JP3062776B2 - 光導波路型リングレーザ - Google Patents

光導波路型リングレーザ

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JP3062776B2
JP3062776B2 JP13841092A JP13841092A JP3062776B2 JP 3062776 B2 JP3062776 B2 JP 3062776B2 JP 13841092 A JP13841092 A JP 13841092A JP 13841092 A JP13841092 A JP 13841092A JP 3062776 B2 JP3062776 B2 JP 3062776B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光通信・光情報処理
・光計測などの分野において、光源としての利用価値の
高い光導波路型リングレーザに関するものである。
【0002】
【従来の技術】Er,Nd,Prなどの希土類イオンを
リング状のコアに添加した石英系光導波路型のリングレ
ーザは、小さい励起光強度の発振しきい値と高い変換
効率を得ることができる、縦モード間隔を精密に制御
できる、金属薄膜ヒータを用いて熱光学効果により発
振周波数を調整可能である等の特徴を有する。このた
め、光通信・光情報処理・光計測などの広い分野におい
て様々な応用が期待されている。とりわけ、活性イオン
として、Erイオンを添加した光導波路型レーザは、光
通信に重要な1.5 μm帯に発光帯を有するので極めて利
用価値が高い。Erイオンは、0.82μm帯, 0.98 μm
帯および 1.48 μm帯など近赤外領域に吸収帯を有し、
これらに適合した波長の光で励起され、1.5 μm帯の光
を誘導放出する。
【0003】従来の光導波路型リングレーザは、励起光
導入・発振光導出用の方向性結合器の結合率波長特性に
より、励起光スルー型および励起光クロス型の2種類に
大別される。励起光スルー型の方向性結合器は、石英系
光導波回路の製造工程に適しており、高い歩留りで所要
の結合率特性を実現できる。これを、リングレーザの入
出力ポートとして利用する場合には、リングレーザ共振
器内に交差導波路を組み込むことが必要となる。本出願
人における発明者らにより発明された(特願平3-281579
号)励起光スルー型の方向性結合器を有する光導波路型
リングレーザの構造を図5に示す。
【0004】このリングレーザは、Erイオンを導波路
に添加したリングレーザ共振器54と、この共振器への
励起光の導入および共振器からの発振光の導出に用いら
れる方向性結合器53と、交差59を備えている。方向
性結合器53は、励起光波長で結合率が小さく、1.5 μ
m帯の発振波長で結合率が大きい結合波長特性を有して
いる。このような光導波路型リングレーザの一方の励起
光入力ポート51より励起光を入射すると、励起光は導
入用光導波路52・方向性結合器53を介してリングレ
ーザ共振器54に導入され、このリングレーザ共振器内
のErイオンを励起する。励起Erイオンの誘導放出に
基づく増幅度がリングレーザ共振器の周回光損失より大
きくなると、リングレーザは発振を開始し、方向性結合
器53を介して導出された1.5 μm帯のレーザ発振光が
他方の導出用光導波路57・発振光出力ポート58より
出力される。
【0005】この種の光導波路型リングレーザにおいて
は、リングレーザ共振器中に狭帯域透過フィルタを配備
することにより、レーザ発振波長を 1.5μm帯の任意の
波長に制御することができる。また、リングレーザ共振
器上に形成された金属薄膜ヒータに電圧を印加して、熱
光学効果により導波路の屈折率を変えることにより、リ
ングレーザ共振器の共振周波数間隔(数GHz〜数10G
Hz)の範囲内でレーザ発振光周波数を微調整すること
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、石英系
ガラスに添加したErイオンの増幅利得帯域は、8nm
(約1THz)と広く、前記波長制御用の狭帯域透過フ
ィルタを配備する場合にも、透過帯域は0.1 nm(約1
3GHz)以上であり、帯域内に複数の共振器縦モード
が存在することがあった。このため、温度や励起光強度
の変動により、発振モードのホッピングが生じ易く、発
振周波数が不安定であった。また、前記金属薄膜ヒータ
による発振周波数調整では、レーザ発振光の周波数可変
範囲が、リングレーザ共振器の共振周波数間隔に制限さ
