JP3069267U - マイク機能を有するイヤホン並びにそれを用いた全二重オ―ディオ通信回路 - Google Patents
マイク機能を有するイヤホン並びにそれを用いた全二重オ―ディオ通信回路Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本考案は可逆性を持たせたマイク機能を有す
るイヤホンを1個のみ用いた全二重オーディオ通信回路
において、フィードバックのキャンセル量をさらに向上
させたものを提供する。 【解決手段】 同一振幅と逆位相でフィードバックのキ
ャンセルを行うキャンセル回路に圧縮器と伸長器を組合
せてキャンセル量をさらに向上させる。
るイヤホンを1個のみ用いた全二重オーディオ通信回路
において、フィードバックのキャンセル量をさらに向上
させたものを提供する。 【解決手段】 同一振幅と逆位相でフィードバックのキ
ャンセルを行うキャンセル回路に圧縮器と伸長器を組合
せてキャンセル量をさらに向上させる。
Description
【0001】
本考案は発声する音声の耳孔内空気伝導を介してマイク機能を有するイヤホン と、そのイヤホンを1個のみ用いた、電気的フィードバックのない全二重オーデ ィオ通信回路に関する。
【0002】
従来のイヤホンには、骨伝導音声振動をピックアップする骨伝導マイクと、音 圧型スピーカとを同一ケースに組込んだ骨伝導イヤホンマイクがある。これは、 圧動バイモルフを音響−電気信号変換素子として、これをイヤホンマイクケース の耳孔挿入部に収納し、骨伝導音声振動を検出し、同時にこの耳孔挿入部の先端 開口部よりスピーカの受話音を放音するものがあった(特開平5−199577 号、特開平8−265887号)。
【0003】 しかしながら、前述のように骨伝導マイクと音圧型スピーカを同一ケースに組 込んでいるので、音声のハウリングが生じやすいという問題点があった。
【0004】 そこで、本実用新案登録考案者は、発声する音声の耳孔内における空気伝導を 介して、音響入力−電気信号出力変換マイク機能と、外部から受信した音声信号 電流を音声に変換して耳孔内の空気伝導を介して、内耳へ伝える電気信号出力− 音響入力変換イヤホン機能とを同時に備えた音声ハウリングのない可逆性を有す るイヤホンを1個のみ用いることによって、電子的フィードバックのない送受話 器回路部の設計容易な全二重オーディオ通信回路を提案した。その従来例はまだ 問題点を残しているが、以下に示す具体的な例で、それを説明する。
【0005】 携帯電話機本体の送受信部とそれぞれ送受話器回路部の間に接続して受信信号 の成分のみが送信信号の中で打消されるような、つまり電気的なフィードバック を少なくした最初に提案した全二重オーディオ通信回路であるが、その改善が充 分でない従来例のブロック図を図6に示す。
【0006】 図6において、200は従来のその全二重オーディオ通信回路(送受話器回路 部)を示し、10は出力端子、11は入力端子、12はマイク機能を有するイヤ ホンの入出力端子を示す。G1,Z1はそれぞれ入力端の受信電圧と出力端の等 価負荷抵抗を示す。また、G2,Z2はそれぞれ入出力端の出力電圧と等価負荷 抵抗を示す。
【0007】 動作は以下のようになる。入力端子11からの入力信号G1はオペアンプ増幅 回路A1及び抵抗回路R1を介して入出力端子12を通り負荷抵抗Z2に出力す る。
【0008】 一方、入出力端子12からの入力電圧G2は抵抗回路R2及びオペアンプ増幅 回路A2を介して出力端子10を通り負荷抵抗Z1に出力する。
【0009】 しかし、この場合、出力端子10を通る信号成分は入力端子11からオペアン プ増幅回路A1、抵抗回路R1,R2及びオペアンプ増幅回路A2を経由した信 号成分も含まれ、フィードバックの原因ともなるので、さらに図6のように入力 端子11と抵抗回路R2及びオペアンプ増幅回路の接続点13の間に分岐回路を 設けた。その分岐回路はオペアンプ反転増幅回路I1と利得・位相調整回路14 とからなる。
