JP3059229B2 - 燃焼診断装置 - Google Patents

燃焼診断装置

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JP3059229B2
JP3059229B2 JP3050252A JP5025291A JP3059229B2 JP 3059229 B2 JP3059229 B2 JP 3059229B2 JP 3050252 A JP3050252 A JP 3050252A JP 5025291 A JP5025291 A JP 5025291A JP 3059229 B2 JP3059229 B2 JP 3059229B2
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combustion
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哲義 石田
秀則 日高
紘二郎 山田
信夫 森本
裕之 北沢
実 久中
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  • Regulation And Control Of Combustion (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばボイラ装置など
の燃焼炉の燃焼状態を診断する燃焼診断装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ボイラ装置などの燃焼装置においては、
公害防止のため、窒素酸化物、煤塵ならびに一酸化炭素
などを発生させないことが望まれている。ところで、燃
焼状態の形成には、燃焼炉内で燃料と空気とが適度に混
合する火炎を形成し、これにより燃焼炉内において極端
な高温度領域ならびに低温度領域を形成させないことが
必要である。通常、このような燃焼状態を形成するに
は、燃焼炉から排出される排ガスの煙道中に例えば窒素
酸化物濃度計、煤塵濃度計、一酸化炭素濃度計、酸素濃
度計などの各種計測器を配置し、これら計測器からの検
出値に基づいてバーナへの燃料流量の調整、空気流量の
調整、排ガス再循環流量の調整などを行うことにより窒
素酸化物、煤塵ならびに一酸化炭素などの発生量を抑制
していた。
【0003】また、最近、燃焼炉内の火炎の発光スペク
トル強度を検出して燃焼状態を診断する装置が提案され
ている。そしてこの診断装置の診断結果に基づいて、バ
ーナへの燃料流量の調整、空気流量の調整、排ガス再循
環流量の調整などを行うようなシステムになつている。
この発光スペクトル強度を検出する診断装置は、火炎中
の燃焼生成物であるスート、C2 、H2 O、CO2 など
の発光スペクトル強度を測定し、この発光スペクトル強
度からスート、C2 、H2 O、CO2 などの濃度および
火炎温度を演算し、窒素酸化物、煤塵ならびに一酸化炭
素などの発生量を把握しようとするものである(特開昭
60−159515号公報、特開昭61−27571号
公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の発光ス
ペクトル検出診断装置では火炎に揺らぎが生じているこ
とに配慮がされていない。そのため、燃焼生成物である
スート、C2 、H2 O、CO2 などの濃度を正確に検出
することが困難であり、従って窒素酸化物、煤塵ならび
に一酸化炭素などの抑制が十分に行われないという欠点
がある。すなわち、火炎中の燃焼生成物であるスート、
2 、H2 O、CO2 などの濃度分布ならびに温度分布
が経時的に大きく変動していることと、この濃度分布な
らびに温度分布の変動のため、燃焼生成物は、周囲より
高温の場合は発光状態、低温の場合は吸光状態となり、
この発光状態と吸光状態の変化のため、さらに燃焼診断
を困難にしていた。従って従来の場合は、単に、燃焼生
成物であるスート、C2 、H2 O、CO2 などの発光、
吸光波長バンドにおける発光スペクトル強度を検出し、
このスペクトル強度からスート、C2 、H2 O、CO2
などの濃度を求め、それによつて窒素酸化物、煤塵なら
びに一酸化炭素などの発生量を推量する程度のもので、
信頼性は余り高くないという欠点を有している。
【0005】また従来の発光スペクトル検出診断装置で
は、複数個のバーナが設置され、かつ、窒素酸化物の発
生抑制のために燃焼排ガス再循環などを実施している大
型の燃焼炉における燃焼には配慮されていなかつた。す
なわち、燃料は燃焼の結果、前述のようにスート、H2
O、CO2 などを生成して、発光状態となる。しかし、
局所的にみると、燃焼前の燃料は吸光状態にあり、ま
た、スート、H2 O、CO2 などは周囲より低温の場合
には吸光状態になる。バーナから供給された燃料は、燃
焼炉内に供給されても、直ちに着火して燃焼できない。
この着火するまでの間、燃料は吸光状態にある。また、
燃焼排ガス再循環法は、H2 O、CO2 を含有する燃焼
排ガスを再びバーナ近傍より燃焼炉内に供給しており、
このH2 O、CO2 は温度が火炎温度より低いことから
吸光状態にある。また、隣接バーナと比較して、発熱量
が少ないバーナの火炎スペクトルは、火炎からの輻射熱
が少なく、H2 O、CO2 の吸光スペクトル強度は相対
的に大きくなる。したがつて、複数個のバーナが設置さ
れ、かつ、燃焼排ガス再循環を実施している大型の燃焼
炉の監視において、吸光状態を考慮しない燃焼診断は誤
診となる問題があつた。
【0006】さらにまた、従来の発光スペクトル検出診
断装置では、窒素酸化物の発生抑制のために二段燃焼法
を用いる大型燃焼炉においても十分に配慮されていなか
つた。二段燃焼法とは、バーナ部における空気孔および
燃焼炉の中央から出口側に設置された空気専用の供給孔
(排ガスが混合される場合もあるが、以下、二段燃焼用
空気孔と称す)の両方から燃焼炉内へ燃焼用空気を供給
する。そして、バーナ部においては空気流量を減らして
不完全燃焼状態を形成し、二段燃焼用空気孔においては
未燃焼となつた燃料を二段燃焼用空気孔から供給される
空気によつて再度燃焼させる燃焼方法である。この二段
燃焼法により、燃焼ゾーンの分散化による燃焼炉内温度
の均一化が図れる。その結果、火炎の最高温度は低下
し、窒素酸化物の生成が抑制できるとともに、極端に低
温となる領域をなくし、煤塵および一酸化炭素の発生も
抑制される。したがつて、バーナ部の火炎発光スペクト
強度のみを検出し、二段燃焼用空気孔の火炎発光スペ
クトル強度を検出しない従来の発光スペクトル検出診断
装置では、煤塵および一酸化炭素の発生について正確な
診断ができないという欠点を有している。
【0007】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、信頼性の高い燃焼診断装置を提供するにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、 (1)火炎に対して配置された例えば光プローブや光フ
アイバなどで構成される火炎検出手段と、その火炎検出
手段からの光検出信号を入力する分光分析手段と、その
分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演算手
段とを備え、前記分光分析手段によつて、火炎中に含ま
れているスート以外の各種燃焼生成物毎の発光・吸光波
長バンドを定め、その発光・吸光波長バンドをさらに狭
い波長ピッチに分けて、各波長ピッチで当該燃焼生成物
のスペクトル強度を測定することにより、スペクトル強
度変化(スペクトル強度の増加または減少)のパターン
を作成し、 前記演算手段により、前記作成したスペクト
ル強度変化パターンと、予め作成されている当該燃焼生
成物の基準濃度のスペクトルパターンとを比較して、当
該燃焼生成物の濃度を演算するように構成されている
とを特徴とするものである。
【0009】(2)前記目的を達成するため、さらに本
発明は、火炎に対して配置された例えば光プローブや光
フアイバなどで構成される火炎検出手段と、その火炎検
出手段からの光検出信号を入力する分光分析手段と、そ
