JP3068696B2 - 動力発生装置 - Google Patents

動力発生装置

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JP3068696B2
JP3068696B2 JP3353116A JP35311691A JP3068696B2 JP 3068696 B2 JP3068696 B2 JP 3068696B2 JP 3353116 A JP3353116 A JP 3353116A JP 35311691 A JP35311691 A JP 35311691A JP 3068696 B2 JP3068696 B2 JP 3068696B2
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輝男 河合
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辻川 慶子
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定子として電磁石を
使用し、回転子或いは可動子として永久磁石と軟鋼等の
磁性体との組合体を使用した動力変換装置に係り、詳し
くは永久磁石の磁力が本来的に保有しているエネルギと
しての磁力を最大限活用して磁気エネルギを作業エネル
ギに転換させる磁気エネルギの動力発生装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】これまで、固定子として電磁石を使用
し、回転子として軟鋼等の磁性体と永久磁石との組合体
を使用した動力発生装置として、例えばHB(ハイブリ
ッド)型ステッピング・モータが知られている。
【0003】例えば、図15乃至図20は従来のHB型
ステッピング・モータの概略を示している。このHB型
モータは、回転子52の部分に特徴があり、回転子52
の一方の構成要素である成層鋼板53に形成した歯によ
りステップ角を小さくできるというVR(バリアブル・
リラクタンス)型ステッピング・モータのもつ長所と、
回転子52の他方の構成要素である永久磁石54のため
に効率が高く小型化に有利であるというPM(パーマネ
ント・マグネット)型ステッピング・モータのもつ長所
とを合わせもつものである。なお、固定子50の鉄心の
部分はVR型モータのものと同じであるが、コイルの巻
き方と結線の仕方が異なっている。
【0004】図17は永久磁石54の作り出す磁束の通
り路(磁路)を示しており、ロータ軸55の軸方向端部
にN極かS極の一方が均一に現れるユニポーラ形の分布
をとっている。これに対し、図18は固定子50の電磁
石51が作り出す磁路を示しており、ロータ軸55に垂
直な平面にNSNS……という具合に偶数個の磁極が現
れるヘテロポーラ形の分布をとっている。このユニポー
ラ形の永久磁石磁束(永久磁石の磁界)とヘテロポーラ
形の巻線磁束(電磁石の磁界)とが作用し合ってトルク
を発生するようになっている。ここで、“永久磁石磁束
と巻線磁束とが作用し合って”とは、永久磁石54と電
磁石51との間のギャップにおいて磁力線の傾斜を生み
出すことを意味する。
【0005】このHB型モータのトルク発生のメカニズ
ムをリニア・モータ形式に展開したモデルを示す図19
及び図20を参照して説明する。図19は永久磁石54
のS側の断面を示し、図20はN側の断面を示してい
る。これら図のなかで実線は電磁石51による磁束を示
し、破線は永久磁石54による磁束を示している。
【0006】電磁石51による磁界についてみると(図
19の実線を参照)、永久磁石54のS側の断面におい
て、中央のギャップでは磁力線が右下がりであるのに対
し、同図の右端側ギャップでは磁力線が右上がりで、両
者は打ち消し合う関係にある。また、永久磁石54のN
側の断面においても同様である。
【0007】ところが、電磁石51による磁界と永久磁
石54による磁界とが作用し合うとトルクが発生する。
すなわち、永久磁石54のS側断面における中央のギャ
ップ(電磁石51のN側)では、電磁石51による磁界
と永久磁石54による磁界とが同じ方向で強め合って図
19の左方向の推力が回転子52に現れるが、右側のギ
