JP3062251B2 - 元素質量分析計において干渉を減少させる方法 - Google Patents

元素質量分析計において干渉を減少させる方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、質量分析計とその操作方法に関する。特
に、本発明は、元素分析に使用される質量分析計、とり
わけ、高周波誘導結合プラズマ(ICP)またはマイクロ
波誘導プラズマ(MIP)のようなプラズマイオン発生器
を用いた質量分析計に応用することができる。このよう
な計測器は、典型的には、4重極マスフィルターだけで
なく磁場形マスフィルターも使用する。本発明は、この
両方の形態のマスフィルターに応用することができる。
質量分析計は試料を分析するのに使用され、それは、
試料のイオン化を行い質量/電荷比に従って生じるイオ
ンを分離することによるものである。分析されるべき試
料の様々な種類に応じて、異なったイオン化技術が使用
される。一般的に、プラズマ発生器は、低い背景雑音と
ひとつには発生器の非常に高い温度による高い感度とを
有するので、元素分析のためには、それらのプラズマ発
生器は、特に重要なものである。しかしながら、これら
のプラズマ発生器にはいくつかの欠点がある。より詳細
には、例えば、ArO+、Ar2 +、または、酸化物イオンのよ
うな荷電分子種または荷電多原子種から生じ、あるい
は、一価のイオン(singly charged ion)と同じ質量/
電荷比で現れる二価の荷電化学種(doubly charged spe
cies)から生じるほぼ同じ質量を有する2つかまたはそ
れ以上の異なった同位体元素よって干渉が発生すること
がある。
この問題が特に深刻となる1つの領域は、とりわけ希
土類元素(REE)または遷移金属元素のような元素の元
素分析においてである〔例えば、英国,Glasgow,Blackie
and Son発行のDate A.R.およびGray A.L.による“Appl
ications of Inductively Coupled Plasma Mass Spectr
ometry"(1989年)を参照〕。そこで論議されるよう
に、この干渉を防止するために、例えば、試料が噴霧さ
れるスプレー室を水冷するような、あるいは、プラズマ
ガスの組成を変更するような多くの技術が開発されてき
た。さらに、WO94/07257においては、ICP質量分析計で
の同重体干渉(isobaric interference)を低減するた
めのエネルギーおよび質量フィルタリング法が提案され
た。
機器構成要素(hardware parameters)を変更するだ
けでなく、干渉ピークを分離する数学的な技術を用いる
ことによって、干渉効果を低減することが提案された。
Templeton等は、主成分分析法(PCA:Principal Compone
nts Analysis)に基づいた方法を提案している〔英国Ro
yal Soc.Chemistry発行のHolland,Eaton編集の“Applic
ations of Plasma Source Mass Spectrometry(1991
年)”の101〜109頁の“Multivariate Analysis of ICP
Mass Spectra:Determination of Nickel and Iron in
Body Fluids"〕。PCAは、複雑なシステムを適切に説明
するのに必要な最小限の数の成分を得るためのデータの
要約および再モデル化に基づいた多変量技術である。Te
mpleton等は、PCAによってスペクトルから得られる一連
の要素は、そのシステムにおける意義のある成分の数を
表し、また、スペクトルにおける干渉成分の数を暗黙的
に表すものであると仮定している。しかしながら、現実
には、このスペクトルは、PCAが気がつくことのできな
い干渉を含んでいることがあり、ゆえに、この方法は根
本的に欠陥のあるものである。
また、質量分析法の異なる多技においてデータ分析に
関する様々なその他の数学的または統計的な技術が提案
されている。DoLago等は、得られた実際のデータを計算
された同位体パターンと比較する単純な方法による分子
質量スペクトルの判定を提案している〔Computers Che
m.(1991年)のVol.15(2)の149〜155頁〕。Mun等
は、分子イオンおよびフラグメントイオンを分析するた
めに、GC/MSスペクトルにおける塩素または臭素の特性
同位体パターンを比較するライブラリベース技術を使用
