JP3057983B2 - ベルトプレス型脱水機の制御装置 - Google Patents

ベルトプレス型脱水機の制御装置

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JP3057983B2
JP3057983B2 JP5299327A JP29932793A JP3057983B2 JP 3057983 B2 JP3057983 B2 JP 3057983B2 JP 5299327 A JP5299327 A JP 5299327A JP 29932793 A JP29932793 A JP 29932793A JP 3057983 B2 JP3057983 B2 JP 3057983B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベルトプレス型脱水機の
制御装置に係り、特に、ベルトプレス型脱水機におい
て、濾布走行速度と汚泥供給量とを適正に制御すること
により、所定の処理量にて含水率の一定な脱水ケーキを
得ることを可能とする制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】汚泥脱水機として、走行する濾布の上に
汚泥を供給して重力濾過した後、更に2枚の濾布の間で
圧搾脱水するベルトプレス型脱水機が広く用いられてい
る。このようなベルトプレス型脱水機による汚泥の脱水
処理に当り、脱水機の安定運転を目的として、従来、各
種の制御装置が提案されている。
【0003】例えば、汚泥への凝集剤の薬注制御装置に
は精度の高いものが提案されており、重力濾過終了ゾー
ンのケーキ含水率(又は固形物濃度)を概略一定に保つ
ことが可能になってきている。また、汚泥供給量の制御
装置としては、汚泥濃度や重力濾過ゾーンのケーキ厚さ
を指標として制御するものが提案されている。更に濾布
走行速度の制御装置として、重力濾過ゾーンのケーキ厚
さを指標とするものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の汚泥脱水機の制
御装置では、脱水機の安全運転が目標であり、目標処理
量を達成するとともに脱水ケーキ含水率を安定化すると
いう高度な制御はできなかった。
【0005】これは、例えば、従来の汚泥供給量制御装
置では、汚泥供給ポンプ制御の精度及び追随性の限界か
ら、重力濾過終了ゾーンのケーキ厚さを高精度に一定に
保つことが困難であったことも原因の一つであるが、脱
水ケーキ含水率と重力濾過終了ゾーンのケーキ厚さ及び
濾布走行速度の関係が明確になっていなかったことが最
大の理由である。
【0006】本発明はこのような問題に着目してなされ
たものであって、脱水ケーキ含水率と重力濾過終了ゾー
ンのケーキ厚さ及び濾布走行速度の関係を明らかにし、
重力濾過ゾーンのケーキ厚さを指標として濾布走行速度
を制御するとともに、濾布走行速度をもとに汚泥供給量
を制御することにより、上記従来の問題を解決し、所定
の処理量にて含水率の一定な脱水ケーキを安定に得るこ
とを可能とするベルトプレス型脱水機の制御装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のベルトプレス型
脱水機の制御装置は、走行する濾布の上に汚泥を供給し
て重力濾過した後、得られたケーキを2枚の濾布の間で
圧搾脱水するベルトプレス型脱水機の制御装置におい
、前記重力濾過部のケーキ厚さの検出計と、濾布走行
速度の検出計と、該両検出計の検出値と予め設定された
目標汚泥処理量とから新たな濾布走行速度を算出すると
ともに、算出された濾布走行速度と、予め設定された濾
布走行速度の制御範囲とを比較する演算処理部と、該演
算処理部の出力に応じて濾布走行速度及び/又は汚泥供
給量を制御する制御部とを備えてなり、該制御部におい
ては、算出された濾布走行速度が予め設定された濾布走
行速度の制御範囲内であれば、濾布走行速度を変更し、