【0010】 この分岐回路と抵抗回路R2とにより、入力信号G1のキャンセル回路15を 形成する。すなわち、まずキャンセル回路15の第1の入力端子15aから入る 入力信号G1をオペアンプ反転増幅回路I1により位相を反転させ、さらに利得 ・位相調整回路14において、キャンセル回路15の第2の入力端子15bから 抵抗回路R2を通る入力信号G1と、同じ振幅で逆位相になるように調整し、接 続点13で合成し入力信号G1成分のみ打消し合うように設定し、キャンセル回 路15の出力端子15cから出力する。 従って、出力端子10には入出力端子からの入力電圧のみの成分となるはずで あるが、しかし実際には完全に打消すことは難しく、通常は−30dB程度であ った。
【0011】
図6に示すようなキャンセル回路15で電気的フィードバックのキャンセル量 をさらに向上させ、さらに−40dB以下にするには、キャンセル回路15の各 回路定数を正確に設定しなければならないが、それら回路定数が少しでも定数値 より定数のシフト変化があれば、そのキャンセル量は急激に低下するので、安定 したキャンセル回路は−30dB程度が限度であった。
【0012】 そこで、本考案は前述した点に鑑みてなされたもので、その目的とするところ は、音響入力−電気信号出力変換マイク機能とその逆の電気信号入力−音響出力 イヤホン機能を同時に備えたハウリングのないマイク機能を有するイヤホンを提 供し、また、それを1個のみ使用し、電気的フィードバックを実用的にまで向上 させるため、そのキャンセル回路15に圧縮器と伸長器を組合せて、さらに、キ ャンセル量が、−60dB程度まで安定に得られる全二重オーディオ通信回路を 提供することである。
【0013】
前記課題を解決するため、本考案のマイク機能を有するイヤホンは、振動部材 とそれに接着した磁性部材とその磁性部材を捲くコイル部を少なくとも備えた可 逆性を有するマグネチック型イヤホンであって、 発声する音声の耳孔内における空気伝導を介してその空気振動を前記振動部材 で受けて、前記磁性部材を振動させ、それによって前記コイル部に音声信号電流 を生成する音響入力−電気信号出力変換マイク機能と、 外部から送られてくる音声信号電流を前記コイル部に流し、前記磁性部材を振 動させて前記振動部材に生成する音波を前記空気伝導を介して、その耳孔内に出 力する電気信号入力−音響出力変換イヤホン機能とを備え、 前記両変換を同時に行えることを特徴とする。
【0014】 また、振動部材と、それに接続するコイル部と、コイル部の内側に配設された 磁石と、前記磁石と前記コイル部外側に配設された磁気ヨークとを接続する磁気 回路とを少なくとも備えた可逆性を有するダイナミック型イヤホンであって、 発声する音声の耳孔内における空気伝導を介して、その音波を前記振動部材で 受けて、前記磁気回路の静磁界間隙中で前記コイル部を変位させることにより、 そのコイル部に音声電流を生成する音響入力−電気信号出力変換マイク機能と、 外部から送られてくる音声信号電流を前記コイル部に流し、前記静磁界間隙中 で前記コイル部を変位させることにより、それに接続する振動部材を振動させて 生成する音波を前記空気伝導を介して、その耳孔内に出力する電気信号入力−音 響出力変換イヤホン機能とを備え、 前記両変換を同時に行えることを特徴とする。
【0015】 また、圧電素子部材を備えた可逆性を有するクリスタル型イヤホンであって、 発声する音声の耳孔内における空気伝導を介してその音波を前記圧電素子部材 で受けて、その圧電素子部材を変位振動させることにより、音声電圧を生成する 音響入力−電気信号出力変換マイク機能と、 前記発声する音声と同時に外部から送られてくる音声信号電圧を前記圧電素子 部材に印加し、その圧電素子部材の変位振動により生成する音波を前記空気伝導 を介して、その耳孔内に出力する電気信号入力−音響出力変換イヤホン機能とを 備え、 前記両変換を同時に行えることを特徴とする。
