JP3068432B2 - メカニカルシール - Google Patents

メカニカルシール

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JP3068432B2
JP3068432B2 JP7115679A JP11567995A JP3068432B2 JP 3068432 B2 JP3068432 B2 JP 3068432B2 JP 7115679 A JP7115679 A JP 7115679A JP 11567995 A JP11567995 A JP 11567995A JP 3068432 B2 JP3068432 B2 JP 3068432B2
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pressure
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興二 竹下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転軸の軸封部からの
流体の漏洩を防止するメカニカルシール、特に、ガス圧
縮機などの高圧回転機械の軸封部に使用されるメカニカ
ルシールに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来、ガス圧縮機に使用されて
いる、メカニカルシールの一例を示す縦断面図、図7
は、その固定リング2の前端面に設けられる軸封面(摺
動面)を示す部分正面図である。
【0003】これらの図に示すように、メカニカルシー
ルは、回転軸5の外周面と回転軸5を囲繞するケーシン
グ8の内周面で形成される、高圧室3と低圧室4の間
を、回転軸5の外周面に一対の軸スリーブ6,7で固定
された回転リング1の後端面と、ケーシング8の内周面
に嵌挿されたシールハウジング9、および後端がシール
ハウジング9とばね10を介装して取付けられて、シー
ルハウジング9の内部を前後動する支持リング11を介
装して取付けられ、ばね10の弾性力で回転リング1の
後端面に付勢される固定リング2の前端面とで形成され
る軸方向の隙間、いわゆる円環状の軸封面でシールする
ようにしている。そして、このようなメカニカルシール
においては、高圧室3から回転リング1と固定リング2
との間に形成される、軸方向隙間(以下単に隙間とい
う)を通り、低圧室4側へ流出する流体の漏洩量を低減
するために、隙間を小さく、かつ安定的に保持する必要
がある。
【0004】そのため、図7に示す固定リング2前端の
軸封面には、環状の円周溝11が凹設されるとともに、
この円周溝11内を固定リング2外周の高圧室3に半径
方向に連通するための連通孔12が、固定リング2の内
部に円周方向に複数個設けられている。また、図6に示
すように、回転リング1後端面の軸封面には、回転軸5
の回転により、連通孔12を通って高圧室3より流入し
た固定リング2の円周溝11内の流体を、高圧室3側方
向へ移送するらせん溝31が円周方向に複数個設けられ
ている。
【0005】このように、メカニカルシールの軸封面を
構成することで、回転軸5の回転により、回転リング1
の軸封面に設けられた複数個のらせん溝31によって、
固定リング2の円周溝11内の流体を、高圧室3側に移
送することにより発生する流体圧と、固定リング2の円
周溝11から両リング1,2の隙間を通って、低圧室4
へ流入する流体圧が、回転リング1の後端面と固定リン
グ2の前端面の間に形成される軸封面内に作用し、回転
リング1の後端面と固定リング2の前端面の接触を防止
するようにしている。
【0006】すなわち、回転リング1のらせん溝31内
で発生する流体圧は、回転リング1と固定リング2との
間の隙間の大きさによって変化するため、固定リング2
に作用する背面の流体力とばね10の力の和と、軸封面
隙間内で発生する流体力の和が等しくなるように、固定
リング2は軸方向に移動し、回転リング1と固定リング
2との間の軸封面軸方向には、適正な大きさの隙間が保
持される。
【0007】特に、回転リングに円周方向に複数個設
けたらせん溝31では、回転軸5の回転とともに、円周
溝11から回転リング1の高圧側へ導かれる流体が、流
体動力学的に昇圧され、隙間が小さいときは、大きな圧
力となる、いわゆるフィルム剛性を有するため、安定し
た隙間の大きさを保持し、しかも両リング1,2の接触
を防止する。
【0008】しかしながら、高圧室3圧力が大きくな
り、低圧室4の圧力との差圧が大きくなると、流体が高
圧室3より低圧室4に流れるとき、両リング1,2の隙
間の中で、音速になり、チョークする。その結果、低圧
室4境界線上の圧力が高くなる。また、このような状態
では、隙間が大きくなると、隙間内の流れの粘性抵抗が
相対的に小さくなり、低圧室4境界線上の圧力が一層高
くなる傾向にある。このことは、隙間が大きくなると、
フィルム圧力が大きくなるいわゆるフィルム剛性が、負
の値となり、隙間がある値を越えると、一度に口開きと