ャップ(電磁石51のS側)では、両磁界が反対方向で
弱め合って同図の右方向の推力が現れる。しかし、この
力は小さく、全体としては図19の左向きの推力が現れ
る。
【0008】また、永久磁石54のN側断面における中
央のギャップ(電磁石51のN側)では、電磁石51に
よる磁界と永久磁石54による磁界とが反対方向で弱め
合って図20の右方向の推力が回転子52に現れるが、
この力は小さい。しかし、図20の右側のギャップ(電
磁石51のS側)では、両磁界が同じ方向で強め合って
図20の左方向の推力は大きく、全体としては図20の
左向きの推力が現れる。
【0009】したがって、これらの推力により回転子5
2は図19、20の左方向の1/4歯ピッチ進行するこ
とになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のHB型モータでは、前述したようにトルク方向と反
対の方向の力(回転子52の回転を妨げる力)が存在す
る問題がある。これを電磁石51の巻線に印加する電気
エネルギの観点からみると、図19の右端の電磁石の巻
線や、図20の中央の電磁石の巻線に印加される電流
は、回転子52の運動を妨げようとする永久磁石54の
磁界を打ち消すのに消費され、回転子52の運動には何
ら寄与せず、エネルギ効率が低い。また、永久磁石54
の磁気エネルギの観点からみると、電磁石51の作る磁
界とともに回転子52の運動に利用されるが、その一部
は回転子52の運動を妨げてしまい、永久磁石54の磁
気エネルギの有効利用が図られていない。
【0011】上記HB型モータの問題は固定子として電
磁石を使用し、回転子として磁性体と永久磁石とを使用
した動力発生装置全般にいえることである。
【0012】したがって、本発明は前記従来の問題点に
鑑みてなされたもので、回転子、可動子の運動方向と反
対方向に働く力が生じないようして電磁石に印加する
電気エネルギの利用効率を高める一方、永久磁石のもつ
磁気エネルギの有効利用を図ることができる動力発生装
置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明に係る磁気エネルギを動力に変換する動
力発生装置は、支持部材に回転自在に装備された回転出
力軸の回りに配置されて、該回転出力軸と共に回転する
永久磁石と、前記永久磁石と同軸に配置されて前記回転
出力軸と共に回転する、前記永久磁石の磁束が通る磁性
体と、前記磁性体の周囲にその周方向に沿って所定の間
隔をおいて磁気回路が互いに独立するように前記支持部
材に固定装備された複数の電磁石と、前記複数の電磁石
のうち回転出力軸の回転方向の前方に位置する電磁石を
前記永久磁石の磁極の極性と逆極性に順次励磁する励磁
切換手段とを具備し、前記磁性体の外周部に切欠部と磁
歯部とが交互に形成され、その各磁歯部の少なくとも半
径方向端部が前記電磁石の周方向の幅よりも大なる周方
向の幅をもって形成されており、これにより前記回転方
向の前方に位置する前記電磁石を励磁したときに、前記
磁性体を通る磁束が前記励磁された電磁石と前記永久磁
石とをほぼ直線的に結ぶ範囲内に収束するとともに、前
記励磁された電磁石の回転方向後方に位置する非励磁の
電磁石に対向する前記磁性体部分は磁束の空白域とな
り、前記収束した前記磁束により前記回転出力軸に回転
トルクを付与してなることを特徴としている。
【0014】また、第2の発明に係る磁気エネルギを動
力に変換する動力発生装置は、直線軌道に移動可能に配
置される移動体上に装備された永久磁石と、前記永久磁
石上に配置されて該永久磁石の磁束が通る磁性体と、前
記直線軌道に沿って適宜間隔をおいて配置され且つ磁気
回路が互いに独立した複数の電磁石と、前記複数の電磁
石のうち前記移動体の進行方向の前方に位置する前記電
磁石を前記永久磁石の磁極と逆極性に順次励磁する励磁
切換手段とを具備し、前記磁性体は、その前記進行方向
の長さが前記電磁石の前記進行方向の幅よりも大となる
ように形成されており、これにより前記進行方向の前方
に位置する前記電磁石を励磁したときに、前記磁性体を
通る磁束が前記励磁された電磁石と前記永久磁石とをほ