【0016】 また、前記課題を解決するため、本考案の全二重オーディオ通信回路は、通信 装置の送受話器回路部の全二重オーディオ通信回路であって、 請求項1,2又は3記載の耳孔内空気伝導によるマイク機能を有するイヤホン 1個のみと、 前記送受話器回路部入力端子からの受信信号を前記イヤホンの入出力端子へ出 力するため、その間に接続された第1の増幅回路及びそれと直列の第1のインピ ーダンス回路と、 前記イヤホンの入出力端子からの送信信号を前記送受話器回路部出力端子へ出 力するため、その間に接続された第2のインピーダンス回路及びそれに直列の第 2の増幅回路と、 前記入力端子からの受信信号が、前記第2の増幅回路を経由して前記出力端子 へ出力されるのを防止するため、前記第2のインピーダンス回路及び第2の増幅 回路の接続点と前記入力端の間に反転増幅回路及びそれに直列の利得・位相調整 回路からなる分岐回路とを具備し、 前記第2のインピーダンス回路と前記分岐回路とにより、その間の信号合成接 続点において前記入力端子からの受信信号が合成して、キャンセルされるキャン セル回路を形成し、入力端子側のキャンセル回路第1入力端子への入力は第1の 圧縮器を介して入力され、入出力端子側のキャンセル回路第2入力端子は第2の 圧縮器を介して入力され、それらの合成キャンセルされた入力信号は伸長器を介 して出力端子に出力されることを特徴とする。
【0017】 また、前記第1及び第2の圧縮器は対数比で1/2に圧縮し、伸長器は対数比 で2倍に伸長することを特徴とする。
【0018】 また、前記第1及び第2の増幅回路はそれぞれオペアンプ増幅回路、前記反転 増幅回路はオペアンプ反転増幅回路、前記第1及び第2のインピーダンス回路は それぞれ抵抗回路であることを特徴とする。
【0019】 また、前記通信装置は携帯電話機であり、前記入力端子と出力端子にはそれぞ れ前記携帯用電話機本体の受信回路と送信回路を接続して受信信号の成分が送信 信号の中で打消されることを特徴とする。
【0020】 また、本考案の全二重オーディオ通信回路は、通信装置の送受話器回路部の全 二重オーディオ通信回路であって、 請求項1,2又は3記載の耳孔内空気伝導によるマイク機能を有するイヤホン 1個のみと、 前記送受話器回路部の入力端子からの受信信号を前記イヤホンの入出力端子へ 出力するため、その間に接続された増幅回路及びそれに直列のインピーダンス回 路と、 前記イヤホンの入出力端子からの送信信号を前記送受話器回路部の出力端子へ 出力するため、その間に直列に接続された第1のA/D変換器、第1の圧縮器、 伸長器及びD/A変換器と、 前記入力端子からの受信信号が前記伸長器及びD/A変換器を介して前記出力 端子へ出力されるのを防止するため、前記第1の圧縮器及び前記伸長器の接続点 と前記入力端の間に直列に接続された第2のA/D変換器、第2の圧縮器、帰還 入力端子を有し利得・位相制御を行うアダプティブ・デジタル・フィルタからな る分岐回路とを具備し、 前記第1の圧縮器と前記分岐回路との間に設けた信号合成回路において、前記 入力端子からの受信デジタル信号を合成して、その合成出力を前記アダプティブ ・デジタル・フィルタの帰還入力端子に戻し、その合成出力を最小になるように デジタル信号処理することを特徴とする。
【0021】 また、前記第1及び第2の圧縮器は対数比で1/2に圧縮し、伸長器は対数比 で2倍に伸長することを特徴とする。
【0022】 また、前記増幅回路はオペアンプ増幅回路であり、前記インピーダンス回路は 抵抗回路であることを特徴とする。
【0023】
まず、本考案のマイク機能を有するイヤホンの構造図を図5に示す。いずれも 可逆性を有し、入出力端子を持つ。図5(a)はマグネチック型イヤホン50、 (b)はダイナミック型イヤホン60、(c)はクリスタル型イヤホン70の一 実施例を示す。図5(a)は耳孔挿入部50aのある型であるが、図5(b)の ように耳介の耳中介腔内に装着できる外形の介腔装着形状50bでもよい。図5 (c)も前述いずれの形状でもよい。 図5(a)において、51は振動板、52は永久磁石とその支持部、53は永 久磁石を捲いているコイル部、54はコイル部の両端に接続する入出力端子であ る。
【0024】 発声した音声は耳孔内の空気伝導を介して耳孔挿入部50aを通り、振動板5 1を振動させ、それに接続した永久磁石52を振動させ、コイル部53に音声信 号電流を生成する(音響入力−電気信号出力変換マイク機能)。
