JP3060002B2 - フェイズドアレイアンテナの移相器の故障箇所の検出方法及びフェイズドアレイアンテナの給電系の位相誤差の検出方法 - Google Patents

フェイズドアレイアンテナの移相器の故障箇所の検出方法及びフェイズドアレイアンテナの給電系の位相誤差の検出方法

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JP3060002B2
JP3060002B2 JP7348663A JP34866395A JP3060002B2 JP 3060002 B2 JP3060002 B2 JP 3060002B2 JP 7348663 A JP7348663 A JP 7348663A JP 34866395 A JP34866395 A JP 34866395A JP 3060002 B2 JP3060002 B2 JP 3060002B2
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田嶋裕久
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運輸省船舶技術研究所長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,MLS等で使用
されるフェイズドアレイアンテナの移相器の故障箇所の
特定及びアンテナ素子への給電系における位相誤差の検
出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在,航空機の着陸援助に使用されてい
るILSとともに,MLSが着陸援助施設の国際標準と
なることがICAOで決定されている。このMLSにお
いては,高低誘導用ビ−ム走査アンテナとして62本の
アンテナ素子を有するフェイズドアレイアンテナが用い
られている。
【0003】送信機からの送信信号(マイクロ波)は,
導波管,同軸変換器を介して電力分配器で62分配さ
れ,それぞれアンテナ素子から空間に放射される。ビ−
ム走査方向を決定する移相器の制御は,ビ−ム制御部で
行われた62個のアンテナ素子に対応する62個の移相
器から位相デ−タを発生させる。
【0004】ビ−ム走査アンテナは筐体内の温度変動が
比較的大きく,そのために位相がかなり変動し,その結
果,ビ−ム巾,サイドロ−ブレベル等が変動し,又角度
精度が悪化する。そのため,各アンテナ素子からの放射
電力レベルを監視するとともに,系の位相を最適状態に
保持し,ビ−ム走査アンテナの性能を補償する必要があ
る。
【0005】特に,フェイズドアレイアンテナのアンテ
ナ素子は,62個と多数であるため,1個や2個程度の
アンテナ素子の給電系の位相誤差やあるいは移相器の故
障の場合には,全体のビ−ム走査に及ぼす影響は少ない
が,それ以上となるとこれらの位相誤差や移相器の故障
が,直接ビ−ム走査に影響し,ひいては航空機の誘導経
路に影響するものである。
【0006】そこで,MLSの場合には,フェイズドア
レイアンテナの送信ビ−ムの領域内に設置されているモ
ニタアンテナで検出されたモニタ信号,あるいは導波管
を使用したインテグラルモニタマニホ−ルドで取り出さ
れたモニタ信号を送信機側に帰還して,移相器の制御デ
−タを修正してビ−ム走査のための位相制御デ−タを得
ている。
【0007】モニタ方法としては,オフラインモニタが
行われている。これは,図1に示すように,ビ−ム内に
設置されたモニタアンテナから,あるいは,図9に示す
インテグラルマニホ−ルドの他方(オンラインモニタ出
力の反対側)よりモニタ出力を得る方法がある。
【0008】このオフラインモニタにより移相器の故障
等を検出するには,以下のような方法が用いられてい
る。まず,ビ−ム走査アンテナのビ−ムを任意の方向に
向けて固定する。次に検査したい移相器(j番目とす
る)の移相量を0から337.5度(移相器の状態が0
番目から15番目,16通り)まで順次変えていく。ビ
−ムを固定した時のモニタ出力をE0とすると,j番目
の移相器の移相量を変えていくと,モニタ出力ESは以
下のようになる。
【0009】 ES=E0−E(i0、j)+E(i、j) =E(j)+E(i、j)・・・・・・・・・・(1) ここで、E(i、j)は、j番目の移相器がi番目の状
態の時にモニタ出力に対して寄与する分である。i0は
ビームを固定した時、j番目の移相器がi0番目の状態
にあることを示している。E0は移相器の状態に関係し
ない定数、E(i0、j)は移相状態によって変化する
値である。上記式(1)のベクトル図は図10に示され
ている。
【0010】実部を時間の関数で表すと, ES(t)=|E(j)|cos{ωt+φ(j)} +|E(i,j)|cos{ωt+φ(i,j)}・・・(2) 一方,アンテナ入力端から取り出されたレファレンス信
号は,次式となる。 Er(t)=|Er|cos(ωt+φr)・・・・・・・(3)
【0011】そこで,図11に示すように,上記式
(2),(3)をそれぞれ2分割して,2つのミキサの
信号ボ−ド及びロ−カルボ−ドに入力するとともに,一
方のロ−カルボ−ドへの入力信号の位相は,他方よりπ
/2進ませる。
【0012】この時の2つのミキサの位相検波出力(I
チャンネル,Qチャンネル)は,次式となる。 I∞|E(j)||Er|[cos{2ωt+φ(j)+φr} +cos{φ(j)−φr}] +|E(i,j)|・|Er|[cos{2ωt+φ(i,j)+φr} +cos{φ(i,j)−φr}]・・・・・・・・(4) Q∞|E(j)||Er|[cos{2ωt+φ(j)+φr+π/2} +cos{φ(j)−φr−π/2}] +|E(i,j)||Er|[cos{2ωt+φ(i,j) +φr+π/2}+cos{φ(i,j)−φr−π/2}]・・(5)
