JP3049319B1 - 炎孔部材及び炎孔部材を有する燃焼装置 - Google Patents

炎孔部材及び炎孔部材を有する燃焼装置

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JP3049319B1
JP3049319B1 JP11243313A JP24331399A JP3049319B1 JP 3049319 B1 JP3049319 B1 JP 3049319B1 JP 11243313 A JP11243313 A JP 11243313A JP 24331399 A JP24331399 A JP 24331399A JP 3049319 B1 JP3049319 B1 JP 3049319B1
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Abstract

【要約】 【課題】 十字形状の火炎溝を形成することができる炎
孔部材を開発し、対向燃焼の利点を生かしつつ、鍋等を
効率よく加熱することができ、家庭用・業務用のコンロ
として好適な燃焼装置の実用化を図る。 【解決手段】 本実施形態の炎孔部材40は、上記した
下端部板体41と、閉塞用板体42,流路形成用板体4
3及び上端部板体44が下から順に積層されてなるもの
である。板体41〜44は、円板を基調とし、中心に十
字形状の火炎溝形成開口45が形成されている。閉塞用
板体42は、一定幅の閉塞部47を残して切り欠かれて
いる。流路形成用板体43は、火炎溝形成開口45を二
辺として4個のエリア43abcdに仕切られ,流路形
成開口50が火炎溝形成開口45に対して45°傾斜し
た角度をもって平行且つ直線的に伸びている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炎孔部材及び炎孔
部材を有する燃焼装置に関するものである。本発明の炎
孔部材及び燃焼装置は、家庭用や業務用のコンロとして
好適である。
【0002】
【従来の技術】大気汚染は地球規模で発生し、我々の生
活環境を破壊しようとしている。そのため各分野で規制
がなされ、大気汚染防止の努力がなされているものの、
環境改善にはほど遠い状態であると言える。大気汚染の
要因の一つであるNOX に関して、わが国の年間総排出
量は130万トンであり、そのうちコンロ等の家庭用消
費機器からの排出量は、3万トンと推定される。これら
の小規模燃焼機器では、ユーザ側の燃焼管理技術によっ
てNOX の排出抑制を行うことは困難であるから、機器
の設計・製造段階において低NOX 化を図る必要があ
る。
【0003】この目的を達成するための方策の一つとし
て、いわゆる希薄燃焼の採用が挙げられる。ここで希薄
燃焼とは、燃料ガスと空気を希薄状態に混合して燃焼さ
せる燃焼方式であり、火炎の温度が比較的低いのでNO
X の発生が少ない。しかしながら、希薄燃焼は、火炎が
不安定であり、火飛びが発生しやすい。そのため、燃料
燃焼量の可変範囲(TDR)が狭いという問題もある。
【0004】そこでこの問題を解決するために、対向燃
焼また衝突燃焼と称される燃焼方法が提案されている。
対向燃焼は、例えば特開昭62−242762号、特開
昭63−14007号、特開昭63−161308号他
に開示された技術である。従来技術の対向燃焼を活用し
たコンロ200は、概ね図20,図21の通りであり、
直線的な火炎溝201を有していてその火炎溝201の
側壁に多数の噴射孔(炎孔)202が設けられたもので
ある。即ち一方の側壁に設けられた噴射孔202と他方
の側壁に設けられた噴射孔202は、直線的な火炎溝2
01を介して互いに対向している。従来技術のコンロ2
00では、空気と燃料ガスとの混合ガスが、噴射孔20
2から火炎溝201内に噴射され、火炎溝201内で火
炎を発生させるが、噴射孔202が対向し、火炎同士が
衝突するので、火飛びが発生しにくく、火炎は安定す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の燃焼装置
は、希薄燃焼であるためNOX の発生が少ない上に、火
炎が安定しており火飛びが少なく、TDRも広い。しか