ぼ直線的に結ぶ範囲内に収束するとともに、前記励磁さ
れた電磁石の進行方向後方に位置する非励磁の電磁石に
対向する前記磁性体部分は磁束の空白域となり、前記収
束した前記磁束により前記移動体に駆動力を付与してな
ることを特徴としている。
【0015】
【作用】第1の発明によれば、回転出力軸の回転方向前
方に位置する電磁石を励磁すると、励磁された電磁石に
よって生じる磁界と永久磁石によって生じる磁界とが作
用し合い、磁性体を通る磁束が前記回転方向前方に位置
する励磁された電磁石側にほぼ直線的な範囲内に収束さ
れ、これにより回転出力軸を該電磁石側の方向に所定角
度回転させる。回転出力軸が所定角度回転したら前記電
磁石の励磁を中断する一方、新たに回転出力軸の回転方
向の前方に位置する電磁石を励磁する。このようにして
電磁石を順次励磁することにより、回転出力軸を所定方
向に回転することができる。また、このとき、前記回転
方向前方に位置する電磁石を、永久磁石の磁極の極性と
逆極性となるように励磁しており、そして励磁中の電磁
石の磁気回路が、隣接する他の電磁石の磁気回路と独立
していて、励磁中の電磁石から発生した磁束が、隣接す
る他の電磁石の磁気回路を通って永久磁石の磁極と同極
にするようなことがないこと、及び、励磁されていない
電磁石(回転方向に対して、前記励磁されている電磁石
のすぐ後方に位置している励磁されていない電磁石)に
対向する前記磁性体内部の部分は磁束の空白域となるこ
とから、回転出力軸の回転を妨げる方向の斥力及び引
は生じない。
【0016】また、第2の発明によれば、励磁切換手段
により移動体の移動方向前端の前方に位置する電磁石を
励磁すると、該電磁石によって生じる磁界と永久磁石に
よって生じる磁界とが作用し合い、磁性体を通る磁束が
前記移動体の移動方向前端の前方に位置する励磁された
電磁石側にほぼ直線的な範囲内に収束され、これにより
移動体を該電磁石側の方向に所定量移動させる。移動体
が所定量移動すると、移動体が前記電磁石の下方に位置
する一方、移動体の移動方向前端の前方には別の電磁石
が位置するようになる。この状態になったら、移動体の
上に位置する電磁石の励磁を中断する一方、新たに移動
体の移動方向前端の前方に位置するようになった電磁石
の励磁を開始する。このようにして電磁石を順次励磁す
ることにより、移動体を所定方向に移動することができ
るが、このときも第1の発明と同様に前記移動方向前
端の前方に位置する電磁石を、永久磁石の磁極の極性と
逆極性となるように励磁しており、そして励磁中の電磁
石の磁気回路が、隣接する他の電磁石の磁気回路と独立
していて、励磁中の電磁石から発生した磁束が、隣接す
る他の電磁石の磁気回路を通って永久磁石の磁極と同極
にするようなことがないこと、及び、励磁されていない
電磁石(移動体の移動方向に対して、前記励磁されてい
る電磁石のすぐ後方に位置している励磁されていない電
磁石)に対向する前記磁性体内部の部分は磁束の空白域
となることから、移動体の移動を妨げる方向の斥力及び
力は生じない。
【0017】
【実施例】以下、本発明を、好ましい実施例を図示した
添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】第1実施例 図1は本発明の第1実施例を示す一部切欠した正面図、
図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は遮光板の側
面図、図4乃至図11は電磁石を励磁したときの作用を
説明する側面図、図12、13は電磁石を励磁したとき
の磁束の収束状態を示す断面図である。
【0019】第1実施例によれば、図1及び図2に示す
ように、支持部材10の前後側板10a間には、回転出
力軸11が軸受11aを介して回転自在に装備されてい
る。この回転出力軸11の軸方向両端側であって、前後
側板10aの内側位置には、該回転出力軸11と共に回
転する、軸方向に着磁されたリング状の永久磁石13が
それぞれ遊嵌状態で配置されている。また、回転出力軸
11の側板10aと永久磁石13との間の位置には、外
周部に切欠部14aと磁歯部14bとを交互に有した、
永久磁石13の磁束が通る磁性体14がそれぞれ固定状
