JP3062426B2 - 薬液注入装置 - Google Patents

薬液注入装置

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JP3062426B2
JP3062426B2 JP7304003A JP30400395A JP3062426B2 JP 3062426 B2 JP3062426 B2 JP 3062426B2 JP 7304003 A JP7304003 A JP 7304003A JP 30400395 A JP30400395 A JP 30400395A JP 3062426 B2 JP3062426 B2 JP 3062426B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば水道事業に
於いて、次亜塩素酸ソーダを被処理液となる原水に注入
して殺菌する場合等に適用される薬液注入方法とこれに
使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水道事業に於いて原水に次亜塩素
酸ソーダを注入する場合は、作業者が原水の送水量に応
じた量だけの次亜塩素酸ソーダを直接原水が送水される
送水管に注入してその殺菌が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年この種
水道事業に於いては、安全で且つ高品位な水道水の供給
が要請されるに至っている。しかるに、上記従来の手段
にあっては高濃度の次亜塩素酸ソーダを直接原水に注入
するものであるために、次亜塩素酸ソーダは微量注入と
ならざるを得ず、よって大量の原水に微量の次亜塩素酸
ソーダが注入されることとなり、加えてかかる注入作業
は作業者によるものであるために、次亜塩素酸ソーダの
注入量も不安定なものとなる。その結果、混合不良が非
常に生じ易くなって原水中の塩素濃度が不均一になった
り、過剰注入により有害物質が発生したりして、良好な
殺菌を行えないという致命的な問題点があり、上述した
要請に応えることができなかったのである。
【0004】また、高濃度の次亜塩素酸ソーダが送水管
に注入されると、該送水管の内壁が腐食したり、異物が
付着して注入配管に閉塞が生じ易くなるため、早期の交
換が必要となる不都合もあった。
【0005】さらに、例えば季節や給水人口の変動に伴
って使用水量も大幅に変動することになるが、これに応
じて次亜塩素酸ソーダの注入量や注入回数を変更するの
は大変煩雑であり、作業者の負担が多大なものになると
共に、注入不良を生ぜしめる一因ともなっていたのであ
る。
【0006】それ故に、本発明は上記従来の問題点を解
決するためになされたものであり、原水等の被処理液に
安定して薬液を注入できるようにすることを課題とし、
さらには一連の混合及び注入作業の自動化に寄与せんと
することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、上記課題を解決す
るために本発明が採った手段は、被処理液に薬液を注入
する方法であって、計量タンク1に希釈液20及び原液26
を供給して混合せしめ薬液32を生成した後、該計量タン
ク1内の薬液32を安定槽10に供給し、該安定槽10内の薬
液32を前記被処理液に注入する点にある。
【0008】また、本発明に係る薬液注入装置は、供給
された希釈液20と原液26とを混合して薬液32を生成する
ための計量タンク1と、該計量タンク1に配管11を介し
て接続される安定槽10と、該安定槽10に前記計量タンク
1から供給された薬液32を被処理液に注入するための配
管とからなり、且つ前記安定槽10は該安定槽10内の薬液
32の水位を検知して前記計量タンク1に希釈液20を自動
供給せしめる第1検知手段を具備すると共に、該計量タ
ンク1は前記希釈液20の供給を自動停止させ且つ原液26
を自動供給せしめる検知手段と、該原液26の供給を停止
せしめる検知手段とを夫々具備してなることを特徴とす
る。
【0009】従って、上記構成を特徴とする薬液注入方
法及び注入装置に於いては、計量タンク1に所定量供給
された希釈液20及び原液26は該計量タンク1内で混合さ
れて薬液32が生成される。そして、かかる薬液32は計量
タンク1から安定槽10へとさらに混合されながら供給さ
れる。その後、このようにして希釈混合された薬液は被
処理液に注入されるのである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面に従って説明する。
