JP3070875U - 暗算・そろばん教習具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 幼児や小学校低学年生等の小児に対して、暗
算、そろばん等による算数のトレーニングを興味をもた
せて教習することができ、かつ所定のレベルに達するま
で持続することができる暗算・そろばん教習具を提供す
ること。 【解決手段】 図形認識等を司る右脳を活用するため
に、イメージとして直観し得るようにそろばん珠によっ
て置数されたそろばん数図として、適宜桁数の数字が片
面にのみ印刷されたカードであって、それぞれ複数枚組
み合わせとなるように構成されたカードからなる、暗算
・そろばん教習具である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、例えば幼稚園児、保育園児等の幼児や小学校低学年生等の小児に対し て暗算および／またはそろばんの基礎技能を体得させるのに適する暗算・そろば ん教習教習具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

九九を用いての演算能力や暗算・そろばん等の能力は幼児もしくは小児時代ので きるだけ早い時期にトレーニングを積んだほうが有利であるという事実は、教育 界や心理学の分野でも指摘されている。これは、未だ柔軟な頭脳においては、数 の大小の概念や加減算の仕組みなどを抵抗なく取り込むことができることに起因 するものと解されている。

【０００３】 この種の能力は、早い時期に身に付けていればその後殆ど一生にわたって長く持 続し、当人のその後の学習、日常生活、専門分野に関する基礎能力として多大の 利益を享受し得ることも知られている。

【０００４】 しかしながら、このような暗算、そろばん等による加減算の基礎トレーニングを 幼児・小児に対して施すことは容易ではない。無理に実施しようとすれば反発を 招くことになり実施不能となることがある。また、仮に導入ができたとしても、 直ぐに興味を失って長続きしなくなることも日常的に見聞するところである。

【０００５】 このように、暗算、そろばん等による算数のトレーニングを早い時期に行うこと が重要であることが認識されているにもかかわらず、導入が難しく、仮に導入し たとしても長続きしないのは、これら小児段階ではかかる重要性を自発的に認識 することは少なく、トレーニングを押しつけられるように感ずることが多いもの と解されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記事情を考慮してなされたものであり、幼児や小学校低学年生等の 小児に対して、暗算、そろばん等による算数のトレーニングを興味をもたせて導 入することができ、かつ所定のレベルに達するまで持続することができる暗算・ そろばん教習具を提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の課題は、図形認識等を司る右脳を活用するために、イメージとして直観 し得るようにそろばん珠によって置数されたそろばん数図として、適宜桁数の数 字が片面にのみ印刷されたカードであって、それぞれ複数枚組み合わせとなるよ うに構成されたカードからなることを特徴とする、暗算・そろばん教習具によっ て解決される。

【０００８】 本考案にかかる暗算・そろばん教習具は、図形認識等を司る右脳を活用するため に、イメージとして直観し得るようにそろばん珠によって置数されたそろばん数 図として適宜桁数の数字が片面にのみ印刷されたカードを、それぞれ複数枚組み 合わせとし、印刷面を伏せた状態でカード同士の印刷面に表された前記そろばん 数図の表す数字を予測ならびに確認することにより、そろばん珠で置数された数 図イメージを数字に置換し記憶せしめるように機能する。

【０００９】 前記そろばん数図の表す数字の異同または昇順あるいは降順等を予想ならびに確 認することは、トランプを利用した各種ゲーム、例えば神経衰弱によって行うこ とができ、あるいは、７並べ、ババ抜きの要領で実行することもできる。

【００１０】 本考案にかかる暗算・そろばん教習具におけるそろばん数図は、被教習者の右脳 に対して数字を表すイメージとして認識されるため、数字自体であることや数字 を基礎とする学習であること等を強く意識することなしに、ごく自然に記憶する ことができる。

【００１１】 そろばん数図は、「１」を表す下側のそろばん珠とその上部に位置する「５」の 珠との組み合わせによって１桁なら０を除いて９通り、２桁では９９通り、３桁 では９９９通りの数値を表わし得ることは周知であり、これを各桁ごとに図示す ることによって、任意のそろばん数図が形成される。このような任意桁数のそろ ばん数図は、他者、例えば親、兄弟、園友、級友等との競争原理を取り入れたゲ ーム感覚をもって、できるだけ短時間に目視確認および判断が行われる結果、次 第に短時間にでもイメージとして識別可能となる。

