JP3065673B2 - プレフィルドシリンジ - Google Patents

プレフィルドシリンジ

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JP3065673B2
JP3065673B2 JP3003406A JP340691A JP3065673B2 JP 3065673 B2 JP3065673 B2 JP 3065673B2 JP 3003406 A JP3003406 A JP 3003406A JP 340691 A JP340691 A JP 340691A JP 3065673 B2 JP3065673 B2 JP 3065673B2
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修司 盛本
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はいわゆるプレフィルド
シリンジ、つまり、薬液をあらかじめ充填した注射器に
関する。
【0002】
【従来の技術】 従来のこの種の注射器では、一般に、
先端部がゴム栓等のシール部材によって封止され、後端
がプランジャを兼ねる栓によって封止された状態で内部
に薬液が充填された注射筒に、別途用意した両頭針の一
端を上記シール部材に刺通することによって開封、すな
わち使用状態となるように構成している。
【0003】また、従来、この開封操作を容易にし、専
用の両頭針を使用することなく標準針の使用を可能にす
るため、注射筒先端部にシール部材を刺通可能な管状針
を有するアダプタを設けたもの(実開昭59−3024
4号)や、あるいは、注射筒先端部に注射針を保持し、
その注射針の外方を保護キャップで覆うことによって、
注射針と一体化し、かつ、注射針を直接触ることなく、
開封操作を行えるようにしたもの(実開昭59−234
3号)がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 ところで、以上の従
来のプリフィルドシリンジの構造では、薬液を収容した
注射筒の後端部については無菌保証はされていない。す
なわち、通常はプランジャの動作を止めるためにストリ
ップ包装等のように、何らかの外装を行っているが、プ
ランジャよりも後方の注射筒の後端部は無菌保証を行っ
てはいない。このことはまず、注射器の使用時にプラン
ジャの引っ張り動作を行うとき、非無菌部分が無菌部分
に接触するという問題を含むことを示している。また、
このような外装は、出荷状態や保管状態において取扱上
の不便さにつながるばかりでなく、コンパクト化の阻害
要因となり、かつ、医療従事者による実際の使用時にお
いて外装部材を破断する手間が必要となる。また、実開
昭59−2343号では、このような外装部材を破断し
た後、注射針の保護キャップを取り外す、という2度の
手間が必要となる。
【0005】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
ので、別途外装部材を必要とすることなく、注射筒、注
射針の全体を外気に対して密封した構造を有し、薬剤は
もとより、注射針、注射筒内面部を含む全体を無菌状態
に保ち、出荷時や保管時における取扱の容易さとコンパ
クト化を達成するとともに、使用時における部材の取り
外し作業等が極めて少なく、医療従事者が容易に扱うこ
とのできるプレフィルドシリンジの提供を目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成する
ための構成を、実施例に対応する図1を参照しつつ説明
すると、本発明は、薬液を収容し、先端開口部11に刺
通可能なシール部材2が装着された注射筒1と、その注
射筒1の後端開口部12に摺動自在に挿入されたプラン
ジャ3と、そのプランジャ3の注射筒1に対する摺動を
係脱自在に規制する係止部材4と、先端開口部51に刺
通可能なシール部材6が装着され、かつ、後端開口部5
2に注射筒1をその先端部から摺動自在に収容する外筒
5と、その外筒5内にその中心線に略沿って保持収容さ
れた両頭針7と、先端開口部が外筒5の後端部に着脱自
在に装着され、外筒5と共同して注射筒1およびプラン
ジャ3を気密に収容する有底筒体8とを備えたことによ
って特徴付けられる。
【0007】
【作用】 注射筒1およびプランジャ3は、両頭針7を
含めてその全体が外筒5と有底筒体8内に気密に収容さ
れる。使用方法は、有底筒体8を取り外し、係止部材4
によりプランジャ3の動きを規制した状態で注射筒1を
外筒5の先端に向けて挿入する。これにより、両頭針7
の両端はそれぞれシール部材2と6を刺通し、図3の状
態となる。この状態で係止部材4によるプランジャ3の
規制を解除する。これにより、プランジャ3は注射筒1
に対して摺動自在となり、プランジャ3を押し込むこと
によって薬液の投与が可能となる。
【0008】
【実施例】 図1は本発明実施例の断面図で、保管状態
を示す図である。薬液が充填された注射筒1は、その先
端開口部11にゴム栓等の刺通可能なシール部材2が装
着されており、また、その後端開口部12にはプランジ
ャ3が挿入されており、これらによって注射筒1の両端
が止栓されて薬液は外部に対して密封された状態となっ
ている。
【0009】プランジャ3は、注射筒1に対して摺動自
在となっているが、このプランジャ3の摺動は、係止部
材4によって規制されている。すなわち、図2にA−A
拡大断面図を示すように、プランジャ3のロッド31は
その中心軸31aの回りに4枚のフィン31b・・31b
が形成されており、このロッド31の中心軸31aを回
動自在に嵌合するリング状の係止部材4は、図3にB−
B断面図を示すように切り欠き部41a・・41aを有す
