JP3051948B2 - 3次元形状測定方法 - Google Patents

3次元形状測定方法

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JP3051948B2
JP3051948B2 JP5238378A JP23837893A JP3051948B2 JP 3051948 B2 JP3051948 B2 JP 3051948B2 JP 5238378 A JP5238378 A JP 5238378A JP 23837893 A JP23837893 A JP 23837893A JP 3051948 B2 JP3051948 B2 JP 3051948B2
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勝利 西崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光切断法を用いた3
次元形状測定方法、たとえば自動車の製造ラインにおい
て搬送ラインに沿って移動させられている車体の所要部
分の3次元形状を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の測定方法として、搬送ラインの
回りの所定位置にスリット光源およびテレビカメラなど
の2次元撮像装置を備えた測定ヘッドを設け、被測定物
を搬送手段により搬送ラインに沿って移動させ、複数の
被測定物移動位置において、スリット光源より被測定物
にスリット光を照射し、このスリット光が被測定物の表
面に当たって形成される光切断線を2次元撮像装置で撮
像し、2次元撮像装置で撮像した光切断線の2次元画像
データを変換位置データを用いて測定ヘッドの3次元測
定ヘッド座標系における3次元位置データに変換し、複
数の被測定物移動位置における3次元位置データを合成
して被測定物の所要部分の3次元形状を求めるものが知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の測定方法におい
て、変換位置データは、2次元撮像装置の画面座標系に
おける光切断線の2次元画像データをスリット光面を含
む測定ヘッドの3次元測定ヘッド座標系における3次元
位置データに変換するためのものであり、測定に先立
ち、キャリブレーションによって求められている。ま
た、上記の測定は、被測定物の搬送ラインと測定ヘッド
の測定ヘッド座標系の1つの座標軸とが完全に平行にな
っていることを前提にしている。そして、この測定ヘッ
ド座標系の1つの座標軸に関する座標値は、搬送ライン
上の被測定物の移動量で与えられる。このため、搬送ラ
インと測定ヘッド座標系の1つの座標軸とが完全に平行
になっていなければ、測定値に誤差が生じ、精度の高い
測定を行うためには、これらを完全に一致させる必要が
ある。このため、測定ヘッドを測定現場に設置する際に
厳密な位置調整が要求されるが、この調整は非常に困難
で、手間がかかるという問題がある。
【0004】この発明の目的は、上記の問題を解決し、
測定ヘッドの調整が簡単で、しかも精度の高い測定がで
きる3次元形状測定方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明による3次元形
状測定方法は、搬送ラインの回りの所定位置に、スリッ
ト光源および2次元撮像装置を備えた測定ヘッドを設
け、被測定物を搬送手段により搬送ラインに沿って移動
させ、複数の被測定物移動位置において、スリット光源
より被測定物にスリット光を照射し、このスリット光が
被測定物の表面に当たって形成される光切断線を2次元
撮像装置で撮像し、2次元撮像装置で撮像した光切断線
の2次元画像データを変換位置データを用いて測定ヘッ
ドの3次元測定ヘッド座標系における3次元位置データ
に変換し、複数の被測定物移動位置における3次元位置
データを合成して被測定物の所要部分の3次元形状を求
める3次元形状測定方法において、専用の補正用治具を
用い、この治具の所定の複数の姿勢において治具の所定
部分の測定ヘッド座標系における位置を測定ヘッドを用
いて測定し、この測定結果をデータ処理することによ
り、搬送ラインと測定ヘッド座標系の1つの座標軸との
角度のずれおよびこのずれを補正するための補正式を求
め、この補正式を用いて各被測定物移動位置における3
次元位置データを補正することを特徴とするものであ
る。
【0006】たとえば、補正用治具が、搬送手段に固定
されて搬送ラインに沿って移動させられるベース、およ
び基準姿勢において搬送ラインとほぼ平行にのびる棒状
の被測定部材を備え、被測定部材が、ベースに対して、
移動手段により基準姿勢における長さ方向に移動させら
れるとともに、回転手段によりこの移動方向と直交する
2つの軸を中心に回転させられるようになされており、
この補正用治具のベースを搬送手段に固定し、搬送手段
を停止させた状態で、移動手段によりベースに対して被
測定部材を移動させ、複数の被測定部材移動位置におい
て、スリット光源より被測定部材にスリット光を照射
し、このスリット光が被測定部材の表面に当たって形成
される光切断線を2次元撮像装置で撮像し、2次元撮像
装置で撮像した光切断線の2次元画像データに基づい
て、測定ヘッド座標系の1つの座標軸に対する基準姿勢
における被測定部材の姿勢を求め、被測定部材をベース
に対して基準姿勢に固定した状態で、搬送手段により補
正用治具を搬送ラインに沿って移動させ、複数の治具移
動位置において、スリット光源より被測定部材にスリッ
ト光を照射し、このスリット光が被測定部材の表面に当
たって形成される光切断線を2次元撮像装置で撮像し、
2次元撮像装置で撮像した光切断線の2次元画像データ
と前に求めた測定ヘッド座標系の1つの座標軸に対する
基準姿勢における被測定部材の姿勢に基づいて、搬送ラ
インと測定ヘッド座標系の1つの座標軸との角度のずれ
および補正式を求める。
【0007】
【作用】専用の補正用治具を用い、この治具の所定の複
