JP3070495B2 - 磁気抵抗効果型薄膜変換素子 - Google Patents

磁気抵抗効果型薄膜変換素子

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JP3070495B2
JP3070495B2 JP8305661A JP30566196A JP3070495B2 JP 3070495 B2 JP3070495 B2 JP 3070495B2 JP 8305661 A JP8305661 A JP 8305661A JP 30566196 A JP30566196 A JP 30566196A JP 3070495 B2 JP3070495 B2 JP 3070495B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハードディスク
等の磁気記録媒体の再生用ヘッド素子として用いられる
磁気抵抗効果型(巨大磁気抵抗効果型を含む。)薄膜変
換素子(以下「MR型磁気ヘッド素子」という。)の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】MR型磁気ヘッド素子は、MR素子を用
いて磁気記録媒体の磁極から発生する磁界を検出して記
録情報を再生する再生専用の磁気ヘッド素子で、誘導型
磁気ヘッド素子に比べてトラック密度、線記録密度を向
上できる利点があり、例えばハードディスク装置等の磁
気ディスク装置において誘導型・MR型複合磁気ヘッド
として、記録用の誘導型磁気ヘッド素子と組合わせて構
成される。
【0003】従来のMR型磁気ヘッド素子は、ポール端
面から見た磁気センサ膜(MR素子)の形状が直線状の
ものが一般的であった。これに対し、本出願人は先に、
特願平6−340503号あるいは特願平6−3405
04号において、ポール端面から見た磁気センサ膜の形
状が台形状のMR型磁気ヘッド素子を提案した。これ
は、磁気記録媒体(磁気ディスク)との対向面が例えば
図2に示す構造を有するもので、下シールド8の上に下
ギャップ14を介して磁石膜10、電気導電膜12を積
層したリード16を構成し、このリード16に台形状の
溝18を形成してリード16を左右の部分16a,16
bに分割し、これら左右のリード16a,16bをつな
ぐようにMR膜20、スペーサ22、SALバイアス膜
24を積層した磁気センサ膜26をリード16a,16
bの上面から溝18内にわたって配設し、その上に上ギ
ャップ6および上シールド4を積層したものである。
【0004】このようにな台形状の磁気センサ膜26に
よれば、磁気センサ膜26の左右のリード16a,16
bの内側下端部の尖った部分間に挟まれた部分(溝18
内の底面に位置する部分)26aが活性部(感応部=ト
ラック幅)となり、磁気記録媒体のトラックに記録され
た信号の検出を行う。これに対し、活性部26aの左右
両側の台形状の溝18の斜面に形成された磁気センサ膜
26の傾斜部26b,26cは、トラックの記録信号に
対しアジマス角を生じるため再生感度が低下する。した
がって、トラックが活性部26aから左右にずれても傾
斜部26b,26cに対するトラックからの磁界の影響
が小さくなり、これにより傾斜部26b,26cから活
性部26aの磁化に与える影響も小さくなる。したがっ
て、オフトラック特性の左右対称性が改善され、サイド
ローブも低減される。これにより、狭トラックでもトラ
ッキングサーボが可能になり、高密度記録再生が実現可
能となる。また、隣接トラックからのクロストークも低
減される。また、一軸異方性バイアス磁界を強めずにサ
イドローブを低減できるので、再生感度の低下も防止さ
れる。
【0005】ところが、このような台形状の磁気センサ
膜26を有するMR型磁気ヘッド素子においては、磁気
センサ膜26が台形の底面から斜面に移行する部分30
で屈曲しているため、形状磁気異方効果によりMR膜2
0が多軸化し易くなり、バルクハウゼンノイズが生じ易
くなる問題があった。この現象は特に、磁気センサ膜2
6の奥行方向の長さ(エレメントハイト)とトラック幅
との比(アスペクト比=エレメントハイト/トラック
幅)が大きくなるほど、また磁気センサ膜26を挟む上
下シールド4,8間のギャップ厚が小さくなるほど著し
