JP3064194B2 - ガス漏れ警報器用点検装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス漏れ警報器の作動
の良否を点検するのに用いられる簡便型のガス漏れ警報
器用点検装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ガス漏れ警報器は、一般にガスコンロ、
ガスストーブ等のガス燃焼装置が使用される室内の適所
に装着して、前記ガス燃焼装置にガス漏れが生じたとき
に、その漏れたガスを検知して警告音を発生し異常を知
らせるようになっており、常に正常に作動するように維
持管理されている。

【０００３】このため従来、ガス漏れ警報装置の作動の
良否を点検する各種の簡便型点検装置が開発されてい
る。

【０００４】図６は、従来の簡便型点検装置で、（ａ）
はアルコール型点検ガス装置１００を、（ｂ）はライタ
ー型点検ガス装置２００をそれぞれ示す。

【０００５】アルコール型点検ガス装置１００は、弾性
容器１０１内に点検用ガスが充填されており、弾性容器
１０１の上部に突出形成されたガス吹出口１０２を覆う
キャップ１０３を外した後、弾性容器１０１の胴部を手
動で圧迫することにより、内部の点検用ガスをガス吹出
口１０２から外方へ吹出すことができるようになってい
る。

【０００６】また、ライター型点検ガス装置２００は、
所謂着火機構の無い携帯用ライターと同様に作動するよ
うになっており、レバー２０２を手動で押下げることに
より、容器２０１内に充填された点検用ガス２０３を外
方へ吹出すことができるようになっている。

【０００７】そしてこれらの点検ガス装置１００及び２
００は、いずれも作業者により被点検ガス漏れ警報器に
近ずけて該警報器に点検用ガスを吹き懸けて、ガス漏れ
警報器の作動の良否を点検するようになっている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】このように従来の簡便
型点検ガス装置１００（２００）は、作業者によりガス
漏れ警報器に近ずけて点検作業を行なうものであるか
ら、作業者の手が届かない高所、例えば、図７に示すよ
うに天井３００にガス漏れ警報器４００が設置されてい
る場合、作業者５００は例えば脚立６００等の上に乗っ
て点検ガス装置１００（２００）を警報器４００に近ず
けて作業をする必要があり、作業姿勢が不安定で危険が
伴なうと共に作業性が劣るという課題を有している。

【０００９】本発明は、前記した課題を解決すべくなさ
れたものであり、その目的は作業者の手の届かない高所
に設置したガス漏れ警報器に対する点検作業を、安全
で、かつ簡便に行なうことができると共に、携帯性及び
収納性に優れたガス漏れ警報器用点検装置を提供するに
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ため、請求項１記載の発明は、被点検ガス漏れ警報器の
下面及び側面にそれぞれ対応する水平部及び直立部を有
して略Ｌ字形状に形成されたガス吹出部と、前記水平部
の上面に奥行き方向に沿って形成された溝部内に穿設さ
れた点検用ガスの吹出開口部と、前記吹出開口部と前記
点検用ガスを充填したガス容器とを連結するガス導入管
と、前記ガス吹出部に設けた伸縮可能な支持杆とを備え
たことを特徴としている。

【００１１】また、請求項２記載の発明は、請求項１記
載のガス漏れ警報器用点検装置であって、前記ガス吹出
部の直立部の内側面に、前記被点検ガス漏れ警報器の側
面に形成されたスリットに係脱自在に係合する位置決め
用突出部が形成されていることを特徴としている。

【００１２】

【００１３】

【００１４】

【００１５】

【００１６】

【作用】請求項１および２記載の発明は、前記した構成
になっているので、次の作用を奏する。

【００１７】すなわち、請求項１記載の発明は、伸縮可
能な支持杆を伸ばすことにより、作業者は床上に立った
姿勢のまま前記支持杆を把持してガス吹出部を、高所に
設置した被点検ガス漏れ警報器に近付けることができる
と共に、不使用時に前記支持杆を縮めることによりコン
パクトに収納することができる。