数の姿勢において治具の所定部分の測定ヘッド座標系に
おける位置を測定ヘッドを用いて測定し、この測定結果
をデータ処理することにより、搬送ラインと測定ヘッド
座標系の1つの座標軸との角度のずれおよびこのずれを
補正するための補正式を求め、この補正式を用いて各被
測定物移動位置における3次元位置データを補正するの
で、搬送ラインと測定ヘッド座標系の1つの座標軸との
間に角度のずれがあっても、測定誤差が生じることがな
く、被測定物の3次元形状を精度良く測定することがで
きる。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。
【0009】図1は、自動車製造ラインにおけるコンベ
ヤ(搬送手段)(1) 、およびこのコンベヤ(1) によりほ
ぼ水平な一定の搬送ライン(A) に沿って移動させられる
自動車の車体などの被測定物(2) の所要部分の3次元形
状を測定する3次元形状測定装置(3) の主要部の構成を
示している。また、図2は、測定装置(3) の主要部の構
成を示している。なお、以下の説明において、前後左右
は被測定物(2) の移動方向すなわち搬送ライン(A) の方
向についていうものとする。
【0010】測定装置(3) は、第1測定ヘッド(4) 、第
2測定ヘッド(5) およびデータ処理装置(6) を備えてい
る。2つのヘッド(4)(5)は、搬送ライン(A) の左右両側
に互いに対向するように配置されている。第1ヘッド
(4) は、スリット光源(7) およびテレビカメラ(8) を備
えている。スリット光源(7) は、図示しないLD(レー
ザダイオード)、シリンドリカルレンズなどを用いて、
被測定物(2) にスリット光(9) を照射するためのもので
ある。この場合、スリット光面(9a)はほぼ垂直で搬送ラ
イン(A) とほぼ直交し、Xh1軸、Yh1軸およびZh1軸の
互いに直交する3つの座標軸よりなる第1の3次元測定
ヘッド座標系が設定されている。Zh1軸はスリット光面
(9a)と平行な上下方向の座標軸、Xh1軸はスリット光面
(9a)と平行な左右方向の座標軸である。Yh1軸はスリッ
ト光面(9a)と直交する前後方向の座標軸であり、搬送ラ
イン(A) と平行かあるいはほぼ平行である。テレビカメ
ラ(8) は、スリット光(9) が被測定物(2) の表面に当た
って形成される光切断線(10)を撮像してその2次元画像
データをデータ処理装置(6) に出力するものであり、2
次元撮像装置を構成している。第2ヘッド(5) は、第1
ヘッド(4) と同様、スリット光源(11)およびテレビカメ
ラ(12)を備えており、これらは第1ヘッド(4)のものと
左右対称に配置されている。図1において、(13)は光源
(11)からのスリット光、(13a) はそのスリット光面、(1
4)はスリット光(13)が被測定物(2) の表面に当たって形
成される光切断線である。第2ヘッド(5) について、第
1のヘッド座標系と同様、Xh2軸、Yh2軸およびZh2
の互いに直交する3つの座標軸よりなる第2の3次元ヘ
ッド測定座標系が設定されている。これら2つのヘッド
座標系も、左右対称である。そして、後に詳しく説明す
るように、第1スリット光面(9a)と第2スリット光面(1
3a) が一致し、Xh1軸とXh2軸が一致し、Yh1軸とYh2
軸が互いに平行になり、かつZh1軸とZh2軸が互いに平
行になるように、2つのヘッド(4)(5)の位置および姿勢
が調整されている。なお、図1には、スペースの関係
で、Xh1軸、Yh1軸、Zh1軸、Xh2軸、Yh2軸およびZ
h2軸を適当に平行移動して示してある。また、上記のよ
うに2つのヘッド(4)(5)が調整された状態において、ヘ
ッド座標系のXh1軸(Xh2軸)、Yh1軸(Yh2軸)およ
びZh1軸(Zh2軸)をXh 軸、Yh 軸およびZh 軸と呼
ぶ。また、他の座標系と混同を生じない場合は、X
h 軸、Yh 軸およびZh 軸を単にX軸、Y軸およびZ軸
とよぶこともある。
【0011】データ処理装置(6) は、被測定物(2) の3
次元形状測定のためのデータ処理を行うものであり、マ
イクロコンピュータなどによって構成されている。図2
に示すように、2つのヘッド(4)(5)の光源(7)(11) もデ
ータ処理装置(6) に接続されている。詳細な図示は省略
したが、コンベヤ(1) には、これを駆動して被測定物
(2) を移動させるための電動モータなどを備えたコンベ
ヤ駆動装置(15)、およびたとえば駆動装置(15)の駆動量
を検出することによってコンベヤ(1) 上の被測定物(2)
などの移動量(ライン移動量)を検出するライン移動量
検出器(16)などが設けられており、駆動装置(15)および
ライン移動量検出器(16)もデータ処理装置(6) に接続さ
れている。
【0012】測定に先立ち、キャリブレーションによ
り、各ヘッド(4)(5)について、それぞれ、テレビカメラ
(8)(12) の画面座標系における光切断線の2次元画像デ
ータをヘッド座標系における3次元位置データに変換す
るための変換位置データが求められて、データ処理装置
(6) のメモリに記憶されている。また、2つのヘッド
(4)(5)の位置の調整およびヘッド座標系の補正が行われ
る。そして、後に詳しく説明するように、専用の補正用
治具(17)(図3参照)を用いて、測定座標系のYh軸に
対する搬送ライン(A) の角度のずれ、およびこのずれを
補正するための補正式が求められ、これがデータ処理装
置(6) のメモリに記憶されている。
【0013】測定時には、コンベヤ(1) により、被測定
物(2) が搬送ライン(A) に沿って所定の速度で連続的に
あるいは間欠的に移動させられる。そして、複数の被測
定物移動位置において、光源(7)(11) より被測定物(2)
にスリット光(9)(13) を照射し、スリット光(9)(13) が
被測定物(2) の表面に当たって形成される光切断線(10)
(14)をテレビカメラ(8)(12) で撮像し、テレビカメラ
(8)(12) で撮像した光切断線の2次元画像データを変換
