JP3058291U - 合併処理用の分離膜式角形浄化槽 - Google Patents

合併処理用の分離膜式角形浄化槽

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誠泰 柴
佳臣 松本
寛 大高
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東海工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曝気効率が高く、装置設置効率の高
い、分離膜モジュールを内蔵したFRP製合併処理用の
角形浄化槽を提供する。 【解決手段】 浄化槽の槽本体を断面形状が角形の槽
体とし、槽本体はFRP製の下槽部と上槽部を接合して
構成し、槽内に角形状の補強体を設け、隔壁により嫌気
的処理槽と好気的処理槽を区画し、好気的処理槽に分離
膜モジュールを内蔵する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、し尿と生活雑排水を合併して嫌気的および好気的に処理するための 合併処理用分離膜式角形浄化槽に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、し尿と生活雑排水を合併して処理する合併浄化プロセスとして、最もコ ンパクトでかつ高度処理可能であり、多くの実績を有するものは、大型の沈殿槽 による汚泥の分離が不要になる分離膜モジュールを内蔵した浄化槽であり、これ に関し種々の提案がなされている。しかしながら、分離膜モジュールを繊維強化 プラスチックス( 以下、FRPと称する。)製の槽本体に内蔵する場合は、槽本 体は現実的に丸形タイプのものに限られていた。
【0003】 これは、ほとんどの浄化槽が水位差の確保および環境美化の観点から地中に埋 設設置されるのが常であるところ、浄化槽を地中埋設して処理汚水を満たした場 合は、浄化槽本体にかなり大きな土圧( 外圧 )や水圧( 内圧 )が加わるので、槽 体はこの土圧や水圧に耐えうるだけの相当大きな機械的強度を具備する必要があ り、その点から、必然的に、FRPで形成される浄化槽本体は、可能な限り球状 や円筒状の近い形、すなわち丸形タイプの槽にせざるを得なかったのである。
【0004】 特に、数十人〜数百人用のし尿や生活雑排水を処理する大型・長大な槽につい ては、強度上の大きな不安があるため、基本的に長い円筒状の槽体の両開口部を 彎曲状の鏡板で閉じた丸型タイプのもの以外は現実には実施されていない。
【0005】 しかしながら、本考案者らの認識によれば、このような丸形タイプの浄化槽は 、槽壁面が大きく彎曲しているため、その形状の点から接触曝気槽の効率が悪く 、また分離膜モジュールの設置効率も低い。従って、デッドスペースができて、 必要以上に槽容量が大きくなり、結局浄化槽の設置面積が極めて大きくならざる を得ないと云う構造的な問題がある。
【0006】 浄化槽は通常無人運転されるものであり、地中に埋設した大型の浄化槽が、万 一運転中に土圧や水圧で破裂したり亀裂が入って、大量の汚水が流出し、土中に 浸透したり、汚水が無処理のまま河川に流れ出たような場合は、環境保全上大き な問題となるため、従来、強度的に不安がある比較的大型・長大な角形浄化槽は そもそも提案さえされなかったと考えられる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の目的は、曝気効率が高く、装置設置効率の高い、分離膜モジュールを 格納内蔵した、FRP製の角形合併浄化槽を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案に従えば、浄化槽の槽本体が、縦断面及び横断面形状が略角形の槽体か らなり、 前記槽本体は、いずれも繊維強化樹脂により形成された下槽部と上槽部とが接 合して構成され、 前記槽本体内部には、槽内壁を支える角形状の補強体が少なくても一か所に設 けられ、さらに 前記槽本体には、隔壁により区画された複数の処理槽が形成され、 少なくともその処理槽の一つは嫌気的処理槽、他の一つは好気的処理槽であり 、前記好気的処理槽には、汚泥を分離するための分離膜モジュールが内蔵されて いることを特徴とする合併処理用の分離膜式角形浄化槽、が提供される。
