JP3053518B2 - 電動射出成形機のスクリュ背圧力制御方法 - Google Patents

電動射出成形機のスクリュ背圧力制御方法

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JP3053518B2
JP3053518B2 JP5317625A JP31762593A JP3053518B2 JP 3053518 B2 JP3053518 B2 JP 3053518B2 JP 5317625 A JP5317625 A JP 5317625A JP 31762593 A JP31762593 A JP 31762593A JP 3053518 B2 JP3053518 B2 JP 3053518B2
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進一 田澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、サーボモータを駆動
源として用いた電動射出成形機のスクリュ背圧力制御方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】サーボモータを駆動源として用いた電動
射出成形機のスクリュ背圧制御方法は、例えば特開昭61
-31221号公報で知られるように既に公知のものである。
【0003】このようなスクリュ背圧制御方法におい
て、樹脂の可塑化により発生する背圧が設定値より小さ
い値の時は、スクリュは前進方向に移動し背圧を設定値
に近づけようとする。背圧の設定値が実際背圧値より大
きい場合にはスクリュは前進し続けて、最後にはスクリ
ュがシリンダ先端に衝突してしまう危険があるという欠
点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記した
ように、樹脂の可塑化により発生する背圧が設定値より
小さい値の時は、スクリュは前進方向に移動し背圧を設
定値に近づけようとし、背圧の設定値が実際背圧値より
大きい場合にはスクリュは前進し続けて、最後にはスク
リュがシリンダ先端に衝突してしまう危険があるという
欠点を除去するもので、背圧設定値を2段階以上の複数
に分割設定し、低背圧値より逐次各ステップを実行して
行き、背圧が各ステップの設定値に至らない時は、その
時点で計量動作を停止する背圧制御方法とし、背圧が各
ステップの設定値より小さい時、スクリュが前進し過ぎ
てシリンダの先端に衝突するのを防ぐことができる電動
射出成形機のスクリュ背圧制御方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の電動射出成形
機のスクリュ背圧力制御方法は、計量時に後退してくる
スクリュに対して射出用サーボモータをスクリュの前進
側に進む方向に駆動して後退してくるスクリュにブレー
キ力を与えて可塑化された樹脂に背圧力を負荷するもの
において、計量時における背圧力設定値をステップ毎に
順次大きくなるように設定し、各ステップにおいて、
クリュの背圧力検出器が検出する検出値を監視しながら
計量を行い、検出値が背圧力設定値に到達した時、次の
ステップ に移行して背圧力設定値を次のステップの値に
繰り上げ、検出値が最大背圧力設定値に到達した時に
は、最大背圧力設定値で計量を継続し、計量時に後退す
るスクリュの位置が予め設定する計量完了位置に到達し
た時、計量動作を停止するものである。
【0006】
【作用】この発明は、上記のような構成において、背圧
力設定値を、0から最終背圧力設定値の間で複数に分割
する。背圧を印加する時は、ステップ毎に低い方から順
次大きくなるように背圧力設定値を設定していく。各ス
テップにおいて、背圧の検出値と背圧力設定値とを比較
し、検出値が背圧力設定値に到達した時、次のステップ
に移行して背圧力設定値を次のステップの値に繰り上げ
る。次いで、次の背圧力設定値と検出値を同様に比較す
る。順次実行し最終背圧力設定値まで行う。最終背圧力
設定値となったらその背圧設定値で計量を継続し、計量
時に後退するスクリュの位置が計量完了位置に到達する
と計量動作を停止する。いずれかのステップにおいて、