の分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演算
手段とを備え、火炎の発光・吸光波長バンドを定め、そ
の発光・吸光波長バンドをさらに狭い波長ピッチに分け
て、前記分光分析手段により各波長ピッチで当該火炎の
スペクトル強度を測定することにより、火炎のスペクト
ル強度変化のパターンを作成し、 前記演算手段により、
この火炎スペクトル強度変化パターンから火炎中に含ま
れているスート以外の各種燃焼生成物のスペクトル強度
を除去して、スートのスペクトル強度変化パターンを作
成し、この変化パターンの傾斜値に基づいて当該火炎の
温度を演算するように構成されていることを特徴とする
ものである。
【0010】(3)前記目的を達成するため、さらに本
発明は、火炎に対して配置された例えば光プローブや光
フアイバなどで構成される火炎検出手段と、その火炎検
出手段からの光検出信号を入力する分光分析手段と、そ
の分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演算
手段とを備え、前記分光分析手段によつて検出される発
光スペクトルのうち、少なくとも、火炎中のスートの発
光スペクトル強度と、火炎中のH2 OならびにCO2
少なくともいずれか一方の吸光波長域にけるH2 OとC
2 が無いときに推定される発光スペクトル強度とスペ
クトル強度測定値とのスペクトル強度差とを検出するよ
うに構成されていることを特徴とするものである。
【0011】(4)前記目的を達成するため、さらに本
発明は、火炎に対して配置された例えば光プローブや光
フアイバなどで構成される火炎検出手段と、その火炎検
出手段からの光検出信号を入力する分光分析手段と、そ
の分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演算
手段とを備え、前記分光分析手段によつて検出される火
炎中のスートの発光スペクトル強度と、火炎中のH2
ならびにCO2 の少なくともいずれか一方の吸光スペク
トル強度から、ブラツクスカートの形成、燃料流量、空
気流量、燃焼排ガス流量、火炎温度分布、火炎中のH2
O、CO2 の濃度分布のうち少なくとも1つが演算でき
るように構成されていることを特徴とするものである。
【0012】(5)前記目的を達成するため、さらに本
発明は、火炎に対して配置された例えば光プローブや光
フアイバなどで構成される火炎検出手段と、その火炎検
出手段からの光検出信号を入力する分光分析手段と、そ
の分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演算
手段とを備え、前記分光分析手段によつて検出される火
炎中のスートの発光スペクトル強度と、火炎中のH2
ならびにCO2 の少なくともいずれか一方の吸光スペク
トル強度の時間変化から、燃料供給ノズルの閉塞状況が
検出できるように構成されていることを特徴とするもの
である。
【0013】(6)前記目的を達成するため、さらに本
発明は、火炎に対して配置された例えば光プローブや光
フアイバなどで構成される火炎検出手段と、その火炎検
出手段からの光検出信号を入力する分光分析手段と、そ
の分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演算
手段と発光スペクトル強度変化特性と燃焼状態との関係
を予め記憶しておく記憶手段とを備え、火炎の発光・吸
光波長バンドを定め、その発光・吸光波長バンドをさら
に狭い波長ピッチに分けて、前記分光分析手段により各
波長ピッチで当該火炎のスペクトル強度を測定すること
により、火炎のスペクトル強度変化のパターンを作成
し、前記記憶手段に記憶されている発光スペクトル強度
変化特性とを比較して、当該火炎の状態を診断するよう
にに構成されていることを特徴とするものである。
【0014】(7)前記目的を達成するため、さらに本
発明は、主バーナ火炎に対して配置された主バーナ火炎
検出手段と、二段燃焼用空気孔火炎に対して配置された
二段燃焼用空気孔火炎検出手段と、前記主バーナ火炎検
出手段ならびに二段燃焼用空気孔火炎検出手段からの光
検出信号を入力する分光分析手段と、その分光分析手段
からの信号を入力して演算処理する演算手段と主バーナ
火炎ならびに二段燃焼用空気孔火炎の発光スペクトル特
性と燃焼状態との関係を予め記憶しておく記憶手段とを
備え、前記分光分析手段によつて検出される主バーナ火
炎ならびに二段燃焼用空気孔火炎からの発光スペクトル
強度と、前記記憶手段に記憶されている主バーナ火炎な
らびに二段燃焼用空気孔火炎の発光スペクトル特性とを
比較して、当該火炎の状態を診断するようにに構成され
ていることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】火炎に揺らぎが生じても、瞬時、瞬時のスー
ト、C2 、H2 O、CO2 などの燃焼生成物の発光によ
るスペクトル強度の増加量と濃度の関係、または吸光に
よるスペクトル強度の減少量と濃度の関係から、当該燃
焼生成物の濃度を演算すると、発光時ばかりでなく、吸
光においても当該燃焼生成物の濃度を求めることがで
き、そのために検出精度が向上する。また、火炎中のス
ート、C2 、H2 O、CO2 などの濃度に一時的に大幅
な変化が生じた場合でも、スート、C2 、H2 O、CO
2 などの各燃焼生成物の濃度は、その燃焼生成物特有の
局所的な発光・吸光波長バンドのスペクトル強度を検出
して求めているから、高精度で検出が可能である。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例を図面とともに説明す
る。図1は実施例1に係る燃焼診断装置の概略構成図、
図2ないし図10は各種の特性を示す図である。図1に
おいて図中の1は燃焼炉、2〜7は火炎、12〜17は
バーナ、22〜27は光プローブ、32〜37は光フア
イバ、40は光スキヤナ、42は光干渉フイルタならび
に光電変換器を備えた分光分析装置、44は演算機能な
らびに記憶機能を備えた電子計算機である。この実施例
に係る発光スペクトル検出方式の燃焼診断装置は、同図
に示すように複数個の光プローブ22〜27と、複数個
の光フアイバ32〜37と、分光分析装置42と、電子
計算機44とから主に構成されている。前記光プローブ
22〜27は、各バーナ12〜17に対して1個以上取
り付けられている。そして火炎2〜7からの発光スペク
トルは、各光プローブ22〜27で受光され、光信号は
光フアイバ32〜37を通して分光分析装置42に伝送
される。そしてこの分光分析装置42によつて火炎2〜
7からの発光スペクトル強度は電気信号に変換され、そ
の電気信号は電子計算機44の入力信号となる。電子計
算機44ではこの入力信号を基に、火炎2〜7の燃焼状
態を診断する。この分光分析装置42は、5〜100n
mのピツチでスペクトル強度を測定する。
【0017】図2に、分散型分光器を用いて測定した
0.5〜2.5μmの波長域における定格燃料消費量8
0リツトル/hのバーナの重油燃焼火炎の検出発光スペ
クトルパターンの一例を示す。この図2から明らかなよ
うに、0.5〜2.5μmの波長域において、スートは
全域にわたつて発光状態を示し、C2は520nm近傍
において発光(または吸光)を示し、H2 Oは113
0,1380,1450,1880nm近傍において吸
光(または一時的に発光)状態を示し、CO2 は196
0,2010,2260nm近傍において発光および吸
光状態を示す。このスペクトルパターンは同図に示すよ
うに、スートの発光スペクトル強度の上にC2 ,H2
O,CO2 の発光・吸光スペクトル強度が加算または減
算されたものである。
【0018】このような火炎スペクトルの発光・吸光状
態において、火炎温度及び火炎中のスート,C2 ,H2
O,CO2 の濃度は、次のようにして演算する。 (1)火炎温度 火炎温度の計測は、分光分析装置42を用いて、図2に
示したように0.5〜2.5μmの波長域にわたつて5
〜100nmのピツチでスペクトル強度を測定し(ピツ
チは小さいほど好ましい)、スペクトルパターンを作
る。そしてこのスペクトルパターンからC2 ,H2 O,