【0009】 また、本考案に従えば、浄化槽の槽本体が、縦断面及び横断面形状が略角形の 槽体からなり、 前記槽本体は、いずれも繊維強化樹脂により形成された下槽部と上槽部とが接 合して構成され、 前記槽本体内部には、槽内壁を支える角形状の補強体が少なくても一か所に設 けられている二つの槽本体からなり、 前記槽本体の一つは、嫌気的処理槽、他の一つは好気的処理槽であり、両者は 流路で接続されるとともに、前記好気的処理槽には、汚泥を分離するための分離 膜モジュールが内蔵されていることを特徴とする合併処理用の分離膜式角形浄化 槽、が提供される。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本考案の好ましい実施の形態について説明する。
【0011】 図1および図2は、本考案の浄化槽の槽本体を一部を切り欠いて透視的に示す 斜視図であり、図3は、本浄化槽に分離膜モジュールを内蔵し処理水を満たした 状態を示す説明図である。
【0012】 図1に示すように、浄化槽の槽本体10は、その縦断面および横断面形状が略 角形の槽体である。従って、本考案における角形の槽は、実質的に彎曲のない平 らな壁面からなる槽体である。基本的には槽体の6面すべてが彎曲の無い平面部 からなるものが最も好ましいが、槽内部に水を満たしたとき、少なくとも水に接 触する部分( 水面下の部分 )が実質的に彎曲のない平面部からなるものであれば よい。従って、図3に示すごとく、水面に触れない上部( 肩部 )12に多少の彎 曲が存在するものであってもよい。このような槽体上部に彎曲部を設けておくこ とにより、槽本体に水を満たしたとき、水の重量により槽全体が下方に歪むのを 有効に抑えることができる。なお、隣り合う壁面と壁面との境界線( 陵線 )は多 少の丸み( アール )を保持していてもよい。
【0013】 この槽本体10は、FRP製の有底の下槽部15と、上槽部20とを、フラン ジ部25で接合して構成されている。通常このフランジ部25は、槽本体と同じ FRP製フランジであって、ボルトで強固に固定される。フランジ部間にはシー リング材またはパッキングとして、通常ガスケットやパテ等が充填される。その 際、さらに接着剤をフランジ面に塗布することも好ましい。
【0014】 地中に埋設し、処理液を満たした場合の、槽本体の受ける水圧、土圧に対する 強度および作業性を考慮して、下槽部の高さ、すなわちフランジの位置h1 は、 槽本体高さH (下槽部高さh1 +上槽部高さh2 )の1/2〜3/4であること が好ましく、特に好ましくは2/3程度である( 図3 )。
【0015】 本考案における槽本体としては、高さ1000〜3000mmH、幅1000 〜3000mmD、長さ2000〜15000mmL程度のかなりの大容量もの に適用可能であり、例えば、一例として、高さ2700mmH×2300mmD ×10000mmLのサイズのものが挙げられる。
【0016】 槽本体をFRPで形成する手段としては、通常用いられているものが採用でき る。すなわち、下槽部または上槽部に対応する鋼板製、木製、若しくはFRP等 で形成した型を準備し、離型剤を塗った該型の表面に、繊維強化材のマットやク ロスなどの液状樹脂を含浸させながら、所望の厚さになるまでハンドレイアップ 法により積層する。または、ガラスロービングを切断して樹脂とともに吹き付け るスプレーアップ法によってもよい。樹脂の硬化後に離型することにより槽体が 得られる。なお、使用する型の上部の肩( バンク )の部分に積層した樹脂部分が フランジとなるので、この方法によればFRP製のフランジを槽体の開口部周縁 に一体的に備えた上槽部および下槽部が容易に形成される。この点において、従 来の丸形タイプのFRP浄化槽が、円筒の型の回りに樹脂含浸ロービングを巻き 付けるフィラメントワインデング法で一体的に形成されているのとは大きな差異 がある。
【0017】 槽本体内部には、少なくとも一か所に補強体が設けられる。補強体としては、 該槽本体外部からこれを押しつぶすように加わる土圧等の外圧や、内部に処理水 を満たした場合の処理水重量により槽が下方に撓み変形するのに抗し、槽本体内 壁に密着して、この槽形状を保持するように内部から支えうるものであれば、そ の形状は問わないが、好ましくは図1に示すような、角形状の補強体30,30 ’,・・・が望ましい。それぞれの補強体中には、処理水の自由な流通を確保す るための流路を形成する複数の開口部33,33’,33’’,・・・が設けら れる。