位置データを用いてヘッド座標系における3次元位置デ
ータに変換し、複数の被測定物移動位置における3次元
位置データを合成して被測定物(2) の所要部分の3次元
形状を求める。この際、ライン移動量検出器(16)により
検出される被測定物(2) の移動量と、データ処理装置
(6) に記憶されている補正式を用いて、各搬送位置にお
ける3次元位置データを補正し、この補正された3次元
位置データに基づいて被測定物(2) の3次元形状を求め
る。
【0014】2つのヘッド(4)(5)の位置の調整およびヘ
ッド座標系の補正は、次のように行われる(図12のフ
ローチャート参照)。
【0015】図12において、まず、2つのヘッド(4)
(5)を水平に設置し(ステップ101 )、2つのヘッド座
標系のZ軸方向を一致させる。次に、2つのヘッド(4)
(5)のスリット光(9)(13) の光軸を合わせ(ステップ102
)、2つのヘッド座標系のZX平面を一致させる。次
に、同じ高さ(Z座標値)位置のスリット端点のヘッド
座標系における位置を測定し、これらをそれぞれ
(x1 ,x2 )、(z1 ,z2 )とする(ステップ103
)。なお、スリット端点とは、テレビカメラで撮像さ
れスリット光の光切断線の2次元画像の予め定められた
いずれか一方の端点をいう。そして、最後に、次式によ
り両スリット端点の高さの差を演算してZ軸方向の補正
値dzを求め(ステップ104 )、2つのヘッド座標系の
XY平面を一致させる。
【0016】z1 −z2 → dz 上記の補正は、2つのヘッド(4)(5)が予め各ヘッド(4)
(5)単体のキャリブレーションを行い、各スリット光面
(9a)(13a) に対する独自の座標系(ヘッド座標系)を有
することを前提として、2つのヘッド座標系をハード的
およびソフト的に一致させるものである。
【0017】補正式を用いて3次元位置データを補正す
る理由は次のとおりである。なお、前に図12のフロー
チャートにおいて説明した2つのヘッド(4)(5)の間の補
正により、2つのヘッド(4)(5)のヘッド座標系が合わせ
込まれ、また、第2ヘッド(5) はこの合わせ込まれたヘ
ッド座標系における測定開始点を求めるためのものであ
るから、第2ヘッド(5) については補正式を求める必要
はなく、第1ヘッド(4) についてだけ補正式を求めれば
よい。したがって、以下の説明は第1ヘッド(4) に関す
るものである。
【0018】測定ヘッド(4) のテレビカメラ(8) の2次
元画像データから変換位置データを用いて変換された3
次元位置データはヘッド座標系におけるものであり、3
次元位置データを合成して3次元形状を求めるときに使
用されるYh 軸に関する座標値は、搬送ライン(A) 上の
被測定物(2) の移動量(ライン移動量)で与えられる。
このため、搬送ライン(A) とYh 軸とが完全に一致する
かまたは完全に平行になっていれば、2次元画像データ
から変換された3次元位置データをそのまま合成して3
次元形状を求めても、測定誤差は生じない。これに対
し、搬送ライン(A) とYh 軸の角度がずれている場合
は、2次元画像データから変換された3次元位置データ
をそのまま合成して3次元形状を求めたのでは、測定誤
差が生じる。このため、測定誤差が生じないように、2
次元画像データから変換された3次元位置データを補正
式を用いて補正しているのである。
【0019】次に、図5を参照して、2次元画像データ
から変換された3次元位置データをそのまま合成して3
次元形状を求めるようにした場合に、搬送ライン(A) と
h軸の角度のずれによって測定誤差が生じる理由を説
明する。
【0020】ここでは、まず、実際の姿勢角をθx 、θ
z としたときに、ヘッド座標系(XYZ)h と搬送ライ
ン座標系(XYZ)l のずれが測定値θx ' 、θz ' に
対してどのように影響するかを考察する。ライン座標系
は、Xl 軸、Yl 軸およびZl 軸の互いに直交する3つ
の座標軸により構成されている。Zl 軸は上下方向の座
標軸、Xl 軸は左右方向の座標軸、Yl 軸は搬送ライン
(A) と一致する前後方向の座標軸である。
【0021】ヘッド座標系に対してライン座標系がXh
軸回りにφ、Zh 軸回りにψの姿勢にある状態を考える
とき、搬送ラインの進行方向の単位ベクトルel (Yh
軸の方向ベクトル)は次の式(1) のように表わされる。
【0022】
【数1】 ただし、Rot(φ)x 、Rot(ψ)z およびey
次のとおりである。
【0023】
【数2】 また、測定する稜線の方向ベクトルをeとし、el に対
するZl 軸回りの角度をθz 、Xl 軸回りの角度をθx
とする。さらに、このとき観測されるスリット端点の変
化量(dx,dz)を変位ベクトルΔとする。
【0024】θx =θz =0°(基準姿勢)のとき、θ
x ' 、θz ' は次のようになる。この場合、eとel
一致した状態の稜線の姿勢角を測定しているので、変位
ベクトルΔ=0と観測され、θx ' =θz ' =0°とな
ることがわかる。
【0025】θx ,θz ≠0°のとき、θx ' 、θz '
は次のようになる。簡単のため、θx =0°、すなわち
稜線をZl 軸回りについてのみθz =θ回転させた場合
を考える。このとき、稜線の方向ベクトルeはヘッド座
標系(XYZ)h において次の式(2) のように記述され
る。
【0026】
【数3】 ただし、Rot(θz )は次のとおりである。
【0027】
【数4】 今、ライン移動量がLのときのスリット端点の変位をΔ
とすると、図5において、O' P=Lとなる。
【0028】したがって、ベクトルO' Pは次のように
なる。
【0029】
【数5】 そして、式(1) より、OX、O' OおよびOZは次のよ
うになる。
【0030】OX = −L・sinψ・cosφ O' O = L・cosψ・cosφ OZ = L・sinφ また、ベクトルO' Qとeの比(相関関係)に従い式
(2) を用いて、次の関係が成り立つ。
【0031】