している〔Anal.Chem.(1977年)のVol.49(12)の1723
〜1726頁〕。また、Jurasek等は、類似した技術を使用
している[Mikrochimica Acta(1993年)のVol.110の13
3〜142頁]。本質においては統計的なものであるが、こ
れらの論文は別の問題を論じるものであり、フラグメン
トされない分子の観察された同位体質量分布にフィット
又は合致する分子式を再構築することを試みるものであ
る。このような研究は、完全には確率論的なものではな
い。なぜなら、異なった化学式についての本質的な妥当
性(plausibility)に関する疑問をいまだに厳密には論
じていないからである。対照的に、元素分析において、
その目的は、これらの元素が、ただ1個の分子種から出
たことを示す整数比を有していてもいなくても、(第1
の近似のために)分離された原子の観点からフラグメン
トイオンを分析することである。
科学データ分析に応用されてきたもう1つの方法はベ
イズ分析による方法であり、これは、完全な確かさを欠
くどんな場合でも矛盾することなく推論する最適の方法
であることが知られている。このベイズの方法は、確率
論的なものであり、それは、いくつかのデータDを提供
してきた質量分析計のような計測器を考察することによ
って説明できる。観察される試料の組成であるCを推定
したいと考える。任意の特定の組成Cは、既知の法則に
従って、質量/電荷比の異なった値において観察される
データカウントからなる質量スペクトルMを誘導する。
計測器を介して観察されるのはこの質量スペクトルMで
ある。この計測器の機器応答性がわかっていると仮定
し、観察されたデータカウントの確率論的分布として定
義するその機器応答性は、あらゆる特定の較正入力を与
えられていると仮定すれば、この“機器応答性”は、次
のように記述することができる。
prob(D given M)=pM(D) あるいは、等価式として(なぜなら、CはMを誘導す
るので)、 prob(C given M)=pC(D) しがしながら、知りたい情報は、 prob(C given D)=pD(C) であり、これらの2つの確率はベイズの定理によって次
のように関係づけられ、 pD(C)αp(C)pC(D) ここで、(標準的な技術用語では)p(C)は、事前確
率分布または略して“事前”として知られ、pC(D)
は、尤度(または、ここでの用語では“機器応答性”)
として知られ、また、pD(C)は、事後確率分布または
略して“事後”として知られ、これがここで推定したい
量である。それは、データの観点においては相変わらず
妥当性のある組成のすべての種類を包含する。そのよう
なものとして、それは、平均の組成または“最良の”た
だ1つの組成に加えて誤った棒グラフ(error bar)を
も提供する。(ベイズの定理の論議に関しては、Charle
s Griffin & Co.,Londonによって発行されたM.Kendall
およびA.Stuartによる“The Advanced Theory of Stati
stics"の第8章を参照) ベイズの分析を用いるときは、事後確率分布の答えが
得られる前に、事前確率分布p(D)が割り当てられな
ければならない。この事前確率分布は、データを参照す
ることなく割り当てられなければならない。このベイズ
の定理による方法によって、すべてのデータを十分にま
た矛盾することがなく分析に使用することができる。
その他の確率分布も使用できるが、1つの良く知られ
たベイズの方法は、最大エントロピー分析であり、研究
されるシステムのエントロピーは、事前確率分布を定義
するのに使用される。最大エントロピーが使用されてき
た別の形態の質量分析法は、エレクトロスプレー質量分
析法(ESMS:electrospray mass spectrometry)であ
り、これは、エレクトロスプレーすることによって例え
ばタンパク質のような複雑な生体分子をイオン化するこ
とを包含する。イオンが形成され、それは、典型的に
は、質量/電荷比(M+zH)/zにおいて起こり、ここ
で、Mはタンパク質の分子質量であり、Hは陽子の質量
であり、zはイオンの電荷の数である。これらのイオン
は連続的に形成され、それぞれのイオンは質量スペクト
ルにおけるピークによって表現され、zの範囲は、15k
ドルトンのタンパク質に対して10〜20である。したがっ
て、この例における質量スペクトルは、質量/電荷比
(M+10H)/10、(M+11H)/11、(M+12H)/12、な
