JP3061176U

JP3061176U - 空気清浄機

Info

Publication number: JP3061176U
Application number: JP1999000413U
Authority: JP
Inventors: 洋介水野
Original assignee: 株式会社ゼンケン
Priority date: 1999-02-01
Filing date: 1999-02-01
Publication date: 1999-09-17
Anticipated expiration: 2005-02-01

Abstract

(57)【要約】【課題】この考案は、性質の異なる３つのフィルター
と光触媒を利用して、室内空気中の有害固形物の分解除
去及び消臭を目的としたものである。【解決手段】器体の空気を吸入する開口部に、空気の
吸入側から抗菌フィルター、超微細集塵フィルター及び
消臭フィルターを積層して並列設置すると共に、前記フ
ィルターの裏面に、送気器機の吸入口を対向させ、前記
送気器機の吐出側に排気通路を連結し、該排気通路に光
触媒フィルターを設置したことを特徴とする空気清浄機
である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、集塵及び消臭及び脱ガスすることを目的とした空気清浄機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来空気清浄機としては、活性炭フィルター、静電気の集塵フィルター及び抗菌フィルター並びに光触媒フィルターよりなり、光触媒フィルターが表になるようにした空気清浄装置の発明が知られている（特開平１０−８５５５８号）。また吸着材の表面に光触媒を付加し、又は前記吸着材に光触媒を練り込んだ通風性を有する部材と光触媒の励起源を備えた脱臭装置の発明が知られていた（特開平１０−３２８２８８号）。

【０００３】

【考案により解決しようとする課題】

前記積層フィルターを用いる考案は、空気清浄装置を小形化し得ると共に、フィルターの寿命を長くし、紫外線ランプを設ける必要がないなどの特徴があるとされているが、ダイオキシンなどの有害物質についてのフィルター効果が不明であり、微粒子は静電フィルターにより集塵するとされており、各フィルターはほぼ等間隔に並列配置されているが、更に高性能で、特にダイオキシンの除去に有効な清浄機の開発研究する余地があった。

【０００４】また前記公知の脱臭装置は触媒による臭気の分解が考えられるが、微細塵の集塵が困難とされるおそれがあった。そこで消臭については、吸着と分解を併用し、分離についても更に高性能を求められていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、抗菌フィルター、超微細集塵フィルター及び消臭フィルターの積層フィルターを用いると共に、更に光触媒フィルターにより消臭したので、埃等の除去と、消臭を確実にし、かつダイオキシンを除去して、前記従来の問題点を解決したのである。

【０００６】即ちこの考案は、器体の空気を吸入する開口部に、空気の吸入側から抗菌フィルター、超微細集塵フィルター及び消臭フィルターを積層して並列設置すると共に、前記フィルターの裏面に、送気器機の吸入口を対向させ、前記送気器機の吐出側に排気通路を連結し、該排気通路に光触媒フィルターを設置したことを特徴とする空気清浄機である。また器体の空気を吸入する開口部に、抗菌剤を付着した抗菌フィルター、超微細集塵フィルター及びアルカリ性及び酸性ガスを吸着する消臭フィルターよりなる積層フィルターを設置すると共に、排気通路に光触媒フィルターを設置し、前記積層フィルターと、前記光触媒フィルターとの間に送気器機を介装しことを特徴とする空気清浄機である。次に器体の空気を吸入する開口部に、空気の吸入側から抗菌フィルター、超微細集塵フィルター及び消臭フィルターを積層して並列設置すると共に、前記フィルターの裏面に、送気器機の吸入口を対向させ、前記送気器機の吐出側に排気通路を連結し、該排気通路に光触媒フィルターを設置し、前記器体に、においセンサー及びほこりセンサーを取付けたことを特徴とする空気清浄機である。更に器体の空気を吸入する開口部に、抗菌剤を付着した抗菌フィルター、超微細集塵フィルター及びアルカリ性及び酸性ガスを吸着する消臭フィルターよりなる積層フィルターを設置すると共に、排気通路に紫外線ランプの外周に、酸化チタンを付着した網を設置してなる触媒フィルターを設置し、前記積層フィルターと、前記触媒フィルターとの間に送気器機を介装しことを特徴とする空気清浄機である。

