JP3066140U - 鉄骨建築物のコンクリ―ト壁の鋼網構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工が容易で施工品質が良好な鉄骨建築物の
コンクリート壁の鋼網構造の提供。 【解決手段】 Ｃ形鋼板の立柱を直接等間隔に上下層の
鋼梁の間に配置し、鋼梁の外側から内向きの適宜位置に
予め溶接した角鋼に、立柱を溶接して懸空突出した状態
となし、さらに横向鉄筋を立柱の柱面の楕円孔内に貫通
させてそれと立柱及び鋼柱を溶接して一体の構造を形成
し、その後、壁外側の鋼網を取付け、並びにボルト及び
鋼釘で鋼網のＵ形凹溝をＣ形の立柱の一つの角端面の固
定孔に固定し、さらに水、電気、消防管線を鋼網と立柱
の間に設置し、それを立柱のもう一つの角端面に固定さ
せ、内側鋼網とビル鋼板間に一本の打ち込み口を保留し
て細粒材コンクリートを打ち込み、細粒材コンクリート
打ち込み時にまず、上層のビル鋼板の近傍の打ち込み口
より打ち込んで、細粒材コンクリートを上から下に、二
つの鋼網の間に充填して一つの壁面を形成することを特
徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種の鉄骨建築物のコンクリート壁の鋼網構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

都市では土地価格が高騰し土地取得がますます難しくなり、このため土地の利 用率が高く、また構造安定性の高い高層ビルが乱立している。一般に周知の鉄筋 コンクリート建築は、設計寸法に応じて型枠を組んでコンクリートを打ち込むこ とにより形成されており、この材料が施工期間に大面積の土地を占有し、また施 工期間が長く人手がかかり、工程品質を制御しにくいため、高層ビルの建築には この工法は使用できない。

【０００３】 型鋼を骨格とする鉄骨建築は、現在、２０層以上の高層ビルに採用されており 、その外壁には金属、ガラス壁、或いは予め形成された鉄筋コンクリート壁が多 く用いられ、内壁、仕切りの殆どには軽鋼架仕切りが採用されている。このよう な建造構造の建材の生産は容易で迅速であり、且つ施工期間が短く、経済的であ る。しかし、以下のような欠点もあった。 １．外壁に金属、ガラス壁を使用すると、建築物が密閉式となり窓を開けるこ とができないため、空気の流通に不便で、高価な空調設備により室内の空気の品 質を調節することが必要となり、停電時には、室内が蒸し暑くなり呼吸困難など を引き起こすことがあり、また、火災が発生した場合、屋内の煙を排出できない ため、室内の人が煙に巻かれることがあった。 ２．予め形成した鉄筋コンクリート壁を採用する時、鉄筋を囲む型枠内にコン クリートを打ち込み、凝固を待って型枠を外して鉄筋コンクリート壁を形成し、 それを鉄骨現場に運んでネジで接合固定する。しかし鉄筋コンクリート壁と鋼梁 骨材間の膨張係数の差は比較的大きく、ゆえに連接部分に亀裂や脱落等の現象が 発生しやすく、建築物の外観及び安全に影響が生じた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、鉄骨建築物のコンクリート壁の鋼網構造は、鋼網とコンクリート壁 を結合して一体となし、壁面の耐震性、型枠取外しの時間を減少し、亀裂或いは 脱落等の現象の発生を防止し、建築物の外観と安全性を確保することを主要な課 題としている。