背圧の検出値が所定時間内に背圧力設定値に至らない時
は、そこで計量動作を停止する。
【0007】なお、背圧の検出値を監視しながら計量を
行う代わりに、スクリュの前進側への移動量を監視しな
がら計量を行うこともできる。
【0008】
【実施例】以下、この発明について、図面を参照して説
明する。
【0009】図1は、この発明に係わる電動射出成形機
の全体の構成を示す側面図である。すなわち、図1にお
いて、射出用サーボモータ1の回転駆動力をプーリ3、
タイミングベルト4の伝達手段でサポートブラケット5
に回転自在に結合しているボールネジ軸6に伝達する。
ボールネジ軸6に螺合したボールナット7はロードセル
8を介してスラストボックス9にボルト結合されてい
る。スラストボックス9にはS軸10が回転自在に結合
しており、S軸10にはスクリュ11がキー結合されて
いる。
【0010】射出用サーボモータ1の回転力は、ボール
ネジ軸6の回転力として伝達され、ついでボールネジ軸
6に螺合する、ボールナット7の直進力に伝達され、ス
クリュ11の直進力として伝達される。射出用サーボモ
ータ1の回転運動は、スクリュ11の進退運動となるの
で、射出用サーボモータ1の駆動により射出動作が行え
る。
【0011】また、計量用サーボモータ2の回転駆動力
をプーリ12、タイミングベルト13の伝達手段でスラ
ストボックス9に回転自在に結合しているS軸10に伝
達する。S軸10にはスクリュ11がキー結合されてい
るので、計量用サーボモータ2の回転力はスクリュ11
の回転力として伝達される。
【0012】上記スクリュ11にかかる推力をS軸1
0、ベアリング14、14、スラストボックス9を介し
てロードセル8で検出する。ロードセル8により、射出
圧、背圧の検出を行う。
【0013】次に、射出後の計量動作における背圧の制
御方法について説明する。
【0014】計量用サーボモータ2でスクリュ11を回
転させると、可塑化された樹脂はバレル15内のスクリ
ュ11の前部に送り出され、樹脂圧がスクリュ11にか
かり、樹脂圧による推力でスクリュ11は後退する。
【0015】射出用サーボモータ1の回転力によりスク
リュ11に前進方向の力を加え、スクリュ11の後退動
作にブレーキをかける事により、可塑化された樹脂に背
圧をかける。
【0016】図3は背圧力制御回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【0017】すなわち、上記ロードセル8で検出した背
圧力を、増幅器17で増幅し演算器18で背圧力に相当
する電流値に演算して比較器20へ入力する。背圧設定
器19からの設定値電流と比較演算して、その差の電流
値を増幅器21で増幅した後、射出用サーボモータ1の
ドライバ22にフィードバックされ、スクリュ背圧値を
設定された背圧値になるように射出用サーボモータ1の
回転力の大きさを制御する。
【0018】次に、この発明の実施例について説明す
る。
【0019】〈実施例1〉 図2に示す様に設定した背圧を、複数(n分割)に分割
する。
【0020】背圧の印加方法は、まず射出用サーボモー
タ1のブレーキトルクを圧力BP1相当に制限して負荷
する。ロードセル8の検出値が所定の時間内に圧力BP
1となったら射出用サーボモータ1のブレーキトルクを
次の圧力BP2相当に制限して負荷する。ロードセル8
の検出値が所定の時間内に圧力BP2となったら、射出
用サーボモータ1のブレーキトルクを次の圧力BP3相
当に制限して負荷する。このように繰り返し実行して背
圧値を上げていき最終設定値の背圧BPnとなったらそ
の設定値を維持するように制限する。スクリュ11の後
退位置が設定した値と一致したら射出用サーボモータ
1、計量用サーボモータ2を停止して計量動作を停止す
る。
【0021】背圧の設定が不適切で、溶融樹脂の背圧が
設定値までにならない場合について説明する。この場
合、特に制御上の工夫がなされていないと、射出用サー
ボモータ1はスクリュ11を前進方向に押し続け、スク
リュ11がバレル15の先端に衝突してしまう恐れがあ
る。本制御方法では不具合を解消するように工夫してい
る。例えば樹脂背圧が設定値より低いBP3未満であっ
たとすると、前記の方法でBP2までは実施され、圧力
