JP3053017U - 衛生用皮膚清拭材と衛生用皮膚清拭材用容器およびその容器の中蓋 - Google Patents

衛生用皮膚清拭材と衛生用皮膚清拭材用容器およびその容器の中蓋

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JP3053017U
JP3053017U JP1998002196U JP219698U JP3053017U JP 3053017 U JP3053017 U JP 3053017U JP 1998002196 U JP1998002196 U JP 1998002196U JP 219698 U JP219698 U JP 219698U JP 3053017 U JP3053017 U JP 3053017U
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俊之 高橋
伊志勝 城
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚に対して親和性を有し肌荒れなどが生じ
ることがなく、殺菌効果が安定し、体液、汚物などの吸
い取り、拭きとりに適度の含浸率を有する衛生用皮膚清
拭材を提供する。 【解決手段】 水を含浸した積層した皮膚清拭用繊維状
シート1を容器本体6に積層して収納する。容器本体6
内に積層収納された皮膚清拭用繊維状シート1上に二酸
化チタン被膜17で表面処理された中蓋体16を上下移動可
能に配設する。繊維状シート1は、高吸収性短繊維のパ
ルプシート2を水解性のパルプ材の短繊維の一部に楮の
長繊維を混抄した複合繊維シート3にて挟着し、このパ
ルプシート2を挟着した複合繊維シート3にエンボス加
工部4にて一体に形成する。容器本体6に繊維状シート
収納室8と貯水室9との間に水を毛細管作用により揚水
する吸水シート13を配設する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は殺菌された皮膚清拭用のウエットティシュなどの衛生用皮膚清拭材、 収納された衛生用皮膚清拭材を殺菌する衛生用皮膚清拭材用容器および収納され た衛生用皮膚清拭材を殺菌する衛生用皮膚清拭材用容器の中蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、手、顔、肌、乳児の尻などを清拭する衛生用皮膚清拭材としては、希釈 された濃度のアルコール、エステル類、または塩化ベンザルコニウム、塩酸クロ ルヘキシジン、アクリノールなどの消毒剤または殺菌剤を含浸させた繊維状シー ト、または、例えば、特開平4−15021号公報に記載されているように、ホ ホバ油、スクワランなどの殺菌効果のある植物油を含浸させた繊維状シート、或 いは、実開平5−51990号公報に記載されているように、電気的に処理した 酸性水に含浸させた繊維状シートが知られている。
【0003】 これらの従来知られている衛生用皮膚清拭材は、天然繊維、化学繊維などの板 状材、織布、布織布に薬液を70%〜90%含浸させ、この薬液を含浸させた衛生用 皮膚清拭材を折り畳み、または積層して、全体または一部に樹脂加工またはアル ミニューム蒸着加工した合成樹脂または紙などのフィルムまたはシートにて袋状 または立体状に形成した容器に収納されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来の衛生用皮膚清拭材に含浸させたアルコール消毒液、塩素系殺菌剤は 一時的に殺菌効果が認められるが、肌の脂質の水分を脱脂し、または角質層に反 応して肌荒れの原因となるなど皮膚に対する非親和性に問題がある。
【0005】 また、衛生用皮膚清拭材に含浸させたエステル類は、種類による溶解度の多様 性があり、濃度による殺菌効果の差が大きく、調整の煩雑性によって製造上の品 質管理に問題がある。
【0006】 さらに、衛生用皮膚清拭材に植物の精油抽出成分を他の活性剤、香料とともに 含浸した衛生用皮膚清拭材では高価となる問題がある。