【００１８】また、請求項１記載の発明は、ガス吹出部
を、被点検ガス漏れ警報器の下面及び側面にそれぞれ対
応する、吹出開口部を穿設した水平部、及び直立部を有
して形成したので、ガス吹出部を被点検ガス漏れ警報器
の側部に良好にフイットさせて、気流等の外部環境の影
響の極力少ない状態で、前記吹出開口部から吹き出す点
検用ガスをガス漏れ警報器へ吹き懸けることができる。

【００１９】さらに、請求項１記載の発明は、点検用ガ
スの吹出開口部を、水平部の上面に形成した溝部内に穿
設したので、前記水平部を被点検ガス漏れ警報器の下面
に当接させた状態でも、前記溝部により被点検ガス漏れ
警報器の下面との間に点検用ガスの吹き出す隙間が確保
され、点検作業に支障を来たすことがない。

【００２０】また、請求項２記載の発明は、直立部の内
側面に、被点検ガス漏れ警報器に形成されたスリットに
係脱自在に係合する位置決め用突出部を形成したので、
この突出部を前記スリットに係合させることにより、点
検時にガス吹出部を被点検ガス漏れ警報器に対して適正
位置に容易にセットすることができる。

【００２１】

【００２２】

【００２３】

【実施例】以下、本発明を図示した実施例に基づいて具
体的に説明する。

【００２４】図１乃至図３は、一実施例としてのガス漏
れ警報器用点検装置１を示す。

【００２５】この点検装置１は、点検用ガスの吹出開口
部２を有するガス吹出部３と、このガス吹出部３に一端
が取付けられた他端が自由端になっている伸縮可能な支
持杆４と、吹出開口部２に連通するようにガス吹出部３
に一端が取付けられると共に他端が点検用ガスを充填し
たガス容器７に連結するガス導入管５とから大略構成さ
れている。

【００２６】ガス吹出部３は、被点検ガス漏れ警報器８
の下面８ａ及び側面８ｂにそれぞれ対応する水平部３１
及び直立部３２を有して略Ｌ字形状に形成されており、
水平部３１の上面３１ａに吹出開口部２が穿設されてい
る。この吹出開口部２は、好ましくは水平部３１の上面
３１ａに奥行き方向に沿って形成された溝部９内に穿設
される。このように吹出開口部２を溝部９内に穿設する
ことにより、水平部３１の上面３１ａを被点検ガス漏れ
警報器８の下面８ａに当接させた状態でも、吹出開口部
２を塞ぐことなく、溝部９により被点検ガス漏れ警報器
８の下面８ａとの間に点検用ガスの吹き出す隙間を確保
することができ、点検作業を支障無く行なうことができ
る。

【００２７】また、ガス吹出部３は、好ましくはその直
立部３２の内側面３２ａに、被点検ガス漏れ警報器８の
側面８ｂに形成されたスリット８ｃに係脱自在に係合す
る位置決め用突出部１０を形成することができる。この
場合、位置決め用突出部１０をスリット８ｃに係合させ
ることにより、点検時にガス吹出部３を被点検ガス漏れ
警報器８に対して適正位置に容易にセットすることがで
き、点検作業効率の一層の向上を図ることができる。な
お、ガス吹出部３の内部３３は、軽量化を図るため中空
にしても良い。

【００２８】また、支持杆４は、径の異なる複数の円筒
管を相互にスライド可能に同心上に組付けて構成されて
おり、前記複数の円筒管の各々が節状になるように伸ば
すことができると共に、前記複数の円筒管が同心上に重
合するように縮めることができるように構成されてい
る。この支持杆４は、例えば被点検ガス漏れ警報器８の
設置される高所が天井であることを想定して、全伸長さ
を１．１ｍ、全縮長さを２８ｃｍとなるように設計され
る。

【００２９】この支持杆４は、最内側の円筒管の端部に
取付けた雄ねじ部４１をガス吹出部３の内部３３に固着
した雌ねじ部３４に螺合することにより、その一端側が
取付けられており（図２参照）、他端側が自由端となっ
ている。この他端側には不使用時にこの点検装置１を片
付ける為の引掛け片４２が固着されている。

