JP3071834B2 - 多孔質セラミックスの製造方法 - Google Patents

多孔質セラミックスの製造方法

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JP3071834B2 JP3007841A JP784191A JP3071834B2 JP 3071834 B2 JP3071834 B2 JP 3071834B2 JP 3007841 A JP3007841 A JP 3007841A JP 784191 A JP784191 A JP 784191A JP 3071834 B2 JP3071834 B2 JP 3071834B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質セラミックスの
製造方法に関し、詳しくは微生物の担持体等に使用され
る多孔質セラミックスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、バイオリアクタやバイオセンサの
利用に伴い、これらに使用される微生物担持体の研究が
進められており、最近では、多孔質セラミックスからな
るビーズ状の担持体も提案されている。
【0003】この多孔質セラミックスの製造には、多く
の細孔を形成するために、木炭,コークス,穀物や果物
の粉末,木材粉末,炭化物粉末等の燃焼する材料が使用
されており、これらの炭素を含有する可燃材料とセラミ
ックス材料とを混合して、酸素に富む雰囲気中で焼成す
ることによって多孔質セラミックスを形成する方法が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術では、木炭等の可燃材料を使用すると、可燃材料が燃
焼する際にCO2が発生するという問題があり、また可
燃材料が燃焼しきれないと未燃成分が排ガス中に含まれ
るので、環境が悪化するという問題があった。
【0005】また、可燃材料の燃焼が十分に行われない
場合には、炭素成分が多孔質セラミックス内に残留する
ので、開口が十分にできなかったり、連通孔が多くでき
ないという問題があった。
【0006】更に、ビーズ状の原料を匣鉢に投入し、そ
の匣鉢を炉内で大量に積み上げて焼成する量産方式の場
合には、炉内部位で酸素不足による未燃炭素が残留し易
いという欠点があった。
【0007】また、深底の匣鉢では、匣鉢内部の下層部
位で酸素不足になり易く、未燃炭素が残留し易いという
問題があった。その上、木炭やコークス等の可燃材料
は、一旦使用すると燃焼して消費されてしまうものであ
るから、多孔質セラミックスの製造に際しては、多くの
可燃材料を必要とするという問題があった。
【0008】本発明は、上記課題を解決し、良好な多孔
質セラミックスを容易に製造できる多孔質セラミックス
の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、上記目的を達する
ためになされた請求項1の発明は、形成する多孔質セラ
ミックスの細孔径に応じて粒径を選択した食塩結晶粉末
とセラミックス材料の基材とを混合し、この混合物に
加えて成形した後に650〜700℃で仮焼成し、次
にこの仮焼成品を水を用いて洗浄して仮焼成品中の食塩
結晶を溶解排出し、更にこの食塩が溶解排出された仮焼
成品を乾燥させた後に焼成することを特徴とする多孔質
セラミックスの製造方法を要旨とする。
【0010】
【0011】ここで、上記セラミックス材料としては、
木節粘土,磁器土等を使用できる。また、上記食塩結晶
粉末の粒径は、50〜300μmが好ましく、食塩結晶
粉末と基材の成分比は、重量比で、食塩:基材=(0.