しながら、従来技術の燃焼装置は、直線的な火炎溝20
1を介して噴射孔202を対向させるものであるから、
全体形状が長細いものとならざるを得ない。これに対し
て、家庭やレストランで使用される鍋ややかんは、一般
的に底が丸い。そのため従来技術の燃焼装置は、鍋等を
載せたときに火炎が鍋からはみ出して熱が無駄になった
り、鍋の底全体に火炎が行き渡らないといった問題点が
あった。そこで本発明者らは、この問題に対処すべく、
先に十字形状の火炎溝を有する燃焼装置を提案した。本
発明は、先に提案した発明を更に具体化したものであ
り、十字形状の火炎溝を形成することができる炎孔部材
を開発し、対向燃焼の利点を生かしつつ、鍋等を効率よ
く加熱することができ、家庭用・業務用のコンロとして
好適な燃焼装置の実用化を図ることを課題とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そして上記した課題を解
決するための請求項1に記載の発明は、複数の板体が積
層されて交差状の火炎溝を構成し、該火炎溝に向かって
複数の噴射孔が開口している炎孔部材であって、流路形
成用板体と、閉塞用板体を有し、前記流路形成用板体
は、交差した溝状の火炎溝形成開口と、複数の小溝又は
小溝状開口から成る流路形成溝が設けられ、当該流路形
成溝は火炎溝形成開口に開口し、前記閉塞用板体は交差
した溝状の火炎溝形成開口を有すると共に火炎溝形成開
口の周囲に流路形成溝を覆う閉塞部を有し、流路形成用
板体の流路形成溝の開放面の少なくとも一部が閉塞用板
体の閉塞部によって覆われ、流路形成溝と閉塞部によっ
て囲まれる空隙によって噴射孔が形成されていることを
特徴とする炎孔部材である。
【0007】本発明の炎孔部材は、交差した溝状の火炎
溝形成開口を有する板体を積層するものであり、板体を
重ねることにより溝の深さを確保し、交差した火炎溝を
構成するものである。そして本発明では、板体に流路形
成用板体と閉塞用板体を含み、両者を重ねることにより
噴射孔が形成される。なお、閉塞用板体は、流路形成用
板体と同一形状のものであっても構わない。また閉塞部
が設けられた板体は、必ずしも流路形成用板体と隣接す
るものである必要はなく、両者の間に他の板体や断熱材
等が介在されていてもよい。
【0008】また同様の課題を解決するための請求項2
に記載の発明は、複数の板体が積層されて交差状の火炎
溝を構成し、該火炎溝に向かって複数の噴射孔が開口し
ている炎孔部材であって、流路形成用板体を有し当該流
路形成用板体に隣接して積層される板体の少なくとも一
方は、流路形成用板体と面積又は形状が異なり、両者を
重ねた際に板体の外周側と連通する空隙が形成され、前
記流路形成用板体には交差した溝状の火炎溝形成開口と
複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けら
れ、当該流路形成溝は火炎溝形成開口に開口すると共に
前記空隙と連通することを特徴とする炎孔部材である。
【0009】本発明の炎孔部材は、流路形成用板体を有
し、当該流路形成用板体に隣接する板体は面積又は形状
が異なるため、両者を重ねた際に板体の外周側と連通す
る空隙が形成される。また流路形成用板体には交差した
溝状の火炎溝形成開口と複数の小溝又は小溝状開口から
成る流路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は火炎溝形
成開口に開口する。また流路形成溝は火炎溝形成開口に
開口すると共に前記空隙と連通する。従って炎孔部材に
は、外周部から空隙を経て流路形成溝に至る一連の流路
が確保される。また流路形成溝は、火炎溝形成開口に開
口しているので、外周部から入った空気又は燃料ガス等
は、火炎溝に噴射される。
【0010】さらに請求項3に記載の発明は、流路形成
用板体には、火炎溝形成開口を二辺として仕切られるエ
リアが形成され、当該エリアに複数の流路形成溝が設け
られ、当該流路形成溝は、火炎溝形成開口の二辺に開口
することを特徴とする請求項1又は2に記載の炎孔部材
である。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1,2に