くなっていた。
【0006】そこで、本出願人はさらにこの点を改良し
て、図3に示すように、磁気センサ膜26の左右両端部
26d,26eをリード16a,16bの傾斜面16
c,16dの途中位置でカットするようにしたMR型磁
気ヘッド素子を特願平8−245691号で提案した。
これによれば、磁気センサ膜の形状異方効果を生じる屈
曲部での長手バイアス磁界強度を高めることができ、バ
ルクハウゼンノイズを抑制することができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記図3のように、磁
気センサ膜26の左右両端部26d,26eをリード1
6a,16bの傾斜面16c,16dの途中位置でカッ
トしたMR型磁気ヘッド素子においては、オフトラック
量に対する再生信号強度が安定しないためにトラッキン
グサーボに支障をきたしたり、再生信号中のノイズレベ
ルが大きくなる素子が多く発生することがわかった。
【0008】この発明は、上述の点に鑑みてなされたも
ので、オフトラックに対する再生信号強度を安定させる
ことができ、また再生信号中のノイズレベルを低減させ
ることができるMR型磁気ヘッド素子を提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記図3の
ように磁気センサ膜の左右両端部をリードの傾斜面の途
中位置でカットしたMR型磁気ヘッド素子において、リ
ードの傾斜面の傾斜角度を10°以上40°以下に設定
したものである。
【0010】リードの傾斜面の傾斜角度を10°以上4
0°以下に設定することによりオフトラック状態での再
生時にオフトラック量に対する再生信号強度を安定させ
ることができ、また再生信号中のノイズレベルを低減で
きる理由について説明する。図4は、前記図3に示すM
R型磁気ヘッド素子を有する磁気ヘッドにおいて、磁気
センサ膜26の活性部26aが磁気記録媒体(ハードデ
ィスク)上のトラック42に対して約半トラック分オフ
トラックして再生している様子を示したものである。オ
フトラックしている場合の再生信号強度は、通常オフト
ラック量が大きくなるほど減少する。図5は良好なオフ
トラック特性を持つ磁気ヘッドのオフトラック特性で、
オフトラック量に対し再生信号強度は正確に比例して減
少する。このような特性では、良好なトラッキングサー
ボを実現することができる。また、このオフトラック特
性は再現性を有する(何回測定しても同じ特性が得られ
る)ので、オフトラック状態で再生しても再生信号中の
ノイズレベルは増大しない。
【0011】これに対し、前記図3のように磁気センサ
膜26の左右両端部26d,26eをリードの傾斜面1
6c,16dの途中位置でカットした磁気ヘッドにおい
て頻繁に発生する不良のオフトラック特性を図6に示
す。図6において、(a),(b)は別々の磁気ヘッド
について測定したのである。また、(a),(b)にお
いて、実線、点線、一点鎖線は同一の磁気ヘッドについ
て繰り返し測定したものである。これによれば、特性に
ギザギザが生じてオフトラック量と再生信号出力が比例
しないので、トラッキングサーボをかける時に安定した
同期をとることができず、磁気ディスク装置そのものが
正常に動作しなくなる。また、同一の磁気ヘッドでも測
定ごとに特性上のギザギザが変動し、特性の再現性がな
い。このため、オフトラック状態で再生すると再生信号
出力が常に変動して不安定になるため、再生信号中のノ
イズレベルが大きくなる。
【0012】図7は図3の構造において、リード傾斜面
16c,16dの傾斜角度θを様々に変えた場合の再生
信号中のノイズレベルの変化を示したものである。ここ
で、ノイズレベルは、半トラック分オフトラックさせた
状態で再生して信号強度を50回測定し、その信号強度
の変動を平均信号強度で割った値として求めた。図7に
よれば、傾斜角度θが10°より小さいとノイズレベル
が急激に増大することがわかる。一方、傾斜角度が40
°を超えると徐々にノイズレベルが増大する。さらに、
傾斜角度θが45°以上では、徐々に熱ノイズの増大が
起こり、通電中に抵抗が上昇して、破損するヘッドが増
加した。これは、傾斜が急になると図8に示すように、
磁気センサ膜26の傾斜の立ち上がり部分(屈曲部)3