【0007】 また、電気的に処理した酸性水に含浸させた繊維状シートでは、経時的に酸性 水の酸化還元電位が低下し、殺菌効果が失効するなど品質が安定しない問題があ り、完全な密閉性を必要とし、取扱い上に問題がある。
【0008】 さらに、衛生用皮膚清拭材は皮膚の汗などの体液、汚物を拭き取るとき、含水 率を低くすれば、吸収と清拭の両機能を発揮できるが、衛生用皮膚清拭材をアル ミニューム蒸着フィルム、合成樹脂フィルムなどの収納袋に収納する場合、経過 的に薬液などの蒸発により含浸液量が減少し易く、品質に不均一が生じ品質の安 定性を図ることができにくく、また、一般的に清浄綿といわれている衛生用皮膚 清拭材の含浸液の含水率は注入加工技術上、70%〜90%となっている。
【0009】 このような衛生用皮膚清拭材は綿板が二重折りされて包装袋に一枚ごとに収納 されており、この包装袋に限度以上の含浸液量が注入されていると、綿板は余剰 液で膨潤し、繊維が絡み合い、剥離すべき綿の折り合わせの断層面部分は一体化 して剥がしにく、また、綿板を取扱うときに手などの圧迫による変形でも断層面 部分は一体化して剥がしにくくなり、特に、綿板が小面積の場合に綿板の一体化 が生じ易い問題がある。
【0010】 また、収納袋に余剰液が多い場合には、衛生用皮膚清拭材を取扱うときに液だ れを伴い易く、肌や手を汚すこともあり、著しく不便であり、処置後さらに、乾 いた布などで拭き取る作業が必要となる問題を有している。
【0011】 さらに、衛生用皮膚清拭材の繊維状シートは通常、天然繊維が主で、一部に化 学繊維を混入した織布、不織布、ガーゼなどからなり、水洗便器に流すとができ ない問題を有している。また、水洗便器に流せる繊維状シートが知られているが 、この繊維状シートには湿潤紙力増強材などがバインダーとして用いられている ため、肌や粘膜に障害を発生し易く、皮膚清拭材として使用できない問題があっ た。
【0012】 本考案は上記問題点に鑑みなされたもので、皮膚に対して親和性を有し肌荒れ などが生じることがなく、殺菌効果が安定し、体液、汚物などの吸い取り、拭き 取りに適度の含浸率を有する衛生用皮膚清拭材と衛生用皮膚清拭材用容器および その容器の中蓋を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案は、容器内に積層して収納され水を含浸した皮膚清拭用繊 維状シートにて形成される衛生用皮膚清拭材であって、前記最上層の繊維状シー トに二酸化チタン被膜で表面処理した中蓋を接触させたものである。
【0014】 そして、容器内に積層されて収納された繊維状シートのうち、最上層の繊維状 シートは容器の中蓋に接触されており、この中蓋に表面処理した二酸化チタン被 膜は光エネルギーを吸収して電気エネルギーに変換し、酸化還元作用で細菌の活 動を封じることにより、殺菌作用を発現し、水を媒体として積層されたシートに 殺菌効果を与えるとともに無菌状態が保持される。
【0015】 また、二酸化チタン被膜は非溶質性でそれ自体は変化することなく周囲を変化 させる触媒機能を利用するもので、光応答の電気エネルギーによる電子の活動は ごく短時間に繰り返し起こり、反応レベルはきわめて低く、分解された有機物は 二酸化炭素と水となり、皮膚に対して安全性が高い。
【0016】 請求項2記載の考案の衛生用皮膚清拭材は、請求項1記載の衛生用皮膚清拭材 において、繊維状シートは、水解性のパルプ材の短繊維の一部に植物の長繊維を 混抄してエンボス加工した繊維シートにて形成したものである。
【0017】 そして、繊維状シートは紙力増強材、接着材などのバインダーを担持せずにエ ンボス加工してシート状に結合したため、皮膚に対する安全性を有するとともに 水解性を有し、水洗便器などに流出させることにより溶解する。
【0018】 請求項3記載の考案の衛生用皮膚清拭材は、請求項1記載の衛生用皮膚清拭材 において、繊維状シートは、高吸収性短繊維のパルプシートを水解性のパルプ材 の短繊維の一部に植物の長繊維を混抄した複合繊維シートにて挟着し、このパル プシートを挟着した複合繊維シートにエンボス加工にて一体に形成したものであ る。