【0018】 このような角形状補強体を形成する材質は任意であるが、例えばFRPで製造 することが好ましい。この場合、角形の形状に相当する型枠を準備し、この型枠 の中に開口部33,33’,33’’,・・・に相当する部分にそれぞれ柱状体 を配置する。該型枠中にハンドレイアップ法やスプレーアップ法により樹脂を積 層し、樹脂が硬化後に型枠および柱状体を離型することにより、複数の開口部を 備えた角形状の補強体が得られる。FRP樹脂層の厚みは、5〜15mm、好ま しくは7〜12mm程度である。
【0019】 なお所望により、さらに強度を上げるため、この角形状補強体の開口部に、棒 状ないしは板状の補強片が、かすがい状にはめ込まれていてもよい。
【0020】 上記補強体は、槽本体内部に槽本体長手方向に沿って、1200〜1800m m以内に一個は設けるのが好ましく、最も好ましくは1400〜1600mm以 内に一個を配設することである。
【0021】 また所望により、下槽部外周部にさらに補強部35を設けてもよい。通常補強 部は帯状の補強体であり、角形または丸型のパイプを下槽部外周部に巻き付ける ことにより形成される。パイプは樹脂製でもよいが好ましくは鉄製等金属製のパ イプである。さらにこのパイプの上から、FRP樹脂層を数回重ねて塗って補強 することも好ましい。このような帯状の補強部を槽周囲に設けることにより、槽 本体内部に処理液が導入された場合、処理液の重量により、下槽部の内壁が槽内 側から水圧で外方に加圧され、槽が望まざる態様で膨張するのを抑えることがで きる。なお、65はマンホールである。
【0022】 本考案の槽本体は、隔壁により区画されて複数の処理槽を形成する。図1にお いて、40が隔壁であって、これにより複数の処理槽43、45が形成される。 かくして形成された処理槽の一つ、例えば43は嫌気的処理槽であり、他の一つ 45は好気的処理槽である。
【0023】 隔壁40は処理プロセスに応じて複数個設け、より多くの処理槽を形成するこ とも可能である。隔壁は基本的には、角形状の補強体と同様にして、FRPで形 成することが好ましい。また、隔壁自体が補強手段を有していてもよく、例えば 図示したごとき棒状または板状等の補強片41,41’,41’’,・・・を複 数個、例えば平行に配設することができる。
【0024】 なお、隔壁により処理槽を区画した場合、隣り合う槽間の処理水の移動は、ポ ンプ等の機械的送液手段によってもよいが、通常は隔壁上部に設けられた堰若し くは開口部(図示せず)等を通して行われる。
【0025】 本考案においては、図1に示すように、かくして形成した好気的処理槽45に 、汚泥を分離するための分離膜モジュール50が内蔵される。
【0026】 好気的処理槽45は、空気または酸素を曝気して槽内を好気的状態に保持しな がら汚泥を浮遊させ、好気性細菌( 例えば硝化細菌 )により酸化分解反応( この 場合は硝化反応 )を行わせる槽である。硝化反応により、汚水中のアンモニア性 窒素は亜硝酸または硝酸にまで硝化される。曝気装置としては、散気管、ディフ ューザ、スパージャ等が使用される。この意味で好気的処理槽は、硝化槽または 曝気槽とも称される。硝化反応後の亜硝酸または硝酸を含有している処理液は、 後記する脱窒槽に循環される。
【0027】 分離膜モジュール50としては、特に限定するものではなく、一般的に使用さ れているものがいずれも好適に適用できる。中でも好ましい分離膜モジュールは 、表面に濾液の流路となる溝を形成した膜支持体の両面にスペーサを介して平膜 状の濾過膜を接着した平板状の膜ユニットを複数準備し、これを上下が開口して いる箱型のケーシング内に、上下方向に適当な間隔をもって並列に配設した外形 箱型のものである。この箱型の分離膜モジュールは、散気装置を備えた好気的処 理槽の活性汚泥を含んだ液中に浸漬される。散気装置は通常分離膜モジュールの 下部に設けられるが、この分離膜モジュールの内部、特にその下部に散気装置を ユニットとして組み込んで散気装置付の分離膜モジュールとすることも可能であ る。
【0028】 図3は、本考案の角形槽10に、処理水が満たされた状態で分離膜モジュール 50を内蔵した状態を示す説明図である。この場合は、散気装置が該モジュール 中に組み込まれた状態を示す。