【0025】 外部から送られてくる音声電流をコイル部53に流し、その磁性磁石52を振 動させて振動板51を振動させ耳孔挿入部50aを通り、耳孔内の空気伝導を介 して内耳に伝える(電気信号入力−音響出力変換イヤホン機能)。以上の両変換 は同時に行える。
【0026】 次に、図5(b)において、61は振動膜、62は永久磁石、63はコイル部 、64はボイスコイルの両端に接続した入出力端子、65は磁気ヨークである。
【0027】 ここで、発声した音声は耳孔内の空気伝導を介して介腔装着形状50bの中央 孔を通り、振動膜61を振動させ、それに接続したコイル部63を振動させる。 そのコイル部63は永久磁石62と磁気ヨーク65により形成された磁界の間隙 に配設されているので、コイル部63に音声信号電流を生成する。
【0028】 一方、外部から送られてくる音声電流をコイル部63に流し、コイル部63を 振動させ、それに接続した振動膜61を振動させ、耳孔内の空気伝導を介して内 耳内に伝える。以上の両変換は同時に行える。
【0029】 次に、図5(c)において、71は振動膜、72はそれに装着している圧電素 子材、73はその支持金属板、74は振動膜72と支持金属板73にそれぞれ接 続している入出力端子である。
【0030】 ここで、発声した音声は耳孔内の空気伝導を介して耳孔挿入部50aを通り、 振動膜71を振動させ、それと支持金属板73の間に挟まれた圧電素子材72に 振動圧力を印加する。それによってその両端に生成された音声電圧が入出力端子 74から出力する。
【0031】 一方、外部から送られてくる音声電圧を入出力端子74から入力し、圧電素子 材72に印加し、圧電素子材72が振動し、それに装着した振動板71を振動さ せ、耳孔内の空気伝導を介して内耳内に伝える。以上の両変換は同時に行える。
【0032】 本考案の全二重オーディオ通信回路の一実施例を図4に基づき説明する。図4 において、100は本考案の第1の実施例の全二重オーディオ通信回路(送受話 器回路部)である。図中、従来例の図6と同一機能は同じ符号として、その説明 を省略する。 16は第1の圧縮器、17は第2の圧縮器、18は伸長器である。 次に、本考案の図1の全二重オーディオ通信回路の動作を説明する。 まず、入力端子11からの入力信号はオペアンプ増幅回路A1(第1の増幅回 路)及び抵抗回路R1(第1のインピーダンス回路)を介して入出力端子12を 通り負荷Z2に出力する。 一方、入出力端子12からの入力電圧G2は第2の圧縮器17、抵抗回路R2 (第2のインピーダンス回路)、オペアンプ増幅回路A2(第2の増幅回路)及 び伸長器18を介して出力端子10を通り負荷抵抗Z1に出力する。 ここで、出力端子10を通る信号成分には入力端子11からオペアンプ増幅器 A1、抵抗器R1、圧縮器17、抵抗器R2、オペアンプ増幅器A2、伸長器1 8を経由しフィードバックする入力端子11からの入力信号成分が含まれている 。
【0033】 これを打消すために、入力端子11から第1の圧縮器16を経由して、オペア ンプ反転増幅回路I1及び利得・位相調整回路14からなる分岐回路とを通り接 続点13に接続し、抵抗回路R2と前記分岐回路で、入力端子11からの入力信 号成分を打消すキャンセル回路を形成している。
【0034】 入力端子11からの入力信号は圧縮器16を通り、キャンセル回路15の第1 の入力端子15aから入力しオペアンプ反転増幅回路で位相が反転され、さらに 、利得・位相が調整され、キャンセル回路の第2の入力端子15bから入力して 抵抗器R2を通る入力信号とその振幅を同一とし位相を逆位相に合せ、接続点で 合成して入力信号を打消すようにして、キャンセル回路の出力端15cから出力 する。同時に入出力端子からの入力信号は打消されずに、そのまま通過する。