【0019】 そして、繊維状シートの高吸収性短繊維のパルプシートにより急速に吸水性が 高められて外側の複合繊維シート層を破壊する作用を有する。また、繊維状シー トはパルプシートを水解性のパルプ材の短繊維の一部に植物の長繊維を混抄した 複合繊維シートにて挟着してエンボス加工してシート状に結合したため、皮膚に 対する安全性を有するとともに水解性を有している。
【0020】 請求項4記載の考案の衛生用皮膚清拭材は、請求項1記載のないし3のいずれ かに記載の衛生用皮膚清拭材において、積層された最上層の繊維状シートは、20 〜70%の含水率の水を含浸しているものである。
【0021】 そして、繊維状シートは、20〜70%の含水率、好ましくは40%の含水率の水を 含浸しているため、繊維状シートの含水率が20%未満の場合のように、汗などの 体液の拭き取りが困難になったり、含水率が70%を越えた場合のように水だれが 生じたりすることなく、体液などの吸い取りが良好にできるとともに皮膚に付着 した汚物などの拭き取りが確実にでき、手などを汚すことがない。
【0022】 請求項5記載の考案の衛生用皮膚清拭材用容器は、水を含浸して積層した皮膚 清拭用繊維状シートを収納する容器本体と、この容器本体内に積層収納された皮 膚清拭用繊維状シート上に上下移動可能に配設され二酸化チタン被膜で表面処理 された中蓋とを備えたものである。
【0023】 そして、容器内に繊維状シートを積層して収納して中蓋を上層部の繊維状シー トに載置することによって最上層の繊維状シートは容器の中蓋に接触されており 、この中蓋に表面処理した二酸化チタン被膜による酸化還元作用で細菌の活動を 封じ、水を媒体として積層されたシートに殺菌効果を与えるとともに無菌状態で 保持される。
【0024】 また、繊維状シートに含浸された水分は中蓋により蒸発が抑制される。
【0025】 請求項6記載の考案の衛生用皮膚清拭材用容器は、請求項5記載の衛生用皮膚 清拭材用容器において、繊維状シートは、水解性のパルプ材の短繊維の一部に植 物の長繊維を混抄してエンボス加工した繊維シートにて形成したものである。
【0026】 そして、繊維状シートはエンボス加工してシート状に結合したため、皮膚に対 する安全性を有するとともに水解性を有している。
【0027】 請求項7記載の考案の衛生用皮膚清拭材用容器は、請求項5記載の衛生用皮膚 清拭材用容器において、繊維状シートは、高吸収性短繊維のパルプシートを水解 性のパルプ材の短繊維の一部に植物の長繊維を混抄した複合繊維シートにて挟着 し、このパルプシートを挟着した複合繊維シートにエンボス加工にて一体に形成 したものである。
【0028】 そして、繊維状シートは高吸収性短繊維のパルプシートにより吸水性が高めら れるとともに、パルプシートの急速な吸水力により外側の複合繊維シートを破壊 し、水解性が高められる。
【0029】 請求項8記載の考案の衛生用皮膚清拭材用容器は、請求項5ないし7のいずれ かに記載の衛生用皮膚清拭材用容器において、最上層の繊維状シートは、20〜70 %の含水率の水を含浸しているものである。
【0030】 そして、繊維状シートには、20〜70%の含水率、好ましくは40%の含水率の水 を含浸できるため、皮膚から汗などの体液の吸収が良好にできるとともに汚物の 拭き取りが確実にできる。
【0031】 請求項9記載の考案の衛生用皮膚清拭材用容器は、請求項5ないし8のいずれ かに記載の衛生用皮膚清拭材用容器において、容器本体には、繊維状シート収納 室に収納された繊維状シートに含浸させる水を貯留する貯水室を形成したもので ある。
【0032】 そして、容器本体の貯水室に貯留した水は繊維状シート収納室に収納された繊 維状シートに浸透され、繊維状シート、特に最上層の繊維状シートは適度の、20 〜70%の含水率の水が常時に含浸された状態に維持され、最上層の繊維状シート は容器の中蓋に接触されており、この中蓋の表面処理した二酸化チタン被膜によ り酸化還元作用で細菌の活動を封じ、水を媒体として積層されたシートに殺菌効 果を与えるとともに無菌状態で保持される。
