JP3069179B2 - 気腹装置 - Google Patents

気腹装置

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JP3069179B2
JP3069179B2 JP3317956A JP31795691A JP3069179B2 JP 3069179 B2 JP3069179 B2 JP 3069179B2 JP 3317956 A JP3317956 A JP 3317956A JP 31795691 A JP31795691 A JP 31795691A JP 3069179 B2 JP3069179 B2 JP 3069179B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腹腔内における医療処
置に必要な観察視野を確保するために、処置する腹腔内
に気体を注入してこの腹腔内部位を拡張させる気腹装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、腹腔内において例えば内視鏡観察
下で医療処置を行なう場合には、処置する腹腔内に炭酸
ガス等の気体を注入してこの腹腔内部位を拡張させ、腹
腔内処置に必要な観察視野を確保して、処置過程を十分
に把握できるようにしている。腹腔内への気体の注入に
は、ガスボンベ等の気体供給源からの気体を減圧器や弁
などによって圧力制御して腹腔内を設定圧力に保つ気腹
装置が使用される。
【0003】この種の気腹装置、例えば米国特許446
4169号に示されるような気腹装置は、腹腔内圧の設
定を気腹装置に設けられた設定つまみの操作によって行
なえるようになっている。したがって、術者は患者の外
観チェック及び触診を行ない、それまでの経験により腹
腔内圧の設定を前記設定つまみによって行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、処置に際し
ての適正な腹腔内圧は患者の腹腔壁厚さと腹腔壁の弾性
特性値によって定まり、一般的に、腹腔内圧の適性値は
8〜15mmHgとされている。
【0005】ところが、術者はそれまでの経験に基づい
て腹腔内圧の設定を行なうため、術者が初心者であった
場合には、不適正な腹腔内圧設定を行う可能性が高く、
また、熟練者においても腹腔壁厚さ及び腹腔壁の弾性特
性値を定量的に測定するこができないため、不適正な腹
腔内圧設定を行なってしまう虞がある。
【0006】もし、不適正な腹腔内圧設定を行なった場
合、その設定値が適正値より高いと、患者を危険な状態
に追い込んだりあるいは患者に多大な負担をかけたりす
る一方、設定値が適正値より低いと、腹腔の十分な拡張
が得られず、腹腔内処置に必要な観察視野が確保できな
いばかりか術者の作業が煩雑となる。
【0007】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、腹腔壁厚さ及び腹腔
壁の弾性特性値を定量的に測定して、自動的に腹腔内圧
を適正な値に設定することができる安全かつ操作が簡便
な気腹装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、気体供給源からの気体を腹腔内に注入す
る気腹装置において、腹腔内圧を測定する測定手段と、
前記腹腔内に気体を注入する過程において前記測定手段
によって得られた圧力値を時間の関数として処理し、こ
れによって腹腔壁の重量及び腹腔壁の弾性特性値を決定
するとともに、前記腹腔壁の重量及び腹腔壁の弾性特性
値を用いて適正な腹腔内圧力値を決定する手段と、前記
適正な腹腔内圧力値に基づいて腹腔内をその適正な圧力
に維持する気腹制御手段とを具備したものである。
【0009】
【作用】前記適正な腹腔内圧力値に基づいて腹腔内をそ
の適正な圧力に維持する気腹制御手段によって、腹腔内
はその観察視野が十分に確保されるとともに安全な圧力
に維持される。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の一実施例を
説明する。図1の(a)に示すように、本実施例の気腹
装置1は、例えばCO2 ガスが充填されたボンベ2と接
