JP3049439B2 - ホワイトバランス補正装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビデオカメラ等の撮像装置のホワイトバラ
ンス補正装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、ビデオカメラ等のホワイトバランスを補正する
装置としては、撮像素子自体から得られた情報に基づい
てホワイトバランスの制御を行うもの、あるいは被写体
からの入射光の色温度情報に基づいてホワイトバランス
の制御を行うものがある。また、両者を組み合わせて、
双方の情報によりホワイトバランスの制御を行う補正装
置も知られている。

第４図は上記撮像素子からの情報と色温度情報の両者
を組み合わせた従来のホワイトバランス補正装置の概略
構成を示すブロック図である。同図において、１は固体
撮像素子であるCCDで、被写体からの撮像光がここで光
電変換される。２はCCD1の出力信号からＲ（赤）,G
（緑）,B（青）の色信号を分離する色分離回路、3a,3b
は色分離回路２から出力されたＲとＢの色信号を増幅す
る可変利得制御可能なホワイトバランス制御用アンプ
（増幅器）、４は利得制御されたＲとＢの色信号及び色
分離回路２からのＧの色信号を入力して輝度信号Ｙと色
差信号Ｒ−Y,B−Ｙを生成する信号処理回路、５はその
輝度信号Ｙと色差信号Ｒ−Y,B−Ｙを入力して標準テレ
ビジョン信号を生成する信号処理回路、６は被写体から
の入射光の色温度情報を検出する色温度センサ、７はこ
の色温度センサ６の検出情報とCCD1からの出力情報に基
づいてホワイトバランスを制御するホワイトバランス制
御回路で、ここでは色温度情報と色差信号Ｒ−Y,B−Ｙ
を基準レベルと比較した結果の情報とに基づいてホワイ
トバランス制御用アンプ3a,3bの利得を制御する。

上記のように構成された装置において、CCD1に入射し
た被写体からの撮像光は、ここで光電変換された後、色
分離回路２に入力され、R,G,Bの三原色の色信号に分離
される。これらの色信号の中で、ＲとＢの色信号はホワ
イトバランス制御用アンプ3a,3bを経て信号処理回路４
に入力され、Ｇの色信号は直接信号処理回路４に入力さ
れる。そして、この信号処理回路４で輝度信号Ｙと色差
信号Ｒ−Y,B−Ｙが生成され、後段の信号処理回路５に
入力される。

一方、被写体からの光は色温度センサ６にも入射し、
ここで該入射光の色温度情報が検出され、その色温度情
報がホワイトバランス制御回路７に入力される。このホ
ワイトバランス制御回路７には、また上記信号処理回路
４からの色差信号Ｒ−Y,B−Ｙが入力される。そして、
このホワイトバランス制御回路７で各々入力された信号
に基づいた制御信号が生成され、この制御信号が上記ホ
ワイトバランス制御用アンプ3a,3bに供給される。これ
により、ホワイトバランスが最適となるように制御され
る。

上記輝度信号Ｙとホワイトバランス制御された色差信
号Ｒ−Y,B−Ｙは、前述のように信号処理回路５に入力
され、ここで標準テレビジョン信号に変換された後、外
部に出力される。

次に、上述したホワイトバランス制御回路７の制御動
作について詳細に説明する。第５図は該制御回路７の内
部構成を示す図である。図中、８は色温度センサ６から
の色温度情報に応じて一意的にＲ信号とＢ信号の利得制
御信号（ホワイトバランス補正用信号）R1,B1を形成す
る第１の利得制御信号形成回路、９は色差信号Ｒ−Y,B
−Ｙとその無彩色レベル（V_ref）とを比較してＲ信号と
Ｂ信号の利得制御信号R2,B2を形成する第２の利得制御
信号形成回路、10a,10bはこの第２の利得制御信号形成
回路９から出力された利得制御信号R2,B2を制限するリ
ミッタ、11a,11bはその制限された制御信号R2,B2と上記
第１の利得制御信号形成回路８からの制御信号R1,B2と
を加えて出力する演算器である。