【0033】 請求項10記載の考案の衛生用皮膚清拭材用容器は、請求項9記載の衛生用皮 膚清拭材用容器において、繊維状シート収納室と貯水室との間に繊維状シート収 納室に収納された繊維状シートに含浸させる水を前記貯水室から毛細管作用によ り揚水する吸水シートを配設したものである。
【0034】 そして、容器本体の貯水室に貯留した水は吸水シートの毛細管現象により揚水 されて繊維状シート収納室に収納された繊維状シートに含浸され、繊維状シート 、特に最上層の繊維状シートは適度の水が常時に含浸された状態に維持され、最 上層の繊維状シートは容器の中蓋に接触されていることから、この中蓋の表面処 理した二酸化チタン被膜により酸化還元作用で細菌の活動を封じ、水を媒体とし て積層されたシートに殺菌効果を与えるとともに無菌状態で保持される。
【0035】 請求項11記載の考案の衛生用皮膚清拭材用容器の中蓋は、容器内の水を含浸 して積層した皮膚清拭用繊維状シート上に上下移動可能に配設される中蓋であっ て、表面に二酸化チタン被膜を形成したものである。
【0036】 そして、容器内に積層して収納した上層部の繊維状シートに中蓋を載置するこ とによって、最上層の繊維状シートは容器の中蓋に接触されており、この中蓋の 表面処理した二酸化チタン被膜により酸化還元作用で細菌の活動を封じ、水を媒 体として積層された繊維状シートに殺菌効果を与えるとともに無菌状態で保持さ れる。
【0037】
【考案の実施の形態】
図2において、1は皮膚清拭用繊維状シートで、この繊維状シート1は繊維長 2mm〜5mm、好ましくは2mm程度の高吸収性短繊維のパルプシート2を水解性の 針葉樹などのパルプ材の繊維長4mm程度の短繊維の一部に繊維長10mm以上の楮、 みつまた、麻、その他の針葉樹などの植物の長繊維を混抄した複合繊維シート3 にて挟着する。この短繊維と長繊維との混合比は水解性に良好な4対1とし、こ のパルプシート2を挟着した複合繊維シート3にエンボス加工によるエンボス加 工部4にて一体に形成されている。この繊維状シート1は汗などの体液、汚物を 拭き取る際に手を汚さない程度の清拭に十分な成人の掌と同等以上の面積を有し 、折り畳まないで収納される。
【0038】 また、図1および図3に示すように、繊維状シート1を水を含浸した状態で収 納する容器5は上面を開口した箱状の容器本体6とこの容器本体6の上面開口部 を密閉閉塞する蓋体7とにて形成されている。この容器本体6と蓋体7とはポリ カーボネート樹脂などの合成樹脂にて成型されている。この容器本体6は前記繊 維状シート1を折り畳まないで収納される大きさに成型されている。
【0039】 そして、この容器本体5内には、繊維状シート収納室8とこの繊維状シート収 納室8の下部に形成されこの繊維状シート収納室8に収納された繊維状シート1 に含浸させる水を貯留する貯水室9とが仕切り板10にて区画形成されている。こ の容器本体1は前記繊維シート1を折り畳まないで積層収納できる開口面積を有 している。
【0040】 この仕切り板10の中央部には前記繊維状シート収納室8と貯水室9とに連通し たスリット11と複数の余剰水還流孔12が貫通形成され、このスリット11に前記繊 維状シート収納室8に収納された繊維状シート1に含浸させる水を前記貯水室9 から毛細管作用により揚水する吸水シート13が挿通されている。この吸水シート 13は下半部は前記貯水室9に充填した水中に浸漬され、前記仕切り板10のスリッ ト11から上方に突出した上半部は左右に折り曲げられて仕切り板10上に配設され 、この吸水シート13上に前記繊維状シート1が積層されるようになっている。こ の吸水シート13は最上層の繊維状シート1に常時20〜70%の含水率、好ましくは 40%の含水率の水が含浸されるように厚み幅を設定する。
【0041】 なお、前記容器本体6の下部には貯水室9に吸水する注水口14が開口され、こ の注水口14は栓14a にて開閉自在に閉塞されている。