【0013】上記式(4),(5)において,[]内の
第1項は2倍高調波成分,第2項は直流成分である。そ
して,第2[]内の第2項φ(i,j)のiに従ってI
状態づつ変化する交流成分である。
【0014】従って,上記のモニタ出力(位相検波出
力)から2倍波及び直流成分を除くと,Iチャンネル及
びQチャンネルの信号は次式のようになる。 I∞|E(i,j)||Er|cos{φ(i,j)−φr}・・・(6) Q∞|E(j)||Er|sin{φ(i,j)−φr}・・・・・(7)
【0015】上記式(6),(7)からI,Qの2乗和
とQ/Iの逆正接をとれば,各状態の振幅と位相が求め
られる。 I2 +Q2 ∞|E(i,j)|2 |Er|2 ・・・・・・(8) tan-1(Q/I)=φ(i,j)−φr・・・・・・・(9)
【0016】j番目の素子において,このiを0から1
5迄変化させたデ−タを取り,この平均を取れば,j番
目の素子のもの振幅と給電位相が得られる。そこで,こ
の値と製造時の振幅と給電位相のデ−タとの差を取り,
給電系と移相器の損失と固有な移相量の変動を診断する
ことが出来る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このようにして移相器
及び給電系の損失と固有の位相量の変動から,移相器の
故障を判定しているため,互いに90°位相の異なるI
チャンネル及びQチャンネル両方のデ−タが必要であ
る。さらに,移相器に故障箇所が生じた場合,直流分の
変化のため,この故障が生じた場合の原因を特定するこ
とは困難であるという問題がある。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる発明
は、複数のアンテナ素子と、このアンテナ素子に対応す
る複数の移相器に供給する位相データを発生させ、ビー
ム走査方向を制御するビーム制御部とからなるフェイズ
ドアレイアンテナと、このフェイズドアレイアンテナか
らの送信信号を検出するモニタアンテナとよりなるフェ
イズドアレイアンテナの移相器の故障の検出方法におい
て、フェイズドアレイアンテナから放射される送信信号
のメインビームの中心がモニタアンテナの開口面に対し
て直角となるように、等位相面をこのモニタアンテナ方
向へ向けて固定することにより各移相器の位相を制御
し、この各移相器の位相を各移相器毎に順番に少なくと
も1回転させた信号を、モニタアンテナで検出し、これ
を位相検波し、このモニタアンテナで検出した各移相器
にそれぞれ対応するモニタ出力を、それぞれフーリエ変
換して各移相器に対応するフーリエ変換出力の高調波成
分のスペクトル信号を各移相器毎に求め、これらの各移
相器がすべて正常である時のフーリエ変換出力の高調波
成分のスペクトル信号を各移相器毎に求めてこれを基準
データとし、この基準データと各移相器の高調波成分の
スペクトル信号とを、それぞれ各移相器毎に順番に比較
して故障した移相器を判定するようにしたことを特徴と
するフェイズドアレイアンテナの移相器の故障箇所の検
出方法である。
【0019】請求項2に係わる発明は、複数のアンテナ
素子と、このアンテナ素子に対応する複数の移相器に供
給する位相データを発生させ、ビーム走査方向を制御す
るビーム制御部とからなるフェイズドアレイアンテナ
と、このフェイズドアレイアンテナからの送信信号を検
出するモニタアンテナとよりなるフェイズドアレイアン
テナの移相器の故障の検出方法において、フェイズドア
レイアンテナから放射される送信信号のメインビームの
中心がモニタアンテナの開口面に対して直角となるよう
に、等位相面をモニタアンテナ方向へ向けて固定するこ
とにより、各移相器の位相を制御し、この各移相器の位
相を90°変移して互いに90°位相の異なる2つの信
号を各移相器毎に作成し、各移相器の位相を各移相器毎
に順番に少なくとも1回転させた信号を、モニタアンテ
ナで検出し、これを振幅検波し、この振幅検波した各移
相器にそれぞれ対応する2つの互いに90°位相の異な
るモニタ出力を、それぞれフーリエ変換して各移相器に
対応するフーリエ変換出力の高調波成分のスペクトル信
号を各移相器毎に求め、この各移相器がすべて正常であ
る時のフーリエ変換出力の高調波成分のスペクトル信号
を各移相器毎に求めてこれを基準データとし、この基準
データと各移相器の高調波成分のスペクトル信号とをそ
れぞれ移相器毎に順番に比較して故障した移相器を判定
するようにしたことを特徴とするフェイズドアレイアン
テナの移相器の故障箇所の検出方法である。
【0020】請求項3に係わる発明は、移相器の各ビッ
トの故障毎の故障スペクトルパターンを計算により作成
し、いずれかの移相器が故障している時、実際の測定結
果から求めたフーリエ変換出力の高調波成分のスペクト
ル信号を求め、この高調波成分のスペクトル信号と対応
する移相器の各ビット毎の故障スペクトルパターンとを
パターンマッチング法により比較することにより、故障
した移相器内のビットを判定するようにしたことを特徴
とする請求項1〜請求項2にそれぞれ記載のフェイズド
アレイアンテナの移相器の故障箇所の検出方法である。
さらに、請求項4に係わる発明は、各移相器の位相回転
をそれぞれ複数回行い、この複数回の位相回転で得られ
た信号を前記モニタアンテナで検出し、このモニタアン
テナで検出した複数回分のモニタ信号の平均値をそれぞ
れ各移相器毎に求め、この平均値のモニタ信号をフーリ
エ変換したことを特徴とする請求項1〜請求項2にそれ
ぞれ記載のフェイズドアレイアンテナの移相器の故障箇
所の検出方法である。
【0021】請求項5に係わる発明は、複数のアンテナ
素子と、このアンテナ素子に対応する複数の移相器に供
給する位相データを発生させ、ビーム走査方向を制御す