従属するものであり、流路形成用板体には交差した溝状
の火炎溝形成開口と複数の小溝又は小溝状開口から成る
流路形成溝が設けられている。そのため流路形成用板体
には、火炎溝形成開口を二辺として仕切られるエリアが
形成される。例えば火炎溝形成開口が十字形状であれ
ば、流路形成用板体は4つのエリアに区切られ、火炎溝
形成開口がY字形状やT字であれば、流路形成用板体は
3つのエリアに区切られることとなる。さらに「米」字
状であるならば流路形成用板体は8つのエリアに区切ら
れる。そして本発明の炎孔部材では、エリアに複数の流
路形成溝が設けられ、流路形成溝は、火炎溝形成開口の
二辺に開口する。従って本発明の炎孔部材では、一枚の
火炎溝形成開口によって火炎溝に対して複数の方向から
燃料等を噴射することができる。
【0012】また請求項4に記載の発明は、複数の板体
が積層されて交差状の火炎溝を構成し、該火炎溝に向か
って複数の噴射孔が開口している炎孔部材であって、流
路形成用板体を有し、前記流路形成用板体は交差した溝
状の火炎溝形成開口を有し、当該流路形成用板体には火
炎溝形成開口を二辺として仕切られるエリアが形成さ
れ、当該エリアに複数の小溝又は小溝状開口から成る流
路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は、火炎溝形成開
口の軸線に対して斜め成分を有していて火炎溝形成開口
の二辺に開口し、前記流路形成用板体は他の板体と積層
され、外部と流路形成溝とを連通する通気経路が確保さ
れることを特徴とする炎孔部材である。
【0013】本発明の炎孔部材では、交差した溝状の火
炎溝形成開口を有する板体によって火炎溝を構成する。
また本発明の炎孔部材では、流路形成用板体に交差した
溝状の火炎溝形成開口が設けられているため、流路形成
用板体には、火炎溝形成開口を二辺として仕切られるエ
リアが形成される。そして本発明の炎孔部材では、エリ
アに複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設
けられている。また流路形成溝は、火炎溝形成開口の軸
線に対して斜め成分を有していて火炎溝形成開口の二辺
に開口する。即ち本発明の炎孔部材では、流路形成溝
は、火炎溝形成開口に対して斜め成分を有しているの
で、流路形成溝が交差することなく二辺に開口させるこ
とができる。さらに本発明では、流路形成用板体は他の
板体と積層され、外部と流路形成溝とを連通する通気経
路が確保される。また流路形成溝は、火炎溝形成開口に
開口しているので、外周部から入った空気又は燃料ガス
等は、火炎溝に噴射される。
【0014】また請求項5に記載の発明は流路形成溝
は、他の板体に積層されて当該板体によってその一部が
覆われ、他の一部は解放されていることを特徴とする請
求項1乃至4のいずれかに記載の炎孔部材である。
【0015】本発明の炎孔部材では、流路形成溝は、閉
塞用板体等の他の板体によって一部が覆われ、他の一部
は解放されている。流路形成溝が他の板体によって覆わ
れた部位については、少なくとも3面が覆われることと
なり、他の一面を何らかの方策で閉塞することにより、
4面が閉塞された流路を構成する。また流路形成溝の他
の板体から開放された部位は、前記した流路に空気や燃
料を導入する導入口となる。
【0016】さらに請求項6に記載の発明は、火炎溝は
一方の面が開放され、流路形成用板体には、火炎溝の開
放側に凸となった小溝又は小溝状開口から成る流路形成
溝が設けられ、流路形成用板体の前記開放側から遠い方
の面側に通気経路が形成され、当該通気経路と前記流路
形成溝が連通していることを特徴とする請求項1乃至5
のいずれかに記載の炎孔部材である。
【0017】本発明は、請求項1乃至5のいずれかに従
属するものであり、流路形成用板体とその他の板体を備
える。そして空気や燃料は、板体の開口や切り欠き、隙
間等を経て流路形成用板体の流路形成溝に入り、火炎溝
に噴射される。ここで本発明の炎孔部材では、流路形成
溝は火炎溝の開放側に凸となった小溝又は小溝状開口か
ら成る。従って噴射孔は、流路形成用板体と同一平面又
は流路形成用板体よりも火炎溝の開放側に位置する。一
方、本発明では、通気経路は流路形成用板体の開放側か