続しており、ボンベ2からのCO2 ガスを気腹針26を
介して腹腔30内に注入するものである。
【0011】ボンベ2は、気腹装置1の内部に設けられ
たCO2 ガス流路としての内部管路4の入口部3に接続
されている。ボンベ2はこの内部管路4を通じて気腹装
置1内に設けられた第1の減圧器8に接続されている。
ボンベ2と第1の減圧器8との間の内部管路4には圧力
表示器6が設けられており、内部管路4内の圧力を表示
できるようになっている。
【0012】また、第1の減圧器8は内部管路4を介し
て第2の減圧器10に接続されている。第2の減圧器1
0は内部管路4を介して制御部18に電気的に接続され
た第1の電磁弁12に接続されている。また、この第1
の電磁弁12は内部管路4を介して中間タンク14に接
続されており、中間タンク14は内部管路4を介して制
御部18に電気的に接続された第2の電磁弁16に接続
されている。また、中間タンク14には内部管路4を介
して第1の圧力検出器20が接続されている。この第1
の圧力検出器20は制御部18に電気的に接続されてい
る。
【0013】第2の電磁弁16は気腹装置1の筐体に設
けられた口金等からなる出口部13に内部管路4を介し
て接続されている。また、第2の電磁弁16と出口部1
3とを接続する内部管路4の途中は分岐しており、分岐
した内部管路4aには腹腔30内の圧力を測定する測定
手段としての第2の圧力検出器22が接続されている。
第2の圧力検出器22は制御部18に電気的に接続され
ている。そして、後述するように、制御部18は、腹腔
30内に気体を注入する過程において、第2の圧力検出
器22によって検出された腹腔30内の圧力値を時間の
関数として処理し、これによって腹腔30壁の重量及び
弾性特性値を決定するとともに、これら腹腔30壁の重
量及び弾性特性値を用いて適正な腹腔内圧力値を決定
し、圧力検出器20,22の検出値に基づいて電磁弁1
2,16を開閉制御することによって、腹腔30内の圧
力を前記適正な腹腔内圧力値に維持することができるよ
うになっている。
【0014】気腹装置1の出口部13にはシリコン等か
らなるフレキシブルなチューブ24が接続されており、
このチューブ24の先端には中空の針形状を有する気腹
針26が設けられている。そして、腹腔30内において
処置を行なう場合には、気腹針26を腹腔30に穿刺
し、この気腹針26を介して気体を腹腔30内に注入し
て腹腔30を拡張させ、腹腔30内に挿入された腹腔鏡
28の観察視野を確保する。
【0015】上記構成の気腹装置1において、ボンベ2
から供給されるCOガスは、まず第1の減圧器8によ
って数バール(例えば4バール)に減圧される。その
後、COガスは第2の減圧器10によって約50mm
Hgまで減圧される。
【0016】約50mmHgに減圧されたCO ガスは
中間タンク14に充填されるが、この時、第1の電磁弁
12は開、第2の電磁弁16は閉の状態である。中間タ
ンク14内の圧力を第1の圧力検出器20で監視しつ
つ、中間タンク14内の圧力が約50mmHgに到達し
た時点で、第2の電磁弁16を開き、中間タンク14内
に充填されたCOガスを気腹針26へと送気し、この
気腹針26を通じて腹腔30内に注入する。
【0017】CO2 ガスが注入された腹腔30内は拡張
するが、このときの腹腔30内の圧力は、第1の電磁弁
12を閉じて第2の電磁弁16を開き、中間タンク14
内を腹腔30内に連通させた状態において、その時の中
間タンク14の圧力降下を時間の関数として第1の圧力
検出器20によって計測して演算することにより求める
ことができる。そして、制御部18は、演算により求め
た腹腔30内の圧力値によって、電磁弁12,16の開
閉を制御し、腹腔30内の圧力を次述する手段によって
求めた適正な腹腔内圧力値に維持するものである。次
に、適正な腹腔内圧力値を決定する手段について図1の
(b)を参照しつつ説明する。
【0018】図1の(b)は、CO2 ガスが全く注入さ
れていない状態の腹腔30内にCO2 ガスを注入し始め
た際の腹腔30内の圧力の上昇を示したものであり、腹
腔壁の重量及び弾性特性がそれぞれ異なる患者(a)
