JP3072107B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3072107B2
JP3072107B2 JP15534A JP2000015534A JP3072107B2 JP 3072107 B2 JP3072107 B2 JP 3072107B2 JP 15534 A JP15534 A JP 15534A JP 2000015534 A JP2000015534 A JP 2000015534A JP 3072107 B2 JP3072107 B2 JP 3072107B2
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semiconductor
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oxygen
crystal silicon
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舜平 山崎
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、酸素または炭素を極低
濃度にした超高純度の半導体製造用気体を用いて、PIN
接合を少なくとも1つ有する半導体装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、酸素は半導体例えばシリコン半導
体中にて局部的にSi−O −Siを構成し、絶縁性をのみ示
すものとしていた。しかしシリコン中に酸素が数ケ〜十
数ケ集合してクラスタを作ると、それは電子、ホールの
再結合中心を作り、光照射によって発生した少数キャリ
アの再結合中心即ちキラーとして作用してしまうこと
は、水素またはハロゲン元素が添加されたプラズマ気相
法により得られた非単結晶半導体においてもきわめて顕
著であることが判明した。 【0003】また、酸素の不対結合手はN型のドナーセ
ンタとしても作用してしまい、非単結晶半導体をアモル
ファスより格子歪を有する構造敏感性を持った半非晶質
(半結晶質)とするとN型化してしまうことがわかっ
た。このため、かかるドナーセンタになる酸素を本質的
に除去し、構造的に敏感性を有する真性(フェルミレベ
ルがバンド巾のほぼ中央部)の半導体を作ることは工業
的応用を考える時きわめて重要であった。 【0004】さらに炭素についても、エタン等CmHn(m
≧2)においては、半導体中にそのまま混入し、再結合
中心を多く発生させてしまい、キャリア特にホールのラ
イフタイムの減少をもたらしてしまった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、基板または
基板上の第1の電極と、該電極上にPIN 接合を少なくと
も1つ有する非単結晶半導体層を、P型半導体層、I型
半導体層およびN型半導体層を積層することにより設け
た光電変換装置において、特に光照射により光起電力を
発生する活性半導体層である真性または実質的に真性
(PまたはN型用不純物を1×1014〜5×1017cm-3の濃
度に人為的に混入させた、またはバックグラウンドレベ
ルで混入した)半導体に対し、特に絶縁性の助長または
再結合中心の発生をもたらす酸素または炭素を平均濃度
において5×1018cm-3以下好ましくは1×1018cm-3以下
の極低濃度にすることを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明はかかる不純物を
除去し、シリコン半導体は珪素と再結合中心中和用に必
要な水素または弗素を主成分とし、さらにフェルミレベ
ルをシフトさせるためのIII 価またはV価の不純物を
(1014〜3×1017cm-3)添加したことを特徴としてい
る。従来シランは有効分子径を5Å弱(4.8 〜5 Å)有
し、またゲルマンは約6Åを有している。(ポリシラン
等はさらに大きな有効分子径を有する)しかし、例えば
最も有効分子径の小さいシラン(モノシラン)におい
て、その反応性気体中に含有される不純物を調べると、
下記表1のごとくである。 【0007】 【表1】 【0008】これらを調べて、特にこのエピタキシァル
成長をさせる場合、気相−固相反応の際、酸化物および
窒化物は偏析効果により、上記表1の約30分の1に小さ
くなる。このため比抵抗100 Ωcm以上の実質的真性の半
導体を得ることができる。しかし、100 〜400 ℃で行わ
れるグロー放電を用いたプラズマ気相法においては、か
かる物理精製である不純物の偏析効果を期待することは
できない。このため、表1に示す不純物はそのまま半導
体中に混入してしまい、特に酸素および水については、
すべてシランと反応し、反応生成物の酸化珪素を作る。
シラン自体については、プラズマ反応により活性化(イ
オン化)が1〜5%であり、そのため実質的にガス状態
よりもさらに約20〜30倍に濃縮されて半導体膜中に2〜
4×1020cm-3もの濃度になって混入してしまうことがわ
かった。このため、反応性気体をプラズマ気相法用に用
いる時、その反応装置において精製することがきわめて
重要であることが実験的に判明した。 【0009】かくして、本発明においては、AM1 にて変