るビーム制御部とからなるフェイズドアレイアンテナ
と、このフェイズドアレイアンテナからの送信信号を検
出するモニタアンテナとよりなるフェイズドアレイアン
テナの給電系の位相誤差の検出方法において、フェイズ
ドアレイアンテナから放射される信号のメインビームの
中心がモニタアンテナの開口面に対して直角となるよう
に、等位相面をモニタアンテナ方向へ向けて固定するこ
とにより、前記各移相器の位相を制御し、この各移相器
の位相を各移相器毎に順次少なくとも1回転させた信号
をモニタアンテナで検出し、これを位相検波し、この位
相検波した各移相器にそれぞれ対応するモニタ出力を、
それぞれフーリエ変換して各移相器に対応するフーリエ
変換出力の基本波成分の位相を求め、アンテナ素子がす
べて正常である時の基本波成分の位相を各アンテナ素子
毎に経路差から計算で求めてこれを基準データとし、こ
の基準データと各移相器の基本波成分の位相との2つの
基本波成分の位相をそれぞれアンテナ素子毎に順番に比
較して、アンテナ素子への給電系の位相誤差を求めるよ
うにしたことを特徴とするフェイズドアレイアンテナの
給電系の位相誤差の検出方法である。
【0022】請求項6に係わる発明は、複数のアンテナ
素子と、このアンテナ素子に対応する複数の移相器に供
給する位相データを発生させ、ビーム走査方向を制御す
るビーム制御部とからなるフェイズドアレイアンテナ
と、このフェイズドアレイアンテナからの送信信号を検
出するモニタアンテナとよりなるフェイズドアレイアン
テナの給電系の位相誤差の検出方法において、フェイズ
ドアレイアンテナから放射される送信信号のメインビー
ムの中心がモニタアンテナの開口面に対して直角となる
ように、等位相面をモニタアンテナ方向へ向けて固定す
ることにより、各移相器の位相を制御し、各アンテナ素
子の位相を90°変移して互いに90°位相の異なる2
つの信号を各アンテナ素子毎に作成し、各移相器の位相
を各移相器毎に順に少なくとも1回転させた信号をモニ
タアンテナで検出し、これを振幅検波し、この振幅検波
した各移相器にそれぞれ対応する2つの互いに90°位
相の異なるモニタ信号から互いに90°基準位相の異な
るIチャンネルとQチャンネルの2つのモニタ信号を位
相検波回路なしに求め、この2つのモニタ信号をそれぞ
れフーリエ変換して各移相器に対応するフーリエ変換出
力の基本波成分の位相を求め、アンテナ素子がすべて正
常である時の基本波成分の位相を各アンテナ素子毎に経
路差から計算で求めてこれを基準データとし、この基準
データと各移相器の基本波成分の位相との2つの基本波
成分の位相をそれぞれ移相器毎に順番に比較してアンテ
ナ素子への給電系の位相誤差を求めるようにしたことを
特徴とするフェイズドアレイアンテナの給電系の位相誤
差の検出方法である。さらに、請求項7に係わる発明
は、各移相器の位相回転をそれぞれ複数回行い、この複
数回の位相回転で得られた信号を前記モニタアンテナで
検出し、このモニタアンテナで検出した複数回分のモニ
タ信号の平均値をそれぞれ各移相器毎に求め、このモニ
タ信号の平均値をフーリエ変換したことを特徴とする請
求項5〜請求項6にそれぞれ記載のフェイズドアレイア
ンテナの給電系の位相誤差の検出方法である。
【0023】
【発明の実施の形態1】この発明の第1の実施例を,図
1〜図8に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明の
第1の実施例を示すもので,フェイズドアレイアンテナ
1の移相器P1,P2・・・の故障を検出するための要
部構成図,図2は1個の移相器P1の位相を複数回回転
させた時のモニタアンテナ3のモニタ出力を示す図,図
3〜図5はすべての移相器P1,P2・・・が正常な場
合を示すもので,図3は移相器P1,P2・・・の位相
を1回転させた時のモニタ出力の高調波成分を示す波形
で,Iチャンネル及びQチャンネルの信号が共に存在し
ている場合,図4は図3に示す高調波成分をフ−リエ変
換した時のスペクトル信号を示す図,図5はIチャンネ
ルのみの場合のスペクトル信号を示す図である。
【0024】図6〜図8はいずれかの移相器P1,P2
・・・が故障している場合を示すもので,図6は移相器
P1,P2・・・の位相を1回転させた時のモニタ出力
の高調波成分を示す波形で,Iチャンネル及びQチャン
ネルの信号が共に存在している場合,図7は図6に示す
高調波成分をフ−リエ変換した時のスペクトル信号を示
す図,図8はIチャンネルのみの場合のスペクトル信号
を示す図である。
【0025】図1〜図2において,フェイズドアレイア
ンテナ1は,62個のアンテナ素子A1,A2・・・A
Nと,このアンテナ素子A1,A2・・・ANにそれぞ
れ対応する62個の移相器P1,P2・・・・PNとこ
の移相器P1,P2・・・PNで位相デ−タを発生さ
せ,ビ−ム走査方向を制御するビ−ム制御部9とにより
構成されている。
【0026】モニタアンテナ3は,フェイズドアレイア
ンテナ1からの送信信号をモニタするもので,モニタ検
出器4でその位相が検出される。モニタ検出器4で検出
され位相検波されたモニタ出力は,A/Dコンバ−タ
5,入・出力装置(以下,I/O装置と記す)6を介し
てCPU7に入力され,処理される。
【0027】10はフ−リエ変換演算部で,A/Dコン
バ−タ5,I/O装置6を介してCPU7に入力された
モニタ出力の一部がフ−リエ変換される。11はCPU
7の基準デ−タメモリで,すべての移相器P1,P2・
・・PNが正常な状態の時各移相器P1,P2・・・を
順番に1個づつ位相回転した時のモニタ出力が,フ−リ
エ変換されて基準デ−タとして格納されている。
【0028】12は比較,判定部で,基準デ−タメモリ
11から読み出された基準デ−タと測定されたモニタ出