れ、数GHz〜数10GHzと狭かった。そのため、1.5
μm帯の任意の波長で安定に発振し、周波数可変範囲の
広い単一縦モード光導波路型レーザの開発が待たれてい
た。
【0007】この発明は、前述のような事情に鑑みてな
されたもので、その目的は、光導波路型のリングレーザ
で発振波長の制御性に優れ、安定した単一の縦モードを
発振でき、周波数可変範囲の広い単一縦モードの光導波
路型リングレーザの構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は前記目的を達
成するために、次のような構成とした。すなわち、少な
くとも1種類以上の希土類イオン(Er,Nd,Prな
ど)を少なくとも一部に添加したリング状の光導波路を
有するリングレーザ共振器を平面基板上に構成した光導
波路型リングレーザおいて、前記リングレーザ共振器内
に、このリングレーザ共振器の縦モード周波数間隔より
も狭い透過帯域を有する光周波数フィルタ用リング共振
器と、この光周波数フィルタ用リング共振器の縦モード
間隔より狭い透過帯域を有する狭帯域フィルタ(ファブ
リ・ペロー干渉計と光アイソレータを組み合わせたも
の、あるいは誘電体多層膜フィルタ)とを具備したこと
を特徴とする。光周波数フィルタ用リング共振器および
狭帯域フィルタは、希土類イオン添加光導波路部よりも
光学的に後方の位置に配置する。
【0009】
【作用】少なくとも一部が希土類イオン添加の光導波路
で構成されたリングレーザ共振器内に、透過帯域がリン
グレーザ共振器の縦モード周波数間隔よりも狭い光周波
数フィルタ用リング共振器と、透過帯域が前記光周波数
フィルタ用リング共振器の縦モード間隔より狭い狭帯域
フィルタとにより、二つの光周波数フィルタが構成され
る。この二つの周波数フィルタにより、リングレーザの
発振可能な縦モードの一つが選択され、単一縦モード発
振が得られる。すなわち、光周波数フィルタとして設置
した光周波数フィルタ用リング共振器について、共振器
長の短尺化および高フィネス化により、透過帯域をリン
グレーザ共振器の自由スペクトル範囲FSRより小さく
でき、これによりリング共振器の狭帯域(透過帯域)内
にただ一つの縦モードを選択できる。さらに、狭帯域フ
ィルタは、光周波数フィルタ用リング共振器の周波数間
隔よりも狭い透過帯域を有しているため、光周波数フィ
ルタ用リング共振器の周波数間隔で選択されたリングレ
ーザ共振器の前記縦モードのうちの一つを取り出すこと
ができる。従って、増幅利得帯域内にただ一つの縦モー
ドのみが存在する共振器を構成し、単一縦モード発振が
可能となる。
【0010】
【実施例】以下、この発明を図示する実施例に基づいて
詳細に説明する。図1は、この発明の光導波路型リング
レーザの構成を示した概略平面図(光路は線で示してあ
る)であり、このリングレーザは、従来と同様に、励起
光入力ポート11を有する導入用光導波路12と、Er
イオン添加光導波路から構成したリングレーザ共振器1
4と、この共振器への励起光の導入および共振器からの
発振光の導出に用いられる方向性結合器13と、発振光
出力ポート18を有する導出用光導波路17を備えてい
る。このようなリングレーザ共振器14に二個の方向性
結合器20を介して接続した光周波数フィルタ用リング
共振器15と狭帯域フィルタ16を設ける。なお、この
図では、発振光の光路に着目したリングレーザ共振器を
示したので、従来のリングレーザが有する交差部は明示
していない。
【0011】(I)光波数フィルタ用リング共振器15
について リング共振器を用いた光周波数フィルタの特性は、次式
で与えられる。即ち、共振器の分解能の目安として用い
られるフィネスFは、(1)式で与えられる。ここで、
Rはリング部の光がリングを一周した時の透過率であ
る。方向性結合器20を二個有するリング共振器15の
場合、リング一周の透過率Rは、(2)式で与えられ
る。
【0012】
【数1】
【0013】
【数2】
【0014】ここで、k:リング共振器の方向性結合器
の発振波長での結合率 γ:リング一周当たりの振幅減衰係数 (1),(2)式より、方向性結合器の結合率を制御
し、リング共振器の一周当たりの光損失を低減すること
により、フィネスの高い共振特性が得られる。
【0015】リング共振器15のFSR2 (自由スペク
トル範囲)に対し、リング共振器のFSR2 /Fで与え
られる透過帯域幅を、リングレーザ共振器14のFSR
1 より小さく設定することにより、リング共振器15の
透過帯域でリングレーザ共振器14の縦モードをただ一
つ透過させることができる。そして、透過帯域がリング