態で配置されている。図示のとおり、この磁性体14が
有する各磁歯部14bの半径方向端部は、後述する電磁
石16a〜16lの周方向の幅よりも大なる周方向の幅
をもって形成されている。図1では、例えば、切欠部1
4aを3個、磁歯部14bを3個形成した場合を示して
いる。永久磁石13と磁性体14は回転出力軸11に対
して同軸であり、両者はボルト等の締結手段15により
一体化し、回転出力軸11とともに回転する回転子12
をなしている。
【0020】ここで、支持部材10及び回転出力軸11
は、共に非磁性体であり、支持部材10は例えばステン
レス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、合成樹脂等
で形成され、また回転出力軸11は例えばステンレス鋼
等で形成されている。したがって、回転出力軸11の軸
方向一端側の永久磁石13と磁性体14とからなる磁気
回路と、軸方向他端側の永久磁石13と磁性体14とか
らなる磁気回路とは、互いに独立している。また、磁性
体14は、例えば各種鉄材、ケイ素鋼板、パーマロイ等
の透磁率の高い磁性体材料により形成されている。
【0021】前後側板10a間には、固定子となる複数
個の電磁石16a乃至16lが、磁性体14の周囲に周
方向に沿って略等間隔に固定状態で装備されている。図
1では、例えば12個配置した場合を示している。これ
ら電磁石16a乃至16lは、その磁気回路が互いに独
立していて、励磁された電磁石の磁束が隣接する電磁石
の鉄心を通らないようにしてある。そして、各電磁石1
6a乃至16lは、回転出力軸11、永久磁石13、磁
性体14の軸線方向に延び且つ回転出力軸11等に対し
て平行に装備され、それらの軸方向両端部分(磁極の部
分)が磁性体14の周面と僅かな隙間をおいて対向して
いる。電磁石16a乃至16lのうち、その一部は、磁
性体14の切欠部14aと磁歯部14bとの境界部分1
4c1乃至14c6に対応する箇所に位置している。図1で
は、例えば、境界部分14c1に電磁石16a、境界部分
14c2に電磁石16b、境界部分14c3に電磁石16
e、境界部分14c4に電磁石16f、境界部分14c5
電磁石16i,境界部分14c6に電磁石16jがそれぞ
れ位置している場合を示している。
【0022】図12は電磁石を励磁していないときの永
久磁石13の作り出す磁束の通路を示し、また図13は
電磁石を励磁したときの、永久磁石13の作り出す磁束
の通路と電磁石の巻線が作り出す磁束の通路とを示して
いる。これら図面から明らかなように、両者ともその軸
方向端部にN極かS極のいずれか一方の極が均一に現れ
るユニポーラ形の分布をとっている。電磁石の励磁時に
永久磁石13の磁界と電磁石の磁界とが作用し合って回
転トルクを発生する。
【0023】電磁石16a乃至16lを順次励磁する励
磁切換手段17は、基本的には電磁石16a乃至16l
の各巻線にそれぞれ直流を供給する通常の励磁回路から
構成されているが、本実施例では電磁石16a乃至16
lへの給電を切り換える切換部分は複数の光センサ18
と該光センサ18をオン・オフする遮光板19とから構
成されている。
【0024】光センサ18は、発光素子と受光素子とを
遮光板19が通過し得る間隔をおいて対向配置してなる
もので、電磁石16a乃至16lに対応する位置関係で
前後側板10aの一方の外面に円周方向に沿って等間隔
に配置されている(図2及び3では、例えば、前板外面
に配置した場合を示している。)。また、遮光板19
は、光センサ18が配置された側の側板10aから突出
する回転出力軸11の端部に固定されている。
【0025】本実施例では、遮光板19によって光セン
サ18が遮光されている間、該光センサ18に対応する
電磁石に通電するようにしてある。
【0026】次に上記第1実施例の作用を図4乃至図1
1を参照して説明する。
【0027】励磁切換手段17により電磁石16a乃至
16lに何ら通電しない場合には、図4に示すように、
磁歯部14bと僅かなギャップをおいて対向する電磁石
16c、d、g、h、k、lは、永久磁石13の磁界中
にある単なる磁性体となり(図4の薄墨部分参照)、磁