算出された濾布走行速度が予め設定された濾布走行速度
の制御範囲を外れる場合には、汚泥供給量を変更するこ
とを特徴とする。
【0008】
【作用】運転開始時に目標とする汚泥処理量を設定して
初期入力する。続いて、個々の脱水機に適した重力濾過
終了ゾーンのケーキ厚さの目標値を入力することによ
り、濾布走行速度制御範囲(上限値及び下限値)が設定
される。
【0009】運転を開始すると、原汚泥には薬注制御部
によって最適量の凝集剤が添加されて脱水機の重力濾過
ゾーンに供給され、重力濾過終了ゾーンでは概略一定含
水率(又は固形物濃度)の重力濾過ケーキとなる。
【0010】非接触型の超音波センサ等のケーキ厚さ検
出計を用いてそのケーキ厚さ(以後「重力濾過部高さ」
と称する場合がある。)を測定し、この測定値と、濾布
走行速度の検出計で測定された現在の濾布走行速度と
め設定した目標汚泥処理量とから、重力濾過部高さが目
標値になるように、新たな濾布走行速度を演算する。演
算された濾布走行速度が予め設定された濾布走行速度の
制御範囲内であれば、重力濾過部の高さが目標値となる
ように濾布走行速度を変更する。濾布走行速度の目標値
が制御範囲を外れる場合には、濾布走行速度が制御範囲
内に戻るように汚泥供給量を変更する。
【0011】これら一連の動作により重力濾過部高さは
目標値に制御され、また、濾布走行速度は制御範囲内で
移動を続ける。そして、濾布走行速度と汚泥供給量の変
更によって、重力濾過部高さが一定で、かつ濾布走行速
度が制御範囲に保たれることで、処理量と脱水ケーキ含
水率が安定化する。
【0012】なお、脱水ケーキ含水率の一定化をさらに
追及するためには、含水率計等を用いて重力濾過ゾーン
ケーキ厚さの目標値を積極的に補正すれば良い。
【0013】
【実施例】以下に本発明のベルトプレス型脱水機の制御
装置を図面を参照して詳細に説明する。第1図は本発明
の一実施例に係るベルトプレス型脱水機の制御装置の構
成を示す系統図である。
【0014】図中、1は撹拌機1Aを備える凝集混和槽
であり、原汚泥ポンプP1 を備える配管11より原汚泥
が導入される。この配管11には薬注ポンプP2 を備え
る配管12が接続され、原汚泥に凝集剤が注入されるよ
うに構成されている。
【0015】凝集混和槽1で凝集処理された凝集汚泥は
配管13よりベルトプレス型脱水機の濾布2A上の重力
濾過ゾーン3に供給され重力濾過後、モーターMで走行
する濾布2A,2B間で圧搾脱水され、脱水ケーキとし
て排出部4より排出される。
【0016】5は制御装置であり、薬注制御部6と脱水
制御部7とを備える。8は脱水機2の排出部4より排出
される脱水ケーキの含水率を測定する含水率計である。
薬注制御部6は薬注ポンプP2 の制御信号を出力する。
また、脱水制御部7は配管11の原汚泥流量、ベルトプ
レス型脱水機の重力濾過ゾーン3のケーキ厚さ、濾布走
行速度、及び、脱水ケーキの含水率が入力される一方、
原汚泥ポンプP1 ,凝集混和槽1の撹拌機1Aの回転数
及びベルトプレス型脱水機2のモーターMによる濾布走
行速度の制御信号を出力する。
【0017】このようなベルトプレス型脱水機の制御装
置により脱水制御を行なうには、まず、運転開始時にお
いて目標とする汚泥処理量を初期入力する。続いて、個
々の脱水機に適した重力濾過終了ゾーンのケーキ厚さ目
標値を入力することにより、濾布走行速度の制御範囲
(上限値及び下限値)を設定する。
【0018】原汚泥は薬注制御部6によって最適量の凝
集剤を添加されて配管11より凝集混和槽1に導入さ
れ、凝集撹拌された後、凝集汚泥は配管13より脱水機
2の重力濾過ゾーン3に供給される。凝集汚泥は重力濾
過ゾーン3で重力濾過され、概略一定含水率(又は固形
物濃度)の重力濾過部ケーキとなる(このとき、凝集混
和槽1の撹拌機1Aの回転数を固形物負荷に応じて制御
することにより重力濾過部ケーキの含水率をより一層安
定化することができる。)。
【0019】この重力濾過部ケーキの厚さ、即ち、重力