【数6】 よって、次の式を得る。
【0032】
【数7】 ここで、θz ' 、θx ' は次の式で定義される。
【0033】tanθz ' = −dx/L tanθx ' = dz・cosθz ' /L したがって、tanθz ' およびtanθx ' は次のよ
うになる。
【0034】
【数8】 上記の式を用いてθz ' 、θx ' を計算すると、次の表
1のような結果が得られる。
【0035】
【表1】 ここでは、簡単のため、ライン座標系がYh 軸回りの回
転を持たない場合を考えた。Yh 軸回りの回転を考慮す
る場合も、その回転軸の順番により結果は異なるが、ま
ずYh 軸回りにω、次にXh 軸回りにφ、最後にZh
回りにψ回転した姿勢状態を考える場合、el およびe
はそれぞれ次式で表わされ、同様の考察ができる。
【0036】
【数9】 ただし、Rot(ω)y は次のとおりである。
【0037】
【数10】 このように、測定ヘッドのもつヘッド座標系と搬送ライ
ンのもつライン座標系との間にずれがあると、相対的な
角度ずれではなく、測定値に非線形性が生じることがわ
かる。したがって、異なる座標系において測定角の妥当
性を確認するためには、その座標系の姿勢を検出し、こ
れを考慮した補正が必要となる。
【0038】上記の測定装置(3) では、このような補正
を行うための補正式を求めるために、図3に示すような
補正用治具(17)が使用される。
【0039】治具(17)は、コンベヤ(1) 上に水平に固定
されるベース(18)、ベース(18)の上に取り付けられて水
平方向に移動させられる移動台(19)、移動台(19)に取り
付けられて移動台(19)の移動方向と直交する垂直軸を中
心に旋回させられる第1旋回台(20)、第1旋回台(20)に
取り付けられて第1旋回台(20)の旋回中心軸と直交する
水平軸を中心に旋回させられる第2旋回台(21)、および
第2旋回台(21)に基端部が固定された棒状の梁(被測定
部材)(22)を備えている。ベース(18)に対する移動台(1
9)の移動方向の軸をY軸、Y軸と直交する垂直軸をZ
軸、Y軸およびZ軸と直交する水平軸をX軸とする。こ
れらX軸、Y軸およびZ軸により基準座標系(治具座標
系)(XYZ)が構成されている。第1旋回台(20)の旋
回中心軸は、常にZ軸と平行である。また、第2旋回台
(21)の旋回中心軸は、常にZ軸と直交する。一定の基準
姿勢において、第2旋回台(21)の旋回中心軸はX軸と平
行になり、梁(22)とくにその下縁はY軸と平行になる。
ベース(18)は、基準姿勢の梁(22)が搬送ライン(Y
l 軸)とほぼ平行になり、かつZ軸がほぼ垂直になるよ
うに、コンベヤ(1) 上に固定される。そして、このよう
な状態で、補正式を求めるための作業が行われる。詳細
な図示は省略したが、治具(17)には移動台(19)を移動さ
せるための移動台駆動装置(23)、移動台(19)すなわち梁
(22)のY軸方向の移動量を検出するための梁移動量検出
器(24)、第1旋回台(20)を旋回させるための第1旋回台
駆動装置(25)、第1旋回台(20)の旋回角度を検出するた
めの第1旋回角度検出器(ロータリエンコーダ)(26)、
第2旋回台(21)を旋回させるための第2旋回台駆動装置
(27)、および第2旋回台(21)の旋回角度を検出するため
の第2旋回角度検出器(28)が設けられており、これらが
データ処理装置(6) に接続されている(図2参照)。
【0040】補正式を求める作業を行う場合、第1ヘッ
ド(4) の光源(7) から治具(17)の梁(22)にスリット光
(9) が照射され、これが梁(22)の表面に当たって形成さ
れる光切断線(29)がテレビカメラ(8) によって撮像され
る。図4は、このときの光切断線(29)の像(光切断線
像)の1例を示している。図4において、光切断線像(3
0)の下端(30a) をスリット端点とする。なお、実際には
光切断線像(30)だけが得られるが、図4には梁(22)の上
縁および下縁を鎖線で示している。
【0041】次に、図13のフローチャートを参照し
て、上記の補正式を求める作業について説明する。
【0042】図13において、まず、ヘッド座標系に対
する基準座標系の姿勢マトリクスRを求める(ステップ
1)。次に、ヘッド座標系に対する搬送ライン(A) の進
行方向ベクトルel を求める(ステップ2)。そして、
これに基づいて補正式を求め、その係数(補正係数)を
補正データとしてデータ処理装置(6) のメモリに記憶す
る(ステップ3)。
【0043】次に、図6〜図9を参照して、図13のス
テップ1の基準座標系の姿勢マトリクスRを求める方法
について説明する。
【0044】図6において、梁(22)を基準姿勢(スリッ
ト端点P0 )からZ軸回りに+θ回転させたときのスリ
ット端点の変位ベクトルをΔ1 、同じく−θ回転させた
ときの変位ベクトルをΔ2 とすると、これらは次の式
(3) 、(4) のように表わされる。
【0045】
【数11】 これらは測定値として得られる。
【0046】一方、梁(22)の回転中心O' からそれぞれ
のスリット端点P0 、P1 、P2 までの距離をL0 、L
1 、L2 とすると、Δ1 、Δ2 は次の式(5) 、(6) のよ
うになる。
【0047】
【数12】 ただし、Rot(θz )、Rot(−θz )、R、E、
y は、次のとおりである。
【0048】
【数13】 ここで、L0 は梁(22)の移動量として与えられる。
【0049】したがって、式(3) 、(5) および(4) 、
(6) より、次の関係を得る。
【0050】
【数14】 故に、次の方程式を得る。
【0051】
【数15】 ただし、x1 、x2 、y1 、y2 は、次のとおりであ
る。
【0052】x1 =−L1 ・sinθ x2 =−L2 ・sinθ y1 = L1 ・cosθ−L02 = L2 ・cosθ−L0 さらに、この方程式を解いて、次の式(7) 、(8) 、(9)
を得る。
【0053】
【数16】 ここで、R=Rot(ψ)z ・Rot(φ)x ・Rot
