JP3067731U

JP3067731U - セラミック組成物

Info

Publication number: JP3067731U
Application number: JP1999007388U
Authority: JP
Inventors: 幸輝村上
Original assignee: 幸輝村上
Priority date: 1999-09-28
Filing date: 1999-09-28
Publication date: 2000-04-11
Anticipated expiration: 2005-09-28

Abstract

(57)【要約】【課題】愛玩動物または人の死後、焼却骨を衛生的で
かつ美観を損なうことなく長期保存可能な形態を提供す
る。【解決手段】愛玩動物または人の死後、その焼却骨を
粉体化し、ガラスまたはセラミックスの原料粉体と混合
して溶融し、その溶融物をセラミック組成物に成形固化
する。セラミック組成物の形は身近に置いて慰霊できる
ように装身具等に成形する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、愛玩動物または人を火葬にした後の遺骨をガラス化またはセラミック化して成形固化されたセラミック組成物およびそれを用いたセラミック製品に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、犬、猫その他アニマルペットの飼育が盛んであり、家族同様に飼育されているケースが増加している。このようなアニマルペットも、生きものであるから当然誕生・死亡を繰り返すわけで、死亡した場合にはペットの葬儀や火葬を行うことが日常化してきている。また、その上に火葬にした骨を身近に置いておきたいと望む人もある時代となってきた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のような火葬処理して骨壺に入れただけで身近に置くことは、心情的にも感覚的にも満足できない人が増え、ペット霊園に管理を依頼したり、土中に埋める等の処理をすることになる。しかしながら長期的にみて遠方のペット霊園あるいは遺骨安置所などに、いつでも望むときに出向くというのは必ずしも容易でなく、また最近では、愛情を持って飼育していたペットの形見を身近に置きたいと望む欲求が強くなってきた。

【０００４】本考案は、上記の事情に鑑みてなされたもので、アニマルペット（愛玩動物）などの死後も何らかの形で身近に置いておきたいという人達の希望に沿うべく、美観を損なうことなく、衛生的かつ長期保存が可能な記念となるセラミック組成物を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するための本考案は、粉体化された愛玩動物または人の焼却骨を、ガラスもしくはセラミックスの原料粉体と混合して溶融し、該溶融物を成形固化したセラミック組成物である。

【０００６】本考案によるセラミック組成物はまた、粉体化された愛玩動物の焼却骨を、無色または着色された溶融状態のガラスまたはセラミックスで覆い、該焼却骨の粉体が未溶融の状態で成形固化されたセラミック組成物であってもよい。

【０００７】

【考案の実施の態様】

成形固化させる形状としては、例えば板状、球状、方形状、その他ハート形、菱形、角錐など任意の形状とすることができ、さらにこれをそれぞれの形状に合わせた容器、例えばガラス、クリスタル、陶磁器、金属など、または木製の容器に入れて生前の写真と共に身近に置くことができる。

【０００８】また、前記のセラミック組成物が所定の形状に成形固化された装身具とすることもできる。所定の形状とは、例えば円形、方形、ハート型、菱形など好みに応じて選択することができる。装身具としては、例えばネックレス、指輪、イヤリング、キーホルダーなどに加工すればよい。さらに、愛玩動物の写真をコンピュータ・グラフィック処理して、前記セラミック組成物の表面にその姿をレリーフ加工したセラミック製品とすることもできる。

【０００９】本考案について以下実施例によって具体的に説明する。

【００１０】生物の骨は主として炭酸カルシウムで成り立っているから、その焼却骨に、それをガラス化またはセラミックス化するに必要な鉱物あるいは金属酸化物を添加して、１５００℃以上の高温で処理することにより、溶融ガラス（セラミックス）となし、その溶融物を耐熱性の型枠に移していろいろな形に成型することができる。

【００１１】ガラス化するために添加する鉱物あるいは金属酸化物としては、一般的に知られたガラス原料組成を用いることができる。近年はいろいろなガラスができてその化学組成が知られており、各種のガラスを利用することができるが、ここでは一例として最も一般的な板ガラスの組成を用いると、その組成は、ＳiＯ₂ 71.87 （天然けい砂；けい石粉砕物）Ａl₂Ｏ₃ 1.71 （長石類）Ｆe₂Ｏ₃ 0.09 （けい砂に混在）ＣaＯ 7.93 （石灰石）ＭgＯ 3.99 （ドロマイト；水酸化マグネシウム）Ｎa₂Ｏ 13.93 （ソーダ灰）（括弧内は使用原料である）であり、これらの粉砕した原料に粉体化した愛玩動物の焼却骨を混合する。動物の骨はリン酸カルシウムが主成分であるので、混合する骨の量によりＣaの量を調整する。

【００１２】この混合物を１５００℃以上に加熱して溶融する。溶解温度を低下させるため板ガラスのカレットを使用すると有効である。あるいは一旦ガラス化したものをカレットとし、それを粉砕した粉体と動物の骨を混合して加熱溶融するのも一方法である。また、着色品とする場合には着色したビンガラスを用いてもよい。さらに、屈折率の大きい特殊な製品にする場合には、プリズム用ガラスの組成をベースにして原料調整すればよい。

【００１３】図１は本考案に係るセラミック組成物の一例として、愛玩動物の焼却骨を上記の要領により処理した溶融ガラスを耐火物製のハート型の型枠に入れて成形固化させたセラミック製品１に装飾用の鎖２をつけて作成したペンダントを示した。図にはハート型を示したが、円形、方形、菱形など飼い主の好みの形のものを作成することができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は上記の構成であるので、１．衛生的で、環境面においても無害である。２．霊園や慰霊所に出向くことなく、各自自由な形で慰霊することができ、経済的でもある。３．常に身近に置くことができ、外観的にも抵抗感なく飾って置くことができる。４．半永久的に保存が可能である。等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るセラミック組成物の一例を示すペ
ンダント。

【符号の説明】

１．セラミック製品２．鎖

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】粉体化された愛玩動物または人の焼却骨
を、ガラスもしくはセラミックスの原料粉体と混合して
溶融し、該溶融物を成形固化したセラミック組成物。
【請求項２】粉体化された愛玩動物または人の焼却骨
を、無色または着色された溶融状態のガラスまたはセラ
ミックスで覆い、該焼却骨の粉体が未溶融の状態で成形
固化されたセラミック組成物。
【請求項３】請求項１または２記載のセラミック組成
物が所定の形状に成形固化された装身具。
【請求項４】請求項１または２記載のセラミック組成
物の表面に愛玩動物の姿がレリーフ加工されたセラミッ
ク製品。