なる不安定現象を生ずるという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来のメカニカルシールの不具合を解消するため、回転リ
ング、又は固定リングの内周面に切欠きを設け、回転リ
ングと固定リングの間の軸封面軸方向の隙間からの低圧
室へ開口する部分の境界線を波状にして、境界線上の周
長を長くして、隙間と低圧室との間に形成される境界線
上における流路の面積を大きくして、流速を下げるよう
にし、チョークの発生を防止するようにしたメカニカル
シールを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のメカ
ニカルシールは次の手段とした。回転軸の外周面に形成
される高圧室と低圧室の間に軸封面を形成する回転リン
グの後端面、若しくは固定リングの前端面の、少くとも
一方に形成される軸封面の低圧室に開口させるようにし
た内周が内周長を長くするため波形にされた波形溝を
円周溝よりも内周側に凹設した。なお、波形溝の形状
は、波形溝の周縁の長さが、波形を設けないときの軸封
面の内周長より、20%以上長くなるような形状にする
ことが好ましい。また、波形溝の波形は、直線で形成さ
れるもののほか、円弧で形成するようにしたものでも良
い。
【0011】
【作用】本発明のメカニカルシールは、上述の手段によ
り、低圧室に開口する回転リングの内周側、若しくは固
定リングの内周側、すなわち隙間と低圧室の境界線の形
状を波形にすることにより、低圧室との境界線周長を長
くすることができ、回転リングの後端面と固定リングの
前端面で形成される軸封面から、低圧室への出口流路面
積が大きくなり、高圧室側の圧力を、より高圧にしても
低圧側境界線上で発生するチョーク現象を防止し、軸封
面隙間の大きさの安定化を図ることができる。また、境
界線周長に応じて、チョークしない範囲での高圧室の圧
力が選定可能となり、高圧室の高圧化に有効となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明のメカニカルシールの実施例を
図面に基づき説明する。図1は、本発明のメカニカルシ
ールの一実施例を縦断面図である。
【0013】図に示すように、回転軸5の外周面と回転
軸5を囲繞するケーシング8の内周面の間には、高圧室
3および低圧室4が形成されている。また、回転軸5の
外周面には、回転リング1が一対の軸スリーブ6,7で
回転軸5外周面上に固定され、突設されている。回転リ
ング1の前端面は、軸スリーブ6と回り止め21、およ
びシールリング17を介して連結されるとともに、後端
面には、図2に示すように、回転方向に傾斜させ、高圧
室3へ外周端が開口する、半径方向に凹設された複数条
のらせん溝31が設けられている。
【0014】また、ケーシング8の内周面にシールリン
グ16を介して嵌挿され、ボルト25で後端がケーシン
グ8に固定され、ケーシング8内周面に後端部を突設さ
せたシールハウジング9が設けられている。このシール
ハウジング9の突設部との間に介装された回り止め2
3、およびシールリング20を設け、ばね10で後端面
が連結され、回転軸5の軸方向にシールリング9内を前
後動できる支持リング32が設けられている。この支持
リング32の前端面には、固定リング102が回り止め
34、およびシールリング32を介装して連結されてい
る。
【0015】この固定リング102には、前端面に、図
3に示すように円環状の円周溝111が凹設されるとと
もに、この円周溝111と外周面の高圧室3とを連通す
る連通孔112が半径方向に複数個穿設されている。ま
た、固定リング102の内周側、すなわち低圧室4に対
向する内面側の前端面には、図3、および図3のA部詳
細図である図4に示すように、外周縁を波形に形成した
波形溝113が凹設されている。なお、本実施例とは異
なり、波形溝113を回転リング1の後端内周側に設け
るようにしても良いものである。また、シールハウジン
グ9の内周面には、固定リング102の過度の前進を止
めるストッパ24が突設されている。
【0016】このように、回転軸5に固定した回転リン
グ1の後端面と、該回転軸5を囲繞するケーシング8に
取付けられたばね10により、回転リング1に向って押
付けられる固定リング2の前端面とで軸封面を形成し、
高圧室3と低圧室4との間をシールする軸封面が形成さ
れたメカニカルシールにおいて、回転リング1の後端面
に、高圧室3に開口し、回転リング1の回転により、高
圧ガスを吸入するように設けられた複数条のらせん溝3
1を有し、かつ回転リング1、または固定リング2の、
少くともいずれかの一方の対向面に、低圧室4に開口し
た複数個の波形溝113を設け、この波形溝113の圧
力が、低圧室4の圧力とほぼ等しくなるような深さと
し、軸封面の隙間の内周と波形溝113の外周と構成さ
れる低圧室4の周縁周長が、波形溝113を設けないと
きの周縁周長より以上長くしている。また、この周縁周
長は波形溝113を設けないときの周縁周長より20%
以上長くなるよう波形を形成することが好ましい。