【0035】 この場合、圧縮器16,17、伸長器18の入出力特性を図4に示してある。 圧縮は対数比1/2、伸長は対数比2倍とする。対数比をそれぞれ1/3、3倍 、1/4、4倍とすることもできるが次第に、不自然な音声となる。 図2には入力端子からの入力電圧G1を0dBVとして、その各部における電 圧レベル(dBV)を実線と矢印で示してある。一方、入出力端子からの入力電 圧G2を0dBVとして、その各部における電圧レベル(dBV)を破線と矢印 で示してある。 なお、図7には比較のため、従来例図6の各部における電圧レベル(dBV) を示してある。 図2において、減衰器(−3dB)19とオペアンプ(6dB)A3は説明の ため、各部のレベルを図2と図7で同じにするため挿入したもので、本来は必要 ではない。また、簡単化するため、R1≪R2,R1=Z2,R2=R3とした 。 図2と図7を比較して明らかなように、従来例の図7では出力端子10におけ る出力レベルは−30dBの差があるのに対し、図2では−60dBの差があり 、結局従来より、対数比で2倍改善されたことが解る。
【0036】 本考案の他の実施例を図3に示す。図3において、150は本考案の第2の実 施例の全二重オーディオ通信回路(送受話器回路部)である。図中、従来例の図 6と同一の機能は同じ符号として、その説明を省略する。 20はデジタル回路で構成された範囲を示し、21,22はアナログ・デジタ ル変換を行う第1及び第2のA/D変換器、23はデジタル・アナログ変換を行 うD/A変換器、24,25はそれぞれ第1及び第2の圧縮器、26は伸長器、 27はアダプティブ・デジタル・フィルタ、27aはアダプティブ・デジタル・ フィルタ27の利得・位相制御入力端子、28はデジタル信号合成回路である。
【0037】 動作は以下のようになる。入力端子11からの入力信号はオペアンプ増幅回路 A1及び抵抗回路R1を通り、入出力端子から負荷抵抗Z2に出力する。一方、 入出力端子12からの入力信号は第1のA/D変換器21に入り、デジタル信号 となり、第1の圧縮器24に入る。次に伸長器26に入り、D/A変換器23に 入り、アナログ信号になって、出力端子10からその負荷抵抗Z1に出力する。 一方、入力端子11からの入力信号が出力端子10にフィードバックするのを 防止するため、入力端子11からの入力信号を第2のA/D変換器22に入れて デジタル信号とし第2の圧縮器25に入り、次に、アダプティブ・デジタル・フ ィルタ27に入る。この出力と第1の圧縮器24を経由した入力信号とデジタル 信号合成回路28で合成する。この時、その合成信号をアダプティブ・デジタル ・フィルタ27の帰還入力端子27aに入力し、その合成信号が最小になるよう にアダプティブ・デジタル・フィルタ27の利得と位相を変化調整する。つまり 利得・位相調整回路として使用する。 アダプティブ・デジタル・フィルタは入出力端の負荷抵抗Z2などが変化して も対応が可能である。
【0038】 本考案の全二重オーディオ通信回路(送受話器回路部)100,150を使用 した通信装置を図5に示す。 図5(a)は入出力端子に電話回路を接続し、出力端子にスピーカ、入力端子 にマイクを接続した通信装置である。全二重オーディオ通信回路(送受話器回路 部)はサイドトーン抑圧回路となっている。マイク、スピーカに接続した端をコ ードレステレフォンの親機の検波出力、変調入力に接続することでコードレステ レフォンへも応用可能である。 図5(b)は双方性あるマイクの機能を有するイヤホンマイクを入出力端子に 接続し、出力端子をマイクより携帯電話機の送信部へ接続し、入力端子を受信部 よりイヤホンに接続し、入力端子からの受信信号をキャンセルし、出力端子にお けるキャンセル量を−60dB程度とした携帯電話機である。 図5(c)はマイクの機能を有する双方性のあるスピーカマイクを入出力端に 接続し、全二重オーディオ通信回路(送受話器回路部)2組を使用し、入力端に 出力端を、出力端に入力端をそれぞれ接続し、他の一つの入出力端と電話回線に 接続した通信装置である。フィードバック特性のよい2重通信装置となる。
【0039】
本考案の全二重オーディオ通信回路(送受話器回路部)は次のような効果を奏 する。 入力端子からの入力信号が出力端子にほとんど現われないようにするため利得 と位相を調整するキャンセル回路に圧縮器と伸長器を組合せることによって、従 来例では、安定に動作する限界といわれていた−30dBを大きく向上させ、− 60dB程度の安定な動作を行う全二重オーディオ通信回路(送受話器回路部) を提供することが可能となった。
