JP3066974U

JP3066974U - ストロ―付飲料缶

Info

Publication number: JP3066974U
Application number: JP1999006555U
Authority: JP
Inventors: 尚敏赤澤
Original assignee: 尚敏赤澤
Priority date: 1999-08-30
Filing date: 1999-08-30
Publication date: 2000-03-07
Anticipated expiration: 2005-08-30

Abstract

(57)【要約】【課題】飲料缶にストローを付加する。【解決手段】飲料缶３上面４の周縁５内周に宛てがっ
て嵌め込むストロー１と、このストロー１を被覆するよ
うに前記上面４の周縁５へ着脱自在に装着するキャップ
２とを飲料缶３に付加してなり、キャップ２は円平面６
とこの円平面６の周縁に立設したキャップ周面７とで構
成し、キャップ周面７内周に飲料缶３の上面４の周縁５
外周と係合する凸条８を設け、ストロー１は(1)全体的
に弾性を有するのみか、(2)弾性に加え、全長方向一側
面に複数の凹溝を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、茶、ジュースやコーヒー、その他清涼飲料の飲料缶にストローとストローを被覆するキャップを付加したストロー付飲料缶に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ジュースやコーヒー、その他清涼飲料の販売に用いられる飲料缶は、上面にプルタブという栓を有し、この栓を開栓して形成される飲み口に直接口をつけて飲む態様が通例である。しかし、飲用者が低年齢である場合、飲料缶を持ち上げて飲もうとすると、加減が分からず一気に内容物が流れ出てきたり、女性の場合、口紅が飲み口に付着して飲みにくいといった問題が見られた。こうした問題をなくすためには、ストローを用いて飲用すればよいのであるが、従来の飲料缶にストローは付加されておらず、例えば販売店において適宜サービスでストローを配付するぐらいであった。

【０００３】販売店での配付は、当然、自動販売機で売られている飲料缶にストローを付加することはできない。そこで、例えば実開平05-007637号「ストロー付缶」では、ストローを飲料缶の上面又は底面の周縁内周に宛てがって嵌め込んでストローを飲料缶に付加する技術を提案している。周縁内周に密着して宛てがうため、ストローには可撓性をもたせ、更に前記付加状態(周縁内周に密着して宛てがう)から導き出されるストローを伸ばして使えるように、伸長する蛇腹を設けている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

飲料缶は、所定の大きさの段ボールケースへ密に収納されて運搬、保管のように供されることから、少なくとも側面に半径方向に突出する態様でストローを付加することはできない。このため、上記実開平05-007637号では飲料缶の上面又は底面の周縁内周に宛てがう態様でストローを付加するようにしている。このストローという用品は、人の口に直接触れる用品であることから、配付態様等についても食品衛生法に厳しく規定されており、仮に前記付加状態をストロー単独で維持できても、むき出し状態のまま飲料缶に付加するわけにはいかない。

【０００５】ストローを１本毎に配付するには、ライス紙からなる包装紙に接着剤を使わずにローレットによる圧着だけで包装しなければならない。しかし、上述のような態様で飲料缶に付加するには、包装紙は邪魔になり、またコストもかかる。そこで、実開平05-007637号ではビニールシートで飲料缶の上面又は底面をストローと共に覆ってしまう手段を提示している。つまり、飲料缶の上面又は底面とビニールシートでストローを覆ってしまうわけである。

【０００６】ところが、飲料缶の上面又は底面から剥がしたビニールシートは、再装着することができず、剥がした時点でゴミになるだけである。また、ビニールシートではストローを保持する強度はなく、必然的に、飲料缶の上面又は底面に丸めたストローを嵌め込んだ状態を維持したまま、別途ビニールシートで覆うことになるが、ストローを嵌め込んでからビニールシートで覆うまでにストローが逸脱してしまう虞れがあった。