歯部14b部分を吸引し、回転子12は停止状態にあ
る。
【0028】次いで、励磁切換手段により図5に示すよ
うに切欠部14aと磁歯部14bとの境界部分14c
1、14c3及び14c5に位置する電磁石16a,
e,iを同時に励磁すると、永久磁石13の磁界と電磁
石16a,e,iの磁界とが作用し合い、磁性体14を
通る磁束14dが該電磁石16a,e,i側に瞬時にし
てほぼ直線的に収束される。これにより、回転子12
は、電磁石16a,e,i側に吸引され、磁束14dの
幅を広げようとする方向、すなわち図5の時計方向への
回転トルクを受ける。
【0029】図6乃至図10は、回転子12の回転に伴
う磁束14dの幅の変化を示しており、磁束14dの幅
が最大となる時点、すなわち磁歯部14bがのみが電磁
石16a、e、iと対向する一方、切欠部14aが電磁
石16a、e、iから完全に外れたときに、磁束14d
の幅が最大となって、永久磁石13と電磁石16a、
e、iとの間に働く吸引力が最大となるが、回転子12
に作用する回転トルクはゼロになる。
【0030】回転子12に作用する回転トルクが完全に
ゼロになる前、すなわち境界部分14c1、14c3及
び14c5が回転方向前方の別の電磁石16b、f、j
に差しかかった時点で、励磁切換手段17により電磁石
16a,e,iの励磁を停止する一方、電磁石16b,
f,jの励磁を開始すると、図11に示すように、磁束
14dが電磁石16b,f,j側にほぼ直線的に収束さ
れ、前回と同様にして回転子12に回転トルクが作用す
る。
【0031】この後、電磁石16c,g,kを励磁し、
回転子12の回転に伴って境界部分14c1、14c3及び
14c5が回転方向前方の別の電磁石16d、h、lに差
しかかった時点で、電磁石16c,g,kの励磁を停止
する一方、電磁石16d、h、lの励磁を開始する。
【0032】このようにして電磁石16a乃至16lを
順次励磁することにより、永久磁石13の磁界と電磁石
16a乃至16lの磁界が作用し合い、回転子12に回
転トルクを付与する。
【0033】このとき、永久磁石13の一方の磁極(例
えばN極)側と電磁石16a乃至16lの軸方向一端の
磁極(例えばS極)との間で回転トルクが生じると共
に、永久磁石13の他方の磁極(例えばS極)側と電磁
石16a乃至16lの軸方向他端の磁極(例えばN極)
との間でも回転トルクが生じる。
【0034】ここで、永久磁石13の一方の磁極側、例
えばN極側では、電磁石16a乃至16lのうち所定の
電磁石がS極のみに励磁されており、励磁中の電磁石か
ら隣接する他の電磁石に磁束が通ることにより磁気回路
を構成して永久磁石13と同極のN極にすることがな
い。また、永久磁石13の他方の磁極側、例えばS極側
では、所定の電磁石がN極のみに励磁されており、励磁
中の電磁石から隣接する他の電磁石に磁束が通ることに
より磁気回路を構成して永久磁石13と同極のS極にす
るようなことがない。また、永久磁石13の磁束は磁性
体14を通って励磁中の電磁石側に収束され(図4B乃
至H中の磁束14d参照)、磁性体14の非励磁の電磁
石と対向する部分が磁束の通らないデッドゾーン、つま
り磁束の空白域になっている。したがって、この非励磁
の電磁石と永久磁石13との間には吸引力を生じさせる
ような磁束が存在しないから、回転子12の回転を妨げ
るような方向の引力は生じない。
【0035】これを電磁石16a乃至16lに印加する
電気エネルギの観点からみると、印加された電気エネル
ギの殆ど全てが回転子12の回転に寄与するのに消費さ
れ、また永久磁石13の磁気エネルギの有効利用の観点
から見ると、磁気エネルギの殆ど全てが回転子12の回
転に寄与するのに利用されるということができる。
【0036】また、磁性体14の外周部に切欠部14a
と磁歯部14bとを交互に設けると共に、これらの間の
境界部分に対応する箇所にそれぞれ電磁石を配置してあ
るので、該電磁石を励磁したとき境界部分と電磁石との
間のギャップに生じる磁力線を大きく傾かせることがで
き、電磁石の励磁初期時に大きな回転トルクを得ること
がきる。
【0037】次に上記第1実施例に示すモータについて
実際に運転試験を行った結果を説明する。