CO2 の発光・吸光の影響を除去したスートだけのスペ
クトルパターンを次に作る。次いでこのスペクトルパタ
ーンの形状から火炎温度を換算する。なお、燃料消費量
が80リツトル/h,60リツトル/h,40リツトル
/hのときの火炎温度は、それぞれ1580℃,152
0℃,1420℃であつた。簡易的な火炎温度の求め方
として、C2 ,H2 O,CO2 の発光・吸光の影響を受
けないバンド域、例えば700〜800nmの波長域を
5〜20nmでスペクトル強度を測定して、スペクトル
パターンを作る。図3に、この計測波長とスペクトル強
度の関係を示す。この図3は、前記図2のうち700〜
800nmの波長域のデータのみを取り出したものであ
る。この図3の関係を基にして、スペクトルパターンの
傾斜値と火炎温度との関係を求めると図4のようにな
る。そこで前記スペクトルパターンの傾斜値を測定する
ことにより、図4を用いて火炎温度を換算することがて
きる。
【0019】(2)スート濃度(バーナ当たりの燃料消
費量) バーナ当たりの燃料消費量の計測は、前記した火炎温度
計測のために作成したスペクトルパターンを定格燃料消
費のスペクトルパターンと比較して、燃料消費量を求め
る。定格燃料消費80リツトル/hの重油燃焼火炎の燃
料消費と750nmのスペクトル強度の関係を図5に示
す。
【0020】(3)C2 濃度 C2 濃度の計測は、500〜540nmバンド域を5〜
20nmピツチでスペクトル強度を測定して、スペクト
ルパターンを作る。このスペクトルパターンからスート
の発光強度を減算し、C2 単独のスペクトルパターンを
作る。このC2単独のスペクトルパターンを、予め作成
されている基準 2 濃度のスペクトルパターンと比較し
て、C2 濃度を求める。図6に都市ガス火炎、灯油火炎
および重油火炎と、500〜540nmバンド域におけ
るC2 単独のスペクトル強度増加の積算値の関係を示
す。この図から、都市ガス火炎、灯油火炎および重油火
炎の順(燃えやすい燃料から燃えにくい燃料の順)にし
たがつて、C2 単独のスペクトル強度増加の積算値が大
きくなることがわかる。
【0021】(4)H2 O濃度 H2 Oは、1130,1380,1450,1880n
m近傍において吸光(または一時的に発光)状態を示
す。このうち油燃焼火炎は、吸光状態を示す時間が長
い。上記4波長のうち任意の1波長を選択してよい(た
だし、1380nmと1450nmは近接しており、1
バンド域として取り扱つてもよい)。1380nmと1
450nmの吸光状態からのH2 O濃度変化の計測は、
1330〜1500nmバンド域を5〜20nm間隔で
スペクトル強度を測定して、スペクトルパターンを作
る。そしてH2 O濃度が零(0)と推定されるときのス
ペクトルパターンと測定したスペクトルパターンとの差
を求め、H2 Oの吸光によるスペクトル減少パターンを
作成し、これと基準H2 O濃度のスペクトルパターンと
比較して、H2 O濃度を求める。図7に、吸光状態にお
ける、都市ガス火炎、灯油火炎および重油火炎と、13
30〜1500nmバンド域でのH2 O単独のスペクト
ル強度減少の積算値との関係を示す。この図から明らか
なように、都市ガス火炎、灯油火炎および重油火炎の順
にしたがつてH2 O単独のスペクトル強度減少の積算値
が小さくなつており、吸光状態におけるH2 O単独のス
ペクトル強度減少の積算値とH2 O濃度との関係が明ら
かになつた。一方、1380nmと1450nmの発光
状態からのH2 O濃度変化の計測は、同様に、1330
〜1500nmバンド域を5〜20nm間隔でスペクト
ル強度を測定して、スペクトルパターンを作る。そして
このスペクトルパターンからスートの発光強度を引き、
2 O単独のスペクトルパターンを作成する。そしてこ
のスペクトルパターンと基準H2 O濃度のスペクトルパ
ターンと比較して、H2 O濃度を求める。図8に、発光
状態における、都市ガス火炎、灯油火炎および重油火炎
と、1330〜1500nmバンド域でのH2 O単独の
スペクトル強度減少の積算値との関係を示す。この図か
ら明らかなように、都市ガス火炎、灯油火炎および重油
火炎の順にしたがつてH2 O単独のスペクトル強度増加
の積算値が小さくなつており、発光状態におけるH2
単独のスペクトル強度増加の積算値とH2 O濃度との関
係が明らかになつた。なお、都市ガス、灯油および重油
の燃焼ガス中のH2 O濃度は、容積割合で、それぞれ約
18%、14%、12%である。
【0022】(4)CO2 濃度 CO2 は、1960,2010,2260nm近傍にお
いて発光・吸光状態を示す。上記3波長のうち任意の1
波長をCO2 濃度の計測に選択してよい(ただし、19
60nmと2010nmは近接しており、1バンド域と
して取り扱つてもよい)。1960nmと2010nm
の吸光状態からのCO2 濃度計測は、1950〜206
0nmバンド域を5〜20nm間隔でスペクトル強度を
測定して、スペクトルパターンを作る。そしてCO2
度が零(0)と推定されるときのスペクトルパターンと
測定したスペクトルパターンとの差を求め、CO2 の吸
光によるスペクトル減少パターンを作成し、それと基準
CO2 濃度のスペクトルパターンと比較して、CO2
度を求める。図9に、吸光状態における、都市ガス火
炎、灯油火炎および重油火炎と、1950〜2060n
mバンド域でのCO2 単独のスペクトル強度減少の積算
値との関係を示す。この図から明らかなように、都市ガ
ス火炎、灯油火炎および重油火炎の順にしたがつてCO
2単独のスペクトル強度減少の積算値が大きくなつてお
り、吸光状態におけるCO2 単独のスペクトル強度減少
の積算値とCO2 濃度との関係が明らかになつた。一
方、1960nmと2010nmの発光状態からのCO
2 濃度計測は、同様に、1960〜2010nmバンド
域を5〜20nm間隔でスペクトル強度を測定して、ス
ペクトルパターンを作る。そしてこのスペクトルパター
ンからスートの発光強度を引き、CO2 単独のスペクト
ルパターンを作成する。そしてこのスペクトルパターン
を基準CO2 濃度のスペクトルパターンと比較して、C
2 濃度を求める。図10に発光状態における、都市ガ
ス火炎、灯油火炎および重油火炎と、1950〜206
0nmバンド域でのCO2 単独のスペクトル強度増加の
積算値との関係を示す。この図から明らかなように、都
市ガス火炎、灯油火炎および重油火炎の順にしたがつて
CO2 単独のスペクトル強度増加の積算値が小さくなつ
ており、発光状態におけるCO2 単独のスペクトル強度
増加の積算値とCO2 濃度との関係が明らかになつた。
なお、都市ガス、灯油および重油の燃焼ガス中のCO2
濃度は、容積割合で、それぞれ約10%、13%、14
%である。
【0023】なお、本発明の実施例によれば、発光時ば
かりでなく、吸光時においても燃焼生成物中の各種成分
の濃度ならびに火炎温度を求めることができるので、燃
焼診断の精度を向上することができる。特に、火炎の揺
らぎが大きい複数のバーナを有する大型の燃焼炉におい
て、燃焼診断の精度が従来のものに比較して大幅に向上
する。
【0024】図11ないし図18は、本発明の実施例2
を説明するための図である。この実施例においても燃焼
診断装置全体の概略構成は前記図1を用いて説明したも
のと同様であるので、ここでは燃焼診断装置全体の概略
構成の説明は省略する。図11に、バーナ近傍における
光プローブの火炎発光スペクトル受光状況を示す。光プ
ローブ22は、火炎2からの発光スペクトルが光プロー
ブ22に受光されるまでに、着火前の燃料、H2 O、C
2 (場合によつて、煤塵)によつて、吸光されること
が検出できるように、火炎2との間を、着火前の燃料、
再循環排ガスが流れるような位置に設置することが必要
である。図中の51は燃焼用空気、52は再循環排ガ
ス、53は燃料、54は燃焼炉壁、55は空気旋回翼で
ある。
【0025】図12に、重油燃焼火炎を直接監視したと
きの各種燃焼条件における発光スペクトル特性を示す。
この図から明らかなように、0.5〜5.0μmの波長
域において、全域にわたつてスートの発光スペクトルが
あり、このスートの発光スペクトルの上に1.1,1.