る段部41の存在によって、注射筒1の後端面と共同し
てロッド31に対する回動位置に応じて図2の状態から
図4に示す状態にまでプランジャ3の注射筒1に対する
摺動を阻止または許容するように構成されている。
【0010】注射筒1の先端部は、外筒5の後端開口部
52からその内部に摺動自在に差し込まれている。外筒
5には、その先端開口部51にゴム栓等の刺通可能なシ
ール部材6が装着されている。また、この外筒5の内部
には針保持部材9が摺動自在に挿入されており、この針
保持部材9は略円筒形の中心に細孔が形成されており、
その孔内に両頭針7が保持され、これによって両頭針7
は外筒5の中心軸に沿ってた状態でこの外筒5内に収容
されることになる。
【0011】外筒5の後端部外周には鍔部53が形成さ
れているとともに、その鍔部53の更に後方の外周面
に、“O”リング54によってシールされた状態で有底
筒体8が着脱自在に嵌め込まれている。なお、この
“O”リング53は、樹脂どうしの嵌合で気密が達成さ
れる場合には不要である。以上の本発明実施例によれ
ば、図1に示す保管状態において、注射筒1とプランジ
ャ3および両頭針7の全体が、外筒5と有底筒体8によ
って外気と遮断された状態となる。
【0012】次に本発明実施例の使用方法を説明する。
図1に示す保管状態から、まず、有底筒体8を取り外
す。その後、係止部材4によるプランジャ3の注射筒1
に対する摺動を阻止した状態でプランジャ3を押し込
む。これにより、プランジャ3は注射筒1との位置関係
を保ったままで外筒5内に入り込んでいき、外筒5内の
両頭針7は図5に示すように、その後端において注射筒
1の先端のシール部材2を刺通すと同時に、先端におい
て外筒5の先端のシール部材6を刺通する。
【0013】この図5の状態から、係止部材4を回動さ
せ、プランジャ3の注射筒1に対する摺動規制を解除
し、プランジャ3を押圧することにより、図6に示すよ
うにプランジャ3は注射筒1内に入り込んでいき、両頭
針7の先端から注射筒1内の薬液を投与することができ
る。以上の実施例において、特に注目すべき点は、別途
注射針を用意することなく、有底筒体8を取り外してプ
ランジャ3を押し込み、係止部材4を回動して注射筒1
に対するプランジャ3の摺動規制を解除するという簡単
な操作で保管状態から直ちに使用状態とすることができ
る点と、外装部材を必要とすることなく、プランジャよ
りも後方の注射筒内壁を含む注射筒の全体と、プランジ
ャおよび両頭針の全体が外気に対して気密に封止され、
これにより全体の無菌性の保証がなされる点と、コンパ
クトな状態で輸送ないしは保管が可能となった点であ
る。
【0014】また、外筒5内に予圧をかけた構成として
おくことで、シール部材6の変形を変位計等によって測
定することにより、容易に全数のリークチェックが可能
となる利点もある。更に、以上の実施例における外筒5
の鍔部53の外周部を、図7に示すように相互に隣合う
もの同士を完全に切断された状態とせずに、適当本数が
互いに弱く接合されている状態で製造し、その状態で他
の構成部材を組み込み、出荷するように構成することが
できる。この場合、各構成部材の組み立て作業工程等に
おいて製造ライン上を複数本まとめて流すことが可能と
なって、その取扱が容易化されるとともに、梱包状態を
図8に平面図で示すように、極めてコンパクトな梱包が
可能となって、輸送ないしは保管にスペースを要さない
という利点がある。
【0015】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、注射筒を摺動自在に嵌め込み、かつ、内部に両頭針
を収容した外筒と、この外筒の後端部に着脱自在に装着
され、注射筒の後部を気密に収容する有底筒体を設ける
とともに、プランジャの注射筒に対する摺動を規制する
係止部材を設け、有底筒体を取り外してプランジャの摺
動を規制した状態でこれを外筒に対して押し込み、その
摺動規制を解除するだけで、直ちに保管状態から使用状
態とすることができるように構成したので、従来のよう
に外装部材を用いることなく、従ってコンパクトな状態
で、注射針を含めて注射器の全体が外気に対して気密に
保持され、全体の無菌性を保証することができ、かつ、
スペースをとることなく収納ないしは保管することがで
きる。また、製造に当たっては、当然、外装に関する工
程を省略することができ、製造コストを低下させるとい
う効果もある。同時に、医療従事者にとっては、従来の
ように外装部材の破断作業等を行う必要がなく、使用に
際しての操作が大幅に簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例の構成を保管状態で示す縦断面
【図2】 図1のA−A拡大断面図
【図3】 図2のB−B断面図
【図4】 図2の状態から摺動規制を解除した状態で示
すA−A断面図
【図5】 図1の状態から有底筒体8を取り外してプラ
ンジャ3を押し込んだ状態を示す縦断面図
【図6】 図5の状態から係止部材4を回動させてプラ
ンジャ3の規制を解除し、プランジャ3を押し込んだ状
態を示す縦断面図
【図7】 本発明実施例の互いに隣接する外筒5の鍔部
53外周を相互に弱く接合した状態とした場合の正面図
【図8】 図7の状態とした場合の梱包状態の例を示す
平面図
【符号の説明】
1・・・・注射筒 2・・・・シール部材 3・・・・プランジャ 31・・・・ロッド 31a・・・・中心軸 31b・・・・フィン 4・・・・係止部材 41・・・・断部 41a・・・・切り欠き部 5・・・・外筒 54・・・・“O”リング 6・・・・シール部材 7・・・・両頭針 8・・・・有底筒体 9・・・・針保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 5/28 A61M 5/315