【０００５】 本考案はまた、上述の鉄骨建築物のコンクリート壁の鋼網構造を、簡単であり 、施工が速やかに行えて施工時間を節約できるものとなすことを次の課題として いる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、 鋼梁、鋼柱とされ、Ｈ形鋼であり建築物の骨格材料とされる上記、 立柱とされ、断面がＣ形を呈する鋼板であり、その柱面に等間隔に楕円孔が設 けられて該楕円孔が横向鉄筋、水、電気、消防管線及びコンクリート側流の保留 孔とされ、このＣ形鋼の両角端面の折り曲げ部がボルトと鋼釘の打ち込みに供さ れる、上記立柱、 鋼網とされ、熱浸亜鉛鋼板をパンチプレスして複数の横列の等しい間隙の矩形 の矩形孔を形成すると共に、この矩形孔の位置にあった片体の三辺を切断し、残 る一辺と矩形孔を連接させて矩形孔と「く」形夾角を呈するタングを形成し、各 一つのタング及び該間隙部分それぞれに一本の切り込みを設けてタングの撓性を 増加し、さらに矩形孔とタングを配置した網面に、相互に離れた数本の直行する Ｕ形凹溝を形成して鋼網の耐側圧強度を増すと共にボルトと鋼釘を打ち込んでの Ｃ形鋼の上記立柱との結合に供するようにした、鋼網、 以上を具備し、 Ｃ形鋼板の立柱を直接等間隔に上下層の鋼梁の間に配置し、鋼梁の外側から内 向きの適宜位置に予め溶接した角鋼に、立柱を溶接して懸空突出した状態となし 、さらに横向鉄筋を立柱の柱面の楕円孔内に貫通させてそれと立柱及び鋼柱を溶 接して一体の構造を形成し、その後、壁外側の鋼網を取付け、並びにボルト及び 鋼釘で鋼網のＵ形凹溝をＣ形の立柱の一つの角端面の固定孔に固定し、さらに水 、電気、消防管線を鋼網と立柱の間に設置し、それを立柱のもう一つの角端面に 固定させ、内側鋼網とビル鋼板間に一本の打ち込み口を保留して細粒材コンクリ ートを打ち込み、細粒材コンクリート打ち込み時にまず、上層のビル鋼板の近傍 の打ち込み口より打ち込んで、細粒材コンクリートを上から下に、二つの鋼網の 間に充填して一つの壁面を形成することを特徴とする、鉄骨建築物のコンクリー ト壁の鋼網構造としている。 請求項２の考案は、前記細粒材コンクリートの打ち込み時に発生する側圧力が 鋼網のタングと矩形孔間の「く」形夾角を縮小させ、スラグの外流を減少し、矩 形孔より流出するスラグが鋼網の外表面を被覆し、鋼網とコンクリート壁を結合 して一体とすることを特徴とする、請求項１に記載の鉄骨建築物のコンクリート 壁の鋼網構造としている。 請求項３の考案は、前記細粒材コンクリートの打ち込み時に二つの鋼網間の空 気が矩形孔より排出され、コンクリート壁内の気孔の発生が防止されることを特 徴とする、請求項１に記載の鉄骨建築物のコンクリート壁の鋼網構造としている 。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１から図３に示されるように、本考案の組成要件は以下のとおりである。 Ｈ形鋼であり建築物の骨格材料とされる鋼梁１１、鋼柱１２、 立柱２とされ、断面がＣ形を呈する鋼板であり、その柱面２５に等間隔に楕円 孔２４が設けられて該楕円孔２４が横向鉄筋、水、電気、消防管路及びコンクリ ート側流の保留孔とされ、別にＣ形鋼の両角端面２１、２２の折り曲げ部２３に ボルトと鋼釘が打ち込まれる、上記立柱２、 鋼網３とされ、熱浸亜鉛鋼板をパンチプレスして複数の横列の等しい間隙の矩 形の矩形孔３１を形成し、この矩形孔３１の位置にあった片体の三辺を切断し、 残る１辺と矩形孔３１を連接させ、矩形孔３１と共に、「く」形夾角を呈するタ ング３２を形成し、且つ各一つのタング３２及び間隙３０部分それぞれに一本の 切り込み３３を設けてタング３２の撓性を増加し、さらに矩形孔３１とタング３ ２を配置した網面３４に、相互に離れた数本の直行するＵ形凹溝３５を形成して 鋼網３の耐側圧強度を増すと共にボルト２６と鋼釘を打ち込んでのＣ形鋼立柱２ との結合に供するようにした、鋼網３、 本考案を以上を包括する。

