JP3051390U - 導尿管挿入具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 女性患者の体位を変えることなく導尿管を尿
道口に確実に挿入できるようにすること。 【解決手段】 常時は接合状態のまま一対の押圧片５、
５を患者の陰部に押しあてて尿道口を露出させ、この尿
道口に導尿管を確実に挿入し、挿入が完了した段階で押
圧片５、５を待避させつつ把持部材１、１を握り締めて
押圧片５、５を左右に開き、導尿管から押圧片５、５を
スムーズに取り外すようにしたもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、女性患者の尿道口に導尿管を挿入するための導尿管挿入具に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

寝ている女性患者の尿道口に導尿管を挿入して尿を体外に排出させるには、通 常、背臥位の患者の腰を浮かせた上、看護婦などが手によって尿道口を露出させ て導尿管を挿入するようにしている。

【０００３】 しかしながら、このような挿入方法では、導尿管を尿道口に確実に挿入するま で尿道口を露出させた状態に保たなければならず、患者に精神的な苦痛を与える こともさることながら、挿入のために要する労力も無視することができず、さら には患者の個人差による尿道口の部位の違いからこれを確実に露出させるのに手 間がかかるばかりでなく、露出状態の不安定さから導尿管の挿入の際に陰部に傷 を付けてしまうといった問題が生じる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこのような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、 女性患者の体位を変えることなく導尿管を尿道口に確実に挿入できる新たな導尿 管挿入具を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案はこのような課題を達成するために、枢支部を支点として開 閉自在に結合した一対の把持部材の各先端に、把持部材の載置面から尿道口まで の高さに相当する長さの柄部を上向きに立上げ形成するとともに、柄部の先端の 各々に略半円筒状の押圧片を設けて、常時は押圧片を導尿管の挿通窓を形成する ように互いに接合状態を保たせるようにしたものである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

そこで以下に本考案の実施例について説明する。 図面は本考案の一実施例を示すものであり、図中符号１、１は、くの字状の一 対の把持部材で、これらの把持部材１、１を互いに背中合わせに結合して、その 中間位置をピン２によって開閉自在に枢支するとともに、これらの把持部材１、 １の間に拡開バネ３を介在させることによって洗濯バサミ状にこれらの先端を常 時接合させるように構成されている。

【０００７】 これらの把持部材１、１の先端には、把持部材１、１をベッドあるいは床に載 置した状態でその先端が患者の尿道口に達する程度の高さ、好ましくは５５mm程 度の長さの柄部４、４が略直角に立上げ形成されている。

【０００８】 符号５、５は、尿道口の周囲の粘膜を圧迫する略半円筒状に形成された一対の 押圧片で、この押圧片５、５は、柄部４、４の各先端に一体的に形成されていて 、常時は導尿管を挿入するために２０mm程度の径の挿通窓６を形成するよう略円 形に接合保持され、また導尿管を挿入した後は、把持部材１、１を握り締めるこ とにより互いに離間するように構成されている。なお、これらの押圧片５、５は 、長さを１５mm程度とすることが望ましい。

【０００９】 このように構成された実施例において、いま、図示しない導尿管を患者の尿道 口に挿入するには、はじめに、導尿管挿入具の押圧片５、５を患者の陰部に向け てベッド上に載置し、押圧片５、５を接合させた状態のままこれらの端縁を左右 の陰唇の間に正面から押し当てて尿道口の周囲を軽く圧迫し、尿道口を浮き上が らせるようにしつつ陰唇を押圧片５、５の外側に押しのけ、尿道口が挿通窓６か ら見えるように露出させる。

【００１０】 そしてつぎに、図示しない導尿管の先端を挿通窓６から差し入れて露出した尿 道口へ挿入し、最後に押し当てていた押圧片５、５を陰唇の間から導尿管に沿わ せて待避させた上、拡開バネ３の付勢力に抗して把持部材１、１を握り締めるこ とにより、押圧片５、５を左右に開いてこれをスムーズに導尿管から取り外す。

【００１１】 なお上述した導尿管挿入具は、柄部の長さや立上げ角度の異なるものを各種用 意しておいて、患者の個人差、つまり尿道口の位置の違いに対応できるようにす ることが好ましい。

【００１２】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、枢支部を支点として開閉自在に結合した一 対の把持部材の各先端に、把持部材の載置面から尿道口までの高さに相当する長 さの柄部を上向きに立上げ形成するとともに、柄部の先端の各々に略半円筒状の 押圧片を設けて、常時は押圧片を導尿管の挿通窓を形成するように互いに接合状 態を保たせるようにしたので、直接看護婦などの手によることなく単に押圧片を 押し当てるだけで尿道口を露出させて、導尿管を挿入することができるばかりで なく、挿入時における患者の精神的な苦痛を和らげることができるとともに、挿 入に要する時間と労力を軽減させることができる。

【００１３】 また、一対の把持部材の間に拡開バネを介在させることにより、常時は一対の 押圧片を接合状態に安定的に保持することを可能にして尿道口を安全に露出させ ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例をなす導尿管挿入具の全容を
示した斜視図である。

【図２】同上挿入具に設けた押圧片の正面図である。

【符号の説明】

１ 把持部材 ２ ピン ３ 拡開バネ ４ 柄部 ５ 押圧片 ６ 挿通窓

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 枢支部を支点として開閉自在に結合した
   一対の把持部材の各先端に、該把持部材の載置面から尿
   道口までの高さに相当する長さの柄部を上向きに立上げ
   形成するとともに、該柄部の先端の各々に略半円筒状の
   押圧片を設けて、常時は該押圧片を導尿管の挿通窓を形
   成するように互いに接合状態を保たせるようにしたこと
   を特徴とする導尿管挿入具。
2. 【請求項２】 上記一対の押圧片に導尿管の挿通窓を形
   成させるように、上記一対の把持部材の間に拡開バネを
   介在させたことを特徴とする請求項１記載の導尿管挿入
   具。