共振器15の周波数間隔より狭く、FSR3 がErの利
得帯域よりも広い狭帯域フィルタ16を用いることによ
り、リング共振器15の周波数間隔で選択されたリング
レーザ共振器14の縦モードのうちの一つを取り出すこ
とができ、実質的にリングレーザの利得帯域内に唯一の
縦モードを有するリング共振器15を実現できる。
【0016】光周波数フィルタであるリング共振器15
のフィネスを向上させるためには、(1),(2)式よ
り、リング内の損失を小さくし、光出力用の方向性結合
器の結合率を高い精度で制御できることが必要不可欠で
ある。また、狭帯域フィルタ16は、透過帯域を広く設
定することで安定な動作が可能となるため、リング共振
器15のリング半径を小さくし、FSR2 を大きくする
ことが望まれる。以上、低損失で結合率制御性が良く、
かつ半径が小さいという条件で、リングレーザ共振器1
4内にリング共振器15を作製するには、高屈折率高導
波路を用いることが有用である。現在、半径1mmのリ
ング共振器において、FSR2 24GHz,フィネス5
0,透過帯域480MHzが可能となっている。
【0017】このリング共振器15の集積化には、図2
(A)の方向性結合器部分に示すように、高屈折率光導
波路15aと、リングレーザ共振器14を構成する光導
波路14aとを積層して形成する方法と、図2(B)の
方向性結合器部分に示すように、高屈折率光導波路15
aと、リングレーザ共振器14の光導波路14aとを同
一平面上に作製する方法がある。但し、図2(A)で
は、リングレーザ共振用の光導波路14aの上に高屈折
率導波路15aを積層したが、高屈折率導波路15aの
上にリングレーザ共振用の光導波路14aを積層しても
有効であることは自明である。
【0018】積層した光導波路14a,15aは、通常
の光導波路作製方法と同様に厚さ30μmのクラッドガ
ラスで光導波路14aを作製した後、反応性イオンエッ
チングまたは研磨によりクラッドガラスを取り除いて上
の光導波路15aを積層する方法と、エレクトロン・サ
イクロトロン・レゾナンス法を用いて、平面状にクラッ
ドガラスで埋め込んだ光導波路14aの上に光導波路1
5aを積層する方法がある。同一平面内に異種の導波路
を作製するには、本出願人における発明者らによって発
明された火炎堆積法においてマスクを用いる方法(特願
平3-321526号)と、パターン化およびエッチングによる
方法(特願平3-213974号)がある。
【0019】図2(A)、(B)のいずれの構造におい
ても、光周波数フィルタ用リング共振器15、方向性結
合器20は、リングレーザ共振器14と共にクラッドガ
ラス3内に埋め込まれており、数GHz以下で使用する
狭帯域フィルタとして安定な動作が可能である。また、
光周波数フィルタ用リング共振器15は励起光クロス型
リング共振器であり、励起光の結合率が小さいことか
ら、希土類イオンを含まないことが望ましい。従って、
図1に示すように、リングレーザ共振器内で一周当たり
の利得を多くするために、希土類イオン添加光導波路部
を長く設け、光周波数フィルタ用リング共振器15をリ
ングレーザ共振器14内で光学的に後方に配置すること
が好適である。
【0020】(II)狭帯域フィルタ16について 狭帯域フィルタ16としては、リングレーザ共振器14
との集積を考慮すると、誘電体多層膜フィルタまたはフ
ァブリ・ペロー干渉計と、光アイソレータを組み合わせ
て使用する方法が最も効果的である。多層膜フィルタの
透過特性は、多層膜材料の屈折率と膜厚で精密に制御す
ることができ、透過波長帯域は多層膜フィルタの層数に
より幅広く変化させることができる。Er添加光導波路
レーザの発振波長である1.5 μm帯において、透過波長
域 0.1nm,透過帯域13GHzと極めて狭帯域のバンド
パスフィルタが実用に供されている。
【0021】一方、リングレーザ共振器14と集積化さ
れるファブリ・ペロー干渉計としては、二枚の誘電体多
層膜ミラー間を液晶で満たした構造を用いることが有用
である。ミラーに透明電極を形成し、電場により液晶の
屈折率を変化させることにより共振周波数が可変となっ
ている。このファブリ・ペロー干渉計の特性として、F
SR3 が1THz以上、透過帯域20GHz以下、波長可
変範囲1THz以上を得ることができる。この他に、ガ
ラス薄板の両面に高反射ミラーを蒸着した干渉計など各
種のファブリ・ペロー干渉計が使用できる。
【0022】リングレーザ共振器14と集積化する1.5
μm帯用の光アイソレータとしては、Biイオンで置換