38,1.87,2.7,3.2μmにおいてH2 Oの
吸光スペクトルのが形成されている。また、1.4,
1.6,2.0,2.7,4.3,4.8μmにおいて
CO2 の吸光スペクトルが形成されている。このH2
およびCO2 の吸光スペクトル強度は、H2 OおよびC
2 の吸光がないときのスートの発光スペクトル強度か
ら差し引いたものである。このスートの発光スペクト
ル、H2 OならびにCO2 の吸光スペクトルは、各種燃
焼状態と次のような関係にある。
【0026】(1)高温火炎が形成されたとき 空気と燃料の混合が盛んに行われ、ブラツクスカートの
形成がない状態において、高温火炎が形成されたとす
る。このような燃焼状態のとき火炎温度が高いことか
ら、スートの発光スペクトル強度が増加する。しかし、
2 OならびにCO2 の吸光スペクトル強度は、火炎か
らの輻射熱が多いことから、光プローブ近傍のH2 O、
CO2 が高温となつて吸光能力が低下し、減少する。
【0027】(2)低温火炎が形成されたとき 空気と燃料の混合が適度に行われ、ブラツクスカートの
形成がない状態において、低温火炎が形成されたとす
る。このような燃焼状態のとき火炎温度が低いことか
ら、スートの発光スペクトル強度が低下する。しかし、
2 OならびにCO2 の吸光スペクトル強度は、火炎か
らの輻射熱が少ないことから、光プローブ近傍のH2
O、CO2 が低温となつて吸光能力が向上し、増加す
る。
【0028】(3)大きなブラツクスカートが形成され
たとき 空気と燃料の混合が悪く、大きなブラツクスカートが形
成がされたとする。このブラツクスカートが形成がされ
ると、火炎からの光はブラツクスカートによつて大部分
が吸光される。そして、スートの発光スペクトル強度は
極端に低下し、ときには火炎が形成されていないような
発光スペクトルとなる。なお、H2 OならびにCO2
吸光スペクトル強度は変わらない。
【0029】(4)排ガス再循環量が多いとき 空気と燃料の混合が適度に行われ、ブラツクスカートの
形成がない状態において、排ガス再循環量が多く、火炎
が形成されたとする。このように排ガス再循環量が多い
状態の火炎において、排ガス再循環量の増加は火炎温度
を低下するため、スートの発光スペクトル強度が低下す
る。しかし、H2 OならびにCO2 の吸光スペクトル強
度は、光プローブ近傍のH2 O、CO2 濃度が高くなる
ため、増加する。
【0030】図13から図16までに、定格燃料消費量
80リツトル/hの重油燃焼バーナを16本を有する発
電用ボイラ炉内の火炎スペクトルを光フアイバで受光し
たときの、火炎スペクトルと各種燃焼制御操作との関係
を示す。スートの発光スペクトル強度は波長0.8μm
と1.0μmのデシベル(db)表示のスペクトル強度
の差をもつて表した。またH2 OならびにCO2 の吸光
スペクトル強度は、多数ある吸光波長域のうち、代表し
て1.38μm近傍におけるH2 Oの吸光スペクトル強
度の減少量を使用した。なお、吸光スペクトル強度は、
2 Oに限られるものではなく、CO2 の吸光スペクト
ル強度にも用いられる。また、吸収波長域は1.38μ
mに限定されるものでない。
【0031】図13は、燃料流量を変化させたときのス
ートの発光スペクトル強度およびH2 Oの吸光スペクト
ル強度の変化を示す図である。この図から明らかなよう
に、燃料流量を増加すると、波長0.8μmと1.0μ
mのスペクトル強度の差は徐々に増加し、H2 Oの吸光
スペクトル強度は徐々に減少する関係が得られた。この
現象は、燃料流量の増加により、高温の火炎が形成され
たことをあらわすものである。
【0032】図14は、空気流量を変化させたときのス
ートの発光スペクトル強度およびH2 Oの吸光スペクト
ル強度の変化を示す図である。空気流量の変化は、節炭
器出口における排ガス中の酸素濃度変化で表す。排ガス
中の酸素濃度が低いとき(空気流量が少ないとき)、波
長0.8μmと1.0μmのスペクトル強度の差は小さ
い。酸素濃度を高めると(空気流量が増加すると)、波
長0.8μmと1.0μmのスペクトル強度の差は急激
に増加し、その後変化しなくなる。一方、H2 Oの吸光
スペクトル強度は、徐々に減少する関係が得られた。こ
の現象は、排ガス中の酸素濃度が特に低いときは空気不
足からブラツクスカートが形成するが、酸素濃度の増加
にともなつてブラツクスカートが消滅したことを示す。
また酸素濃度の増加にともなつて再循環排ガスを含む空
気中のH2 O濃度が低下したことを示す。
【0033】燃焼炉に供給される空気(再循環排ガスを
含む)に旋回力を与える旋回翼の取付け角度を変化する
操作において、この旋回翼における圧力降下とスートの
発光スペクトル強度とH2 Oの吸光スペクトル強度の関
係を図15に示す。この旋回翼の角度変化による圧力降
下の変化は、空気(再循環排ガスを含む)と燃料の混合
状態の変化に置き換えられる。同図に示すように、波長
0.8μmと1.0μmのスペクトル強度の差は、旋回
翼における圧力降下が小さいとき小さく、この圧力降下
の増大にともなつてき急激に増大した後、ゆるやかに増
大する関係が得られた。このとき、バーナ側に取りつけ
られた覗き窓から火炎を目視したところ、旋回翼におけ
る圧力降下が小さいときは薄暗く、ブラツクスカートの
形成が確認された。そして旋回翼における圧力降下の増
大にともなつて、明るくなり、その後変化がなくなつ
た。H2 Oの吸光スペクトル強度と旋回翼の圧力降下と
の間には、関係は認められなかつた。
【0034】図16は、再循環排ガス流量を変化させた
ときの波長0.8μmと1.0μmのスペクトル強度の
差ならびにH2 Oの吸光スペクトル強度の変化を示す図
である。この図から明らかなように、再循環排ガス流量
の増加にともなつて、波長0.8μmと1.0μmのス
ペクトル強度の差は徐々に減少し、一方、H2 Oの吸光
スペクトル強度は反対に増加する関係が得られた。この
現象は、再循環排ガス流量の増加を顕著に表すものであ
る。
【0035】前記図13に示した燃料流量と火炎スペク
トル特性(波長0.8μmと1.0μmのスペクトル強
度差の変化ならびにH2 Oの吸光スペクトル強度の変
化)の関係、図14に示した空気流量と火炎スペクトル
特性の関係、図15に示した空気(再循環排ガスを含
む)と燃料の混合状態と火炎スペクトル特性の関係、図
16に示した再循環排ガス流量と火炎スペクトル特性の
関係が得られたことから、この火炎スペクトルと燃料流
量、空気流量、空気(再循環排ガスを含む)と燃料の混
合状態ならびに再循環排ガス流量の関係を用いると、火
炎スペクトルの監視から、燃料流量、空気流量、空気
(再循環排ガスを含む)と燃料の混合状態ならびに再循
環排ガス流量の変化を把握できるようになる。また合わ
せて、ボイラの運転調整において重大な監視項目の1つ
であるブラツクスカート形成も目視することなく検出で
きるようになる。
【0036】前記実施例2では、1個の火炎に複数個の
受光プローブを設置し、それぞれの受光プローブより検
出したスートの発光スペクトル強度、H2OおよびCO2
の吸光スペクトル強度を測定し、当該火炎のスートの
発光スペクトル強度の空間分布、ならびにH2 Oおよび