力のスペクトル信号とが比較され,故障か否かの判定が
なされる。13は移相器の故障箇所を表示する表示部で
ある。なお,14は電力分配器で,送信機15からの送
信電力をビ−ム制御部8の制御のもとに,各移相器P
1,P2・・・PNへ分配している。
【0029】次に,フェイズドアレイアンテナ1の移相
器P1,P2・・・PNの故障箇所の検出方法について
説明する。まず,各移相器P1,P2・・・PNの故障
箇所を特定するにあたって,各移相器P1,P2・・・
PNがすべて正常な場合についての基準デ−タが作成さ
れなければならない。
【0030】基準デ−タは,各移相器P1,P2・・・
PNの故障箇所を特定する方法と同様な手順で実際に測
定した結果にアラ−ム余裕を加えて基準デ−タとされ
る。あるいは,この基準デ−タは計算から求めてもよ
く,この場合には,移相器製造誤差から計算した値にア
ラ−ム余裕を加えて求められる。基本波成分の位相は,
各アンテナ素子A1,A2・・・毎に経路差から計算に
より求められる。このようにして求められた基準デ−タ
は,CPU7の基準デ−タメモリ11に格納されてい
る。さらに,各ビットの故障毎の故障スペクトルパタ−
ンの計算値も同様に基準デ−タメモリ11に格納されて
いる。
【0031】次に,各移相器P1,P2・・・PNの故
障箇所の検出方法について説明する。ここで,モニタア
ンテナ3で信号を検出する検波方法としては,送信機1
5からの信号を分岐した基準信号との相対位相を検出す
る位相検波と,すべてのアンテナ素子からの信号が合成
されたメインビ−ム中央における振幅検波とが可能であ
る。振幅検波は検査するアンテナ素子を除いた他のすべ
てのアンテナ素子からの合成信号が検査するアンテナ素
子からの信号より充分大きい場合,これを信号の基準信
号とした簡易な位相検波と見做すことが出来る。一般
に,メインビ−ム中央ではこの条件が成立する。
【0032】このような条件のもとに,まず,各アンテ
ナ素子A1,A2・・・ANから放射される各信号が,
モニタアンテナ3のアンテナ開口面に対して等位相面と
なるように,ビ−ム制御部9により各移相器P1,P2
・・・PNの位相を制御する。実際には,ビ−ムの中心
がモニタアンテナ3の開口面に対して直角となるように
等位相面をモニタアンテナ3方向へ向けて固定する。
【0033】次いで,最初の移相器P1を検査するため
に,移相器P1の位相だけを回転し,他の残りの移相器
P2,P3・・・PNは最も電波の強い状態に設定さ
れ,その位相は固定されている。なお,各アンテナ素子
A1,A2・・・ANに給電する信号の位相は,0〜3
60°まで設定できるように構成されている。この実施
例の場合には,すべての移相器P1,P2・・・は4ビ
ットのディジタル移相器が用いられている。従って,2
2.5°の間隔で16通りに位相を変えることが出来
る。
【0034】なお,基準位相としては,Iチャンネル
と,このIチャンネルより90°位相差があるQチャン
ネルとの2種類がある。この2種類のI,Qチャンネル
を使用した場合には,Iチャンネル及びQチャンネルに
ついてそれぞれモニタ検出器4で位相検波される。移相
器P1,P2・・・の故障箇所を検出するためには,い
ずれか一方のチャンネルのみについて位相検波すれば充
分である。しかしながら,I,Qチャンネルの2チャン
ネルについて位相検波する方が1チャンネルよりもその
情報量は2倍となるから,測定精度は良くなるが,それ
だけ複雑になる。
【0035】又,振幅検波の場合,ビ−ムをモニタアン
テナ3方向に向けて固定し,全アンテナ素子A1,A2
・・・の位相を90°変移してもビ−ム方向は変わらず
基準位相のみ90°変移することになる。従って,互い
に90°位相の異なるIチャンネルとQチャンネルとの
2つのモニタ出力が複雑な位相検波回路なしに得られる
から,I,Qチャンネルの2つのチャンネルに対して位
相検波したと同様になり,2倍の情報量を容易に得るこ
とが出来る。
【0036】そこで,上記のように,検査する移相器P
1の位相だけを回転させ,モニタアンテナ3で受信する
と,そのモニタ検出器4で位相検波されたモニタ出力
は,図2に示すように,直流成分に交流成分である正弦
波が乗った波形となる。
【0037】この図2に示すモニタ出力は,A/Dコン
バ−タ5,I/O装置6を介してCPU7に入力し,フ
−リエ変換演算部10においてフ−リエ変換される。フ
−リエ変換により,図2に示す直流成分と交流の基本波
成分と高調波成分とが分離される。
【0038】この際,移相器P1が正常な場合には,I
チャンネル及びQチャンネルの各信号から,図3に示す
ように,モニタ出力の波形は理想的な正弦波形が得られ
る。従って,移相器の製造誤差がなければ,その高調波
成分は0であるが,実際には製造誤差による高調波成分
がある。
【0039】次に,正弦波をフ−リエ変換すると,図4
に示すように,スペクトル信号が得られる。このスペク
トル信号は,基本波成分T1の他に,非常に小さい高調
波のスペクトル信号T2が表れる。
【0040】一方,移相器P1が故障している場合に
は,図6に示すように,モニタ出力の波形は,正弦波形
が歪んだ波形となるから,この波形をフ−リエ変換する
と,正常な場合より基本波成分の整数倍の高調波成分を
含んでいるから,これをフ−リエ変換すると,図7に示
すように,基本波成分のスペクトル信号T3の他に正常
時より大きな高調波成分のスペクトル信号T4が表れ
る。
【0041】なお,図5は,移相器P1が正常でIチャ
ンネルのみの場合を示すもので,基本波成分及び高調波
成分のスペクトル信号T1,T2のそれぞれイメ−ジ信
号T1E及びT2Eが対称的な位置に表れる。同様に,
図8は,移相器P1が異常でIチャンネルのみの場合を