どにおける一連のピークによって表現される。ESMSにお
ける問題は、未知のMおよびzをこの一連のピークから
計算することである。
Ferrige[Rapid Comm.in Mass Spectrom(1992年)の
Vol.6 707〜711頁]らは、エレクトロスプレースペクト
ルにコンピュータ解析するために最大エントロピー技術
を使用することを提案している。そこで論議されるよう
に、この技術は、ベイズの透視図(Bayesian perspecti
ve)からスペクトル分析を追求するものである。しかし
ながら、ESMSスペクトルは、連続的に増加するzの値に
よって同一のタンパク質を表現するピーク系列からなる
ので、同一の情報がそれぞれのピークに存在することに
なる。したがって、確率論的アプローチは、ESMS問題の
解決に十分に適している。なぜなら、この見かけは冗長
なデータのすべてが利用され、それによって、非確率論
的方法と比較すると分離度が向上するからである。しか
しながら、ESMSスペクトルの反復性は、元素分析におい
て得られる重なったスペクトルとは全く異なり、そのこ
とが、本発明の課題を形成する。
本発明の目的は、干渉問題を克服した質量分析法によ
って試料を元素分析する方法を提供することである。本
発明のさらなる目的は、そのような方法を実行する装置
を提供することである。
上述の目的に従って、本発明は質量分析法によって試
料の元素組成を決定する方法を提供するものであって、
該方法は、 1.分析されるべき試料を機器応答性が既知である質量分
析計のイオン化領域に投入する段階と、 2.それに存在する元素のイオン特性を引き出すために、
その試料をイオン化する段階と、 3.異なった値の質量/電荷比において観察されるデータ
カウントからなる実験スペクトルを得るために、そのイ
オンを質量分析して検出する段階と、 の諸段階を含み、この方法は、 a.その試料の予想される成分であり、それぞれが既知の
同位体比パターンを有することからなる成分のリストを
生成する段階と、 b.その予想成分リストに事前確率分布を割り当てる段階
と、 c.段階aおよびbの結果に対応する試行組成の1つの集
合を定義する段階と、 d.機器応答性とともに同位体比パターンを用いて、その
試行組成のそれぞれに対応する試行質量スペクトルを定
義する段階と、 e.確率微積分学(probability calculus)を用いて事後
確率分布を定義して、前記試行質量スペクトルと前記実
験質量スペクトルとを比較する段階と、 f.組成に関連する尤度によってその試料の予想組成の複
数の試行集合であり、それらの試行集合が前記事後確率
分布と一致しているような試行集合を生成する段階と、 g.前記試行集合と前記関連する尤度とを用いて、対応す
る関連した不確かさ(uncertainty)と共に、前記試料
の各成分量に関する平均値を得る段階と、 の諸段階を更に含むことを特徴とする。
好ましくは、上述の段階aは、試料の期待される成分
の推定値を質量分析計のオペレータから得る段階を含
む。さらに好ましくは、これは、予想される元素および
/または種のメニューを表示して、オペレータがどんな
成分が存在するかを推定したその成分をオペレータが選
択できることを含む。あるいは、別の方法として、この
情報は自動的に得られてもよい。
好都合には、上述の段階fで生成される試行集合は、
ギブズのサンプリングを用いて生成される。
好ましくは、この方法は、最初の計算または事前確率
分布計算の結果に応じて期待される成分の修正された推
定値を質量分析計のオペレータが入力することを可能に
する段階を含む。
さらなる側面によれば、本発明は、上述の方法によっ
て動作させられる質量分析計を備える。
本発明の好ましい実施の形態が、図1〜6を参照して
以下でより詳細に説明される。
図1は、本発明に適合する一般的なICP質量分析計の
概略構成図である。
図2は、実験スペクトルの例である。
図3乃至図5は、本発明による方法を用いて得られた
オーバフィット・プロット(overfit plots)の例であ
る。
図6は、本発明による方法によって得られたデータを
使用して生成された模擬スペクトルすなわち試行スペク
トルである。
プラズマ質量分析計の典型的な構成、この場合はICP
質量分析計である、が図1に示される。全体が符号1に
よって示されるこの質量分析計は、一般的なプラズマト
ーチ3に試料を投入するための手段2を備える。試料準
備手段は図示されていないが、典型的には、空気圧噴霧
器または他の適切な手段を備え得る。不活性ガス(典型