したYIG磁気光学結晶を、誘電体と金属の交互多層膜
からなる微小偏光子で挟み込んだ構造を用いることが有
用である。光の伝搬方向に平行に磁場を印加することに
より、磁気光学効果により高いアイソレーションを得る
ことができる。厚さ 200μm以下と薄型であると同時
に、導波路型リングレーザの単一偏波動作に適した高偏
波依存性を有する。これをリング共振器内に組み込むに
は、光路となる光導波路を横切るようにカッチングや機
械加工により溝を形成し、この溝内に薄型光アイソレー
タを適当な偏光方向となるように配設し、光導波路と屈
折率の整合した光学接着剤で埋め込み固定後、この上に
磁場印加用の磁石を配置する。
【0023】この光アイソレータの挿入損失を低減化す
るには、アイソレータ本体の低損失化を図ると共に、実
装における回折損失を低減することが必要である。アイ
ソレータの損失低減には、ファラデー回転係数が大き
く、かつ吸収損失の小さい高品質な磁気光学結晶を使用
し、磁気光学結晶や微小偏光子に界面の反射を抑える無
反射コーティングを施すことが有効である。回折損失を
低減するには、薄型アイソレータの利用により、溝の幅
を 0.3mm以下と狭くし、光を入出射する光導波路端部
に、例えば屈折率制御添加物の熱拡散部あるいはアップ
テーパやダウンテーパを設け、モードフィールド径を拡
大する方法が有効である。これらの低損失化技術を適用
することにより、挿入損失1dB以下、アイソレーショ
ン20dB以上の高品質集積アイソレータが実現できる。
【0024】光アイソレータは、励起効率の高い0.98μ
m帯の励起光を吸収するので、なるべく励起光強度が小
さい位置に配置することが好ましい。図1に示すよう
に、光アイソレータを、励起光が共振器内を周回して励
起光出射ポートより出射する直前の位置に配置するか、
もしくはリング共振器の一部をEr添加導波路で構成
し、Er添加導波路の光学的後方に配設することが好適
である。
【0025】〔具体例1〕Er添加石英系の光導波路に
より構成されるリングレーザ共振器に、高屈折率導波路
により形成したリング共振器、狭帯域フィルタとしてフ
ァブリ・ペロー干渉計・光アイソレータを集積化し、レ
ーザ発振実験を行った。図3に、Er添加石英系光導波
路型リングレーザの構造を示す。リングレーザは、光周
波数フィルタ用リング共振器35、縦モード選択用ファ
ブリ・ペロー干渉計36−1・光アイソレータ36−2
を組み込んだ周長10cmのリングレーザ共振器34(共
振周波数2GHz)と、この共振器への励起光導入およ
び共振器からの発振光導出に用いられる方向性結合器3
3と交差39を有する構造である。
【0026】リングレーザ共振器34の光導波路34a
は、火炎堆積液浸法および反応性イオンエッチング法で
シリコン基板1上に作製した埋め込み導波路である。コ
ア2に添加したErイオンの濃度は 1重量%、コアの断
面の寸法は、高さ 5μm,幅5μm、コア2・クラッド
3間の屈折率差は0.75%である(図2参照)。レーザ入
出力用の方向性結合器33は、励起光波長0.98μmで結
合率20%と小さく、発振波長1.55μm付近で結合率が90
%と大きい結合波長特性を有する。
【0027】高屈折率光導波路35aを有するリング共
振器35は、リングレーザ共振器34を周回する光の一
周に対し方向性結合器33から3/4周の位置に、図2
に示すように、リングレーザ共振器34の光導波路34
aの上に積層させた構造で集積化した。積層した光導波
路35aは、通常の光導波路作製方法と同様に火炎堆積
法により、クラッドガラス厚さ30μmであるEr添加光
導波路34aを作製した後、反応性イオンエッチングに
よりクラッドガラス3を除去し、その上に高屈折率光導
波路35aのコア4を形成し、さらにクラッドガラス3
で埋め込み、上下のコア間が 2μmになるように作製し
た。コア4の断面寸法は、高さ 3μm,幅 3μm、コア
4・クラッド3間の屈折率差は 2%、リング半径は 1m
mであり、Erは添加されていない。このリング共振器
35を光周波数用フィルタとして動作させると、増幅帯
域 1THzのうち約40の縦モードを24GHz間隔で選択
することが可能となる。
【0028】縦モード選択用のファブリ・ペロー干渉計
36−1は、前述した液晶充填構造であり、透明電極を
使用し、励起光が共振器内を周回して励起光出射ポート
より出射する方向性結合器33の手前 2cmの位置に配
置した。このファブリ・ペロー干渉計36−1は、FS
3 が1THz、透過帯域20GHz、波長可変範囲1T
Hz以上の特性である。