【0038】磁性体として純鉄を使用した。寸法は幅30
mm、磁歯部の直径218mm、切欠部の直径158mmであった。
また、永久磁石としてフェライト磁石を使用した。その
磁力は1,000ガウスであった。電磁石への印加電圧は17
V、電流1.15A、電力19.55Wであった。この条件の下
で得られた回転数は100rpm、トルクは60.52Kg・cm、出
力は62.16Wであった。
【0039】第2実施例 図14A乃至Hはリニア・モータ形式にした本発明の第
2実施例の作用を説明する説明図である。
【0040】本実施例によれば、フレームにローラを多
数並列に配置したローラコンベヤ形式の直線軌道20上
を移動する移動体21に永久磁石22を設置すると共
に、該永久磁石22上面に該永久磁石22の磁束が通る
平板状の磁性体23を固定して可動子24が構成されて
いる。そして、可動子24上には、直線軌道20に沿っ
て固定子25としての複数の電磁石25a、b、c、
d、…が並列に配置されている。これら電磁石25a、
b、c、d、…は、その磁気回路が互いに独立してお
り、図示しない励磁切換手段によって永久磁石22の磁
極と逆極性に順次励磁されるように構成されている。な
お、移動体21の側面には動力取出軸21aが設けられ
ている。また、前記磁性体23の進行方向の長さは、対
向する各電磁石25a、b、c、d、…の進行方向の幅
よりも大となるように形成されている。
【0041】次に上記第2実施例の作用を説明する。
【0042】電磁石になんら通電しない場合には、図1
4Aに示すように、可動子24の真上に位置する電磁石
25a、25bは永久磁石22の磁界中にある単なる磁
性体となり(図14Aの薄墨部分参照)、磁性体23部
分を吸引し、可動子24は停止状態にある。
【0043】次いで、励磁切換手段により図14Bに示
すように可動子24の前端の移動方向前方に位置する電
磁石25cを励磁すると、永久磁石22の磁界と電磁石
25cの磁界とが作用し合い、磁性体23を通る磁束2
3aが該電磁石25c側に瞬時にして直線的に収束され
る。これにより、可動子23は、電磁石25c側に吸引
され、磁束23aの幅が広がる方向、すなわち図14B
の矢印方向の推力を受けて直線軌道20上を移動する。
【0044】図14C乃至図14Eは、可動子24の移
動に伴う磁束23aの幅の変化を示しており、磁束23
aの幅が最大となる時点、すなわち可動子24の磁性体
23部分の前端部が電磁石25cを通過する直前まで移
動してきたときに、磁束23dの幅が最大となって、永
久磁石22と電磁石25cとの間に働く吸引力が最大と
なるが、可動子24に作用する推力はゼロになる。
【0045】可動子24に作用する推力が完全にゼロに
なる前、すなわち可動子24の磁性体23部分の前端部
が電磁石25cを通過しようとする時点で、励磁切換手
段により電磁石25cの励磁を停止する一方、電磁石2
5dの励磁を開始すると、図14Fに示すように、磁束
23aが電磁石25d側にほぼ直線的に収束され、前回
と同様にして可動子24に推力が作用する。
【0046】この後、可動子24の移動に伴って図14
G、Hに示すように磁束23aの幅が広くなり、同様の
作用が繰り返される。
【0047】このようにして電磁石を順次励磁すること
により、永久磁石22の磁界と電磁石の磁界が作用し合
い、可動子24に推力を付与する。
【0048】ここで、電磁石と対向する側の永久磁石2
2の磁極が例えばN極の場合、電磁石25cはS極のみ
に励磁されており、電磁石25cから隣接する他の電磁
石25b、25dに磁束が通ることにより磁気回路を構
成して永久磁石22の磁極と同極のN極にすることがな
い。したがって、第1実施例の場合と同様に可動子24
の移動を妨げるような力は生じない。
【0049】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、固
定子としての複数の電磁石を互いに磁気回路が独立する
ようにし、そして電磁石を対向する永久磁石の磁極と逆
極性のみ励磁するようにしており、隣接する電磁石に
磁束が通って該電磁石が永久磁石の極性と同極性になる
ことがないこと、及び、前記磁性体内部の励磁されてい