的には、アルゴン)の制御された流れ4および5が、こ
のトーチに供給され、高周波数又は無線周波数の電気的
手段6、7、および8が提供されて、ほぼ大気圧のガス
中に誘導結合プラズマを生成する。このように、ICP
は、トーチの端部に形成される。上述したように、この
トーチは、質量分析計の領域9に提供され、それはほぼ
大気圧である。冷却フランジ11に取り付けられたオリフ
ィス状の試料採取コーン10からなるノズル−スキマー境
界面(nozzleskimmer interface)が、この領域との境
界をなしてトーチの端部に隣接して配置されている。こ
の試料採取コーンは、質量分析計の第2の領域12の一方
の境界をなし、この領域12は、典型的には、真空ポンプ
13によって実質的に大気圧以下(典型的には、0.01〜10
トル)に維持される。この第2の領域は、オリフィス状
のスキマーコーン14によるもう1つの境界を有する。こ
のコーンの向こう側には、第3の領域15があり、この第
3の領域15は、拡散ポンプ(図示しない)によって排気
される。
この場合には、排気領域に配置された4重極マスフィ
ルター16と、コンバータ電極18および電子増倍管19を含
むイオン検出器17とによってマスフィルタリング手段お
よびイオン検出手段が提供される。この電子増倍管から
の信号は、増幅器20によって増幅され、その信号が、典
型的には、プロセッサ22、表示装置23(例えば、VD
U)、および、データ入力手段24(例えば、キーボー
ド)を有するコンピュータ21に供給される。このよう
に、オペレータが、表示装置に示される情報に応答し、
キーボードを用いて様々なパラメータを入力することが
できる。さらに、このコンピュータによって制御される
制御手段(図示しない)が、質量分析計のその他の様々
な構成要素の動作を管理する。
上述のような質量分析計は一般的なものであり、類似
する質量分析計は、PCT公表番号第WO94/07257号に説明
されている。さらに、上述したように、4重極マスフィ
ルターの代わりに磁場形分析計又は磁気セクター分析計
を用いてもよい。
本発明による質量分析計は、動作時に以下のように機
能する。試料が、試料投入手段2によってプラズマトー
チ3の中に投入される。トーチ3の端部における誘導結
合プラズマが試料をイオン化し、これらのイオンの少な
くともいくつかが、試料採取コーン10およびスキマーコ
ーン14のオリフィスを通過し、最終的には、マスフィル
ター16に到達する。異なる質量/電荷比を有するイオン
が検出器17によって検出できるように、4重極マスフィ
ルターのロッドに印加された電圧が、一般的な方法によ
って変化させられる。このようにして、スペクトルが次
第に形成され、そのスペクトルは、異なる質量/電荷比
の範囲において得られたイオン信号を提供する。
得られた実験質量スペクトルから試料の推定組成を測
定するために、まず最初に、試料の期待成分のリストが
生成される。好ましくは、この情報は、質量分析計のオ
ペレータ又は複数のオペレータから得られる。実際に
は、これは、例えば、予想成分のメニューを表示装置23
に表示し、キーボード24のようなデータ入力手段を用い
てオペレータがこのメニューから選択することを可能に
することによって実現される。しかしながら、試料の期
待含有率に関する情報は、例えば、試料容器(図示しな
い)に設けられたバーコードまたは他のそのような情報
を用いて自動的に入力されてもよい。さらに、コンピュ
ータ21によってその情報が自動的に生成されることも可
能である。
そして、質量分析計は、上述したような方法に従って
動作して、関連する不確かさとともに、存在するそれぞ
れの成分の量に関する平均値を計算する。
Charles Griffin & Co.,Londonによって発行された
M.KendallおよびA.Stuartによる“The Advanced Theory
of Statistics"の第15章に記述されるように、正規分
布による標準偏差の不確かさσの存在下において、試行
質量スペクトルMが実験データカウントDと比較される
場合、ミスフィット尤度係数(misfit likelihood fact
or)は、 となる。上述の段階(e)の比較で使用されるのがこの
ミスフィット尤度係数である。好ましくは上述の段階
(f)の試行集合を生成するのに使用されるギブズのサ
ンプリングは、1995年にChapman & Hall,Londonによっ
て発行されたA.Gelman等による“Bayesian Data Analys
