JP3064610B2 - カレンダ−用樹脂ロ−ル - Google Patents
カレンダ−用樹脂ロ−ルInfo
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Description
レンダ−,製紙用ス−パ−カレンダ−,繊維用カレンダ
−,磁気テ−プ用カレンダ−装置に使用されルカレンダ
−用樹脂ロ−ルに関し、特に製紙用の大型カレンダ−ロ
−ルに用いられるものである。
と弾性ロ−ルの間に温度,圧力を加えながらウェブを通
過させ、表面の平滑性,艶出しを行うものである。この
様なカレンダ−装置に用いられる弾性ロ−ルは、高温,
高圧,高速に耐え、しかも使用中に割れ破壊等が生じな
い性能が要求されている。
して、原綿、木綿、脱脂綿、紙、ウ−ルなどからなる所
謂コットンロ−ル、ペ−パ−ロ−ル、ウ−ルロ−ル等が
使用されている。
集合体であるためその硬度が均一でない。従って、実際
に使用する際には、予備運転をしてロ−ル表面の硬度を
ある程度均一にしている。この表面の硬度の均一化作業
には、多大な時間を費している。また、繊維を使用した
これらのロ−ルは、使用時の内部発熱が大きく、高圧
下、高速回転で運転すると内部が焼けてしまい、使用不
能となる。また、運転中に紙切れ等の事故が起きると、
被処理体の紙にしわが発生し、これらの紙が数枚重なっ
た状態でカレンダ−される。この時、ロ−ルの復元性が
悪いため、ロ−ル表面に紙跡が残りその後に通過する紙
に傷をつけてしまう。同様に、狭幅の紙を処理した後に
広幅の紙を処理すると、狭幅の紙をエッヂ部のへこみが
直接広幅の紙に影響を及ぼす問題がある。そこで、予備
ロ−ルを何本も用意し、紙幅が変化する度にロ−ルを交
換し、紙の重なりによって傷が発生した場合は、再度研
磨することを行っている。繊維用カレンダ−ロ−ルとし
ても、上記繊維質ロ−ルが多用されているが、同様な欠
陥を有している。
されてきた。磁気テ−プ用カレンダ−装置に用いられる
樹脂ロ−ルとして、特公昭52-17404号公報にウレタンゴ
ム又はウレタンゴムを主成分とする複合材料を芯体表面
に取り付けてなるショア−D硬度70゜以上の弾性ロ−
ルを使用することが記載されている。しかし、ここで使
用されるウレタン樹脂(ゴム)はガラス転移温度(T
g)が120℃の材質は伸びが10%以上であり、大型
のロ−ルが製作可能であるが、最近カレンダ−条件が厳
しくなり、より高温,高圧,高速での使用要求がある。
Tgがより高い樹脂を使用しなければならないが、ウレ
タン樹脂は例えばTgを140℃の材質にすると、伸び
が5%以下になり、大型ロ−ルの成形ができなくなって
しまう。
として磁気テ−プ用カレンダ−装置に用いられる樹脂ロ
−ルの樹脂として、非繊維系プラスチックが適用され、
熱硬化性樹脂又はガラス転移温度(Tg)が120℃以
上の熱可塑性樹脂が選ばれ、例えばエポキシ樹脂、シリ
コン樹脂、ポリアリレ−ト樹脂、フッ化ビニデリン樹
脂、ポリフェニレンスルフィルド樹脂、フェノ−ル樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアセタ−ル樹脂、ポ
リイミド樹脂が使用されている(特公昭64-1297 号公
報)。
備えた樹脂は、一般に伸びが小さく、芯金に一体成形し
た場合は硬化収縮、熱収縮のため、製作中に割れが生じ
ることがあり、特に大型ロ−ルでは製作が困難である。
そのため、予め樹脂の筒体を製作しておき、その筒体を
芯金に被覆する方法を取らないとロ−ルの製作は不可能
である。
する方法を取らざるを得ない。予め、樹脂の筒体を製作
しておき、筒体を芯金に被覆する方法は特公昭62-40476
号で提案されている様に従来から行なわれてきた技術で
ある。しかし、この様な方法は以下の様な欠点を有して
いる。大型ロ−ルを製作する場合、筒体の内面を精度良
く研磨する必要がある。これは、精度が悪いと、芯金と
樹脂が密着せず、使用中にその部分から破壊が起こるた
めである。芯金と筒体を接着させる場合、予め成型され
た樹脂と芯金を接着させるため、接着力が弱く、接着欠
陥部分が発生する可能性がいつもある。この様に、筒体
の内面研磨に非常に労力を費やし、しかもロ−ル製作後
に接着欠陥部分が存在する可能性があり、品質上安定し
ない。
場合、使用中にその部分から破壊が起こり、樹脂が飛散
し、ひどい場合は装置全体に影響を及ぼし、人身事故に
つながる可能性もある。
おいた樹脂筒体と芯金の間に樹脂を注入して一体化する
方法(例えば特公平3-47359 号)があるが、大型ロ−ル
製作時に樹脂筒体と芯金との間隙部の精度保持等、非常
に大変な作業である。また、同時に予め樹脂の筒体を製
作しておくため、接着力が弱く、ロ−ル使用時に破壊
し、樹脂が飛散する可能性がある。
リン)化合物を原料として熱硬化性樹脂に関する特許出
願である。この出願は、具体的には、ビス(2−オキサ
ゾリン)化合物とジカルボン酸とをビス(2−オキサゾ
リン)化合物1モルに対してジカルボン酸を約1モル以
