JP3054617U - 携帯電話器用電磁波遮蔽材及び携帯電話器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この考案は、携帯電話器の電磁波遮蔽及び送
受信能の向上を目的としたものである。 【解決手段】 アルミニウム箔上にシリコン樹脂を層着
してなる素材を井桁状に成形したことを特徴とする携帯
電話器用電磁波遮蔽材。前記記載の電磁波遮蔽材を、携
帯電話器の外壁の適所に固定したことを特徴とする携帯
電話器。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、電磁波の遮蔽及び送受信能の向上を目的とした携帯電話器用電磁 波遮蔽材及び携帯電話器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来電磁波遮蔽については幾多の提案がある。例えばシリコン組成物に、酸化 タングステンなどの酸化金属化合物を含有させた事を特徴としたＸ線遮断能を有 する難燃性シリコン組成物の発明がある（特開昭５５−６６７９９号公報）。

【０００３】 またこの考案の考案者は、先にシリコン樹脂と焼成セラミックスの混合物を主 材とし、これにアルミニウム粉末及び／又は不銹金属の粉末を混合した電磁波組 成物を発明した（特願平９−３５５２２８号）。

【０００４】

【考案により解決しようとする課題】

前記従来の提案は何れも電磁波等の遮蔽を目的とするものであって、これを携 帯電話器に装着した場合に、電磁波の遮蔽能は発揮するが、送受信能に影響はな かった。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】

この考案は、アルミニウム箔に、シリコン樹脂を層着し、又はこのシリコン樹 脂に微量のゲルマニウム及び炭酸カルシウムを添加し、全体を井桁状に成形する ことにより、携帯電話器用電磁波遮蔽材を提供すると共に、この遮蔽材を携帯電 話器に装着することにより、携帯電話器から生じる電磁波を有効に遮蔽するのみ ならず送受信能を増大させることに成功したのである。

【０００６】 即ち遮蔽材の考案は、アルミニウム箔上にシリコン樹脂を層着してなる素材を 携帯電話器に装着し得る大きさの井桁状に成形したことを特徴とする携帯電話器 用電磁波遮蔽材である。また他の考案はアルミニウム箔上に、ゲルマニウム０． １％〜１０％（重量）及び炭酸カルシウム０．０５％〜０．５％（重量）を含む シリコン樹脂を層着してなる素材を井桁状に成形したことを特徴とする携帯電話 器用電磁波遮蔽材であり、アルミニウム箔の上面にシリコン樹脂を層着し、アル ミニウム箔の下面に接着剤を層着し、その下面に剥離紙を貼着した素材を井桁状 に成形したことを特徴とする携帯電話器用電磁波遮材である。

【０００７】 次に電話器の考案はアルミニウム箔上にシリコン樹脂を層着した電磁遮蔽材を 、携帯電話器の外壁の適所に設置したことを特徴とする携帯電話器であり、アル ミニウム箔上にシリコン樹脂を層着してなる素材を、電話器ケースに井桁状に配 設したことを特徴とする携帯電話器である。

【０００８】 この考案におけるアルミニウム箔の厚さは、０．０１ｍｍ〜０．５ｍｍであり 、通常０．０５ｍｍ〜０．１ｍｍを用いる。またシリコン樹脂の量は、アルミニ ウム箔上へ１．０ｍｍ〜３．０ｍｍの厚さに層着する。次にゲルマニウムの量が シリコン樹脂量の０．１％未満になると、シリコン樹脂の単独使用に対し、送受 信能の向上がみられないし、１０％を越えて添加しても、更なる送受信能の増加 は認められない。通常０．５％〜５％のゲルマニウムを添加する。また炭酸カル シウムが０．０５％未満では、添加効果が認められないし、０．５％以上添加し ても、添加による効力の向上は認められない。通常０．１％〜０．３％を添加し ている。

【０００９】 この考案において、電磁波遮蔽材の形状を井桁状にしたのは、送受信能を向上 させる為であるから、電磁波の遮蔽を主とする場合には、必ずしも井桁状に成形 する必要がない。

【００１０】 この考案における電磁波遮蔽材の形状は、平行な二本の条材をほぼ直角に連結 配置（重なることなく、同一厚さに配設）したものであり、縦材横材の何れも長 くしても効力に差異はない。前記遮蔽材の幅は３ｍｍ〜５ｍｍとし、長さは最小 ３０ｍｍ〜５０ｍｍ、最大４０ｍｍ〜８０ｍｍとするが、特別の限定はない。

【００１１】 この考案においては、アルミニウム箔上へシリコン樹脂を層着したので、携帯 電話器のケース外壁に貼着固定する場合に保形性がよく、容易かつ堅固に固着す ることができる。

【００１２】 この考案においては、ゲルマニウムを添加したのは、送受信能を向上させる為 であり、炭酸カルシウムを添加したのは、送受信能を向上させる為である。従っ て多少の性能の良否を無視すれば、シリコン樹脂のみでも十分目的を達成するこ とができる。

【００１３】 この考案の送受信能は、従来電磁波が微弱の為に送受信が不可能であったり、 送受信不良（雑音が入り又は移動中に起因する中断）が大幅に改善されることが 認められる。送受信地形又は建造物の有無によって改善の程度は異なるけれども 、大凡送受信地域が１０％程度拡大されることが認められる。また高速道路を走 行中（自動車内）の送受信において、暫々送受信が中断される場所においても、 連続送受信をすることができる（中断なく、又は中断少なく）と共に、送受信音 の改善（明確化）が認められた。