ない電磁石(運動方向に対して、前記励磁されている電
磁石のすぐ後方に位置している励磁されていない電磁
石)に対向する部分は磁束の空白域となることから、回
転子、可動子の運動を妨げる方向の斥力及び引力は生じ
ることがなく、電磁石に印加する電気エネルギの利用効
率を高める一方、永久磁石のもつ磁気エネルギの有効利
用を図ることができる。
【0051】また、電磁石を構成するコイルに流す電流
の極性は一定であり、変化させるようなことをしないの
で、コイルが発熱する問題が殆ど無く、またコイルに流
す電流の極性転換に伴って生じる反発力のために振動し
たり、騒音を発したりする問題もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のモータの一部切欠、一部
省略した示した正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】遮光板を装備した上記モータの後面図である。
【図4】図1のモータの電磁石を励磁する前の状態を説
明する説明図である。
【図5】図1のモータを励磁したときの状態を説明する
説明図である。
【図6】図5の次のステップを説明する説明図である。
【図7】図6の次のステップを説明する説明図である。
【図8】図7の次のステップを説明する説明図である。
【図9】図8の次のステップを説明する説明図である。
【図10】図9の次のステップを説明する説明図であ
る。
【図11】図10の次のステップを説明する説明図であ
る。
【図12】図1のモータの電磁石を励磁しないときの永
久磁石の作り出す磁束の通路を説明する説明図である。
【図13】図1のモータの電磁石を励磁したときの、永
久磁石の作り出す磁束の通路と電磁石の作り出す磁束の
通路とを説明する説明図である。
【図14】図14A乃至Hはリニア・モータ形式にした
本発明の第2実施例の作用を説明する説明図である。
【図15】従来のHB型ステッピング・モータの断面図
である。
【図16】図15に示すモータの軸方向一端から見た一
部切断、省略して示した側面図である。
【図17】図15のモータの永久磁石の磁束を通路を説
明する説明図である。
【図18】図15のモータの電磁石の磁束を通路を説明
する説明図である。
【図19】永久磁石のS側における永久磁石の磁界と電
磁石の磁界との間の作用を説明する説明図である。
【図20】永久磁石のN側における永久磁石の磁界と電
磁石の磁界との間の作用を説明する説明図である。
【符号の説明】 10 支持部材 11 回転出力軸 12 回転子 13 永久磁石 14 磁性体 14a 切欠部 14b 磁歯部 14c1乃至14c6 境界部分 16a乃至16l 電磁石 17 励磁切換手段 18 光センサ 19 遮光板 20 直線軌道 21 移動体 22 永久磁石 23 磁性体 24 可動子 25 固定子 25a乃至25d等 電磁石

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気エネルギを動力に変換する動力発生
    装置にして、 支持部材に回転自在に装備された回転出力軸の回りに配
    置されて、該回転出力軸と共に回転する永久磁石と、 前記永久磁石と同軸に配置されて前記回転出力軸と共に
    回転する、前記永久磁石の磁束が通る磁性体と、 前記磁性体の周囲にその周方向に沿って所定の間隔をお
    いて磁気回路が互いに独立するように前記支持部材に固
    定装備された複数の電磁石と、 前記複数の電磁石のうち回転出力軸の回転方向の前方に
    位置する電磁石を前記永久磁石の磁極の極性と逆極性に
    順次励磁する励磁切換手段とを具備し、前記磁性体の外周部に切欠部と磁歯部とが交互に形成さ
    れ、その各磁歯部の少なくとも半径方向端部が前記電磁
    石の周方向の幅よりも大なる周方向の幅をもって形成さ
    れており、 これにより前記回転方向の前方に位置する前
    記電磁石を励磁したときに、前記磁性体を通る磁束が前
    記励磁された電磁石と前記永久磁石とをほぼ直線的に結
    ぶ範囲内に収束するとともに、前記励磁された電磁石の
    回転方向後方に位置する非励磁の電磁石に対向する前記