示すもので,基本波成分のスペクトル信号T3及び高調
波成分のスペクトル信号T4とそれらのそれぞれイメ−
ジ信号T3E,T4Eが対称的な位置に表れる。
【0042】このようにして得られた故障時のスペクト
ル信号T3,T4・・・は,基準デ−タメモリ11から
読み出された正常状態の基準デ−タのスペクトル信号T
1,T2・・・と比較,判定部12で比較され,移相器
P1が故障しているか否かが判定される。この実施例の
場合には,図7,図8に示すように,高調波成分のスペ
クトル信号T4及びそのイメ−ジ信号T4Eが検出さ
れ,これが基準デ−タのスペクトル信号T1,T2と比
較され,その結果,移相器P1は異常と判定され,表示
部13にその旨表示される。
【0043】同様にして,他の残りの移相器P2,P3
・・・についても順番に同様な手順で高調波成分のスペ
クトル信号を求める。このようにして順番に求めたスペ
クトル信号と,各移相器P2,P3・・・が正常に動作
している時の基準デ−タとをそれぞれ移相器P1,P2
・・・毎に対応させて,順番に比較して移相器の故障箇
所を判定する。
【0044】なお,雑音の影響を軽減するために,移相
器P1,P2・・・の位相回転を多数回回転させて多数
回分のモニタ出力を求め,これらのモニタ出力の各周期
の波形の平均値を求め,この平均値のフ−リエ変換処理
を行えば,より精度が良くなる。
【0045】ここで,通常は,移相器が故障している場
合,この故障している移相器のどのビットが故障してい
るかの判断はなかなか困難である。特に一番小さいビッ
トが故障した場合には,全体に与える影響は小さいため
発見が困難である。しかしながら,移相器内の各ビット
の故障によって各高調波成分の発生に特徴がある。
【0046】そこで,各移相器P1,P2・・・におい
て,どのビットが故障しているかを判定する場合,フ−
リエ変換により得られた高調波成分のスペクトル信号と
基準デ−タメモリ11から読み出された故障スペクトル
パタ−ンとのパタ−ンマッチングによって各ビット毎に
上記と同様にして比較すれば,故障ビットを判定するこ
とが出来る。
【0047】又,ビ−ム領域内に設置したモニタアンテ
ナ3からではなく,図1に点線で示すように,アンテナ
素子A1,A2・・・に並行して取り付けられているイ
ンテグラルモニタマニホ−ルド16からフェイズドアレ
イアンテナ1の放射信号の一部を取り出しても同様にモ
ニタ出来る。このインテグラルモニタマニホ−ルド16
には導波管が用いられており,このモニタ出力は導波管
の上側から取り出される。
【0048】この場合にも上記と同様にして移相器の位
相を順番に回転し,モニタ検出器4で得られたモニタ出
力は,インテグラルモニタマニホ−ルド16の導波管の
上側から取り出され,CPU7のフ−リエ変換演算部1
0においてフ−リエ変換され,高調波成分のスペクトル
信号と基準デ−タメモリ11から読み出された基準デ−
タと比較され,移相器の故障が判定される。
【0049】
【発明の実施の形態2】この発明の第2の実施例を,図
9に基づいて詳細に説明する。図9はこの発明の第2の
実施例を示すもので,フェイズドアレイアンテナの給電
系の位相の経路差が正常な場合と変動した場合のアンテ
ナ素子−位相デ−タ曲線を示すものである。
【0050】フェイズドアレイアンテナのコネクタ部分
の錆,温度の急激な変動,アンテナの上下の温度差等に
よりアンテナ素子A1,A2・・・への給電系の一部の
位相の経路差が変動する。この場合には,位相誤差が発
生し,ビ−ム指向方向が変化し,MLSでは航空機の誘
導誤差となる。このような位相誤差は,上記実施の形態
1で述べたと同様に,モニタ出力をフ−リエ変換した場
合には,基本波成分の位相変化として表れる。
【0051】そこで,IチャンネルあるいはQチャンネ
ルのいずれかのチャンネルについて,上記実施の態様1
と同様に,アンテナ素子A1,A2・・・について1個
ずつ順番に位相回転させ,モニタアンテナで測定する。
ビ−ムが正常な場合には,位相誤差がなく,各アンテナ
素子A1,A2・・・の位相は等位相面を形成する。但
し,モニタアンテナ3が充分遠くに設定されていない場
合には,近接効果による各アンテナ素子A1,A2・・
・の位相差を補正する必要がある。
【0052】図9は横軸をアンテナ素子番号,縦軸は位
相値を表している。この実施例の場合には,アンテナ素
子A1,A2・・・は62本であるため,その中心に位
置するアンテナ素子番号はT31,とT32である。各
アンテナ素子A1,A2・・・・・を順番に1個ずつ位
相回転させた時のIチャンネルのみの測定デ−タであ
る。
【0053】曲線X1は故障のない正常状態の場合の理
想的な基準位相デ−タ曲線で,基本波成分の位相を各ア
ンテナ素子毎に経路差から計算で求められ計算値で,各
アンテナ素子A1,A2・・・とモニタアンテナ3との
経路差がそれぞれ異なるために,放物線状の曲線とな
る。この基準位相デ−タ曲線X1は,フェイズドアレイ
アンテナ1とモニタアンテナ3の位置関係から計算出来
る。
【0054】曲線X2は各アンテナ素子A1,A2・・
・を順番に1個ずつ位相回転した時の実測位相デ−タ曲
線,曲線X3は基準位相デ−タと実測位相デ−タとの差
を示す位相誤差デ−タ曲線を示している。
【0055】アンテナ給電系の経路差の異常に伴う位相
誤差は,位相誤差デ−タ曲線X3から求められる。位相
誤差が大きな場合には,この位相誤差値に対応する番号
のアンテナ素子が故障あるいは調整不良と判定される。
【0056】
【発明の効果】請求項1に係わる発明は、複数のアンテ
ナ素子と、このアンテナ素子に対応する複数の移相器に
供給する位相データを発生させ、ビーム走査方向を制御
するビーム制御部とからなるフェイズドアレイアンテナ
と、このフェイズドアレイアンテナからの送信信号を検