濾過部高さは、例えば、図示しない非接触型の超音波セ
ンサーを用いて測定する。この測定値と濾布走行速度の
測定値は脱水制御部7に入力される。脱水制御部7にお
いては、まず、重力濾過部ケーキ厚さの測定値と重力濾
過部高さの目標値との比較が行なわれる。この比較によ
り求まった差と濾布走行速度の測定値から、重力濾過部
高さが目標値になるような新たな濾布走行速度を演算す
る。
【0020】演算された新たな濾布走行速度が予め設定
された濾布走行速度の制御範囲内であれば、そのまま重
力濾過部厚さが目標値となるように濾布走行速度を変更
する。濾布走行速度が制御範囲を外れる場合には、濾布
走行速度が制御範囲内に戻るように汚泥供給量を変更す
る。
【0021】一連の動作により重力濾過部高さは目標値
に制御され、濾布走行速度は制御範囲内で制御される。
この結果、処理量は概略目標値に一定に保たれ、脱水ケ
ーキ含水率も安定化する。
【0022】本実施例においては、更に、市販の含水率
計8を用いて、重力濾過部高さの目標値と濾布走行速度
の制御範囲の組み合わせを変更することで、最終的に得
られる脱水ケーキ含水率を目標値に制御している。
【0023】以下に、本発明のベルトプレス型脱水機の
制御装置による制御機構についてより詳細に説明する。
【0024】 処理量を一定に保つ考え方の説明 処理量、汚泥濃度、汚泥供給量、重力濾過部高さ、重力
濾過部固形物濃度、濾布走行速度の関係は下記式で示さ
れる。
【0025】
【数1】
【0026】なお、重力濾過部幅とは重力濾過部ケーキ
の幅を示す。処理量は、汚泥濃度と汚泥供給量で決定さ
れる。汚泥供給量は操作可能であるが、汚泥濃度の変化
をとらえることが困難であるために、汚泥濃度の変化に
よって処理量が変化してしまうのが現状であった。一
方、重力濾過部の固形物濃度は、高精度の薬注制御装置
で薬注を適切に行なうことによってほぼ一定値にできる
ようになった。従って、薬注制御が適切に行なわれてい
れば、重力濾過部固形物濃度を一定値として扱える。重
力濾過部の幅は一定であるから、重力濾過部固形物濃度
と重力濾過部幅の積は定数として扱うことができる。
【0027】この時、上記式より重力濾過部高さと濾布
走行速度の積は処理量と比例関係にあることがわかる。
従って、次の2種類の手法で処理量を検知することがで
きる。また、汚泥供給量、重力濾過部高さと濾布走行速
度から汚泥濃度を推定することも可能である。 a.第2図に示す如く、濾布走行速度を一定にすれば、
ケーキ10の重力濾過部高さの増減で処理量の増減を検
知することができる。 b.第3図に示す如く、重力濾過部高さが一定になるよ
うに常に濾布走行速度を動かしていれば、処理量の変化
は濾布走行速度の変化として現われるので、濾布走行速
度で処理量の変化を検知することができる。
【0028】このa,bから反対に、処理量の目標値を
決定すれば、重力濾過部高さと濾布走行速度の積の目標
値が決まる。積の目標値を得るための重力濾過部高さと
濾布走行速度の関係は積一定の関係、即ち双曲線にな
る。
【0029】第4図に処理量目標値120kgTS/m
hのときの濾布走行速度と重力濾過部高さの関係の例を
示す。濾布走行速度と重力濾過部高さの組み合わせが曲
線上にあるとき、目標の処理量が得られる。よって、こ
れらの組み合わせがこの曲線上になるように次の2種類
の手法で汚泥供給量を制御すれば、目標の処理量を維持
できる。 i. 処理量の目標値を決定し、濾布走行速度を固定す
る。計算によって重力濾過部高さ目標値は自動的に決定
される。重力濾過部高さが目標値に一致するように汚泥
供給量を制御すれば、目標の処理量が得られる。 ii. 処理量の目標値を決定し、重力濾過部高さ目標値を
決定する。計算によって濾布走行速度の目標値が自動的
に決定される。重力濾過部高さが常に目標値に一致する
ように濾布走行速度を制御しておく。濾布走行速度が目
標値に一致するように汚泥供給量を制御すれば目標の処
理量が得られる。
