JP3068570U - ウエスト補整部を有する下着 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 当て布をすることなくパワーに強弱を持たせ
て、所要の部位の補整力を高めると共に、全体的な締め
付け感はなくす。 【解決手段】 ウエストラインを挟む上下両側部に補整
部を有する下着であって、上記ウエスト補整部は、前面
部分と両側部分とは生地を変え、いずれか一方を一方向
に伸びを有するワンウェイ生地で構成し、いずれか他方
を直交する二方向に伸びを有するツーウェイ生地で構成
し、かつ、留具で開閉される１つの開閉部と、少なくと
も２ヶ所に上下両端間に縦方向に取り付けるボーンを内
蔵している。例えば、サイド部は伸びの小さいワンウエ
イ生地から形成してパワーを高め、ウエストのくびれを
現出できるようにすると共に腹部のパワーはサイドより
も小さくして締め付け感を無くしている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ウエストニッパー等のウエスト補整部を有する下着に関し、特に、 当て布をすることなく所要のパワーを持たせて補整できるようにし、かつ、前面 側の腹部よりはサイドの補整をしたい場合、あるいはサイドよりも腹部の補整を したい場合のいずれにも対応できるようにするものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、主として腹部やウエストのサイドを押さえて補整するウエストニッパー やガードルにおいては、全体的に伸びが小さくパワーのある生地で形成し、補整 対象箇所には、伸びが小さく（あるいは伸びがなく）緊締力の大きい素材や編み 方からなる当て布を施して、補整対象箇所を強く押さえている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように、全体的に伸びの小さい生地で形成しているため、着用時には締付 感が強く、着用感が悪くなる問題がある。また、特に補整したい箇所には、裏側 に当て布を施しているため、すっきりとしないと共に着用感も悪く、かつ、縫製 作業に手数がかかる問題がある。

【０００４】 さらに、一般にウエストニッパーで補整すると、サイドの脇側へ肉が流れやす く、サイドに横皺がよりやすく、ウエストをくっきりとする要望に十分に応えら れず、全体的なシルエットが悪くなる問題がある。また、着用者によっては前面 側よりもサイドをしっかりと押さえてウエストのくびれを強調したい場合がある が、前面側よりもサイド側の締付力を大きくしたものは殆どなく、脇線に沿って ボーンを入れているだけである。よって、ボーンによる部分的な締め付けは出来 るが、広い面積でサイドを前側部分よりも締め付けて、ウエストのくびれを強調 できるものは提供されていない。

【０００５】 本考案は上記した従来の問題に鑑みてなされたものであり、当て布を用いずに 生地を切り替えてパワーに強弱をつけ、前面側の腹部よりはサイドの補整をした い場合、あるいはサイドよりも腹部の補整をしたい場合のいずれにも対応できる ようにするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は、ウエストラインを挟む上下両側部に補 整部を有する下着であって、 上記ウエスト補整部は、前面部分と両側部分とは生地を変え、いずれか一方を 一方向に伸びを有するワンウェイ生地で構成し、いずれか他方を直交する二方向 に伸びを有するツーウェイ生地で構成し、上記ワンウエイ生地の伸びはツーウエ イ生地の伸びよりも小さくしてパワーを持たせると共に、 留具で開閉される１つの開閉部と、少なくとも２ヶ所に上下両端間に縦方向に 取り付けるボーンを内蔵していることを特徴とするウエスト補整部を有する下着 を提供している。

【０００７】 上記ワンウエイ生地のパワーは当て布を縫着することなく所要のパワーとし、 かつ、ウエスト補整部はいずれの部位も１枚の布から形成すると共にワンウエイ あるいはツーウエイの伸びを持たせている。

