JP3065336U

JP3065336U - 立体展示品

Info

Publication number: JP3065336U
Application number: JP1999004799U
Authority: JP
Inventors: 由美子富田
Original assignee: 由美子富田
Priority date: 1999-06-30
Filing date: 1999-06-30
Publication date: 2000-02-02
Anticipated expiration: 2005-06-30

Abstract

(57)【要約】【課題】立体形状に特異性があって、光と影とが折り
なす官能的な立体感が得られ、見る位置によって視覚化
が意外に多い立体展示品を提供する。【解決手段】絵模様を表わした紙または写真等のシー
ト状素材からなる複数の象形体を重ね合わせると共に、
その間にセパレ−タ−としての連結部材を介在させるこ
とによって、象形体と象形体との間に、光が入射する空
間を設けた。【効果】平面的な象形体を重ね合わせると共に、その
間に光が入射する空間を設けたので、立体形状に特異性
があって、光と影とが折りなす官能的な立体感が得られ
るので、見る人の心を魅惑的にとらえ、また、見る位置
によって視覚変化が非常に多く、動画的に想像して鑑賞
され得る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

この考案は、主として額縁に入れて鑑賞される立体展示品に関する。

【０００２】

【従来の技術】

額縁には、一般的に、絵画、書、写真等のように、平面的作品が納められる。また、彫刻、刺繍のように立体的作品の場合もあるが、平面に対して凹凸する形状において立体であって、日常的に周囲に視覚される形状であるから、人を引き付ける特異性に欠けていた。

【０００３】しかも、切り込みによる彫刻でも、額縁においては、浅い奥行きとの関係から、凹凸により立体感を表現する程度に限界があり、また、フレームによって入射光の範囲が制限されることから、立体に伴う影が生じ難く、生じたとしても、その影は日常的に見られるありふれた影であるから、面白味にも乏しい。

【０００４】また、見る角度によって作品の鑑賞に変化が生じることもない。この点について、凹凸の激しい深い掘りの立体作品の場合、例えば、作品の右側面から左側面に視覚が移ることがあっても、それは予定された視覚変化であるから、心をうばわれる程には意外性も生じなかった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記のような実情に鑑みて、立体形状に特異性があって、光と影とが折りなす官能的な立体感が得られ、見る位置によって視覚化が意外に多い立体展示品を提供することを目的とした。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、この考案は、絵模様を表わした紙または写真等のシート状素材からなる複数の象形体を重ね合わせると共に、その間にセパレ− タ−としての連結部材を介在させることによって、象形体と象形体との間に、光が入射する空間を設けた立体展示品を提供するものである。

【０００７】

【作用】

上記の立体展示品によれば、正面から見ると、最も上の象形体を平面的に見ることになるが、見る方向を変えると、下に重なっている象形体が徐々に見えて来るために、あたかも動画を見るような感覚となり、同時に、立体感が発生して来る。また、下の象形体には、上の象形体の形によって縁内側に影が出来ており、その影と光の輪郭によっても不思議な立体感が表出される。

【０００８】各象形体は、同じ形状または略同じ形状であって、素材が例えば紙であれば、一枚の紙であっても良いし、二枚以上の紙で複合されていても良い。また、それは、写真でも、絵の具で画かれたものでもよい。さらに、素材はシート状であれば、紙に限定されるものではなく、プラスチック性であってもよく、材質は問わない。

【０００９】また、象形体を重ね合わせた個々の立体展示品が基本であるが、これらを組み合わせることによって（請求項２）、実施例の如く、物語り風に表現することができる。

【００１０】

【実施例】

次に、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１１】図面は、額縁に内装する立体展示品Ｐとして実施した例を示したもので、額縁Ｆには、マットとも称される内枠１を嵌め込み、内枠１の中に少女を表わす個別の立体展示品Ｐａと、蝶を表わす個別の立体展示品Ｐｂとが内装される。また、内枠１に重ねて裏枠３が一体化され、裏枠３の中に背景Ｐｃが内装され、背景Ｐｃに両方の立体展示品Ｐａ，Ｐｂが取り付けられる。

【００１２】少女の立体展示品Ｐａ、蝶の立体展示品Ｐｂ、背景Ｐｃからなる複合立体展示品Ｐは、物語り風の作品として表現されるものであって、両方の各個の立体展示品Ｐａ、Ｐｂは、紙に絵模様が表された複数の象形体５，５，・・を重ね合わせるとともに、その間に連結部材として発泡スチロールの連結片７を介在させ、接着剤で固定することによって、各象形体５，５，・・を一体化し、また、連結片７によって背景Ｐｃに取り付けられる。なお、連結部材としては、この連結片７の他に、部分的に、単なる接着剤の層または塊りを使用することができ、連結片７に替ってまたは一緒に使用して、本考案に係かる巧みな立体感を形成することもできる。

【００１３】また、両方の立体展示品Ｐａ，Ｐｂは、複数枚の紙片から組み合わされている。これを少女の立体展示品Ｐａについて見ると、その一つの象形体５において、冠９や肩掛け着衣１０が別体の紙からなっており、また、スカ−ト１１も複数の紙片で構成され、そのため、一つの象形体５だけを見ても立体的な表現となっている。

【００１４】さらに斜めから見る方向に移動すると、図１に示すように、象形体５，５，・・の重なりが徐々に見えて来ることから、動画として意識され、また、各象形体５の中に上の象形体５の影が入り込んで、立体感が増大する。そして、光の感度を良くするために、各象形体５の表面にはニスが塗布され適宜に光沢が与えられている。また、これによって、立体感に曲面が生じてくる。

【００１５】また、背景Ｐｃについては、図示は省略するが、同じような紙の素材によって、深い森を表現したもので、その中には、大樹木、草花、実等が配され、大樹木等は、前記したように、複数の象形体を重ね合わせて表現される。このような背景Ｐｃの配置を保持するために、裏枠３には背面シ−ト１２が被着される。１４は板ガラス、１５は裏板である。

【００１６】なお、上記のような個別の立体展示品Ｐａ，Ｐｂや、複合の立体展示品Ｐは、額縁Ｆにばかりでなく、例えば、ガラスケ−スの中に、壁に開けた窓内にというように、多様な実施対象が考えられる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案の立体展示品によれば、平面的な象形体を重ね合わせると共に、その間に光が入射する空間を設けたので、立体形状に特異性があって、光と影とが折りなす官能的な立体感が得られるので、見る人の心を魅惑的にとらえ、また、見る位置によって視覚変化が非常に多く、動画的に想像して鑑賞され得るというように、従来の立体作品にない優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案を実施した額縁の斜視図である。

【図２】同額縁の横断面説明図である。

【符号の説明】

Ｐ物語り風の合成立体展示品Ｐａ，Ｐｂ個別の立体展示品Ｆ額縁５象形体７連結片

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】絵模様を表わした紙または写真等のシー
ト状素材からなる複数の象形体を重ね合わせると共に、
その間にセパレ−タ−としての連結部材を介在させるこ
とによって、象形体と象形体との間に、光が入射する空
間を設けたことを特徴とする立体展示品。
【請求項２】額縁の中に、複数個の立体展示品を配列
した物語り風の合成立体展示品であって、個々の立体展
示品については、絵模様を表わした紙または写真等のシ
ート状素材からなる複数の象形体を重ね合わせると共
に、その間にセパレ−タ−としての連結部材を介在させ
ることによって、象形体と象形体との間に、光が入射す
る空間を設けたことを特徴とする立体展示品。