(b)(c)の腹腔30内の圧力を時間の関数としてグ
ラフ化したものである。
【0019】図1の(b)に示す動作状態は、気腹装置
1の動作モードを初回注入モードに設定することによっ
て得られる。初回注入モードが設定されると、目標圧力
値P0 が例えば人体に危険の無いとされる8mmHgに自動
的に設定され、CO2 ガスの注入が一定流量(例えば1
リットル/min )にて行なわれる。無論、腹腔内圧力が
目標圧力値8mmHgに達した段階で、腹腔30内へのCO
2 ガスの注入は中断される。CO2 ガスの注入は前述し
たような制御部18における制御のもとで行われるが、
この際、制御部18には図1の(b)に示すような時間
の経過に対する腹腔内圧力の変動が記憶される。
【0020】(a)(b)(c)の各場合とも、CO2
ガスを注入した初期の段階においては、腹壁に張力が生
じず、腹壁の拡張がほとんどない状態の区間(以下、ア
区間という。)があり、この場合、腹腔内圧力はほぼ一
定である。その後、CO2 ガスの注入量がある一定値を
超えると、腹壁には体表面に沿った方向に張力が生じる
ようになる。この状態の区間(以下、イ区間という。)
では、腹壁に生じる張力が腹腔を縮小させる方向に働く
ため、さらにCO2 ガスを注入すると腹腔内圧力は上昇
していく。患者(a)は適正な腹腔内圧力値が8mmHgの
場合であり、この患者(a)を基準に、以下、患者
(b)(c)について説明する。
【0021】ア区間において、患者(b)は患者(a)
に比較してその腹腔内圧力が高くなっている。これは、
患者(b)の腹壁が患者(a)の腹壁に比べて重く、腹
腔を押す力が大きいためである。また、イ区間におい
て、患者(b)のグラフの傾きは患者(a)のそれと同
じである。これは、両者ともCO2 ガスの注入量の変化
に対する腹壁張力の変化が同じであるためである。
【0022】ところで、患者(b)の場合、ア区間にお
ける腹腔内圧力が患者(a)に比べて高く、したがっ
て、患者(b)は患者(a)よりも時間的に早くその腹
腔内圧力が8mmHgに達してしまう。したがって、CO2
ガスの注入量が一定(1リットル/min )であるこの場
合には、患者(b)の腹腔の拡張量が患者(a)のそれ
よりも小さくなり、患者(b)の腹腔内における観察視
野は十分に確保されない。つまり、患者(a)の腹腔内
圧力がリミット設定値である8mmHgに達する時間をt
a、患者(b)の腹腔内圧力が8mmHgに達する時間をt
bとすると、腹腔30内へのCO2 ガスの注入が中断す
るまでに患者(b)の腹腔内に注入されるCO2 の総量
は、患者(a)のそれのtb/ta[CO2 の注入総量
(リットル)は、ほぼ設定流量(1リットル/min )と
時間(min )の積になる。]となり、患者(b)の腹腔
拡張量は患者(a)のそれよりも小さくなり、患者
(b)の腹腔内における観察視野は患者(a)に比べて
狭くなる。
【0023】また、ア区間において、患者(c)はその
腹腔内圧力が患者(a)と全く同じ値であり、イ区間で
は患者(a)に比較してグラフの傾きが大きい。これ
は、患者(c)の腹壁の重さが患者(a)のそれと同一
であるとともに、患者(c)の方がCO2 ガスの注入量
の変化に対する腹壁の伸びの変化が少なく、つまり腹腔
が拡張しにくく、言い替えれば、同じ注入量であった場
合には患者(c)の腹腔圧の方が患者(a)よりも高く
なることを示している。
【0024】患者(b)及び患者(c)が患者(a)と
同一の観察視野を確保するためには、仮に、リミット設
定値である8mmHgに達した後もCO2 ガスを注入し続け
たとして、イ区間におけるグラフの傾きから時間taの
時の圧力を図中一点鎖線で示すように延長して求め、そ
の圧力を適正な腹腔内圧力値としてやればよい。言い換
えれば、リミット設定値である8mmHgに図中に示す圧力
増加分x,yをそれぞれ加えた圧力を患者(b)及び患
者(c)における適正な腹腔内圧力値とすればよい。こ
の場合、患者(b)(c)の腹腔内に注入されるCO2
の総量は患者(a)におけるそれと略同一となり十分な
観察視野を確保できる。ただし、患者の人体の安全を考
え、8mmHgに圧力増加分x,yをそれぞれ加えた圧力が