【０００８】 上記ワンウエイ生地およびツーウエイ生地ともパワーネット、トリコット、ベ ア天竺等が好適に用いられる。ワンウェイ生地の伸びは、縦方向、横方向、ある いは斜め方向のいずれの方向でもよく、また、ツーウェイ生地の伸びも同様に、 縦横の二方向や、互いに直交する斜め二方向のいずれでもよく、該生地を使用す る部位の身体運動方向や所望の補整効果に応じて伸び方向を設定している。また 、ワンウエイ生地の伸びはツーウエイ生地の伸びよりも小さく設定し、ワンウエ イ生地を補整力を強めたい部分に配置し、ツーウエイ生地を運動追従性を持たせ たい部分に配置している。

【０００９】 上記のように、ウエスト補整部は、留具で開閉される１つの開閉部と、少なく とも２ヶ所に上下両端間に縦方向に取り付けるボーンを内蔵している。 ボーン を内蔵することにより生地をサポートして、生地に皺がよりにくくしていると共 に補整機能をより安定させることが出来る。このボーンによる補整は、両側の脇 線ラインに沿った位置と背面中央位置の３カ所に設けることが好ましいが、この ３カ所の位置のいずれかに上記留具で開閉される開閉部が位置すると、該開閉部 がボーンと同一の機能を発揮するため、ボーンは最低２カ所に取り付けている。 なお、ボーンの取付位置は上記３カ所に限定されない。このように、ボーンまた は開閉部を両脇線に配置することにより、ウエストサイドのくびれを美しく形成 できるとともに、ウエストラインを安定的に保持することができる。

【００１０】 上記開閉部は、フック、ファスナー、マジックテープ等の留具を用いることが 考えられるが、いずれの場合も、着用者のウエストサイズの変化に応じて調節が 可能なように、２段階や３段階等の段階式開閉部とすることが好ましい。

【００１１】 上記のように、本考案の下着では、その補整部を構成する生地を、前面部分と 両側部分とで分けて、パワーや伸び方向に変化を持たせ、締付力を強めたい両側 部分あるいは前面部分は一方向の伸びしか有しない生地で形成していることによ り、パワーの強い別の生地からなる当て布を施さずに補整機能を与えることがで きる。また、全体を均等に締め付ける場合に生じる強い窮屈感や、運動追従性が 少ないことから生じるシルエットの崩れを防止することができる。

【００１２】 上記ウエスト補整部は、その最大幅を上限位置がバスト下部で下限位置が鼠渓 溝とし、最小幅をウエストを挟んで上下１５センチの範囲とすることが好ましい 。上限位置をバスト下部、下限位置を鼠渓溝としているのは、上限位置がバスト 部に達すると膨出した乳房を圧迫し、また下限位置が鼠渓溝の下部に達すると、 動きの大きい脚ぐりに当たり腰の屈曲等の運動を阻害することに因る。また、最 小幅をウエストを挟んで上下１５センチの範囲としているのは、１５センチ以下 では補整部が小さすぎて補整箇所の肉を自然に分散できず、補整部周辺に肉が流 れて隆起するなど、美しいウエストラインの形成を阻害することに因る。

【００１３】 具体的には、ウエストのくびれを出して強調したいウエストニッパー等では、 ウエスト補整部の前部および背部は上記ツーウェイ生地で構成し、両側部は横方 向にのみ伸びを有すると共に縦方向には伸びないワンウェイ生地で構成し、かつ 、両側部のワンウェイ生地の横方向の伸びは前部および背部のツーウェイ生地の 横方向の伸びよりも小さくしている。

【００１４】 上記構成により、ウエストサイドを強く緊締しながら、前部及び背部に当たる 生地には比較的伸びの大きい生地を用いることにより、くびれを強調したウエス トラインを形成すると共に全体の締めつけ感を緩和して良好な着用感も確保する ことができる。また、特に横皺の生じがちなウエストサイドに当たる両側部の生 地に横方向の伸びを持たせると、横皺を解消して一層美しいシルエットを実現す ることができる。

【００１５】 あるいは、腹部を押さえて前面側をスッキリとしたいウエストニッパー等では 、ウエスト補整部の前部は横方向にのみ伸びを有するワンウェイ生地で構成し、 両側部および背部はツーウェイ生地で構成し、前部のワンウェイ記事の横方向の 伸びは上記両側部および背部のツーウェイ生地の横方向の伸びよりは小さくして いる。