【0029】 モジュール中の各膜ユニットの内側流路は吸引管に接続されており、減圧ポン プ等で吸引負圧を与えることにより、処理水は分離膜を透過し、活性汚泥や凝集 汚泥と濾過分離されて透過水として系外に引き出される。透過水はそのまま、好 ましくは消毒されて河川等に放流される。汚泥と処理液の分離を、従来のごとく 重力を利用した自然沈殿槽により行う場合は、槽体の容積は相当大きくならざる 得なかったが、分離膜モジュールによれば、固液分離処理が極めて高効率で行え るので、槽容積はコンパクトとなり、かつ、槽内の汚泥濃度を高く保持できるの で、好気的処理も効率よく行えるという利点を有する。
【0030】 分離された活性汚泥すなわち余剰汚泥は、常用されるエアリフトの如き汚泥移 送手段により、後記する嫌気的処理槽に、またはその沈殿分離槽好ましくは第一 沈殿分離槽に送られる。なお、分離膜モジュールに使用する分離膜としては、箱 型のケーシング内に配設されるものであれば、所謂平膜のみならず中空糸膜でも コルゲート膜でも構わない。
【0031】 図1においては、好気的処理槽45には、一個の分離膜モジュール50が内蔵 されているが、モジュールの数は処理汚水量に応じて、任意に増加させることが 可能である。
【0032】 図2は、より大きい好気的処理槽45において、多数の分離膜モジュール50 ,50’,50’’,50''' ,50'''',・・・を並列して配設したものであ る。
【0033】 図1〜図2は一つの槽本体内部を隔壁で区画し、各区画を、嫌気的処理槽およ び好気的処理槽とするものであるが、処理汚水量がさらに多くなった場合は、二 つの槽本体を準備し、例えば一槽を嫌気的処理槽、もう一槽を好気的処理槽とす ることも可能である。この場合は、さらに多数の分離膜モジュールが該好気的処 理槽内に内蔵されることになる。
【0034】 一方、本考案においては、隔壁により好気的処理槽45とともに、嫌気的処理 槽43が形成される。
【0035】 嫌気的処理槽は、槽内を無酸素または低酸素状態( 嫌気的状態 )に保持しなが ら、嫌気性細菌( 例えば脱窒素菌 )により分解反応( この場合は脱窒素反応 )を 行わせる槽である。脱窒素反応( 以下脱窒反応と云う )により、亜硝酸または硝 酸は、窒素ガスにまで還元される。嫌気的処理槽には、当然のことながら、曝気 装置は必要なく、通常、嫌気性固定床や嫌気性流動床、または緩い機械的攪拌若 しくはガス攪拌を伴う攪拌槽型とするが、攪拌手段のない静止型の沈殿分離槽と することも可能である。この意味で嫌気性処理槽は脱窒槽または沈殿分離槽と称 される。なお、区画して構成された嫌気性処理槽を、隔壁により更に区画し、第 一槽を第一沈殿分離槽、第二槽を第二沈殿分離槽とし、この第一沈殿分離槽では 、流入汚水中のチリ紙、糸くず、繊維、泥等の固形物が、余剰汚泥または好気性 処理槽からの返送汚泥とともに、沈殿分離が行われるようにし、第二沈殿分離槽 では主として脱窒反応等の嫌気性反応を行わせるようにしてもよい。この場合は 、第二沈殿分離槽においては緩い攪拌手段を適用することが好ましい。
【0036】 すでに述べたように、処理汚水の量が多くなった場合は、槽本体を二槽準備し 、一槽は多数の分離膜モジュールを格納配置する好気的処理槽とし、もう一槽は 嫌気的処理槽とすることができる。上記したごとく、この嫌気性処理槽を隔壁に より更に区画し、第一槽を第一沈殿分離槽、第二槽を第二沈殿分離槽としてもよ い。
【0037】 以下、本考案の浄化槽を使用する実施例について簡単に述べる。
【0038】 図4は、本考案の角形浄化槽を一槽使用する例であり、図5はこれを二槽使用 する例である。
【0039】 図4において、10は角形の槽本体であり、これを隔壁40により区画し、嫌 気的処理槽43および好気的処理槽45が形成されている。本例では嫌気的処理 槽43は主として脱窒槽として、好気的処理槽45は硝化槽として作用する。こ こでは、嫌気的処理槽をさらに隔壁40’で区画し、第一沈殿分離槽43−1と 第二沈殿分離槽43−2が形成される。
【0040】 好気的処理槽45内には、曝気装置47が設置され、槽内が好気的雰囲気下に 保持されており、また、分離膜モジュール50が格納設置されている。