【提出日】平成11年12月1日(1999.12.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【0032】 本考案の全二重オーディオ通信回路の一実施例を図1に基づき説明する。図1 において、100は本考案の第1の実施例の全二重オーディオ通信回路(送受話 器回路部)である。図中、従来例の図6と同一機能は同じ符号として、その説明 を省略する。 16は第1の圧縮器、17は第2の圧縮器、18は伸長器である。 次に、本考案の図1の全二重オーディオ通信回路の動作を説明する。 まず、入力端子11からの入力信号はオペアンプ増幅回路A1(第1の増幅回 路)及び抵抗回路R1(第1のインピーダンス回路)を介して入出力端子12を 通り負荷Z2に出力する。 一方、入出力端子12からの入力電圧G2は第2の圧縮器17、抵抗回路R2 (第2のインピーダンス回路)、オペアンプ増幅回路A2(第2の増幅回路)及 び伸長器18を介して出力端子10を通り負荷抵抗Z1に出力する。 ここで、出力端子10を通る信号成分には入力端子11からオペアンプ増幅器 A1、抵抗器R1、圧縮器17、抵抗器R2、オペアンプ増幅器A2、伸長器1 8を経由しフィードバックする入力端子11からの入力信号成分が含まれている 。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】削除
【図1】本考案の一実施例である全二重オーディオ通信
回路のブロック図である。
回路のブロック図である。
【図2】本考案の図1のブロック図の各部の信号レベル
の例を示す図である。なお、キャンセル量は30dBで
の計算である。
の例を示す図である。なお、キャンセル量は30dBで
の計算である。
【図3】本考案の他の実施例である全二重オーディオ通
信回路のブロック図である。
信回路のブロック図である。
【図4】本考案に使用する圧縮器、伸長器の入出力特性
図である。
図である。
【図5】本考案のマイク機能を有するイヤホンを示す図
である。
である。
【図6】従来例の全二重オーディオ通信回路のブロック
図である。
図である。
【図7】従来例の図6のブロック図の各部の信号レベル
の例を示す図である。なお、キャンセル量は30dBで
の計算である。
の例を示す図である。なお、キャンセル量は30dBで
の計算である。
A1 第1の増幅回路、オペアンプ増幅回路 A2 第2の増幅回路、オペアンプ増幅回路 A3 オペアンプ(6dB) I1 オペアンプ反転増幅回路 G1 入力端の入力電圧 G2 入出力端からの入力電圧 R1 第1のインピーダンス回路、抵抗回路 R2 第2のインピーダンス回路、抵抗回路 R3 抵抗回路 Z1 出力端の負荷抵抗 Z2 入出力端の負荷抵抗 10 出力端子 11 入力端子 12 マイク機能を有するイヤホン入出力端子 13 信号合成回路、接続点 14 利得・位相調整回路 15 キャンセル回路 15a キャンセル回路の第1の入力端子 15b キャンセル回路の第2の入力端子 15c キャンセル回路の出力端子 16 第1の圧縮器 17 第2の圧縮器 18 伸長器 19 減衰器(−3dB) 20 デジタル回路 21 第1のA/D変換器 22 第2のA/D変換器 23 D/A変換器 24 第1の圧縮器 25 第2の圧縮器 26 伸長器 27 アダプティブ・デジタル・フィルタ 27a 帰還入力端子 28 デジタル信号合成回路 50,60,70 マイク機能を有するイヤホン 51,61,71 振動板、振動膜 52,62,72 永久磁石 53,63 コイル部 73 支持金属板 54,64,74 入出力端子 65 磁気ヨーク 100,150,200 全二重オーディオ通信回路
(送受話器回路部)
(送受話器回路部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04R 1/00 327 H04R 1/00 327A 3/02 3/02
Claims (10)
- 【請求項1】 振動部材とそれに接着した磁性部材とそ
の磁性部材を捲くコイル部を少なくとも備えた可逆性を
有するマグネチック型イヤホンであって、 発声する音声の耳孔内における空気伝導を介してその空