0の付き周りが悪く、この部分30が括れて局部的に薄
くなるために電流が集中し、発熱破損することによるも
のである。したがって、傾斜角度θが大きくなると、ヘ
ッドの歩留りも大きく低下する。
【0013】リードの傾斜角度θの変化によってオフト
ラック時のノイズレベルが変化する原因として次のよう
な要因が働いていることがわかった。 〔A〕 要因1:屈曲部30での長手バイアス磁界強度
によるノイズレベルの変化 (a) 傾斜角度θが小さい場合 磁気センサ膜26の傾斜部26b,26cでは、磁気セ
ンサ膜26の膜面内形状効果により縦方向にスピンが向
く。この縦方向に向かう形状異方性磁気エネルギを打ち
消して活性部26aの一軸異方性を保つために、屈曲部
30ではリード16a,16bの下層を構成する磁石膜
10が楔状に薄くなり、磁界強度がトラック端(すなわ
ち屈曲部30)で弱くなる。これに対し、磁気センサ膜
26は厚いままであるから、屈曲部30での磁界強度H
は次式で現わされる。
【0014】H=Hc1・{Ms0・t0 /(Ms0・t0
r1・t1 )}・cosθ 但し、t0 :磁気センサ膜26全体の膜厚 t1 :長手バイアス磁石膜10の膜厚 Mr1:長手バイアス磁石膜10の残留磁化 Ms0:磁気センサ膜26の飽和磁化 Hc1:長手バイアス磁石膜10の保持力図9は長手バイ
アス磁石膜26によるトラック幅(=活性部幅)の各位
置における磁界強度を傾斜角度θが10°の場合と20
°の場合についてそれぞれ示したものである。ここでは
トラック幅を4μm、トラック幅の中心位置を0として
いる。また、磁石膜10をt1 =90nm、Hc1=10
00Oe、Mr1=7500ガウスとしている。図9によ
れば、屈曲部30の長手バイアス磁界は、傾斜角度θが
小さくなると急激に小さくなることがわかる。このた
め、傾斜角度θが小さいと屈曲部30の長手バイアス磁
界が不足し、バルクハウゼンノイズが発生し易くなる。 (b) 傾斜角度θが大きい場合 磁石膜10の結晶構造は膜面方向に容易軸が向くように
配合している。傾斜角度θが大きいと、図10に示すよ
うに、磁石膜10の配向と磁気センサ膜26の傾斜部2
6b,26cの配向とのなす角度が大きくなる。このた
め、磁石膜10と磁気センサ膜26のスピンの磁束伝達
は弱くなる(磁気結合が弱くなる。)。この結果バルク
ハウゼンノイズが発生し易くなる。
【0015】傾斜角度θがさらに大きくなると(特に4
5°以上)、図11に示すように、磁気センサ膜26の
傾斜部26b,26cを通過する磁束の方向が変わり、
長手方向に反対の磁区ができ、磁壁32を発生させる。
この結果磁気センサ膜26中の長手方向磁界が弱めら
れ、バルクハウゼンノイズがより発生し易くなる。以上
により屈曲部30での長手バイアス磁界強度によるノイ
ズレベルは、傾斜角度θに応じて図12(a)に示すよ
うに変化する。 〔B〕 要因2:長手バイアス磁石膜10を通しての隣
接トラックからの磁束通 過によるノイズレベルの変化傾斜角度θが小さいほど磁
石膜10の配向と磁気センサ膜26の傾斜部26b,2
6cの配向が揃い、しかも磁石膜10と磁気センサ膜2
6との接続面積は広くなるから、磁石膜10から磁気セ
ンサ膜26への磁束の伝達がよくなる。しかし、これと
ともに、磁気記録媒体の隣接トラックから磁石膜10に
かかる縦方向の磁界の影響が磁気センサ膜26に及びや
すくなる(すなわち、隣接トラックからの磁界を拾いや
すくなる。)。このため、傾斜角度θが小さくなるとオ
フトラックしたときに磁石膜10を通して伝わる隣接ト
ラックの磁束変化がノイズとして乗りやすくなる。これ
により、長手バイアス磁石膜10を通しての隣接トラッ
クからの磁束通過によるノイズレベルは、傾斜角度θに
応じて図12(b)に示すように変化する。
【0016】傾斜角度θによるオフトラック時のノイズ
レベルの変化は、以上の要因1、要因2によるノイズレ
ベルの変化(図12(a),(b))が混成されたもの
となり、図12(c)のようになる。これは前記図7の
特性と一致する。図12(c)によれば傾斜角度θを1
0°以上40°以下に設定すれば、ノイズレベルを低く
抑えられることがわかる。また、オフトラック量に対す
る再生信号強度が安定し、安定なトラッキングサーボが
実現される。これにより、高記録密度・狭トラックのM
R型磁気ヘッド素子が高歩留りで得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図1に記
録媒体対向面側から見た状態で示す。また、その主要部
の斜視図を図13に示す。下シールド8の上には、下ギ
ャップ14が積層されている。下ギャップ14の上には
左右のリード16a,16bが台形状の溝18を挟んで
対向して配設されている。リード16a,16bの傾斜
面16c,16dの角度θは10°以上40°以下の範
囲(左右等角度)に設定されている。リード16a,1
6bは長手方向バイアス用の磁石膜10と電気導電膜1
2を積層して構成されている。リード16a,16bの
傾斜面16c,16dの立上り部分は磁石膜10で構成
されている。通常磁石膜10は導電性を持っているが、
パッド等のワイヤ結線部までの距離が長いため、より抵
抗の低い材料による電気導電膜12を積層して、全体と
して低抵抗のリード16a,16bを構成する。
【0018】台形状溝18内には、傾斜面16c,16
dおよびそれらの間の溝底面部分に露出している下ギャ
ップ14にかけて磁気センサ膜26が成膜されている。
磁気センサ膜26は、MR膜20、スペーサ22、SA
Lバイアス膜24を積層して構成されている。磁気セン
サ膜26の端部26d,26eは、傾斜面16c,16
dの途中位置(例えば磁石膜10と電気導電膜12の境
界位置よりもやや電気導電膜12側に入った位置)でカ
ットされている。磁気センサ膜26は、傾斜面16a,
16bの下端部間に挟まれた部分26aが活性部を構成
し、磁気記録媒体のトラックに記録された信号の検出を
行う。また傾斜部26b,26cがリード16b,16
cとの電気的接続を行う。
【0019】磁気センサ膜26およびその外側に露出し
ているリード16a,16b上には、上ギャップ6が被
せられ、さらに上シールド4が積層されている。上シー
ルド4は記録用誘導型薄膜変換素子の下コアを兼ねてい
る。以上でMR型磁気ヘッド素子が構成される。上シー
ルド兼下コア4の上には書き込みギャップ34を介して
上コア36が積層されている。
【0020】ところで、前記磁石膜10の厚さは例えば
次のように定められる。長手バイアスの磁界強度は、磁
石膜10の残留磁化、保持力、厚さの積で表わされる。
したがって、長手バイアスによる磁気センサ膜26の単
磁区形成効果は、磁石材料が同一なら、磁石膜10の膜
厚が厚い方が効果が大きい。磁石膜10は保持力以下の
磁化変動に対し安定であるが、磁気記録媒体からの僅か
の磁化変動によって、僅かであるが縦方向の磁化の変動
を伴う。磁気センサ膜26は磁石膜10と磁気的に接続
されていると、その変動が磁気センサ膜に変動信号を励
起させ、ノイズとして本来の活性部26aで拾う信号以
外に重畳される(磁気抵抗効果は非常に感度が高いた
め、磁石膜10を伝わる僅かの信号によっても磁気抵抗
効果は攪乱される。)。特に、磁石膜10が厚ければ、
拾う信号量も多くなり、オフトラック雑音は大きくな
る。
【0021】したがって、磁石膜10は、厚すぎること
は、磁気センサ膜26の一軸異方性を付与するには効果
的であるが、あまり厚すぎるとオフトラックノイズを増
加させる原因となる。そこで、磁石膜10として、残留
磁化Mr1=7500ガウス、保持力Hc1=1000Oe
の磁石膜を使用して、厚さt1 を様々に変えてオフトラ
ック特性を測定したところ、t1 が90nm以上でオフ
トラック特性が安定した。また、t1 が200nm以上
では、感度が僅かに低下してくるとともに、オフトラッ
クノイズが増大し始めた。したがって、t1 が90nm
〜200nmの範囲にあるときオフトラック特性が安定
し、このときオフトラックによるノイズの増大はリード
16a,16bの傾斜角度θのみに影響を受け、θが1
0°以上40°以下の範囲にあるときが最もオフトラッ
ク特性が安定し、ノイズを最小にすることができた。
【0022】図1の磁気ヘッドの製造工程の一例を図1
4〜図16を参照して説明する。 (1) 基板(Al2 3 −TiC等のセラミック材等
で構成されたウェファーで、後にカットされて磁気ヘッ
ドのスライダを構成する。)38の上に形成された絶縁
膜(アルミナAl2 3 等)40の上に下シールド8を
