JP3069100B1 - オゾンを用いた吸着式冷却方法および装置 - Google Patents

オゾンを用いた吸着式冷却方法および装置

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JP3069100B1
JP3069100B1 JP11308300A JP30830099A JP3069100B1 JP 3069100 B1 JP3069100 B1 JP 3069100B1 JP 11308300 A JP11308300 A JP 11308300A JP 30830099 A JP30830099 A JP 30830099A JP 3069100 B1 JP3069100 B1 JP 3069100B1
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  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 水処理に使用するオゾンを、吸着剤に貯蔵す
る際に発生する熱量の出入りを有効利用することで、効
率的でかつ、環境に影響を与えにくい冷却を行う。 【解決手段】 1〜2気圧の圧力下で、酸素の供給によ
り吸着剤からオゾンを放出させ、この際の冷却効果を利
用した冷却装置を構成する。装置は酸素供給源、オゾナ
イザ、吸着剤ユニットおよび熱交換機で構成され、吸着
剤ユニット4・5内に挿入された熱交換機6・7により
オゾンを吸着するときの潜熱で熱を取り出し、オゾンを
放出するときの潜熱で冷却する装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体の吸着剤への
吸着および脱着(放出)を利用した冷却装置に関するも
のであり、特にオゾンの吸着剤への吸脱着を用いた冷却
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、フロン等の環境汚染物質を用
いずに冷凍を行うための装置として、シリカゲル等の吸
着剤と水等の冷媒との可逆反応に伴う発吸熱反応を利用
した吸着器および吸着式冷凍装置が知られている。これ
らの吸着式冷凍装置は、吸着剤に付着した(もしくは含
浸した)液体を気化させることにより、媒体を冷却する
構成を取っている。例えば、特開平6−170219号
公報、特開平10−185353号公報などにあげられ
る技術である。大気中に含まれる水分をリチュームクロ
ライド、シリカゲル、モレキュラーシーブなどの乾燥剤
に吸着させ、吸着による潜熱量により大気を暖めるとと
もに乾燥させる技術は、一般的に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の冷却装置におい
ては、吸着剤に付着させる物質として水やアンモニヤな
どが使用されている。このため、水等の液体が低温にす
るためには吸着媒体の流動性を維持することが困難であ
る。さらに、吸着剤よりの脱着を行う際にコンプレッサ
ーなどにより減圧したり、液化のために加圧を行ってお
り、エネルギー効率が低い。乾燥剤に気体を通じて気体
を暖める技術では、乾燥剤の再利用が困難である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべ
く、以下に述べる手段を用いるものである。オゾンの吸
着剤への吸着および脱着による熱量の出入りを利用して
冷却を行う。1〜2気圧の圧力下において、オゾンの吸
着および脱着を行う。吸着剤よりのオゾンの排出を酸素
の供給により行う。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態について
図を用いて説明する。図1は水処理装置の全体構成を示
す模式図、図2はオゾンの吸着剤への吸着および放出過
程を示す図、図3はシリカゲルにオゾンが吸着する状
態、およびシリカゲルよりオゾンが放出される状態を示
す模式図、図4は冷却装置の実施例を示す概略図、図5
は冷却装置におけるオゾンの吸着過程を示す図、図6は
冷却装置におけるオゾンの吸着および放出過程を示す
図、図7は他の冷却装置の構成を示す概略図、図8は冷