【0041】 処理汚水( 原水 )60は、脱窒槽43の第一沈殿分離槽43−1に流入し、こ こで流入汚水中の固形物は沈殿する。処理汚水は、隔壁40’上部に設けられた 堰または開口部等を通して第二沈殿分離槽43−2に移送される。ただし、汚水 中のアンモニア態窒素( NH4 + −N )は脱窒槽では処理されないでこれを素通 りして、さらに隔壁40を越えて硝化槽45に移送される。硝化槽45において は、好気性菌の硝酸菌が曝気装置からの曝気による好気性雰囲気下において活発 に働き、アンモニア態窒素( NH4 + −N )は亜硝酸態窒素( NO2 - −N) や 硝酸態窒素( NO3 - −N) にまで酸化され、また硝酸菌により汚泥が盛んに形 成され余剰汚泥が生じる。
【0042】 余剰汚泥は、エアリフト手段( 図示せず )等の汚泥移送手段により、硝化槽か ら流路53により抜き出され、返送汚泥として、好気的処理槽の第一沈殿分離槽 43−1に戻される。第一沈殿分離槽では、他の固形物とともに、返送汚泥が沈 殿分離され、排出口44から連続的または間欠的に抜き出されて焼却その他の適 当な手段で処理される。
【0043】 一方、硝化槽中の亜硝酸態窒素( NO2 - −N) や硝酸態窒素( NO3 - −N ) を含んだ硝化液は、流路55により抜き出され、脱窒槽(第一分離槽)43− 1に循環させられる。この硝化液は原水(処理汚水)と混合され、脱窒菌は、原 水中の有機物を主たる水素供与体として、亜硝酸または硝酸を水素と反応させ窒 素まで還元することにより、脱窒が行われる。
【0044】 以上のごとくして、脱窒槽と硝化槽を組合せ、硝化液の循環量と返送汚泥量を 最適に制御することにより、ほぼ完全な硝化、脱窒を行うことができる。この状 態において分離膜モジュール50から、汚泥と分離されて浄化された処理水57 が抜き出される。処理水は通常そのまま河川に放流可能であるが、必要があれば 適当に消毒してから放流することも可能である。
【0045】 図5の槽本体を二槽使用する場合も、基本的には図4の一槽使用の場合と変わ らない。ただし、脱窒槽と硝化槽を区画する隔壁を設ける代わりに、脱窒槽とし て一槽、硝化槽として一槽、別々の槽本体を使用する点、この二槽の間が、堰等 でなく流路63で接続されている点、および硝化槽にさらに多数の分離膜モジュ ール50,50’,50’’,50''' ,・・・が内蔵されている点が異なるだ けであるため、詳しい説明は省略する。
【0046】 なお、これ以外にも処理汚水の流量や成分に応じて種々の変形が可能であり、 例えば嫌気性槽と好気性槽の組合せの順序も、第一槽を好気性槽とし第二槽を嫌 気性槽とすることもできる。
【0047】
【考案の効果】
(1) 本考案の角形浄化槽は、槽内に被処理液が満たされた場合、少なくとも液 面まで、すなわち液が接触している槽の内壁部が、すべて実質的に平面部で構成 されている角形槽である。したがって、好ましくは角形の分離膜モジュールを、 同じく角形の槽に内蔵することができるため、デッドスペースは無く、膜面積を 有効に活用できて、極めて効率的かつコンパクトな合併処理浄化槽とすることが 可能である。
【0048】 (2) 本考案の角形浄化槽の槽本体は、丸形槽と比較して、地下に埋設する場合 に大きな施工上の差異を生ずる。
【0049】 基本的に、従来の丸形槽( 例えば横断面径2500mmφ )と本考案の角形槽 ( 例えば横断面2300mmH×2300mmD )に、同水位( 例えば2250 mmH )まで水を満たした場合で比較すると、容易に理解されるように、本考案 の角形槽の槽断面積は約20%大きくなる。従ってその分槽長が短くなり、幅も 少ないので、以下のように設置面積および掘削量が少なくてすむ。
【0050】 従来の丸型槽では、設置面積および掘削量が多いのみならず、きわめて多量の 埋め戻しを必要とする。すなわち、必要の無い部分を掘った上、再び埋め戻さざ るを得ないので作業量および作業時間上、非常に無駄な工事となる。しかも、槽 底部が丸いため、埋め戻しずらく、これを二槽並列に並べる場合はさらに作業は 困難となり、しかも危険を伴う。
【0051】 これに対し、本考案の角形槽を地下に埋設する場合は、この角形槽とほぼ同じ 容積・形状の設置穴を掘削すればよいため、残土や埋め戻し量はほとんど無く、 また丸形槽では必須の底部の台座も不要である等、丸形槽を設置する場合に比較 して、作業量および作業時間が大幅に短縮される。