【0030】上記iとiiの手法は目的に応じて使い分け
ることができる。単に処理量を概略一定にする目的のた
めにはiの手法が簡便で扱い易い。しかし、ケーキ含水
率を安定化することを考えた場合には、汚泥供給量より
も濾布走行速度の方が実機の制御の応答が速くかつ精度
が高いために、iiの手法が優れている。これは、後述の
如く、重力濾過部終了部のケーキ厚さは脱水ケーキ含水
率に与える影響が大きいので、ケーキ含水率を操作する
ためには厚さを正確に一定に保つ必要があるからであ
る。
【0031】 一定の処理量を得るための実際のプロ
セスの説明 処理量を制御するためには汚泥供給量の変更が必要であ
る。しかし、原汚泥ポンプの吐出量を変更する際に、吐
出量を安定して高精度に保つことは制御の負担が高く、
1m3 /hより細かい調整は困難である。また、凝集状
態の安定化のためにも汚泥供給量の頻繁な変更は好まし
くない。従って、汚泥供給量の変更を頻繁に必要とする
ことがないように、1m3 /h程度の幅で段階的に汚泥
供給量を変更する方法が適している。
【0032】処理量を目標値に一致させる手法には、
で述べたように、2種類の手法がある。段階的に変更す
るに当たっては濾布走行速度の制御を組み合わせたの
iiの手法が適している。
【0033】汚泥供給量を段階的に変更するためには、
段階的変化を吸収するように、目標とする処理量に一定
の幅をもたせる必要がある。即ち、目標処理量の上限値
と下限値を設定してその範囲内に維持するように制御を
行なうことになる。
【0034】まず、目標処理量の下限値と上限値を設定
する。次に重力濾過部高さ目標値を決定すると、予め設
定した重力濾過部固形物濃度から計算して目標処理量の
上限値及び下限値に相当する濾布走行速度の上限値及び
下限値が得られる。
【0035】第5図に示すように、濾布走行速度が計算
結果の下限値で、ケーキ10の重力濾過部高さが目標値
に一致している状態が処理量の下限値(A)に相当す
る。濾布走行速度が計算結果の上限値で重力濾過部高さ
が目標値に一致している状態が処理量の上限値(A+
B)に相当する。従って、濾布走行速度が濾布走行速度
の上限値と下限値との間の範囲内にあり、重力濾過部高
さが目標値に一致していれば、処理量は目標とする範囲
内(A<処理量<A+B)にあることになる。
【0036】汚泥供給量には、段階的変更のためのテー
ブルを、例えば表1に示す如く予め設定しておく。ま
た、濾布走行速度は濾布走行速度上下限値の範囲内で操
作する。重力濾過部高さを測定し、重力濾過部高さが目
標値に一致するように濾布走行速度の変更を行なう。汚
泥濃度が低く重力濾過部高さが目標値よりも低い場合に
は、濾布走行速度を次第に低下させて重力濾過部高さを
増加させる。
【0037】
【表1】
【0038】汚泥濃度が低く、現在の汚泥供給量で目標
の処理量が得られない状態では、重力濾過部高さが目標
値に達する前に濾布走行速度が下限値に達する。この場
合には、第6図(a)に示す如く、汚泥供給量を一段階
増量する。増量によって目標の処理量が得られれば、重
力濾過部高さは目標値以上となり、濾布走行速度は下限
値より上に戻って安定する。
【0039】逆に、汚泥濃度が高い場合には、重力濾過
部高さが目標値に達する前に濾布走行速度が上限値に達
する。この場合には、第6図(b)に示す如く、汚泥供
給量を一段階減量する。減量によって目標の処理量が得
られれば、重力濾過部高さは目標値以下となり、濾布走
行速度は上限値より下に戻って安定する。
【0040】一段階の増減量で目標の処理量が得られな
い場合には、重力濾過部高さは目標値に届かず、更に一
段階増減量する。これらを繰り返すことによって、目標
の処理量の得られる汚泥供給量が選択される。そして濾
布走行速度は、重力濾過部高さが目標値に一致する定常
状態で安定する。
【0041】以上のプロセスは次のように要約される。
重力濾過部高さは、濾布走行速度の増減によって常に目