15mmHgを超えないようにする。
【0025】このように、理論的には、制御部18が、
図1の(b)に示すように、腹腔30内に気体を注入す
る過程において、第2の圧力検出器22によって検出さ
れた腹腔30内の圧力値を時間の関数として処理し、上
述のごとく圧力増加分x,yをグラフから読み取ればよ
いのであるが、制御部18が演算するにあたっては、具
体的に以下に述べるような腹腔壁の重量及び腹腔壁の弾
性特性値が求められ、これを用いて適性な腹腔内圧力値
が決定される。
【0026】すなわち、制御部18は、初回注入モード
動作時に記憶された図1の(b)に示すようなデータに
よって、ア区間において、腹腔壁の重量を表わすパラメ
ータとしての腹壁厚さをある基準値に対する係数(厚さ
係数)として求め、また、イ区間において、腹腔壁の弾
性特性値をある基準値に対する係数(弾性係数)として
求める。
【0027】腹壁厚さ及び腹腔壁の弾性特性値の基準値
としては、例えば適正な腹腔内圧力値を8mmHgとする患
者(前述の場合は、患者(a)。以下、患者aとい
う。)と適正な腹腔内圧力値を15mmHgとする患者(以
下、患者dという。)の腹壁厚さと腹腔壁の弾性特性値
を用いる。ただし、ア区間において腹壁厚さは腹腔内圧
力に比例するため、腹壁厚さを考える場合はア区間にお
ける腹腔内圧力を考えればよい。
【0028】したがって、基準値として患者a,患者d
の腹壁厚さを用いる場合、例えば、患者aのア区間にお
ける腹腔内圧力の実測値を厚さ係数0.73と決めると
ともに患者dのア区間における腹腔内圧力の実測値を厚
さ係数1と決め、これに対して各患者のア区間における
腹腔内圧力を患者a、患者dのア区間における腹腔内圧
力と比較して0.73〜1の範囲(ここで例えば腹腔圧
は0〜4mmHgの範囲となる。)で厚さ係数を求めればよ
い。
【0029】また、基準値として患者a,患者dの腹腔
壁の弾性特性値を用いる場合も同様に、例えば、患者a
のイ区間におけるグラフの傾きを弾性係数0.73と決
めるとともに患者dのイ区間におけるグラフの傾きを弾
性係数1と決め(イ区間におけるグラフの傾きが大きい
ほど腹腔が拡張しにくく、したがって、弾性係数が大き
いとする。)、これに対して各患者のイ区間におけるグ
ラフの傾きの度合いを患者a、患者dのイ区間における
グラフの傾きの度合いと比較して0.73〜1の範囲弾
性係数を求めればよい。なお、ア区間は腹腔圧力の時間
に対する変化が0の区間として制御部18に認識させ
る。このようにして求めた厚さ係数及び弾性係数を次の
計算式に代入して適正な腹腔内圧力値を求める。 (計算式) 適正な腹腔内圧力値=15mmHg×厚さ係数
×弾性係数 この計算式によれば、適正な腹腔内圧力値はほぼ8mmHg
〜15mmHgの範囲内に収まる。
【0030】以上説明したように、上記構成の気腹装置
1は、制御部18が適正な腹腔内圧力値を前述した手段
によって自動的に決定し、電磁弁12,16を開閉制御
することによって、腹腔30内の圧力を前記適正な腹腔
内圧力値に維持することができるとともに、腹腔内にお
いて十分な観察視野を確保することができる。
【0031】したがって、術者の判断ミスによる患者の
危険が防止されて安全であるとともに、患者の外見チェ
ックや触診等の煩雑な作業を排除して簡便な処置を行な
うことができる。
【0032】ところで、腹腔鏡的処置の最中において、
経腹腔鏡的に腹腔30内に挿入された電気メス等によっ
て煙が発生した場合には、腹腔30内における視野を確
保するため、この煙を除去する必要がある。この場合、
腹腔鏡28を腹腔30から抜去することによって排煙を
行なうが、この時、腹腔30内に注入されたCO2 ガス
も一緒に抜けてしまうため、気腹装置1から腹腔30内
にCO2 ガスを高速で補充注入する必要がある。この高
速補充注入時における腹腔30内の圧力変化の様子を示
したものが図3の(a)である。
【0033】腹腔30内からCO2 ガスが抜け、腹腔内
圧力が低下した点(ア)を第1の圧力検出器20が検出
すると、制御部18は、CO2 ガスの注入量を増加する
ために、電磁弁12、16等を制御する。(この時の流
量は、例えば10リットル/min )