8〜1):1の範囲のものが好適である。
【0012】上記請求項1において、加水して成形する
場合には、使用する水は全体量の15〜35重量%が望
ましい。尚、水で洗浄するとは、仮焼成したものを、例
えばまず水中に投入し、その後淡水を注入して食塩を溶
解して排出する等のことである。
【0013】
【0014】
【作用】請求項1の発明は、多孔質セラミックスを製造
する材料として、食塩結晶粉末と基材となるセラミック
ス材料とを使用するものであり、特に、予め食塩結晶粉
末の粒径を、形成する多孔質セラミックスの細孔径に応
じて選択することが重要である。
【0015】そして、この両材料を混合した後に水を
えて成形し、所定温度で仮焼成して例えば粒状の仮焼成
物を形成する。この仮焼成物は、セラミックス材料から
なる基材の中に、食塩結晶粉末が全体に分散している構
造であるので、仮焼成物を水で洗浄することによって、
仮焼成物から食塩結晶粉末を溶解して排出することがで
きる。
【0016】それによって、仮焼成物から食塩結晶粉末
が存在した部分が空洞になった多孔質セラミックスの仮
焼成物が形成される。従って、この多孔体を乾燥して焼
成することによって、所望の粒径の多孔体の焼成物を得
ることが可能になる。
【0017】
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。 (1)材料 まず、組み合わせて使用する材料として、下記の材料を
調製した。以下、配合は重量比で示す。
【0019】A…食塩結晶粉末(粒径200μm) B…排ガラス粉末 C…研磨材粉末(珪酸:アルミナ:ジルコニア=24:
56:20) D…融材及び揮発成分の粉末(揮発成分:珪酸:アルミ
ナ:Fe23:CaO:MgO:Na2O:K2O:P2
5=29:17:5.7:1.7:37:6.0:0.
4:1.0:3.7) E…木節粘土粉末(揮発成分:珪酸:アルミナ:Fe2
3:TiO2:CaO :MgO:Na2O:K2O=1
3.1:51.2:31.9:1.5:0.8:0.2:0.
2:0.1:0.9) F…アルミナの粉末 (2)配合比 上記各材料を組み合わせて、下記に示す試料No1〜6の
種々の配合比の混合物を調製した。
【0020】試料No1 B:A=10:10 試料No2 E:C:D:A=4:10:7:16 試料No3 E:C:D:A=4:10:7:21 試料No4 E:A=10:10
試料No5 E:F:G:A=10:4:7:21 試料No6 E:F:G:A=10:4:7:12 (3)成形 次に、上記混合物の試料に、水を全体の10〜35重量
%加えて、所定の粒径(例えば8mm径)の粒状に成形し
た。そして、形成された粒状物(ビーズ)を、空気中に
て650〜700℃で約1〜5時間仮焼成した。 (4)洗浄 次いで、この仮焼成したビーズを水中に投入し、更に淡
水を注入して十分に洗浄し、ビーズ中に含有されている
食塩結晶粉末を溶解して排出した。 (5)乾燥及び焼成 次に、この洗浄によって多くの水を含んだビーズを、約
200℃で1時間乾燥させた。乾燥後、下記表1に示す
温度で焼成して、多孔体のビーズを製造した。尚、昇温
時間が5時間の場合は、乾燥工程を別にせず、含水状の
物を直接炉内に投入した。
【0021】そして、この様にして製造したビーズの特
性を調べた。その結果を同じく表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】尚、この表1のビーズ状の多孔質セラミッ
クスの各性能の定義は、下記の通りである。 気孔率 =(飽水重量−乾燥重量)/浮力 かさ比重 =乾燥重量/浮力 容積重 =球体1個当りの乾燥重量/(球体1個の直径)3 圧縮破壊強度=平板による圧縮破壊荷重/ビーズの投影面積 (単位…重量[grf],浮力[grf],直径[mm],荷重[kgf],面積[cm2]) 尚、上記容積重である単位容積重量算定には、充填方法
によってビーズ間空隙率が各種値を取るので、6点接触
充填時の空隙率(47.6%)を、基準値として採用し
た。容積重の充填方法による違いは、上記基準値の±1
5%の範囲内であった。
【0024】上記表1から明らかな様に、試料No1〜6
のものは、下記〜の特徴を有する。 試料No1は、基材がガラス粉末であるので、他のもの
では仮焼成する温度帯が本焼成の温度である。この基材
では、リアクタで長期利用後、有機物を焼成除去して再
利用しようとする場合、耐熱性が悪く650〜700℃