【0029】光アイソレータ36−2は、Biイオンで
置換したYIG磁気光学結晶を、誘電体と金属の交互多
層膜からなる微小偏光子で挟み込んだ構造で、厚さ 170
μmである。透過波長 1.550μmの誘電体多層膜狭帯域
フィルタ(透過帯域20GHz,厚さ20μm)をアイソレ
ータの一方の微小偏光子に接着し、これを、ファブリ・
ペロー干渉計36−1より光学的に後方の位置に反応性
イオンエッチング法により形成した挿入溝に配設した。
溝の幅は 200μm、深さは 0.2mmである。アイソレー
タ36−2をTE偏向光を透過するように溝に配置し、
紫外線硬化性光学接着剤で固定して保持した。この上に
磁場印加用磁石を配置し、接着剤で固定した。
【0030】縦モード選択用ファブリ・ペロー干渉計3
6−1および光アイソレータ36−2の実装に伴う接続
損失を低減するため、挿入部の両側の導波路に熱拡散部
を設け、挿入溝端面におけるモードフィールド径を10μ
mに拡大した。光アイソレータの挿入損失は 0.9dB、
アイソレーションは22dBである。
【0031】リングレーザの励起光入射ポート31よ
り、励起光を入射し、レーザ発振実験を行った。回折格
子とファブリ・ペローエタロンを内蔵した光スペクトル
分析器(分解能 100MHz)により発振モード特性を評
価した結果、リングレーザが波長 1.550μmにおいて長
時間安定に単一モードを発振することを確認した。リン
グレーザ発振光は、基板面方向に偏光したTEモードで
あった。
【0032】〔具体例2〕狭帯域フィルタとして誘電体
多層膜フィルタを使用し、レーザ発振実験を行った。図
4に示すように、周長10cmのリングレーザ共振器44
について、方向性結合器43から1/2周をEr添加光
導波路44aにより、残りをErを含有しない光導波路
44bで構成し、具体例1と同様の特性(FSR2 24G
Hz,フィネス50,透過帯域 480MHz)を有する光周
波数フィルタ用リング共振器45を図2(B)で示すよ
うに、リングレーザ共振器44と同一平面上に配置し、
ポリイミド膜上に誘電体多層膜反射ミラーを蒸着した多
層膜狭帯域フィルタ46(透過中心波長 1.550μm,透
過波長域 0.1nm,透過帯域13GHz,透過波長におけ
る損失 1dB)をEr添加光導波路部より光学的に後方
の位置に配置した。
【0033】多層膜狭帯域フィルタ46は、厚さ30μm
のSiO2-TiO2 系多層膜フィルタをポリミイド膜上
に蒸着してある。この多層膜狭帯域フィルタ46は、励
起光が共振器内を周回して励起光出射ポートより出射す
る方向性結合器43の手前 2cmの位置に形成した挿入
溝に配置した。挿入溝の両側の導波路にアップテーパを
付け、挿入溝端面におけるモードフィールド径を10μm
に拡大した。フィルタ挿入溝はダイシングソーで切削加
工して形成した。溝の幅は40μm、深さは 0.2mmであ
る。フィルタ面からの反射光が導波路に再結合すること
で、一枚の狭帯域多層膜フィルタを両端面ミラーとして
共有するファブリ・ペロー共振器が構成され、透過波長
ではなく反射率の高い阻止波長でレーザ発振することを
防ぐため、導波路接線とフィルタ面法線のなす角度が 5
°となるように、導波路接線と溝のなす角度を85°とし
た。溝に多層膜フィルタを挿入し、紫外線硬化性光学接
着剤で固定し保持した。
【0034】以上の構成によるリングレーザ共振器を用
いて具体例1と同様の実験を行った。回折格子とファブ
リ・ペローエタロンを内蔵した光スペクトル分析器(分
解能100MHz)により発振モード特性を評価した結
果、リングレーザが波長 1.550μmにおいて長時間安定
に単一モードを発振することを確認した。リングレーザ
発振光は、基板面方向に偏光したTEモードであった。
【0035】以上から、具体的に次のように、単一縦モ
ードが得られる。 リングレーザ共振器:増幅利得帯域 1THz,共振周波
数間隔 2GHz フィルタ用リング共振器:共振周波数間隔 24GHz,
F50,透過帯域 480MHz ファブリ・ペロー干渉計:透過周波数間隔 1THz以
上,透過帯域20GHz以下波長可変範囲 1THz 多層膜狭帯域フィルタ:透過帯域13GHz,透過波長域
0.1nm (1) 光周波数フィルタ用リング共振器においては、その
透過帯域 480MHzがリングレーザ共振器の共振周波数
間隔 2GHzより小さく、この透過帯域内にただ一つの
縦モードを選択できる。そして、増幅利得帯域 1THz
に対して、24GHzの間隔で約40の縦モードが選択され
ることになる。 (2) 狭帯域フィルタにおいては、その透過帯域が13〜20