却装置による冷却の工程をあらわす模式図である。
【0006】図1を用いて、水処理装置の全体構成につ
いて説明する。本実施例において、水処理装置1は河川
などの雑水を浄化するものである。水処理装置41は一
次処理部42、二次処理部43、三次処理部44、流量
測定部45およびオゾン処理部49により構成されてい
る。一次処理部42に導入された被処理水は、固形物や
微細な浮遊物、油脂の分離除去等が行われ二次処理部4
3へと送られる。二次処理部43に導入された被処理水
は、微生物により含有される有機物が分解、安定化され
る。三次処理部44に導入された被処理水は凝集剤等が
加えられ、リン等物質が凝集沈殿させて除去される。
【0007】三次処理部44において処理された水は、
流量測定部45に導入され、流量測定部45において被
処理水の水量が測定される。そして、被処理水の量に応
じて、被処理水中に酸化分解を促進するための触媒が添
加される。すなわち、流量測定部45においては水量が
測定されるとともに、触媒が添加される。触媒が添加さ
れ被処理水はこの後に、オゾン処理部49に導入され、
被処理水にオゾンの散気がおこなわれ、オゾンによる被
処理水の浄化が行われる。このように、流量測定部5に
おいて適量の触媒が加えられ、オゾン処理が行われるた
め、オゾンの処理力を十分に発揮できるとともに、オゾ
ンによる浄化の効率を向上できる。
【0008】上記の構成において、流量測定部45およ
びオゾン処理部49の下流側には水質検査装置が接続さ
れており、被処理水の水量の認識とオゾン処理後の被処
理水の検出を行える構成になっている。流量測定部45
において、被処理水の流量が認識され、該被処理水の流
量の検出値は水質検査装置に出力される。また、オゾン
処理部49において、オゾン処理された水は該オゾン処
理部49の下流側において、採取され水質検出装置に導
入され、水質の検査が行われる。
【0009】次に、本発明のオゾン貯蔵装置46につい
て説明する。オゾン貯蔵装置46は前記水処理装置41
のオゾン処理部49の反応槽にオゾンを供給するオゾン
を貯蔵するためのものである。オゾン貯蔵装置46にお
いて、オゾナイザ48に酸素が導入される。ここにおい
て、オゾナイザ48に酸素を供給する酸素供給源47と
しては、酸素ボンベおよび液体酸素装置を用いることが
可能である。オゾナイザ48により生成されたオゾンは
オゾンモニタおよび流量計を介して貯蔵装置46に供給
されている。貯蔵装置46内にはシリカゲルが充填され
ている。貯蔵設備46より放出されたオゾンは、前記オ
ゾン処理部49の反応槽に導入される構成になってお
り、反応槽より排出される残存オゾンの濃度はオゾンモ
ニタにより監視されている。
【0010】また、オゾンモニタを介したオゾンはオゾ
ン分解器により分解無害化されて外部に排出されるもの
である。上記オゾナイザ48は制御装置により制御され
るものである。すなわち、オゾナイザ46により発生し
たオゾンは貯蔵設備46において貯蔵され、オゾン処理
部49に供給されるものである。そして、オゾン処理部
49において、水処理がおこなわれるものである。上記
の貯蔵装置46には、主に深夜電力を用いて発生させた
オゾンが貯蔵される。そして、生活用水などの水の処理
量が多い、昼間に該貯蔵したオゾンを用いて水の浄化を
行うものである。
【0011】図2において、オゾンの吸着および放出過
程について説明する。図2(a)は吸着過程の貯蔵装置
を示すものであり、図2(b)は放出過程の貯蔵装置を
示すものである。図2(a)において、オゾナイザによ
り発生したオゾンは、貯蔵装置46に導入される。オゾ
ンが吸着剤に吸着すると熱を発生する。この際に、図2
(a)に示すごとく、熱交換器50を貯蔵装置内に配設
し、吸着剤より冷たい媒体を該熱交換器50に循環させ
ることにより、オゾン吸着時の熱を取り除き、吸着をよ
り円滑に行うことができる。熱交換器50内を循環する
媒体は貯蔵装置46内に導入されたことにより冷たい状
態から熱を吸収して暖められる。
【0012】図2(b)において、貯蔵装置46の吸着
剤に吸着したオゾンは、酸素を該貯蔵装置46内に供給