【0042】 次に前記容器本体6の繊維状シート収納室8に積層して収納された繊維状シー ト1上に中蓋15が上下移動可能に配設されている。この中蓋15は中蓋体16とこの 中蓋体16に表面処理形成された二酸化チタン被膜17とで構成されている。この二 酸化チタン被膜17は光エネルギーを受けて電気エネルギーが生じ、その際の酸化 還元反応により細菌の活動を抑制し、その結果殺菌する。なお、この二酸化チタ ン被膜17が電気エネルギーを生じさせる光エネルギー源は、太陽光に限られるも のではなく、例えば、40ワット程度の蛍光ランプ光でも電気エネルギーに変換で きる。
【0043】 この中蓋体16はポリカーボネート樹脂、無機ガラスまたはグラスファイバーに て形成する。
【0044】 また、二酸化チタン被膜17はアナタース型が有効で、PVDのスパッタリング 薄膜またはCVDのイオンプレーティング法にて形成する。また、二酸化チタン 被膜17は周知のスプレー用NSC(日本曹達株式会社製)などによりグラビア印 刷により形成することもできる。
【0045】 そして、容器本体6の繊維状シート収納室8に収納された繊維状シート1上に 配設された中蓋15は中蓋体16の自重で積層された最上層の繊維状シート1に接触 される。
【0046】 また、この中蓋体16の上面には摘み18が設けられている。
【0047】 次に、この実施の形態の作用を説明する。
【0048】 容器本体6の貯水室9に吸水シート13の下半部をこの貯水室9に充填した水中 に浸漬するとともに仕切り板10のスリット11から上方に突出した上半部は左右に 折り曲げて仕切り板10上に配設し、仕切り板10の上部の繊維状シート収納室8に 位置している吸水シート13の上に繊維状シート1を積層する。そして、容器本体 6に中蓋15を挿入して最上層の繊維状シート1上に配設した、開口部を蓋体7に て開閉可能に閉塞する。
【0049】 この状態で積層した最上層の繊維状シート1には中蓋体16が自重で常時接触さ れており、この中蓋体16の表面処理した二酸化チタン被膜17は光エネルギーを吸 収して電気エネルギーに変換し、その際生じる酸化還元作用で細菌の活動を封じ る。この二酸化チタン被膜17は非溶質性でそれ自体は変化することなく周囲を変 化させる触媒機能を有し、二酸化チタン被膜17に水分が付着した状態で光エネル ギーを受けると、二酸化チタンの結晶中に正孔が生じ、自由電子が結晶表面で酸 素を還元してスーパーオキサイドイオンを発生させ、また、短寿命の水酸ラジカ を発生させ、この二種類のイオンが菌類を分解し、殺菌作用を発現する。
【0050】 この二酸化チタン被膜17の光応答の電気エネルギーによる電子の活動はごく短 時間に繰り返し起こり、反応レベルはきわめて低く、分解された有機物は二酸化 炭素と水となり、皮膚に対して安全性が高い。
【0051】 この二酸化チタン被膜17による殺菌作用の発現で、水を媒体として積層された 繊維状シート1に殺菌効果を与え、繊維状シート1は無菌状態で保持される。
【0052】 また、仕切り板10の上部の繊維状シート収納室8に位置している吸水シート13 は貯水室9の水を揚水し、毛細管現象で揚水して積層されている最下層の繊維状 シート1に吸水し、最下層の繊維状シート1に吸水された水は積層された繊維状 シート1を順次に浸潤して最上層の繊維状シート1を浸潤する。
【0053】 そして、容器本体6の開口部から中蓋15を開いてから取り出す最上層の繊維状 シート1には、常時20〜70%の含水率、好ましくは40%の含水率の水が含浸され ており、肌から汗などの体液の吸収が良好にできるとともに皮膚に付着した汚物 などの拭き取りができ、中蓋体16の表面処理した二酸化チタン被膜17により水を 媒体として積層された繊維状シート1に殺菌効果を与えるとともに無菌状態に保 持されている。
【0054】 また、過剰に揚水された水は重力水となって仕切り板10の複数の余剰水還流孔 12から貯水室9に還流されるため、繊維状シート1は確実に20〜70%の含水率、 好ましくは40%の含水率が維持される。