上記第５図の回路では、第１の利得制御信号形成回路
８から出力された制御信号R1,B1に、リミッタ10a,10bに
より予め決められた制限幅に規制された第２の利得制御
信号形成回路９からの制御信号R2,B2が加えられ、Ｒ補
正信号、Ｂ補正信号となる。そして、この信号が第４図
のホワイトバランス制御用アンプ3a,3bに制御信号とし
て供給され、ホワイトバランスが最適に制御される。こ
のように、第１図のCCD1からの出力情報と色温度センサ
６の検出情報の双方の情報に基づいてホワイトバランス
制御用アンプ3a,3bの利得が制御され、ホワイトバラン
スが適正に補正される。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記のような従来のホワイトバランス
補正装置にあっては、リミッタの規制幅が予め設定され
た値に固定されているため、被写体が遠くにいる場合な
ど色温度センサの入射光と被写体を照明する光源の色温
度がかなり相違することがあり、この時色温度情報に応
じた制御信号を撮像素子からの出力信号により補正しき
れず、適正なホワイトバランス補正ができないという問
題点があった。

本発明は、このような問題点に着目してなされたもの
で、撮像装置と被写体との間の距離にかかわらず適正な
ホワイトバランス補正ができるホワイトバランス補正装
置を得ることを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明のホワイトバランス補正装置は、次のように構
成したものである。

I.被写体からの撮像光を光電変換する撮像素子を備えた
撮像装置のホワイトバランス補正装置において、前記被
写体からの入射光の色温度情報を検出する色温度検出手
段と、前記色温度検出手段と前記被写体との距離を計測
する測距手段と、前記撮像素子からの出力情報と前記色
温度検出手段の検出情報とを組み合わせることによって
前記撮像素子から出力される信号のホワイトバランスを
制御するためのホワイトバランス制御信号を形成するホ
ワイトバランス制御手段と、前記ホワイトバランス制御
手段によってホワイトバランス制御信号を形成するため
の前記撮像素子からの出力情報の出力幅を制限する制限
手段と、前記測距手段によって計測される前記被写体と
の距離に応じて、前記制限手段によって制限される前記
撮像素子からの出力情報の出力幅を変更する変更手段と
を備えるようにした。

II.前記Ｉの装置において、前記変更手段は、前記測距
手段によって計測された前記被写体との距離が近くにな
るに従って前記撮像素子からの出力情報の出力幅を狭く
するようにした。

〔実施例〕

第１図は本発明の一実施例によるホワイトバランス補
正装置の回路構成を示すブロック図であり、第４図と同
一符号は同一構成部分を示している。図において、１は
被写体からの撮像光を光電変換するCCD（固体撮像素
子）、２はこのCCD1の出力信号から複数の色信号を分離
する色分離回路で、具体的にはR,G,Bの三原色信号を分
離して出力する。3a,3bはその三原色信号のうち所定の
色信号の利得を制御するホワイトバランス制御用アンプ
（利得制御手段）で、ここではＲとＢの色信号をそれぞ
れ可変利得制御する。４はこのホワイトバランス制御用
アンプ3a,3bから出力されたＲとＢの色信号及び色分離
回路２から出力されたＧの色信号を入力して輝度信号Ｙ
及び色差信号Ｒ−Y,B−Ｙを生成する信号処理回路、５
はその輝度信号Ｙ及び色差信号Ｒ−Y,B−Ｙから標準テ
レビジョン信号を生成して出力する信号処理回路、６は
被写体からの入射光の色温度情報を検出する色温度セン
サ（色温度検出手段）、12はこの色温度センサ６と被写
体の間の距離を計測する測距センサ（測距手段）、13は
上記CCD1からの出力情報と色温度センサ６の検出情報と
測距センサ12の計測情報に基づいてホワイトバランスを
制御するホワイトバランス制御回路で、CCD1からの出力
情報として信号処理回路４により生成された上記の色差
信号Ｒ−Y,B−Ｙが入力され、ホワイトバランス制御用
アンプ3a,3bにホワイトバランス補正用の制御信号を出
力する。

第２図は上記ホワイトバランス制御回路13の内部構成
を示す図であり、第５図と同一符号は同一構成部分を示
している。図中、８は色温度センサ６の検出情報（色温
度情報）に応じた利得制御信号（ホワイトバランス補正
用信号）R1,B1を形成する第１の利得制御信号形成回
路、９はCCD1からの色信号のレベル（ここでは色差信号
Ｒ−Y,B−Ｙのレベル）を基準の無彩色レベル（V_ref）
と比較した結果から利得制御信号R2,B2を形成する第２
の利得制御信号形成回路、14a,14bはこの第２の利得制
御信号形成回路９の出力をリミット幅可変手段15の出力
情報により制限するリミッタで、リミット幅可変手段15
には測距センサ12の計測情報（距離情報）が供給され
る。そして、このリミッタ14a,14bにより制限された出
力と上記第１の利得制御信号形成回路８の出力を演算器
11a,11bで加えたＲ補正信号及びＢ補正信号が制御信号
としてホワイトバランス制御用アンプ3a,3bに供給され
る。