BP3の段階で所定の時間を経過しても、ロードセル8
の検出値はBP3に至らないことになる。そのまま計量
動作を継続すると、スクリュ11はバレル15の先端に
衝突してしまう。
【0022】本制御では、所定の時間内にロードセル8
の検出値がBP3に至らなかった場合には、アラームを
出し、射出用サーボモータ1、計量用サーボモータ2を
停止して、計量動作を停止する。この制御方法により実
際の樹脂背圧が設定値より低い場合、スクリュ11が、
バレル15の先端に衝突するのを防止できる。
【0023】すなわち、上記実施例1の計量動作は、図
4のフローチャートに示すように行われるようになって
いる。この場合、図4において、t1 :計測時間、ts
:t1 の許容値、P:背圧計測値、xE :計量完了位
置、n:背圧設定分割数、△t:スキャンタイム、S2
:計測時のスクリュ位置である。
【0024】すなわち、計量が開始されると、計量用サ
ーボモータ2が起動される。先ず、ステップ1となり、
計測時間は「0」となり、背圧設定値BP1が設定され
る。そして、スクリュ11の位置が計量完了位置かを確
認するとともに、計測した圧力が所定の背圧設定値にな
ったかを確認する。
【0025】この際、背圧設定値に至る前に、計量完了
位置となってしまった場合、あるいは許容時間内に所定
の背圧設定値に至らなかった場合、異常と判断し、エラ
ー処理を行う。
【0026】また、エラーとならずに、許容時間内に所
定の背圧設定値になった場合、1ステップ上の背圧設定
値とし、このステップが最終設定値でない場合、その
圧設定値で計量を実行しながら上記の異常判断を繰り返
、最終設定値の場合、その最終設定値で計量を実行
し、計量完了位置となるのを待って、計量を完了する。
【0027】〈実施例2〉 背圧設定値を分割して設定し各段階を実施していくこと
は実施例1と同じであるが、本実施例では、スクリュ1
1の前進方向への動きで制御する。
【0028】図2に示す様に設定した背圧を、複数(n
分割)に分割する。
【0029】背圧の印加方法は、まず射出用サーボモー
タ1のブレーキトルクを圧力BP1相当に制限して負荷
する。所定の時間ブレーキトルクを負荷してスクリュ1
1があらかじめ定めた許容値以上前進方向に進まなかっ
たら、射出用サーボモータ1のブレーキトルクを次の圧
力BP2相当に制限して負荷する。所定の時間ブレーキ
トルクを負荷してスクリュ11があらかじめ定めた許容
値以上前進方向にすすまなかったら、射出用サーボモー
タ1のブレーキトルクを次の圧力BP3相当に制限して
負荷する。このように繰り返し実行して背圧値を上げて
行きブレーキトルクが最終設定値の背圧BPn相当とな
ったらその設定値を維持するように制御する。スクリュ
11の後退位置が設定した値と一致したら射出用サーボ
モータ1、計量用サーボモータ2を停止して計量動作を
停止する。
【0030】背圧の設定が不適切で、溶融樹脂の背圧が
設定値までにならない場合について説明する。樹脂圧に
よるスクリュ11の後退力が射出用サーボモータ1によ
るブレーキ力と同等ないしそれを上回る間は各ステップ
を実施し次のステップに進む。例えばBP3のステップ
で樹脂圧の後退力より射出用サーボモータ1の出力が大
きくなった場合、スクリュ11は前進方向へ移動する。
この前進方向の動きが予め定めた所定時間当たりの許容
値を越えた場合は、アラームを出し、射出用サーボモー
タ1、計量用サーボモータ2を停止して、計量動作を停
止する。この制御方法により実際の樹脂背圧が設定値よ
り低い場合、スクリュ11がバレル15の先端に衝突す
るのを防止できる。
【0031】すなわち、上記実施例2の計量動作は、図
5のフローチャートに示すように行われるようになって
いる。この場合、図5において、t1 :計測時間、ts
:t1 の許容値、P:背圧計測値、xE :計量完了位
置、n:背圧設定分割数、△t:スキャンタイム、S2
:計測時のスクリュ位置、S1 :計測開始時のスクリ
ュ位置、L:スクリュ前進許容値である。
【0032】すなわち、計量が開始されると、計量用サ
ーボモータ2が起動される。先ず、ステップ1となり、
計測時間は「0」となり、背圧設定値BP1が設定され
る。そして、スクリュ11の位置が計量完了位置かを確