【0055】 また、繊維状シート1に含浸されている水は中蓋体16により蒸発が抑制され、 常時20〜70%の含水率が維持される。
【0056】 なお、繊維状シート1の含水率が20%未満となると汚物などの拭き取りが困難 になり、含水率が70%を越えると液だれが生じ、体液などの吸い取りが困難にな る。
【0057】 また、繊維状シート1は、繊維長2mm程度の高吸収性短繊維のパルプシート2 を水解性のパルプ材の短繊維の一部に楮などの植物の長繊維を混抄した複合繊維 シート3にて挟着したため、パルプシート2により吸水性が高められて20〜70% の含水率の水が含浸され、このパルプシート2を挟着した複合繊維シート3にエ ンボス加工にてシート状に一体に形成したため、繊維状シート1は紙力増強材、 接着材などのバインダーを担持せずに形成でき、その結果皮膚に対する安全性が 高められ、また、水解性のパルプ材の短繊維が瞬時に吸水して混抄した複合繊維 シート3を破壊する水解性を有し、水洗便器などに流出させることにより溶解さ れる。
【0058】 また、容器本体6、蓋体7および中蓋体16を略300℃程度の耐熱性を有する 材料で成型することにより、気温が低いときには、容器5を電子レンジなどて容 器5を低温加熱により加温することにより繊維状シート1は幼児などに冷たい感 覚を与えない快適な使用感が得られる。
【0059】 なお、前記実施の形態では、繊維状シート1は、前記パルプシート2を複合繊 維シート3にて挟着した構造としたが、この繊維状シート1は、水解性のパルプ 材の短繊維の一部に植物の長繊維を混抄した複合繊維シート3の単層体にエンボ ス加工によるエンボス加工部4にて一体性を保持できるようにした構造とするこ ともできる。
【0060】 この繊維状シート1でも、紙力増強材、接着材などのバインダーを担持せずに エンボス加工してシート状に結合したため、皮膚に対する安全性を有するととも に水解性を有し、水洗便器などに流出させることにより溶解できる。このことに より綿板、またはパルプ80%にレーヨン200 %の医用布織布(テクスターパシフ ィク社製)にて形成する繊維状シート1が水解性を有しない不便さを解消し、水 洗便器に流すことができる。
【0061】 また、中蓋体16は図4に示すように表面をエンボス加工などにより凹凸面に成 型し、この凹凸表面に二酸化チタン被膜17を形成することにより光触媒機能を高 めることができるように比表面積を大きくし、殺菌作用を高めることもできる。
【0062】 さらに、図5に示すように、中蓋体16に形成する二酸化チタン被膜17は、模様 状に形成することもできる。
【0063】 また、容器本体6の周側面に二酸化チタン被膜を形成して光触媒機能を高め、 殺菌効果を大きくすることもできる。
【0064】
【実施例】
容器本体6、蓋体7および中蓋体16は300℃程度の耐熱性を有するポリカー ボネート樹脂にて成型し、容器本体6は平面の一辺を8〜15cm、好ましくは10cm 、高さは5〜10cmで、容器本体6、蓋体7の厚みは1〜3mm以下に成型する。ま た、蓋体7の容器本体6に嵌合される嵌合縁7aの高さは開閉の簡便性から10mm以 下とする。
【0065】 この容器本体1の高さは積層された繊維状シート1は水分吸収の高さが3〜5 cmとなるので、揚水高さを4cm前後として積層された繊維状シート1の高さを4 cm程度としてその高さの3分の1の水を注入するとして使用回数と容器5の重量 を考慮すれば、容器の高さは10cmとなる。
【0066】 また、繊維状シート1は、水解性のパルプ材の短繊維の一部に楮などの植物の 長繊維を混抄した複合繊維シート3は引っ張り強度を高めるために、2〜4の複 数層に折り畳み強度を高めてエンボス加工にて一体に形成する。
【0067】
【考案の効果】 請求項1記載の考案によれば、容器内の積層された最上層の繊維状シートは中 蓋の表面処理した二酸化チタン被膜により殺菌効果が与えられて無菌状態に保持 される。また、二酸化チタン被膜は非溶質性でそれ自体は変化することなく、分 解された有機物は二酸化炭素と水となり、皮膚に対して安全性が高く、ウエット テッシュとして使用性がよい。