GHzであり、光周波数フィルタ用リング共振器の共振
周波数間隔よりも狭く、またその透過周波数間隔が増幅
利得帯域より広いため、光周波数フィルタ用リング共振
器の周波数間隔で選択された約40の縦モードのうちの一
つを取り出すことができる。以上から、単一で安定した
縦モードを得ることができ、長時間安定に単一縦モード
レーザ発振動作させることができ、また周波数可変範囲
を従来の金属薄膜ヒータによる数〜数10GHzの共振周
波数間隔の範囲に対して 1THzの広範囲とすることが
できる。
【0036】
【発明の効果】前述の通り、この発明の光導波路型リン
グレーザは、希土類イオン添加光導波路を有するリング
レーザ共振器内に光周波数フィルタ用リング共振器と狭
帯域フィルタを付加して構成したため、1.5 μm帯の任
意の波長に設定された透過周波数において、安定性の高
い単一の縦モードレーザ発振動作が可能となる。特に、
光周波数フィルタ用リング共振器をリングレーザ共振器
内に埋め込んで集積化することは、単一縦モード発振の
安定性を飛躍的に向上させるものである。この発明のリ
ングレーザは、発振線幅が狭く、発振周波数可変域も広
いことから、光通信や光計測用の高精度光源として極め
て有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による高導波路型リングレーザの構成
を示す概略平面図である。
【図2】リングレーザ共振器の光導波路と小径の高屈折
率リング共振器の光導波路とが形成する方向性結合器部
を示す断面図で、(A)は積層して形成する例、(B)
は同一平面上に形成する例である。
【図3】図1において狭帯域フィルタにファブリ・ペロ
ー干渉計と光アイソレータを用いた例を示す概略平面図
である。
【図4】図1において狭帯域フィルタに誘電体多層膜フ
ィルタを用いた例を示す概略平面図である。
【図5】従来の光導波路型リングレーザを示す概略平面
図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2,4 コア 3 クラッドガラス 11,31,41,51 励起光入力ポート 12,32,42,52 励起光導入用光導波
路 13,33,43,53 励起光導入・発振光
導出用方向性結合器 14,34,44,54 リングレーザ共振器 14a,34a,44a,54a Er添加光導波路 44b Erを添加しない光
導波路 15,35,45 光周波数フィルタ用
リング共振器 15a,35a,45a 高屈折率高導波路 16 狭帯域フィルタ 36−1 ファブリ・ペロー干
渉計 36−2 光アイソレータ 46 多層膜狭帯域フィル
タ 17,37,47,57 発振光導出用光導波
路 18,38,48,58 発振光出力ポート 39,49,59 交差 20 方向性結合器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 口 正 治 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 首 藤 啓 三 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 小 熊 学 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/083 H01S 3/06 H01S 3/13

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種類以上の希土類イオンを
    少なくとも一部に添加したリング状の光導波路を有する
    リングレーザ共振器を平面基板上に構成した光導波路型
    リングレーザおいて、 前記リングレーザ共振器内に、このリングレーザ共振器
    の縦モード周波数間隔よりも狭い透過帯域を有する光周
    波数フィルタ用リング共振器と、この光周波数フィルタ
    用リング共振器の縦モード間隔より狭い透過帯域を有す
    る狭帯域フィルタとを具備することを特徴とする光導波
    路型リングレーザ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、光周波数フィルタ用
    リング共振器および狭帯域フィルタを希土類イオン添加
    光導波路部よりも光学的に後方の位置に配置することを
    特徴とする光導波路型リングレーザ
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