JP3054595U

JP3054595U - 金属製軽量パレット

Info

Publication number: JP3054595U
Application number: JP1998004841U
Authority: JP
Inventors: 稔千田; 嘉郎遠藤; 貴大島; 直樹酒井; 藤明高田; 孝昭山田
Original assignee: Nippon Metal Industry Co Ltd
Current assignee: Nippon Metal Industry Co Ltd
Priority date: 1998-06-01
Filing date: 1998-06-01
Publication date: 1998-12-08
Anticipated expiration: 2004-06-01

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】平坦であり、且つ自重及び製品重量によりた
わまない事、プレスの圧縮荷重に耐える事、焼成により
劣化しない事、寿命が長い事、軽量である事、安価であ
る事等の性能をもつパレットを提供する。【解決手段】窯業系ボードの製造に使用するための金
属製軽量パレットであって、ボードに接する表面材がス
テンレス薄板２の成形加工材であり、該ステンレス薄板
加工材２の内側に、ステンレス極薄板を折り曲げ加工し
てなり、断面形状がチャンネル状又は連続チャンネル状
の梁を、複数本互いに各梁の両端が密着した状態で挿入
し、表面材２の両端に、２とは別のステンレス薄板のチ
ャンネル材２ａをリベット止め又は溶接４して各梁を密
着した状態で拘束した構造に接合したことを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建造物の壁材、天井材等の内装及び外装材に用いられる窯業系ボードを製造する時に用いる金属製軽量パレットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

窯業系ボードの製造には一般的にパレットが用いられている。即ち、図６に示すようにパレット１上にミキシングされた窯業系の材料を適量積載し、それをプレス７で成形する。成形されたボード６の表面にはプレス上型により模様がつけられる。裏面にはパレットの平坦な形状が転写されるが、パレットが平坦でなかったり、重みで撓んだりすると、製品も同じ形状に変形する。成形したボード６はパレットに積載したままオートクレーブ中に入れられ適温で焼成される。焼成温度は一般的に１００〜２００℃である。焼成時に脚付きのパレットの場合は数十段の高さに積み重ねられ、脚部５によって製品の空間が保持される（図７）。脚部がないものはラック８等に収められて製品の空間を保持した状態で積み重ねられる（図８）。パレットは何度も繰り返し使用される。パレットには一般的にステンレス厚板製のものと木の合板を用いたものが従来から使用されている。ステンレス厚板製パレットは、ステンレス厚板を折り曲げ加工したもの又はステンレス厚板とステンレス形鋼や角型鋼管などを溶接等で接合した構造で、剛性が高くて耐久性があるが重くて高価である。木の合板を用いたパレットは、圧縮に対して強く、且つ十分な断面積が取れるのでたわみなどに対する断面性能がよく、且つ軽くて安価であるが、耐久性がない。ステンレス厚板製パレットと合板製パレットの長所を継承し、欠点のみを解決するために、ステンレス薄板を用いて軽量化を図ろうとすると以下の問題点が発生する。薄板なので断面性能が劣り、自重と積載している製品の重量により容易にたわむ。たわみを抑えるために図９のように梁を入れると梁間の薄板２がプレスによる等分布荷重によりたわむ。梁３を細かいピッチで入れれば梁間の薄板のたわみを抑えられるがパレットの重量が大きくなる。脚部をもつパレットについても製品を載せたパレットを数十段も積載するために、その積載荷重に十分耐える構造にしなければならない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

パレットは何度も繰り返して使用されるので、価格が安いほど寿命が長いほど製品１個当たりの経費が小さくなる。またパレットのコストや、工場の設備投資と運転エネルギーコストを考慮すると軽量であるほうが望ましい。本考案は、上記公知のパレットの問題点を解決するもので、本考案の目的は、以下の〜の性能をもつパレットを提供するにある。平坦であり、且つ自重及び製品重量によりたわまない事、プレスの圧縮荷重に耐える事、焼成により劣化しない事、寿命が長い事、軽量である事、安価である事。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以下のとおりのものである。窯業系ボードの製造に使用するための金属製軽量パレットであって、ボードに接する表面材がステンレス薄板（２）の成形加工材であり、該ステンレス薄板加工材（２）の内側に、ステンレス極薄板を折り曲げ加工してなり、断面形状がチャンネル状又は連続チャンネル状の梁（３）を、複数本互いに各梁の両端が密着した状態で挿入し、表面材（２）の両端に、（２）とは別のステンレス薄板のチャンネル材（２ａ）をリベット止め又は溶接して各梁（３）を密着した状態で拘束した構造に接合したことを特徴とする金属製軽量パレット。ステンレス薄板が厚さ０．８〜３．０ｍｍであり、ステンレス極薄板が厚さ０．３〜１．０ｍｍである請求項１記載の金属製軽量パレット。梁（３）の各角部（３ａ）が、直角状に曲げられている請求項１又は請求項２記載の金属製軽量パレット。

