JP3057606B2 - チタン合金製タービン動翼の製造方法 - Google Patents
チタン合金製タービン動翼の製造方法Info
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- JP3057606B2 JP3057606B2 JP2174577A JP17457790A JP3057606B2 JP 3057606 B2 JP3057606 B2 JP 3057606B2 JP 2174577 A JP2174577 A JP 2174577A JP 17457790 A JP17457790 A JP 17457790A JP 3057606 B2 JP3057606 B2 JP 3057606B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、チタン合金製タービン翼の製造方法に関わ
り、特にエロージョンシールド板とチタン合金翼の接合
及び加工方法に関する。
り、特にエロージョンシールド板とチタン合金翼の接合
及び加工方法に関する。
(従来の技術) 近年、蒸気タービン発電機は大容量化の傾向にあり、
これに伴い蒸気タービンの低圧最終段動翼においても長
翼化が進められている。従来、低圧最終段動翼には、機
械的強度に優れた12%クロム鋼が用いられている。しか
しながら、更に翼長を増大し環状面積を増加すること
は、従来の12%クロム鋼では許容強度が限界に達する。
そこで、最近では長翼化を進める上で用いられる材料と
して、12%クロム鋼に対し、比重が小さく且つ同等の機
械的強度を持つチタン合金鋼が採用されている。
これに伴い蒸気タービンの低圧最終段動翼においても長
翼化が進められている。従来、低圧最終段動翼には、機
械的強度に優れた12%クロム鋼が用いられている。しか
しながら、更に翼長を増大し環状面積を増加すること
は、従来の12%クロム鋼では許容強度が限界に達する。
そこで、最近では長翼化を進める上で用いられる材料と
して、12%クロム鋼に対し、比重が小さく且つ同等の機
械的強度を持つチタン合金鋼が採用されている。
現在、チタン合金鋼としては、合金重量%がTi−6%
Al−4%V等のものが動翼の材料として使用されてい
る。
Al−4%V等のものが動翼の材料として使用されてい
る。
低圧最終段動翼では、特に周速の大きい翼先端付近に
おいて蒸気中の水滴によりエロージョンを生じ易いため
に、耐エロージョン性のあるシールド板が取付けられて
いる。シールド材としては一般にステライト(カボット
社の登録商標)が用いられているが、ステライトは切削
による加工ができないため鍛造及び研磨によって翼形の
一部を成す形状に成形される。このステライトを溶接に
よって翼に接合するものである。
おいて蒸気中の水滴によりエロージョンを生じ易いため
に、耐エロージョン性のあるシールド板が取付けられて
いる。シールド材としては一般にステライト(カボット
社の登録商標)が用いられているが、ステライトは切削
による加工ができないため鍛造及び研磨によって翼形の
一部を成す形状に成形される。このステライトを溶接に
よって翼に接合するものである。
(発明が解決しようとする課題) 第3図に従来翼のエロージョンシールド取付部の翼断
面を示す。従来の12%クロム鋼製翼では、上述したよう
に、エロージョンシールド2と翼1、各々を溶接開先を
残し最終形状に仕上げておき、溶接により接合する。接
合後ビード落とし程度の仕上げを行う。しかし、エロー
ジョンシールド2と翼1では材料が異なるため各々の材
料に適した加工方法で製作され、このため加工寸法精度
も異なる。かかる従来翼における問題点は次のような点
にある。エロージョンシールド2、翼1が別々に完成形
状に仕上げられた後接合されるため、それぞれの加工段
階に生じる変形が開先合せの精度を悪くする。また、溶
接による変形が生じるがこれを設計形状に戻すことは難
しい。
面を示す。従来の12%クロム鋼製翼では、上述したよう
に、エロージョンシールド2と翼1、各々を溶接開先を
残し最終形状に仕上げておき、溶接により接合する。接
合後ビード落とし程度の仕上げを行う。しかし、エロー
ジョンシールド2と翼1では材料が異なるため各々の材
料に適した加工方法で製作され、このため加工寸法精度
も異なる。かかる従来翼における問題点は次のような点
にある。エロージョンシールド2、翼1が別々に完成形
状に仕上げられた後接合されるため、それぞれの加工段
階に生じる変形が開先合せの精度を悪くする。また、溶
接による変形が生じるがこれを設計形状に戻すことは難
しい。
一方、チタン合金翼に用いる材料として、Ti−6%Al
−4%V合金等が採用されているが、このチタン合金材
においてもエロージョン特性が不十分なために従来の低
圧最終段翼と同様に翼先端部分に耐エロージョン性に優
れた材料を肉盛り若しくは溶接により接合する必要があ
る。チタン合金翼に接合するシールド材としては同じチ
タン系材料の中からβ形チタン合金が用いられる。しか
し、従来と同様、翼とエロージョンシールドを別々に完
成形状に製作して接合すると従来翼と同様な問題を生じ
る。
−4%V合金等が採用されているが、このチタン合金材
においてもエロージョン特性が不十分なために従来の低
圧最終段翼と同様に翼先端部分に耐エロージョン性に優
れた材料を肉盛り若しくは溶接により接合する必要があ
る。チタン合金翼に接合するシールド材としては同じチ
タン系材料の中からβ形チタン合金が用いられる。しか
し、従来と同様、翼とエロージョンシールドを別々に完
成形状に製作して接合すると従来翼と同様な問題を生じ
る。
本発明の目的は、翼とエロージョンシールドを接合す
る際における変形を防止すると共に、従来方法で製作さ
れた翼に対して精度の良い翼を提供することにある。
る際における変形を防止すると共に、従来方法で製作さ
