JP3051557U - 真空断熱パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】製造が容易で且つ従来得られなかった高度の断
熱性能を有する真空断熱パネルを提供することである。 【解決手段】ガスバリア容器中にセラミック微細中空粒
子を充填し、フィルターを固着した通気口体を介して真
空引きを行ない、容器内部を真空にした後通気口体を封
止した真空断熱パネル。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は冷蔵庫、冷凍庫、建造物の断熱壁体の形成に好適な真空断熱パネルで ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来真空断熱パネルとして、非通気性フィルム製の袋の中に粉状体或いは粒状 体よりなる充填材を入れ、この袋内部を真空引きして封止する構成のものがあっ た。しかしこのような構成の場合ここに使用する粉状或いは粒状体に好適なもの が無かったため取扱性が悪くその製造性も良くなかったのである。

【０００３】 又非通気性フィルム製の袋の中に複数枚のシート状部材を積層することによっ て充填体を構成し通気口体を介して内部の真空引きを行なうようにしたものもあ った。しかしこのような構成では積層体によって熱の伝導がなされ充分な断熱性 能を得ることができず、又製造工程も困難なものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は製造が容易で且つ従来得られなかった高度の断熱性能を有する真空断 熱パネルを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案はガスバリア容器中にセラミック微細中空粒子を充填し、フィルターを 固着した通気口体を介して真空引きを行ない容器内部を真空とした後通気口体を 封止することにより優れた真空断熱パネルを得ることができるのである。

【０００６】 ガスバリア容器中に充填するセラミック微細中空粒子は圧縮強度３００ｋｇｆ ／ｃｍ^２以上で嵩比重０．３〜０．５ｇ／ｃｍ^３、融点１３００℃以上の物性の ものを使用することによって優れた断熱性能効果を上げることができる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

ガスバリア容器にセラミック微細中空粒子を充填し内部を真空にして真空断熱 パネルを形成するということは、低圧気体の熱伝導率が小さいことを利用した方 法である。特にセラミック微細中空粒子は、１００％近く完全発泡したものであ りその熱伝導率は０．１（ｋｃａｌ／ｍ・ｈｒ℃）である。そして強度が高いた めガスバリア容器に充填し内部を真空引きしても破壊することはない。

【０００８】 ガスバリア容器の内部にセラミック微細中空粒子を充填し、この内部を高真空 に保てば気体分子による熱の伝導および対流は防ぐことができガスバリア容器内 壁の熱輻射をも遮断することができる。さらにセラミック微細中空粒子を充填す ることによって比較的低真空において高真空断熱と同様の熱絶縁性を保たせるこ とができる。

【０００９】 本考案のガスバリア容器はポリプロピレン、ナイロン、アルミ箔等からなるト レイ状のガスバリアシートを重ね合わせて四周をヒートシールで溶着し、中空容 器状に形成したものやアルミニウム、又はステンレス薄板で形成した中空容器な どである。

【００１０】 ガスバリア容器の内部に充填するセラミック微細中空粒子は、従来の微細中空 発泡体に比較して特に圧縮強度の高いものであり、高い応力、剪断力に対して耐 え得ることができるものである。

【００１１】 セラミック微細中空粒子あるいは微細中空発泡体の圧縮強度とは耐水圧強度と 同意語であり、圧縮強度の測定は、微細中空発泡体を水中で加圧し水に加えられ た圧力が微細中空発泡体に伝わり微細中空発泡体が破壊する圧力を圧縮強度とす るのである。

【００１２】 セラミック微細中空粒子の熱伝導率は０．１（ｋｃａｌ／ｍ・ｈｒ℃）である が、従来の微細中空発泡体は大部分破壊されているか、オープンポァであるため 熱伝導率が０．２（ｋｃａｌ／ｍ・ｈｒ℃）以下に低下する。

【００１３】 真空断熱パネルは破壊されない完全な発泡体が使用された場合にのみ優れた効 果が得られるものである。

【００１４】 本考案に使用するセラミック微細中空粒子の融点は１３００℃以上とする。セ ラミック微細中空粒子はその材質に起因するのは当然であるが一般的に融点の高 いもの程圧縮強度も高くなる。圧縮強度を３００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上とするなら ばその融点は１３００℃以上になる。

【００１５】 以上により本考案において使用するセラミック微細中空粒子はシリカ５０〜６ ０％、アルミナ４０〜４５％、その他１．５〜２．５％からなるセラミック組成 物を発泡生成せしめたもので、その物性は圧縮強度３００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上、 融点１３００℃以上、嵩比重０．３〜０．５ｇ／ｃｍ^３、熱伝導率０．１（ｋｃ ａｌ／ｍ・ｈｒ℃）で完全な中空粒子のみで構成されている。セラミック微細中 空粒子の粒径は、５〜３５０μｍの範囲のものを使用し、細目５〜７５μｍ、中 目７５〜１５０μｍ、荒目１５０〜３５０μｍとして粒度調整は細目２０重量部 、中目２０重量部、荒目３０重量部を混合して使用する。嵩比重は粒度の細かい ものは重く、荒いものは軽くなる。このため嵩比重優の範囲は０．３〜０．５ｇ ／ｃｍ^３であるが粒度調整したものは０．３６ｇ／ｃｍ^３前後である。

【００１６】

【実施例】

以下本考案の実施例について詳述する。

【００１７】 実施例 ポリプロピレン、ナイロン、アルミ箔からなるトレイ状のガスバリア シートを重ね合わせて四周をヒートシールで溶着し中空容器状のガスバリア容器 を作製し通気口体を上部及び下部の２ヶ所に設置した。ガスバリア容器の寸法は 厚さ３０ｍｍ、縦９００ｍｍ、横４５０ｍｍで通気口体の直径は１０ｍｍである 。

【００１８】 上部通気口体にフィルターを固着し、上部及び下部各々の通気口体にゴムホー スを接続して上部通気口体を介して真空引きを行ない、下部通気口体のゴムホー スからセラミック微細中空粒子を吸引させた。

【００１９】 ガスバリア容器の内部にセラミック微細中空粒子が完全に充填された後下部通 気口体を封止し、次いで上部通気口体も封止した。

【００２０】 本実施例によれば、従来充填体に用いられる粉状体或いは粒状体と違い完全中 空発泡体で構成されているセラミック微細中空粒子を用いて充填体を構成するこ とによってその製造工程を大幅に向上することができた。

【００２１】

【考案の効果】

以上述べた如く本考案は、ガスバリア容器に完全中空発泡体で構成された高強 度のセラミック微細中空粒子を充填し内部を真空としたもので、このようなセラ ミック微細中空粒子を用いることによって従来に無い容易な製造方法で且つ優れ た断熱性能を有する真空断熱パネルを可能としたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】真空断熱パネル斜視図

【図２】真空断熱パネル断面図

【符号の説明】

１．真空断熱パネル ２．上部通気口体 ３．下部通気口体 ４．ガスバリア容器 ５．セラミック微細中空粒子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項 １】 ガスバリア容器中にセラミック微細中
   空粒子を充填し、フィルターを固着した通気口体を介し
   て真空引きを行ない容器内部を真空とした後通気口体を
   封止したことを特徴とする真空断熱パネル。