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液を収容し、先端開口部に刺通可能な
    シール部材が装着された注射筒と、その注射筒の後端開
    口部に摺動自在に挿入されたプランジャと、そのプラン
    ジャの上記注射筒に対する摺動を係脱自在に規制する係
    止部材と、先端開口部に刺通可能なシール部材が装着さ
    れ、かつ、後端開口部に上記注射筒をその先端部から摺
    動自在に収容する外筒と、その外筒内にその中心線に略
    沿って保持収容された両頭針と、先端開口部が上記外筒
    の後端部に着脱自在に装着され、上記外筒と共同して上
    記注射筒およびプランジャを気密に収容する有底筒体と
    を有してなるプレフィルドシリンジ。
  2. 【請求項2】 上記外筒の内部に予圧か掛けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレフィルドシリン
    ジ。
  3. 【請求項3】 上記外筒が部分的に外方に突出し、この
    突出部が、保管状態において相隣合うものどうしが破断
    自在に相互に接合されていることを特徴とする請求項1
    または2に記載のプレフィルドシリンジ。
JP3003406A 1991-01-16 1991-01-16 プレフィルドシリンジ Expired - Lifetime JP3065673B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014161717A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Tadahiro Manabe 靴中敷接着用特殊鼻緒

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014161717A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Tadahiro Manabe 靴中敷接着用特殊鼻緒

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JPH04241875A (ja) 1992-08-28

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