ら遠い方の面側に形成される。そのため空気や燃料は、
炎孔部材を通過する際に、火炎溝の開放側から遠い位置
から火炎溝の開放側に近い流路形成用板体に流れる。従
ってその際に空気や燃料は、火炎溝の開放側に向かって
付勢される。そのため本発明の炎孔部材では、空気や燃
料は、火炎溝の開放側に向かって僅かに角度付けられた
状態で衝突する。本発明では、既燃ガスの排出が円滑と
なり、燃焼が安定する。また火炎は、やや火炎溝の開放
側を向いて噴射されるので、対向する壁面を加熱するこ
とが少なく、炎孔部材を傷めたり逆火を発生させる危険
性が少ない。さらに炎孔部材を介して熱が外部に逃げる
ことも防がれる。
【0018】また請求項7に記載の発明は、火炎溝形成
開口は、交差部の幅が他の部位の幅よりも広いものであ
ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の
炎孔部材である。
【0019】対向燃焼また衝突燃焼と称される燃焼方法
では、火炎は互いに向き合ったもの同士が衝突し、既燃
ガスは、火炎溝の開放側に向きを変える。ここで本発明
の炎孔部材は、交差した火炎溝を有するため、交差部分
は既燃ガスが過密状態となる。そのため火炎溝の幅が全
て同一であるならば、交差部において既燃ガスの流速が
過度に速くなり、乱れやすくなる。そこで本発明は、火
炎溝形成開口の交差部を広くし、局部的な流速の増加を
防ぐものである。本発明によると、燃焼時の騒音の発生
が抑制される。
【0020】また請求項8に記載の発明は、流路形成用
板体に設けられた流路形成溝の開口密度は、火炎溝形成
開口の交差部近傍の方が端部に比べて高いことを特徴と
する請求項7に記載の炎孔部材である。
【0021】前述した請求項7に記載の発明では、火炎
溝形成開口の交差部を広くしたが、この様に交差部を広
くすると、却って火炎の安定性を損なう場合がある。即
ち火炎溝形成開口の交差部を広くすると、火炎の衝突距
離が増大し、この距離が過度に大きくなると既燃ガスの
流線同士が衝突しなくなり、淀み点を形成しなくなる。
そのため火炎の安定性が却って損なわれることとなる場
合がある。本発明は、火炎溝形成開口の交差部近傍の流
路形成溝の開口密度を高くして、火炎を大きくし、淀み
点の形成を促進して上記した問題を回避するものであ
る。なお、流路形成溝の開口密度を高くするための方策
としては、流路形成溝の幅を増大する方策と、流路形成
溝の個数を増大させる方策が考えられる。
【0022】また請求項9に記載の発明は、複数の流路
形成用板体と他の板体との組み合わせが多段に積層され
ていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記
載の炎孔部材である。
【0023】本発明の炎孔部材は、例えばプレス等によ
って作られた板体を多数積層して作られるので、製造が
容易であり、且つ外形の小型化が可能である。
【0024】さらに請求項10に記載の発明は、断熱部
材が積層されていることを特徴とする請求項1乃至9の
いずれかに記載の炎孔部材である。
【0025】対向燃焼また衝突燃焼と称される燃焼方法
では、火炎同士が衝突するので、炎孔部材が配された燃
焼室が高温になりやすく炎孔部分が加熱されて逆火が発
生しやすいという問題がある。ここで本発明の炎孔部材
は、部分的に断熱部材が積層されているので、燃焼室の
雰囲気温度が燃料ガスに伝わりにくく、逆火が防止され
る。
【0026】さらに請求項11に記載の発明は、請求項
1乃至10のいずれかに記載の炎孔部材を有し、当該炎
孔部材から空気又は燃料、或いは空気と燃料との混合ガ
スを噴射して火炎を発生させることを特徴とする燃焼装
置である。
【0027】本発明の燃焼装置では、交差した溝を有
し、当該溝に向かって前記噴射孔が開口している。その
ため従来、直線的であった溝の配置が平面的な広がりを
持つものとなり、鍋の底の形状に合致する。また本発明
の燃焼装置は、同一の熱量を発生させる従来技術の燃焼
装置に比べて、外形が小さい。さらに本発明の燃焼装置
は、交差した溝状の火炎溝形成開口を有する板体を積層
してなる炎孔部材を採用するものであり、外形のより一