【００３０】さらにガス導入管５は、可撓性チューブ部
材からなり、その一端部５１を、吹出開口部２に連通さ
せて、ガス吹出部３の水平部３１を上下に貫通するよう
に設けられたジョイント１１の下方に突出した連結部１
１ａに着脱可能に連結させてガス吹出部３に取付けられ
る（図２参照）と共に、他端部５２をガス容器７に連結
させて取付けられている。このときガス容器７は、噴射
ボタン７１を備え、内部に点検用ガスが高圧下に充填さ
れた標準ガス容器が用いられ、ガス導入管５の他端部５
２は噴射ボタン７１に設けた噴射管７２に連結されてい
る。

【００３１】このように構成されたガス漏れ警報器用点
検装置１は、噴射ボタン７１を押すことによりガス容器
７内の点検ガスＧが噴射管７２、及びガス導入管５を経
て吹出開口部２から外方へ吹き出すようになっている
（図２参照）。

【００３２】次に、このガス漏れ警報器用点検装置１の
作動を図４に基づいて説明する。

【００３３】点検装置１は、支持杆４を伸ばすことによ
り、作業者５００は床７００上に立った姿勢のまま、天
井３００に設置したガス漏れ警報器８を点検することが
できる。

【００３４】すなわち、作業者５００は、一方の手で伸
びた支持杆４の下端部を把持してガス吹出部３を警報器
８の側部に当接させ、片方の手でガス容器７を操作して
点検用ガスを吹き出して警報器８の作動の良否を点検す
ることができる。このときガス吹出部３の警報器８への
当接は、水平部３１の上面３１ａ及び直立部３２の内側
面３２ａがそれぞれ警報器８の下面８ａ及び側面８ｂに
対応するようにして行なう。

【００３５】このように点検装置１は、支持杆４を伸ば
すことによって、作業者５００の手の届かない高所に設
置した警報器８に対する点検作業を安全で、かつ簡便に
行なうことができると共に、不使用時にガス導入管５の
一端部５１をジョイント１１の連結部１１ａから外すと
共に支持杆４を縮めることによりコンパクトに収納する
ことができるので携帯性及び収納性の優れたものとなっ
ている。

【００３６】また、点検装置１は、ガス吹出部３の水平
部３１及び直立部３２を、それぞれ警報器８の下面８ａ
及び側面８ｂに対応させて点検作業を行なうものである
から、水平部３１及び直立部３２に保護されて気流等の
外部環境の影響の極力少ない状態で、吹出開口部２から
吹き出す点検用ガスＧをガス漏れ警報器８へ吹き懸ける
ことができるので点検作業効率の向上したものとなって
いる。

【００３７】図５は、他の実施例としてのガス漏れ警報
器用点検装置１２を示す。この点検装置１２は、支持杆
４がガス導入管５を内部に通過させて設けられている点
が相違し、他の構成は前述した点検装置１と同様になっ
ている。すなわち、支持杆４は、径の異なる複数の円筒
管を相互にスライド可能に同心上に組付けた、上，下端
に開口部４ａ，４ｂを有する構成体に形成されており、
上端開口部４ａをガス導入管５の一端部５１の連結部位
に外方から圧入して取付けられている。このときガス導
入管５は、その一端部５１を、点検用ガスＧの吹出開口
部２に連通させて設けられたジョイント１１の連結部１
１ａに連結させると共に、その他端部５２を支持杆４の
下端開口部４ｂから外方へ引出して前述した点検装置１
と同様にガス容器７へ連結して取付けられている。

【００３８】このように点検装置１２は、支持杆４の内
部にガス導入管５を通過させたので、ガス導入管５と干
渉すること無く、支持杆４を操作することができ、作業
性の向上したものとなっている。

【００３９】その上点検装置１２は、ガス導入管５が可
撓性を有しているので、支持杆４の伸縮作動を支障無く
行なうことができ、かつ不使用時に支持杆４を縮めると
共にガス導入管５の他端部５２をガス容器７から取外し
てコンパクトに収納することができるので携帯性及び収
納性の優れたものとなっている。