【０００７】このほか、ストローについても、可撓性は別にしても、伸縮性の付与については問題がある。実開平05-007637号では、蛇腹を複数個所設ける例が図示され、付記としてストロー全長にわたって蛇腹状にしてもよいとされているが、可撓性を有するストローに過剰な蛇腹を設けては、不必要に曲がりやすくなり、実際に飲用に供している時にまがってしまう等、使い勝手が悪くなる。

【０００８】そこで、改めて飲料缶にストローを付加することについて検討を加え、ビニールシートに代えてより有用なキャップを用い、更にストローについても考察を加えて使い勝手のよいものを付加できるように、再検討することにした。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

検討の結果作り出したものが、飲料缶の上面又は底面の周縁内周に宛てがって嵌め込むストローと、このストローを被覆するように前記上面又は底面の周縁へ着脱自在に装着するキャップとを飲料缶に付加してなり、キャップは円平面とこの円平面の周縁に立設したキャップ周面とで構成し、キャップ周面内周に飲料缶の上面又は底面の周縁外周と係合する凸部又は凸条を設け、ストローは(1)全体的に弾性を有するのみか、(2)弾性に加えて、全長方向一側面に蛇腹、好ましくは複数の凹溝を設けたストロー付飲料缶である。

【００１０】本考案のストロー付飲料缶は、飲料缶の上面又は底面の周縁内周に宛てがって嵌め込んだストローに対し、キャップを着脱自在に装着する。このキャップは、当然の働きとして、ストローの逸脱防止を図るほか、ストローが外部に汚染されることを防ぐ働きを有する。本考案におけるキャップは、飲料缶とは別体で、保形力を有する強度を有する部材として合成樹脂材料で形成するとよい。飲料缶の上面又は底面に装着するためには、前記上面又は底面と側面とをかしめて接合した周縁外周に、キャップ周面内周に設けた凸部又は凸条を係合する。

【００１１】また、別体に形成したキャップは、飲料缶に対して再装着可能で、例えば飲み残しがあった場合等には、キャップを再装着して冷蔵庫に飲料缶を収納しておくことができる。また、取り外した際にも破れず、構造的に一定程度の強度を有するため、ストローを取り出すために取り外した後には、飲料缶の底面を受ける小さな受け皿としても使用することができる。この受け皿は、飲料缶を載せるテーブル等が飲料缶自身により傷つくことや熱による悪影響を防ぎ、滴下する結露水を受ける働きを有する。

【００１２】円周状の物体を直線状に展開すると、実際にはずいぶん長い物体となる。飲料缶においては、内容量を問わず、いずれも上面又は底面の周縁内周に宛てがったストローを展開すると、飲料缶の深さよりも長くなる。そこで、本考案では、前記周縁内周に宛てがえる性質として、ストローに弾性のみを付与し、取り外した際に直線状に復帰できるだけに留めた((1))。仮に短い場合は、ストローを巻回して周縁内周に嵌め込むとよい。

【００１３】弾性だけを付与したストローは、飲料缶の大きさによって、必ずしも上面又は底面の周縁内周にきっちりと密に宛てがうことができず、屈曲してしまうこともある。そこで、本考案では、弾性を付与したストローに、更に全長方向一側面に蛇腹又は複数の凹溝を設けることとした。ストローは、蛇腹又は凹溝を内側として丸く変形させ、長尺の場合には巻回して周縁内周に宛てがって嵌め込むことになる。このストローは、凹溝をストローの全長方向一側面にしか設けないため、直線状に復元して飲用している時に曲がってしまうことはない。

【００１４】この凹溝を設けるストローは、(a)ストローの全長方向一側面に設ける凹溝をこの側面の一部に群を形成して設ける構成、(b)ストローの全長方向一側面に設ける凹溝をこの側面の全長方向にわたって等間隔、全域に設ける構成、を例示できる。また、キャップ及びストローを同種合成樹脂素材とすると、再利用を目的として回収する場合に、両者を分別しなくて済むため、便利である。