層の小形化が可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下さらに本発明の実施形態につ
いて説明する。 (実施形態1)図1は、本発明の第1の実施形態の炎孔
部材の分解斜視図及び炎孔部材を組み立てた状態の斜視
図である。図2は、図1の炎孔部材の構成部品の正面図
である。図3は、図1の炎孔部材を、下端部板体を外し
て下側から観察した背面図である。図4は、図3のA−
A断面斜視図である。図5は、図1の炎孔部材を多段に
積み上げて構成された炎孔部材の分解斜視図である。
【0029】本実施形態の炎孔部材40は、図1に示す
ように4枚の板体41〜44を順次積層したものであ
る。各板体41〜44は、いずれも鋼やステンレススチ
ール等の金属を素材とし、プレス成形による打ち抜きに
よって作られたものであり、円板を基調とし、中心に十
字形状の火炎溝形成開口45が形成され、さらに機能に
応じて特有の開口や切り欠きが設けられている。各板体
41〜44に設けられた火炎溝形成開口45はいずれも
同一の大きさ及び形状である。また各板体41〜44に
は、90°の間隔を開けて4個の小穴46が設けられて
いる。
【0030】即ち上下端に積層される端部板体41,4
4は、円板状であり、その中心部に十字形の火炎溝形成
開口45が設けられている。火炎溝形成開口45は、直
交する溝状の開口であり、直交する溝の長さは等しい。
また本実施形態では、火炎溝形成開口45の溝幅は、い
ずれの部位でも同一である。
【0031】下から二番目に積層される板体42は、閉
塞用板体であり、あたかも十字手裏剣の様な形状をして
おり、中心部には十字形状の火炎溝形成開口45が形成
されている。即ち閉塞用板体42は、十字形状の火炎溝
形成開口45を有し、その周囲は、一定幅の閉塞部47
を残して切り欠かれている。切り欠き部48の形状は、
90°の扇形である。ただし、火炎溝形成開口45の4
個の端部周辺は、逆扇形に切り残されている。
【0032】下から3番目に積層される板体43は、流
路形成用板体であり、全体形状は円板状であって、中心
部には十字形状の火炎溝形成開口45が形成されてい
る。流路形成用板体43は、図1,2の様に火炎溝形成
開口45を二辺として4個のエリア43abcdに仕切
られる。そして各エリア43abcdには、小溝状開口
から成る流路形成溝(以下 流路形成開口)50がそれ
ぞれ7本設けられている。流路形成開口(流路形成溝)
50は、前記した火炎溝形成開口45に比べて十分に小
さい小溝状の開口である。流路形成開口50は、前記し
た火炎溝形成開口45に対して45°傾斜した角度をも
って平行且つ直線的に伸びている。そして中心側は、火
炎溝形成開口45に開口している。
【0033】ここで本実施形態で採用する流路形成用板
体43は、各エリア43abcdに火炎溝形成開口45
に対して45°傾斜した角度をもって直線的に伸びる流
路形成開口50を複数持つため、ある特定の流路形成開
口50は火炎溝形成開口45の一方の辺に開口し、他の
特定の流路形成開口50は火炎溝形成開口45の他方の
辺に開口する。また各エリア43abcdに設けられた
流路形成開口50は、火炎溝形成開口45に対して45
°傾斜した角度をもって直線的に伸びるものであり、互
いに交差することなくそれぞれ特定の火炎溝形成開口4
5の辺に開口する。さらに流路形成用板体43は、前後
・左右に対称形状であるため、火炎溝形成開口45の溝
状の部位の両脇に流路形成開口50の火炎溝形成開口4
5に対する開口が並ぶ。また流路形成開口50の軸線
は、いずれも火炎溝形成開口45の溝の長手方向に対し
て中心側に傾斜している。
【0034】流路形成開口50の周辺側は、開放されて
いない。本実施形態では、流路形成開口50の溝幅は、
いずれも同一である。
【0035】本実施形態の炎孔部材40は、上記した下
端部板体41と、閉塞用板体42,流路形成用板体43
及び上端部板体44が下から順に積層されてなるもので
ある。本実施形態では、各板体に設けられた火炎溝形成
開口45がどれも同一の形状であるから、4枚の板体が
積層された状態では、図1に示す炎孔部材40の様に深
さを有する火炎溝51が構成される。
【0036】また流路形成用板体43の外形が円形であ