(ω)y とおくと、Rの各要素は次のようになる。
【0054】lx = cosω・cosψ−sinφ・
sinω・sinψ mx = cosω・sinψ+sinφ・sinω・c
osψ nx =−cosφ・sinω ly =−cosφ・sinψ my = cosφ・cosψ ny = sinφ lz = sinω・cosψ+sinφ・cosω・s
inψ mz = sinω・sinψ−sinφ・cosω・c
osψ nz = cosφ・cosω これらに式(7) 、(8) 、(9) を代入することにより、各
軸回りの姿勢角φ、ω、ψが算出され、さらにRの各要
素が求まる。
【0055】また、ここで、図7より、次の関係が得ら
れる。
【0056】L1 2 +Lo 2 −|Δ1 2 = 2・L1
・L0 ・cosθ L2 2 +Lo 2 −|Δ2 2 = 2・L2 ・L0 ・co
sθ そして、式(5) 、(6) に用いるL1 、L2 は次の式によ
り算出される。
【0057】
【数17】 以上により、Δ1 、Δ2 の測定値から、ヘッド座標系に
対する基準座標系の姿勢マトリクスRが決定されること
がわかる。
【0058】ヘッド座標系が前述の条件を満たしていれ
ば、基準姿勢において梁(22)とZ軸は垂直であり、した
がって、Z軸回りに回転する梁(22)は一平面をなす。す
なわち、梁(22)とスリット光面(9a)との交点(スリット
端点)の軌跡は直線となる。しかしながら、実際に測定
されるスリット端点の軌跡は量子化、および機械的要因
による誤差のために、実際にあるべき直線に対してずれ
ているのが観察される(図8参照)。
【0059】このため、変位ベクトルΔ1 、Δ2 の値と
して測定値(Δx1,0,Δz1)、(Δx2,0,Δz2)を
そのまま用いると、Rの検出精度が劣り、場合によって
は演算エラーを生じることがある。
【0060】そこで、この対策として、上記仮定の下に
次のような操作を加える。
【0061】基準姿勢に対し、Z軸回りに−(n−1)
・θ/2の姿勢(初期姿勢)から一定角度θずつ回転さ
せ、それぞれの姿勢において変位ベクトルΔi ' (i=
1〜n)を測定する。
【0062】測定した変位ベクトルΔi ' の軌跡を最小
自乗法で次の直線に近似する。
【0063】Z = az ・x+bz 上式に各変位ベクトルのx成分dxi を代入して次の式
のようにdzi を補正し、量子化によるz成分の誤差を
低減させる。
【0064】az ・dxi +bz → dzi 補正された変位ベクトルΔi ' を用いて、次式によりL
i を算出する。
【0065】
【数18】 ただし、θi は、次のとおりである。
【0066】
【数19】 さらに、ここで、xi ' =Li ・cosθi 、yi ' =
i ・sinθi とおき、梁(22)のなす平面上に置き換
えて考えると、Li 、および|Δi ' |の関係は、(x
i ' ,yi ' )の軌跡が直線になるという条件によって
拘束されることがわかる(図9参照)。
【0067】そこで、(xi ' ,yi ' )の軌跡を最小
自乗法で次の直線に近似する。
【0068】y = ay ・x+by 上記の直線と、y=x・tanθi の交点(xi
i )を求め、これを用いて次式により|Δi ' |を補
正する。
【0069】 |Δi ' | = (xi −x0 2 +(yi −y0 2 (x0 ,y0 )=(L0 ,0) そして、最後に、補正された|Δi ' |と前記の直線
(Z=az ・x+bz )の傾きaz を用いて次式により
Δi ' を補正する。
【0070】
【数20】 次に、図14のフローチャートを参照して、図13のス
テップ1の基準座標系の姿勢マトリクスRを求める動作
を詳細に説明する。
【0071】図14において、まず、iに1をセット
し、治具(17)および梁(22)を初期姿勢(θx =15°、
θz =0°)にセットする(ステップ11)。次に、変位
ベクトルΔi ' (dxi ,0,dzi )を測定する(ス
テップ12)。これについては、後述する。次に、iと7
を比較し(ステップ13)、iが7より小さければ、ステ
ップ14に進んで、(i+1)をiにセットするととも
に、(θz −5°)をθzにセットして、梁(22)の姿勢
を変更し、ステップ12に戻る。ステップ13において、i
が7以上になれば、ステップ15に進んで、変位ベクトル
Δi ' (dxi ,0,dzi )の回帰補正を行う。これ
についても、後述する。次に、θz =±15°における
変位ベクトルΔ1 ' 、Δ2 ' を抽出し、これらをΔ1
Δ2 にセットする(ステップ16)。そして、最後に、基
準座標系の姿勢マトリクスRの各要素の演算を行う(ス
テップ17)。これについても、後述する。
【0072】次に、図15のフローチャートを参照し
て、図14のステップ12の変位ベクトルΔi ' 測定の動
作を詳しく説明する。
【0073】図15において、まず、jに1をセットす
る(ステップ1201)。次に、梁移動量検出器(24)の出力
値(梁(22)のY軸方向移動量yj )を読み込んで、(y
1 −yj )をyj にセットする(ステップ1202)。次
に、スリット端点の座標(xj,zj )を測定する(ス
テップ1203)。次に、jと20を比較し(ステップ120
4)、jが20より小さければ、ステップ1205に進ん
で、(j+1)をjにセットするとともに、移動台(19)
すなわち梁(22)をY軸方向に一定量移動させ、ステップ
1202に戻る。ステップ1203においてjが20以上になれ
ば、ステップ1206に進み、直線回帰演算を行って、次の
式を求める。
【0074】
【数21】 そして、最後に、(ax ,0,az )を変位ベクトルΔ
にセットする(ステップ1207)。
【0075】次に、図16および図17のフローチャー
トを参照して、図14のステップ15の変位ベクトル回帰
補正の動作を詳しく説明する。
【0076】図16および図17において、まず、変位
ベクトルΔi ' の回帰補正を行って、次の式を求める