CO2 の吸光スペクトル強度の空間分布を求めるもので
ある。ところでスート、H2 OおよびCO2 の空間分布
が得られることから、火炎内で生じている複雑な窒素酸
化物生成反応の把握が可能となる。
【0037】前記実施例2の変形例として、スートの発
光スペクトル強度を火炎温度に変換することもできる。
図17は、波長0.8μmと1.0μmの発光スペクト
ル強度の差と火炎温度の関係を示す図である。なお、火
炎温度は、放射温度計での測定値である。この図から明
らかなように、波長0.8μmと1.0μmの発光スペ
クトル強度の差と火炎温度との間には相関関係があり、
この発光スペクトル強度の差から火炎温度を求めること
ができる。
【0038】前記実施例2の更に異なる変形例として、
スートの発光スペクトル強度、H2 OおよびCO2 の吸
光スペクトル強度の検出値、または、演算によつて得ら
れる個々のバーナの燃料流量、空気流量、燃焼ガス流
量、火炎温度の演算値と、電子計算機に予め記憶した目
標のスートの発光スペクトル強度、H2 Oの吸光スペク
トル強度、CO2 の吸光スペクトル強度、個々のバーナ
の燃料流量、空気流量、燃焼ガス流量、火炎温度を比較
して、前記検出値または演算値が目標値と一致するよう
に燃料流量、空気流量、燃焼ガス流量、および燃料と空
気と燃焼ガスの混合比等を調整することができる。また
このように調整することにより、窒素酸化物ならびに煤
塵の発生量を最小限に抑えることもできる。
【0039】前記実施例2の更に異なる変形例として、
スートの発光スペクトル強度、H2 OおよびCO2 の吸
光スペクトル強度の時間的変化により、燃料供給ノズル
の閉塞状況を検出することができる。燃料供給ノズルが
閉塞していると、燃料流量が大きく変動する。しかし、
燃焼炉内の火炎は揺らぎが生じており、このためスペク
トルの時間的変化は、燃料供給ノズルの閉塞と火炎の揺
らぎの影響とに判別する必要がある。従来では、火炎の
目視観察により、燃料供給ノズルの閉塞と火炎の揺らぎ
の影響を判別していた。このため、燃料供給ノズルの閉
塞がかなり進行した時点でしか、燃料供給ノズルの閉塞
が判別できなかつた。この変形例によれば、スートの発
光スペクトル強度以外に目視では検出できないH2 Oお
よびCO2 の吸光スペクトル強度を検出しているため、
早い時点において火炎の揺らぎと燃料流量の変動による
発光スペクトル強度の変化を判別し、燃料供給ノズルの
閉塞が判別できる。図18に、火炎の揺らぎと燃料流量
の変動が生じたときの、スートの発光スペクトル強度お
よびH2 Oの吸光スペクトル強度の時間的変化を示す。
火炎の揺らぎによる火炎スペクトル強度の変化は、スー
トの発光スペクトル強度が増加すると、H2 Oの吸光ス
ペクトル強度が減少する関係がみられる。一方、燃料供
給ノズルの閉塞による燃料流量の変動が生じたときの火
炎スペクトル強度の変化は、スートの発光スペクトル強
度の変動とH2 Oの吸光スペクトル強度の変動との間に
関係はみられなかつた。
【0040】次に本発明の実施例3について図19ない
し図27を用いて説明する。先ず図19を用いてこの実
施例に係る発光スペクトル検出による燃焼診断装置の概
略構成について説明する。図中の101は燃焼炉、10
2,103,104,105はバーナ火炎、106,1
07は二段燃焼用空気孔火炎、109,110は二段燃
焼用空気孔、112,113,114,115はバー
ナ、122,123,124,125,126,127
は光プローブ、132,133,134,135,13
6,137は光フアイバ、140は光スキヤナ、142
は分光分析装置、144は電子計算機、146は燃焼排
ガス、147は燃焼用空気である。この実施例に係る発
光スペクトル検出燃焼診断装置は、複数個の光プローブ
122〜127と、複数個の光フアイバ132〜137
と、光スキヤナ140と、分光分析装置142と、電子
計算機144とから主に構成されている。また各バーナ
102〜105にはそれぞれ光プローブ122〜125
が設置され、二段燃焼用空気孔109、110には光プ
ローブ126、127が取付けられている。これにより
バーナ火炎102〜105および二段燃焼用空気孔火炎
106、107の発光スペクトルは各光プローブ122
〜127で受光され、光フアイバ132〜137、光ス
キヤナ140を通して、分光分析装置142に導入され
る。そしてこの分光分析装置142によつて、バーナ火
炎102〜105および二段燃焼用空気孔火炎106、
107からの発光スペクトルは電気信号に変換されて、
電子計算機144に入力され、演算処理されて燃焼状態
の診断に供される。
【0041】図20に、重油燃焼火炎において、バーナ
火炎への燃焼用空気流量の比率を高く、二段燃焼用空気
孔への燃焼用空気流量の比率を低くしたときの、バーナ
火炎ならびに二段燃焼用空気孔火炎の発光スペクトル特
性を示す。0.5〜5.0μmの波長域において、バー
ナ火炎ならびに二段燃焼用空気孔火炎ともに、全域にわ
たつてスートの発光スペクトルがあり、このスートの発
光スペクトルの上に、1.4,1.9,2.7μmのバ
ンドにおいてH2 Oの吸光スペクトルが形成される。ま
た、2.0,2.7,4.3μmバンドにおいてCO2
の吸光スペクトルが形成れる。このH2 OならびにCO
2 の吸光波長域バンドにおいて、スペクトルの吸光波状
態が観測されるのは、燃焼用空気に混合された排ガス中
のH2 OならびにCO2 が、それぞれの光プローブ12
2〜127の前を流れているため、火炎からの発光スペ
クトルがH2 OならびにCO2 に吸収されるためであ
る。この時のバーナ火炎のスベクトル特性は、二段燃焼
用空気孔火炎のスペクトル特性と比較して、全波長域に
わたつてスペクトル強度が大で、0.9μm近傍おける
波長に対するスペクトル強度の傾斜値が大となる火炎温
度が高い特徴、およびH2 OとCO2 の吸光度(=H2
OとCO2 がないと仮定したときに得られる発光スペク
トル強度と、測定されたスペクトル強度との差で表せる
検出値)が大となる燃焼用空気に含まれる排ガス中のH
2 O(又はCO2 )流量の増加を示す特徴が表れる。
【0042】図21に、重油燃焼火炎において、バーナ
火炎への燃焼用空気流量の比率を低く、二段燃焼用空気
孔火炎への燃焼用空気流量の比率を高くしたときの、バ
ーナ火炎および二段燃焼用空気孔火炎のスペクトル特性
を示す。この図から明らかなように、バーナ火炎のスペ
クトル特性は、二段燃焼用空気孔火炎のスペクトル特性
との差が減少する。前述の図20のスペクトル特性と比
較して、バーナ火炎のスペクトル特性は燃焼用空気流量
の減少から、火炎温度が減少したことを示す。つまり、
全波長域にわたつてスペクトル強度の低下、H2 OとC
2 の吸光度の減少が表れる。また、二段燃焼用空気孔
火炎のスペクトル特性は燃焼用空気流量が増加したこと
から、火炎温度が上昇したことを示す。つまり、全波長
域にわたつてスペクトル強度の上昇、H2 OとCO2
吸光度増加の特徴が表れる。
【0043】図22に、重油燃焼火炎において、バーナ
火炎への燃焼用空気流量を一定とし、二段燃焼用空気孔
火炎への燃焼用空気流量が変化したときの、二段燃焼用
空気孔火炎のスペクトル特性を示す。この図から明らか