is"の第11章の第3項に記述される。
図2乃至図6は、本発明に従った方法による結果の例
を示す。図2は、特定の試料から得られた実験質量スペ
クトルを示す。y軸は、得られたデータカウントを対数
目盛で表し、x軸は、質量をドルトンで表す。この場合
のx軸は、質量/電荷比ではなく質量を表し、それら
は、すべての種は一価であるので、この特定の例では同
じことであることに注意されたい。図2の空白の列は、
実際には測定されなかった質量に対応している。
図3乃至図5は、“オーバフィット”プロットであ
り、そのそれぞれが、特定のリストの予想部分に対応す
る特定の質量のそれぞれにおいて計算された信号と実験
値との間の差を標準偏差の表現によって示している。図
3において、リストの予想成分は、Cr、Fe、Zn、Ge、B
r、および、Krである。これからわかるように、試行値
と実験値との間の差のあるものは、かなり大きく、例え
ば、質量51においては標準偏差が約32の差である。この
差は、統計的にはかなりの意義があり、たぶん予想成分
のリストが非常に不正確であることを示している。
図4は、ClOおよびArClをさらに加えたものに対応す
る類似したプロットを示す。オペレータは、これらの成
分を選択している。なぜなら、これらの成分の質量は最
初の試みのアンダフィット(underfit)に対応するから
である。図4はより良好なフィットを示しているが、質
量76および78においていまだにかなりの差があることに
注意されたい。これは、予想される他の成分の中にジア
ルゴン(Ar2)が存在することを示唆する。
図5は、図4の成分にさらにArN、Ar2、および、Ar2H
を加えた成分に対応する類似するプロットを示す。もっ
とも大きなアンダフィットは、ここでは、質量70におけ
る標準偏差が2をわずかに超えているに過ぎない。これ
は、例えば、FeNによるものかもしれないが、本質的に
は、すべてのデータが、期待される統計的パラメータの
範囲にフィットしている。
図6は、試料の成分が、図5を計算するときに使用さ
れた成分に実際に対応する場合に期待される“模擬”の
質量スペクトルを示す。図6は、図2の実際のデータと
比較すれば、質量が測定されたすべてのxの値において
良好なものであり、さらにまた、この方法は、測定され
ていない質量において観測されたデータがそれが測定さ
れることを予測することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−137854(JP,A) 特開 昭61−20855(JP,A) 特開 平6−325009(JP,A) 特開 平6−301716(JP,A) 国際公開95/25281(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/62 - 27/70 H01J 49/00 - 49/48 G06F 17/00 - 19/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】i.分析されるべき試料を機器応答性が既知
    である質量分析計のイオン化領域に投入する段階と、 ii.それに存在する元素のイオン特性を引き出すため
    に、前記試料をイオン化する段階と、 iii.異なった値の質量/電荷比において観察されるデー
    タカウントからなる実験スペクトルを得るために、前記
    イオンを質量分析して検出する段階と、 を備えた質量分析法によって試料の元素組成を測定する
    方法であって、該方法が、さらに、 a.前記試料の予想される成分であり、それぞれが既知の
    同位体比パターンを有する成分のリストを生成する段階
    と、 b.前記予想成分リストに事前確率分布を割り当てる段階
    と、 c.前記段階aおよびbの結果に対応する試行組成の1つ
    の集合を定義する段階と、 d.前記機器応答性とともに前記同位体比パターンを用い
    て、前記試行組成のそれぞれに対応する試行質量スペク
    トルを定義する段階と、 e.確率微積分学を用いて、事後確率分布を定義して、前
    記試行質量スペクトルと前記実験質量スペクトルとを比
    較する段階と、 f.組成に関連する尤度によって、前記事後確率分布と一
    致する、前記試料の予想組成の複数の試行集合を生成す
    る段階と、 g.前記試行集合と関連する尤度とを用いて、対応する関
    連した不確かさとともに、前記試料のそれぞれの前記成
    分の量に関する平均値を得る段階と、 の諸段階を含むことを特徴とする元素組成を測定する方