【０００５】

【考案の実施の態様】

本考案のパレットは、ステンレス薄板の折り曲げ加工材（２）とチャンネル材（２ａ）及びステンレス極薄板製の断面形状がチャンネル状又は連続チャンネル状の長尺梁（３）とで構成されている。図１は本考案パレットの１例を示す平面図であり、図２は図１のＡ−Ａ線断面図、図３はＢ−Ｂ線断面図である。図４は梁の断面形状の模式図であり、梁（３）の各角部（３ａ）は直角状に曲げられている。図３と図５は、梁（３）の配置具合が異なっているが、いずれも、ステンレス薄板加工材（２）の内側に複数本の梁（３）を、各梁が両端部で互いに密着するように挿入し、表面材（２）の両端をチャンネル材（２ａ）で閉じて溶接又はリベットで接合（４）した本考案のパレットである。図１０のように、梁（３）の両端部が拘束されていないとプレス圧力により梁が広がるが、本考案のパレットは梁の各両端部が直角状の角部（３ａ）により互いに密着状態で挿入され拘束されているので、軽量にも拘らず、プレスの圧縮荷重に十分耐えて変形・たわみ等を生じない。本考案のパレットで使用するステンレス薄板（２）としては、プレス時に表面が平坦であり、たわみ等の変形を生じないでしかも折り曲げ加工が容易で且つ適当に軽量である必要がある。この様な要望に添ったステンレス薄板としては、厚さ０．８〜３．０ｍｍのステンレス薄板が好適である事が実験的にわかった。０．８ｍｍ未満ではプレス時に変形し易く、また３．０ｍｍを越えるとパレットが重くなりコストも高くなる。また、梁（３）を構成するステンレス極薄板としては、折り曲げ加工が容易でしかもプレス時に十分荷重に耐える厚さが必要である。好適なステンレス極薄板の厚さは０．３〜１．０ｍｍであることが実験的に確認された。０．３ｍｍ未満では十分荷重に耐えることができず、また１．０ｍｍを越えると重くなりコスト高となる。ステンレス薄板加工材の形状としては、図２、図７のように脚部（５）をもつものでも、図８のように脚部をもたないものでも、どちらでも良い。各梁（３）とステンレス薄板加工材（２）との接合は、薄板加工材（２）の両端にチャンネル材（２ａ）をリベット止め又は溶接して行う。各梁とステンレス薄板加工材は、直接接合しないが、各梁は密着状態で拘束されており、優れた耐久性を有する。

【０００６】

【考案の効果】

本考案のパレットは、ステンレス薄板（２）とステンレス極薄板のみで構成されているので、ボードに接する面はプレス時に平坦であり、全体として軽量且つ安価であるにも拘らず、十分な荷重に耐えてたわみ等の変形を生じない。また、ステンレス製であるので焼成により劣化せず寿命が長い等の優れた性能を有するパレットである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案パレットの１例を示す平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】本考案で使用する梁の断面形状を示す模式図で
ある。

【図５】本考案パレットの別の実施例を示す断面図であ
る。

【図６】ボードの製造方法の説明図である。

【図７】パレットの積み重ね状態を示す説明図である。

【図８】パレットの積み重ね状態を示す説明図である。

【図９】梁とプレスとの関係を示す説明図である。

【図１０】梁とプレスとの関係を示す説明図である。

【符号の説明】

１パレット２ステンレス薄板２ａチャンネル材３梁３ａ梁の角部４接合部（溶接又はリベット）５脚部６ボード７プレス８ラック

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者大島貴神奈川県相模原市宮下３丁目３番11号日金加工株式会社内 (72)考案者酒井直樹神奈川県相模原市宮下３丁目３番11号日金加工株式会社内 (72)考案者高田藤明神奈川県相模原市宮下３丁目３番11号日金加工株式会社内 (72)考案者山田孝昭神奈川県相模原市宮下３丁目３番11号日金加工株式会社内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】窯業系ボードの製造に使用するための金
属製軽量パレットであって、ボードに接する表面材がス
テンレス薄板（２）の成形加工材であり、該ステンレス
薄板加工材（２）の内側に、ステンレス極薄板を折り曲
げ加工してなり、断面形状がチャンネル状又は連続チャ
ンネル状の梁（３）を、複数本互いに各梁の両端が密着
した状態で挿入し、表面材（２）の両端に、（２）とは
別のステンレス薄板のチャンネル材（２ａ）をリベット
止め又は溶接して各梁（３）を密着した状態で拘束した
構造に接合したことを特徴とする金属製軽量パレット。
【請求項２】ステンレス薄板が厚さ０．８〜３．０ｍ
ｍであり、ステンレス極薄板が厚さ０．３〜１．０ｍｍ
である請求項１記載の金属製軽量パレット。
【請求項３】梁（３）の各角部（３ａ）が、直角状に
曲げられている請求項１又は請求項２記載の金属製軽量
パレット。