なように、二段燃焼用空気孔火炎への燃焼用空気流量を
増加すると、二段燃焼用空気孔火炎のスペクトル特性
は、全波長域にわたつてスペクトル強度の上昇、H2
とCO2 の吸光度増加の特徴が表れる。
【0044】図23は、前記図22の燃焼条件でのボイ
ラ出口煙道における窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃
度を示す。この図から明らかなように、バーナ火炎への
燃焼用空気流量が一定のとき、二段燃焼用空気孔火炎へ
の燃焼用空気流量が増加しても、窒素酸化物濃度の変化
は見られないが、一酸化炭素濃度は減少する。
【0045】図24に、重油燃焼火炎において、バーナ
火炎への燃焼用空気流量を一定とし、二段燃焼用空気孔
の入口と燃焼炉内の圧力差が変化したときの二段燃焼用
空気孔火炎のスペクトル特性を示す。なお、このときの
バーナ火炎への燃焼用空気流量の比率は低いという条件
である。この図から明らかなように、二段燃焼用空気孔
の入口と燃焼炉内の圧力差が増加すると、燃焼炉内にお
いて供給された燃焼用空気と燃焼炉内の未燃焼成分との
混合が促進され、高温火炎が形成された特徴を示す。
【0046】この実施例3によれば、二段燃焼用空気孔
火炎のスペクトル特性を検出することから、二段燃焼用
空気孔への燃焼用空気流量が変化したときの二段燃焼用
空気孔火炎のスペクトル特性(図22)、二段燃焼用空
気孔への燃焼用空気流量とボイラ出口煙道における窒素
酸化物濃度および一酸化炭素濃度との関係(図23)、
二段燃焼用空気孔の入口と燃焼炉内の圧力差が変化した
ときの二段燃焼用空気孔火炎のスペクトル特性(図2
4)を用いると、二段燃焼用空気孔火炎の火炎診断が可
能となり、二段燃焼用空気孔への燃焼用空気流量の変動
および燃焼用空気と燃焼炉内における混合状態が把握で
き、煤塵ならびに一酸化炭素の発生を抑制する最適な燃
焼制御が可能となる。
【0047】この実施例3による二段燃焼用空気孔火炎
の燃焼診断と従来の燃焼診断とを組み合わせることによ
り、燃焼排ガス再循環と二段燃焼を併用している大型燃
焼装置の燃焼診断装置に適用することができる。バーナ
火炎の診断は、下記のような火炎発光スペクトル特性を
利用して行われる。 (1)高温火炎が形成されたとき 空気と燃料の混合が盛んに行われ、高温火炎が形成され
ると、発光スペクトル強度が増加し、0.9μm近傍の
波長に対するスペクトル強度の傾斜値が大となる。しか
し、H2 OとCO2 の吸光スペクトル強度は、火炎から
の輻射熱が多いことから、光プローブ近傍のH2 O、C
2 が高温となつて吸光度が減少する。 (2)低温火炎が形成されたとき 空気と燃料の混合が悪く、低温火炎が形成されると、発
光スペクトル強度が減少し、0.9μm近傍の波長に対
するスペクトル強度の傾斜値が小となる。しかし、H2
OとCO2 の吸光スペクトル強度は、火炎からの輻射熱
が少ないことから、光プローブ近傍のH2 O、CO2
低温となつて吸光能力が向上し、吸光度が増加する。 (3)大きなブラツクスカートが形成されたとき 空気と燃料の混合が悪く、ブラツクスカートが形成され
ると、火炎からの光はこのブラツクスカートによつて強
い吸光状態になる。このため、発光スペクトル強度は極
端に低下し、ときには消火(失火)状態のような発光ス
ペクトル特性となる。なお、このときH2 O、CO2
吸光スペクトル強度は変化しない。、 (4)排ガス再循環が多いとき 排ガス再循環を増加すると、火炎温度が低下するため、
発光スペクトル強度は低下し、0.9μm近傍の波長に
対するスペクトル強度の傾斜値が小となる。一方、H2
O、CO2 の吸光スペクトル強度は、光プローブ近傍の
ガス中H2 O、CO2 濃度が高くなるため、増加する。
【0048】これらの関係を用いると、バーナ部火炎の
燃焼診断において、つぎのようなことがいえる。 (1)燃料流量が増加したとき 高温の火炎が形成されたスペクトル特性を示す。 (2)空気流量が増加したとき 火炎温度は上昇するが、空気流量の増加から光プローブ
受光面のガス中H2 O、CO2 分圧が低下するため、火
炎温度は変わらず、H2 O、CO2 の吸光度が低下した
スペクトル特性を示す。 (3)燃焼炉供給空気の旋回力が低下したとき 燃焼用空気と燃料の混合性が低下するため、火炎温度が
低下し、H2 OならびにCO2 の吸光度が変化しないス
ペクトル特性を示す。旋回力が極端に低下したときに
は、ブラツクスカートが形成される。
【0049】図25ならびに図26に、この実施例に係
る燃焼診断プログラムのフローチヤートを示す。ステツ
プ(以下、Sと略記する)1ならびにS2において、予
めバーナ火炎ならびに二段燃焼用空気孔火炎のスペクト
ル標準値を設定する。設定項目は下記の事項である。 a1 ´:バーナ火炎の全波長域のスペクトル強度 b1 ´:バーナ火炎のH2 O(またはCO2 )の吸光ス
ペクトル強度 c1 ´:バーナ火炎の波長0.9μm近傍のスペクトル
強度の傾斜値 a2 ´:二段燃焼用空気孔火炎の全波長域のスペクトル
強度 b2 ´:二段燃焼用空気孔火炎のH2 O(またはCO
2 )の吸光スペクトル強度 c2 ´:二段燃焼用空気孔火炎の波長0.9μm近傍の
スペクトル強度の傾斜値 次にS3ならびにS4において、光プローブによつて実
際のバーナ火炎ならびに二段燃焼用空気孔火炎のスペク
トルを測定する。測定項目は前記標準値に対応した下記
の事項である。 a1 :バーナ火炎の全波長域のスペクトル強度 b1 :バーナ火炎のH2 O(またはCO2 )の吸光スペ
クトル強度 c1 :バーナ火炎の波長0.9μm近傍のスペクトル強
度の傾斜値 a2 :二段燃焼用空気孔火炎の全波長域のスペクトル強
度 b2 :二段燃焼用空気孔火炎のH2 O(またはCO2
の吸光スペクトル強度 c2 :二段燃焼用空気孔火炎の波長0.9μm近傍のス
ペクトル強度の傾斜値 つぎにその以後のステツプにおいて、それぞれ標準値と
実測値とが比較され、(1)から(64)までの燃焼診
断NO.を求める。この燃焼診断NO.は、例えば次の
ようにして求められる。まず、S5においてバーナ火炎
の全波長域のスペクトル強度の実測値a1 と標準値a1
´とが比較され、その比較結果がa1 >a1 ´であると
S6に進み、今度はバーナ火炎のH2 O(またはCO
2 )の吸光スペクトル強度の実測値b1 と標準値b1 ´
とが比較される。そしてb1 >b1 ´であるとS7に進
み、今度はバーナ火炎の波長0.9μm近傍のスペクト
ル強度の傾斜値の実測値c1 と標準値c1 ´とが比較さ
れる。そしてc1 >c1 ´であるとS8に進み、今度は
二段燃焼用空気孔火炎の全波長域のスペクトル強度の実
測値a2 と標準値a2 ´とが比較される。そしてa2
2 ´であるとS9に進み、今度は二段燃焼用空気孔火
炎のH2 O(またはCO2 )の吸光スペクトルの実測値
2 と標準値b2 ´とが比較される。そしてb2 >b2
´であるとS10に進み、今度は二段燃焼用空気孔火炎
の波長0.9μm近傍のスペクトの実測値c2 と標準値
2 ´とが比較される。そしてc2 >c2 ´であると燃
焼診断NO.1となる。なお、S10の比較結果c2