【0068】 請求項2記載の考案によれば、繊維状シートは紙力増強材、接着材などのバイ ンダーを担持せずにエンボス加工してシート状に結合し強度が高められるととも に、皮膚に対する安全性を有し、水解性を有し、水洗便器などに流出させること により溶解する。
【0069】 請求項3記載の考案によれば、複合繊維シートにて挟着してエンボス加工して シート状に結合し強度が高められるとともに皮膚に対する安全性を有し、繊維状 シートの高吸収性短繊維のパルプシートにより吸水性が高められて適度の水が含 浸され、また、水解性のパルプ材の短繊維が瞬時に吸水して混抄した複合繊維シ ートが破壊されるため、水解性が高く水洗便器などに流出させることにより水解 される。
【0070】 請求項4記載の考案によれば、繊維状シートは、20〜70%の含水率、好ましく は40%の含水率の水を含浸しているため、繊維状シート1の含水率が20%未満の 場合のように、汗などの体液の拭き取りが困難になったり、含水率が70%を越え た場合のように液だれが生じたりすることなく、体液などの吸い取りが良好にで きるとともに皮膚に付着した汚物などを拭き取りが確実にでき、手などを汚すこ とがない。
【0071】 請求項5記載の考案によれば、容器内に積層した最上層の繊維状シートは容器 の中蓋に常時接触されており、この繊維状シートに含浸された水分は中蓋により 蒸発が抑制され、適度の含水率の水分を含み、中蓋の表面処理した二酸化チタン 被膜により酸化還元作用で細菌の活動を封じ、水を媒体として積層されたシート に殺菌効果を与えるとともに無菌状態で保持される。
【0072】 請求項6記載の考案によれば、繊維状シートはエンボス加工してシート状に結 合したため、皮膚に対する安全性を有するとともに水解性を有している。
【0073】 請求項7記載の考案によれば、繊維状シートは高吸収性短繊維のパルプシート により吸水性が高められるとともにパルプシートの急激な吸水力で、外側の複合 シートが破壊される。また、皮膚に対する安全性を有するとともに水解性を有し ている。
【0074】 請求項8記載の考案によれば、繊維状シートには、20〜70%の含水率、好まし くは40%の含水率の水を含浸できるため、皮膚から汗などの体液の吸収が良好に できるとともに汚物の拭き取りが確実にできる。
【0075】 請求項9記載の考案によれば、容器本体の貯水室に貯留した水は繊維状シート 収納室に収納された繊維状シートに含浸され、繊維状シート、特に最上層の繊維 状シートは中蓋による水分の蒸発が抑制されることと相俟って適度の20〜70%の 含水率の水が常時に含浸された状態に維持され、最上層の繊維状シートは容器の 中蓋に接触されており、この中蓋の表面処理した二酸化チタン被膜により酸化還 元作用で細菌の活動を封じ、水を媒体として積層されたシートに殺菌効果を与え るとともに無菌状態で保持される。
【0076】 請求項10記載の考案によれば、容器本体の貯水室に貯留した水は吸水シート の毛細管現象により揚水されて繊維状シート収納室に収納された繊維状シートに 含浸され、繊維状シート、特に最上層の繊維状シートは適度の水が常時に含浸さ れた状態に維持され、最上層の繊維状シートは容器の中蓋に接触されていること から、この中蓋の表面処理した二酸化チタン被膜による酸化還元作用で細菌の活 動を封じ、水を媒体として積層されたシートに殺菌効果を与えるとともに無菌状 態で保持される。
【0077】 請求項11記載の考案によれば、容器内に積層して収納した上層部の繊維状シ ートに中蓋を載置することによって、最上層の繊維状シートは容器の中蓋に接触 されており、この中蓋の表面処理した二酸化チタン被膜により酸化還元作用で細 菌の活動を封じ、水を媒体として積層された繊維状シートに殺菌効果を与えると ともに無菌状態で保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施の形態を示す衛生用皮膚清拭材