標値に保たれる。濾布走行速度が上下限値に達したと
き、即ち汚泥濃度が変化して処理量が目標の範囲を外れ
るときには、汚泥供給量を変更して処理量を維持する。
結果的に処理量と重力濾過部高さがほぼ一定に保たれ
る。
【0042】 ケーキ含水率を制御する考え方 脱水ケーキの含水率は、脱水機の運転管理上重要な項目
である。即ち、後段の焼却工程との関係から、脱水ケー
キ含水率が変動することが好ましくないからである。脱
水ケーキの含水率は凝集剤の添加量とも関係している
が、凝集剤が最適に添加されていても汚泥性状によって
大きく変動する。
【0043】第7図に汚泥供給量、濾布走行速度一定の
条件下での汚泥濃度とケーキ含水率の関係を示す。一般
に、濃縮性の悪化した薄い汚泥では脱水ケーキ含水率は
上昇し、雨天後のような高濃度の汚泥では逆に下がり過
ぎてしまう傾向がある。
【0044】こうした汚泥性状による変動を小さくし、
一定の含水率の脱水ケーキを得るために、脱水機の運転
状態と脱水ケーキ含水率の関係を調査した。
【0045】第8図に濾布走行速度一定で汚泥供給量を
変更したときの重力濾過部高さとケーキ含水率の関係を
示す。第8図より明らかなように、同一の汚泥では重力
濾過部高さを高くするほど脱水ケーキ含水率が低下する
傾向がある。
【0046】従って、脱水ケーキ含水率の変動を小さく
するためには含水率の下がりにくい汚泥に対して重力濾
過部高さを高くし、含水率の下がりすぎる汚泥に対して
重力濾過部高さを低くする制御を行なうことが有効であ
る。
【0047】重力濾過部高さは汚泥濃度の変化に比例し
ているため、通常運転で濾布走行速度及び汚泥供給量一
定で運転した場合には、低濃度の時高さが低く高濃度の
時高さが高い状態になる。従って、前述ののプロセス
のように、重力濾過部高さが一定になるように制御を行
なうことは、ケーキ含水率の下がりにくい低濃度汚泥に
対して重力濾過部高さを増加させることになり、ケーキ
含水率を低下させる効果がある。反対にケーキ含水率の
下がり過ぎる高濃度汚泥に対しては、重力濾過部高さを
低下させてケーキ含水率の下がり過ぎを押さえる効果が
ある。
【0048】以上の効果によって、のプロセスで制御
すると一定の処理量が得られるのみならず、脱水ケーキ
含水率の変動をも押さえることができる。
【0049】 脱水ケーキ含水率をさらに効果的に制
御する方法の説明 重力濾過部高さは脱水ケーキ含水率に与える影響の大き
い因子であるが、濾布走行速度もまた大きな影響力を持
つ。第9図に重力濾過部高さが一定になるように汚泥を
供給したときの、濾布走行速度とケーキ含水率の関係を
示す。第9図より明らかなように、同一の汚泥では濾布
走行速度を遅くするほど脱水ケーキ含水率が低下する傾
向がある。
【0050】従って、脱水ケーキ含水率の変動を小さく
するためには含水率の下がりにくい汚泥に対して濾布走
行速度を遅くし、含水率の下がりすぎる汚泥に対して、
濾布走行速度を速くする制御を行なうことが有効であ
る。
【0051】しかし、のプロセスでは濾布走行速度が
上下限値で限定され、濾布走行速度変更の効果をケーキ
含水率に十分に与えることができない。そこで、のプ
ロセスに更に濾布走行速度上下限値の補正を組み合わせ
るのが有効である。
【0052】市販の含水率計を用いて脱水ケーキの含水
率を測定し、予め設定した目標含水率よりも測定値が高
いときには濾布走行速度上下限値を低くする補正を行な
う。反対に測定値が低すぎるときには、濾布走行速度上
下限値を高くする補正を行なう。
【0053】ところで、のプロセスは濾布走行速度と
重力濾過部高さの積を一定にすることで成り立ってい
る。積を一定にするときの濾布走行速度と重力濾過部高
さの関係は第4図のような双曲線であった。そして、濾
布走行速度と重力濾過部高さの組み合わせが双曲線上に
なるように、汚泥供給量と濾布走行速度を制御すること
で処理量を一定に維持できるというものである。
【0054】従って、濾布走行速度上下限値を補正する