2 ´でなければ燃焼診断NO.は2となる。このよう
にして燃焼診断NO.を決定すると、次に図27に示す
テーブルから燃焼診断NO.を基にバーナ火炎と二段燃
焼用空気孔火炎の燃焼状態を、空気流量、排ガス流量な
らびに火炉内空気混合の大小で診断することができる。
なお、図27に示すテーブルは予め電子計算機の記憶部
に記憶されている。
【0050】図28は、本発明の他の実施例に係る燃焼
診断プログラムのフローチヤートである。このプログラ
ムの場合、S1で火炎温度の基準値Aならびに水蒸気吸
光度の基準値Bが設定される。そしてS2において、火
炎温度の測定値aと水蒸気吸光度の測定値bが取り入れ
られ、S3において基準値Aと測定値aとの偏差値k
と、基準値Bと測定値bとの偏差値mを求める。次にS
4において前記偏差値kが、予め設定されている許容値
eを超えているか否かが判断される。この許容値eを超
えていなければS5に進み、今度は前記偏差値mが、予
め設定されている許容値fを超えているか否かが判断さ
れる。その判断結果、許容値mを超えてなければ、S6
において燃焼状態が正常と判断される。前記S4におい
て偏差値kが許容値eを超えておればS7において火炎
温度の測定値aが基準値Aよりも大か否かが判断され、
そうでなければS8において今度は水蒸気吸光度の測定
値bが基準値Bよりも大か否かが判断され、そうでなけ
ればS10において燃料・空気混合が弱いと判断され
る。また前記S8において測定値bが基準値Bよりも大
であればS9において再循環排ガス流量が大であると判
断される。前記S7において火炎温度の測定値aが基準
値Aよりも大であると判断されるとS11に進み、今度
は水蒸気吸光度の測定値bが基準値Bよりも大であるか
否かが判断される。そして測定値bが基準値Bよりも大
であればS12において燃料・空気の混合が強いと判断
され、一方、測定値bが基準値Bよりも小さければ、S
13において再循環排ガスの流量が小であると判断され
る。又、前記S5においてNOであると判断されると、
S14に進んで水蒸気吸光度の測定値bが基準値Bより
も大であるか否かが判断される。そして、大であればS
15において空気流量が大であると判断され、測定値b
が基準値Bよりも小さければS16において空気流量が
少ないと判断される。以上のようにして、燃焼診断か行
なわれる。
【0051】
【発明の効果】本発明は前述のような構成になつてお
り、火炎に揺らぎが生じている場合でも、燃焼生成物で
あるスート、C2 、H2 O、CO2 などの濃度ならびに
火炎温度を高精度に検出ができる。またこれにより、煤
塵ならびに一酸化炭素の発生量が正確に推算できる燃焼
診断装置を提供することができる。また本発明は、窒素
酸化物の発生抑制のために燃焼排ガス再循環法、二段燃
焼法を使用している大型燃焼装置にも適用でき、正確な
燃焼診断ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による燃焼診断装置の概略構
成図である。
【図2】重油燃焼火炎における発光スペクトル図であ
る。
【図3】700〜800nmの波長域における重油燃焼
火炎の発光スペクトル図である。
【図4】スペクトルパターンの傾斜値と火炎温度との関
係を示す特性図である。
【図5】燃料消費量とスペクトル強度との関係を示す特
性図である。
【図6】都市ガス火炎、灯油火炎および重油火炎と、C
2 単独のスペクトル強度増加の積算値との関係を示す特
性図である。
【図7】都市ガス火炎、灯油火炎および重油火炎と、1
330〜1500nmバンド域でのH2 O単独のスペク
トル強度減少の積算値との関係を示す特性である。
【図8】都市ガス火炎、灯油火炎および重油火炎と、1
330〜1500nmバンド域でのH2 O単独のスペク
トル強度減少の積算値との関係を示す特性図である。
【図9】都市ガス火炎、灯油火炎および重油火炎と19
50〜2060nmバンド域でのCO2 単独のスペクト
ル強度減少の積算値との関係を示す特性図である。
【図10】都市ガス火炎、灯油火炎および重油火炎と1
950〜2060nmバンド域でのCO2 単独のスペク
トル強度増加の積算値との関係を示す特性図である。
【図11】本発明の実施例2に係る燃焼診断装置のバー
ナ近傍における光プローブの火炎発光スペクトル受光状
況を示す断面図である。
【図12】重油燃焼火炎を直接監視したときの、各種燃
焼条件における発光スペクトル特性を示すである。
【図13】燃料流量を変化させたときのスートの、発光
スペクトル強度およびH2 Oの吸光スペクトル強度の変
化を示す特性図である。
【図14】空気流量を変化させたときのスートの、発光
スペクトル強度およびH2 Oの吸光スペクトル強度の変
化を示す特性図である。
【図15】旋回翼における圧力降下と、スートの発光ス
ペクトル強度と、H2 Oの吸光スペクトル強度の関係を
示す特性である。
【図16】再循環排ガス流量を変化させたときの、波長
0.8μmと1.0μmのスペクトル強度の差ならびに
2 Oの吸光スペクトル強度の変化を示す特性図であ
る。
【図17】波長0.8μmと1.0μmの発光スペクト
ル強度の差と、火炎温度の関係を示す特性図である。
【図18】火炎の揺らぎと燃料流量の変動が生じたとき
の、スートの発光スペクトル強度およびH2 Oの吸光ス
ペクトル強度の時間的変化を示す特性図である。
【図19】本発明の実施例3に係る発光スペクトル検出
による燃焼診断装置の概略構成図である。
【図20】バーナ火炎への燃焼用空気流量の比率を高
く、二段燃焼用空気孔への燃焼用空気流量の比率を低く
したときの、バーナ火炎ならびに二段燃焼用空気孔火炎
の発光スペクトル特性を示す特性図である。
【図21】バーナ部火炎への燃焼用空気流量の比率を低
く、二段燃焼用空気孔火炎への燃焼用空気流量の比率を
高くしたときの、バーナ部火炎および二段燃焼用空気孔
火炎のスペクトル特性を示す特性図である。
【図22】バーナ部火炎への燃焼用空気流量を一定と
し、二段燃焼用空気孔火炎への燃焼用空気流量が変化し
たときの、二段燃焼用空気孔火炎のスペクトル特性を示
す特性図である。
【図23】ボイラ出口煙道における窒素酸化物濃度およ
び一酸化炭素濃度を示す特性である。
【図24】バーナ部火炎への燃焼用空気流量を一定と
し、二段燃焼用空気孔の入口と燃焼炉内の圧力差が変化
したときの二段燃焼用空気孔火炎のスペクトル特性を示
す特性図である。
【図25】実施例3に係る燃焼診断プログラムのフロー
チヤートである。
【図26】実施例3に係る燃焼診断プログラムのフロー
チヤートである。
【図27】燃焼診断NO.と、バーナ火炎ならびに二段
燃焼用空気孔火炎の燃焼状態との関係を示す図である。
【図28】他の実施例に係る燃焼診断プログラムのフロ
ーチヤートである。
【符号の説明】