    法。
  2. 【請求項2】前記段階aが、前記試料の期待される成分
    の指定値を質量分析計のオペレータから得る段階を含
    む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記段階aが、予想される元素および/ま
    たは種のメニューを表示して、どんな成分が存在するか
    をオペレータが推定する成分をオペレータが選択できる
    ように為すことを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記段階aが、自動的に起動される、請求
    項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記段階fにおいて生成される前記試行集
    合が、ギブズのサンプリングを用いて生成される、請求
    項1乃至4の内の何れか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】最初の計算または事前確率分析計算の結果
    に応じて期待される成分の修正された推定値を、前記質
    量分布計のオペレータが入力することを可能にする段階
    をさらに含む、請求項1乃至5の内の何れか一項に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6の内の何れか一項に記載の
    方法に従って動作する質量分析計。
  8. 【請求項8】分析されるべき試料に存在する元素のイオ
    ン特性を引き出すために、その試料をイオン化する手段
    と、異なった値の質量/電荷比において観察されるデー
    タカウントからなる実験スペクトルを得るために、前記
    イオンを質量分析して検出する手段と、を備えて、質量
    分析法によって試料の元素組成を決定する、機器応答性
    が既知である質量分析計であって、 a.前記試料の予想される成分であり、それぞれが既知の
    同位体比パターンを有する成分のリストを生成する第1
    の生成手段と、 b.前記予想成分リストに事前確率分布を割り当てる割り
    当て手段と、 c.前記生成手段および前記割り当て手段の結果に対応す
    る試行組成の1つの集合を定義する定義手段と、 d.前記機器応答性とともに前記同位体比パターンを用い
    て、前記試行組成のそれぞれに対応する試行質量スペク
    トルを定義する手段と、 e.確率微積分学を用いて事後確率分布を定義して、前記
    試行質量スペクトルと前記実験質量スペクトルとを比較
    する手段と、 f.組成に関連する尤度によって前記試料の予想組成の、
    前記事後確率分布に一致する、複数の試行集合を生成す
    る第2の生成手段と、 g.前記試行集合と関連する尤度とを用いて、対応する関
    連した不確かさとともに、前記試料のそれぞれの前記成
    分の量に関する平均値を得る手段と、 を更に備えることを特徴とする質量分析計。
  9. 【請求項9】前記第1の生成手段が、前記試料の期待さ
    れる成分の推定値を質量分析計のオペレータから得る手
    段を備える、請求項8に記載の質量分析計。
  10. 【請求項10】前記第1の生成手段が、予想される元素
    および/または種のメニューを表示して、どんな成分が
    存在するかをオペレータが推定する成分をオペレータが
    選択することを可能にする手段を備える、請求項9に記
    載の質量分析計。
  11. 【請求項11】自動式の第1の生成手段を含む、請求項
    8に記載の質量分析計。
  12. 【請求項12】前記第2の生成手段が、ギブズのサンプ
    リングを用いて前記試行集合を生成する手段を備える、
    請求項8乃至11の内の何れか一項に記載の質量分析計。
  13. 【請求項13】最初の計算または事前確率分布計算の結
    果に応じて期待される成分の修正された推定値を、前記
    質量分析計のオペレータが入力することを可能にする手
    段をさらに備える、請求項8乃至12の内の何れか一項に
    記載の質量分析計。
  14. 【請求項14】前記質量分析計のイオン化領域に、前記
    試料を投入する手段をさらに備える、請求項8乃至13の
    内の何れか一項に記載の質量分析計。
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