JP3062917U - ベビ―カ―用防暑具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 夏季日中の使用であっても乗車乳幼児を路面
からの熱線放射等による熱から保護することのできるベ
ビーカー用防暑具を提供する。 【解決手段】 密封された袋状容器と、該袋状容器に充
填された蓄冷材とを具備してなるベビーカー用防暑具で
あって、前記袋状容器がベビーカーのシート部形状、シ
ートカバー形状またはシートクッション形状と略同形状
の外形を有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ベビーカーに設置される防暑具に関し、詳しくは、夏季日中の使用 であっても乗車乳幼児を路面からの熱線放射等による熱から保護することのでき るベビーカー用防暑具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、ベビーカーは、公共交通機関での移動時や混雑する店舗等での携行に便 利なように折り畳み式のものが多く、色々なタイプの折り畳み式ベビーカーが市 場に出回っており、手軽に乳幼児を屋外に連れて行けるようになった。また、従 来、夏季の日中などの高温条件下でベビーカーを使用する場合、ベビーカーに乗 車中の乳幼児は高温に曝され日射病などを起こす可能性があることから、ベビー カーのシート上方には屋根部材などの日除け具が取り付けられ、直射日光から乳 幼児を保護することができるようになっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、夏季の日中の舗装路では照り返しにより路面からの熱線放射が強く、 日除け具により直射日光は遮断できても、ベビーカーの後背部の温度が徐々に上 昇するのを防ぐことはできなかった。近年の折り畳み式ベビーカーの多くは、後 背部が厚手の布地のみで構成されている。従って、座席部にクッション材を用い たとしても、後背部の温度上昇は短時間のうちに座席に伝播され、乗車乳幼児が 高温にさらされる危険性は高いのが現状であった。

【０００４】 また、ベビーカーの後背部が布地でなく硬質樹脂等で構成されている場合であ っても、時間の経過に伴う温度上昇は避けられず、実質的には同様の危険性があ った。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、前記問題を解決し、夏季日中の使用であっても乗車 乳幼児を路面からの熱線放射等による熱から保護することのできるベビーカー用 防暑具を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定形状の袋状容器と 、蓄冷材との組み合わせにより前記目的を達成し得ることを見出し、本考案を完 成するに至った。即ち、本考案は下記に示す通りである。

【０００７】 （１）密封された袋状容器と、該袋状容器に充填された蓄冷材とを具備してなる ベビーカー用防暑具であって、前記袋状容器がベビーカーのシート部形状、シー トカバー形状またはシートクッション形状と略同形状の外形を有することを特徴 とするベビーカー用防暑具である。これにより、夏季日中の使用であっても乗車 乳幼児を路面からの熱線放射等による熱から保護することが可能となる。

【０００８】 （２）前記ベビーカー用防暑具において、前記袋状容器の内部が複数の小区画領 域に分かれており、該小区画領域の夫々に、袋状小容器に充填された蓄冷材が配 置されているベビーカー用防暑具である。これにより、袋状容器内での蓄冷材の 片寄りがなくなり、乗車乳幼児の体全体を熱線放射から護ることができる。また 、ベビーカー用防暑具の折り畳みが容易となり、冷凍庫での蓄冷作業が容易とな る。

【０００９】 （３）前記ベビーカー用防暑具において、前記袋状容器が多重積層ラミネート構 造を有し、その最内層内側に蓄冷材が充填されているベビーカー用防暑具である 。袋状容器を多重積層ラミネート構造とすることは、強度および保冷の面で有効 である。

【００１０】 （４）前記ベビーカー用防暑具において、前記袋状容器が、ずれ防止のためにベ ビーカーの本体またはシートに固定するための係止具を有するベビーカー用防暑 具である。この係止具を介してベビーカー用防暑具を固定することにより、乳幼 児が動き回っても該ベビーカー用防暑具がずれることがない。

【００１１】 （５）前記ベビーカー用防暑具において、前記袋状容器を覆うカバー具を備える ベビーカー用防暑具である。このカバー具により、乗車時の乳幼児に対する冷え 過ぎを防ぐことができる。

【００１２】 （６）前記ベビーカー用防暑具において、前記カバー具が、ずれ落ち防止のため にベビーカーの本体またはシートに固定するための係止具を有するベビーカー用 防暑具である。前記（４）と同様の働きをする係止具は、カバー具に設けてもよ い。

【００１３】 （７）前記ベビーカー用防暑具において、前記袋状容器または前記カバー具の裏 面に断熱材が配置されているベビーカー用防暑具である。この断熱材により、熱 線放射等による熱の遮断効果を高めることができる。

【００１４】 （８）前記ベビーカー用防暑具において、前記袋状容器またはカバー具の裏面の 最外層表面に熱線反射部材が配置されているベビーカー用防暑具である。この熱 線反射部材によっても、熱線放射等による熱の遮断効果を高めることができる。