気振動を前記振動部材で受けて、前記磁性部材を振動さ
せ、それによって前記コイル部に音声信号電流を生成す
る音響入力−電気信号出力変換マイク機能と、 外部から送られてくる音声信号電流を前記コイル部に流
し、前記磁性部材を振動させて前記振動部材に生成する
音波を前記空気伝導を介して、その耳孔内に出力する電
気信号入力−音響出力変換イヤホン機能とを備え、 前記両変換を同時に行えることを特徴とするマイク機能
を有するイヤホン。 - 【請求項2】 振動部材と、それに接続するコイル部
と、コイル部の内側に配設された磁石と、前記磁石と前
記コイル部外側に配設された磁気ヨークとを接続する磁
気回路とを少なくとも備えた可逆性を有するダイナミッ
ク型イヤホンであって、 発声する音声の耳孔内における空気伝導を介して、その
音波を前記振動部材で受けて、前記磁気回路の静磁界間
隙中で前記コイル部を変位させることにより、そのコイ
ル部に音声電流を生成する音響入力−電気信号出力変換
マイク機能と、 外部から送られてくる音声信号電流を前記コイル部に流
し、前記静磁界間隙中で前記コイル部を変位させること
により、それに接続する振動部材を振動させて生成する
音波を前記空気伝導を介して、その耳孔内に出力する電
気信号入力−音響出力変換イヤホン機能とを備え、 前記両変換を同時に行えることを特徴とするマイク機能
を有するイヤホン。 - 【請求項3】 圧電素子部材を備えた可逆性を有するク
リスタル型イヤホンであって、 発声する音声の耳孔内における空気伝導を介してその音
波を前記圧電素子部材で受けて、その圧電素子部材を変
位振動させることにより、音声電圧を生成する音響入力
−電気信号出力変換マイク機能と、 前記発声する音声と同時に外部から送られてくる音声信
号電圧を前記圧電素子部材に印加し、その圧電素子部材
の変位振動により生成する音波を前記空気伝導を介し
て、その耳孔内に出力する電気信号入力−音響出力変換
イヤホン機能とを備え、 前記両変換を同時に行えることを特徴とするマイク機能
を有するイヤホン。 - 【請求項4】 通信装置の送受話器回路部の全二重オー
ディオ通信回路であって、 請求項1,2又は3記載の耳孔内空気伝導によるマイク
機能を有するイヤホン1個のみと、 前記送受話器回路部入力端子からの受信信号を前記イヤ
ホンの入出力端子へ出力するため、その間に接続された
第1の増幅回路及びそれと直列の第1のインピーダンス
回路と、 前記イヤホンの入出力端子からの送信信号を前記送受話
器回路部出力端子へ出力するため、その間に接続された
第2のインピーダンス回路及びそれに直列の第2の増幅
回路と、 前記入力端子からの受信信号が、前記第2の増幅回路を
経由して前記出力端子へ出力されるのを防止するため、
前記第2のインピーダンス回路及び第2の増幅回路の接
続点と前記入力端の間に反転増幅回路及びそれに直列の
利得・位相調整回路からなる分岐回路とを具備し、 前記第2のインピーダンス回路と前記分岐回路とによ
り、その間の信号合成接続点において前記入力端子から
の受信信号が合成して、キャンセルされるキャンセル回
路を形成し、入力端子側のキャンセル回路第1入力端子
への入力は第1の圧縮器を介して入力され、入出力端子
側のキャンセル回路第2入力端子は第2の圧縮器を介し
て入力され、それらの合成キャンセルされた入力信号は
伸長器を介して出力端子に出力されることを特徴とする
全二重オーディオ通信回路。 - 【請求項5】 前記第1及び第2の圧縮器は対数比で1
/2に圧縮し、伸長器は対数比で2倍に伸長することを
特徴とする請求項4記載の全二重オーディオ通信回路。 - 【請求項6】 前記第1及び第2の増幅回路はそれぞれ
オペアンプ増幅回路、前記反転増幅回路はオペアンプ反
転増幅回路、前記第1及び第2のインピーダンス回路は
それぞれ抵抗回路であることを特徴とする請求項4又は
5記載の全二重オーディオ通信回路。 - 【請求項7】 前記通信装置は携帯電話機であり、前記
入力端子と出力端子にはそれぞれ前記携帯用電話機本体
の受信回路と送信回路を接続して受信信号の成分のみが
送信信号の中で打消されることを特徴とする請求項4,