【０００７】前記における抗菌フィルターは、天然ヒノキチオール、その他のかび、細菌などに抗菌力を持った薬剤を繊維シート、不繊布などの無数の小孔を有するシートに付着させて用いる。

【０００８】また超微細な、例えば０．３ミクロンの塵埃も分離し得る集塵フィルターで、ハウスダスト、花粉、たばこの煙なども除去することができる。次に消臭フィルターは、アンモニアなどのアルカリ性ガスの吸着に優れたフィルターと、酢酸などのように酸性のガス吸着に優れたフィルターを組み合わせたものである。

【０００９】更に光触媒フィルターは、酸化チタンと紫外線により、臭の元を遮断して分解消臭するものである。従ってダイオキシン、ＮＯ_Ｘ、ＳＯ_Ｘ、ホルムアルデヒドなども脱ガスすることができる。

【００１０】前記考案においては、各フィルター間の空隙が不均等であるから、該部における透過空気の流速が変化し、集塵効率を向上させることができる。

【００１１】前記考案によれば、抗菌フィルター側を可及的に広面積としているので、室内空気を広い面積で、かつ水平方向から吸入し、垂直方向へ吹き出すようになっており、被処理空気の流動方向を変化させると共に、室内空気の循環を円滑にするこの考案によれば、吸入された空気は先ず抗菌フィルターによって比較的大きい粒子が除去されると共に、抗菌処理されるので、細菌類が集塵フィルター又は消臭フィルターに付着する割合がきわめて小さくなる。

【００１２】また集塵フィルターは、超微細孔であるから、比較的大きい埃などが吸着されると、目詰りを生じ、処理効率を低下させるおそれがあるが、この考案においては、比較的大きい粒子は予め除去されているので、目詰りを生じるおそれが少なくなる。また集塵フィルターで微細粒子まで除去するので、消臭フィルターは殆んど気体のみを吸着すれば目的を達するので、その吸着効率を向上し、更に光触媒フィルターによる分解は殆んど気体のみ処理すればよいので、臭気の分解が合理化される利点があり、かつ粒子などに付着した気体・臭気がきわめて少なくなるので、気体の分解効率も向上する。

【００１３】

【考案の実施の形態】

この考案は、抗菌フィルター、超微細集塵フィルター及び消臭フィルターよりなる積層フィルターを構成し、前記積層フィルターで処理した空気を、更に光触媒フィルターにより消臭処理する空気清浄機である。前記超微細集塵フィルターは、０．３ミクロンの微粒子でも９９．９７％以上除去できると共に、ダイオキシン、花粉、たばこの煙なども処理することができる。

【００１４】また光触媒フィルターによる消臭は、例えば酸化チタンを網にコーティングし、該網により紫外線ランプを包むようにして用いる。要するに、空気中の微粒子を除去したり、分解して消臭し、空気清浄化の目的を達成する空気清浄機の考案である。

【００１５】

【実施例１】この考案の実施例を図１、２、３、４、５について説明する。この考案は所定幅を有する矩形の枠体６の一側に、通気出来る保護カバー７を着脱可能に取付け、その内側へ積層フィルター８を設置する。該積層フィルター８は、前記保護カバー７側から、抗菌フィルター１、集塵フィルター２及び消臭フィルター３を積層し、外側へ保形枠９を嵌装固定して構成してある（図４）。

【００１６】前記積層フィルター８の内側（保護カバー７の反対側）にシロッコファン５を設置してある（図２）。該シロッコファン５の上方には、その排気路１０の全幅に亘って紫外線ランプ１１が横設され、紫外線ランプ１１には酸化チタンを付着された触媒網１２が周続設置してある（上下のみでもよい）。図３中１３は背面を閉塞する背板、１４は処理空気の吹出口であり、図４中１５は集塵フィルター２の両側に抗菌フィルター１と消臭フィルター３を夫々固定する接着剤、図１中２０はにおいセンサー収容部、２１はほこりセンサー収容部である。

【００１７】前記抗菌フィルター１は、例えば強靱な繊維を抄いた紙（不繊布を含む）に天然ヒノキチオールなどのかびや細菌の活動を抑制する薬剤を付着させ、埃その他の固形物（比較的大きいもの）を分離するフィルターである。いわゆる荒篩的役目を果し、抗菌作用があって、被処理空気中の比較的大きな埃、細菌を分離し、抗菌処理すると共に、集塵フィルター２の目詰りを防止する作用がある。

【００１８】前記集塵フィルター２は、半導体工場のクリーンルームなどの空気清浄にも使用される高性能フィルターで、ハウスダスト、花粉、ダイオキシン、たばこの煙など０．３ミクロン程度の微粒子でも９９．９７％除去できる性能を有するものである。

【００１９】前記消臭フィルター３は、アンモニア、タンパク質などのアルカリ性のガスの吸着に優れたフィルターと、酢酸などの酸性ガスの吸着に優れたフィルターを独自に組み合わせた消臭フィルターであって、特に吸着作用と消臭作用がある。光触媒フィルター４は、紫外線ランプ１１の回りに酸化チタンを付着させた触媒網１２を配したものであって、ＮＯ_Ｘ、ＳＯ_Ｘ、ダイオキシンなどを分解消臭する作用がある。

【００２０】前記のように、夫々作用の異なる４つのフィルターにより処理するので、固形物は勿論、気体であっても分解消臭されるので、完全な空気清浄機ということができる。

【００２１】前記実施例において、シロッコファン５を始動すると、室内空気は図２中矢示１６のように積層フィルター８を通過して固形物分離と、消臭を行い、ついで矢示１７のように上昇し、更に矢示１８のように光触媒フィルター４内を通過し、ＮＯ_Ｘ、ＳＯ_Ｘ、ダイオキシンなどを分解して無害化し、吹出口１４から矢示１９のように室内へ吹出される。前記のようにして室内空気を循環処理することにより、短時間に清浄空気の部屋とすることができる。

【００２２】前記のように、においセンサー収容部２０及びほこりセンサー収容部２１には、においセンサー及びほこりセンサーが夫々収容してあるので、におい又はほこりが一定値以上を示した時のみシロッコファン５をＯＮにするような回路を構成しておけば、全自動運転させることができる。

【００２３】前記実施例によりダイオキシンの除去について試験した所、１回のパスで９６％除去できることが判明した（表１）。従って２回〜３回パスすることにより、ほぼ全部除去することができる。

【００２４】

【表１】前記測定装置及び条件は下記の通りである。

【００２５】装置：島津／KRATOS ガスクロマトグラフ質量分析計 CONCEPT32 TYPE1S カラム： SP-2331 … 0.25mmi.α × 60m DP-17 …… 0.25mmi.α × 30m 導入系：スプリットレス 60sec 温度：注入口 265℃，280℃ イオン源温度： 280℃ イオン化電圧： 40eV 分解能： 10000以上カラム温度：・ 150℃(1min) → 25℃/min → 200℃ ・ 3℃/min → 260℃(67min) ・ 150℃(1min) → 10℃/min → 270℃(19min) 測定者株式会社分析センター測定日平成１０年１２月１２日〜１６日ダイオキシン除去率η（％）の算出式 η ＝（１−Ｃ／ＣＯ）×１００ＣＯ：空気清浄機入口のダイオキシン類濃度（ｐｇ−ＴＥＱ／ｍ^３）Ｃ：空気清浄機出口のダイオキシン類濃度（ｐｇ−ＴＥＱ／ｍ^３）前記は１回の通過による分離効率であるから数回通過すれば事実上皆無と考えられる。