るのに対し、閉塞用板体42の外形が十字状であって、
両者の平面形状が異なるため、両者を重ねた際に外周部
と連通する空隙部53が形成される。より具体的には、
最も下部の下端部板体41は円板状であり、下から3枚
目の流路形成用板体43の形状も円形であるが、その間
に設けられた閉塞用板体42は、扇形の切り欠き部48
がある。そのため切り欠き部48の部分が空隙部53と
なる。
【0037】また炎孔部材40の火炎溝51内に目を移
すと、最も上に積層された上端部板体44が単に火炎溝
形成開口45が設けられた板であり、その下の流路形成
用板体43は、火炎溝形成開口45に開口する流路形成
開口50を持つ。またその下部に積層された閉塞用板体
42は、火炎溝形成開口45の周囲に閉塞部47を持
つ。従って、流路形成用板体43の火炎溝形成開口45
の流路形成開口50に対する開口部分は、その上下を板
状の部材で囲まれる。その結果、流路形成用板体43の
火炎溝形成開口45の流路形成開口50に対する開口部
分は、火炎溝形成開口45自体の板厚部分によって両側
面が囲まれ、上面を上端部板体44によって囲まれ、下
面を閉塞用板体42の閉塞部47によって囲まれる。従
ってこれらの部材によって、炎孔部材40の火炎溝51
内に開口55が形成される。当該開口55は、噴射孔と
して機能する。また各板体41〜44は、図1,2の様
に左右及び上下に対称であり、さらに流路形成用板体4
3の各エリアには、流路形成開口50が所定の傾斜角度
を有して平行且つ直線的に伸びており、火炎溝形成開口
45の溝状の部位の両脇に流路形成開口50の火炎溝形
成開口45に対する開口が並んでいるため、噴射孔55
は、火炎溝51を構成する壁面に直線的に並んで形成さ
れる。また同様の理由から、噴射孔55は、火炎溝51
を構成する双方の壁面に対称に並んで形成される。さら
に流路形成開口50は、いずれも火炎溝形成開口45の
軸線に対して中心側に傾斜して伸びている。
【0038】次に炎孔部材40の内部を見ると、閉塞用
板体42には扇形の大きな切り欠き部48があり、これ
の上部に積まれる流路形成用板体43には各エリアに流
路形成開口50が設けられている。また流路形成開口5
0は、火炎溝形成開口45に対して45°傾斜した角度
をもって伸び、その外端部分は、流路形成用板体43の
外周近傍に至っている。そのため流路形成用板体43の
流路形成開口50は、その中央部が閉塞用板体42によ
って覆われるが、外周部分は閉塞用板体42の切り欠き
部48と重なり、閉塞用板体42から外れる。言い換え
ると、流路形成開口(流路形成溝)50は、他の板体た
る閉塞用板体42に積層され、閉塞用板体42によって
その一部が覆われ、他の一部は解放されている。その結
果、図4の様に前記した切り欠き部48によって構成さ
れる空隙部53と、流路形成開口50が連通する。即ち
閉塞用板体42と流路形成用板体43が積層されて両者
の間に外周部と連通する空隙部53が形成され、さらに
空隙部53と流路形成開口50との間に通気経路が確保
される。そのため炎孔部材40の外周部と、火炎溝51
内の開口(噴射孔)55が連通する。本実施形態では、
閉塞用板体42の切り欠き部48は、外周部と連通する
空隙部53を形成する機能の他、空隙部53と流路形成
開口50とを連通する機能を果たしている。
【0039】本実施形態の炎孔部材40を使用して火炎
を発生させる場合は、後記するように炎孔部材40の外
周側から混合ガス等を導入して火炎溝51内の開口(噴
射孔)55から噴射させるが、本実施形態の炎孔部材4
0では、図4の様に上から三段目の閉塞用板体42の部
位から入った混合ガス等が、上から二段目の流路形成用
板体43の流路形成開口50に入った後、開口(噴射
孔)55から噴射されるので、混合ガス等は斜め上(火
炎溝51の開放側)方向に付勢される。そのため混合ガ
ス等は開口(噴射孔)55から斜め上(火炎溝51の開
放側)に向かって噴射される。従って、既燃ガスの排出
が円滑であり、燃焼が安定する。また火炎は、やや火炎
溝51の開放側を向いて噴射されるので、対向する壁面
を加熱することが少なく、炎孔部材40を傷めたり逆火
を発生させる危険性が少ない。さらに炎孔部材40を介