【００１５】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施形態について、図を参照しながら説明する。図１は本考案を適用してストロー１及びキャップ２を付加した飲料缶３の一部破断斜視図、図２は同飲料缶３の平面図、図３は同飲料缶３の上面４近傍を表した断面図、図４は取り外したキャップ２を受け皿とし、ストロー１を直線状に復帰させて使用している状態の同飲料缶３の断面図である。本例は、広く普及している350mL容量の飲料缶３に本考案を適用した例である。

【００１６】本考案は、ストロー及びキャップ共に飲料缶に固着するものではなく、図１に見られるように、例えば部材結合のかしめの結果飲料缶３の上面４に設けられた周縁５内周にストロー１を嵌め込み、同周縁５外周にキャップ２を装着する構成である。本例のストロー１は、全体的に弾性を有するのみで、自らの復元力により、周縁５内周に密着して宛てがわれた状態で嵌め込まれている。理屈的には、周縁５内周全域にわたってストロー１を宛てがうこともできるが、取り出しやすさを考慮して、本例では、内周全長に対して少し足りない程度の長さであるストロー１を嵌め込んでいる。内周全長よりも長いストローは巻回して嵌め込む。

【００１７】キャップ２は、図２及び図３に見られるように、円平面６とキャップ周面７とから構成し、キャップ周面７内周に飲料缶３の周縁５外周に係合する凸条８を周方向に延設している。これにより、キャップ２は容易に外れにくくなり、安定して飲料缶３に装着しておくことができる。本例は、キャップ２の円平面６に周方向に延びる段差９を設けてあり、この段差９でストロー１を押さえ込み、ストロー１が持つ復元力により外れることを防止している。キャップ２は、こうして飲料缶３の上面を覆うことで、ストロー１を衛生的に配付できるようにする。本例のキャップ２は透明又は半透明で、ストロー１の存在が外部から視認できる(図１参照)ようにしているが、着色や、文字、絵等を印刷したキャップでもよい。

【００１８】近年の350mL飲料缶３は、箱詰めを考慮して、図１に見られるような、上面４及び底面10を絞り込んだ形状をしている。このため、キャップ２を装着した状態でもキャップ２は飲料缶３の側面11から突出することがなく、従来通り、飲料缶３を密に箱詰めできる。このような飲料缶３において、上面４の周縁５の径は約 55mmあり、この周縁５内周に嵌め込んだストロー１は、本例の場合でも150mm弱の長さを有する。本例に示した350mL飲料缶３の深さは約120mmであるから、取り外して直線状に復帰したストロー１は、図４に見られるように、飲み口12から斜めに差し込んでも十分に使用に耐えうる。また、取り外したキャップ２は再装着して飲料缶３の保存に供することができるほか、必要により飲料缶３の底面10に対する受け皿として利用することもできる(図４参照)。これは、飲料缶３の上面４が必ず底面10よりも径が大きいことによる。

【００１９】ストローを弾性のみで飲料缶の上面又は底面の周縁内周に嵌め込むことが難しい場合(飲料缶が小さい場合)、ストローの全長の途中に屈曲しない程度に湾曲させて嵌め込むとよい。図５は複数の凹溝13の群を２ケ所に設けたストロー１を上面４の周縁５内周に嵌め込んだ図２相当平面図であり、図６は複数の凹溝13を全長方向にわたって等間隔、全域に設けたストロー１を上面４の周縁５内周に嵌め込んだ図２相当平面図である。本考案の特徴は、蛇腹又は例示の凹溝13をストロー１の全長方向一側面にしか設けていない点にあり、これにより、直線状に復帰した場合に、不要に曲がることのない実用的なストロー１の提供を可能にする。