で基材が軟化変形するので、使い捨ての用途しかない。
【0025】試料No4は、基材として木節粘土のみを
使用したもので、食塩が離脱した大空孔間の壁に、数十
μm以上の連通孔が殆どなく、バイオリアクタ用多孔体
としては、不適当なものである。
【0026】試料No2,3は、大空孔間の壁に、10
〜30μmの連通孔のあるものである。 試料No5,6は、大空孔間の壁に、30〜60μmの
連通孔のあるものである。
【0027】この様に、上述した方法によって、本実施
例は下記(a)〜(e)の効果を奏する。 (a)食塩結晶を水で洗浄して除去するだけで、多くの
細孔が形成された良質の多孔体のセラミックスを容易に
製造することができる。
【0028】(b)従来の様にCO2や未燃物が生成す
ることが少ないので、環境が悪化することもない。 (c)食塩結晶は水に溶解して排出されるので、その排
出された水を蒸発させることによって、食塩を何度も再
生使用することができ、資源の消費が少ないという利点
がある。
【0029】(d)食塩結晶粉末の粒径を公知の方法に
よって変えることにより、任意の径の細孔を形成するこ
とができる。 (e)食塩結晶粉末と珪酸やジルコニア等のセラミック
ス材料とに加えて、焼成時に揮発する揮発成分として、
その重量の90%以上がCO2ガス化する植物粉末や炭
化物粉末や合成有機物粉末とは別に、例えばCaCO3
やMgCO3など、その重量の40〜50%がCO2ガス
化する炭酸塩を用い、この炭酸塩成分をCaO,MgO
として、全体の8〜15重量%をセラミックスの基材に
加えた。従って、この様なセラミックスの基材から成立
する壁の部分には、多くの細孔が、空気中の酸素なしで
高温のみによって形成される。
【0030】つまり、この細孔が、食塩結晶粉末の排出
によって形成された細孔同士をつなぐ連通孔となるの
で、連通孔の数が増大するとともに気孔率が向上し、し
かも頑丈であるという利点がある。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】上述した実施例の方法によって、良好な多
孔質セラミックスを製造することができるので、これら
の多孔質セラミックスのビーズは、食品工業に用いられ
るバイオリアクタ或は廃水の生物化学的処理に用いられ
るバイオリアクタ等の微生物や酵素の担持体として好適
である。また、農薬や肥料の担持体或は園芸用の床材等
にも利用できる。
【0035】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこの様な実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
態様で実施できることは勿論である。
【0036】
【発明の効果】以上説明した様に、請求項1の発明で
は、従来の様に、加熱した際にCO2が多く排出される
ことがなく、しかも未燃成分の外界への排出によって環
境が悪化することがない。
【0037】また、大量生産する場合で、CaCO3
MgCO3が離脱してCaOやMgOになり、重量減を
起こす反応においては、空気中の酸素を必要とせずに高
温のみを必要とする。従って、従来の様に、酸素不足に
よって燃焼しきれない炭素成分が生じるという問題がな
い。つまり、燃焼しきれない炭素成分が生じないので、
多くの細孔や連通孔が容易に形成されるという利点があ
る。
【0038】更に、この様にして製造された多孔質セラ
ミックスは、多くの細孔が形成され、連通孔が多く、気
孔率が大きいにもかかわらず頑丈である。その上、溶解
排出した食塩液は、公知の方法で脱水して容易に食塩を
回収でき、何度でも再生して利用できるので、資源のム
ダがないという特長がある。
【0039】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形成する多孔質セラミックスの細孔径に
    応じて粒径を選択した食塩結晶粉末とセラミックス材料
    の基材とを混合物し、この混合物に水を加えて成形した
    後に650〜700℃で仮焼成し、次にこの仮焼成品を
    水を用いて洗浄して仮焼成品中の食塩結晶を溶解排出
    し、更にこの食塩が溶解排出された仮焼成品を乾燥させ
    た後に焼成することを特徴とする多孔質セラミックスの
    製造方法。
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