【００２６】前記実施例において、シロッコファン５を始動すると、被処理空気は強制吸引されて、抗菌フィルター１、集塵フィルター２及び消臭フィルター３を順次通過し、ダイオキシンを含む固形物の９９％を除去して光触媒４に吹きつけられる。

【００２７】前記フィルター類で分離洩れしたＮＯ_Ｘ、ＳＯ_Ｘ、ダイオキシンその他のガスは、紫外線ランプと、酸化チタンの触媒により殆んど分解されて無害化され、清浄空気として吹き出される。

【００２８】前記フィルター類については、シロッコファン５による吸引透過であり、光触媒４はシロッコファン５による排出（加圧）であるが、光触媒４は流動抵抗が小さいので、空気は円滑に流動し、長時間運転も可能である。

【００２９】

【考案の効果】

この考案によれば、性質の異なる積層のフィルターと、光触媒フィルターとによって清浄化処理するので、ハウスダスト、花粉、ダイオキシンその他の固形物は勿論、各種臭気も吸着又は分解除去できる効果がある。

【００３０】従って特に汚れ易い室内の空気を速かに清浄化し、生活環境を良好にすることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の清浄機の実施例の一部を省略した展
開斜視図。

【図２】同じく一部を省略した縦断拡大側面図。

【図３】同じく一部を省略した縦断拡大正面図。

【図４】（ａ）同じく積層フィルターの一部を省略し
た横断拡大図。（ｂ）同じく一部を省略した縦断拡大図。

【図５】同じく光触媒の概念図。

【符号の説明】

１抗菌フィルター２集塵フィルター３消臭フィルター４光触媒フィルター５シロッコファン６枠体７保護カバー８積層フィルター９保形枠１０排気路１１紫外線ランプ１２触媒網１３背板１４吹出口１５接着剤２０においセンサー収容部２１ほこりセンサー収容部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号ＦＩＢ０１Ｊ 35/02 Ｂ０１Ｄ 53/36 ＪＨ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】器体の空気を吸入する開口部に、空気の
吸入側から抗菌フィルター、超微細集塵フィルター及び
消臭フィルターを積層して並列設置すると共に、前記フ
ィルターの裏面に、送気器機の吸入口を対向させ、前記
送気器機の吐出側に排気通路を連結し、該排気通路に光
触媒フィルターを設置したことを特徴とする空気清浄
機。
【請求項２】器体の空気を吸入する開口部に、抗菌剤
を付着した抗菌フィルター、超微細集塵フィルター及び
アルカリ性及び酸性ガスを吸着する消臭フィルターより
なる積層フィルターを設置すると共に、排気通路に光触
媒フィルターを設置し、前記積層フィルターと、前記光
触媒フィルターとの間に送気器機を介装しことを特徴と
する空気清浄機。
【請求項３】器体の空気を吸入する開口部に、空気の
吸入側から抗菌フィルター、超微細集塵フィルター及び
消臭フィルターを積層して並列設置すると共に、前記フ
ィルターの裏面に、送気器機の吸入口を対向させ、前記
送気器機の吐出側に排気通路を連結し、該排気通路に光
触媒フィルターを設置し、前記器体に、においセンサー
及びほこりセンサーを取付けたことを特徴とする空気清
浄機。
【請求項４】器体の空気を吸入する開口部に、抗菌剤
を付着した抗菌フィルター、超微細集塵フィルター及び
アルカリ性及び酸性ガスを吸着する消臭フィルターより
なる積層フィルターを設置すると共に、排気通路に紫外
線ランプの外周に、酸化チタンを付着した網を設置して
なる触媒フィルターを設置し、前記積層フィルターと、
前記触媒フィルターとの間に送気器機を介装しことを特
徴とする空気清浄機。