【００２０】２ケ所に複数の凹溝13からなる群を設けたストロー１は、図５に見られるように、前記群を中心に屈曲しない程度に曲がり、両端と前記湾曲部位とで弾支するように周縁５内周へ嵌まり込む。凹溝13を設けた部位以外は曲がりが少なく、直線状に復帰しやすい利点がある。凹溝13には、屈曲しない程度にストローを曲げる作用があり、数が多い程ストローを周縁５内周に密着して嵌め込むことができる。そこで、全長方向にわたって等間隔、全域に凹溝13を設けたストロー１は、図６に見られるように、周縁５内周に略密着状態で嵌まり込み、直線状に復帰した際の長さを確保する。しかし、一側面にしか凹溝13を設けていないので、直線状に復帰した際には、不要に折れ曲がることがなくなっている。

【００２１】本考案により、飲料缶の底面に設けてある周縁に対してストローを嵌め込み、キャップを装着する場合も上記例示と同様であるため、説明は省略する。また、飲料缶には、図示しなかった200mL缶も存在するが、これについても上面及び底面に部材結合のかしめによる周縁が存在し、同様の説明が当てはまるので、ここでは説明を省略する。

【００２２】

【考案の効果】

本考案により、これまでより現実的に、飲料缶にストローを付加することができるようになる。以前からストローを飲料缶の上面の周縁内周に嵌め込む技術の提案はなされていたが、実際に製造の点に関しては不明瞭であり、実現が難しかった。本考案は、製造の観点からも実現可能性が高く、また実際にできた製品として、キャップの有用性が高いために、価値が高い。ストローについても、あえて伸縮性を配したことにより、直線状にしたストローの使用感が改善され、使い勝手のよい製品となった。このように、本考案は既存の技術に再検討を加え、より現実的で優れたストロー付飲料缶の提供を可能にしたのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用してストロー及びキャップを付加
した飲料缶の一部破断斜視図である。

【図２】同飲料缶の平面図である。

【図３】同飲料缶の上面近傍を表した断面図である。

【図４】取り外したキャップを受け皿とし、ストローを
直線状に復帰させて使用している状態の同飲料缶の断面
図である。

【図５】複数の凹溝の群を２ケ所に設けたストローを上
面の周縁内周に嵌め込んだ図２相当平面図である。

【図６】複数の凹溝を全長方向にわたって等間隔、全域
に設けたストローを上面の周縁内周に嵌め込んだ図２相
当平面図である。

【符号の説明】

１ストロー２キャップ３飲料缶４上面５周縁６円平面７キャップ周面８凸条９段差 10 底面 11 側面 12 飲み口 13 凹溝

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】飲料缶の上面又は底面の周縁内周に宛て
がって嵌め込むストローと、該ストローを被覆するよう
に前記上面又は底面の周縁へ着脱自在に装着するキャッ
プとを該飲料缶に付加してなり、キャップは円平面と該
円平面の周縁に立設したキャップ周面とで構成し、該キ
ャップ周面内周に飲料缶の上面又は底面の周縁外周と係
合する凸部又は凸条を設け、ストローは全体的に弾性を
有してなるストロー付飲料缶。
【請求項２】飲料缶の上面又は底面の周縁内周に宛て
がって嵌め込むストローと、該ストローを被覆するよう
に前記上面又は底面の周縁へ着脱自在に装着するキャッ
プとを該飲料缶に付加してなり、キャップは円平面と該
円平面の周縁に立設したキャップ周面とで構成し、該キ
ャップ周面内周に飲料缶の上面又は底面の周縁外周と係
合する凸部又は凸条を設け、ストローは全体的に弾性を
有し、かつ全長方向一側面に複数の凹溝を設けてなるス
トロー付飲料缶。
【請求項３】ストローの全長方向一側面に設ける凹溝
が、該側面の一部に群を形成して設けてなる請求項２記
載のストロー付飲料缶。
【請求項４】ストローの全長方向一側面に設ける凹溝
が、該側面の全長方向にわたって等間隔、全域に設けて
なる請求項２記載のストロー付飲料缶。
【請求項５】キャップ及びストローが同種合成樹脂素
材からなる請求項２記載のストロー付飲料缶。