空気aが給排気
通路16aおよび空間S2を経て排気口13から大気に
排出されて該気室4の封入空気圧が下げられ、これによ
って、ベローズ5の収縮変形量が制約され液室3の容量
が過度に減少することが抑えられる。その結果、ポンプ
の吐出圧が変動しても、脈動を効率的に吸収して脈動幅
を小さく抑えることができる。
【0024】上記のような液圧と気体圧との圧力バラン
スによる脈動抑制動作において、例えば上記気室4内へ
の給気を失念した状態で装置を駆動したとしても、液圧
の上昇に伴いベローズ5が所定値まで伸長したときは、
図3に示すように、ベローズ5の閉鎖端面5bが伸長制
限機構19における円筒体19A,19B下端の円筒端
面19a,19bに平行に接触してそれ以上の伸長が制
限されることになるために、ベローズ5と軸状操作杆1
1の下端部との接当に伴うベローズ5の変形や損傷、さ
らには軸状操作杆11の変形や破損を防止することが可
能である。これによって、軸状操作杆11がベローズ5
の閉鎖端面5bに対して垂直に作用する状態を保って長
期間に亘る使用に際しても、所定の給排気作用および脈
動抑制機能を安定よく確保できるとともに、ベローズ5
の閉鎖端面5bが破損されて移送液Qが外部に漏洩する
ような重大な事態の発生を回避することができる。
【0025】また、上記ベローズ5が所定値にまで伸長
してその閉鎖端面5bが伸長制限機構19を構成する円
筒体19A,19B下端の円筒端面19a,19bに接
触した図3の状態においても、気室4内の空気は各円筒
体19A,19Bの周壁部下端に形成されている切り欠
きによる空気流通部20A,20Bを通して同図の矢印
で示すように、内外方向に流通して該気室4内の全域に
おける気圧が均一に保たれるために、ベローズ5の歪み
変形や損傷の発生を抑制することができる。
【0026】図4および図5は本発明の他の実施の形態
を示し、この実施の形態では、上記ベローズ5の伸長制
限機構19として、上記した複数個の円筒体に代えて、
上記気室4内の所定高さ位置に単一の円輪板19Cを水
平に配置し、これを装置本体1の内周面に一体に固定さ
せたものであって、この場合は、ベローズ5が所定値ま
で伸長したとき、その閉鎖端面5bが上記円輪板19C
の下面19cに対して平行に全面またはほぼ全面接触し
てベロース5のそれ以上の伸長を制限するように構成さ
れている。なお、この実施の形態においても、伸長制限
状態で気室4内の全域における気圧を均一に保つために
上記円輪板19Cに切り欠きもしくは貫通孔による空気
流通部20Cが形成されている。その他の構成は上記実
施の形態と同一であるため、該当部分に同一の符号を付
して、それらの詳しい説明を省略する。
【0027】図6は本発明のもう一つの実施の形態を示
すもので、空気駆動型ベローズ式ポンプの脈動抑制装置
の全体縦断正面図である。この空気駆動型ベローズ式ポ
ンプは移送液Qの流入口2aおよび流出口2bが形成さ
れた仕切壁30の一側に上記実施の形態で述べたと同様
な構成を持つ脈動抑制部Aが設けられていると共に、仕
切壁30の他側に往復動ポンプ部Bが一体に配設されて
なるものであり、上記脈動抑制部Aの構成は図4に示し
たものと同一であるため、該当部分もしくは相当部分に
同一の符号を付して、それらの詳しい説明を省略し、以
下、往復動ポンプ部Bの構成について説明する。
【0028】上記仕切壁30に固定連設された有底筒状
ケーシング31内にその筒軸線方向に沿って伸縮変形可
能なポンプ作用体となるベローズ32が配設され、この
ベローズ32の開口周縁部32aを環状固定板33によ
り仕切壁30に気密状に押圧固定することにより、ケー
シング31の内部空間をベローズ32内のポンプ作用室
34aとベローズ32外のポンプ作動室34bとに密閉
区画している。上記有底筒状ケーシング31の底壁部3
1aの外側には連結部材35を介して上記ベローズ32
の閉鎖端部材32bに固定連結されたピストン体36を
摺動可能に収納するシリンダ体37が固定されており、
このシリンダ体37および上記ケーシング31の底壁部
31aに形成した空気孔38a,38bを通して、コン