【００４０】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば次の効果を奏する。

【００４１】すなわち、請求項１記載の発明によれば、
伸縮可能な支持杆を伸ばすことにより、作業者は床上に
立った姿勢のまま前記支持杆を把持してガス吹出部を、
高所に設置した被点検ガス漏れ警報器に近付けることが
できるので、作業者の手の届かない高所に設置したガス
漏れ警報器に対する点検作業を、安全で、かつ簡便に行
なうことができると共に、不使用時に前記支持杆を縮め
ることによりコンパクトに収納することができるので、
携帯性及び収納性の優れたガス漏れ警報器用点検装置を
提供することができる。

【００４２】また、請求項１記載の発明によれば、ガス
吹出部を、被点検ガス漏れ警報器の下面及び側面にそれ
ぞれ対応する、吹出開口部を穿設した水平部、及び直立
部を有して形成したので、ガス吹出部を被点検ガス漏れ
警報器の側部に良好にフイットさせて、気流等の外部環
境の影響の極力少ない状態で、前記吹出開口部から吹き
出す点検用ガスをガス漏れ警報器へ吹き懸けることがで
き、この結果、点検作業効率の向上を図ることができ
る。

【００４３】さらに、請求項１記載の発明によれば、点
検用ガスの吹出開口部を、水平部の上面に形成した溝部
内に穿設したので、前記水平部を被点検ガス漏れ警報器
の下面に当接させた状態でも、前記溝部によりガス漏れ
警報器の下面との間に点検用ガスの吹き出す隙間が確保
され、点検作業に支障を来たすことがなく、この結果、
点検作業効率の一層の向上を図ることができる。

【００４４】また、請求項２記載の発明によれば、直立
部の内側面に、被点検ガス漏れ警報器に形成されたスリ
ットに係脱自在に係合する位置決め用突出部を形成した
ので、この突出部を前記スリットに係合させることによ
り、点検時にガス吹出部を被点検ガス漏れ警報器に対し
て適正位置に容易にセットすることができ、この結果請
求項１記載の発明の効果に加えて、点検作業効率のさら
に一層向上したガス漏れ警報器用点検装置を提供するこ
とができる。

【００４５】

【００４６】

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例としてのガス漏れ警報器用点検装置の
斜視図である。

【図２】図１のガス漏れ警報器用点検装置の要部中央縦
断面図である。

【図３】図１のガス漏れ警報器用点検装置の使用時の組
付状態図である。

【図４】図１のガス漏れ警報器用点検装置の使用状態説
明図である。

【図５】他の実施例としてのガス漏れ警報器用点検装置
の縦断面図である。

【図６】従来の点検装置の側面図で、（ａ）はアルコー
ル型点検ガス装置を、（ｂ）はライター型点検ガス装置
をそれぞれ示す。

【図７】従来の点検装置の使用状態説明図である。

【符号の説明】

１，１２ ガス漏れ警報器用点検装置 ２ 吹出開口部 ３ ガス吹出部 ４ 支持杆 ５ ガス導入管 ７ ガス容器 ８ 被点検ガス漏れ警報器 ８ｃ スリット ９ 溝部 １０ 位置決め用突出部 ３１ 水平部（ガス吹出部の） ３２ 直立部（ガス吹出部の） ３１ａ 上面（水平部の） ３２ａ 内側面（直立部の） Ｇ 点検用ガス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G01M 3/00 G01M 3/02 G01M 3/20 G08B 29/12 G08B 29/14

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被点検ガス漏れ警報器の下面及び側面に
   それぞれ対応する水平部及び直立部を有して略Ｌ字形状
   に形成されたガス吹出部と、 前記水平部の上面に奥行き方向に沿って形成された溝部
   内に穿設された点検用ガスの吹出開口部と、 前記吹出開口部と前記点検用ガスを充填したガス容器と
   を連結するガス導入管と、 前記ガス吹出部に設けた伸縮可能な支持杆とを備えたこ
   とを特徴とするガス漏れ警報器用点検装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のガス漏れ警報器用点検装
   置であって、 前記ガス吹出部の直立部の内側面に、前記被点検ガス漏
   れ警報器の側面に形成されたスリットに係脱自在に係合
   する位置決め用突出部が形成されていることを特徴とす
   るガス漏れ警報器用点検装置。