認するとともに、スクリュ11の前進移動位置が許容値
以内かを確認する。
【0033】この際、所定時間内に、計量完了位置とな
ってしまった場合、あるいは所定時間内にスクリュ11
の前進量が許容値を越えた場合、異常と判断し、エラー
処理を行う。
【0034】また、エラーとならずに、そのステップに
おいて所定時間が経過した場合、1ステップ上の背圧設
定値とし、このステップが最終設定値でない場合、その
背圧設定値で計量を実行しながら上記の異常判断を繰り
返し、最終設定値の場合、その最終設定値で計量を実行
し、計量完了位置となるのを待って、計量を完了する。
【0035】〈実施例3〉 背圧設定値を分割して設定し各段階を実施していくこと
は実施例1と同じであるが、背圧の設定が不適切で、溶
融樹脂の背圧が設定値までにならない場合の対応につい
て説明する。
【0036】例えば樹脂背圧が設定値より低いBP3未
満であったとすると、BP2までは実施され、圧力BP
3の段階で所定の時間を経過しても、ロードセル8の検
出力はBP3に至らないことになる。そのまま計量動作
を継続すると、スクリュ11はバレル15の先端に衝突
してしまう。
【0037】本制御では、所定の時間内にロードセル8
の検出値がBP3に至らなかった場合には、前ステッ
プ、つまりBP2の条件をもう一度実施する。BP2の
ステップをクリアしたならば、またBP3のステップを
実行する。やはりロードセル8の検出値がBP3に至ら
なかったら、また前のBP2のステップを実行する。前
のステップに戻る回数が、予め設定した許容繰り返し回
数に至っても最終設定値に至らなかった場合には、アラ
ームを出し、射出用サーボモータ1、計量用サーボモー
タ2を停止して、計量動作を停止する。この制御方法に
より実際の樹脂背圧が設定値より低い場合、スクリュ1
1が、バレル15の先端に衝突するのを防止できる。
【0038】すなわち、上記実施例3の計量動作は、図
6のフローチャートに示すように行われるようになって
いる。この場合、図6において、t1 :計測時間、ts
:t1 の許容値、P:背圧計測値、xE :計量完了位
置、n:背圧設定分割数、△t:スキャンタイム、S2
:計測時のスクリュ位置、m:繰返し許容回数、f:
繰返し回数である。
【0039】すなわち、計量が開始されると、計量用サ
ーボモータ2が起動される。先ず、ステップ1となり、
繰返し回数は「0」となり、計測時間は「0」となり、
分割背圧値BP1が設定される。そして、スクリュ11
の位置が計量完了位置かを確認するとともに、計測した
圧力が所定の背圧設定値になったかを確認する。
【0040】この際、背圧設定値に至る前に、計量完了
位置となってしまった場合、異常と判断し、エラー処理
を行う。
【0041】また、エラーとならずに、所定時間内に所
定の背圧設定値になった場合、1ステップ上の背圧設定
値とし、このステップが最終設定値でない場合、その
圧設定値で計量を実行しながら上記の異常判断を繰り返
、最終設定値の場合、その最終設定値で計量を実行
し、計量完了位置となるのを待って、計量を完了する。
【0042】また、所定時間経過しても所定の背圧設定
にならなかった場合、1ステップ下の背圧設定値に
し、繰返し回数をカウントアップする。この繰返し回数
が繰返し許容回数に達するまでは、その背圧設定値で計
量を実行し、繰返し許容回数に達した場合、異常と判断
し、エラー処理を行う。
【0043】〈実施例4〉 背圧設定値を分割して設定していくことは実施例1と同
じであるが、本実施例では、実施例2と同様にスクリュ
11の前進方向への動きを監視する。樹脂圧によるスク
リュ11の後退力が射出用サーボモータ1によるブレー
キ力と同等ないしそれを上回る間は各ステップを実施し
次のステップに進む。例えばBP3のステップで、樹脂
圧の後退力より射出用サーボモータ1の出力が大きくな
った場合、スクリュ11は前進方向へ移動する。所定の
時間内にこの前進方向の動作が予め定めた許容値を越え
た場合は、前のステップに戻り動作を繰り返す。
【0044】前のステップに戻る回数が、予め設定した
許容繰り返し回数に至っても最終設定値に至らなかった
場合には、アラームを出し、射出用サーボモータ1、計