出するモニタアンテナとよりなるフェイズドアレイアン
テナの移相器の故障の検出方法において、フェイズドア
レイアンテナから放射される送信信号のメインビームの
中心がモニタアンテナの開口面に対して直角となるよう
に、等位相面をこのモニタアンテナ方向へ向けて固定す
ることにより各移相器の位相を制御し、この各移相器の
位相を各移相器毎に順番に少なくとも1回転させた信号
を、モニタアンテナで検出し、これを位相検波し、この
モニタアンテナで検出した各移相器にそれぞれ対応する
モニタ出力を、それぞれフーリエ変換して各移相器に対
応するフーリエ変換出力の高調波成分のスペクトル信号
を各移相器毎に求め、これらの各移相器がすべて正常で
ある時のフーリエ変換出力の高調波成分のスペクトル信
号を各移相器毎に求めてこれを基準データとし、この基
準データと各移相器の高調波成分のスペクトル信号と
を、それぞれ各移相器毎に順番に比較して故障した移相
器を判定するようにしたので、フェイズドアレイアンテ
ナの移相器の故障箇所を検出することが出来る。
【0057】請求項2に係わる発明は、複数のアンテナ
素子と、このアンテナ素子に対応する複数の移相器に供
給する位相データを発生させ、ビーム走査方向を制御す
るビーム制御部とからなるフェイズドアレイアンテナ
と、このフェイズドアレイアンテナからの送信信号を検
出するモニタアンテナとよりなるフェイズドアレイアン
テナの移相器の故障の検出方法において、フェイズドア
レイアンテナから放射される送信信号のメインビームの
中心がモニタアンテナの開口面に対して直角となるよう
に、等位相面をモニタアンテナ方向へ向けて固定するこ
とにより、各移相器の位相を制御し、この各移相器の位
相を90°変移して互いに90°位相の異なる2つの信
号を各移相器毎に作成し、各移相器の位相を各移相器毎
に順番に少なくとも1回転させた信号を、モニタアンテ
ナで検出し、これを振幅検波し、この振幅検波した各移
相器にそれぞれ対応する2つの互いに90°位相の異な
るモニタ出力を、それぞれフーリエ変換して各移相器に
対応するフーリエ変換出力の高調波成分のスペクトル信
号を各移相器毎に求め、この各移相器がすべて正常であ
る時のフーリエ変換出力の高調波成分のスペクトル信号
を各移相器毎に求めてこれを基準データとし、この基準
データと各移相器の高調波成分のスペクトル信号とをそ
れぞれ移相器毎に順番に比較して故障した移相器を判定
するようにしたので、互いに90°位相の異なるIチャ
ンネルとQチャンネルとの2つのモニタ出力が複雑な位
相検波回路なしに得られるから、I、Qチャンネルの2
つのチャンネルに対して位相検波したと同様になり、2
倍の情報量を容易に得ることが出来る。
【0058】請求項3に係わる発明は、さらに、移相器
の各ビットの故障毎の故障スペクトルパターンを計算に
より作成し、いずれかの移相器が故障している時、実際
の測定結果から求めたフーリエ変換出力の高調波成分の
スペクトル信号を求め、この高調波成分のスペクトル信
号と対応する移相器の各ビット毎の故障スペクトルパタ
ーンとをパターンマッチング法により比較することによ
り、故障した移相器内のビットを判定するようにしたの
で、故障した移相器内のビットを判定することが出来
る。さらに、請求項4に係わる発明は、各移相器の位相
回転をそれぞれ複数回行い、この複数回の位相回転で得
られた信号をモニタアンテナで検出し、このモニタアン
テナで検出した複数回分のモニタ信号の平均値をそれぞ
れ各移相器毎に求め、この平均値のモニタ信号をフーリ
エ変換したので、より測定精度をあげることが出来る。
【0059】請求項5に係わる発明は、複数のアンテナ
素子と、このアンテナ素子に対応する複数の移相器に供
給する位相データを発生させ、ビーム走査方向を制御す
るビーム制御部とからなるフェイズドアレイアンテナ
と、このフェイズドアレイアンテナからの送信信号を検
出するモニタアンテナとよりなるフェイズドアレイアン
テナの給電系の位相誤差の検出方法において、フェイズ
ドアレイアンテナから放射される信号のメインビームの
中心がモニタアンテナの開口面に対して直角となるよう
に、等位相面をモニタアンテナ方向へ向けて固定するこ
とにより、前記各移相器の位相を制御し、この各移相器
の位相を各移相器毎に順次少なくとも1回転させた信号
をモニタアンテナで検出し、これを位相検波し、この位
相検波した各移相器にそれぞれ対応するモニタ出力を、
それぞれフーリエ変換して各移相器に対応するフーリエ
変換出力の基本波成分の位相を求め、アンテナ素子がす
べて正常である時の基本波成分の位相を各アンテナ素子
毎に経路差から計算で求めてこれを基準データとし、こ
の基準データと各移相器の基本波成分の位相との2つの
基本波成分の位相をそれぞれアンテナ素子毎に順番に比
較して、アンテナ素子への給電系の位相誤差を求めるよ
うにしたので、アンテナ給電系への経路差の異常箇所を
判定することが出来る。
【0060】請求項6に係わる発明は、複数のアンテナ
素子と、このアンテナ素子に対応する複数の移相器に供
給する位相データを発生させ、ビーム走査方向を制御す
るビーム制御部とからなるフェイズドアレイアンテナ
と、このフェイズドアレイアンテナからの送信信号を検
出するモニタアンテナとよりなるフェイズドアレイアン
テナの給電系の位相誤差の検出方法において、フェイズ
ドアレイアンテナから放射される送信信号のメインビー
ムの中心がモニタアンテナの開口面に対して直角となる
ように、等位相面をモニタアンテナ方向へ向けて固定す
ることにより、各移相器の位相を制御し、各アンテナ素
子の位相を90°変移して互いに90°位相の異なる2
つの信号を各アンテナ素子毎に作成し、各移相器の位相
を各移相器毎に順に少なくとも1回転させた信号をモニ