(ステップ1501)。
【0077】z = az ・x+bz 次に、iに1をセットし(ステップ1502)、次式により
z成分の補正を行う(ステップ1503)。
【0078】az ・dxi +bz → dzi 次に、iと7を比較し(ステップ1504)、iが7より小
さければ、ステップ1505に進んで、i+1をiにセット
し、ステップ1503に戻る。ステップ1504においてiが7
以上になれば、ステップ1506に進んで、iに1をセット
する。次に、次式によりΔi ' をセットする(ステップ
1507)。
【0079】 (dxi −dz4 ,0,dzi −dz4 )→ Δi ' 次に、次式により、θi 、Li を求める(ステップ150
8)。
【0080】
【数22】 次に、次式により(xi ' ,yi ' )を求める(ステッ
プ1509)。
【0081】li ・(cosθi ,sinθi )→(x
i ' ,yi ' ) 次に、iと7を比較し(ステップ1510)、iが7より小
さければ、ステップ1511に進んで、i+1をiにセット
し、ステップ1507に戻る。ステップ1510においてiが7
以上になれば、ステップ1512に進み、(xi ' ,yi '
)の回帰を行って、次式を得る。
【0082】y = ay ・x+by 次に、iに1をセットし(ステップ1513)、次式により
θi を求める(ステップ1514)。
【0083】15°−5°・(i−1) → θi 次に、次の2つの式で表わされる直線の交点(xi ,y
i )を求める(ステップ1515)。
【0084】y = ay ・x+by y = x・tanθi 次に、iと7を比較し(ステップ1516)、iが7より小
さければ、ステップ1517に進んで、i+1をiにセット
し、ステップ1514に戻る。ステップ1516においてiが7
以上になれば、ステップ1518に進んで、iに1をセット
する。次に、次式によりΔi ' を補正する(ステップ15
19)。
【0085】
【数23】 次に、次式によりΔi ' を補正する(ステップ1520)。
【0086】
【数24】 次に、iと7を比較し(ステップ1521)、iが7より小
さければ、ステップ1522に進んで、i+1をiにセット
し、ステップ1519に戻る。ステップ1521においてiが7
以上になれば、処理を終了する。
【0087】次に、図18のフローチャートを参照し
て、図14のステップ17の基準座標系の姿勢マトリクス
Rの各要素の演算の動作を詳しく説明する。
【0088】図18において、まず、iに1をセットす
る(ステップ1701)。次に、次式によりΔi から(Δx
i ,0,Δzi )を求める(ステップ1702)。
【0089】Δi → (Δxi ,0,Δzi ) 次に、次式によりθi を求める(ステップ1703)。
【0090】15°−30°・(i−1) → θi 次に、次式によりLi を求める(ステップ1704)。
【0091】
【数25】 次に、次式により(xi ,yi ,0)を求める(ステッ
プ1705)。
【0092】(Li ・Rot(θi z −E)・ey
→ (xi ,yi ,0) 次に、iと2を比較し(ステップ1706)、iが2より小
さければ、ステップ1707に進んで、i+1をiにセット
し、ステップ1702に戻る。ステップ1706においてiが2
以上になれば、ステップ1708に進み、次式によりnx
求める(ステップ1708)。
【0093】
【数26】 次に、次式によりly を求める(ステップ1709)。
【0094】
【数27】 次に、次式によりny を求める(ステップ1710)。
【0095】
【数28】 次に、次式によりφを求める(ステップ1711)。
【0096】sin-1y → φ 次に、次式によりωを求める(ステップ1712)。
【0097】sin-1(−nx /cosφ) → ω 次に、次式によりψを求める(ステップ1713)。
【0098】 sin-1(−ly ・tanφ/ny ) → ψ そして、最後に次式によりRを求める(ステップ171
4)。
【0099】Rot(ψ)z ・Rot(φ)x ・Rot
(ω)y → R 次に、図10を参照して、図13のステップ2のライン
の進行方向ベクトルel を演算する方法について説明す
る。
【0100】図3のように基準姿勢の状態にある梁(22)
をベース(18)ごとラインの進行方向に移動させたとき、
すなわち治具(17)全体(基準座標系全体)をラインの進
行方向に移動させたときに観測される変位ベクトルをΔ
0 とすると、これは次のようになる。
【0101】
【数29】 また、このときのラインの移動量をL' (O' P' )と
すると、図10より、Δ0 は次のように表わされること
がわかる。
【0102】Δ0 = L0 ・ey ' −L' ・e1 (ey ' :基準姿勢の梁の方向ベクトル、L0 :O' P
0 )よって、次の式を得る。
【0103】 el =(L0 ・ey ' −Δ0 )/L' ・・・・・(10) 一方、ey ' はY軸(基準座標系)の方向ベクトル、す
なわちRのY成分に等しい。よって、ey ' は次式で表
わされる。
【0104】
【数30】 また、ここで、L' =|L0 ・ey ' −Δ0 |であるか
ら、次の式が成り立つ。
【0105】L' 2=(L0 ・ly −Δx0 2 +(L
0 ・my 2 +(L0 ・ny −Δz0 2 これを解いて、L0 は次の式(11)により算出される。
【0106】
【数31】 したがって、基準姿勢の変位ベクトルΔ0 が測定されれ
ば、式(10)、(11)によりヘッド座標系におけるラインの
方向ベクトルel が決定される。
【0107】次に、図19のフローチャートを参照し
て、図13のステップ2のラインの進行方向ベクトルe
l 演算の動作を詳細に説明する。
【0108】図19において、まず、治具(17)および梁
(22)を基準姿勢にセットし(ステップ21)、変位ベクト
ルΔ0 の測定を行う(ステップ22)。これについては後