【００１２】 このようなイメージとして認識・記憶ができるようになると、幼児や小児である 被教習者の右脳内には、そろばん数図のイメージが瞬時に描かれるようになる。 その結果、筆算や計算器具類に頼ることなしに、右脳に描かれた数図イメージの みから演算が行われるようになる。

【００１３】 したがって、被教習者は、自己が暗算やそろばん類を使用することを意識するこ となしに、自己の頭脳内、特に右脳においてそろばん珠による置数、移動、加算 ・減算、払い（クリア）等を自在に実施可能となる。このような域に到達すれば 、本考案にかかる教習具の使用はもはや不要となり、暗算やそろばんを用いた加 減算等を、右脳にイメージとして思い描きつつ迅速かつ正確な計算を行う能力を 幼児あるいは小児時代に身につけたことになる。

【００１４】

【考案の実施の形態】

以下、添付図を参照しつつ本考案の実施の形態について詳述する。図１は、本考 案にかかる暗算・そろばん教習具における１桁のそろばん数図の実施例を示すも のである。

【００１５】 図に示すように、本考案にかかる暗算・そろばん教習具は、厚紙、プラスチック シート、薄い木板等の適宜素材から成るカード１０の表面に、そろばん珠によっ て所望数を置数したものである。図１（Ａ）は、下ろされた１個の「５」珠１２ と上げられた３個の「１」珠１３とによって、数「８」をそろばん数図として表 現したものである。なお、ここでは、そろばん珠の形状を柔和もしくは穏やかな 印象を与えるために楕円形としているが、その形状は菱形、四角形、６角形等い ずれであっても差し支えない。

【００１６】 図１（Ｂ）は、１個の「５」珠１２と１個の「１」珠１３とによって数「６」を そろばん数図により表現したものである。また、図１（Ｃ）は「５」珠について は用いることなく、３個の「１」珠１３のみによって数「３」をそろばん数図と して表現したものである。

【００１７】 このようなカード１０のそれぞれを、少なくとも複数枚の構成とすることができ る。特に教習の際のゲームの幅を持たせようとする場合は、トランプと同様にカ ード１０のそれぞれを４組構成しておくことが望ましい。なお、トランプケーム のババ抜きを行うためには、ババ専用カードを設けておくかまたは秘密状態で１ 枚を除去し、ペアを構成しないで最終的に残ったカードの保有者が負けとなるル ールを採用してもよい。

【００１８】 この実施例から明らかなように、そろばん数図は、１桁あたり１個の「５」珠１ ２と１〜４個の「１」珠１３とによって所望数に相当するそろばん数図として構 成するものである。しかし、１桁のみでは９通りの数図しか構成できないので、 そろばん数図の構成を１桁に固執するのであれば、ごく幼少の被教習者にのみ適 用し得るカードとなろう。

【００１９】 また、本考案にかかる暗算・そろばん教習具においては、そろばん数図自体の色 彩を変え、あるいは判りやすい絵や記号、例えば、犬と猫、異なる花の絵、飛行 機、自動車、船等乗物の種類等を適宜組み合わせることにより、カードの枚数お よび種類を増加させることができる。かかる場合であっても、このような色彩や 模様等は被教習者の興味を引き、あるいはカードの区別をすることのみであって 、数字をイメージするための主体は、前述のように構成されたそろばん数図であ る。

【００２０】 なお、そろばん数図をトランプと同様の手法によってゲーム性を取り入れる場合 にあっては、１〜９の１桁及び１０〜１３の２桁のカードによって１３枚、４組 のそろばん数図カードをもって構成するのが合理的である。