タアンテナで検出し、これを振幅検波し、この振幅検波
した各移相器にそれぞれ対応する2つの互いに90°位
相の異なるモニタ信号から互いに90°基準位相の異な
るIチャンネルとQチャンネルの2つのモニタ信号を位
相検波回路なしに求め、この2つのモニタ信号をそれぞ
れフーリエ変換して各移相器に対応するフーリエ変換出
力の基本波成分の位相を求め、アンテナ素子がすべて正
常である時の基本波成分の位相を各アンテナ素子毎に経
路差から計算で求めてこれを基準データとし、この基準
データと各移相器の基本波成分の位相との2つの基本波
成分の位相をそれぞれ移相器毎に順番に比較してアンテ
ナ素子への給電系の位相誤差を求めるようにしたので、
互いに90°位相の異なるIチャンネルとQチャンネル
との2つのモニタ出力が複雑な位相検波回路なしに得ら
れるから、I、Qチャンネルの2つのチャンネルに対し
て位相検波したと同様になり、2倍の情報量を容易に得
ることが出来る。さらに、請求項7に係わる発明は、各
移相器の位相回転をそれぞれ複数回行い、この複数回の
位相回転で得られた信号を前記モニタアンテナで検出
し、このモニタアンテナで検出した複数回分のモニタ信
号の平均値をそれぞれ各移相器毎に求め、このモニタ信
号の平均値をフーリエ変換したので、さらに測定精度が
良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すもので,移相器の故障
箇所を検出するための要部構成図である。
【図2】この発明の実施例を示すもので,1個の移相器
の位相を回転させてこれを対応するアンテナ素子に給電
した時のモニタアンテナのモニタ出力を示す図である。
【図3】この発明の実施例を示すもので,移相器が正常
な場合の移相器の位相を回転させた時のモニタ出力の高
調波成分を示す波形で,Iチャンネル信号及びQチャン
ネル信号共に存在している場合の波形図である。
【図4】この発明の実施例を示すもので,図3に示すモ
ニタ出力をフ−リエ変換した時のスペクトル信号を示す
図である。
【図5】Iチャンネル信号のみの場合のスペクトル信号
を示す図である。
【図6】移相器が故障している場合を示すもので,移相
器の位相を回転させた時のモニタ出力の高調波成分を示
す波形で,I信号及びQ信号共に存在している場合を示
す図である。
【図7】この発明の実施例を示すもので,図6に示すモ
ニタ出力をフ−リエ変換した時のスペクトル信号を示す
図である。
【図8】Iチャンネル信号のみの場合のスペクトル信号
を示す図である。
【図9】この発明の他の実施例を示すもので,アンテナ
給電系の異常状態を判定するためのデ−タを示す曲線図
で,横軸はアンテナ素子番号,縦軸は位相値を示す測定
デ−タを示す曲線図である。
【図10】モニタ出力のベクトル図である。
【図11】従来例を示すもので,モニタ検出器の入出力
信号の説明図である。
【符号の説明】
1 フェイズドアレイアンテナ 3 モニタアンテナ 4 モニタ検出器 7 CPU 9 ビ−ム制御部 10 フ−リエ変換部 11 基準デ−タメモリ 12 比較判定部 A1,A2・・アンテナ素子 P1,P2・・移相器

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のアンテナ素子と、このアンテナ素
    子に対応する複数の移相器に供給する位相データを発生
    させ、ビーム走査方向を制御するビーム制御部とからな
    るフェイズドアレイアンテナと、 このフェイズドアレイアンテナからの送信信号を検出す
    るモニタアンテナとよりなるフェイズドアレイアンテナ
    の移相器の故障の検出方法において、 前記フェイズドアレイアンテナから放射される送信信号
    のメインビームの中心が前記モニタアンテナの開口面に
    対して直角となるように、等位相面をこのモニタアンテ
    ナ方向へ向けて固定することにより各移相器の位相を制
    御し、 この各移相器の位相を、各移相器毎に順番に少なくとも
    1回転させた信号を、前記モニタアンテナで検出し、こ
    れを位相検波し、 このモニタアンテナで検出した前記各移相器にそれぞれ
    対応するモニタ出力を、それぞれフーリエ変換して前記
    各移相器に対応するフーリエ変換出力の高調波成分のス
    ペクトル信号を前記各移相器毎に求め、 この各移相器がすべて正常である時のフーリエ変換出力
    の高調波成分のスペクトル信号を前記各移相器毎に求め
    てこれを基準データとし、 この基準データと前記各移相器の高調波成分のスペクト
    ル信号とを、それぞれ前記各移相器毎に順番に比較して
    故障した移相器を判定することを特徴とするフェイズド
    アレイアンテナの移相器の故障箇所の検出方法。
  2. 【請求項2】 複数のアンテナ素子と、このアンテナ素
    子に対応する複数の移相器に供給する位相データを発生
    させ、ビーム走査方向を制御するビーム制御部とからな
    るフェイズドアレイアンテナと、 このフェイズドアレイアンテナからの送信信号を検出す
    るモニタアンテナとよりなるフェイズドアレイアンテナ
    の移相器の故障の検出方法において、 前記フェイズドアレイアンテナから放射される送信信号
    のメインビームの中心が前記モニタアンテナの開口面に
    対して直角となるように、等位相面をモニタアンテナ方
    向へ向けて固定することにより、各移相器の位相を制御
    し、 この各移相器の位相を90°変移して互いに90°位相
    の異なる2つの信号を各移相器毎に作成し、 前記各移相器の位相を各移相器毎に順番に少なくとも1
    回転させた信号を、前記モニタアンテナで検出し、これ
    を振幅検波し、 この振幅検波した前記各移相器にそれぞれ対応する2つ
