JP3065371U - ラジオゾンデ用パイプセパレ―タ方式パラシュ―ト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジオゾンデ観測において、気球破裂後の残
骸がパラシュートの開傘機能に影響することなく、観測
器と気球破裂後の残骸を緩降下させることのできるパラ
シュートを提供する。 【解決手段】 パラシュート（１、２）及び，パラシュ
ート傘１の頂部に取り付けた棒３と防水キャップ４及
び，これを挿入するためのパイプ５または、前記パイプ
５と吊り紐７を取り付けたパイプ取付板６からなり、前
記棒３を前記パイプ５に上から挿入して使用する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ラジオゾンデ観測終了後の観測器と気球破裂後の残骸を緩降下させ るせるために用いるラジオゾンデ用パイプセパレータ方式パラシュートに関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

ラジオゾンデ観測終了後の観測器と気球破裂後の残骸を緩降下させるため、観 測器と気球の間に、降下速度を抑えるためのパラシュートを使用し、パラシュー ト傘の頂部には気球結び紐の一端をつなぎ、パラシュート下部には観測器結び紐 の一端をつないで飛揚する。なお、強風時にはラジオゾンデの飛揚を安全かつ容 易にするために気球と観測器の間の紐を短くするための巻下器を取り付ける。 気球が破裂するとパラシュート傘が開傘して、パラシュートの下には観測器が 下がり、気球破裂後の残骸はパラシュート傘の頂部からパラシュート傘に垂れ下 がった状態となって降下する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術では、図６に示す通り気球破裂後の残骸11がパラシュート傘１に垂 れ下がって、開傘形状を歪めるために開口断面積を小さくし降下速度が速くなっ てしまうという問題と、気球破裂後の残骸11の振る舞いによっては、パラシュー ト傘１の開傘を妨げた状態のまま降下するという問題があった。また、降下時の パラシュート（１、２）と観測器８及び気球破裂後の残骸11の間が長いと、鉄道 架線や送電線等に引っかかる確率が高いという問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、パラシュート傘の頂部に棒を取り付けておき、パ イプと吊り紐を固定したパイプ取付板の上部へ気球を結んだ紐の一端をつなぎ、 前記パイプ取付板の下部へ観測器を結んだ紐の一端とパラシュートの下部をつな いで、前記棒を前記パイプ取付板のパイプに上から挿入して飛揚する。なお、前 記パイプ取付板は観測器を気球に吊す紐の中間部に取り付ける。

【０００５】 または、前記パイプ取付板を使用する代わりに、前記棒を挿入するためのパイ プを観測器の横に固定し、前記パラシュートの下部は観測器の下部に取り付けて 、前記棒を観測器の横に固定した前記パイプに上から挿入して飛揚する。なお、 強風時にはラジオゾンデの飛揚を安全かつ容易にするため、気球と観測器の間に 巻下器を取り付ける。

【０００６】 気球上昇中のパラシュート傘は、気球上昇に伴う上からの風を受けて、前記棒 が前記パイプから抜けることはないためにパラシュート傘は開傘しないが、気球 破裂後のパラシュート傘は、降下に伴う下からの風を受けて、前記棒が前記パイ プから抜けるために、パラシュート傘の頂部から気球破裂後の残骸が切り離され 、パラシュート傘の形状は歪められることもなく開傘し、パラシュートの機能を 充分に引き出すことが可能となる。

【０００７】 また、前記パイプ取付板を使用した場合の下降時の形態は、観測器と気球破裂 後の残骸がそれぞれ上昇時の全長に対して約半分の長さの紐で、パラシュートに 吊り下げられた状態となり、鉄道架線や送電線等に引っかかる確率が低くなる。

【０００８】 ただし、風が強くなるにしたがって、吊り紐に影響を及ぼす気球の伸縮運動が 大きくなってくるために、飛揚前に前記パイプ取付板のパイプから前記棒が抜け てしまうことがあり、飛揚の安全性と操作性に障害が生じるため、前記パイプ取 付板の使用は弱風時のみに限られる。

