JP3051385U - 手提げ袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 購入物品の持ち帰り用や、臨時の物品搬送用
等に用いられる紙製の手提げ袋において、十分な強度
と、高い衝撃吸収性を有し、同時に、柔軟性と、伸縮性
を有する手提げ袋を提供することを目的とするものであ
る。 【解決手段】 少なくとも一部分を、段ボール部材によ
って手提げ袋Ａを形成する。該段ボール部材の中芯は、
波状形状の波高が約０．６mmで、３０cm当たりの山数が
１２０±３山の超極薄の紙材により構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、購入物品の持ち帰り用や、臨時の物品搬送用等に用いられる紙製の 手提げ袋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、手提げ袋は、買い物をした際の袋として使用されたり、あるいは、移動 の際の簡易的な物入れとして広く普及している。そして、手提げ袋は、紙等によ って形成されており、紙の強度不足を補強するため、ビニール袋で外周を覆う等 の加工を施した物や、撥水性のコーティングを紙袋の外周に施した物が見受けら れる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、手提げ袋において、紙のみで形成された手提げ袋は勿論のこと、紙の 強度不足を補強するため、手提げ袋をビニールで覆う等の処置を施した物や、撥 水性のコーティングを紙袋の外周に施した物においても、衝撃に対しては弱く、 衝撃を受けた際には、破断するなどの破壊が容易に起きるおそれがある。 また、紙のみで形成された手提げ袋や、手提げ袋をビニールで覆うなどの処置 を施したものは、上述したように衝撃吸収性に乏しいため、移動の際の衝突時等 の衝撃をそのまま内部の収納物品に伝えてしまい、収納物品を破損等から十分に 防護することができなかった。 そこで、本考案は、十分な強度を有し、高い衝撃吸収性を有する手提げ袋を提 供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第１には、手 提げ袋本体部の少なくとも一部分が、段ボール部材によって形成されていること を特徴とする。

【０００５】 この第１の構成の手提げ袋においては、手提げ袋本体部の予め衝撃を受けるこ とが予測される部位が、段ボール部材により形成されているため、衝撃をそのま ま内部の収納物品に伝えることを軽減でき、また、手提げ袋の本体部および、収 納物品を破損等から防護することができる。

【０００６】 また、第２には、手提げ袋本体部の全体が、段ボール部材によって形成されて いることを特徴とする。

【０００７】 この第２の構成の手提げ袋においては、手提げ袋の本体部全体が、段ボール部 材により形成されているため、衝撃をそのまま内部の収納物品に伝えることを軽 減でき、また、手提げ袋の本体部および、収納物品を破損等から防護することが できる。

【０００８】 また、第３には、上記第１の構成において、上記段ボール部材の段ボール材用 中芯が、超極薄の紙材から成り、波状形状の波高が約０．６ｍｍで、３０ｃｍ当 たりの山数が１２０±３山の段ボール材用中芯で形成されていることを特徴とす るものである。

【０００９】 また、第４には、上記第２の構成において、上記段ボール部材の段ボール材用 中芯が、超極薄の紙材から成り、波状形状の波高が約０．６ｍｍで、３０ｃｍ当 たりの山数が１２０±３山の段ボール材用中芯で形成されていることを特徴とす るものである。

【００１０】 上記第３及び第４の構成の手提げ袋においては、上記段ボール部材の段ボール 材用中芯が、超極薄の紙材から成り、波状形状の波高が約０．６ｍｍで、３０ｃ ｍ当たりの山数が１２０±３山の段ボール材用中芯で形成されていることにより 、超薄手の特殊な段ボール材により手提げ袋が形成されることとなり、手提げ袋 の機能としての折り畳み時の形状から物品収納時の形状へと変形させるための柔 軟性と、伸縮性を有することができる。また、同時に十分な強度と、高い衝撃吸 収性を有することができる。