下の割合で亜リン酸エステルの存在下、加熱反応させる
ことを特徴とする熱硬化性樹脂の製造法である。
記の様な出願がある(特公平2-22446 号)。即ち、この
出願は、磁気記録媒体を少なくとも一対のロ−ルの間で
表面処理する磁気記録媒体の表面処理方法において、前
記磁気記録媒体に接触するロ−ル表面層としてビス(2
−オキサゾリン)化合物とジカルボン酸とを亜リン酸エ
ステルの存在下に反応させて得られる熱硬化性樹脂を用
いることを特徴とする磁気記録媒体の表面処理方法であ
る。
とジカルボン酸と亜リン酸エステルを用いたロ−ルにて
表面処理を行うと、非常に良い結果が得られることが記
載されているが、これらの樹脂は耐熱性が高い時(例え
ばTg:150℃以上)に伸びが5%以下であり、大型
ロ−ルの一体成形が難しい。また、より耐熱性が必要な
用途では、Tgの上昇とともに伸びが小さくなり、大型
ロ−ルの製作にはむかない。このため、前述の筒体のハ
メ込み方式でロ−ルを製作せざるを得ない。
較すると、硬さが硬く耐熱性の良い樹脂は伸びが小さく
耐衝撃性が良くない。このため、耐熱性の良い樹脂被覆
材を用いた大型ロ−ルを製造することは大変難しい。
キサゾリン)化合物と少なくとも2個のアミノ基を有す
る芳香族化合物を反応させることを特徴としており、特
開平1-199320号は上記樹脂を用いて製作した樹脂ロ−ル
を使用することを特徴とする磁気記録媒体の表面処理装
置に関するものである。これは、前述の特公平2-22446
号よりより高温、高圧に耐えられる樹脂ロ−ルを提供す
るものである。しかし、この場合、本文中第117 頁右段
6行目から記載されているように、型への注入,回転成
形,塗布等があるが、発明者らの実験の結果、実施例で
も記載されているように、予め樹脂のパイプを成型し、
そのパイプを芯金に被覆する方法がベストである半面、
芯金に注型型を組み、直接樹脂を型へ流し込み、一体に
成形する方法をとると製作時に割れ等が生じる欠点があ
る。
量の発熱を伴うからであり、その発熱が図1の様に反応
が徐々に進むのではなく、硬化(反応)が始まると一気
に進み、樹脂内部が高温になってしまい、硬化収縮,熱
収縮が大きくなってしまう。特に、大型ロ−ル製作の場
合、樹脂ロ−ルとしての特性を出すため、樹脂の厚みを
10〜50mmに設定して製作するが、厚みが厚ければ厚
いほど硬化時に発生した熱の放熱が少なくなり、樹脂内
部に歪みが発生してしまう。そして、芯金の線膨脹係数
が非常に小さいため、芯金と一体成型した場合、樹脂の
硬化収縮と、熱収縮の値に伸びが追従できず、割れが生
じる。また、割れが生じなくとも、樹脂内部に残留歪が
大きくあり、実使用中に割れを生じることがある。
ンダ−装置に用いられる樹脂製ロ−ルとして、高圧,高
温,高速,大型化など個々の要求を満たすロ−ルは多く
のものがあるが、複数の要求、特に、より高温で他の複
数の要求がある場合の材質で満足な材質はなかった。
で、高温、高圧、高速の条件で安定して使用でき、かつ
処理するウェブの重なり等による表面への傷付き低減、
クラックを回避しえるカレンダ−用樹脂ロ−ルを提供す
ることを目的とする。
金を貫通させた注型用モ−ルド内へ原料樹脂混合物を直
接注型し、硬化させて一体化成型する方法は勿論、予め
樹脂の筒体を製造し、それを芯金に被覆する方法でも製
作可能である。
キサゾリン)化合物と、芳香族ジアミンと、分子内に少
なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ化合物を反
応させ、ショア−D硬度が85゜以上の熱硬化性樹脂を
芯金に被覆したことを特徴とするカレンダ−用樹脂ロ−
ルである。本発明において、ビス(2−オキサゾリン)
化合物は、下記一般式「化1」で表わされる。
基を示し、R1 ,R2 ,R3 及びR4 はそれぞれ水素、
アルキル基またはアリ−ル基を示す。Rが炭化水素基の
とき、具体例としてアルキレン基、シクロアルキレン基
又はアリ−レン基等を挙げることができる。
体例として、Rが炭素間結合のとき、例えば、2,2′
−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−メ
チル−2−オキゾリン)、2,2′−ビス(5−メチル
−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(5,5′−ジ
メチル−2−オキゾリン)、2,2′−ビス(4,4,
4′,4′−テトラメチル−2−オキゾリン)を挙げる
ことができる。また、Rが炭化水素基であるときは、例
えば、1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)エ
タン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ブ
タン、1,6−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ヘ