【0052】 なお、さらに付け加えれば、マンホール等が孔設される槽体上部は、曲面がほ とんど無いため、機器の据え付け・点検の際の足場の確保が容易であり、作業が 安全に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の浄化槽の槽本体を一部を切り欠いて透
視的に示す斜視図
【図2】本考案の浄化槽の槽本体を一部を切り欠いて透
視的に示す斜視図
【図3】本考案の角形槽に処理水が満たされた状態で分
離膜モジュールを内蔵した状態を示す説明図
【図4】本考案の浄化槽を一槽使用する排水処理のフロ
ーシート
【図5】本考案の浄化槽を二槽使用する排水処理のフロ
ーシート
【符号の説明】
10 浄化槽の槽本体 12 肩部 15 下槽部 20 上槽部 25 フランジ部 30,30’・・・角形状の補強体 33,33’,33’’,・・・ 開口部 35 補強部 40,40’ 隔壁 41,41’,41’’,・・・補強片 43 嫌気的処理槽、脱窒槽または沈殿分離槽 43−1 第一沈殿分離槽 43−2 第二沈殿分離槽 44 排出口 45 好気的処理槽または硝化槽 47 曝気装置 50,50' ,50’’,50''' ,・・・ 分離膜モ
ジュール 53 汚泥の返送流路 55 硝化液の循環流路 57 浄化された処理水 60 処理汚水( 原水 ) 63 二槽の連絡流路 65 マンホール H 槽本体高さ h1 下槽部高さ h2 上槽部高さ

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄化槽の槽本体が、縦断面及び横断面形
    状が略角形の槽体からなり、 前記槽本体は、いずれも繊維強化樹脂により形成された
    下槽部と上槽部とが接合して構成され、 前記槽本体内部には、槽内壁を支える角形状の補強体が
    少なくても一か所に設けられ、さらに前記槽本体には、
    隔壁により区画された複数の処理槽が形成され、 少なくともその処理槽の一つは嫌気的処理槽、他の一つ
    は好気的処理槽であり、前記好気的処理槽には、汚泥を
    分離するための分離膜モジュールが内蔵されていること
    を特徴とする合併処理用の分離膜式角形浄化槽。
  2. 【請求項2】 浄化槽の槽本体が、縦断面及び横断面形
    状が略角形の槽体からなり、 前記槽本体は、いずれも繊維強化樹脂により形成された
    下槽部と上槽部とが接合して構成され、 前記槽本体内部には、槽内壁を支える角形状の補強体が
    少なくても一か所に設けられている二つの槽本体からな
    り、 前記槽本体の一つは、嫌気的処理槽、他の一つは好気的
    処理槽であり、両者は流路で接続されるとともに、前記
    好気的処理槽には、汚泥を分離するための分離膜モジュ
    ールが内蔵されていることを特徴とする合併処理用の分
    離膜式角形浄化槽。
  3. 【請求項3】 下槽部と、上槽部が繊維強化樹脂製のフ
    ランジ手段でボルト接合されている請求項1または2記
    載の角形浄化槽。
  4. 【請求項4】 前記下槽部の高さは槽本体高さの1/2
    〜3/4の位置にある請求項1または2記載の角形浄化
    槽。
  5. 【請求項5】 嫌気的処理槽において脱窒反応が、好気
    的処理槽において硝化反応が行われ、好気的処理槽から
    硝化された処理液および活性汚泥の一部が嫌気的処理槽
    に循環され、さらに脱窒反応が行われる請求項1、2、
    3または4記載の角形浄化槽。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0518488U (ja) * 1991-08-09 1993-03-09 松下電器産業株式会社 電気洗濯機の蓋支持装置
JPH0539489U (ja) * 1991-10-30 1993-05-28 松下電器産業株式会社 洗濯機の蓋
JP2017031762A (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 下田エコテック株式会社 阻集器

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JPH0539489U (ja) * 1991-10-30 1993-05-28 松下電器産業株式会社 洗濯機の蓋
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