プレッサなどの加圧空気供給装置(図示省略)から送給
される加圧空気をシリンダ体37の内部または上記ポン
プ作動室34bに供給することによって、上記ベローズ
32を駆動伸縮変形させるエアシリンダ部39が構成さ
れている。
【0029】また、上記ポンプ作用室34aにそれぞれ
開口するように形成された吸入口40a及び吐出口40
bは上記流入口2a及び流出口2bに連通されていると
ともに、これら吸入口40a及び吐出口40bにはそれ
ぞれ、上記ベローズ32の駆動伸縮に伴って交互に開閉
作動される可動弁体41a1付き吸入用逆止弁41a及
び可動弁体41b1付き吐出用逆止弁41bが設けられ
ており、以上の各構成要素によって上記往復動ポンプ部
Bが構成されている。
【0030】上記のような構成の空気駆動型ベローズ式
ポンプにおいては、コンプレッサーなどの加圧空気供給
装置(図示省略)から送給される加圧空気をエアシリン
ダ部39のシリンダ体37の内部に供給してベローズ3
2を図6のx方向に伸長動作させると、流入口2a内の
移送液Qが吸入用逆止弁41aを経てポンプ作用室34
a内に吸入され、次いで、上記加圧空気をエアシリンダ
部37のポンプ作動室34b内に供給してベローズ32
を図6のy方向に収縮動作させると、ポンプ作用室34
a内に吸入された移送液が吐出用逆止弁41bを経て吐
出されるといったように、エアシリンダ部39を介して
往復動ポンプ部Bにおけるベローズ32を駆動伸縮変形
させることにより、上記吸入用逆止弁41aと吐出用逆
止弁41bとが交互に開閉作動して流入口2aからポン
プ作用室34aへの液体の吸入とポンプ作用室34a内
から流出口2bへの液体の吐出とが反復され所定のポン
プ作用が行なわれる。このような往復動ポンプ部Bの作
動に伴いポンプ作用室34a内から吐出用逆止弁41b
を経て吐出される移送液Qは仕切壁30に形成された連
通路42を通って脈動抑制部Aにおける液室3内に送ら
れて該液室3に一時的に貯溜されたのち流出口2bへと
流出される。このときのポンプ吐出圧は山部と谷部との
繰り返しによる脈動を発生するが、その脈動が上記実施
の形態で述べたと同様に、液室3の容量変化によって吸
収され抑制されることになり、また、ベローズ5が所定
値にまで伸長したときは、伸長制限機構19によってそ
れ以上の伸長が制限されてベローズ5および軸状操作杆
11の変形や損傷が防止されるものである。
【0031】このような構成の空気駆動型ベローズ式ポ
ンプにおいては往復動ポンプ部Bからの吐出圧の変動に
対する脈動抑制およびベローズ5の伸長制限作用につい
て上記実施の形態で述べたと同様な作用が得られるが、
この種のポンブは一般的にベローズ5,32を水平方向
に伸縮変形させるように横置き型として用いられるもの
である。そこで、上記脈動抑制部Aにおける気室4内の
底部位置に液漏れ検出用センサー21を設置したもので
あり、この場合は、万一、ベローズ5の破損などに起因
して液室3から気室4内へ液漏れが発生したとき、セン
サー21によって液漏れを速やかに検出して報知するこ
とで、液が装置本体1の外部へ漏洩するといった重大事
態への発展を未然に防ぐことが可能となる。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ポンプ
移送液の吐出圧による脈動の吸収はもちろん、吐出圧の
変動が発生した場合の液室容量の増減を液体圧と気体圧
の圧力バランスにより所定範囲内に保持させて脈動幅を
小さく抑えることができる。しかも、例えば気室への給
気を失念した状態で装置を駆動したとしても、隔膜の伸
長量を該隔膜や気室内に設けられている軸状操作杆の変
形や破損などのない安全な値に制限することができる。
その上、隔膜が所定値にまで伸長してその閉鎖端 面が伸
長制限機構に接触した状態において、気室内への給気に
伴い気室内の圧力が増加した場合でも、気体流通部を介
して気室内全域の圧力を均一に増加させて隔膜の歪み変
形や損傷を抑制し隔膜の伸縮を安定化することができ
。したがって、軸状操作杆を隔膜に対して常に垂直に