だけでは、濾布走行速度と重力濾過部高さの組み合わせ
が、第4図の双曲線を外れて行き、処理量が変化してし
まう。そこで、濾布走行速度上下限値を補正するとき、
同時に重力濾過部高さ目標値の補正を行なう必要があ
る。
【0055】処理量が変化しない濾布走行速度上下限値
と重力濾過部高さ目標値の関係が第4図であるから、補
正後も濾布走行速度上下限値と重力濾過部高さ目標値が
双曲線を外れないように補正を行なう。例えば、濾布走
行速度上下限値を下げるためには同時に重力濾過部高さ
目標値を増やす必要があることがわかる。
【0056】処理量を一定にするために、重力濾過部高
さ目標値と濾布走行速度上下限値の両方を同時に変更す
ると、ケーキ含水率を一定にする意味で双方が同じ方向
に向かう作用を持ち相乗効果をもたらす。即ち、重力濾
過部高さを増やして濾布走行速度を下げることは、重力
濾過部高さと濾布走行速度の両方の効果でケーキ含水率
を下げることになる。ケーキ含水率の下がりにくい汚泥
に対して、のプロセスよりもより積極的に重力濾過部
高さを高くして制御することが、第10図からわかる。
第10図において、双曲線の左寄りはケーキ含水率を下
げる効果の大きい組み合わせ、右寄りが下がり過ぎを防
ぐ効果の大きい組み合わせになっている。このように重
力濾過部高さ目標値と濾布走行速度上下限値を変更する
ことで、処理量を一定に維持しながらケーキ含水率を一
定化する効果を大きくすることができる。
【0057】本制御方法では市販の含水率計を用いると
有効であるが、第7図に示したように汚泥濃度と脱水ケ
ーキ含水率は一定の関係が見られるので、汚泥濃度を脱
水ケーキ含水率の変動の目安とすることが可能である。
本装置では汚泥供給量と重力濾過部の固形物量から汚泥
濃度を概算することができるので、含水率計を省略して
も制御可能である。
【0058】以下に具体的な実験例を挙げる。
【0059】実験例1 図1に示す本発明の制御装置を用いてA下水処理場で実
機試験を行ない、本発明の制御装置を採用しない通常運
転機と比較した。実験機における濾布走行速度の変化を
第11図に、重力濾過部高さと汚泥供給量の変化を第1
2図、第13図に示す。これらの図から、本発明によれ
ば、濾布走行速度を上下限値の間で絶えず変化させて重
力濾過部高さを一定に保ち、重力濾過部高さは目標値を
外れることなく制御できている。濾布走行速度上下限値
を補正するときに同時に重力濾過部高さ目標値の補正を
行なっており、両者の積が一定になる関係が保たれてい
ることがわかる。また、濾布走行速度が上下限値を超え
るときには汚泥供給量が変更され、濾布走行速度が上下
限値の中央に戻っていることがわかる。
【0060】第14図に、通常運転機と、本発明による
実験機とのケーキ含水率の変化を示す。ケーキ含水率は
通常運転の対照脱水機よりも低く、かつ変化幅が非常に
小さい状態で制御できた。目標値に設定した74%に対
してほぼ±1.0%以内に保つことができ、制御の妥当
性が実証された。
【0061】第15図に、通常運転機と、本発明による
実験機との凝集剤添加率の変化を示す。第15図に示す
如く、実験機では凝集剤添加率は対照機より0.05〜
0.08%/TS程低い状態であった。
【0062】第16図に、通常運転機と、本発明による
実験機との固形物負荷の変化を示す。第16図に示す如
く、実験機では、通常運転の対照機より約20kgTS
/m/hr高い固形物負荷を維持することができた。
【0063】現状の通常運転機による処理と、本発明の
制御装置による制御システムを採用した処理との比較結
果を下記表2にまとめて記す。なお、本実験では、薬注
制御装置として、高度の制御が可能な粘度計とCST計
からなる薬注制御装置(特願平4−339022)を用
いた。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のベルトプレ
ス型脱水機の制御装置によれば、目標の処理量を達成す
るとともに、脱水ケーキ含水率の変動幅を縮小して、一