述する。次に、次式によりey ' を求める(ステップ2
3)。
【0109】R・ey → ey ' 次に、次式によりL0 を求める(ステップ24)。
【0110】
【数32】 そして、最後に、次式によりel を求める(ステップ2
5)。
【0111】L0 ・ey ' −Δ0 →e l 次に、図20のフローチャートを参照して、図19のス
テップ22の変位ベクトル測定の動作を詳しく説明する。
【0112】図20において、まず、iに1をセットす
る(ステップ2201)。次に、ライン移動量検出器(16)の
出力(治具(17)全体のYl 軸方向移動量yi )を読み込
んで、(y1 −yi )をyi にセットする(ステップ22
02)。次に、スリット端点の座標(xi ,zi )を測定
する(ステップ2203)。次に、iと20を比較し(ステ
ップ2204)、iが20より小さければ、ステップ2205に
進んで、(i+1)をiにセットするとともに、治具(1
7)全体をYl 軸方向に一定量移動させ、ステップ2202に
戻る。ステップ2204においてiが20以上になれば、ス
テップ2206に進み、直線回帰演算を行って、次の式を求
める。
【0113】
【数33】 そして、最後に、(ax ,0,az )を変位ベクトルΔ
にセットする(ステップ2207)。
【0114】次に、図13のステップ3の補正係数の求
め方について説明する。
【0115】これまでと同様、図10より、ライン座標
系において任意の姿勢の梁(22)(方向ベクトル:e0
観測した場合に得られる変位ベクトルΔは次式で表わさ
れる。
【0116】 Δ = L・e0 ・−L' ・el (L:O' P) よって、次の式(12)を得る。
【0117】 e0 =(L' ・el +Δ)/|L' ・el +Δ| ・・・・・(12) (測定座標系における記述)これが、座標系のずれel
を考慮した補正式であり、e0 はデータ処理装置(6) に
記憶されるオリエントベクトルそのものである。ただ
し、変位ベクトルの測定の際、便宜的に移動量L=1と
しているので、これまでの全考察においても、同様に、
梁(22)の移動量L0 およびラインの移動量L' はともに
1とする。
【0118】次に、図11を参照し、上記の測定装置
(3) による測定原理について説明する。
【0119】この形状測定は、ラインの進行方向ベクト
ルel を用いて、実際の測定時に、測定方向ベクトルす
なわちオリエントベクトルe0 およびアプローチベクト
ルea を補正するものである。
【0120】2つのヘッド(4)(5)で測定された被測定物
(2) のスリット端点座標P1i(x1i,y1i,z1i)およ
びP2i(x2i,y2i,z2i)(i=1〜n)より、次の
回帰直線式(13)、(14)を得る。
【0121】
【数34】 ここで、y1i,y2iはともにコンベヤ(1) のライン移動
量検出器(16)の読み取り値であり、便宜上、測定開始点
11、P21においてy11=y21=0とする。
【0122】また、図11に示す座標系においては、第
1ヘッド(4) のY座標値はライン移動量検出器(16)の出
力値の増加方向がマイナス方向となることに注意しなけ
ればならない。
【0123】次に、上で求めた直線の傾きax1、az1
用いて、変位ベクトルΔは次のように表わされる。
【0124】Δ =(ax1,0,az1) そして、式(12)によりe0 が算出される。ただし、この
とき、L' =1である。
【0125】前述のように予め算出された2つのヘッド
(4)(5)の高さ方向補正量dz、原点間の距離Woff 、お
よび上で求めた直線の切片bx1、bz1、bx2、bz2によ
り、第1ヘッド(4) のヘッド座標系において測定開始点
11、P21は次のように表わされる。
【0126】P11 =(bx1,0,bz1) P21 =(Woff −bx2,0,bz2−dz) ここで、ex ' を次の式のようにおく。
【0127】
【数35】 すると、次式が成り立つ。
【0128】ea ・e0 = 0 ea ・ex ' = 0 ただし、|ea 2 =1である。これを解いて、ea
算出される。
【0129】次に、図21のフローチャートを参照し
て、上記の形状測定の処理について説明する。
【0130】図21において、まず、ステップ201 にお
いて、測定開始まで待機し、測定が開始されると、第1
ヘッド(4) によって変位ベクトル(Δ1 ,bx1,bz1
を測定し(ステップ202 )、同時に、第2ヘッド(5) に
よって変位ベクトル(Δ2 ,bx2,bz2)を測定する
(ステップ203 )。次に、次式によりzを求める(ステ
ップ204 )。
【0131】bz2−bz1+dz → z 次に、次式によりWを求める(ステップ205 )。
【0132】Woff −(bx2+bx1) → W 次に、次式によりe' x を求める(ステップ206 )。
【0133】
【数36】 次に、次式によりe0 を補正する(ステップ207 )。
【0134】 (e1 +Δ1 )/(|e1 +Δ1 |) → e0 次に、次の3つの式を解いて、ea を補正する(ステッ
プ208 )。
【0135】ea ・e' x =0 ea ・e0 =0 |ea 2 =1 そして、最後に、オリエントベクトルe0 から原点P0
を算出する(ステップ209 )。
【0136】
【発明の効果】この発明の3次元形状測定方法によれ
ば、上述のように、搬送ラインと測定ヘッド座標系の間
に角度のずれがあっても、測定誤差が生じることがな
く、被測定物の3次元形状を精度良く測定することがで
き、したがって、測定ヘッドの厳密な位置調整が不要で
あり、位置調整が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す3次元形状測定装置の
主要部の斜視図である。
【図2】3次元形状測定装置の主要部のブロック図であ
る。
【図3】補正用治具および3次元形状測定装置の主要部
の斜視図である。
【図4】テレビカメラの画像の1例を示す説明図であ
る。
【図5】搬送ラインと測定ヘッド座標系の角度のずれに