換効率を10%以上保証するために、そのI層中に酸素は
5×1018cm-3以下とし、さらにクラスタ状に混入した炭
素においても、4×1018cm-3以下好ましくは1×1018cm
-3以下であることがきわめて重要である。かかる半導体
の高純度化を本発明は目的としている。 【0010】本発明は、かかる目的のため、半導体用の
反応性気体例えば珪化物気体であるシラン、ポリシラ
ン、弗化珪素、またゲルマニューム化物気体であるゲル
マン等がその有効分子直径が4.8 Å以上を有することを
利用したものである。即ち、有効穴径が2.9 〜4.65Åの
モレキュラシープスまたはゼオライトを利用して、4.5
Å以下の有効分子直径(以下分子径という)を有する不
純物である酸化物気体例えば水(H2O)、炭酸ガス
(CO2)、酸素(O2)、また炭化物気体例えばメタン
(CH4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、CH3OH、C6
H6等を吸着、除去することを目的としている。 【0011】さらにこの吸着力を助長するため、この化
学吸着をする吸着材を室温〜-100℃好ましくは-20 〜-7
0 ℃に冷却し、さらにその吸着力を50倍以上に高めるこ
とを目的としている。かくして従来PIN 接合を有する非
単結晶半導体特にアモルファス半導体がAM1(100mW /
cm2)の条件下にて6〜8%の変換効率しか出なかっ
たものを、11〜14.5%にまで真性変換効率を高めること
ができた。 【0012】特に、この活性半導体層であるI層におい
て、その酸素濃度を従来の2〜4×1020cm-3より5×10
18cm-3以下好ましくは1×1018〜1×1014cm-3にまで低
め、さらに半導体中にCーC結合を多数有する、即ち、
クラスタ状に混入した炭素を4×1018cm-3以下好ましく
は1×1018〜1×1014cm-3にまで下げることにより、半
導体例えばシリコン半導体中の再結合中心の密度を1×
1018cm-3より1×1017cm-3以下好ましくは5×1014〜1
×1016cm-3にまで下げるのに成功し、かつ光照射により
光伝導度が劣化するいわゆるステブラ・ロンスキ効果を
除去することを特徴としている。 【0013】以下に図面に従って示す。図1は本発明の
半導体装置の作製に用いられた製造装置の概要を示す。
図1に示すように、反応炉(1)(直径35mmφ)に対し、
外部加熱炉(21)、基板(22)、一対をなす電極(3),
(3')、高周波発振器(2)(例えは13.56MHzまたは100K
Hz)、さらに反応性気体の活性化、分解を行うための1G
Hz以上の周波数のマイクロ波例えば2.45GHz のマイクロ
波発振器(17)、アテニュエイター(18)を有してい
る。セラミックス(19)で保護された放出部から、0.00
1 〜10torrに保持された反応炉(1)へマイクロ波を放
出させた。反応炉全体は電波障害のないようにシールド
(20)がなされ、反応性気体により基板(22)上に半導
体膜を形成させるに際し、電気エネルギの電界は、被形
成面に平行に層流を有するように配置されている。 【0014】反応性気体はキャリアガス例えば酸素、水
の不純物は1ppb以下好ましくは0.1ppbにまで下げた水素
を(7)より導入させた。また、珪素膜を形成させよう
とする場合、珪化物気体であるシランを(4)より導入
した。また、P型用不純物である水素により500 〜5000
PPM に希釈されたジボランを(5)より、同様に水素に
より500 〜5000PPM に希釈されたフォスヒンを(6)よ
り導入した。 【0015】これら反応性気体は、ガス精製器(11),(1
4),(12),(15),(13),(16)を介して反応炉に所定の流量導
入させた。これらのガス精製器は、反応ガスの入り口側
に有効穴径2.7 〜4.65Åの3Å、4Å、または4.5 Å例
えば4Åの有効穴径3.5 〜4.3 Åのモレキュラシープス
またはゼオライトを用いて変成した。このモレキュラー
シープスまたはゼオライトは、Na(AlO2)(SiO2)27〜30
2Oを4Åは示し、また4.5 Åは(K4Zn4)(AlO2)(Si
O2)27〜30H2Oの分子式で示されるものを用いた。さら
にこの後に、脱酸素用のガスリーン(商品名GC−RX)を
連結した。これらはともに日化精工製を用いた。 【0016】さらにこれらの精製器の化学吸着性を向上
させるため、−70℃〜室温、例えば−30℃に電子恒温層
(8),(9),(10)により冷却した。水素希釈されたフォスヒ
ンについては、その有効分子径が約4.3 Åを有するた
め、3Åまたは4Åを用いた。またシランまたはジシラ
ンに対しては、3Å、4Å、4.5 Åのいずれもが適応可
能であった。 【0017】特にシランに対しては、その中にあってN
化しやすい不純物である酸素以外に、フォスヒンがその
濃度を0.01ppb 以下(5×1014cm-3以下)にまで下げる
ため、4.5 Åを用いることが特に有効であった。排気系
はニードルバルブ(25)、ストップバルブ(24)、真空ポン
プ(23)を経て排気(26)させた。反応炉内の圧力はニ
ードルバルブ(25)により0.001 〜10torr代表的には0.