することにより、吸着剤から放出される。オゾンは吸着
剤より放出される際に熱を吸収する。この際に、図2
(b)に示すごとく、熱交換器50を貯蔵装置内に配設
し、熱伝達媒体を熱交換器50に循環させることによ
り、オゾン放出時の熱の出入りを円滑にし、オゾンの放
出をより円滑に行うことができる。そして、熱交換器5
0内を循環する媒体は貯蔵装置46内に導入されたこと
により冷却されるものである。オゾンの放出には、酸素
の供給により容易に行うことができるものである。吸着
過程においても、酸素がオゾンと共存するが、この場合
における酸素濃度は低く、酸素供給源より直接供給され
る酸素とは、その濃度および励起状態などの性質が異な
るものである。
【0013】上記のごとく、一旦貯蔵されたオゾンを放
出することにより、冷却をおこなうことができるもので
ある。しかも、貯蔵されたオゾンの放出を酸素の供給に
より容易におこなうことができる。そして、オゾンが放
出される際には熱の吸収がおこる。このため、容易な構
成によりオゾンの吸着および放出を利用した冷却装置を
構成することができるものである。この冷却装置はオゾ
ンが気体として存在可能な温度範囲において冷却を行う
ことが可能であり、容易に極低温において冷却をおこな
うことができるものである。
【0014】次に、図3を用いて、オゾンの吸着剤への
吸着および吸着剤よりの放出時の状態について説明す
る。本実施例においては、吸着剤としてシリカゲルを用
いている。オゾンはシリカゲルにオゾンを吸蔵もしくは
吸着させることにより、該シリカゲル内においてオゾン
がクラスレート化もしくは会合する。(本説明におい
て、以下に吸着を、吸蔵を含むものとして用いる。) そして、これらのクラスレート化もしくは会合したオゾ
ンは、シリカゲルに酸素を供給することにより、容易に
パージされ、シリカゲルよりオゾンが放出(脱着)され
る。さらに、上記の工程は、大気圧の近傍である1〜2
気圧下において行うことができる。本実施例における吸
着および脱着の機構として、発明者は以下のような機構
によるものであると考察する。オゾンは図3(a)はオ
ゾンの吸着状態を示し、図3(b)はオゾンの放出され
る状態を示すものである。オゾンは分極した状態を安定
的に取りやすいことはすでに知られており、分極したオ
ゾンがシリカゲルの細孔内に導入されることにより、該
細孔内において複数のオゾン分子が会合するものと考え
られる。分極したオゾン分子がシリカゲル表面にクーロ
ン力により吸着し、該分極状態が安定的に維持される。
そして、分極状態で安定化したオゾンに他のオゾンが会
合する。これにより、シリカゲルのように表面が負に帯
電した細孔内において、オゾンは図3(a)に示す状態
を安定的に取り易くなると思われる。
【0015】また、該クラスレート化したオゾンは、酸
素が供給されることにより、そのバランスを崩し、シリ
カゲル内において十分に安定化していることができず、
排出される。このため、図3(b)に示すごとく、シリ
カゲル表面において、安定に存在していたオゾンが酸素
の供給により、不安定化し、シリカゲルより排出され
る。シリカゲルより排出されたオゾンが、水に溶解しや
すいなどの特性をもつため、クラスレート状態より崩壊
したオゾンはまったく1分子で挙動するのではなく、複
数の分子が会合もしくは静電気力により接近し安定化し
た状態で、さらには複数の分子が結合した状態で、放出
されるものと考えられる。これにより、シリカゲルを介
したオゾンが改質され、水への溶解度を増すものととも
に、酸化分解力を向上するものと考えられる。上記のご
とく、オゾンはシリカゲルに容易に吸着するとともに、
酸素の供給により容易に吸着材より放出される。しか
も、オゾンは、吸着剤より放出される際に熱を吸収して
放出されるのである。
【0016】本発明は、上記の工程において、オゾンを
シリカゲルに吸着もしくは吸蔵させた後に、シリカゲル
より放出される際の潜熱を利用して冷却を行うものであ
る。オゾンにより、下水などの水浄化処理を行う場合な
ど、電力需要の少ない深夜にオゾンを生成し、貯蔵し、
昼間に使用する際、オゾンがシリカゲル等の吸着剤に吸