    の互いに90°位相の異なるモニタ出力を、それぞれフ
    ーリエ変換して前記各移相器に対応するフーリエ変換出
    力の高調波成分のスペクトル信号を前記各移相器毎に求
    め、 この各移相器がすべて正常である時のフーリエ変換出力
    の高調波成分のスペクトル信号を各移相器毎に求めてこ
    れを基準データとし、 この基準データと前記各移相器の高調波成分のスペクト
    ル信号とをそれぞれ移相器毎に順番に比較して故障した
    移相器を判定することを特徴とするフェイズドアレイア
    ンテナの移相器の故障箇所の検出方法。
  3. 【請求項3】 前記移相器の各ビットの故障毎の故障ス
    ペクトルパターンを計算により作成し、 いずれかの移相器が故障している時、実際の測定結果か
    ら求めたフーリエ変換出力の高調波成分のスペクトル信
    号を求め、 この高調波成分のスペクトル信号と対応する移相器の各
    ビット毎の故障スペクトルパターンとをパターンマッチ
    ング法により比較することにより、故障した移相器内の
    ビットを判定することを特徴とする請求項1〜請求項2
    にそれぞれ記載のフェイズドアレイアンテナの移相器の
    故障箇所の検出方法。
  4. 【請求項4】 前記各移相器の位相回転をそれぞれ複数
    回行い、この複数回の位相回転で得られた信号を前記モ
    ニタアンテナで検出し、 このモニタアンテナで検出した複数回分のモニタ信号の
    平均値をそれぞれ前記各移相器毎に求め、 この平均値のモニタ信号をフーリエ変換したことを特徴
    とする請求項1〜請求項2にそれぞれ記載のフェイズド
    アレイアンテナの移相器の故障箇所の検出方法。
  5. 【請求項5】 複数のアンテナ素子と、このアンテナ素
    子に対応する複数の移相器に供給する位相データを発生
    させ、ビーム走査方向を制御するビーム制御部とからな
    るフェイズドアレイアンテナと、 このフェイズドアレイアンテナからの送信信号を検出す
    るモニタアンテナとよりなるフェイズドアレイアンテナ
    の給電系の位相誤差の検出方法において、 前記フェイズドアレイアンテナから放射される信号のメ
    インビームの中心がモニタアンテナの開口面に対して直
    角となるように、等位相面を前記モニタアンテナ方向へ
    向けて固定することにより、前記各移相器の位相を制御
    し、 この各移相器の位相を各移相器毎に順次少なくとも1回
    転させた信号を前記モニタアンテナで検出し、これを位
    相検波し、 この位相検波した前記各移相器にそれぞれ対応するモニ
    タ出力を、それぞれフーリエ変換して前記各移相器に対
    応するフーリエ変換出力の基本波成分の位相を求め、 アンテナ素子がすべて正常である時の基本波成分の位相
    を各アンテナ素子毎に経路差から計算で求めてこれを基
    準データとし、 この基準データと前記各移相器の基本波成分の位相との
    2つの基本波成分の位相をそれぞれアンテナ素子毎に順
    番に比較して、アンテナ素子への給電系の位相誤差を求
    めることを特徴とするフェイズドアレイアンテナの給電
    系の位相誤差の検出方法。
  6. 【請求項6】 複数のアンテナ素子と、このアンテナ素
    子に対応する複数の移相器に供給する位相データを発生
    させ、ビーム走査方向を制御するビーム制御部とからな
    るフェイズドアレイアンテナと、 このフェイズドアレイアンテナからの送信信号を検出す
    るモニタアンテナとよりなるフェイズドアレイアンテナ
    の給電系の位相誤差の検出方法において、 前記フェイズドアレイアンテナから放射される送信信号
    のメインビームの中心が前記モニタアンテナの開口面に
    対して直角となるように、等位相面を前記モニタアンテ
    ナ方向へ向けて固定することにより、前記各移相器の位
    相を制御し、 前記各アンテナ素子の位相を90°変移して互いに90
    °位相の異なる2つの信号を各アンテナ素子毎に作成
    し、 前記各移相器の位相を各移相器毎に順に少なくとも1回
    転させた信号を前記モニタアンテナで検出し、これを振
    幅検波し、 この振幅検波した前記各移相器にそれぞれ対応する2つ
    の互いに90°位相の異なるモニタ信号から互いに90
    °基準位相の異なるIチャンネルとQチャンネルの2つ
    のモニタ信号を位相検波回路なしに求め、 この2つのモニタ信号をそれぞれフーリエ変換して前記
    各移相器に対応するフーリエ変換出力の基本波成分の位
    相を求め、 アンテナ素子がすべて正常である時の基本波成分の位相
    を各アンテナ素子毎に経路差から計算で求めてこれを基
    準データとし、 この基準データと前記各移相器の基本波成分の位相との
    2つの基本波成分の位相をそれぞれ前記移相器毎に順番
    に比較してアンテナ素子への給電系の位相誤差を求める
    ことを特徴とするフェイズドアレイアンテナの給電系の
    位相誤差の検出方法。
  7. 【請求項7】 前記各移相器の位相回転をそれぞれ複数
    回行い、この複数回の位相回転で得られた信号を前記モ
    ニタアンテナで検出し、 このモニタアンテナで検出した複数回分のモニタ信号の
    平均値をそれぞれ前記各移相器毎に求め、 このモニタ信号の平均値をフーリエ変換したことを特徴
    とする請求項5〜請求項6にそれぞれ記載のフェイズド
    アレイアンテナの給電系の位相誤差の検出方法。
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