05〜0.1torr に制御した。 【0018】図2は図1の結果によって得られた特性で
ある。即ち、基板温度250 ℃、反応炉内の圧力0.1 torr
とした時、基板例えばガラス上に非単結晶半導体層を1
μmの厚さに形成した場合の光照射(AM1)伝導度、暗
伝導度である。図2において、シランに対しかかる精製
を行わない場合、前記した如くのボンベ内での不純物が
そのまま半導体層内に入り、特に酸素または炭素はシリ
コンを非晶質化する作用効果がある。 【0019】このため、光伝導度の曲線(29)、暗伝導度
の曲線(30)を得た。即ち、図面において20〜30Wの高
周波出力において、光伝導度は10-3(Ωcm)-1のオーダ
を有するが、同時にこの時半導体が一部秩序性を有する
半非晶質化する。このためこの半導体中の不純物である
酸素がドナーセンタとなり、N型化して、暗伝導度(3
0)も10-4(Ωcm)-1のオーダになってしまう。結果と
して、真性半導体として用いんとする場合は、逆の不純
物であるホウ素を1〜3×1017cm-3の濃度に添加する
か、または1〜5Wの低出力にしなければならない。し
かしこれらはいずれにおいても、曲線(29)より明らか
なごとく、光伝導度を10-6〜10-5(Ωcm)-1のオーダに
まで下げてしまう。 【0020】かかる従来の方法ではなく、本発明はシラ
ン中の不純物特に酸素、水または炭化水素を精製(図1
(11)(14)) して十分除去するとともに、ボンベにシラン
を充填するに際しても、十分なる精製をして充填したも
のである。かくのごとく水を含む酸素を精製除去するこ
とにより、図2に示すような光照射伝導度(27)、暗伝導
度(28)を得ることができた。 【0021】この図2より明らかなごとく、光伝導度が
プラズマ放電出力が1〜10Wの低いプラズマエネルギの
領域において、10-4(Ωcm)-1以上と大きく、加えて暗
伝導度が10-11〜10-10(Ωcm)-1と小さい。即ち、真性半
導体としての活性エネルギは十分大きく、フェルミレベ
ルもほぼEg/2+0.1 -0.2eVを有せしめることができた。
さらにこの特性を調べてみたところ、X線回析像におい
て弱い結晶化が5〜10Wで得られる被膜の一部において
みられ、これらはアモルファス構造と結晶化構造の中間
構造のセミアモルファス(半非晶質)半導体といえるも
のであった。 【0022】即ち、真性半導体をプラズマ気相法により
100 〜300 ℃例えば250 ℃で得ようとすると、その時こ
のシラン中の不純物が単なるCVD またはエピタキシァル
成長に比べて30〜100 倍もの濃度に入りやすい。そのた
め、出発材料中の不純物の混入を可能なかぎり少なくし
た超高純度シランを用いることはきわめて重要である。
かくして2〜10Wの低い出力においても、暗伝導度が小
さく、かつ光伝導度は単結晶の10-2(Ωcm)-1に近い10
-4〜10-3(Ωcm)-1の値を得ることができた。 【0023】特にかかる低い高周波出力で得られること
は、本発明のごとくPIN 接合を漸次P層、I層、N層と
積層するに際し、その境界領域を面として明確にするた
め、即ちP層上にI層を積層する際、その放電のP層を
スパッタ(損傷)する効果により下地P層を叩き、混合
層をその界面PI接合界面に作ってしまうことを防ぐこと
ができ、きわめて重要である。 【0024】さらに図1に示す反応炉おいて、2.45GHz
のマイクロ波を加えると、反応性気体のイオン化率を高
めるため、その特性は同様であったが、被膜の成長速度
が約3〜5倍に増し、大きくすることができた。例えば
シランを30cc/分、0.1torrで導入し、高周波プラズマ
のみでは1〜3Å/秒と低かったが、この場合は10〜15
Å/秒と高速成長させることができた。 【0025】図3は本発明のシランの精製に関し、ガス
精製器の有効性を確認する実験をしたものである。図3
において、横軸は酸素または炭素の被膜中の濃度を示
し、これはFTIR(フーリエ変換方式の赤外線吸収スペク
トル)で調べたものであり、縦軸は光照射時の電気伝導
度を示す。さらに1×1019cm-3以下の不純物濃度に関し