よって測定誤差が生じる理由を説明する説明図である。
【図6】基準座標系の姿勢マトリクスを求める方法を説
明する説明図である。
【図7】基準座標系の姿勢マトリクスを求める方法を説
明する他の説明図である。
【図8】基準座標系の姿勢マトリクスを求める方法を説
明するさらに他の説明図である。
【図9】基準座標系の姿勢マトリクスを求める方法を説
明するさらに他の説明図である。
【図10】ラインの進行方向ベクトルを演算する方法を
説明する説明図である。
【図11】形状測定の測定原理を説明する説明図であ
る。
【図12】測定ヘッドの位置の調整および測定ヘッド座
標系の補正の方法を示すフローチャートである。
【図13】補正式を求める作業を示すフローチャートで
ある。
【図14】基準座標系の姿勢マトリクスを求める動作を
示すフローチャートである。
【図15】変位ベクトル測定の動作を示すフローチャー
トである。
【図16】変位ベクトル回帰補正の動作の前部を示すフ
ローチャートである。
【図17】変位ベクトル回帰補正の動作の後部を示すフ
ローチャートである。
【図18】基準座標系の姿勢マトリクスの各要素の演算
の動作を示すフローチャートである。
【図19】ラインの進行方向ベクトル演算の動作を示す
フローチャートである。
【図20】変位ベクトル測定の動作を示すフローチャー
トである。
【図21】形状測定の処理を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
(1) コンベヤ(搬送手段) (2) 被測定物 (3) 3次元形状測定装置 (4)(5) 測定ヘッド (6) データ処理装置 (7)(11) スリット光源 (8)(12) テレビカメラ(2次元撮像装置) (9)(13) スリット光 (9a)(13a) スリット光面 (10)(14) 光切断線 (15) コンベヤ駆動装置 (16) ライン移動量検出器 (17) 補正用治具 (18) ベース (19) 移動台 (20)(21) 旋回台 (22) 梁(被測定部材) (23) 移動台駆動装置 (24) 梁移動量検出器 (25)(27) 旋回台駆動装置 (26)(28) 旋回角度検出器 (29) 光切断線 (30) 光切断線像 (30a) スリット端点 (A) 搬送ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−331325(JP,A) 特開 平2−206707(JP,A) 特開 平1−214706(JP,A) 実開 平5−23012(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30 102 G06T 1/00 - 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送ラインの回りの所定位置に、スリット
    光源および2次元撮像装置を備えた測定ヘッドを設け、
    被測定物を搬送手段により搬送ラインに沿って移動さ
    せ、複数の被測定物移動位置において、スリット光源よ
    り被測定物にスリット光を照射し、このスリット光が被
    測定物の表面に当たって形成される光切断線を2次元撮
    像装置で撮像し、2次元撮像装置で撮像した光切断線の
    2次元画像データを変換位置データを用いて測定ヘッド
    の3次元測定ヘッド座標系における3次元位置データに
    変換し、複数の被測定物移動位置における3次元位置デ
    ータを合成して被測定物の所要部分の3次元形状を求め
    る3次元形状測定方法において、 専用の補正用治具を用い、この治具の所定の複数の姿勢
    において治具の所定部分の測定ヘッド座標系における位
    置を測定ヘッドを用いて測定し、この測定結果をデータ
    処理することにより、搬送ラインと測定ヘッド座標系の
    1つの座標軸との角度のずれおよびこのずれを補正する
    ための補正式を求め、この補正式を用いて各被測定物移
    動位置における3次元位置データを補正することを特徴
    とする3次元形状測定方法。
  2. 【請求項2】補正用治具が、搬送手段に固定されて搬送
    ラインに沿って移動させられるベース、および基準姿勢
    において搬送ラインとほぼ平行にのびる棒状の被測定部
    材を備え、被測定部材が、ベースに対して、移動手段に
    より基準姿勢における長さ方向に移動させられるととも
    に、回転手段によりこの移動方向と直交する2つの軸を
    中心に回転させられるようになされており、この補正用
    治具のベースを搬送手段に固定し、搬送手段を停止させ
    た状態で、移動手段によりベースに対して被測定部材を
    移動させ、複数の被測定部材移動位置において、スリッ
    ト光源より被測定部材にスリット光を照射し、このスリ
    ット光が被測定部材の表面に当たって形成される光切断
    線を2次元撮像装置で撮像し、2次元撮像装置で撮像し
    た光切断線の2次元画像データに基づいて、測定ヘッド
    座標系の1つの座標軸に対する基準姿勢における被測定
    部材の姿勢を求め、被測定部材をベースに対して基準姿
    勢に固定した状態で、搬送手段により補正用治具を搬送
    ラインに沿って移動させ、複数の治具移動位置におい
    て、スリット光源より被測定部材にスリット光を照射
    し、このスリット光が被測定部材の表面に当たって形成
    される光切断線を2次元撮像装置で撮像し、2次元撮像
    装置で撮像した光切断線の2次元画像データと前に求め
    た測定ヘッド座標系の1つの座標軸に対する基準姿勢に
    おける被測定部材の姿勢に基づいて、搬送ラインと測定
    ヘッド座標系の1つの座標軸との角度のずれおよび補正
    式を求めることを特徴とする請求項1の3次元形状測定
    方法。
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