    磁性体部分は磁束の空白域となり、前記収束した前記磁
    束により前記回転出力軸に回転トルクを付与してなるこ
    とを特徴とする動力発生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の動力発生装置にして、前記電磁石のうち一部を、 前記切欠部と前記磁歯部との
    境界部分に対向する箇所に配置し、前記励磁切換手段
    を、前記複数の電磁石のうち回転出力軸の回転方向の前
    方に位置する電磁石であって、前記境界部分に対向する
    箇所に位置する電磁石を前記永久磁石の磁極と逆極性に
    順次励磁するように構成してなることを特徴とする動力
    発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の動力発生装置に
    して、 前記電磁石を前記回転出力軸と平行に装備し、また前記
    回転出力軸の軸方向両端側であって電磁石の軸方向両端
    側と対向する箇所にそれぞれ前記永久磁石と前記磁性体
    を配置し、前記電磁石によって前記各磁性体を通る磁束
    をそれぞれ一定方向に収束することにより、前記回転出
    力軸に回転トルクを付与することを特徴とする動力発生
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載の動力発生装
    置にして、 前記励磁切換手段は、前記複数の電磁石と対応する位置
    関係で前記支持部材に配置された複数のセンサと、前記
    回転出力軸の回転に伴って該センサをオン・オフするよ
    うに回転出力軸に装備されたオン・オフ部材とを具備し
    てなることを特徴とする動力発生装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の動力発生装置にして、 前記センサは受光素子と発光素子とを所定の間隔をおい
    て対向配置してなる光センサで、前記オン・オフ部材は
    受光素子と発光素子との間に配置される遮光板であるこ
    とを特徴とする動力発生装置。
  6. 【請求項6】 磁気エネルギを動力に変換する動力発生
    装置にして、 直線軌道に移動可能に配置される移動体上に装備された
    永久磁石と、 前記永久磁石上に配置されて該永久磁石の磁束が通る磁
    性体と、 前記直線軌道に沿って適宜間隔をおいて配置され且つ磁
    気回路が互いに独立した複数の電磁石と、 前記複数の電磁石のうち前記移動体の進行方向の前方に
    位置する前記電磁石を前記永久磁石の磁極と逆極性に順
    次励磁する励磁切換手段とを具備し、前記磁性体は、その前記進行方向の長さが前記電磁石の
    前記進行方向の幅よりも大となるように形成されてお
    り、 これにより前記進行方向の前方に位置する前記電磁
    石を励磁したときに、前記磁性体を通る磁束が前記励磁
    された電磁石と前記永久磁石とをほぼ直線的に結ぶ範囲
    内に収束するとともに、前記励磁された電磁石の進行方
    向後方に位置する非励磁の電磁石に対向する前記磁性体
    部分は磁束の空白域となり、前記収束した前記磁束によ
    り前記移動体に駆動力を付与してなることを特徴とする
    動力発生装置。
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JPS61162289U (ja) * 1985-03-29 1986-10-07
JPS6261180U (ja) * 1985-10-04 1987-04-16
JPH02123956A (ja) * 1988-10-31 1990-05-11 Mitsumi Electric Co Ltd Dcブラシレスモータ
JPH03289391A (ja) * 1990-04-04 1991-12-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd ブラシレスモータ

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