定の含水率の脱水ケーキを安定に得ることができる。特
に、市販の含水率計を組み合わせることにより、処理量
を維持したままで脱水ケーキ含水率をより一層目標値に
近付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るベルトプレス型脱水機
の制御装置の構成を示す系統図である。
【図2】重力濾過部高さで処理量の変化を検知する方法
を説明する模式図である。
【図3】濾布走行速度で処理量の変化を検知する方法を
説明する模式図である。
【図4】一定の処理量を得る濾布走行速度と重力濾過部
高さとの関係を示すグラフである。
【図5】濾布走行速度上下限値及び処理量上下限値を示
す模式図である。
【図6】汚泥供給量の段階的変更例を示す説明図であ
る。
【図7】汚泥濃度と脱水ケーキ含水率との関係を示すグ
ラフである。
【図8】重力濾過部高さとケーキ含水率との関係を示す
グラフである。
【図9】濾布走行速度とケーキ含水率との関係を示すグ
ラフである。
【図10】濾布走行速度と重力濾過部高さの組み合わせ
とケーキ含水率に与える影響を示すグラフである。
【図11】濾布走行速度の経時変化を示すグラフであ
る。
【図12】重力濾過部高さの経時変化を示すグラフであ
る。
【図13】汚泥供給量の経時変化を示すグラフである。
【図14】ケーキ含水率の経時変化を示すグラフであ
る。
【図15】凝集剤添加率の経時変化を示すグラフであ
る。
【図16】固形物負荷の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 凝集混和槽 2 ベルトプレス型脱水機 3 重力濾過ゾーン 5 制御装置 6 薬注制御部 7 脱水制御部 8 含水率計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菱谷 和信 東京都北区中十条1−27−15 (72)発明者 服部 保 千葉県山武郡大網白里町上谷新田404− 23 (72)発明者 中村 賢三 東京都国立市谷保6765−1 (72)発明者 林 知幸 東京都文京区本郷5丁目5番16号 オル ガノ株式会社内 (72)発明者 田中 倫明 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭58−179994(JP,U) 特公 昭63−63310(JP,B2) 特公 昭60−45997(JP,B2) 特公 昭59−16878(JP,B2) 特公 平5−10200(JP,B2) 特公 昭57−31933(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B30B 9/24 B01D 33/04 C02F 11/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行する濾布の上に汚泥を供給して重力
    濾過した後、得られたケーキを2枚の濾布の間で圧搾脱
    水するベルトプレス型脱水機の制御装置において、 前記重力濾過部のケーキ厚さの検出計と、濾布走行速度
    の検出計と、該両検出計の検出値と予め設定された目標
    汚泥処理量とから新たな濾布走行速度を算出するととも
    に、算出された濾布走行速度と、予め設定された濾布走
    行速度の制御範囲とを比較する演算処理部と、該演算処
    理部の出力に応じて濾布走行速度及び/又は汚泥供給量
    を制御する制御部とを備えてなり、該制御部において
    は、算出された濾布走行速度が予め設定された濾布走行
    速度の制御範囲内であれば、濾布走行速度を変更し、算
    出された濾布走行速度が予め設定された濾布走行速度の
    制御範囲を外れる場合には、汚泥供給量を変更すること
    を特徴とするベルトプレス型脱水機の制御装置。
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