【0034】この高速注入状態でCO2 ガスの注入を続
けると、腹腔内圧力は点(イ)で適正値pに達した後も
上昇を続け、点(ウ)で圧力値オーバーを検出して注入
をストップする。これは圧力検出器20の圧力検出間隔
(検出時間t)が点(エ)〜点(ウ)と長いためであ
る。この結果、目標腹腔圧(適性値)pに対して大きな
オーバーシュートZを生じてしまい、患者を危険な状態
に追い込んでしまう虞がある。しかし、本実施例におけ
る気腹装置1は、その中間タンク14が図2に示す構成
となっているため、このオーバーシュートZを小さくす
ることができる。
【0035】すなわち、図2の図面中、数字32はCO
2 ガスボンベであり、このガスボンベ32はバルーン用
管路34を介して減圧弁36に接続され、さらにその下
流には上流側電磁弁38が接続されている。上流側電磁
弁38の下流ではバルーン用管路34が分岐しており、
分岐した管路35は中間タンク14内に設けられたバル
ーン44に接続され、他の管路34は下流側電磁弁40
に接続されている。
【0036】下流側電磁弁40の下流にはリリーフ孔4
2が有り、バルーン用管路34はここで大気に開放して
いる。なお、上流側電磁弁38と下流側電磁弁40は制
御部18に電気的に接続されている(図示せず)。
【0037】ボンベ32のCO2 ガスは減圧弁36によ
って一定圧力に減圧されてバルーン44内に供給される
が、この際、上流側電磁弁38と下流側電磁弁40は次
のように動作される。
【0038】まず最初に、制御部14からの信号によっ
て、上流側電磁弁38が開き、下流側電磁弁40が閉じ
られる。CO2 ガスは一定圧力に減圧されているので、
上流側電磁弁38の開時間を制御することによりバルー
ン44内に注入されるCO2ガス量を制御することがで
きる。必要なCO2 ガス量がバルーン44内に注入され
ると、制御部18は上流側電磁38と下流側電磁弁40
の両方を閉じ、中間タンク14内の容量を制御する。次
に、中間タンク14内の容量の制御について図3の
(b)を参照しつつ説明する。
【0039】図3の(b)において、腹腔内圧力が低下
した点(ア)から高速補充注入を開始した後、点(オ)
での腹腔内圧力検出時に、腹腔内圧力と目標腹腔圧pと
の差が1.5mmHgとなった場合、バルーン44を膨らま
せて中間タンク14の容積を小さくする(例えば4/5
にする)。その後、腹腔内圧力と目標腹腔圧pとの差が
1mmHgとなった時(点(カ))には中間タンク14の容
積を3/5に、目標腹腔圧pとの差圧が0.5mmHgとな
った時(点(キ))には容積を2/5というように徐々
に中間タンク14の容積を小さくすることにより、中間
タンク14の1回の開放当たりの注入量を少なくすれ
ば、オーバーシュートZを極力小さくでき、安全な高速
補充注入を担保することができる。なお、このような中
間タンク14の容量制御は、図4に示すような構造によ
っても可能である。
【0040】すなわち、中間タンク14は円筒状を成す
シリンダ方式のものであり、数字54は中間タンク14
の内周面に緩挿された円盤形状を有するピストンであ
る。ピストン54の中間タンク14の内周面に接する円
周面には円環状に溝60が設けられており、この溝60
にはOリング58が装着されている。ピストン54の円
盤形状の中心部には同軸にボールナット52が取り付け
られており、このボールナット52にはボールネジ50
が係入されている。このボールネジ50は中間タンク1
4に回転中心軸方向の移動を制限されつつ回転自在に固
定されている。符合56は制御部18に電気的に接続さ
れたモーターで、シャフトがボールネジ50の回転中心
軸と同軸に取り付けられている。
【0041】上記構成において、中間タンク14の容量
はピストン54を移動することによって変えられる。ピ
ストン54は制御部18より信号を送り、モーター56
によってボールネジ50を回転駆動することにより移動
することができる。この場合モーター56は、回転位置
を把握可能なエンコーダー組み込みの物が必要となる。
【0042】送り量制御の正確なボールネジ50を用い
たので、中間タンク14の容積を正確に制御することが
でき、したがって、腹腔内圧力を正確に制御することが