ては、SIMS(カメカ社製3F型)を用いて測定をして調べ
た。その絶対量の補正は非晶質シリコンにイオン注入法
により特定の注入量(例えば1×1018cm-3)を添加し、
これをSIMSにて測定し、そのイオン強度により行った。 【0026】シラン系に脱酸素精製器(14)、ゼオライト
(11)をともに用いた場合、曲線(45),(46)が得られ
る。曲線(45)は炭素濃度が3×1020cm-3混入した時の
脱酸素化を行った時の酸素濃度をパラメータとした際の
特性であり、また曲線(46)は酸素濃度1×1020cm
-3(60) 、3×1020cm-3(61)混入した場合、伝導度は
10-5〜10-6(Ωcm)-1しかなく、特に酸素の混入が伝導
度の低下をもたらす要因であることがわかる。 【0027】さらに図3については、曲線(41),(42)は
酸素濃度3×1017cm-3、炭素濃度は4×1018cm-3を含有
したものであって、それぞれ炭素濃度、酸素濃度をパラ
メータとして示している。即ち特に酸素を5×1018cm-3
以下(43)とすることにより、光電気伝導度は10-3(Ω
cm)-1のオーダを、また暗伝導度は10-10(Ωcm)-1のオ
ーダを期待することができる。基板の温度を250 ℃より
200 ℃、150 ℃と下げると、約1/3ずつその伝導度は
低くなった。 【0028】これらの酸素、炭素濃度とするには、シラ
ン中の酸素(水)を0.03PPM 以下にすることがきわめて
重要であり、特に精製を上記室温ではなく、0〜-30 ℃
とすると、酸素不純物濃度は0.01PPM, 0.003PPMにまで
下げることができる。また、排気系をクライオポンプ引
きとすることにより反応炉内の残存水を0.1PPM以下(10
-8torr以下の到達真空度とする)とし、さらに油の逆拡
散を防いだ。その結果、CmHnは0.1PPM以下にまで下げる
ことができた。さらに出発シラン(原シランともいう)
として液化・気化の物理精製したシランを用いると、質
量分析器にてまったく測定不可能である。また形成され
た半導体層中の酸素、炭素濃度も、それぞれ5×1016,
4×1017cm-3以下となり、SIMSの検出限界を越えること
ができた。もちろん以上のごとき高純度とするには、図
1に示された反応系においても、その反応炉を含む全体
のリーク量は1×10-10cc /sec 以下、好ましくは1×
10 -12cc /sec 以下とすることが重要であり、ジョイン
ト等の工夫も重要であることを付記する。 【0029】図4は図1の製造装置を用いて形成したも
ので、図4(A)はガラス基板(32)上に透明導電膜(3
3)、さらにP型炭化珪素(SixC1-x 0 <x <1)(例え
ばx=0.8 )またはP型珪素半導体(34)により100 Å
の厚さに形成した。さらにこの後この反応系をクライオ
ポンプ(62)にて十分(10-8torr以下)真空引きをした
後、精製したシランにより真性半導体層を0.5 μmの厚
さに(31)として形成した。さらに再び真空引きをして
N型半導体層(35)をシランにメタンを混入してSixC
1-x x=0.9 とし、さらにフォスヒンを1%の濃度に混
入して200 Åの厚さに形成した。この後反射性電極例え
ば公知の銀またはアルミニューム(36)を真空蒸着して
設けたものである。 【0030】高周波出力は5W、基板温度200 ℃とした。
すると変換効率10.3%を得ることができた。このガラス
基板の特性をさらに改良するため、図4(B)に示すよ
うな構造のPIN 接合型光電変換装置を作製した。図4
(B)において、ステンレス基板(32)上にP型半導体
層(34)、I型半導体層(33)、N型の繊維構造を有する多
結晶半導体層(35)を図1の装置により、それぞれ200
Å,0.5μm,150Åの厚さに形成した。さらに透明導電膜
(43)をITO (酸化インジューム〔酸化スズ0〜10
%〕)を真空蒸着し、アルミニュームの補助電極(36)
を設けた。 【0031】以上の図4(B)の構造において、真性半
導体層に混入した酸素濃度をパラメータとしたその光電
変換装置の変換効率特性を図5に示す。酸素濃度が5×