【0011】図1に於いて、1はタンク本体2の下端部
中央に該タンク本体2よりも小径の補助タンク3が着脱
自在に設けられた計量タンクを示し、補助タンク3の側
面には希釈液供給口4と原液供給口5が夫々設けられ、
且つその下面には排出口6が設けられている。
【0012】7a,7b,7cは計量タンク1内に上下方向に配
置した液面レベルセンサで、その先端部は夫々補助タン
ク3の略中間位置,補助タンク3の上部位置,タンク本
体2の上部位置に配されており、各センサ7a〜7cはレベ
ルスイッチ8を介して制御ボックス9に夫々接続されて
いる。
【0013】10は計量タンク1の下方位置に配された安
定槽で、計量タンク1の排出口6にサイホン管11を介し
て接続されている。12a,12b,12c,12d,12e は安定槽10内
に上下方向に配置した液面レベルセンサで、その先端部
は夫々異なる高さに配されており、各センサ12a〜12e
はレベルスイッチ13を介して前記制御ボックス9に夫々
接続されている。
【0014】尚、各センサ7a〜7c, 12a〜12eは上下方
向に昇降自在に構成されており、また計量タンク1のタ
ンク本体2の上部側面,補助タンク3の下面及び安定槽
10の下部側面にはドレン管14,15,16が設けられてなり、
さらに計量タンク1と安定槽10の上面には排気管17,18
が接続されて内部で発生したガスを排気可能に構成して
いる。
【0015】19は希釈液20たる浄水が貯留された浄水池
で、ポンプ21,軟水器等からなる水質改善機器22を介し
て配管24により前記計量タンク1の補助タンク3の希釈
液供給口4と接続されている。25は原液26である次亜塩
素酸ソーダが貯留されたタンクで、ポンプ27を介して配
管29により前記計量タンク1の補助タンク3の原液供給
口5に接続されている。
【0016】30は配管31により安定槽10に接続されて薬
液32が貯留される貯留槽で、該貯留槽30は被処理液であ
る原水が送水される送水管(図示せず)に薬液32を注入
可能なように、該送水管にポンプ33を有する配管34を介
して接続されてなる。
【0017】尚、貯留槽30も槽内のガスを外部に排出で
きるように構成されており、また前記ポンプ33は送水管
に設けた流量計及び残留塩素計(図示せず)に連動して
貯留槽30内の薬液32が送水管に所定量だけ注入される。
【0018】さらに、計量タンク1への原液26及び希釈
液20の供給は、前日等の運転状況から予め設定した時間
おきに行われるように制御ボックス9により制御されて
いる。即ち、かかる設定時間が経過すると、ポンプ27が
自動運転されてタンク25内の原液26が計量タンク1に供
給され、その水位がLとなった時にセンサ7bが検知して
前記ポンプ27が自動停止すると共に、ポンプ21が運転さ
れて浄水池19内の希釈液20が計量タンク1に供給され、
その水位がHとなった時点で前記ポンプ21は自動停止す
る。
【0019】また、前記設定時間よりも長い時間、安定
槽10内の水位がLL1 〜L1 間で維持されている場合
は、かかる設定時間経過後に上記の如く計量タンク1に
原液26及び希釈液20が供給されて薬液32が生成されるよ
うに構成されている。一方、前記設定時間よりも長い時
間、安定槽10内の水位がL1 〜H1 間で維持されている
場合は、前記設定時間に定数、例えば1.2 を掛けた設定
時間に変更されて、設定時間が長く更新されることとな
り、以降更新された設定時間に応じて原液26及び希釈液
20が計量タンク1に供給される。かかる設定時間の更新
は随時行われる。
【0020】さらに、安定槽10内のセンサ12bはポンプ
27と連動してこれを自動運転するように構成され、また
計量タンク1内のセンサ7bは前記ポンプ27と連動してこ
れを自動停止せしめると共に、ポンプ21に連動してこれ
を自動運転し得るように構成されており、さらにセンサ
7cは前記ポンプ21に連動してこれを自動停止するように
構成されている。尚、安定槽10内のセンサ12eが水位を
検知すると、計量タンク1への原液26及び希釈液20の供
給は停止する。
【0021】本実施形態は以上のような構成からなる
が、送水管内を送水される原水に次亜塩素酸ソーダを注
入して殺菌を行う場合について説明する。
【0022】先ず、安定槽10内の水位がLL1 にまで低
下すると、これをセンサ12bが検知してポンプ27が自動