【０００９】

【考案実施の形態】

考案の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。 図１に示される実例図では、パラシュート傘１の頂部に紐で棒３の一端を取り 付けて防水キャップ４を固定し、パイプ取付板６に前記棒３を挿入するためのパ イプ５と吊り紐７を固定して、パラシュート下部取り付け位置12にパラシュート の下部を結び付け、観測器結び紐取り付け位置14に観測器８を結んだ紐の一端を つないでいる。なお、前記棒３、前記防水キャップ４、前記パイプ５、前記パイ プ取付板６は防水性で氷結し難く、気球上昇時に破損しない程度の材質で構成し 、また、前記パイプ５の内径は前記棒３が抜け易いよう充分太くしており、さら に、前記パイプ５の取付部は前記パイプ５の上部が吊り紐側に傾くよう傾斜をつ けている。

【００１０】 図２に示される実例図では、観測器８の横にパイプ５を固定して、パラシュー トの下部は観測器８のパラシュート下部取り付け位置12に取り付けている。

【００１１】 図３に示される実例図では、図１及び図２で示す構成物の気球結び紐取り付け 位置13に気球を結んだ紐の一端をつなぎ、パラシュート傘１の頂部に取り付けた 棒３をパイプ５に挿入したときの形態を示している。図１によるものは図３ａ， 図２によるものは図３ｂの形態で飛揚する。

【００１２】 図４に示される実例図では、気球破裂後にパラシュート頂部に取り付けた棒３ がパイプ５から抜けて、パラシュートが開傘した形態を示す。図１によるものは 図４ａ，図２によるものは図４ｂの形態で降下する。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されるので、以下に記載されるような効果 を奏する。

【００１４】 パラシュート頂部に取り付けた棒をパイプ取付板または観測器に固定したパイ プに挿入して飛揚することにより、降下時に気球破裂後の残骸がパラシュート頂 部からパラシュート傘に垂れ下がる状態を回避できることから、パラシュートの 開傘機能を妨げることなく、観測器と気球破裂後の残骸を緩降下させることがで きる。

【００１５】 また、気球破裂後の残骸によりパラシュート傘の形状が歪められることもなく 開傘することから、降下速度を効果的に抑えることができる。

【００１６】 更に、降下速度を効果的に抑えることができることから、パラシュート傘の面 積が比較的小さくても、安全な降下速度を確保することが可能となる。

【００１７】 そして、パイプ取付板を用いた場合の降下時の形態は、観測器と気球破裂後の 残骸がそれぞれ上昇時の全長に対して約半分の長さの紐で、パラシュート下部に 吊り下げられた状態になることから、鉄道架線や送電線等に引っかかる確率を低 く抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図 １】パラシュート構成図（パイプ取付板使用時）
である。

【図 ２】パラシュート構成図（観測器固定パイプ使用
時）である。

【図 ３】図１及び図２の構成物を気球につないで飛揚
したときの上昇時形態図である。図１によるものは図３
ａ、図２によるものは図３ｂの形態で上昇する。

【図 ４】図１及び図２の構成物が気球破裂後に降下し
てくるときの降下時形態図である。図１によるものは図
４ａ、図２によるものは図４ｂの形態で降下する。

【図 ５】パイプセパレータを使用しないで飛揚したと
きの上昇時形態図である。図５ａは巻下器を使用しない
場合、図５ｂは巻下器を使用した場合。

【図 ６】図５の構成物が気球破裂後に降下してくると
きの降下時形態図である。図６ａは巻下器を使用しない
場合、図６ｂは巻下器を使用した場合。

【符号の説明】

１ パラシュート傘 ２ パラシュート傘支え紐 ３ 棒 ４ 防水キャップ ５ パイプ ６ パイプ取付板 ７ 吊り紐 ８ 観測器 ９ 巻下器 １０ 気球 １１ 気球破裂後の残骸 １２ パラシュート下部取り付け位置 １３ 気球結び紐取り付け位置 １４ 観測器結び紐取り付け位置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 観測器８と気球破裂後の残骸11を緩降下
   させるためのパラシュート（１、２）及び、パラシュー
   ト傘１の頂部に取り付ける棒３と前記棒３に固定する防
   水キャップ４及び、観測器８を気球10に吊す紐の中間部
   に取り付け、前記棒３を挿入するためのパイプ５と吊り
   紐７を固定したパイプ取付板６で構成するラジオゾンデ
   用パイプセパレータ方式パラシュート。
2. 【請求項２】 前記パイプ取付板６の代わりに、前記観
   測器８の横に固定するパイプ５で構成する前記請求項１
   記載のラジオゾンデ用パイプセパレータ方式パラシュー
   ト。