1018cm-3以下特に1×1018cm-3以下になると、その変換
効率(49)はAM1 にて1cm2の面積にて12%を越える
ことができた。またその曲線因子(48)も0.7 を越え、
また特に短絡電流(47)も最高20mA/cm2を得ること
ができるようになった。開放電圧は0.86〜0.93V であっ
た。やはり酸素濃度が小さくなり、シリコンをよりシリ
コンらしく作ることにより大きな特性向上が見られた。
図4(B)の実施例において、N型半導体層を繊維構造
を有する多結晶半導体とし、それを200 〜250 ℃の低温
で作ることに関しては、本発明人の出願になる特許願57
ー087801(57.5.24 )に示されている。 【0032】図6、図7は光電変換装置の信頼性を考慮
した時にきわめて重要な信頼性特性を評価をしたもので
ある。図6は定エネルギ分光特性の測定の際、試料に加
えるフォトン数を1×1015/cm2とした曲線(50)を示
す。縦軸は最大点を「1」に規格化量子効率(効率)を
示した。この装置にAM1 (100mW /cm2)の光を2時間
照射する。その後の光感特性が曲線(51)のごとく変化
し、350 〜500nm の光に対しその特性がきわめて劣化・
低化してしまうことがわかった。これを150 ℃で2時間
熱アニール処理を加えると、曲線(52)となり、特性は
350 〜500 nmの短波長光では曲線(50)に回復をし、ま
た600 〜800nm の長波長光は回復しない。このことより
かかる光照射ー熱アニールの処理にて劣化しない即ちス
テブラ・ロンスキ効果のない高信頼性の光電変換装置が
求められていた。 【0033】図7は、I型半導体中の平均酸素濃度が5
×1018cm-3の場合の光電変換装置の特性を示す。図6に
示す曲線(50)に対応して光照射(AM1 )を2時間行う
とかえって特性が向上ぎみの曲線(51)が得られた。さ
らに熱アニールを行うと曲線(52)がわずかに変化した
にすぎなかった。このことにより、I型半導体層中の不
純物としての酸素の濃度がきわめて特性安定(劣化防
止)化に重要であることが判明した。加えてその酸素濃
度は少なくとも5×1018cm-3においてきわめて劣化が少
ないことが判明した。さらにこの光照射効果(ステブラ
・ロンスキ効果)はその酸素濃度をさらに少なくするこ
とにより、より高信頼性を得ることができた。加えて図
5より明らかなごとく、変換効率(曲線(49))が向上
する。これはI型半導体層の酸素の不対結合手による再
結合中心が減少し、ホールの拡散長が大きくなり、空乏
層の巾も酸素濃度が1×1020cm-3では0.1 μmしかない
ものが、5×10 18cm-3またはそれ以下では0.4 μm以上
になり最も好ましくはI型半導体の厚さ全体にわけた場
合、全くの劣化が示されない光電変換装置を作ることが
できる。 【0034】以上のごとく、本発明は酸素、炭素濃度特
に不純物としての酸素を少なくしていけばいくほど光電
変換装置として変換効率が向上し、かつ信頼性も向上す
ることを見いだし、その実用的な酸素不純物が5×1018
cm-3以下好ましくは1×1018cm-3以下であることを見い
だしたものである。 【0035】以上の説明において、PIN 接合を1接合を
有する光電変換装置を示したが、これを重ねてPINPIN・
・・PIN 接合と少なくとも2接合とせしめることも本発
明の応用として重要であり、またこれらを絶縁表面を有
する基板上に集積化してもよい。また、これまでの説明
においては珪化物気体としてシラン特にモノシランを示
した。しかしジシラン等のポリシランに対しても本発明
は有効であり、珪化物気体を物理精製することはその分
子粒径が大きいことによりそれらを適用することが可能
である。また、珪素の弗化物例えばSiF に関しても同様
にその分子径が5Åと大きいため、有効である。またゲ
ルマニュームに関しては、ゲルマン(GeH4)を用い、非
単結晶半導体としてSixGe1-x(0<x <1)またはGeのみを
PIN 接合が有するI型半導体層に用いることも可能であ
る。 【0036】以上の説明においては、PIN 接合を1つ有
する光電変換装置を主として説明をした。しかし半導体