できる。
【0043】ところで、本実施例における気腹装置1
は、チューブ24及び気腹針26のガス流に対する抵抗
値(以下、管路抵抗という。)を制御部18に自動的に
判別させる機能を有している。この機能は図5に示す構
成によって達成されている。
【0044】すなわち、内部管路4は、気腹装置1のパ
ネル62に設けられた出口部66に接続されている。出
口部66は円筒形状を有する信号接続部68とチューブ
接続部70から構成されており、信号接続部68の外周
部には信号ケーブル64を介して制御部18に電気的に
接続された第1のパターン81が設けられている。第1
のパターン81は少なくとも6本の導電体(81a、8
1b、81c、81d、81e、81f)より構成され
ている。
【0045】チューブ24に接続される気腹針26また
はトラカール84は、それぞれ円筒形状を有する第1の
口金80、第2の口金82を有している。第1の口金8
0、第2の口金82にはそれぞれ異なった形状を有する
導電材料で形成された第2のパターン87、第3のパタ
ーン89が設けられている。チューブ24の両端には、
第1の接続口72、第2の接続口76が設けられてい
る。この第1の接続口72は出口部66に篏合するよう
な形状を有しており、第2の接続口76の内周部は、第
1の口金80または第2の口金82の外周部に篏合する
ような形状を有している。
【0046】第1の接続口72の内周部には、導電材料
で形成された第4のパターン85と第5のパターン83
が設けられており、第5のパターン83はチューブ24
の全長にわたって配設されている。第4のパターン85
はチューブ24の径ごと(例えば内径φ6mm、8m
m)に異なる形状となっており、第5のパターン83は
全てのチューブ径に対して同一の形状となっている。な
お、第5のパターン83は少なくとも3本の導電体(8
3a、83b、83c)により構成されている。ところ
で、一般に、腹腔30内に注入されるCOガスの流量
は以下の式(1)で表される。
【0047】
【数1】
【0048】つまり、気腹装置出口圧力が一定(本実施
例明では50mmHg)で、腹腔内圧力がある圧力まで上昇
したときの流量(瞬間流量)は管路抵抗により定められ
る。管路抵抗はチューブ24、気腹針26、トラカール
84の内径により異なり、管路抵抗が大きい機器を接続
した場合には流量が低下してしまう。このような場合、
図3の(b)における点(オ)、(カ)、(キ)でのタ
ンク14の容量を例えば全体の9/10、8/10、7
/10のように調節する、すなわち容量縮小率を小さく
することによって、管路抵抗の増加による流量の低下を
補正する必要がある。ところがここで問題があり、管路
抵抗を測定するには、前記流量を求める式(1)よって
気腹装置出口圧力、腹腔内圧力、CO2ガス密度、そし
て流量の全ての数値を計測しなければならず、これは装
置の大型化と製造コストの上昇を招く。特に、流量の正
確な計測には高価な装置が必要となる。更に、術者の操
作も煩雑となる。
【0049】そこで、本実施例においては、予め管路抵
抗を測定したチューブ24、気腹針26、トラカール8
4に管路抵抗値を示す信号パターン80,83,85,
89を配設することにより、気腹装置1へのこれら(2
4,26,84)の接続時に、これら(24,26,8
4)の管路抵抗値を制御部18に入力できるようにし
た。
【0050】次に、上記構成の動作について説明する。
チューブ24の第1の接続口72を出口部66に接続す
ると、第1のパターン81の81a、81bと第4のパ
ターン85とが導通し、これによって、チューブ24の
管路抵抗が制御部18に入力される。ここでもし別の管
路抵抗を有するチューブ24を接続した場合には、パタ
ーン81の例えば81aと81cが選択されるような形
状に第4のパターン85を配設しておくことにより管路
抵抗を識別できる。第5のパターン83の導電体83
a,83b,83cは第1のパターン81の導電体81
d,81e,81fにそれぞれ導通する。
【0051】次に、気腹針26をチューブ24の第2の
接続口76に接続する場合であるが、第2の接続口76
側まで延びた第5のパターン83の導電体83a、83