【０００８】 本考案の鉄骨建築物のコンクリート壁の鋼網構造の施工ステップは以下のとお りである（図３から図９参照）。 Ｃ形鋼板の立柱２を直接等間隔に上下層の鋼梁１１の間に配置し、且つ鋼梁１ １の外側から内向きに４〜５ｃｍの所に予め溶接した角鋼に、立柱２を溶接して 懸空突出した状態となし、さらに横向鉄筋４を立柱２の柱面２５の楕円孔２４内 に貫通させてそれと立柱２及び鋼柱１２を溶接して一つの全体構造を形成し、そ の後、壁外側の鋼網３を取付け、並びにボルト２６及び鋼釘で鋼網３のＵ形凹溝 ３５をＣ形の立柱２の一つの角端面２１の固定孔２３に固定し、さらに水、電気 、消防管線５を鋼網３と立柱２の間に設置し、それを立柱２のもう一つの角端面 ２２に固定させ、内側鋼網３とビル鋼板６間に１本の打ち込み口６１を保留して 細粒材コンクリート７（図示せず）を打ち込み、細粒材コンクリート７打ち込み 時にまず、上層のビル鋼板６の近傍の打ち込み口６１より打ち込んで、細粒材コ ンクリート７を上から下に、二つの鋼網３の間に充填する。二つの鋼網３間の立 柱２の柱面２５の楕円孔２４の設計により、細粒材コンクリート７を打ち込む時 に、コンクリートが立柱２の柱面２５に対して発生する側向流動圧力が、楕円孔 ２４による側向流動の後に解消され、並びに十分に柱面２５二辺の圧力が平衡に 調整維持され、これにより細粒材コンクリート７が均一に二つの鋼網３間に充填 され、また、細粒材コンクリート７打ち込み時にスラグ流動により発生する側圧 力が鋼網３のタング３２と矩形孔３１間の「く」形夾角３１０を縮小させ、スラ グの外流を減少し、矩形孔３１より流出するスラグが鋼網３の外表面を被覆し、 鋼網３とコンクリートが結合して一体となり、並びに打ち込み時に、二つの鋼網 ３間の空気が矩形孔３１より排出され、コンクリート壁内の気孔の発生が防止さ れる。最後に、二つの鋼網３の外表面をそれぞれ一層の１ｃｍ厚の１：３セメン トで被覆し、こうして本考案の鉄骨建築物のコンクリート壁の鋼網構造を完成す る。

【０００９】

【考案の効果】

本考案の構造の改良点は以下のとおりである。 １．本考案の鉄骨建築物のコンクリート壁の鋼網構造は、鋼網面に保留された 窓口位置が保留され、室内空気が新鮮に保持され、且つ消防安全及び採光面で改 良されている。 ２．本考案の鉄骨建築物のコンクリート壁の鋼網構造は、鋼網とコンクリート 壁が結合されて一体とされ、耐震性が良好で、型枠外しにかかる時間が削減され 、また鋼梁との間の膨張差が防止され、ゆえに亀裂や脱落などの現象を発生せず 、建築物の外観及び安全を確保できる。 ３．本考案の鉄骨建築物のコンクリート壁の鋼網構造は、施工が快速に行え便 利であり、高層ビル工程技術者を完全に必要とせず、一般の溶接技術者を必要と するだけであり、労働力を減少でき、周知の鉄筋コンクリート壁の３〜５分の１ の時間で施工できる。

【００１０】 以上のように、本考案は、構造が簡単で、施工が簡単便利であり、一般のコン クリート壁鋼網にはない特殊な機能を有しており、また本考案の構造は新規性を 有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の立柱構造表示図である。