キサン、1,8−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)
オクタン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イ
ル)シクロヘキサン、1,2−ビス(2−オキサゾリン
−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(2−オキサゾリ
ン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(2−オキサゾ
リン−2−イル)ベンゼン、1,2−ビス(5−メチル
−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビ
ス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼ
ン1,4−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリ
ン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(5−メチル−
2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス
(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン−2−イル)
ベンゼンを挙げることができる。これらは単独で、又は
2種以上の混合物として用いられる。
ゾリン)化合物は、モノ(2−オキサゾリン)化合物と
併用することができる。かかるモノ(2−オキサゾリ
ン)化合物の具体例としては、例えば、2−メチルオキ
サゾリン、2,4−ジメチルオキサゾリン、2−エチル
オキサゾリン、2,5−ジメチルオキサゾリン、4,5
−ジメチルオキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾ
リン、2−(m−トリル)オキサゾリン、2−(p−ト
リル)オキサゾリン、5−メチル−2−フェニルオキサ
ゾリンを挙げることができる。特に、1,3−ビス(2
−オキサゾリン−2−イル)ベンゼンを用いることが望
ましい。
は、単環式又は多環式化合物のいずれであってもよく、
具体例として、例えば、o−、m−又はp−フェニレン
ジアミン、2,3−又は2,4−又は2,5−トルイレ
ンジアミン、4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′
−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,
4′−ジアミノトリフェニルメタン、3,3′−ジメチ
ル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′,5,
5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、
4,4′−メチレンビスアニレン、4,4′−メチレン
ビス(2−クロロアニレン)、2,2′−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4′−ジア
ミノジフェニルエ−テル、4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルフィドや、4,4′−ビス(アミノフェニル)ア
ミンを挙げることができる。
ンビスアニレン、4,4′−メチレンビス(2−クロロ
アニレン)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、3,4′−ジアミノジフェニルエ−テル、4,
4′−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2′−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等
が好ましい。
ジアミンと共に、分子内に単一のアミノ基を有する芳香
族化合物、特に、芳香族モノアミンを、併用することが
できる。かかる芳香族モノアミンも、単環式化合物でも
多環式化合物のいずれでもよく、具体例として、例えば
アニレンメチルアニレン、エチルアニレン、o−トルイ
ジン、m−トルイジン、p−トルイジン、α−ナフチル
アミン、β−ナフチルアミン、ベンジルアミンを挙げる
ことができる。
合物は、分子内に少なくとも2つ以上のエポキシ基を有
する化合物であって、ビスフェノ−ルAグリジルエ−テ
ル、ビスフェノ−ルFジグリシジルエ−テル、テトラプ
ロモビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テル等のビスフ
ェノ−ル型エポキシ化合物、フタル酸ジグリシジルエス
テル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒド
ロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル
酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシ
ジルエステル、ダイマ−酸ジグリシジルエステル等のジ
グリシジルエステル型エポキシ化合物、ノボラック型エ
ポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物等を挙げることが
できる。これらは、単独で、又は混合物として用いられ
る。上記したようにエポキシ化合物は芳香族アミン1モ
ルに対して、通常、1モル以下の範囲で用いられる。
共に、分子内に単一のエポキシ基を有するモノエポキシ
化合物も併用することができる。このようなモノエポキ
シ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエ−テ
ル、アリルグリシジルエ−テルを挙げることができる。
ン)化合物と芳香族アミンとエポキシ化合物との反応
は、好ましくは、オキサゾリン環開重合触媒の存在下に
行われる。かかる触媒を用いることによって、反応温度
を低下させ、あるいは硬化に要する反応時間を短縮する
ことができる。
ば、Polymer J.,Vol.3,pp.35-39(1972)や、「講座重合
反応論7、開環重合II、pp.159-164、化学同人(1973)に
記載されているように既に知られており、具体例とし
て、例えば、強酸、スルホンサンエステル、硫酸エステ
ル、ルイス酸、脂肪族または脂環族元素、アルキル炭素
やアルキレン炭素に結合したハロゲン原子を少なくとも
1つ有する有機ハロゲン化物を挙げることができる。
酸等のオキソ酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水
素酸、硫化水素等の水素酸等の鉱酸、例えば、フェニル
リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナ
フタレン−α−スルホン酸、ナフタレン−β−スルホン
酸、スルファニル酸、フェニルホスホン酸等の有機酸を
挙げることができる。これら強酸は、それ自体を用いて
もよいが、また予め用いる芳香族アミンの塩を形成させ
てこれを用いることもできる。
−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸
メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエン
スルホン酸n−ブチルを挙げることができる。硫酸エス
テルとしては、例えば、ジメチル硫酸やジエチル硫酸を
挙げることができる。ルイス酸としては、例えば、塩化
アルミニウム、塩化第二スズ、塩化バナジウム、塩化バ
ナジル、三フッ化ホウ素を挙げることができる。
しては、モノハロアルカン及びポリハロアルカンであっ
て、具体例として、例えばヨウ化メチル、塩化ブチル、
臭化ブチル、ヨウ化ブチル、臭化n−ヘキシル、塩化オ
クチル、臭化n−オクチル、臭化ラウリル、臭化ステア
リル、臭化アリル、四臭化エタンを挙げることができ
る。また、前記した有機ハロゲン化物の他の好ましい具
体例として、例えば、臭化ベンジル、p,p′−ジクロ
ロメチルベンゼン等のモノハロメチルベンゼンやポリハ
ロメチルベンゼン、α−ブロモプロピオン酸エチル、α
−ブロモイソ酪酸エチル等のハロゲン化脂肪エステルを
挙げることができる。上記した触媒は、単独で、又は2
種以上が併用される。
樹脂原料、即ち、前記したビス(2−オキサゾリン)化
合物、芳香族アミン及びエポキシ化合物の合計重量に基
づいて、約0.05〜5重量%の範囲で用いられ、好ま
しくは約0.1〜3重量%の範囲で用いられる。
いる樹脂の例としては、前述した特開昭59-1533 号,特
開平1-199320号,特開平1-113420号が挙げられるが、こ
れらの樹脂の中で特に大型のカレンダ−用樹脂ロ−ルと
して最適な樹脂は特開平1-113422号を基とする樹脂であ
り、発明者らは研究の結果、高温,高圧,高速下での大
型カレンダ−用樹脂ロ−ルを芯金と一体成型でき、しか
も成型中、使用中のクラック発生が生じないことを見出
だした。
た特開平1-199320号で用いられる樹脂の発熱の様な発熱
曲線は取らず、図2の様に長時間にわたり分散して発熱
し、かつ硬化温度に比べ極端な温度差が生じぜず、芯
金,金型の温度との差もあまり生じないので、硬化収
縮,熱収縮を小さくすることができる。これは、3つの
反応物が徐々に反応を進めるためである。
ス(2−オキサゾリン)化合物をA、芳香族ジアミンを
B、分子内に少なくとも2つのエポキシ基を有するエポ
キシ化合物をCとしたとき、モル比で A/(B−C)=1.2〜3.0
−用樹脂ロ−ルが得られる。ここで、その比が1.2未
満の場合は、一般的にガラス転移温度(Tg)が150