量用サーボモータ2を停止して、計量動作を停止する。
この制御方法により実際の樹脂背圧が設定値より低い場
合、スクリュ11が、バレル15の先端に衝突するのを
防止できる。
【0045】すなわち、上記実施例4の計量動作は、図
7のフローチャートに示すように行われるようになって
いる。この場合、図7において、t1 :計測時間、ts
:t1 の許容値、P:背圧計測値、xE :計量完了位
置、n:背圧設定分割数、△t:スキャンタイム、S2
:計測時のスクリュ位置、m:繰返し許容回数、f:
繰返し回数、S1 :計測開始時のスクリュ位置、L:ス
クリュ前進許容値である。
【0046】すなわち、計量が開始されると、計量用サ
ーボモータ2が起動される。先ず、ステップ1となり、
繰返し回数は「0」となり、計測時間は「0」となり、
分割背圧値BP1が設定される。そして、スクリュ11
の位置が計量完了位置かを確認するとともに、スクリュ
11の前進移動位置が許容値以内かを確認する。
【0047】この際、所定時間内に、計量完了位置とな
ってしまった場合、異常と判断し、エラー処理を行う。
【0048】また、エラーとならずに、そのステップに
おいて所定時間が経過した場合、1ステップ上の背圧設
定値とし、このステップが最終設定値でない場合、その
背圧設定値で計量を実行しながら上記の異常判断を繰り
返し、最終設定値の場合、その最終設定値で計量を実行
し、計量完了位置となるのを待って、計量を完了する。
【0049】また、所定時間内にスクリュ11の前進量
が許容値を越えた場合、1ステップ下の背圧設定値に
し、繰返し回数をカウントアップする。この繰返し回数
が繰返し許容回数に達するまでは、その背圧設定値で計
量を実行し、繰返し許容回数に達した場合、異常と判断
し、エラー処理を行う。
【0050】上記したように、背圧設定値を、0から
終設定値の間で複数に分割する。背圧を印加する時は、
低い方から背圧設定値を順を追って設定していく。各ス
テップにおいてエラーとならずに所定時間が経過した
ら、順次、次ステップの背圧設定値に繰り上げる。最終
設定値となったらその背圧値を維持するように制御す
る。これにより、スクリュが前進し過ぎてシリンダに衝
突してしまう危険を回避する。すなわち、計量時可塑化
樹脂によるスクリュ11の後退力がサーボモータ1の設
定ブレーキ力より小さい時、スクリュ11が前進方向に
進み過ぎ、スクリュ11がバレル15の先端に衝突して
しまう危険を防止できる。
【0051】また、各ステップにおいて背圧値が所定時
間内に背圧設定値に至らない時は、その前のステップに
戻り実行し、前のステップに戻る回数が許容回数に至っ
た時は、そこで、計量動作を停止する。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
背圧設定値を2段階以上の複数に分割設定し、低背圧値
より逐次各ステップを実行して行き、背圧がステップの
背圧設定値に至らない時は、その時点で計量動作を停止
する背圧制御方法とし、背圧背圧設定値より小さい
時、スクリュが前進し過ぎてシリンダの先端に衝突する
のを防ぐことができる電動射出成形機のスクリュ背圧制
御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例における電動射出成形機の
全体の構成を示す側面図。
【図2】スクリュ背圧制御における背圧設定値を説明す
るための図。
【図3】背圧力制御回路の構成を示すブロック図。
【図4】実施例1の計量動作を説明するためのフローチ
ャート。
【図5】実施例2の計量動作を説明するためのフローチ
ャート。
【図6】実施例3の計量動作を説明するためのフローチ
ャート。
【図7】実施例4の計量動作を説明するためのフローチ
ャート。
【符号の説明】 1…射出用サーボモータ 8…ロードセル 11…スクリュ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計量時に後退してくるスクリュに対して
    射出用サーボモータをスクリュの前進側に進む方向に
    動して、後退してくるスクリュにブレーキ力を与えて可
    塑化された樹脂に背圧力を負荷する電動射出成形機のス