れた翼に対して精度の良い翼を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するために、接合部以外の
外表面全体に加工代を有するβ形チタン合金製エロージ
ョンシールド板を、設計翼形形状に対し接合部以外の外
表面全体に加工代を有するチタン合金製動翼に接合する
ことにより一体形成し、その後この一体形成された前記
動翼と前記エロージョンシールド板のそれぞれの前記加
工代全体を設計翼形形状に最終加工し、この最終加工作
業後に前記エロージョンシールドの硬度を得る熱処理を
行なうことを特徴とするチタン合金製タービン動翼の製
造方法を提供するものである。
外表面全体に加工代を有するβ形チタン合金製エロージ
ョンシールド板を、設計翼形形状に対し接合部以外の外
表面全体に加工代を有するチタン合金製動翼に接合する
ことにより一体形成し、その後この一体形成された前記
動翼と前記エロージョンシールド板のそれぞれの前記加
工代全体を設計翼形形状に最終加工し、この最終加工作
業後に前記エロージョンシールドの硬度を得る熱処理を
行なうことを特徴とするチタン合金製タービン動翼の製
造方法を提供するものである。
(作 用) チタン合金翼母材を設計形状に対し加工代を有する状
態まで加工し、この状態でエロージョンシールド取付部
の加工を行う。そして、当部形状に合わせて製作された
β形チタン合金製エロージョンシールドを前記加工した
翼を接合する。接合面の開先は熱処理前のβ形チタン合
金が切削加工可能なためチタン合金翼母材と同等の精度
で加工できる。これにより形成されたエロージョンシー
ルドと翼は設計形状に対して十分な加工代を有し、ま
た、高精度で接合されている。このような状態で接合さ
れた翼及びエロージョンシールドに対して設計翼形の最
終加工を行うものである。従って、従来の製造方法で製
作された翼に対して十分に精度の良い翼が製作できるも
のである。エロージョンシールドの硬度を得るため加工
後熱処理がなされる。このように翼が設計翼形に対し精
度良く製作されることにより、この翼を有するタービン
は従来方法で製作された翼を有するタービンよりもター
ビン効率を向上させることが可能となる。
態まで加工し、この状態でエロージョンシールド取付部
の加工を行う。そして、当部形状に合わせて製作された
β形チタン合金製エロージョンシールドを前記加工した
翼を接合する。接合面の開先は熱処理前のβ形チタン合
金が切削加工可能なためチタン合金翼母材と同等の精度
で加工できる。これにより形成されたエロージョンシー
ルドと翼は設計形状に対して十分な加工代を有し、ま
た、高精度で接合されている。このような状態で接合さ
れた翼及びエロージョンシールドに対して設計翼形の最
終加工を行うものである。従って、従来の製造方法で製
作された翼に対して十分に精度の良い翼が製作できるも
のである。エロージョンシールドの硬度を得るため加工
後熱処理がなされる。このように翼が設計翼形に対し精
度良く製作されることにより、この翼を有するタービン
は従来方法で製作された翼を有するタービンよりもター
ビン効率を向上させることが可能となる。
(実施例) 以下に本発明の実施例について説明する。
第1図に代表的なタービンの低圧最終段動翼の形状を
示す。本発明では、Ti−6%Al−4%V合金材の翼母材
を設計形状に対し、1ないし2mm以上の加工代を有する
状態まで加工しておき、この状態においてエロージョン
シールド取付部の加工を実施する。そして、この取付部
形状に合わせてβ形チタン合金材で製作されたエロージ
ョンシールド2を電子ビーム溶接によって翼1に接合す
る。接合面の溶接開先は熱処理前のβ形チタン合金が切
削加工可能であることから翼母材と同等の精度で加工す
ることができる。第2図は前記の翼1とエロージョンシ
ールド2とを接合したときの翼断面図である。図中の破
線形状が設計翼形形状であるが、この形状に対し当接合
段階での翼1とエロージョンシールド2は十分な加工代
を持った形状であり、尚且つ高精度で接合された状態と
なっている。このように、翼1とエロージョンシールド
2とが精度良く一体形成された翼を設計翼形形状に最終
加工していくものである。加工完成後エロージョンシー
ルド2の硬度を得るため熱処理を行う。このようにして
製作された翼は従来の方法で製作された翼に対し十分に
精度の良い翼となる。
示す。本発明では、Ti−6%Al−4%V合金材の翼母材
を設計形状に対し、1ないし2mm以上の加工代を有する
状態まで加工しておき、この状態においてエロージョン
シールド取付部の加工を実施する。そして、この取付部
形状に合わせてβ形チタン合金材で製作されたエロージ
ョンシールド2を電子ビーム溶接によって翼1に接合す
る。接合面の溶接開先は熱処理前のβ形チタン合金が切
削加工可能であることから翼母材と同等の精度で加工す
ることができる。第2図は前記の翼1とエロージョンシ
ールド2とを接合したときの翼断面図である。図中の破
線形状が設計翼形形状であるが、この形状に対し当接合
段階での翼1とエロージョンシールド2は十分な加工代
を持った形状であり、尚且つ高精度で接合された状態と
なっている。このように、翼1とエロージョンシールド
2とが精度良く一体形成された翼を設計翼形形状に最終
加工していくものである。加工完成後エロージョンシー
ルド2の硬度を得るため熱処理を行う。このようにして
製作された翼は従来の方法で製作された翼に対し十分に
精度の良い翼となる。
更に、本発明による製造方法によって製作された翼を
有するタービンにおいては、従来方法で製作された翼を
有するタービンに対してタービン効果を向上させること
が可能である。
有するタービンにおいては、従来方法で製作された翼を
有するタービンに対してタービン効果を向上させること
が可能である。
本発明によれば、従来の低圧最終段動翼の製造におけ