【0017】このため、ガスが高圧室3から低圧室4に
軸封面に形成される、せまい隙間内を流れるとき、ガス
の粘性のため、ゆるやかに圧力が低下するとき、圧力低
下に応じて、ガスの比容積が大きくなるため、低圧側に
行くほど、流速が大きくなる。また、高圧室3と低圧室
4の圧力比が大きくなる程、隙間にガスが流入する入口
と、低圧室4へ隙間から流出する出口部の速度比も大き
くなるが、この隙間が小さく、ガス漏洩量が少ないとき
は、低圧室4への出口部の流速が音速に達することがな
く、チョーク現象、あるいは隙間の不安定現象は生じな
い。
【0018】また、高圧室3と低圧室4の圧力比が大き
くなるとともに、隙間が大きくなった場合には、固定リ
ング102の内周側前端面に無数の波形を設けた波形溝
113を設け、隙間と低圧室4との境界線の形状を波形
にして、しかも、この境界線上の圧力が低圧室4とほぼ
同じとなるような軸方向にも、十分な深さのある波状形
状として、低圧室4と隙間の境界の周長を長くすること
により、流路の面積を大きくして流速を下げることがで
き、境界線上の流速が音速に達することがない。出口部
における流速を下げるため、出口部の隙間を大きくする
ように、テーパを付けた場合に生じる圧力分布が変化
し、流体静力学的に不安定になる、いわゆるフィルム剛
性が負になることによる隙間の不安定現象も生じない。
【0019】次に、図5は本発明の第2実施例を示す図
で、固定リング202の前端面内周側に、図3に示す直
線状の外周縁にした波形溝113に代えて、外周縁に円
弧状の切欠きを設けて波形溝213にしたものである。
本実施例の波形溝213は、低圧側境界線の長さを大き
くする手段として、ボール盤などにより、比較的容易に
機械加工できる利点がある。なお、作用、効果は、第1
実施例と同じである。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のメカニカ
ルシールによれば、特許請求の範囲に示す構成により、
回転リングの後端面と固定リングの前端面で形成される
軸封面の軸方向隙間と低圧室との境界線近くの流線が、
図4に示すように、境界線近くでは、流線が末広がり状
となり、流路が広くなり、その結果として流速が小さく
なる。このため、軸封面を流れる流体は、流線に沿って
比容積が大きくなるので、最大流速になるのは、当然境
界線上となるが、境界線上の流路面積が大きくなり、高
圧室側の圧力をより高圧にしても、チョーク現象が発生
することを防止でき、隙間の大きさの安定化を図ること
ができる。
【0021】また、逆に境界線上の周長を長くすること
により、チョークしない範囲の高圧室の圧力を高くでき
るので、圧力差の著しい高圧室と低圧室とのシールが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメカニカルシールの一実施例を示す縦
断面図、
【図2】図1に示す回転リングの軸封面を示す正面図、
【図3】図1に示す固定リングの軸封面を示す正面図、
【図4】図3のA部詳細と軸封部隙間内の流れを示す
図、
【図5】本発明の第2実施例を示す固定リングの軸封面
の正面図、
【図6】従来のメカニカルシールを示す縦断面図、
【図7】従来の固定リングの軸封面を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1 回転リング 3 高圧室 4 低圧室 5 回転軸 6 軸スリーブ 7 軸スリーブ 8 ケーシング 9 シールハウジング 10 ばね 16,17,20,23 シールリング 21,23,34 回り止め 24 ストッパ 25 ボルト 31 らせん溝 32 支持リング 102,202 固定リング 111,211 円周溝 112 連通孔 113,213 波形溝

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸の外周面に固定され、後端面に前
    記回転軸の外周に形成された高圧室に開口する複数条の
    らせん溝を半径方向に設けた回転リング、および前記回
    転軸を囲繞するケーシングの内周にばねを介装して取付
    けられ、前記らせん溝の内周端が開口する円環状の円周
    溝を前端面に設けるとともに、前記円周溝を前記高圧室
    に連通する連通孔を設け、前記回転リングの後端面に向
    けて前端面が付勢される固定リングで、前記高圧室と前
    記回転軸の外周に設けられた低圧室の間に、軸封面を形
    成するメカニカルシールにおいて、前記回転リング、若
    しくは固定リングの少くとも一方の前記軸封面に設けら
    れ、前記低圧室に開口させた波形溝を前記円周溝よりも
    内周側に凹設したことを特徴とするメカニカルシール。
JP7115679A 1995-05-15 1995-05-15 メカニカルシール Expired - Lifetime JP3068432B2 (ja)

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