    クリュ背圧力制御方法において、 計量時における背圧力設定値をステップ毎に順次大きく
    なるように設定し、各ステップにおいて、スクリュの背
    圧力検出器が検出する検出値を監視しながら計量を行
    い、検出値が背圧力設定値に到達した時、次のステップ
    に移行して背圧力設定値を次のステップの値に繰り上
    げ、検出値が最大背圧力設定値に到達した時には、最大
    背圧力設定値で計量を継続し、計量時に後退するスクリ
    ュの位置が予め設定する計量完了位置に到達した時、計
    量動作を停止するようにした電動射出成形機のスクリュ
    背圧力制御方法。
  2. 【請求項2】 いずれかのステップにおいて、前記検出
    値が所定の時間内に背圧力設定値に到達しない時には、
    計量動作を停止することを特徴とする請求項1に記載の
    電動射出成形機のスクリュ背圧力制御方法。
  3. 【請求項3】 いずれかのステップにおいて、前記検出
    値が所定の時間内に背圧力設定値に到達しない時には、
    1つ前のステップに戻って背圧力設定値を1つ前のステ
    ップの値に戻し、この1つ前のステップに戻った回数が
    許容回数となった時は計量動作を停止することを特徴と
    する請求項1に記載の電動射出成形機のスクリュ背圧力
    制御方法。
  4. 【請求項4】 計量時に後退してくるスクリュに対して
    射出用サーボモータをスクリュの前進側に進む方向に駆
    動して、後退してくるスクリュにブレーキ力を与えて可
    塑化された樹脂に背圧力を負荷する電動射出成形機のス
    クリュ背圧力制御方法において、 計量時における背圧力設定値をステップ毎に順次大きく
    なるように設定し、各ステップにおいて、スクリュの前
    進側への移動量を監視しながら計量を行い、各ステップ
    において、スクリュが前進側に所定量以上移動すること
    なく所定の時間 が経過した時には、次のステップに移行
    して背圧力設定値を次のステップの値に繰り上げ、一
    方、いずれかのステップにおいて、前記所定の時間が経
    過する前にスクリュが前進側に前記所定量以上移動した
    時には、計量動作を停止し、 背圧力設定値が最大背圧力設定値に到達した時には、最
    大背圧力設定値で計量を継続し、計量時に後退するスク
    リュの位置が予め設定する計量完了位置に到達した時、
    計量動作を停止するようにした電動射出成形機のスクリ
    ュ背圧力制御方法。
  5. 【請求項5】 計量時に後退してくるスクリュに対して
    射出用サーボモータをスクリュの前進側に進む方向に駆
    動して、後退してくるスクリュにブレーキ力を与えて可
    塑化された樹脂に背圧力を負荷する電動射出成形機のス
    クリュ背圧力制御方法において、 計量時における背圧力設定値をステップ毎に順次大きく
    なるように設定し、各ステップにおいて、スクリュの前
    進側への移動量を監視しながら計量を行い、各ステップ
    において、スクリュが前進側に所定量以上移動すること
    なく所定の時間が経過した時には、次のステップに移行
    して背圧力設定値を次のステップの値に繰り上げ、一
    方、いずれかのステップにおいて、前記所定の時間が経
    過する前にスクリュが前進側に前記所定量以上移動した
    時には、1つ前のステップに戻って背圧力設定値を1つ
    前のステップの値に戻し、 この1つ前のステップに戻った回数が許容回数となった
    時は計量動作を停止し、 背圧力設定値が最大背圧力設定値に到達した時には、最
    大背圧力設定値で計量を継続し、計量時に後退するスク
    リュの位置が予め設定する計量完了位置に到達した時、
    計量動作を停止するようにした電動射出成形機のスクリ
    ュ背圧力制御方法。
JP5317625A 1993-12-17 1993-12-17 電動射出成形機のスクリュ背圧力制御方法 Expired - Fee Related JP3053518B2 (ja)

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