所定の形状に形成する。下シールド8は、パーマロイ
(NiFe)、センダスト(FeAlSi)等の軟磁性
膜をスパッタ、蒸着あるいはメッキなどにより堆積して
構成される。
【0023】(2) アルミナ等の絶縁膜44を全面に
スパッタ等で堆積させる。 (3) 全面を研磨して、下シールド8を所定の厚さに
形成する。(4) 全面にアルミナ等の絶縁膜をスパッ
タ等で堆積させて、下ギャップ14を形成する。(5)
下ギャップ14の上に、CoCrPt等の磁石膜10
と、W,Ta,Nb等の電気導電膜12をスパッタ、蒸
着あるいはメッキなどにより積層し、それらを一括して
エッチングして逆台形状にカットしてリード16a,1
6bを形成する。
【0024】リード16a,16bの傾斜面16c,1
6dの傾斜角度θを所望の値に形成する手法について図
17、図18を参照して説明する。(i)下ギャップ1
4の上にCoCrPt等のスパッタ等で90〜200n
mの厚さに堆積させて磁石膜10を形成する。(ii)そ
の上にTa,W等の硬質の金属材料をスパッタ等で10
0〜300nmの厚さに堆積させて金属導電膜12を形
成する。(iii) その上に、カット用のレジストとして例
えばAZ4000等のノボラックポジレジスト46を1
〜2μmの厚さにスピンコートした後、(iv)所定の寸
法で露光、現像して、レジスト46の一部をカットす
る。
【0025】(v)この基板をホットプレート等に載
せ、15〜30分置くと、レジスト46はリフローし、
カット面46a,46bは傾斜する。この時のカット面
46a,46bの傾斜角度αがその後リード16a,1
6bの傾斜角度θを決める。レジストカット面46a,
46bの傾斜角度αはホットプレート等による加熱温度
で制御することができる。すなわち、上記各条件の下で
レジストカット面46a,46bを傾斜面を形成したと
きのホットプレートの温度とその後でき上がるリード傾
斜面16c,16dの傾斜角度θとの関係を図19に示
す。レジストカット面46a,46bの傾斜角度αは、
ホットプレートの温度によって一義的に決まり、温度が
±2℃で制御されているときは、リード傾斜面16c,
16dの傾斜角度θは±2°で制御される。例えば、ホ
ットプレートを160±2℃の温度で制御したとき、傾
斜角度θを21±2℃に制御することができた。
【0026】(vi)ミリング等でプラズマエッチングす
ると、所定の傾斜面を持つリード16a,16bが形成
される。すなわち、エッチングを開始すると、レジス
ト46はミリングされていくとともに、レジスト46の
開口部に露出しているリード材16がミリングされてい
く。レジスト46の開口部に露出しているリード材1
6が完全に除去されて下ギャップ14が露出したらエッ
チングを終了する。レジスト46を除去すると、傾斜
面16c,16dを有するリード16a,16bができ
上がる。傾斜面16c,16dの傾斜角度θは、レジス
ト46の当初の傾斜角度をα(図18(v))、レジス
ト46のミリングレートをRr、リード材16のミリン
グレートをRlとすると、ほぼθ=(Rl/Rr)αと
なる。したがって、リード傾斜面16c,16dの傾斜
角度θが10°以上40°以下の範囲の所望の値となる
ように、使用するリード材料のミリングレートRl,R
rに応じてレジスト46の当初の傾斜角度αを設定すれ
ばよい。
【0027】以上のようにしてリード16a,16bが
でき上がったら、基板全面に磁気センサ膜26として、
MR膜20(NiFe等)、スペーサ22(Ti等)、
SALバイアス膜24(CoZrM(Nb,Mo等)等
の軟磁性膜)を積層する。そして、その上に、形成すべ
き磁気センサ膜パターンの形状にレジストを形成し、ミ
リングにより磁気センサ膜26の不要部分を除去して、
磁気センサ膜26を矩形の平面形状にカットする。これ
により、磁気センサ膜26の左右両端部26d,26e
は傾斜面16c,16dの途中でカットされる。
【0028】(6) 全面に上シールドと磁気センサ膜
26との絶縁および上シールドとリード16a,16b
とのシールドギャップのためにアルミナ等の無機絶縁膜
を成膜して、上ギャップ6を形成する。
【0029】(7) 軟磁性膜(NiFe、FeAlS
i等)をメッキ、あるいは蒸着、スパッタ等で堆積し所