【００１６】 上記のように、腹部に当たる前部を緊締力の大きい生地で形成することにより 、腹部をしっかり押さえて腹部の膨らみを押さえることが出来る一方、両側部か ら背部にかけてツーウェイの生地を用いることにより、全体の締めつけ感を緩和 しながらも腹部の肉を分散させることができる。また、両側部には縦横の伸びが 確保されているため、運動追従性がよく、気になる横皺の発生も防止できる。

【００１７】 上記ウエスト補整部において、ウエストラインより下部の前部両側の腸骨稜に 当たる部分は、上記ツーウェイ生地で構成してもよい。腸骨稜付近は骨が隆起し ており、締結力の強い素材が当接されると、圧迫されて痛くなったりすることも あるため、伸びのあるツーウェイ生地で形成すると、高い運動追従性を確保して 着用感を向上させることができる。

【００１８】 上記ボーンは少なくともワンウェイ生地とツーウェイ生地との切替位置に配置 することが好ましい。この切替位置は前面側では脇線と腹部中央の間の中間に位 置し、背面側では脇線と背面中央の間の略中心に位置する。

【００１９】 上記のように生地の切り替え部分にボーンを位置させると、ボーンの取付のた めに生地を分断する必要がなく左右生地の縫合箇所に、容易にボーンの取付を行 うことが出来る。また、前面側の生地切替位置に沿ってボーンを配置すると、腹 部を押さえ機能を補強できると共に補整力を分散させて着用感を向上させること ができる。また、背面側の生地切替位置にボーンを配置すると、背筋をサポート し、姿勢を美しく保持することができる。

【００２０】 上記ウエスト補整部を有する下着は、ウエスト補整部のみからなるウエストニ ッパー、ウエスト補整部の上部にブラジャーを備えたロングブラジャー、あるい はウエスト補整部の下部にペチコートあるいはガードル部を一体的に設けた下着 としてもよい。

【００２１】

【考案の実施の形態】

以下、考案の実施形態を図面を参照して説明する。 図１乃至図３は、本考案の第一実施形態に係るウエストニッパー１０を示し、 前身頃布１１、後身頃布１２、左右一対のサイド布１３、１４で構成している。 前身頃布１１の略中央を分断して開閉部１５を設けている。

【００２２】 上記前身頃布１１および後身頃布１２は、図中矢印で示すように、縦方向と横 方向の両方に伸びを持たせたツーウェイのパワーネットからなる生地で形成して いる。一方、左右のサイド布１３、１４は、図中矢印で示すように、横方向に伸 びを持たせているが、縦方向には伸びないワンウェイの光沢のあるパワーネット からなる生地で形成している。サイド布１３、１４の横方向の伸びは、前身頃布 １１や後身頃布１２の横方向の伸びよりも小さくしている。

【００２３】 上記前身頃布１１は、前身頃中央部分に配置し、上端１１ａを略バスト下部に 当たる位置、下端１１ｂを略鼠渓溝にあたる位置とし、本実施形態では該上端１ １ａから下端１１ｂまでの長さは２３ｃｍとしている。左右両端縁１１ｃ、１１ ｄは、左右脇線Ｌ１、Ｌ２から前身頃中心線Ｌ３側へ所要幅あけた位置に寄せる と共に、上端１１aおよび下端１１bより中央の腹部側に向けて近接する方向に幅 狭となる湾曲したくびれ部１１ｅ、１１fを設けている。

【００２４】 上記後身頃布１２は、後身頃中央部に配置し、上端１２aを肩甲骨下部に当た る位置、下端１２ｂを臀部上部に当たる位置とし、左右両端縁１２ｃ、１２ｄは 、左右脇線Ｌ１、Ｌ２から後身頃中心線Ｌ４側へ所要幅あけた位置に寄せている 。詳しくは、上端１２ａからウエストライン近傍までほぼ同幅で略直線状に垂下 させた後、下端１２ｂに近接する方向に幅広として、膨出する臀部上部の外輪に 沿わせている。