層がNIまたはPI接合を少なくとも1つ有する即ちN(ソ
ースまたはドレイン)I(チャネル形成領域)N(ドレ
インまたはソース)、PIP 接合を有する絶縁ゲイト型電
界効果半導体装置、またはNIPIN,PINIP 接合を有するト
ランジスタに対しても本発明はきわめて有効である。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の半導体装置作製用のプラズマ気相反応
炉の概要を示す。 【図2】本発明で得られた特性および従来の真性半導体
の電気特性を示す。 【図3】本発明の反応性気体精製方法によって得られた
電気特性の変化を示す。 【図4】本発明の光電変換装置を示す。 【図5】図5は図4(B)によって得られた光電変換装
置の諸特性を示す。 【図6】従来の光電変換装置の定エネルギ分光特性を示
す。 【図7】本発明の光電変換装置の定エネルギ分光特性を
示す。 【符号の説明】 1・・反応炉 2・・高周波発振器 3、3’・・電極
8、9、10・・電子恒温層 11、14、12・・
ガス精製器 15、13、16・・ガス精製器 17・・マイクロ波発振器 18・・アテニュエイター
19・・セラミックス 20・・シールド 21・・外部加熱炉 22・・基板
23・・真空ポンプ 24・・ストップバルブ 25・・ニードルバルブ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−158190(JP,A) 特開 昭55−11329(JP,A) 特開 昭55−29155(JP,A) 特開 昭56−142680(JP,A) 特開 昭58−92218(JP,A) 特開 昭59−35423(JP,A) 特開 昭59−190209(JP,A) 電子材料 1980年8月号,第75頁−81 頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 H01L 21/31 H01L 31/04 H01L 31/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.絶縁基板上に形成された半導体装置の中に、99.
    99%より高純度の珪化物気体を用いた気相法または精
    製器によって精製された珪化物気体を用いた気相法によ
    って形成された真性または実質的に真性な非単結晶シリ
    コン半導体を含み、 前記非単結晶シリコン半導体中のホールの拡散長が0.
    4μm以上であり、 前記非単結晶シリコン半導体中の酸素濃度を5×1018
    cm-3以下またはSIMSの検出限界以下、且つ炭素濃
    度を4×1018cm-3以下またはSIMSの検出限界以
    下に減じてあることを特徴とする半導体装置。 2.前記気相法は、高周波またはマイクロ波を用いたプ
    ラズマ気相法であることを特徴とする請求項1の半導体
    装置。 3.前記実質的に真性な非単結晶シリコン半導体は、P
    またはN型用不純物を1×1014〜5×1017cm-3
    加したものであることを特徴とする請求項1または2の
    半導体装置。 4.前記珪化物気体は、シランまたはポリシランである
    ことを特徴とする請求項1、2または3の半導体装置。 5.前記半導体装置は、前記真性または実質的に真性な
    非単結晶シリコン半導体とP型またはN型半導体によっ
    て、PIN接合、NI接合、PI接合、PIP接合また
    はNIN接合を含むことを特徴とする請求項1、2、3
    または4の半導体装置。 6.前記絶縁基板上に形成された半導体装置は、光電変
    換装置または絶縁ゲイト型電界効果半導体装置であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4または5の半導体
    装置。
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電子材料 1980年8月号,第75頁−81頁

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