定の形状にカットして、上シールド4を形成する。上シ
ールド4は、書き込みヘッドの下コアを兼ねている。そ
して、基板全面にアルミナ等の絶縁膜を形成し、研磨し
て、上シールド兼下コア4を所定の厚さに形成する。上
シールド兼下コア4の周囲は残された絶縁材50で包囲
される。
【0030】(8) 上シールド兼下コア4の上に書き
込みのための書き込みギャップ34(アルミナ等)を形
成する。 (9) コイル52および絶縁層54を形成する。そし
て、コイル52および絶縁層54を跨ぐように上コア3
6を形成し、書き込みヘッドを形成する。そして、最後
に保護膜を被せて完成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例を示す磁気ヘッドの磁気
記録媒体対向面側から見た図である。
【図2】 傾斜リードを有する従来の磁気ヘッドの磁気
記録媒体対向面側から見た図である。
【図3】 図2の磁気ヘッドを改良した従来の磁気ヘッ
ドの磁気記録媒体対向面側から見た図である。
【図4】 図3の磁気ヘッドが約半トラック分オフトラ
ックして再生している状態を示す斜視図である。
【図5】 良好なオフトラック特性を有する磁気ヘッド
のオフトラック特性図である。
【図6】 図3の磁気ヘッドの不良のオフトラック特性
図である。
【図7】 図3の磁気ヘッドにおけるオフトラック再生
時のリード傾斜角度とノイズレベルの関係の測定結果を
示す図である。
【図8】 図3の磁気ヘッドにおけるリード傾斜角度が
大きい時の傾斜立ち上がり部における磁気センサ膜の括
れ現象を示す図である。
【図9】 図3の磁気ヘッドにおけるリード傾斜角度が
10°と20°の場合の磁気センサ膜のトラック幅各位
置における長手磁界強度の測定結果を示す図である。
【図10】 図3の磁気ヘッドにおけるスピンの配合方
向を示す図である。
【図11】 図3の磁気ヘッドにおいて傾斜角度が非常
に大きい場合のスピンの配合方向を示す図である。
【図12】 図3の磁気ヘッドにおけるオフトラック時
のノイズのリード傾斜角度依存性を示す特性図である。
【図13】 図1の磁気ヘッドの主要部を示す斜視図で
ある。
【図14】 図1の磁気ヘッドの製造工程を示す斜視図
である。
【図15】 図14の続きを示す斜視図である。
【図16】 図15の続きを示す斜視図である。
【図17】 図15の工程(5)の詳細工程を示す磁気
記録媒体対向面側から見た図である。
【図18】 図17の続きを示す磁気記録媒体対向面側
から見た図である。
【図19】 図18の工程(v)においてレジスト46
をホットプレートでリフローするときのホットプレート
温度とそれによって最終的に形成されるリード傾斜角度
の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
4 上シールド 6 上ギャップ 8 下シールド 14 下ギャップ 16a,16b リード 16c,16d リード傾斜面 18 台形状の溝 26 磁気センサ膜 26d,26e 磁気センサ膜左右端部 θ リード傾斜面の傾斜角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/39 H01F 10/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下シールドと、 この下シールドの上に形成された絶縁膜を構成する下ギ
    ャップと、 この下ギャップの上に形成され、当該下ギャップに達す
    る断面略々台形状の溝によって左右に分割されたリード
    と、 この左右のリードを電気的に接続するように前記溝に沿
    って形成され、左右両端部が前記リードの断面略々台形
    状の溝を構成する左右の傾斜面の途中位置でカットされ
    たMR膜を有する磁気センサ膜と、 この磁気センサ膜の上に形成された絶縁膜を構成する上
    ギャップと、 この上ギャップの上に形成された上シールドとを具備し
    てなり、 前記リードの左右の傾斜面の傾斜角度を10°以上40
    °以下に設定してなる磁気抵抗効果型薄膜変換素子。
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