【００２５】 左右一対のサイド布１３、１４は、脇部に配置し、上端１３ａ、１４ａをバス トライン下部に当たる位置とし、下端１３ｂ、１４ｂを腰骨上部に当たる位置と している。サイド布１３、１４の前身頃側に位置する端縁１３ｃ、１４ｃおよび 後身頃側に位置する端縁１３ｄ、１４ｄはいずれも略直線状であり、上端１３ａ 、１４ａと下端１３ｂ、１４ｂの幅がほぼ同一となるよう裁断している。

【００２６】 上記前身頃布１１を分断して形成した開閉部１５は、一方端縁に多数（本実施 形態では１３個）のフック１５ａを縦方向に等間隔に並列すると共に横方向に所 要間隔をあけて３列に並べて縫着すると共に、他方端縁には、対応個数のフック 係止片１５ｂを縦方向に等間隔に並べて取り付けている。

【００２７】 上記前身頃布１１の左右側端縁１１ｃと左右サイド布１３、１４の前身頃側端 縁１３ｃ、１４ｃとを夫々縫着すると共に、後身頃布１２の左右両端縁１２ｃ、 １２ｄと左右サイド布１３、１４の後身頃側端縁１３ｄ、１４ｄとを夫々縫着し てほぼ同幅の帯状に形成している。かつ、上記３箇所の上記縫着箇所、および左 右脇線Ｌ１、Ｌ２と後身頃中心線Ｌ４上の計６箇所に袋体２１に通してボーン２ ０を装着している。ボーン２０として本実施形態では平板状の金属製スパイラル ボーンを用いているが、ボーン２０の種類は限定されず、樹脂製の棒状の物等で もよい。また、上記開閉部１５の上下両端を除いて、ウエストニッパー１０の上 縁と下縁の裏側に細幅の伸縮性テープ２２を取り付けている。

【００２８】 上記構成からなるウエストニッパー１０は、両脇部に当たる部分を左右サイド 布１３、１４で形成し、該左右サイド布１３、１４は伸びの小さいパワーネット で形成しているため、当て布をすることなく、ウエストサイドを広い面積でしっ かり緊締でき、美しくスッキリとしたウエストのくびれを現出することができる 。また、横方向の伸びを確保しているため、横皺の発生を無くすことができ、着 用感の向上を図ることができる。

【００２９】 また、両脇線と背部のみでなく、腹部当接箇所も含めてウエスト周囲全体に複 数本のボーンを間隔をあけて装着しているため、腹部の膨垂も補整し、パワーを 分散しながら美しいウエストラインへの補整力と該ラインの保持力を高めること が出来る。特に、腹部に当たる前身頃に縦横のツーウェイの伸縮性を持たせるこ とにより、補整下着着用時に特有の締めつけ感を緩和することができ、補整力と 着心地の双方の向上を図ることができる。

【００３０】 図４および図５は第１実施形態の変形例を示し、第１実施形態との相違点は、 左右サイド布１３′、１４′に、横方向に伸びがなく縦方向に伸びを持たせたワ ンウェイのパワーネットからなる生地を使用している点である。

【００３１】 左右サイド布１３′、１４′の縦方向の伸びは、前身頃布１１や後身頃布１２ の縦方向の伸びよりも小さく設定し、さらに横方向の伸びがないため、ウエスト サイドを一層しっかり緊締すると共に、縦方向に確保された伸縮性によって脇線 の挙動にスムーズに追従させることができる。

【００３２】 図６および図７は第２実施形態のウエストニッパー３０を示し、前身頃中央布 ３１、前身頃左側布３２、前身頃右側布３３、左右サイド布３４、３５、左右後 身頃布３６、３７、および左右腸骨布３８、３９で構成しており、第１実施形態 と同様に前身頃中央布３１に留具で係止される開閉部４０を設けている。

【００３３】 上記前身頃中央布３１、前身頃左側布３２、および前身頃右側布３３は、横方 向には伸びを持たせているが縦方向には伸びないワンウェイの光沢あるパワーネ ットからなる生地で形成している。一方、左右サイド布３４、３５、左右後身頃 布３６、３７および左右腸骨稜布３８、３９は、縦方向と横方向の両方に伸びを 持たせたツーウェイのパワーネットからなる生地で形成している。前身頃中央布 ３１、前身頃左側布３２、前身頃右側布３３の横方向の伸びは、左右サイド布３ ４、３５や左右後身頃布３６、３７の横方向の伸びよりも小さくしている。

【００３４】 上記前身頃中央布３１は、腹部中央に配置し、上端３１ａをバスト下部に当た る位置とし、下端３１ｂを鼠渓溝ライン上とし、左右両端縁３１ｃ、３１ｄは前 身頃中心線Ｌ３から両脇寄りに所要幅移行した位置とした略長方形状としている 。

【００３５】 前身頃左側布３２は、腹部左脇寄りに配置し、上端３２ａをバスト下部に当た る位置とし、下端３２ｂを鼠渓溝ライン上とし、右端縁３２ｄは上記前身頃中央 布３１の左端縁３１ｃに対応してほぼ直線状であるが、脇側の左端縁３２ｃは、 上端３２ａから下端３２ｂに向けて垂下しながらウエストライン付近で腹部中央 部寄りに湾曲させて僅かにくびれ３２ｅを形成した後、腸骨稜のラインに沿って 円弧部３２ｆを形成しながら右端縁３２ｄに近接し、下端３２ｂに近接する方向 に幅狭としている。 また、上記前身頃右側布３３は上記前身頃左側布３２と左右対称の形状として いる。

【００３６】 左右サイド布３４、３５は、両脇部に配置し、上端３４ａ、３５ａをバストラ イン下部に当たる位置とし、下端３４ｂ、３５ｂを腰骨に当たる位置としている 。サイド布３４、３５の前身頃側端縁３４ｃ、３５ｃおよび後身頃側端縁３４ｄ 、３５ｄはいずれも略直線状であり、上端３４ａ、３５ａと下端３４ｂ、３５ｂ の幅がほぼ同一となるよう裁断している。

【００３７】 左右一対の後身頃布３６、３７は、背部の中央から下部にかけて配置し、上端 ３６ａ、３７aを肩甲骨下部に当たる位置、下端３６ｂ、３７ｂを臀部上部に当 たる位置とし、後身頃中心線Ｌ４を軸に左右対称の形状としている。該左右の後 身頃布３６、３７は、ウエスト背部の凹みと臀部上部の膨出に沿う形状とし、詳 しくは、互いに縫着する端縁３６ｂ、３７ｂは、後身頃中心線Ｌ４に沿って下端 ３６ｂ、３７ｂまで垂下し、一方の脇側端縁３６ｃ、３７ｃは、上端３６ａ、３ ７aからウエストライン付近に近接する方向に幅狭となるよう僅かに湾曲しなが ら垂下してくびれ３６ｅ、３７ｅ、を形成した後、下端３６ｂ、３７ｂに近接す る方向に幅広となるように脇線Ｌ３、Ｌ４へと近接させている。

【００３８】 上記左右の腸骨稜布３８、３９は、左右対称の略三角形状をなし、それぞれ左 右の腸骨稜に当たる位置に配置される。詳しくは、上端３８ａ、３９ａから下端 縁３８ｂ、３９ｂに近接する方向に幅広となるように、腹部側端縁３８ｃ、３９ ｃは腸骨稜に沿った円弧を描いて垂下し、脇側端縁３８ｄ、３９ｄでは左右サイ ド布３４、３５の端縁に対応して略直線上に垂下している。

【００３９】 上記ウエストニッパー３０は、上記前身頃中央布３１、前身頃左側布３２、前 身頃右側布３３、左右サイド布３４、３５、左右後身頃布３６、３７および左右 腸骨稜布３８、３９の対向する端縁を縫着している。