【図２】本考案の鋼網斜視図である。

【図３】本考案の立柱、鋼網及び鋼梁、ビル鋼板の分離
体図である。

【図４】本考案のＣ型立柱取付け表示図である。

【図５】本考案の横向鉄筋取付け表示図である。

【図６】本考案の水、電気、消防管の配線配管表示図で
ある。

【図７】本考案の外側鋼網取付け表示図である。

【図８】本考案の内側鋼網取付け表示図である。

【図９】本考案のコンクリート壁形成表示図である。

【図１０】本考案の鋼網の平面スラグ流動図である。

【図１１】本考案の鋼網の断面スラグ流動図である。

【符号の説明】

１１ 鋼梁 １２ 鋼柱 ２ 立柱 ２１、２２ 角端面 ２３ 固定孔 ２４ 楕円孔 ２５ 柱面 ２６ ボルト ３ 鋼網 ３０ 間隙 ３１ 矩形孔 ３１０ く形夾角 ３２ タング ３３ 切り込み ３４ 網面 ３５ Ｕ形凹溝 ４ 横向鉄筋 ５ 水、電気、消防
管線 ６ ビル鋼板 ６１ 注入口 ７ 細物材コンクリート

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼梁、鋼柱とされ、Ｈ形鋼であり建築物
   の骨格材料とされる上記、 立柱とされ、断面がＣ形を呈する鋼板であり、その柱面
   に等間隔に楕円孔が設けられて該楕円孔が横向鉄筋、
   水、電気、消防管線及びコンクリート側流の保留孔とさ
   れ、このＣ形鋼の両角端面の折り曲げ部がボルトと鋼釘
   の打ち込みに供される、上記立柱、 鋼網とされ、熱浸亜鉛鋼板をパンチプレスして複数の横
   列の等しい間隙の矩形の矩形孔を形成すると共に、この
   矩形孔の位置にあった片体の三辺を切断し、残る一辺と
   矩形孔を連接させて矩形孔と「く」形夾角を呈するタン
   グを形成し、各一つのタング及び該間隙部分それぞれに
   一本の切り込みを設けてタングの撓性を増加し、さらに
   矩形孔とタングを配置した網面に、相互に離れた数本の
   直行するＵ形凹溝を形成して鋼網の耐側圧強度を増すと
   共にボルトと鋼釘を打ち込んでのＣ形鋼の上記立柱との
   結合に供するようにした、鋼網、 以上を具備し、 Ｃ形鋼板の立柱を直接等間隔に上下層の鋼梁の間に配置
   し、鋼梁の外側から内向きの適宜位置に予め溶接した角
   鋼に、立柱を溶接して懸空突出した状態となし、さらに
   横向鉄筋を立柱の柱面の楕円孔内に貫通させてそれと立
   柱及び鋼柱を溶接して一体の構造を形成し、その後、壁
   外側の鋼網を取付け、並びにボルト及び鋼釘で鋼網のＵ
   形凹溝をＣ形の立柱の一つの角端面の固定孔に固定し、
   さらに水、電気、消防管線を鋼網と立柱の間に設置し、
   それを立柱のもう一つの角端面に固定させ、内側鋼網と
   ビル鋼板間に一本の打ち込み口を保留して細粒材コンク
   リートを打ち込み、細粒材コンクリート打ち込み時にま
   ず、上層のビル鋼板の近傍の打ち込み口より打ち込ん
   で、細粒材コンクリートを上から下に、二つの鋼網の間
   に充填して一つの壁面を形成することを特徴とする、鉄
   骨建築物のコンクリート壁の鋼網構造。
2. 【請求項２】 前記細粒材コンクリートの打ち込み時に
   発生する側圧力が鋼網のタングと矩形孔間の「く」形夾
   角を縮小させ、スラグの外流を減少し、矩形孔より流出
   するスラグが鋼網の外表面を被覆し、鋼網とコンクリー
   ト壁を結合して一体とすることを特徴とする、請求項１
   に記載の鉄骨建築物のコンクリート壁の鋼網構造。
3. 【請求項３】 前記細粒材コンクリートの打ち込み時に
   二つの鋼網間の空気が矩形孔より排出され、コンクリー
   ト壁内の気孔の発生が防止されることを特徴とする、請
   求項１に記載の鉄骨建築物のコンクリート壁の鋼網構
   造。