5又は6記載の全二重オーディオ通信回路。 - 【請求項8】 通信装置の送受話器回路部の全二重オー
ディオ通信回路であって、 請求項1,2又は3記載の耳孔内空気伝導によるマイク
機能を有するイヤホン1個のみと、 前記送受話器回路部の入力端子からの受信信号を前記イ
ヤホンの入出力端子へ出力するため、その間に接続され
た増幅回路及びそれに直列のインピーダンス回路と、 前記イヤホンの入出力端子からの送信信号を前記送受話
器回路部の出力端子へ出力するため、その間に直列に接
続された第1のA/D変換器、第1の圧縮器、伸長器及
びD/A変換器と、 前記入力端子からの受信信号が前記伸長器及びD/A変
換器を介して前記出力端子へ出力されるのを防止するた
め、前記第1の圧縮器及び前記伸長器の接続点と前記入
力端の間に直列に接続された第2のA/D変換器、第2
の圧縮器、帰還入力端子を有し利得・位相制御を行うア
ダプティブ・デジタル・フィルタからなる分岐回路とを
具備し、 前記第1の圧縮器と前記分岐回路との間に設けた信号合
成回路において、前記入力端子からの受信デジタル信号
を合成して、その合成出力を前記アダプテブ・デジタル
・フィルタの帰還入力端子に戻し、その合成出力を最小
になるようにデジタル信号処理することを特徴とする全
二重オーディオ通信回路。 - 【請求項9】 前記第1及び第2の圧縮器は対数比で1
/2に圧縮し、伸長器は対数比で2倍に伸長することを
特徴とする請求項8記載の全二重オーディオ通信回路。 - 【請求項10】 前記増幅回路はオペアンプ増幅回路で
あり、前記インピーダンス回路は抵抗回路であることを
特徴とする請求項7又は8記載の全二重オーディオ通信
回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1999009037U JP3069267U (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | マイク機能を有するイヤホン並びにそれを用いた全二重オ―ディオ通信回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1999009037U JP3069267U (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | マイク機能を有するイヤホン並びにそれを用いた全二重オ―ディオ通信回路 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3069267U true JP3069267U (ja) | 2000-06-06 |
Family
ID=43202736
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP1999009037U Expired - Fee Related JP3069267U (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | マイク機能を有するイヤホン並びにそれを用いた全二重オ―ディオ通信回路 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3069267U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3461813B2 (ja) | 2000-05-23 | 2003-10-27 | ダイムラークライスラー・アクチェンゲゼルシャフト | オーディオシステム |
JP2010074541A (ja) * | 2008-09-18 | 2010-04-02 | Panasonic Electric Works Co Ltd | インターホン装置 |
-
1999
- 1999-11-26 JP JP1999009037U patent/JP3069267U/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
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