【００１４】 この考案の電磁波遮蔽材中、二本宛ほぼ平行に、かつ直角に付近で交叉状にな ることは必須要件であるが、更に１〜４本増加することについて送受信性能の変 化は認められない。

【００１５】

【考案の実施の形態】

この考案は、アルミニウム箔の上にシリコン樹脂又はゲルマニウム及び炭酸カ ルシシウムを含ませたシリコン樹脂を層着し、これを井桁状に成形した電磁波遮 蔽材である。

【００１６】 また前記井桁状電磁波遮蔽材を、携帯電話器のケース外壁に装着し、又はケー ス外壁と一体的に形成した携帯電話器である。

【００１７】 前記電磁波遮蔽材の井桁状の形状を基本にすれば、同一素材を若干増加させて も、電磁波の遮蔽能、送受信能の向上に共に悪影響は認められない。

【００１８】

【実施例１】 この考案の実施例を図１、２に基づいて説明する。

【００１９】 電話器１のケース２に、アルミニウム箔とシリコン樹脂（又は微量のゲルマニ ウム及び炭酸カルシウム入り）の層着素材を井桁状に成形した電磁波遮蔽材３を 装着して、この考案の携帯電話器４を構成した。

【００２０】 前記電磁波遮蔽材３は、図３の（ｃ）に示すように、アルミニウム箔５の上部 へシリコン樹脂６を層着し、アルミニウム箔５の下部へ接着剤７を層着し、接着 剤７の下部へ剥離紙８を層着したものである。従って使用者は剥離紙８を剥し、 電話器１のケース２上へ貼着すれば、容易かつ堅固に固着することができる。

【００２１】

【実施例２】 この考案の電磁波遮蔽材の実施例を図３、４に基づいて説明する。

【００２２】 幅５ｍｍ、長さ４０ｍｍのアルミニウム箔５上に、シリコン樹脂６（１．０％ のゲルマニウム及び０．１％の炭酸カルシウムを含む）を、厚さ３ｍｍ（断面弧 状）に層着し、前記アルミニウム箔５の下部に接着剤７及び剥離紙８を順次層着 した素材を、井桁状に成形して、この考案の電磁波遮蔽材３を成形した。

【００２３】 前記実施例（図３（ａ））は、縦材ａ、ａの内側に所定間隔の横材ｂ、ｂを連 結して井桁状の電磁波遮蔽材３を成形したが、この形状に限定されるものではな い。

【００２４】 図４は横材ｂ、ｂの間へ、所定間隔の縦材ａ、ａを連結して、井桁状の電磁波 遮蔽材３ａを成形した実施例である。

【００２５】 前記図３、４の実施例の他に、両者の井桁形状を基本にして、縦又は横材を増 加させたり、直角でなくなったりしても、配置によっては同一効果が期待できる 。

【００２６】 前記電磁波遮蔽材の装着方法（位置と形状）について、厳密な制約はないが、 ほぼ図１、２の状態に装置するのが一般的である。

【００２７】 また井桁の各素材の間隔についても厳密な制約はないが、実施例は標準形状で ある。

【００２８】 前記電磁波遮蔽材３の成形については色々の成形方法がある。例えば幅の広い アルミニウム箔上に、シリコン樹脂を所望の大きさの井桁状に配置し、前記アル ミニウム箔の裏面に接着剤と、剥離紙を順次層着した後、前記シリコン樹脂の内 外形に沿って打抜成形すれば、容易にこの考案の電磁波遮蔽材を多量生産するこ とができる。

【００２９】

【考案の効果】

この考案によれば、携帯電話器で生成される電磁波を有効に遮断して人体を電 磁波から防御し得ると共に、携帯電話の送受信能を著しく改善し得る効果がある 。

【００３０】 またこの考案の電磁波遮蔽材によれば、既製の携帯電話器へ簡単、容易かつ堅 固に固定し得る効果がある。更に破損などの際には簡単、容易に取換えることが できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の斜視図。

【図２】同じく平面図。

【図３】（ａ）この考案の電磁波遮蔽材の実施例の平面
図。 （ｂ）同じく一部を省略した正面拡大図。 （ｃ）同じく一部断面拡大図。

【図４】同じく他の実施例の平面図。

【符号の説明】

１ 電話器 ２ ケース ３ 電磁波遮蔽材 ４ 携帯電話器 ５ アルミニウム箔 ６ シリコン樹脂 ７ 接着剤 ８ 剥離紙

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アルミニウム箔上にシリコン樹脂を層着
   してなる素材を携帯電話器に装着し得る大きさの井桁状
   に成形したことを特徴とする携帯電話器用電磁波遮蔽
   材。
2. 【請求項２】 アルミニウム箔上に、ゲルマニウム０．
   １％〜１０％（重量）及び炭酸カルシウム０．０５％〜
   ０．５％（重量）を含むシリコン樹脂を層着してなる素
   材を井桁状に成形したことを特徴とする携帯電話器用電
   磁波遮蔽材。
3. 【請求項３】 アルミニウム箔の上面にシリコン樹脂を
   層着し、アルミニウム箔の下面に接着剤を層着し、その
   下面に剥離紙を貼着した素材を井桁状に成形したことを
   特徴とする携帯電話器用電磁波遮材。
4. 【請求項４】 アルミニウム箔上にシリコン樹脂を層着
   した電磁遮蔽材を、携帯電話器の外壁の適所に設置した
   ことを特徴とする携帯電話器。
5. 【請求項５】 アルミニウム箔上にシリコン樹脂を層着
   してなる素材を、電話器ケースに井桁状に配設したこと
   を特徴とする携帯電話器。