脱着することにより発生する熱の出入りを、利用するこ
とも可能である。そして、深夜に生成したオゾンを、昼
間に使用するまでの間に吸着と放出を繰り返す循環経路
にオゾンを導入して、該オゾンによる冷却をおこなうこ
とも可能である。
【0017】次に、オゾンの吸着剤への吸着および放出
を利用した冷却装置1の構成について説明する。図4
は、冷却装置の実施構成を示す該略図である。冷却装置
は、酸素供給源2、オゾナイザ3、吸着剤ユニット4・
5および熱交換器6・7により構成されている。吸着ユ
ニット4・5内には、吸着剤としてシリカゲルが充填さ
れている。そして、熱交換器6・7は、それぞれ吸着剤
ユニット4・5に挿入されている。酸素供給源2は配管
によりオゾナイザ3に接続されており、酸素供給源2よ
りオゾナイザ3に酸素が供給される。オゾナイザ3のオ
ゾン排出側にはポンプ等により構成される送気装置3a
が接続されており、オゾンおよび酸素を循環させる構成
になっている。オゾナイザ3、吸着剤ユニット4・5は
それぞれ配管により接続されている。図4において、酸
素及びオゾンが循環する回路には、複数個の三方弁21
・22・23・24が配設されている。そして、三方弁
21・24および三方弁22・23は配管により接続さ
れており、該三方弁により酸素およびオゾンが循環する
回路を変更可能に構成されている。
【0018】さらに、熱交換器6・7にも三方弁25・
26・27・28が接続されている。そして、該三方弁
25・26・27・28の切換えにより、熱交換器6・
7に流入する媒体を冷却用から暖房用もしくは暖房用か
ら冷却用に切りかえることができる。三方弁25には配
管32および34が接続されており、三方弁26には配
管31・33が接続されている。配管31・32には暖
房用の媒体が、配管33・34には冷房用の媒体が封入
されている。このため、三方弁26・25により、熱交
換器6に配管31・32を接続することにより、該熱交
換器6に暖房用の媒体を循環させることができ。また、
同様にして、熱交換器6に配管33・34を接続して、
冷却用の媒体を循環させることができる。
【0019】図5および図6を用いて、オゾン冷却装置
の冷却工程について説明する。図5(a)は吸着剤ユニ
ット4にオゾンが吸着される過程を示すものであり、図
5(b)は吸着剤ユニット4にオゾンが十分に吸着され
た状態を示すものである。図6(c)は吸着剤ユニット
5にオゾンが吸着されるとともに、吸着剤ユニット4か
らオゾンが放出される過程を示すものであり、図6
(d)は吸着剤ユニット5にオゾンが十分に吸着され、
吸着剤ユニット4からオゾンが十分に放出された状態を
示すものである。(図中、吸着剤ユニット4・5に付さ
れた打点部分は、オゾンの吸着状態を模式的に示したも
のである。) はじめに、吸着剤ユニット4にオゾンが吸着される過程
について説明する。三方弁21・22・23・24によ
り、図5(a)に示すごとく、配管の経路を構成する。
この配管構成は、三方弁21・22・23・24の切り
替えにより構成されるものである。オゾナイザ3は、三
方弁21・22を接続する配管により吸着剤ユニット4
に接続され、吸着剤ユニット4のガス排出側は配管によ
り、吸着剤ユニット5に接続されている。そして、吸着
剤ユニット5のガス排出側は三方弁24・23を接続す
る配管によりオゾナイザ3に接続されている。この状態
おいて、オゾナイザ3により発生したオゾンは、該オゾ
ナイザ3に接続した送気装置3aにより三方弁21・2
2を介して吸着剤ユニット4に供給される。
【0020】吸着剤ユニット4内には、熱交換器6が挿
入されている。該熱交換器6には三方弁25・26によ
り、熱を吸収するための媒体が循環しており、吸着剤ユ
ニット4において発生した熱を吸収する構成になってい
る。熱交換器7には三方弁27・28により、配管35
・36が接続され、冷却用の媒体が循環する構成になっ
ている。吸着剤ユニット4に供給されたオゾンは、該吸
着剤ユニット4に吸着する。オゾンとともに吸着剤ユニ
ット4に供給された酸素は、吸着剤ユニット5、三方弁
24・23を介して、オゾナイザ3にもどされる。ここ
で、吸着剤ユニット4により減少したオゾンは、酸素供
給源もしくは循環する酸素をオゾナイザ3によりオゾン
とすることで補充されるものである。上記の工程は、図
5(b)に示すごとく、吸着剤ユニット4にオゾンが十
分に吸着するまで行われる。
【0021】図5(b)に示す配管構成において、吸着
剤ユニット4にオゾンに十分吸着した後には、図6
(c)に示すごとく、三方弁の切換えが行われる。これ
により、オゾナイザ3より発生したオゾンは、三方弁2
1・24を介して吸着剤ユニット5に供給され、吸着剤
ユニット5にオゾンが吸着される。オゾンとともに吸着
剤ユニット5に供給された酸素は、吸着剤ユニット5を
通過し、吸着剤ユニット4に供給される。前述のごと
く、オゾンが十分に吸着した吸着剤ユニット4に酸素を
供給すると、吸着剤よりオゾンが放出させる。そして、
オゾンの放出により、吸着剤ユニット4が冷却され、熱
交換器6に循環する媒体が冷却される。吸着剤より放出
されたオゾンは、三方弁22・23を介して、オゾナイ
ザ3に供給される。オゾナイザ3に供給されたオゾン
は、前記オゾナイザ3に接続した送気装置により三方弁
21側に配設される。また、分解して酸素となったオゾ
ンはオゾナイザ3により再びオゾンとすることも可能で
ある。
【0022】図6(c)に示す配管構成において、三方
弁25・26・27・28も切換えられており、熱交換
器6は配管33・34に熱交換器7は配管37・38に
接続されている。そして、熱交換器6には冷却用の媒体
が、熱交換器7には吸着剤の熱を吸収するための媒体が
循環する構成をとっている。これにより、吸着剤ユニッ
ト4においては、オゾンの放出により熱交換器6に流入
する媒体が冷却され、吸着剤ユニット5においては、熱
交換器7に流入する媒体が吸着剤の熱を吸収するもので
ある。そして、この配管構成は図6(d)に示すよう
に、吸着剤ユニット4のオゾンが十分に放出され、吸着
剤ユニット5にオゾンが十分に吸着されるまで維持さ
れ、この後に図5(a)に示す配管構成にもどされる。
上記のごとく、冷却装置を構成することにより、オゾン
と酸素を循環させ、オゾンの吸着剤への吸着および吸着
剤よりの放出を繰り返し行うことができる。そして、吸
着剤に吸着したオゾンを放出させることにより、該吸着
剤に挿入された熱交換器内に循環する媒体の冷却を行う
ことができるものである。すなわち、オゾンが放出され
る吸着剤ユニットにおいては熱交換器内の媒体が冷却さ
れ、オゾンが貯蔵される吸着剤ユニットにおいては熱交
換器内の媒体が暖められるのである。
【0023】次に、他の実施例について説明する。図7
は、冷却装置1の構成を示す概略図である。冷却装置1
は、酸素供給源2、オゾナイザ3、吸着剤ユニット4・
5および熱交換器6・7により構成されている。吸着ユ
ニット4・5内には、吸着剤としてシリカゲルが充填さ
れている。そして、吸着剤ユニット4・5には開口部が
設けられており、熱交換器6・7はそれぞれ吸着剤ユニ
ット4・5の開口部に挿入されている。酸素供給源2は
配管によりオゾナイザ3に接続されており、酸素供給源
2よりオゾナイザ3に酸素が供給される。オゾナイザ3
にはバルブ9を介して吸着剤ユニット4に接続され、吸
着剤ユニット4にはバルブ8およびバルブ10を介して
配管により吸着剤ユニット5に接続されている。そし
て、吸着剤ユニット5にはバルブ11を介して配管によ
りオゾナイザ3が接続されている。オゾナイザ3には送
気装置が内蔵されており、配管内の気体を循環させるこ
とができる構成になっている。
【0024】次に、冷却装置1による冷却の工程につい
て説明する。図8は冷却装置による冷却の工程をあらわ
す模式図である。図8(a)は吸着剤ユニット4にオゾ
ンが吸着される過程を示すものであり、図8(b)は吸
着剤ユニット4にオゾンが十分に吸着された状態を示す
ものであり、図8(c)は吸着剤ユニット4と吸着剤ユ
ニット5を交換した状態を示すものである。そして、図
8(d)は吸着剤ユニット4のオゾンが放出されると共
に吸着剤ユニット5にオゾンが吸着される過程を示すも
のである。なお、図8において、吸着剤ユニット4・5
の斜線はオゾンの吸着量を示すものである。
【0025】はじめに、図8(a)に示すごとく、酸素
供給源2より酸素がオゾナイザ3に供給される。オゾナ
イザ3に供給された酸素の一部は、オゾンに変換され、
酸素とともに吸着ユニット4に導入される。そして、吸
着剤ユニット4内に充填された吸着剤に、オゾンが吸着
されるものである。本実施例においては、吸着剤とし
て、吸着剤ユニット4・5にリカゲルが充填されてお
り、シリカゲルによりオゾンが吸着される構成になって
いる。オゾナイザ3により発生したオゾンは、吸着剤ユ
ニット4に吸着されてゆき、オゾンと共に吸着剤酸素は
吸着剤ユニット4内を通過する。酸素はさらに吸着剤ユ
ニット5を介してオゾナイザ3に戻る。そして、オゾナ
イザ3により、さらに酸素の一部がオゾンとなり、吸着
剤ユニット4に供給される。ここにおいて、冷却装置1
内の圧力が一定になるように酸素供給源2より、オゾナ
イザ3には酸素が供給されている。
【0026】オゾンが吸着剤ユニット4に吸着される際
には、オゾンの吸着による潜熱により吸着剤が暖められ
る。吸着剤ユニット4には熱交換器6が挿入されている
ため、吸着剤に伝達された熱量は、熱交換器6により取
り出される。これにより、オゾンの吸着により生成する
熱量を容易に排出することができる。
【0027】吸着剤4にオゾンを供給する工程は、図8
(b)に示すごとく、オゾンの供給により吸着剤ユニッ
ト4のオゾン吸着量が飽和に達するまでおこなわれる。
吸着剤ユニット4にオゾナイザ3より供給されたオゾン
を供給しつづけることにより、吸着剤ユニット4内のシ
リカゲルによるオゾンの吸着量が飽和に達する。このた
め、オゾンの吸着量が飽和に達した吸着剤ユニット4に
オゾンを供給しても更なる吸着に伴う熱量を得ることが
できない。そして、図8(c)に示すごとく、吸着剤ユ
ニット4と吸着剤ユニット5が交換される。吸着剤ユニ
ットの交換が困難であるときには、配管を継ぎかえる等
の方法をとることができる。すなわち、バルブ9を吸着
剤ユニット5に接続し、バルブ11を吸着剤ユニット4
に接続する。これにより、吸着剤ユニットを移動させる
ことなく、吸着剤ユニットに吸着されたオゾンを放出さ
せ、冷却を行うことができる。そして、吸着剤ユニット
4と吸着剤ユニット5を交換した後に、吸着剤ユニット
5にオゾンを供給する。吸着剤ユニット5においてオゾ
ンが吸着し、熱交換器6により、オゾンの吸着にともな
う熱を取り出される。一方、吸着剤ユニット4には、吸
着剤ユニット5を介して酸素が供給される。
【0028】吸着剤ユニット4に吸着したオゾンは、酸
素の供給により容易に放出される。前述のごとく、吸着
剤に吸着したオゾンは、吸着剤の細孔内において、クラ
スレート化もしくは会合した状態で安定化している。こ
の安定化により、1〜2気圧、20摂氏度以下の状況下
で、吸着剤にオゾンが吸着する。しかし、クラスレート
化もしくは会合し、安定化したオゾンは、酸素の供給に
より、吸着剤から容易に放出される。このため、図8
(d)に示すごとく、吸着剤ユニット4に吸着されたオ
ゾンは、酸素の供給により吸着剤ユニット4から放出さ
れ、吸着剤ユニット5に供給される。そして、オゾンの
放出による潜熱は、吸着剤を冷却する。このときにおい
て、吸着剤ユニット4には熱交換器7が挿入されてお
り、該熱交換器7が冷却される。すなわち、熱交換器7
により、オゾンの放出による潜熱を冷却に利用できる。
熱交換器7はオゾンの吸着剤よりの放出に伴う潜熱によ
り冷却されるため、オゾンの流動性が維持される温度範
囲において冷却を行うことが可能である。
【0029】図8(d)に示される状態において、吸着
剤ユニット4よりオゾンが放出され、吸着剤ユニット5
に供給されるため、オゾナイザ3を常に稼動させる必要
は無い。しかし、オゾンは分解して酸素となるので、オ
ゾンの不足を補う程度にオゾナイザ3を稼動させ、オゾ
ンを補充する必要がある。このため、少量の電力により
この冷却装置1を作動させることができる。
【0030】そして、図8(d)に示す状態において、
吸着剤ユニット4のオゾンの放出量が減少し、吸着剤ユ
ニット5にオゾンが十分に吸着した後に、吸着剤ユニッ
ト4と吸着剤ユニット5を交換し、同様の操作を繰り返
す。これにより、オゾンの吸着による熱を熱交換器6に
より取り出し、オゾンの放出による潜熱を熱交換器7に
より冷却に利用するのである。オゾンの吸着剤からの放
出による冷却効果を利用するため、1〜2気圧下で、摂
氏20度以下において冷却装置1を作動させることがで
き、安全に運転することができる。また、オゾンを使用
する圧力域が1から2気圧であるので、オゾンによる装
置の腐食を減少できる。該冷却装置はオゾンが吸着剤に
吸着し、脱着可能な温度範囲であれば、作動させること
ができる。このため、極低温においても容易に冷却をお
こなうことができる。
【0031】
【発明の効果】請求項1に記載のごとく、オゾンの吸着
剤への吸着および脱着による熱量の出入りを利用するの
で、フロンなどの媒体を用いることなく、容易に扱える
物質により冷却を行える。これにより、冷却装置の安全
性を向上できる。
【0032】請求項2に記載のごとく、1〜2気圧の圧
力下において、オゾンの吸着および脱着を行うので、安
全に冷却を行うことができる。また、設備にかかる費用
を軽減できる。
【0033】請求項3に記載のごとく、吸着剤よりのオ
ゾンの排出を酸素の供給により行うので、酸素とオゾン
により容易に冷却を行うことができ、閉じた系内を用い
て容易に、高い効率で、冷却を行える。
【0034】請求項4に記載のごとく、オゾンの吸着剤
への吸着および脱着による熱量の出入りを利用し、1〜
2気圧の圧力下において、オゾンの吸着および脱着を行
い、吸着剤よりのオゾンの排出を酸素の供給により行う
吸着式冷却装置を構成するので、環境を汚染しない冷却
装置を構成できる。さらに、オゾンと酸素の性質の違い
により冷却を行うので、閉じた系で容易に冷却を行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】水処理装置の全体構成を示す模式図。
【図2】オゾンの吸着剤への吸着および放出過程を示す
図。
【図3】シリカゲルにオゾンが吸着する状態、およびシ
リカゲルよりオゾンが放出される状態を示す模式図。
【図4】冷却装置の実施例を示す概略図。
【図5】冷却装置におけるオゾンの吸着過程を示す図。
【図6】冷却装置におけるオゾンの吸着および放出過程
を示す図。
【図7】他の冷却装置の構成を示す概略図。
【図8】冷却装置による冷却の工程をあらわす模式図で
ある。
【符号の説明】
1 冷却装置 2 オゾン供給源 3 オゾナイザ 3a 送気装置 4・5 吸着剤ユニット 6・7 熱交換器 8・9・10・11 バルブ 21・22・23・24 三方弁 25・26・27・28 三方弁
フロントページの続き (72)発明者 三浦 一宏 大阪市中央区安土町1丁目3番5号 株 式会社関西総合環境センター内 (56)参考文献 特開 平11−92109(JP,A) 特開 昭54−114858(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 17/08 B01J 19/00 G01B 13/10 C02F 1/78

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾンの吸着剤への吸着および脱着によ
    る熱量の出入りを利用したオゾンを用いた吸着式冷却方
    法。
  2. 【請求項2】 1〜2気圧の圧力下において、オゾンの
    吸着および脱着を行うことを特徴とするオゾンを用いた
    吸着式冷却方法。
  3. 【請求項3】 吸着剤よりのオゾンの排出を酸素の供給
    により行うことを特徴とするオゾンを用いた吸着式冷却
    方法。
  4. 【請求項4】 オゾンの吸着剤への吸着および脱着によ
    る熱量の出入りを利用し、1〜2気圧の圧力下におい
    て、オゾンの吸着および脱着を行い、吸着剤よりのオゾ
    ンの排出を酸素の供給により行うことを特徴とするオゾ
    ンを用いた吸着式冷却装置。
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