運転され、タンク25内の原液26が計量タンク1に供給さ
れて、該計量タンク1内の水位がLとなった時点でセン
サ7bがこれを検知して前記ポンプ27が停止すると、これ
に連動してポンプ21が自動運転されて浄水池19内の希釈
液20が計量タンク1に供給され、その水位がHとなると
これをセンサ7cが検知してポンプ21が自動停止する。
【0023】この場合に於いて、原液26及び希釈液20は
計量タンク1の下部に設けた小径の補助タンク3に夫々
供給されるために、両者の混合が良好に行えるという利
点があり、またかかる補助タンク3はタンク本体2に着
脱自在であるので、容量の異なる数種の補助タンク3を
用意しておけば、薬液32の希釈率を任意に変更できて大
変利便である。さらに、計量タンク1の各センサ7a〜7c
は上下方向に昇降自在に構成されているので、これを任
意の高さに配置することによっても、薬液32の希釈率を
変更することが可能である。
【0024】その後、計量タンク1内の薬液32は全てサ
イホン管11を介して安定槽10に流入し、さらに安定槽10
内の薬液32は配管31を介して貯留槽30に貯留されること
になるが、安定槽10の水位がLL1 にまで達しない場合
は、上述したと同じようにして再度計量タンク1内で原
液26と希釈液20とが混合されて、生成された薬液32が安
定槽10に供給される。尚、かかる計量タンク1から貯留
槽30に至るまでの流動に於いても薬液32が混合される。
【0025】そして、適宜貯留槽30内の薬液32はポンプ
33により配管34を介して送水管へと注入されて、その殺
菌が行われるのであるが、予め希釈しておいた薬液32を
注入するものであるために、高濃度の原液26を直接送水
管に微量注入する場合に比して、その混合効率が大幅に
向上すると共に、ガスの発生も軽減されて安定した注入
が可能となる。従って、原水が良好に殺菌処理されるこ
とは勿論、送水管の腐食等の発生も抑制されてその耐久
寿命の延命化に寄与し得るのである。
【0026】また、安定槽10の水位に応じてこれまでの
運転状況により設定された原液26及び希釈液20の供給間
隔が自動変更されるため、状況の変化に柔軟に対応した
注入が可能となり、例えば将来的に送水管により送水さ
れる原水の量が変動しても、原液26及び希釈液20の供給
間隔が自動的に更新されて、かかる事態に適切に対応で
きることとなり、よって別途計量タンク1や安定槽10等
の容量を変更する必要はない。
【0027】さらに、安定槽10の各センサ12a〜12eは
上下方向に昇降自在であるため、これらの配置位置を変
更して各センサ12a〜12eの先端部の上下間隔を調整す
ることにより、貯留槽30の容量の変化にも柔軟に対応で
きる利点がある。
【0028】また、本実施形態に係る注入装置には液送
用の各ポンプ21…等を除いて可動部分がないので、保守
点検が容易に行えると共に、長期に亘って確実な注入が
行えるという耐久性をも具備するのである。
【0029】尚、上記実施形態に於いては、安定槽10の
後段に貯留槽30を設けたが、かかる貯留槽30は必要に応
じて設ければよく、配管31を延長して安定槽10から送水
管に薬液32を注入しても構わない。
【0030】また、本発明に係る薬液の注入方法及びそ
の装置は主として水道事業に適用されるが、例えば原液
26である硫酸や苛性ソーダ等を希釈液20としての水等で
希釈して薬液を生成し、これを他の液体に注入するよう
な場合にも適用可能であり、具体的な用途は問うもので
はない。
【0031】その他、薬液注入装置の各部の具体的な構
成も本発明の意図する範囲内に於いて任意に設計変更自
在である。
【0032】
【発明の効果】叙上の様に、本発明は原液と希釈液とが
良好に混合されて希釈された薬液を被処理液に注入する
ものであるため、例えば原液がガスを発生し易い次亜塩
素酸ソーダ等であるような場合にもガスの発生が抑制さ
れる等、その取扱いが非常に簡易なものとなり、また直
接被処理液に原液を微量注入していた従来のものに比し
て、被処理液との混合効率が向上して安定した注入が可
能となる結果、被処理液の殺菌等を良好に行えるという
格別の効果を得るに至った。
【0033】また、請求項3のように計量タンクをタン
ク本体と該タンク本体よりも小径に形成されてその下端
部に突設される補助タンクとから構成し、該補助タンク
に希釈液供給口と原液供給口とを設けると、各供給口か
ら供給された原液及び希釈液との混合が一層良好に行え
るという利点があり、さらに請求項5の如く補助タンク