bと第2のパターン87が導通することにより気腹針2
6の管路抵抗が制御部18に入力される。同様に、チュ
ーブ24の第2の接続口76にトラカール84を接続し
た場合には、第3のパターン89と導電体83a、83
cが導通することにより、トラカール84固有の管路抵
抗が制御部18に入力される。
【0052】以上説明した動作によって、制御部18
は、チューブ24及び気腹針26またはトラカール84
の管路抵抗値から中間タンク14の最適な容積を算出
し、ガスの送気を行う。
【0053】なお、この構成の変形例として、第2の減
圧器10を電気的可変減圧器とし、これを制御部18に
より制御して管路抵抗によって生じる減圧抵抗に対する
ために減圧範囲を10〜100mmHgの間で可変にできる
ようにし、管路抵抗が大きい際にも高流量を実現できる
ようにすることも考えられる。また腹腔内圧力と気腹装
置出口圧力との差から最適流量値となるよう可変減圧器
を制御することも考えられる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、腹腔壁
厚さ及び腹腔壁の弾性特性値を定量的に測定して、自動
的に腹腔内圧を適正な値に設定することができるため、
腹腔内における観察視野を十分に確保することができる
とともに、簡単な操作によって安全な処置を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例を示す気腹装置の構
成図、(b)は適正な腹腔内圧力値を決定するための理
論曲線であり、初回注入モード時における腹腔内の圧力
を時間の関数として表したグラフである。
【図2】図1の気腹装置の中間タンクの構成を示す部分
断面図である。
【図3】(a)は従来の高速補充注入時における腹腔内
の圧力変化の様子を示したグラフ、(b)は図2の中間
タンクの容量制御動作によって高速補充注入時に得られ
る腹腔内の圧力変化を示すグラフである。
【図4】中間タンクの構成の変形例を示す断面図であ
る。
【図5】管路抵抗を制御部に自動的に判別させる機能を
説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…気腹装置、2…ガスボンベ、18…制御部、30…
腹腔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 碓井 健夫 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 谷川 廣治 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 高橋 和裕 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中田 明雄 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−197029(JP,A) 特開 昭60−232129(JP,A) 特開 昭57−183824(JP,A) 特開 昭63−164931(JP,A) 特開 昭61−48332(JP,A) 特開 昭64−22244(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 1/00 - 1/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体供給源からの気体を腹腔内に注入す
    る気腹装置において、腹腔内圧を測定する測定手段と、
    前記腹腔内に気体を注入する過程において前記測定手段
    によって得られた圧力値を時間の関数として処理し、こ
    れによって腹腔壁の重量及び腹腔壁の弾性特性値を決定
    するとともに、前記腹腔壁の重量及び腹腔壁の弾性特性
    値を用いて適正な腹腔内圧力値を決定する手段と、前記
    適正な腹腔内圧力値に基づいて腹腔内をその適正な圧力
    に維持する気腹制御手段とを具備したことを特徴とする
    気腹装置。
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