次に動作について説明する。

CCD1に被写体からの撮像光が入射してから信号処理回
路５より標準テレビジョン信号が出力されるまでの信号
処理動作については、第４図の装置と同様であるので省
略するが、本装置には色温度センサ６と被写体の間の距
離を計測する測距センサ12が設けられており、この測距
センサ12により計測された距離情報を考慮してホワイト
バランスの制御が行われる。すなわち、ホワイトバラン
ス制御回路13は、CCD1からの出力情報と色温度センサ６
からの色温度情報に基づくホワイトバランスの制御信号
を、上記測距センサ12からの距離情報により変化させて
ホワイトバランス制御用アンプ3a,3bに出力するように
している。このため、撮像装置と被写体の間の距離によ
ってホワイトバランスの制御信号を補正しきれなかった
りすることがなく、被写体までの距離にかかわらず適正
なホワイトバランス補正を行うことができる。

第３図は被写体までの距離と第２図のリミッタ14a,14
bにおけるリミット幅との関係を示したものである。こ
の第３図に示す特性でリミッタ14a,14bが動作するが、
この特性は、カメラなど撮像装置と被写体との距離が遠
く離れるほど色温度センサ６の入射光と被写体を照射す
る光源の色温度が相違する確率が高くなることを予想し
たものである。したがって、この第３図の特性の他に、
撮像装置と被写体が非常に近い場合を考慮した特性とし
ても良く、また色温度センサ６の指向性や、ズームレン
ズを用いた場合にはそのズーム比等を考慮した特性とし
ても良い。

なお、被写体までの距離を計測する測距センサ12は、
どのような形式であっても良く、例えば公知の自動焦点
装置のようなものでも良い。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明によれば、被写体までの距離を
計測する測距手段を設け、この測距手段の計測情報に従
って撮像素子からの出力情報と色温度検出手段の検出情
報との組み合わせにおける前記撮像素子からの出力情報
の出力幅を制限して変更するようにしたため、撮像装置
と被写体との間の距離にかかわらず適正なホワイトバラ
ンス補正ができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によるホワイトバランス補正
装置の回路構成を示すブロック図、第２図は第１図のホ
ワイトバランス制御回路の内部構成を示す構成図、第３
図は被写体までの距離と第３図のリミッタにおけるリミ
ット幅との関係を示す特性図、第４図は従来装置の回路
構成を示すブロック図、第５図は第４図のホワイトバラ
ンス制御回路の内部構成を示す構成図である。 １……CCD（固体撮像素子） ２……色分離回路 3a,3b……ホワイトバランス制御用アンプ（利得制御手
段） 4,5……信号処理回路 ６……色温度センサ（色温度検出手段） ８……第１の利得制御信号形成手段 ９……第２の利得制御信号形成手段 11a,11b……演算器 12……測距センサ（測距手段） 13……ホワイトバランス制御回路 14a,14b……リミッタ（制限手段） 15……リミット幅可変手段

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被写体からの撮像光を光電変換する撮像素
   子を備えた撮像装置のホワイトバランス補正装置におい
   て、 前記被写体からの入射光の色温度情報を検出する色温度
   検出手段と、 前記色温度検出手段と前記被写体との距離を計測する測
   距手段と、 前記撮像素子からの出力情報と前記色温度検出手段の検
   出情報とを組み合わせることによって前記撮像素子から
   出力される信号のホワイトバランスを制御するためのホ
   ワイトバランス制御信号を形成するホワイトバランス制
   御手段と、 前記ホワイトバランス制御手段によってホワイトバラン
   ス制御信号を形成するための前記撮像素子からの出力情
   報の出力幅を制限する制限手段と、 前記測距手段によって計測される前記被写体との距離に
   応じて、前記制限手段によって制限される前記撮像素子
   からの出力情報の出力幅を変更する変更手段とを備える
   ことを特徴とするホワイトバランス補正装置。
2. 【請求項２】前記変更手段は、前記測距手段によって計
   測された前記被写体との距離が近くなるに従って前記撮
   像素子からの出力情報の出力幅を狭くすることを特徴と
   する請求項１記載のホワイトバランス補正装置。