【００１１】 また、第５には、上記第１から第４までのいずれかの構成において、上記段ボ ール部材が、両面段ボール部材であることを特徴とする。

【００１２】 また、第６には、上記第１から第４までのいずれかの構成において、上記段ボ ール部材が、片面段ボール部材であることを特徴とする。

【００１３】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態としての実施例を図面を利用して説明する。 本考案に基づく手提げ袋Ａは、図１に示すように、縦側壁部１０、１０’と、 横側壁部２０、２０’と、底面部３０とから形成される本体部Ａ１と、さらに、 手提げ部４０とを有している。

【００１４】 上記手提げ袋Ａの本体部Ａ１は、図２に示すように、一枚の段ボール部材Ｂを 折り畳み、接着することで、各部分が形成される。なお、図２において、一点鎖 線は山折りの折り目を示し、二点鎖線は谷折りの折り目を示す。 また、上記段ボール部材Ｂは、図３に示すように、中芯が、超極薄の紙材から 成り、波状形状の波高が約０．６ｍｍで、３０ｃｍ当たりの山数が１２０±３山 の段ボール材用中芯１４で形成されている。また、図３に示すように、横方向（ Ｘ方向）に超極薄の紙材から成る段ボール材用中芯の波形形状が形成されており 、図２において奥行き方向の両面にライナー１２，１６が配設されている。

【００１５】 ここで、上記段ボール材用中芯１４の両面には、ライナー１２，１６が、配設 されているので、ライナー１２，あるいは、ライナー１６の表面に、カラーリン グや、商品名等の印刷を施すことが可能になり、デザイン的機能を付加すること が可能になる。

【００１６】 上記段ボール部材Ｂは、図２に示すように略長方形形状を呈する縦側壁部１０ に、一対の略長方形形状を呈する横側壁部２０、２０’が、折り目５０ａを介し 左右（Ｘ方向）に配設され、横側壁部２０’の横方向（Ｘ方向）に、上記略長方 形形状を呈する縦側壁部１０と一対の略長方形形状を呈する縦側壁部１０’が、 折り目５０ａを介し配設されている。

【００１７】 また、上記縦側壁部１０、１０’および、横側壁部２０、２０’の下側には、 略長方形形状を呈した底面部３０が、折り目５０ｂを介し配設されている。さら に、横側壁部２０および、底面部３０の側端には、略長方形形状を呈した糊代６ ０が、折り目５０ａを介し配設されている。

【００１８】 上記縦側壁部１０、１０’の横方向（Ｘ方向）の幅は、上記横側壁部２０、２ ０’の奥行き方向（Ｚ方向）よりも長くなっており、また、上記縦側壁部１０、 １０’には、略アーチ状を呈した一対の上記手提げ部４０が配設されている（図 １等参照）。この上記手提げ部４０の端部は、支持部材４２、４２’によって上 記縦側壁部１０および、縦側壁部１０’の上方に固着されている。 上記底面部３０は、図２に示すように、縦方向底面部３２、３２’と、横方向 底面部３４、３４’と、折り込み部３６ａ、３６ｂ、３６ｃ、３６ｄを有してい る。

【００１９】 また、上記底面部３０は、手提げ袋を展開した状態において、図２に示すよう に、略長方形形状を呈しており、上記縦方向底面部３２は、下向きの略台形形状 を呈し、縦側壁部１０の下側に折り目５０ｂを介した位置に設けられ、上記縦方 向底面部３２’は、縦方向底面部３２同様、略台形形状を呈し、縦側壁部１０’ の下側に折り目５０ｂを介した位置に設けられている。また、横方向底面部３４ は、略長方形形状を呈し、横側壁部２０の下側に折り目５０ｂを介した位置に設 けられ、横方向底面部３４’は、略長方形形状を呈し、横側壁部２０’の下側に 折り目５０ｂを介した位置に設けられている。

【００２０】 さらに、折り込み部３６ａは略三角形状を呈し、上記縦方向底面部３２と、上 記横方向底面部３４の間に折り目５０ｃ及び折り目５０ａを介して設けられてお り、また、折り込み部３６ｂは略三角形状を呈し、上記縦方向底面部３２と、上 記横方向底面部３４’の間に折り目５０ｃ及び５０ａを介して設けられている。 さらに、折り込み部３６ｃは、上記縦方向底面部３２’と、上記横方向底面部 ３４’の間の略三角形形状の位置に折り目５０ｃを介して、設けられており、そ して、縦方向底面部３２’から折り目５０を介した位置に、略三角形形状を呈し た折り込み部３６ｄが設けられている。

【００２１】 手提げ袋Ａの組立てに当たっては、各折り目に沿って、図４に示すように、折 り畳んで袋状に形成し、重合する部位を糊付けによって接着する。なお、横側壁 部２０、２０’は、図４に示すように略中心部で折り畳まれて、手提げ袋Ａ全体 が折り畳まれる。また、ライナー１２、１６は紙材で形成されているので、表面 にカラーリングや、商品名等の印刷を施すことが可能になり、デザイン的機能を 付加することが可能になる。

【００２２】 なお、段ボール材用中芯１４の波形形状の方向は、横方向（Ｘ方向）あるいは 、縦方向（Ｙ方向）のどちらの方向に形成されていてもよく、また、斜め方向に 形成されていても良い。また、本実施例においては、図２における奥行き方向の 両面にライナーが配設されているとしたが、奥行き方向のいずれか片面にライナ ーが配設されていてもよい。

【００２３】 次に、上記構成に基づく手提げ袋Ａの使用状態について説明する。 まず、略袋状を呈した物品収納状態にし、収納物品７０を手提げ袋Ａの中に入 れる際には、まず、図４に示すように、手提げ袋Ａが折り畳まれた状態から、底 面部３０を起こし上げる。次に、図５に示すように、手提げ部４０を持ち、縦側 壁部１０および、縦側壁部１０’を奥行き方向（Ｚ方向）に押し広げ、手提げ袋 Ａを折り畳まれた状態から略袋状を呈した物品収納状態に変形する。そして、略 袋状を呈した手提げ袋Ａの中に、収納物品７０を収納する。

【００２４】 また、逆に、収納物品７０を手提げ袋Ａの中から取り出し、折り畳まれた状態 にする際には、まず、収納物品７０を略袋状を呈した手提げ袋Ａの中から取り出 し、図６に示すように、縦側壁部１０および、縦側壁部１０’を奥行き方向（Ｚ 方向）に押し縮める。次に、図７に示すように、底面部３０を折り畳み、手提げ 袋Ａを略袋状を呈した物品収納状態から折り畳まれた状態に変形する。 このように、上記手提げ袋Ａは、柔軟性を有する段ボール部材Ｂにより形成さ れているため、容易に折り畳むことが可能となる。

【００２５】 次に、収納物品７０を手提げ袋Ａの中に入れ移動する際に、誤って手提げ袋Ａ に衝撃力Ｆが加わった場合について図８、図９を用いて説明する。 手提げ袋Ａの縦側壁部１０に加わった衝撃力Ｆは、縦側壁部１０の外側ライナ ー１２から外側ライナー１２と接触している段ボール材用中芯１４との接触点の 各点へ力Ｆ’として分散して伝わり、さらに段ボール材用中芯１４へ分散して伝 わった力Ｆ’は、内側ライナー１６へと伝わる。また、段ボール材用中芯１４が クッションとして働き、衝撃を吸収する。

【００２６】 なお、図９において力Ｆ’は、便宜上Ｆ’のみで均一に分散させたが、力Ｆ’ は、衝撃力Ｆの加わった位置、あるいは、衝撃力Ｆの数等によって、段ボール材 用中芯１４と外側ライナー１２と接触する各点においてそれぞれ異なり、また、 分布の仕方も異なる。

【００２７】 以上のように、上記手提げ袋によれば、手提げ袋Ａが超極薄の紙材の段ボール 素材によって形成されているので、衝撃をそのまま内部の収納物品７０に伝える ことを軽減でき、また、手提げ袋本体および、収納物品７０を破損等から防護す ることができる。また、手提げ袋の機能としての折り畳み時の形状から物品収納 時の形状へと変形させるための柔軟性と、伸縮性を有することができる。さらに 、十分な強度と、高い衝撃吸収性を有することができるため、ビニール等の補強 を不要とすることができる。

【００２８】 そのため、陶磁器等のワレモノ類や、電気製品或いは精密機械等の持ち運びに 好適に用いることができる。また、ライナー１２とライナー１４の間の空間に空 気が充填されていることで、断熱性を高くすることができ、調理済み食品等を保 温したまま持ち運ぶ場合にも好適に用いることができる。

【００２９】

【考案の効果】

本考案に基づく請求項１に記載の手提げ袋によれば、手提げ袋本体部の予め衝 撃を受けることが予測される部位が、段ボール部材により形成されているため、 衝撃をそのまま内部の収納物品に伝えることを軽減でき、また、手提げ袋の本体 部および、収納物品を破損等から防護することができる。

【００３０】 また、請求項２に記載の手提げ袋によれば、手提げ袋の本体部が、段ボール部 材によって形成されているので、上記請求項１に記載の手提げ袋よりさらに、衝 撃をそのまま内部の収納物品に伝えることを軽減でき、また、手提げ袋の本体お よび、収納物品を破損等から防護することができる。

【００３１】 さらに、請求項３及び請求項４に記載の手提げ袋によれば、波状形状の波高が 約０．６ｍｍで、３０ｃｍ当たりの山数が１２０±３山の、超極薄の紙材から成 る段ボール材用中芯で形成されている段ボール部材を有するので、超薄手の段ボ ール材により手提げ袋が形成されることとなり、手提げ袋の機能としての折り畳 み時の形状から物品収納時の形状へと変形させるための柔軟性と、伸縮性を有す ることができる。また、同時に十分な強度と、高い衝撃吸収性を有することがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に基づく実施例の手提げ袋を示す斜視図
である。

【図２】本考案に基づく実施例の段ボール材を示す展開
図である。

【図３】本考案に基づく実施例の段ボール材の構成を示
す図であり、図１におけるＸ−Ｘ断面図である。

【図４】本考案に基づく実施例の手提げ袋の折り畳み状
態を示す説明図である。

【図５】本考案に基づく実施例の手提げ袋の閉じた状態
を示す説明図である。

【図６】本考案に基づく実施例の手提げ袋の拡げた状態
を示す説明図である。

【図７】本考案に基づく実施例の手提げ袋の折り畳み状
態を示す説明図である。

【図８】本考案に基づく実施例の手提げ袋に衝撃が加わ
った状態を示す説明図である。

【図９】本考案に基づく実施例の手提げ袋の衝撃力の伝
わり方を示す説明図である。

【符号の説明】

１２、１６ ライナー １４ 段ボール材用中芯 ４０ 手提げ部 ７０ 収納物品 Ａ 手提げ袋 Ａ１ 本体部 Ｂ 段ボール部材

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙製の手提げ袋であって、 該手提げ袋本体部の少なくとも一部分が、段ボール部材
   によって形成されていることを特徴とする手提げ袋。
2. 【請求項２】 上記手提げ袋の本体部全体が、段ボール
   部材によって形成されていることを特徴とする請求項１
   に記載の手提げ袋。
3. 【請求項３】 上記段ボール部材の段ボール材用中芯
   が、超極薄の紙材から成り、波状形状の波高が約０．６
   ｍｍで、３０ｃｍ当たりの山数が１２０±３山の段ボー
   ル材用中芯で形成されていることを特徴とする請求項１
   に記載の手提げ袋。
4. 【請求項４】 上記段ボール部材の段ボール材用中芯
   が、超極薄の紙材から成り、波状形状の波高が約０．６
   ｍｍで、３０ｃｍ当たりの山数が１２０±３山の段ボー
   ル材用中芯で形成されていることを特徴とする請求項２
   に記載の手提げ袋。
5. 【請求項５】 上記段ボール部材が、両面段ボール部材
   であることを特徴とする請求項１又は２又は３又は４に
   記載の手提げ袋。
6. 【請求項６】 上記段ボール部材が、片面段ボール部材
   であることを特徴とする請求項１又は２又は３又は４に
   記載の手提げ袋。