℃未満で低く、カレンダ−ロ−ルとして実用上問題があ
る。また、特殊な芳香族ジアミンを選べば、その比が
1.2未満の場合でもTgが150℃以上となるが、そ
の場合には伸びが小さくなり問題がある。また、その比
が3.0より大きい場合は、ガラス転移温度(Tg)は
高くなるが、伸びが小さく(EB 5%以下)なり、実機
ロ−ル製作が不可能である。
上としたのは、次の理由による。つまり、通常、カレン
ダ−用ロ−ルは高圧,高速回転で使用される機会が多
く、硬度が85に満たないと使用圧力による樹脂の変形
量が大きくなる。その結果、樹脂内部が発熱し、破壊に
至る。また、大きな変形量に樹脂が追従できず、クラッ
クが生ずる。
ルミナ粉末、ガラス粉末、炭酸カルシウム、カ−ボン、
クレイ粉末、シリカビ−ズ、アルミナビ−ズ、ガラスビ
−ズ等の無機質粉末よりなる充填剤を混入してもよい。
また、エポキシ樹脂粉末,フェノ−ル樹脂粉末等の有機
質粉末よりなる充填剤を混入してもよい。更に、例えば
ガラス繊維,カ−ボン繊維,金属繊維を使用しても良
く、形状は例えば裁断物,織物,不織布いずれでも可能
である。
定使用でき、なおかつ処理するウェブの重なり等による
樹脂ロ−ル表面への傷付き低減、クラックの生じない樹
脂ロ−ルを得ることができる。
脂原料に対して0.4重量部添加し混合した原料を準備
する。 2.鉄心の準備 表面にサンドブラスト処理を行ない、接着剤を塗布した
鉄心を注型用モ−ルドに貫通させ予熱をする。 3.注入,硬化工程 この型に上記原料樹脂を注入し、加熱硬化させる。 4.研磨工程
ロ−ル型φ400,面長2500mmの樹脂を被覆したカレン
ダ−用樹脂ロ−ルを得た。図3はこのロ−ルの断面形状
を示すもので、1は芯金、2は接着剤層、3は樹脂層を
示す。
−パ−カレンダ−用弾性ロ−ルとして使用した。12段の
ス−パ−カレンダ−の下から2段目で、使用条件即ちス
ピ−ド600 m/min ,圧力250 KN/m,温度;ヒ−ト
ロ−ル80℃の条件で使用した。研磨周期が従来のコット
ンロ−ルと比較して10倍に伸び、割れなどのトラブルが
発生せずに順調に使用されている。 (実施例2)
粉末を100 重量部混合した原料を準備した。他の方法
は、実施例1と同様な方法で実施例2に係るロ−ルを得
た。但し、この場合の芯径はφ580、外径φ600、
面長は5500mmである。
レンダ−の弾性ロ−ルとして、12段のス−パ−カレンダ
−の下から2段目で、使用条件即ちスピ−ド800 m/mi
n ,圧力250 KN/m,温度;ヒ−トロ−ル80℃の条件
で使用した。その結果、研磨周期が従来のコットンロ−
ルと比較して8倍に伸び、割れ等のトラブルが発生せず
に、順調に使用されている。 (比較例1)原料樹脂として、 1,3ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン 1.5モル 4,4′メチレンビスアニリン 1 モル
化オクチルを原料樹脂に対し、0.4重量部添加し混合
した。これを、実施例1と全く同一な方法で同一寸法の
ロ−ルを製作した。しかし、硬化後、クラックが発生し
満足なロ−ルを得ることができなかった。 (比較例2)
化させるのではなく、一度樹脂のスリ−ブを製作した。
つづいて、内径を研磨しφ383とした。次に、このス
リ−ブをブラスト処理、接着剤を塗布したφ380の芯
金にはめ込み、1.5mmの間隙に接着性樹脂を流し込
み、硬化後常法により研磨を行ない、実施例1と同一寸
法のロ−ルを得た。このようにして得られたロ−ルを、
実施例1と同様に使用したが、9ケ月で端部に剥離が生
じたので使用を中止した。
時及び高温,高圧,高速の使用条件下で割れ,破壊がな
く、製紙用の大型カレンダ−用ロ−ルにおいても有効な
信頼性の高いカレンダ−用樹脂ロ−ルを提供できる。
の関係を示す特性図。
温度との関係を示す特性図。
Claims (3)
- 【請求項1】 ビス(2−オキサゾリン)化合物と、芳
香族ジアミンと、分子内に少なくとも2つのエポキシ基
を有するエポキシ化合物を反応させ、ショア−D硬度が
85゜以上の熱硬化性樹脂を芯金に被覆したことを特徴
とするカレンダ−用樹脂ロ−ル。 - 【請求項2】 前記熱硬化性樹脂が、ビス(2−オキサ
ゾリン)化合物Aと、芳香族ジアミンBと、分子内に少
なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ化合物Cの
構成比がモル比で A/(B−C)=1.2〜3.0 である請求項1記載のカレンダ−用樹脂ロ−ル。 - 【請求項3】 前記熱硬化性樹脂のガラス転移温度(T
g)が150℃以上である請求項1記載のカレンダ−用
樹脂ロ−ル。
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JPH05171593A JPH05171593A (ja) | 1993-07-09 |
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