【００４０】 上記縫着箇所のうち、左右腸骨稜布３８、３９と前身頃左側布３２および前身 頃右側布３３との縫着箇所を除いた計６箇所の縫着箇所と、前身頃右側布３３と 被係止部４０ｂとの縫着箇所との計７箇所に、袋体４２に通してボーン４１を装 着している。

【００４１】 上記のようにボーン４１を挿入した袋体４２を縫着した後、開閉部４０の上下 端縁をのぞくウエストニッパー３０の上縁と下縁の裏側に細幅の伸縮性テープ４ ３をとりつけている。

【００４２】 上記構成からなるウエストニッパー３０は、前身頃布をワンウエイ生地で形成 しているため、腹部をしっかりを押さえることができる。一方、左右サイドから 背部にかけては縦横のツーウェイに伸縮性のある生地で形成しているため、ウエ スト周り全体の締め付け感を緩和し着心地を良好にすると共に、左右脇部に生じ がちな横皺も解消することができる。

【００４３】 また、第１実施形態のウエストニッパー１０と同様に、伸縮力や伸縮方向の異 なる生地を部位によって切り替えて所要のパワーを与えているため、部分的に当 て布を取り付けて、生地を二枚重ねすることなく、腹部、脇部、背部の全ての部 位で一枚の生地のみで所要の締め付け力を与えることができる。そのため、当て 布をする必要がなく、縫製作業を簡単に出来ると共にコスト低減を図ることがで きる。

【００４４】 図８は第２実施形態の変形例を示し、第２実施形態との相違点は、左右一対の 後身頃布３６′、３７′を、縦方向に伸びがなく横方向に伸びを持たせたワンウ ェイのパワーネットからなる生地で形成している点である。この横方向の伸びは 、左右サイド布３４、３５などのツーウェイに伸びを有するパワーネットの横方 向の伸びよりも小さくしている。

【００４５】 本変形例では、背部に伸びの小さい生地を配置することにより背筋をサポート するコルセット効果が生じ、良好な姿勢を保持すると共に腰痛を防止および緩和 することができる。

【００４６】 なお、本考案の下着は上記実施形態に記載のウエストニッパーに限定されず、 図９に示すロングブラジャー５０のアンダー部分５０ａに適用することができる 。また、図１０に示すウエストニッパー５２の下端にペチコート５３を一体的に 縫着した下着５１にも適用することができる。

【００４７】 なお、本考案は上記実施形態に限らず、例えば、ワンウェイの生地の伸び方向 は、横方向、縦方向に限らず、斜め方向に持たせてもよい。また、生地もパワー ネットに限らず、トリコットやベア天竺、ラッシェルレース等でもよい。開閉部 については、フックに限らず、ファスナーやマジックテープでもよく、その位置 も腹部や脇部に限定するものではない。

【００４８】

【考案の効果】

以上の説明より明らかなように、本考案のウエスト補整部を有する下着では、 一方向の伸びを有するワンウェイ生地と二方向に伸びのあるツーウェイ生地を、 腹部に当たる前部と、両脇に当たる両側部とで切り替えているため、ニーズに応 じて、サイド押さえの強い補整部を有するウエストニッパー等の下着、あるいは 腹部押さえの強い補整部を有する下着と、使い分けて設けることができる。

【００４９】 また、特に、いずれの位置にも当て布をしてパワーを高めることはせず、生地 の伸びや伸び方向を調節することにより所要の位置に所要のパワーを持たせてい るため、全体をスッキリとまとめることができると共に縫製作業を容易とし、コ ストの低下を図ることができる。

【００５０】 このように、ワンウエイ生地とツーウエイ生地とを使い分けることにより、所 要位置に十分な補整機能を持たせることが出来ると共に、全体的な締めつけ感の 緩和を図ることができる。また、伸びのない生地を用いていないため、補整した ウエストライン上、特に、脇側に生じがちな横皺も適度な伸びによって解消する ことができ、シルエットを一層すっきりと美しく形成できると共に着用感の向上 を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１実施形態のウエストニッパーの正面図で
ある。