る問題点を解消できるとともに、翼全体の加工精度を向
上させることができ、本発明による製造法で製作された
翼を有するタービンにおいては、従来の製造法で製作さ
れた翼を有するタービンに対しタービン効率を向上させ
ることが可能となる。
る問題点を解消できるとともに、翼全体の加工精度を向
上させることができ、本発明による製造法で製作された
翼を有するタービンにおいては、従来の製造法で製作さ
れた翼を有するタービンに対しタービン効率を向上させ
ることが可能となる。
第1図は代表的なタービン長翼の形状を示す図、第2図
は本発明による製造方法で溶接接合時のエロージョンシ
ールド取付部の翼断面図、第3図は従来方法による溶接
接合時のエロージョンシールド取付部の翼断面図であ
る。 1……翼、2……エロージョンシールド、
は本発明による製造方法で溶接接合時のエロージョンシ
ールド取付部の翼断面図、第3図は従来方法による溶接
接合時のエロージョンシールド取付部の翼断面図であ
る。 1……翼、2……エロージョンシールド、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−97802(JP,A) 特開 平1−182505(JP,A) 特開 平1−202389(JP,A) 特開 昭63−241150(JP,A) 実開 昭62−21404(JP,U) 特公 昭50−8124(JP,B1)
Claims (1)
- 【請求項1】接合部以外の外表面全体に加工代を有する
β形チタン合金製エロージョンシールド板を設計翼形形
状に対し接合部以外の外表面全体に加工代を有するチタ
ン合金製動翼に接合することにより一体形成し、その後
この一体形成された前記動翼と前記エロージョンシール
ド板のそれぞれの前記加工代全体を設計翼形形状に最終
加工し、この最終加工作業後に前記エロージョンシール
ドの硬度を得る熱処理を行なうことを特徴とするチタン
合金製タービン動翼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2174577A JP3057606B2 (ja) | 1990-07-03 | 1990-07-03 | チタン合金製タービン動翼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2174577A JP3057606B2 (ja) | 1990-07-03 | 1990-07-03 | チタン合金製タービン動翼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0463902A JPH0463902A (ja) | 1992-02-28 |
JP3057606B2 true JP3057606B2 (ja) | 2000-07-04 |
Family
ID=15980991
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2174577A Expired - Fee Related JP3057606B2 (ja) | 1990-07-03 | 1990-07-03 | チタン合金製タービン動翼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3057606B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2742689B1 (fr) | 1995-12-22 | 1998-02-06 | Gec Alsthom Electromec | Procede pour fabriquer une aube en titane alpha beta comprenant un insert de titane beta metastable, et aube realisee par un tel procede |
US6536110B2 (en) * | 2001-04-17 | 2003-03-25 | United Technologies Corporation | Integrally bladed rotor airfoil fabrication and repair techniques |
EP1649970A1 (de) * | 2004-10-25 | 2006-04-26 | Siemens Aktiengesellschaft | Herstellungsverfahren einer Schaufel aus Titan |
JP6100037B2 (ja) * | 2013-03-13 | 2017-03-22 | 三菱重工業株式会社 | 蒸気タービン翼製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS508124A (ja) * | 1973-05-24 | 1975-01-28 | ||
JPS6221404U (ja) * | 1985-07-24 | 1987-02-09 | ||
JPS6397802A (ja) * | 1986-10-13 | 1988-04-28 | Hitachi Ltd | Ti合金製タ−ビン動翼 |
JPH01182505A (ja) * | 1988-01-12 | 1989-07-20 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | タービン動翼の製作方法 |
-
1990
- 1990-07-03 JP JP2174577A patent/JP3057606B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0463902A (ja) | 1992-02-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |