JP3049886B2 - 水生生物育成装置 - Google Patents

水生生物育成装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚類、貝類等の水生動
物あるいは昆布、若布等の水生植物等の育成装置に関
し、特に育成用水に微細な酸素ガス、炭酸ガス等の気泡
を供給し得るエアレータを備えた水生生物育成装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
水生生物育成装置におけるエアレーションには、育成槽
内に設置された管状や板状のエアレータ細孔から空気を
育成用水中に加圧して噴き出すことによって気泡を細分
化する方式と回転羽根や気泡噴流などによりせん断力が
形成された育成用水流内に空気を入れてそれを細分化す
る方式がある。
【0003】そして、これらの機能を有するエアレータ
によるエアレーションでは、基本的には空気の送給量や
それぞれのエアレータの設置個数等によって必要な調節
が行われている。しかし、省エネルギー型の高度水生生
物育成を目的とする高性能水生生物育成装置の開発のた
めには、特に微細な酸化ガス気泡を多量に発生させ、さ
らにはその気泡の発生量を制御する必要がある。
【0004】ところが、上記の方式のエアレーション
は、そのほとんどが噴き出しによる散気方式か回転羽根
や突起体とのせん断によって気泡を発生させる方式であ
るために、下記のさまざまな欠点があった。たとえば、
散気管、散気板、散気筒からの噴き出し方式では、そこ
にいかに微細な細孔を設けても、気泡が細孔から噴出す
る際の気泡の表面張力によって、結果的に数mm程度の
径を有する大きな気泡が発生してしまい、それよりも小
さな気泡を発生させることが不可能であるという欠点を
有していた。またこのような散気方式の欠点として、そ
の長時間運転に伴って発生する目づまり問題と動力費の
増大の問題が存在した。一方、回転羽根や気泡噴流など
によりせん断力が形成された育成用水流内に空気を入れ
てそれを細分化する方式では、キャビテーションを発生
させるのに高速の回転数が要求され、その動力費の問題
やキャビテーション発生に伴って急激に進行する羽根の
腐食や振動問題があり、さらに、微細気泡の生成が少な
いという問題もあった。
【0006】以上のような欠点や問題点を有した従来の
水生生物育成装置におけるエアレータにおいては、微細
気泡の生成量が少ないため気泡の育成用水中での滞留時
間が短くなり、育成用水中への酸素溶解量の増大が期待
できなかった。さらには、微細気泡の径と発生量を容易
に制御することができないことから、育成用水の調製が
効率的に実施できない問題があった。
【0007】上述したようなエアレータの場合、次のよ
うな問題を有する。すなわち、 .気泡の径が1mm以下で数10μm程度までの微細
気泡を大量にしかも均一に発生させることができず、気
液更新の飛躍的促進が達成できない。 .上記の気泡の径、分布、発生量を必要に応じて機
械的に容易に制御することができない。 .気泡が吸い込まれた管内流れを適切に配備すること
によって、水生生物育成装置内に必要な循環流の形成や
撹拌作用をもたらすことができない。 .回転羽根や突起に気液二相流が衝突する方式におい
ては、魚類や水生小生物が破壊されてしまい、水生生物
の育成に必要な環境の形成・維持に支障を来した。 .連続散気により目づまりが発生し、散気効率が低下
することによって、圧力損失が増大する。このため長期
連続運転や運転経費の大幅な節減ができない。 .気泡を供給するエアレータとコンプレッサーを含む
装置形状が大きく、設置上の制約が存在し、小型化が図
れない。 .気泡の径、分布、発生量の制御によって、水生生物
育成槽内での撹拌や溶存酸素量の調整等による水生生物
育成の最適制御を行うことが困難である。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは上
記従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結
果、育成用水に微細な気泡を容易に供給できる省エネ型
エアレータを備えた水生生物育成装置を開発した。すな
わち本発明は下記のとおりの水生生物育成装置である。
第1の発明は、多孔質の育成用水移送管を大気内に露出
、かつ水頭差を設けて配置してなる吸込式エアレータ
を備えたことを特徴とする水生生物育成装置であり、第
2の発明は気体供給管の中側に多孔質の育成用水移送管
、水頭差を設けて配置してなる吸込式エアレータを備
えたことを特徴とする水生生物育成装置であり、第3の
発明は、水頭差を設けて配置してなる育成用水移送管の
中側に多孔質の気体供給管を配設してなる吸込式エアレ
ータを備えたことを特徴とする水生生物育成装置であ
る。第4の発明は、多孔質管の連通孔が不規則連通孔で
あることを特徴とする第1ないし3の発明のいずれかに
記載の水生生物育成装置であり、第5の発明は、多孔質
の育成用水移送管又は/及び多孔質の気体供給管が、多
孔質セラミック管であることを特徴とする第1ないし4
の発明のいずれかに記載の水生生物育成装置である。
【0009】第6の発明は、多孔質の育成用水移送管又
は/及び多孔質の気体供給管が多孔質金属管であること
を特徴とする第1ないし4の発明のいずれかに記載の水
生生物育成装置であり、第7の発明は、多孔質の育成用
水移送管又は/及び多孔質の気体供給管の連通孔の孔径
が500μm以下であることを特徴とする第1ないし6
の発明のいずれかに記載の水生生物育成装置であり、第
8の発明は、多孔質の育成用水供給管に管体状又は筐体
状の気体供給室を周設してなることを特徴とする第2、
又は4ないし7の発明のいずれかに記載する水生生物育
成装置である。そして、上記の発明において、多孔質の
気体供給管又は/及び多孔質の育成用水移送管は、縦置
き型又は横置き型あるいは斜方置き型であってよく、ま
た、多孔質の育成用水移送管又は/及び多孔質の気体供
給管をサイフォン配置としてもよい。
【0010】さらに、多孔質の気体供給管又は/及び多
孔質の育成用水移送管は、横置き型又は斜方置き型の漸
縮管であってもよく、その場合は、横置き型又は斜方置
き型の漸縮管の最大負圧又は最小正圧発生部位に多孔質
管を配設することが好ましい。そしてまた、縦型の多孔
質の育成用水移送管が、漸拡管であることも好ましく、
その場合は、縦型の漸拡管よりなる育成用水移送管の上
部の最大負圧発生部位に多孔質管を配設してなるものが
好ましい。
【0011】
【作用】以上の発明においては、第1に、セラミックス
をはじめとする不規則多孔質管を用いる外気の供給で
は、水頭差を利用した吸込方式の方が噴き出し方式より
もかなり小さい圧力損失となる。これは管の外周壁面の
表面積は、管厚の存在により、内周壁面の表面積よりも
常に大であることに起因するものであり、したがって、
多孔質管を用いる本発明の水頭差を利用した吸込方式に
よれば、育成用水の中への気泡発生効率が飛躍的に向上
することとなる。第2に、従来の噴出し方式ではセラミ
ックス製等の不規則多孔質管の細孔の径をμm程度に小
さくしてもそこから発生する気泡の径は平均的に数mm
ほどあったが、本発明に係る吸込式のエアレータによれ
ば発生する気泡の平均径を数100μmから数10μm
まで以下に微細化することができる。よって、育成用水
と酸化ガス気泡との接触面積を従来方式の10〜100
倍程度に高めることができ、さらに気泡の滞留時間を1
0〜100倍に増長することができる結果、水生物育
成用水中の溶解酸素量を飛躍的に増量することができ
る。
【0012】第3に、多孔質管の育成用水移送管に送り
込む気体の圧力を制御することによって、育成用水の流
量を変化させない状態で、その気泡吸込量を調整させる
ことができる。この気泡発生量を制御することによっ
て、水生生物育成の高効率化が達成できる。第4に、多
孔質管からの気体の吸込に必要な圧力エネルギーは、多
孔質管の圧力損失水頭を上回ればよく、きわめて小さい
圧力エネルギーで足りる。通常、増水頭差で50cm以
下でも足りる。第5に、多孔質管の内壁近くには外部気
体が均一に吸込まれることに伴い、その壁に垂直に管の
中央に向かおうとする流れが形成される。この流れは、
内壁に付着しようとする物質を剥がす方向に作用するこ
とから、結果的に本多孔質管の目づまりの形成を起こり
にくくする。また、たとえ目づまりが発生しても、その
回復には多孔質管内外の圧力差を逆転させる方式を加え
ることによって、いわゆる「逆洗」が可能となる。
【0013】第6に、従来コンプレッサーやブロアー等
の圧縮空気供給装置を必要としたが、本発明によれば吸
込式であるため、そうした装置を不要とすることができ
る。また、多孔質の育成用水供給管部はユニット化が容
易であり、例えば.移送管の両端部にジョイントを取
り付けることによって、あるいは.透明プラスチック
製の気体供給用筐体に多孔質の育成用水供給管を貫通し
て取り付け、かつ筐体の貫通孔部と移送管との接触部を
接着・封止することによって、ユニット体を製作するこ
とができる。そして前記.のユニット体においては、
内部の多孔質管が特にセラミック製である場合には、外
部の筐体をプラスチック、金属等の機械的強度の高い材
料で構成すれば補強部材としても機能させ得るため、多
孔質セラミック管の破損を阻止することができる。多孔
質管の素材としては、多孔質セラミックのほか、多孔質
金属、多孔質プラスチック等適宜多孔質材料を用いるこ
とができるが、いずれにしても多孔質部の細孔は、連通
孔となっていることが必要である。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の実施例のいくつかを図面に
基づいて説明する。図1は、本発明に係る吸込式エアレ
ータを備えた水生生物育成装置の全体構成説明図を示す
が、図中、4は育成用水移送管、4’は微細気泡混入育
成用水移送管、50は水性生物育成水槽、51は育成水
槽排水取り出し口、52は育成水槽排水浄化装置、53
は濾過布、54は濾過砂、55はバルブ、56は吸込式
エアレータ、57は空気供給管バルブ、58は排水導出
管、Pは送水ポンプである。本実施例装置によれば、微
細気泡混入育成用水移送管4’の先端から、水槽50内
の育成用水の深層部へ微細気泡の混入された育成用水が
供給され、育成用水中の溶存酸素量が大いに高められ、
さらにその供給によって装置内に循環流が形成される。
育成槽50内においては水性生物からの排出物が浮上す
るので、該排水物を含む排水を育成槽排水取り出し口5
1より排水導出管58を介して取り出し、育成槽排水浄
化装置52へ導入する。育成槽排水浄化装置52は、中
間壁の濾過布53と濾過砂54によって左右に二槽に分
けられており、右槽に導入された排水が、前記中間壁に
よる濾過処理を受けた後、左槽に入り、そこから送水ポ
ンプPを介して移送管4により、水槽50上方に設けら
れた吸込式エアレータ56へ供給される。そして、吸込
式エアレータ56においては、空気供給管バルブ57を
介して導入された空気が多孔質管の細孔を通って微細気
泡となって浄化育成用水中に吸込まれ、微細気泡混入育
成用水移送管4’を経て水槽50内へ供給され、それに
伴って装置内に循環流が絶えず形成されるので、微細気
泡による接触表面積の増大化と微細気泡による液中浮遊
時間の長期化とにより、育成用水中の溶存酸素量は非常
に増大し、水性生物の育成環境が向上する。上記水生生
物育成装置においては、エアレータとして多孔質管から
なる吸込式エアレータを使用しているため、まず、散気
管を用いる従来法のような多大な圧力損失エネルギーを
要しなく、そして、多孔質管を通して気体を水中へ吸込
む方式のために、散気管の場合のような大直径の気泡が
生じるのではなく、極めて微小直径の気泡が発生する。
したがって、気泡と育成用水との接触表面積が増大し、
気体の水中への溶解効率が非常に向上し、その結果、魚
介類、海草類等の水性生物の育成を高効率で実施し得る
ものとなる。
【0015】図2は、本発明の水生生物育成装置の縦置
き型エアレータの1実施例の概略断面図である。図2に
おいて、1はセラミックス製の多孔質管、2はアクリル
樹脂製の気体供給管、2’はフランジ、3は気体導入
口、4は育成用水移送管、4’は微細気泡混入育成用水
移送管、4″はフランジ、5は締着具(ボルト、ナッ
ト)、6はパッキンである。同図において、育成用水が
育成用水移送管4内を矢印方向から流れてくると、多孔
質管1部において、気体導入口からの気体が多孔質管壁
を通過して内部の流動している育成用水に微細気泡とな
って供給される。すなわち、多孔質管内壁部は負圧とな
り、気体導入口からの気体が多孔質壁を介して育成用水
内に微細気泡として吸引されるのである。多孔質管の細
孔の孔径と発生微細気泡の径との関連性は、実験の結
果、図7に示すとおりであり、すなわち発生微細気泡の
直径の分布は、多孔質管の細孔孔径の分布の約3倍とな
っている。ただし、図7の測定条件は、多孔質管の外径
が13.5mm、内径が7mm、長さが120mm、平
均細孔径が22μmであり、育成用水移送管内の流水量
は1.10 l/sec.である。なお、他の測定実験
の結果、発生微細気泡径は多孔質管平均細孔径の約2〜
4倍であることが解った。該縦置き型エアレータは、各
部材が分解容易でしたがってその組み立ても容易であ
り、セラミックス製の多孔質管1の外径はアクリル樹脂
製の気体供給管2の最狭部内径とほぼ同一としておくこ
とにより、両者は滑動、挿入自在となり、組み立て、分
解が容易となる。なお、本構成では気体供給管2は多孔
質管1を挟持するごとく支持しており、セラミック製の
ごとき脆弱な多孔質管を補強する補強部材としての作用
も奏するので有利である。該構成の縦置き型エアレータ
は、これを横に倒して横置き型となしてもよいが、その
場合は、上下流の圧力差によって形成される動水勾配線
に対して下流のエアレータが低い状態となすべきであ
る。
【0016】また、漸縮管を用いればそのまま横置き型
となして使用することができる。図3は、横置き型エア
レータの1実施例の概略断面図である。図において、1
はセラミックス製の多孔質管、2はアクリル樹脂製の気
体供給管、2’はフランジ、3は気体導入口、4は下流
の育成用水移送管、4’は微細気泡混入育成用水移送
管、4″はフランジ、5は締着具(ボルト、ナット)、
6はパッキン、7は上流の育成用水移送管でもある漸縮
管である。同図において、育成用水が上流の漸縮管7内
を矢印方向から流れてくると、漸縮管7の後部内壁面に
おいて負圧が最大となり多孔質管1部において、気体導
入口からの気体が多孔質管壁を通過して内部の育成用水
に微細気泡となって供給される。漸縮管7の絞り角度
は、通常10〜30度程度が好ましい。
【0017】図4は、本エアレータを横置きしてサイフ
ォン配置し、多孔質管から気体を育成用水内に微細気泡
として吸引する概念図を示している。図中、30は本発
明に係るエアレータ、4は育成用水移送管、11は育成
用水貯留槽、12は水生生物育成槽、HLは動水勾配
線、Hは水頭差である。同図において、育成用水が育成
槽11から育成用水移送管4を経て、エアレータ30に
導入されると、水頭差H、動水勾配線HLにより外気が
微細気泡となって育成用水中に吸引、供給され、微細気
泡混入育成用水移送管4’を通って下方位置に配置され
ている育成槽12へ送給される。
【0018】図5は、縦置き型エアレータの他の実施例
の概略断面図である。該図においては、多孔質管1は漸
拡管となっており、その拡張部に多孔質管1が取着され
ている。本例方式によれば、育成用水移送管の下方部直
径が上方部のそれよりも大となっているため、多孔質管
の拡張部における吸引力はより増強されたものとなる。
同図において、育成用水が上方の育成用水貯留槽11か
ら落下して漸拡管8内に入って来ると、漸拡管8の多孔
質管1内壁面において負圧が大となり、気体導入口から
の気体が多孔質管1壁を通過して内部の流動している育
成用水に微細気泡となって供給される。
【0019】図6は、縦置き型エアレータの他の実施例
の概略断面図である。該図においては、育成用水供給管
4の内側に、多孔質管1を備えた筒状の気体供給器9を
内設してなるものである。本例方式によれば、外気が、
育成用水移送管4を貫通して気体供給器9内に連結され
た導気管10を経て、多孔質管1の管壁外面から微細気
泡となって育成用水中に吸引、供給される。
【0020】以上のように本発明においては多孔質管に
よる吸込方式を採用したので、セラミックス等多孔質管
より外部気体を吸込むことにより、育成用水移送管内に
数100μmから数10μmの径を有する微細な気泡を
生成させ得るとともに、その気泡量を制御することが可
能となる。生成気泡の調整において、気泡量を増大する
には、育成用水移送管内の負圧力を増大することによ
り、又は気体供給管内の気圧を高めることによって行う
ことができ、また気泡直径を微小化するには、多孔質管
の連通孔の孔径を縮小することができる。
【0021】
【発明の効果】以上実施例等で詳述したように、本発明
によれば下記のごとき優れた多くの作用効果が発揮され
る。 (1).本発明に係るエアレータによれば、従来の噴き
出し方式のエアレータよりもかなり小さい圧力損失とな
り、育成用水の中への気泡発生効率が飛躍的に向上す
る。 (2).従来の噴出し方式ではセラミックス製等の不規
則多孔質管の細孔の径をμm程度に小さくしてもそこか
ら発生する気泡の径は平均的に数mmほどであったが、
本発明に係る吸込式のエアレータによれば発生する気泡
の平均径を数100μmから数10μmに微細化するこ
とができる。よって、育成用水と酸化ガス等の気泡との
接触面積を極端に増大することができ、かつ気泡の育成
用水中における滞留時間を著しく増長することがてき、
その結果育成用水中への溶解酸素量を飛躍的に増量する
ことができる。 (3).多孔質管の育成用水移送管に送り込む気体の圧
力を制御することによって、育成用水の流量を変化させ
ない状態で、その気泡吸込量を調整させることができ、
この気泡発生量を制御することによって、水生生物育成
の高効率化が達成できる。 (4).多孔質管からの気体の吸込に必要な圧力エネル
ギーは、多孔質管の圧力損失水頭を上回ればよく、きわ
めて小さい圧力エネルギーで足り、省エネルギー運転が
可能となる。 (5).多孔質管の内壁近くには外部気体が均一に吸込
まれることに伴い、その壁に垂直に管の中央に向かおう
とする気液の流れが形成され、この流れが多孔質管内壁
に付着しようとする汚染物質等を剥がす方向に作用す
る。その結果、多孔質管の目づまりが起こりにくくな
る。 (6).従来方式のごときコンプレッサーやブロアー等
の圧縮空気供給装置を必要としなく、単に水頭差のみを
確保すればよい。 (7).多孔質の育成用水供給管部はユニット化が容易
であり、例えば透明プラスチック製の気体供給用筐体に
多孔質の育成用水供給管を貫通して取り付け、かつ筐体
の貫通孔部と移送管との接触部を接着・封止することに
よって、ユニット体を製作することができる。そして、
内部の多孔質管が特にセラミック製である場合には、外
部の筐体をプラスチック、金属等の機械的強度の高い材
料で構成すれば補強部材としても機能させることができ
るため、多孔質セラミック管の破損を阻止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸込式エアレータを備えた水生生
物育成装置の全体構成説明図。
【図2】水生生物育成装置の縦置き型エアレータの1実
施例の概略断面図。
【図3】横置き型エアレータの1実施例の概略断面図。
【図4】エアレータを横置きしてサイフォン配置し、多
孔質管から気体を育成用水内に微細気泡として吸引する
概念図。
【図5】縦置き型エアレータの他の実施例の概略断面
図。
【図6】縦置き型エアレータの他の実施例の概略断面図
【図7】多孔質管の細孔の孔径と発生微細気泡の径との
関連性を示すグラフ図。
【符号の説明】
1:セラミックス製の多孔質管、2:アクリル樹脂製の
気体供給管、 2’:フランジ、3:気体導入口、4:育成用水移送
管、 4’:微細気泡混入育成用水移送管、4″フランジ、 5:締着具(ボルト、ナット)、6:パッキン,7:漸
縮管、8:漸拡管 9:筒状の気体供給器、10:導気管、 11:育成用水貯留槽、12:水生生物育成槽、 30:エアレータ、50:水生生物育成水槽、51:育
成水槽排水取り出し口 52:育成水槽排水浄化装置、53:濾過布、54:濾
過砂 55:バルブ、56:吸込式エアレータ、57:空気供
給管バルブ、 58:排水導出管、P:ポンプ HL:動水勾配線、H:水頭差

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質の育成用水移送管を大気内に露出
    して、かつ水頭差を設けて配置してなる吸込式エアレー
    タを備えてなることを特徴とする水生生物育成装置。
  2. 【請求項2】 気体供給管の中側に多孔質の育成用水移
    送管を、水頭差を設けて配置してなる吸込式エアレータ
    を備えたことを特徴とする水生生物育成装置。
  3. 【請求項3】水頭差を設けて配置してなる育成用水移送
    管の中側に多孔質の気体供給管を配設してなる吸込式エ
    アレータを備えたことを特徴とする水生生物育成装置。
  4. 【請求項4】 多孔質管の細孔が不規則連通孔であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の水生生物育成装
    置。
  5. 【請求項5】 多孔質の育成用水移送管又は/及び多孔
    質の気体供給管が、多孔質セラミック管であることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の水生生物
    育成装置。
  6. 【請求項6】 多孔質の育成用水移送管又は/及び多孔
    質の気体供給管が多孔質金属管であることを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれかに記載の水生生物育成装
    置。
  7. 【請求項7】 多孔質の育成用水移送管又は/及び多孔
    質の気体供給管の連通孔の孔径が500μm以下である
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の
    水生生物育成装置。
  8. 【請求項8】 多孔質の育成用水供給管に管体状又は筐
    体状の気体供給室を周設してなることを特徴とする請求
    項1又は2あるいは4ないし7のいずれかに記載の水生
    生物育成装置。
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