【図２】 図１の背面図である。

【図３】 開閉部を開いた状態の正面図である。

【図４】 第１実施形態の変形例の正面図である。

【図５】 図４の背面図である。

【図６】 第２実施形態のウエストニッパーの正面図で
ある。

【図７】 図６の背面図である。

【図８】 第２実施形態の変形例の背面図である。

【図９】 （Ａ）はロングブラジャーに適用した場合の
正面図、（Ｂ）は背面図である。

【図１０】 ウエストニッパーとペチコートとを一体化
した場合の図面である。

【符号の説明】

１０ ウエストニッパー １１ 前身頃布 １２ 後身頃布 １３、１４ サイド布 １５ 開閉部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 近藤 めぐみ 京都府京都市南区吉祥院中島町29番地 株 式会社ワコール内 (72)考案者 二村 さおり 京都府京都市南区吉祥院中島町29番地 株 式会社ワコール内

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ウエストラインを挟む上下両側部に補整
   部を有する下着であって、 上記ウエスト補整部は、前面部分と両側部分とは生地を
   変え、いずれか一方を一方向に伸びを有するワンウェイ
   生地で構成し、いずれか他方を直交する二方向に伸びを
   有するツーウェイ生地で構成し、上記ワンウエイ生地の
   伸びはツーウエイ生地の伸びよりも小さくしてパワーを
   持たせると共に、 留具で開閉される１つの開閉部と、少なくとも２ヶ所に
   上下両端間に縦方向に取り付けるボーンを内蔵している
   ことを特徴とするウエスト補整部を有する下着。
2. 【請求項２】 上記ワンウエイ生地のパワーは当て布を
   縫着することなく所要のパワーとし、かつ、ウエスト補
   整部はいずれの部位も１枚の布から形成すると共にワン
   ウエイあるいはツーウエイの伸びを持たせている請求項
   １に記載のウエスト補整部を有する下着。
3. 【請求項３】 上記ウエスト補整部は、その最大幅を、
   上限位置がバスト下部とすると共に上限位置が鼠渓溝の
   範囲とし、最小幅を、ウエストを挟んで上下１５センチ
   の範囲としている請求項１または請求項２に記載のウエ
   スト補整部を有する下着。
4. 【請求項４】 上記ウエスト補整部の前部および背部は
   上記ツーウェイ生地で構成し、両側部は横方向にのみ伸
   びを有すると共に縦方向には伸びないワンウェイ生地で
   構成し、かつ、両側部のワンウェイ生地の横方向の伸び
   は前部および背部のツーウェイ生地の横方向の伸びより
   も小さくしている請求項１乃至請求項３のいずれか１項
   に記載のウエスト補整部を有する下着。
5. 【請求項５】 上記ウエスト補整部の前部は横方向にの
   み伸びを有するワンウェイ生地で構成し、両側部および
   背部はツーウェイ生地で構成し、前部のワンウェイ生地
   の横方向の伸びは上記両側部および背部のツーウェイ生
   地の横方向の伸びよりは小さくしている請求項１乃至請
   求項３のいずれか１項に記載のウエスト補整部を有する
   下着。
6. 【請求項６】 上記ウエスト補整部において、ウエスト
   ラインより下部の前部両側の腸骨稜に当たる部分は、上
   記ツーウェイ生地で構成している請求項５に記載のウエ
   スト補整部を有する下着。
7. 【請求項７】 上記ボーンは少なくともワンウェイ生地
   とツーウェイ生地との切替位置に配置している請求項１
   乃至請求項６のいずれか1項に記載のウエスト補整部を
   有する下着。
8. 【請求項８】 上記ウエスト補整部を有する下着は、ウ
   エスト補整部のみからなるウエストニッパー、ウエスト
   補整部の上部にブラジャーを備えたロングブラジャー、
   あるいはウエスト補整部の下部にペチコートあるいはガ
   ードル部を一体的に設けた下着からなる請求項１乃至請
   求項７のいずれか1項に記載のウエスト補整部を有する
   下着。