1 燃焼炉 2 火炎 12 バーナ 32 光フアイバ 40 光スキヤナ 42 分光分析装置 44 電子計算機 50 燃料 51 空気 52 再循環排ガス 53 燃料 101 燃焼炉 102 バーナ火炎 106 二段燃焼用空気孔火炎 109 二段燃焼用空気孔 112 バーナ 122 光プローブ 132 光フアイバ 140 光スキヤナ 142 分光分析装置 144 電子計算機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 信夫 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日 立株式会社呉研究所内 (72)発明者 北沢 裕之 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 久中 実 広島県呉市宝町5番3号 バブコツク日 立エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−138022(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23N 5/08 F23N 5/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火炎に対して配置された火炎検出手段
    と、 その火炎検出手段からの光検出信号を入力する分光分析
    手段と、 その分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演
    算手段とを備え、 前記分光分析手段によつて、火炎中に含まれているスー
    ト以外の各種燃焼生成物毎の発光・吸光波長バンドを定
    め、その発光・吸光波長バンドをさらに狭い波長ピッチ
    に分けて、各波長ピッチで当該燃焼生成物のスペクトル
    強度を測定することにより、スペクトル強度変化のパタ
    ーンを作成し、 前記演算手段により、前記作成したスペクトル強度変化
    パターンと、予め作成されている当該燃焼生成物の基準
    濃度のスペクトルパターンとを比較して、当該燃焼生成
    物の濃度を演算するように構成されている ことを特徴と
    する燃焼診断装置。
  2. 【請求項2】 火炎に対して配置された火炎検出手段
    と、 その火炎検出手段からの光検出信号を入力する分光分析
    手段と、 その分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演
    算手段とを備え、火炎の発光・吸光波長バンドを定め、その発光・吸光波
    長バンドをさらに狭い波長ピッチに分けて、前記分光分
    析手段により各波長ピッチで当該火炎のスペクトル強度
    を測定することにより、火炎のスペクトル強度変化のパ
    ターンを作成し、 前記演算手段により、この火炎スペクトル強度変化パタ
    ーンから火炎中に含まれているスート以外の各種燃焼生
    成物のスペクトル強度を除去して、スートのスペクトル
    強度変化パターンを作成し、この変化パターンの傾斜値
    に基づいて当該火炎の温度を演算するように構成されて
    いる ことを特徴とする燃焼診断装置。
  3. 【請求項3】 火炎に対して配置された火炎検出手段
    と、 その火炎検出手段からの光検出信号を入力する分光分析
    手段と、 その分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演
    算手段とを備え、 前記分光分析手段によつて検出される発光スペクトルの
    うち、少なくとも、 火炎中のスートの発光スペクトル強度と、 火炎中のH2 OならびにCO2 の少なくともいずれか一
    方の吸光波長域におけるH2 OとCO2 が無いときに推
    定される発光スペクトル強度とスペクトル強度測定値と
    のスペクトル強度差とを、 検出するように構成されていることを特徴とする燃焼診
    断装置。
  4. 【請求項4】 火炎に対して配置された火炎検出手段
    と、 その火炎検出手段からの光検出信号を入力する分光分析
    手段と、 その分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演
    算手段とを備え、 前記分光分析手段によつて検出される火炎中のスートの
    発光スペクトル強度と、火炎中のH2 OならびにCO2
    の少なくともいずれか一方の吸光スペクトル強度から、
    ブラツクスカートの形成、燃料流量、空気流量、燃焼排
    ガス流量、火炎温度分布、火炎中のH2 O、CO2 の濃
    度分布のうち少なくとも1つが演算できるように構成さ
    れていることを特徴とする燃焼診断装置。
  5. 【請求項5】 火炎に対して配置された火炎検出手段
    と、 その火炎検出手段からの光検出信号を入力する分光分析
    手段と、 その分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演
    算手段とを備え、 前記分光分析手段によつて検出される火炎中のスートの
    発光スペクトル強度と、火炎中のH2 OならびにCO2
    の少なくともいずれか一方の吸光スペクトル強度の時間
    変化から、燃料供給ノズルの閉塞状況が検出できるよう
    に構成されていることを特徴とする燃焼診断装置。
  6. 【請求項6】 火炎に対して配置された火炎検出手段
    と、 その火炎検出手段からの光検出信号を入力する分光分析
    手段と、 その分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演
    算手段と発光スペクトル強度変化特性と燃焼状態との関
    係を予め記憶しておく記憶手段とを備え、火炎の発光・吸光波長バンドを定め、その発光・吸光波
    長バンドをさらに狭い波長ピッチに分けて、前記分光分
    析手段により各波長ピッチで当該火炎のスペクトル強度
    を測定することにより、火炎のスペクトル強度変化のパ
    ターンを作成し、 前記記憶手段に記憶されている発光ス
    ペクトル強度変化特性とを比較して、当該火炎の状態を
    診断するように構成されていることを特徴とする燃焼診
    断装置。
  7. 【請求項7】 主バーナ火炎に対して配置された主バー
    ナ火炎検出手段と、 二段燃焼用空気孔火炎に対して配置された二段燃焼用空
    気孔火炎検出手段と、 前記主バーナ火炎検出手段ならびに二段燃焼用空気孔火
    炎検出手段からの光検出信号を入力する分光分析手段
    と、 その分光分析手段からの信号を入力して演算処理する演
    算手段と, 主バーナ火炎ならびに二段燃焼用空気孔火炎の発光スペ
    クトル特性と燃焼状態との関係を予め記憶しておく記憶
    手段とを備え、 前記分光分析手段によつて検出される主バーナ火炎なら
    びに二段燃焼用空気孔火炎からの発光スペクトル強度
    と、前記記憶手段に記憶されている主バーナ火炎ならび
    に二段燃焼用空気孔火炎の発光スペクトル特性とを比較
    して、当該火炎の状態を診断するように構成されている
    ことを特徴とする燃焼診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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