【００１５】 （９）前記ベビーカー用防暑具において、前記蓄冷材の凝固点が民生用冷凍庫温 度未満であるベビーカー用防暑具である。

【００１６】 前記（９）は、ベビーカー用防暑具に使用する蓄冷材として蓄冷効果および硬 さの面で好適なものである。

【００１７】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の一実施の形態について説明する。 図１に、本考案のベビーカー用防暑具の好適例を示す。図１に示すベビーカー 用防暑具１は、袋状容器２がベビーカーのシート部形状と略同形状の外形を有し ている。袋状容器２の形状は、ベビーカーの種類に応じ、シートカバー形状また はシートクッション形状とすることもできる。図示する袋状容器２の内部は、複 数の小区画領域に分かれており、この小区画領域の夫々に、袋状小容器３に充填 された蓄冷材４が配置されている。

【００１８】 本好適例のベビーカー用防暑具１にはＴ字状の切れ込み５が設けてあり、該切 れ込み５にベビーカーのシートベルトを通すことができるようになっている。こ の切れ込み５の形状はシートベルトのタイプに応じ、単に一文字形状としてもよ い。

【００１９】 ベビーカー用防暑具１の裏面６は肉厚の鱗状となっており、断熱材となってい る。この裏面６には熱線反射部材、例えばアルミ箔等を配置してもよい。断熱材 や熱線反射部材の存在により、路面からの熱線放射を効果的に防ぐことができる 。

【００２０】 ベビーカー用防暑具１のカバー具としては、図２に示すタイプのものを用いる ことができる。図示するカバー具７には、ベビーカー用防暑具１の切れ込み５に 対応する切れ込み８が設けられている。また、カバー具７の両側には一対の係止 具９が配置されている。かかる係止具はベビーカー用防暑具１に直接設けてもよ く、その場合にはカバー具７に該係止具が外に出るように切れ目を入れておく必 要がある。

【００２１】 図３に、カバー具７で覆われたベビーカー用防暑具を実際にベビーカー１０に 取付けた様子を示す。Ｔ字状切れ込み８にはシートベルト１１が通されており、 また一対の係止具９にはサイドベルト１２が通され、ベビーカー用防暑具がずれ ないようにしてある。

【００２２】 ベビーカー用防暑具を図３に示すようにベビーカー１０に取付けることにより 、乗車乳幼児を路面からの反射熱から護ることができる（図４）。

【００２３】 本考案に係る蓄冷材としては、凝固点が民生用冷凍庫温度未満のものが好まし い。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のベビーカー用防暑具においては、夏季日中であ っても乗車乳幼児を路面からの熱線放射等による熱から良好に保護することがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の好適例であるベビーカー用防暑具の一
部切欠の斜視図である。

【図２】カバー具の斜視図である。

【図３】ベビーカー用防暑具をベビーカーに取付けた様
子を示す斜視図である。

【図４】路面からの反射熱を遮断する様子を示す説明図
である。

【符号の説明】

１ ベビーカー用防暑具 ２ 袋状容器 ３ 袋状小容器 ４ 蓄冷材 ５ 切れ込み ６ 裏面 ７ カバー具 ８ 切れ込み ９ 係止具 １０ ベビーカー １１ シートベルト １２ サイドベルト

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 密封された袋状容器と、該袋状容器に充
   填された蓄冷材とを具備してなるベビーカー用防暑具で
   あって、前記袋状容器がベビーカーのシート部形状、シ
   ートカバー形状またはシートクッション形状と略同形状
   の外形を有することを特徴とするベビーカー用防暑具。
2. 【請求項２】 前記袋状容器の内部が複数の小区画領域
   に分かれており、該小区画領域の夫々に、袋状小容器に
   充填された蓄冷材が配置されている請求項１記載のベビ
   ーカー用防暑具。
3. 【請求項３】 前記袋状容器が多重積層ラミネート構造
   を有し、その最内層内側に蓄冷材が充填されている請求
   項１または２記載のベビーカー用防暑具。
4. 【請求項４】 前記袋状容器が、ずれ防止のためにベビ
   ーカーの本体またはシートに固定するための係止具を有
   する請求項１〜３のうちいずれか一項記載のベビーカー
   用防暑具。
5. 【請求項５】 前記袋状容器を覆うカバー具を備える請
   求項１〜４のうちいずれか一項記載のベビーカー用防暑
   具。
6. 【請求項６】 前記カバー具が、ずれ防止のためにベビ
   ーカーの本体またはシートに固定するための係止具を有
   する請求項５記載のベビーカー用防暑具。
7. 【請求項７】 前記袋状容器または前記カバー具の裏面
   に断熱材が配置されている請求項１〜６のうちいずれか
   一項記載のベビーカー用防暑具。
8. 【請求項８】 前記袋状容器またはカバー具の裏面の最
   外層表面に熱線反射部材が配置されている請求項１〜７
   のうちいずれか一項記載のベビーカー用防暑具。
9. 【請求項９】 前記蓄冷材の凝固点が民生用冷凍庫温度
   未満である請求項１〜８のうちいずれか一項記載のベビ
   ーカー用防暑具。