作用させる状態を保って給排気作用を正常に維持すると
ともに、所定の脈動抑制機能を確保でき、また、隔膜の
閉鎖端面が破損されて移送液が外部に漏洩するような重
大な事態の発生を確実に回避することができるという効
果を奏する。
【0033】特に、請求項の構成を採用する場合は、
万が一、隔膜の破損などに起因して気室内への液漏れが
発生したとき、その液漏れを可及的速やかに検出して、
装置本体外部への漏洩といった重大事態への発展を未然
に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるポンプの脈動抑制装
置の全体縦断正面図である。
【図2】同上装置における要部の拡大縦断側面図であ
る。
【図3】同上装置において、隔膜の伸長制限状態を示す
要部の縦断正面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態によるポンプの脈動抑
制装置の要部の拡大縦断正面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】本発明のもう一つの実施の形態による空気駆動
型ベローズ式ポンプの脈動抑制装置の全体縦断正面図で
ある。
【符号の説明】
1 装置本体 3 液室 4 気室 5 ベローズ(隔膜の一例) 5b 閉鎖端面 7 給排気用切換弁機構 10 スライド弁体 11 軸状操作杆 12 給気口 13 排気口 16a 給排気通路 19 伸長制限機構 19A,19B 円筒体 19C 円輪板 19a,19b 円筒端面 20A,20B,20C 空気流通部(気体流通部の一
例) 21 液漏れ検出用センサー Q 移送液
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−159016(JP,A) 特開 昭61−210277(JP,A) 特開 平3−185282(JP,A) 実開 平2−138201(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密封容器状の装置本体内に往復動ポンプ
    による移送液を一時貯溜可能な液室とこの液室に対して
    伸縮変形自在な隔膜を介して隔離されて脈動抑制用の気
    体が封入される気室とを設け、上記液室の容量変化によ
    り上記移送液の吐出圧による脈動を吸収させるように構
    成しているとともに、 上記気室内に挿入され上記隔膜の閉鎖端面側の変位に連
    動してその軸線方向に往復動作する軸状操作杆を介して
    上記気室に通じる給排気通路を給気口に連通させる状態
    と排気口に連通させる状態とに自動切換え可能な弁体を
    有する給排気用切換弁機構を設けてなるポンプの脈動抑
    制装置において、 上記隔膜が所定値にまで伸長したとき、この隔膜の閉鎖
    端面に平行に接触して該隔膜のそれ以上の伸長を制限す
    る伸長制限機構を上記気室内に設置しており、 この伸長制限機構には、上記気室内の気体流通を阻害し
    ない気体流通部が形成されて いることを特徴とするポン
    プの脈動抑制装置。
  2. 【請求項2】 上記伸長制限機構が、上記隔膜の閉鎖端
    面に対して平行に接触する円筒端面を有し、同芯状に配
    置して上記気室内に設置された複数個の円筒体から構成
    されている請求項1に記載のポンプの脈動抑制装置。
  3. 【請求項3】 上記伸長制限機構が、上記隔膜の閉鎖端
    面に対して平行に全面またはほぼ全面接触するように上
    記気室内に固定設置された円輪板から構成されている請
    求項1に記載のポンプの脈動抑制装置。
  4. 【請求項4】 上記装置本体が、隔膜を水平方向に伸縮
    変形させるような横置き型に構成されており、上記気室
    内の底部位置には液漏れ検出用センサーが設けられてい
    る請求項1ないしのいずれかに記載のポンプの脈動抑
    制装置。
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