用容器の縦断正面面図である。
【図2】同上衛生用皮膚清拭材の縦断説明図である。
【図3】同上衛生用皮膚清拭材用容器の斜視図である。
【図4】本考案の他の一実施の形態を示す衛生用皮膚清
拭材用容器の中蓋の斜視図である。
【図5】本考案の他の一実施の形態を示す衛生用皮膚清
拭材用容器の中蓋の斜視図である。
【符号の説明】
1 繊維状シート 2 パルプシート 3 複合繊維シート 4 エンボス加工部 5 容器 6 容器本体 8 繊維状シート収納室 9 貯水室 15 中蓋 17 二酸化チタン被膜

Claims (11)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に積層して収納され水を含浸した
    皮膚清拭用繊維状シートにて形成される衛生用皮膚清拭
    材であって、 前記最上層の繊維状シートに二酸化チタン被膜で表面処
    理した中蓋を接触させたことを特徴とする衛生用皮膚清
    拭材。
  2. 【請求項2】 繊維状シートは、水解性のパルプ材の短
    繊維の一部に植物の長繊維を混抄してエンボス加工した
    繊維シートにて形成したことを特徴とする請求項1記載
    の衛生用皮膚清拭材。
  3. 【請求項3】 繊維状シートは、高吸収性短繊維のパル
    プシートを水解性のパルプ材の短繊維の一部に植物の長
    繊維を混抄した複合繊維シートにて挟着し、このパルプ
    シートを挟着した複合繊維シートにエンボス加工にて一
    体に形成したことを特徴とする請求項1記載の衛生用皮
    膚清拭材。
  4. 【請求項4】 積層された最上層の繊維状シートは、20
    〜70%の含水率の水を含浸していることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の衛生用皮膚清拭材。
  5. 【請求項5】 水を含浸して積層した皮膚清拭用繊維状
    シートを収納する容器本体と、この容器本体内に積層収
    納された皮膚清拭用繊維状シート上に上下移動可能に配
    設され二酸化チタン被膜で表面処理された中蓋とを備え
    たことを特徴とする衛生用皮膚清拭材用容器。
  6. 【請求項6】 繊維状シートは、水解性のパルプ材の短
    繊維の一部に植物の長繊維を混抄してエンボス加工した
    繊維シートにて形成したことを特徴とする請求項5記載
    の衛生用皮膚清拭材用容器。
  7. 【請求項7】 繊維状シートは、高吸収性短繊維のパル
    プシートを水解性のパルプ材の短繊維の一部に植物の長
    繊維を混抄した複合繊維シートにて挟着し、このパルプ
    シートを挟着した複合繊維シートをエンボス加工にて一
    体に形成したことを特徴とする請求項5記載の衛生用皮
    膚清拭材用容器。
  8. 【請求項8】 最上層の繊維状シートは、20〜70%の含
    水率の水を含浸していることを特徴とする請求項5ない
    し7のいずれかに記載の衛生用皮膚清拭材用容器。
  9. 【請求項9】 容器本体には、繊維状シート収納室に収
    納された繊維状シートに含浸させる水を貯留する貯水室
    を形成したことを特徴とする請求項5ないし8のいずれ
    かに記載の衛生用皮膚清拭材用容器。
  10. 【請求項10】 繊維状シート収納室と貯水室との間に
    繊維状シート収納室に収納された繊維状シートに含浸さ
    せる水を前記貯水室から毛細管作用により揚水する吸水
    シートを配設したことを特徴とする請求項9記載の衛生
    用皮膚清拭材用容器。
  11. 【請求項11】 容器内の水を含浸して積層した皮膚清
    拭用繊維状シート上に上下移動可能に配設される中蓋で
    あって、 表面に二酸化チタン被膜を形成したことを特徴とする衛
    生用皮膚清拭材用容器の中蓋。
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