を前記タンク本体に着脱自在に設けると、容量の異なる
数種の補助タンクを用意しておくことにより、原液と希
釈液との希釈率を任意に変更できるという特有の効果が
得られる。
【0034】また、請求項6の如く安定槽の水位に応じ
てこれまでの運転状況により設定された原液及び希釈液
の供給間隔が自動変更されるように構成すると、状況の
変化に対応した薬液の注入が可能になり、計量タンクや
安定槽等の容量を変更する必要もなく、一連の薬液注入
作業の自動化に大いに寄与し得るという効果がある。
【0035】さらに、上述したように本発明に係る薬液
注入装置は、全体の構成が非常に簡易であるために、安
価で且つ容易に製作できるという実用的な効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬液注入装置の一実施形態を示す
概略説明図。
【符号の説明】
1…計量タンク 2…タンク本体 3…補助タンク 4…希釈液供給口 5…原液供給口 6…排出口 10…安定槽 11…配管 20…希釈液 26…原液 31…配管 32…薬液
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 1/50 520 C02F 1/50 520B 531 531P 540 540B 550 550C 550L (56)参考文献 特開 平4−61865(JP,A) 実開 昭59−74896(JP,U) 実開 昭57−121136(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 4/02 B01F 3/08 B01F 15/04 C02F 1/00 C02F 1/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給された希釈液(20)と原液(26)とを混
    合して薬液(32)を生成するための計量タンク(1) と、該
    計量タンク(1) に配管(11)を介して接続される安定槽(1
    0)と、該安定槽(10)に前記計量タンク(1) から供給され
    た薬液(32)を被処理液に注入するための配管とからな
    り、且つ前記安定槽(10)は該安定槽(10)内の薬液(32)の
    水位を検知して前記計量タンク(1) に希釈液(20)を自動
    供給せしめる第1検知手段を具備すると共に、該計量タ
    ンク(1) は前記希釈液(20)の供給を自動停止させ且つ原
    液(26)を自動供給せしめる検知手段と、該原液(26)の供
    給を停止せしめる検知手段とを夫々具備してなることを
    特徴とする薬液注入装置。
  2. 【請求項2】 前記計量タンク(1) がタンク本体(2) と
    該タンク本体(2) よりも小径に形成されてその下端部に
    突設される補助タンク(3) とからなり、且つ該補助タン
    ク(3) には配管(11)が接続される排出口(6) と希釈液供
    給口(4) と原液供給口(5) とが夫々設けられてなる請求
    項1記載の薬液注入装置。
  3. 【請求項3】 前記補助タンク(3) がタンク本体(2) に
    着脱自在に設けられてなる請求項2記載の薬液注入装
    置。
  4. 【請求項4】 前記配管(11)がサイホン管からなる請求
    項1乃至3の何れかに記載の薬液注入装置。
  5. 【請求項5】 前記計量タンク(1) への希釈液(20)及び
    原液(26)の供給間隔が予め設定され、且つ第1検知手段
    よりも高い位置に第2検知手段が配されると共に、該第
    2検知手段よりも高い位置に第3検知手段が配され、該
    第2及び第3検知手段は夫々安定槽(10)内の薬液(32)の
    水位を検知可能に構成されてなり、しかも第1検知手段
    と第2検知手段間に薬液(32)の水位が前記供給間隔より
    も長い時間位置した際には該供給間隔が維持される一
    方、前記2検知手段と第3検知手段間に薬液(32)の水位
    が前記供給間隔よりも長い時間位置した際には該供給間
    隔を延長し得るように構成されてなる請求項1乃至4の
    何れかに記載の薬液注入装置。
  6. 【請求項6】 前記延長された供給間隔が更新可能に構
    成されてなる請求項5記載の薬液注入装置。
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