【００２１】 図２（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）は、２桁及び３桁のそろばん数図の例を示すもので 、それぞれ数「８４」、数「１９」、数「３８１」を示すものである。さらに４ 桁以上のように桁数の大きい数字も含め、このような桁数の大きい数字を表すそ ろばん数図カードは、ある程度習熟を積んだ被教習者に対して、大きい数の右脳 へのイメージによる刺激によって直観的に理解させるために利用できる。

【００２２】 このような大きい数とそろばん数図と対応せしめて右脳内にイメージし得る能力 を一旦体得すれば、多数桁におよぶ数値の暗算も迅速かつ正確に処理可能となる 。このような基本的能力は、その後ほぼ一生涯にわたり失われることはなく、学 習、日常生活、専門実務の面で多大の利益を享受するために貢献することになる 。

【００２３】 次に、本考案にかかるそろばん数図カードの利用例の態様について開示するが、 これらはあくまでも例示に過ぎず、その他種々の利用態様が可能であることは言 うまでもない。

【００２４】 前述のように、ポピュラーな利用例として１桁および２桁のそろばん数図で１〜 １３の１３枚のカードを４組使用し、トランプと同様のゲームを行うことができ る。例えば、神経衰弱と同様のゲームを行う場合、数図記載面を伏せて並べられ たカードを自己もしくはゲーム相手が１枚目のカードをめくった際に、当該カー ドの数図がイメージとして右脳内に取り込まれる。

【００２５】 この１枚目に合わせることを期待する２枚目のカードを予想し、めくった際にあ らわれた数図もまた右脳にイメージとして取り込まれ、１枚目及び２枚目のカー ド表面の数図の「一致」、「不一致」を瞬時に判断する。この判断は、数図の表 す数字ではなく、イメージによって直接行われるため、幼児や小児であっても抵 抗なく行うことができる。

【００２６】 このようにトランプと同じ１３枚４組のカードを使用するにもかかわらず、トラ ンプと異なるのは、トランプがハート、クラブ、ダイヤ、スペードのマークの数 と小さな数字によって表されているのに対して、本考案にかかる数図は大きく図 示されたそろばん珠による置数をイメージとして表現されている点にある。した がって、幼稚園児や保育園児のような幼児であっても、マークの数を数えたり数 字を読みとる必要がなく、数図そのものを直接イメージとしてその異同を容易に 判別できることになる。

【００２７】 このような１３枚組のそろばん数図の組み合わせを利用したゲームは、トランプ ケームのババ抜きや７並べ等においても利用可能であり、神経衰弱と同様の効果 が期待できる。なお、７並べのように数字を順番に並べるゲームでは、数の異同 に加えて数の増加、減少の概念を、数図のイメージから体得することが可能とな る。

【００２８】 以上のように構成されたそろばん数図カードは、添付図に図示された態様に限定 されることなく、色彩、数図の大小、絵模様またはマーク等との組み合わせによ って多くの態様が実施可能であることは理解されるべきである。

【００２９】

【考案の効果】

本考案にかかる暗算・そろばん教習具によれば、そろばん珠で置数されたそろば ん数図を表すカードのイメージを利用して、未だ数字の実体を正確に理解できて いない幼児、小児に対しても、数の大小、異同、増減を効率よく教習することが できる。

【００３０】 また、本考案によれば、教習段階の進捗に応じて、右脳に思い浮かぶ数図イメー ジを援用して数字の記憶、加減算等が自在に実行し得るようになる。したがって 、多数桁の暗算も可能となり、その後の学習、日常生活、会計・財務・統計・経 済・理工学等々の幅広い専門分野における多大の貢献が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる暗算・そろばん教習具の１桁の
数図を表すカードの構成例を示す図である。

【図２】本考案にかかる暗算・そろばん教習具の２桁お
よび３桁の数図を表すカードの構成例を示す図である。

【符号の説明】

１０ カード １２ 「５」珠 １３ 「１」珠

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 図形認識等を司る右脳を活用するため
   に、イメージとして直観し得るようにそろばん珠によっ
   て置数されたそろばん数図として、適宜桁数の数字が片
   面にのみ印刷されたカードであって、それぞれ複数枚組
   み合わせとなるように構成されたカードからなる、こと
   を特徴とする暗算・そろばん教習具。