して熱が外部に逃げることも防がれる。
【0040】本実施形態の炎孔部材40は、図1に示し
た様な単層状態で使用される場合もあるが、多くの場合
は、図5に示すように多段に積層されて使用される。炎
孔部材40を多段に使用する場合には、その中間に断熱
材を介在させることが望ましい。また全体の上下につい
ても、断熱材を配することが望ましい。図5は、炎孔部
材40を二段重ねに使用し、その中間部と全体の上下に
断熱材59を配した例を示すものである。
【0041】ここで断熱材59は、例えばアルミナやシ
リカで成形されたものであり、外形が円盤状であって、
中央に十字状の火炎溝形成開口45が設けられている。
【0042】炎孔部材40を燃焼装置に装着する場合
は、必要に応じて底板を設ける。底板は、例えば全く開
口を有しない円板が使用される。また図1に示す炎孔部
材40の最も下部に配された下端部板体41に代わっ
て、火炎溝形成開口45を有しない板を使用する場合も
ある。なお、燃焼部材の下部に底板を設ける場合がある
点、及び最も底に配される下端部板体に代わって、火炎
溝形成開口有しない板を使用する場合もある点は、後記
する実施形態2以下の炎孔部材についても同様である。
【0043】なお、本実施形態で採用する下端部板体4
1及び上端部板体44は、請求項の閉塞用板体としての
要件を備える。後記する実施形態2以下の下端部板体、
上端部板体及び中間板体についても同様であり、請求項
の閉塞用板体としての要件を備える。
【0044】(実施形態2)図6は、本発明の第2の実
施形態の炎孔部材の構成部品の正面図である。図7は、
本発明の第2の実施形態の炎孔部材を、下端部板体を外
して下側から観察した背面図である。
【0045】前記した第1の実施形態では、火炎溝51
の溝幅がいずれの部位でも同一のものを例示したが、第
一の実施形態の様に火炎溝51の溝幅を同一とすると、
中央部に火炎が過度に集中し、火炎の乱れを誘発したり
騒音発生の原因となる場合がある。特に、先の実施形態
の様に、流路形成用板体43の流路溝形成開口50を火
炎溝形成開口45に対して斜め方向に形成すると、燃料
ガス等が火炎溝51に対して中央向きの成分を有して噴
射され、火炎が過度に集中してしまう傾向となる。第2
の実施形態の炎孔部材60は、この様に火炎の中央への
過度の集中を防止するものであり、火炎溝形成開口67
は、火炎溝61が中央(交点)に向かうに従って直線的
に広がっている。
【0046】即ち本実施形態の炎孔部材60は、図6に
示す様な5枚の板体62〜66が積層されてなる。具体
的には炎孔部材60は、下端部板体62、第1閉塞用板
体63、第2閉塞用板体64、流路形成用板体65及び
上端部板体66が順次積層されたものである。なお、本
実施形態の炎孔部材60が二枚の閉塞用板体63,64
を備える理由は、混合ガス等の流路に大きな断面積を確
保するためである。各板体62〜66の構成は、先の実
施形態のそれと略同一であり、各板体62〜66は、同
一形状の十字状の火炎溝形成開口67が設けられてお
り、火炎溝形成開口67はいずれも同一の大きさ及び形
状である。また閉塞用板体63,64には火炎溝形成開
口67の周囲に、略一定幅の閉塞部69が設けられてい
る。さらに流路形成用板体65は、火炎溝形成開口67
を二辺として4個のエリア65abcdに仕切られ、各
エリア65abcdには、流路形成開口50がそれぞれ
7本設けられている。流路形成開口50は、火炎溝形成
開口67に対して45°だけ傾斜した角度をもって平行
に伸び、さらにその中心側は、火炎溝形成開口67に開
口している。
【0047】この様に、本実施形態の炎孔部材60は、
多くの点で先の実施形態と共通するが、本実施形態に特
徴的な構成は、各板体62〜66に設けられた火炎溝形
成開口67が中央(交点)に向かうに従って直線的に広
がっている点である。即ち図6の様に火炎溝形成開口6
7の中央近傍の溝幅bは、先端側の溝幅aよりも広い。
【0048】また第1閉塞用板体63、第2閉塞用板体
64は、火炎溝形成開口67の形状に合わせて切り欠き
部68が小さいものとなっている。
【0049】本実施形態の炎孔部材60は、上記した下
端部板体62、第1閉塞用板体63、第2閉塞用板体6
4、流路形成用板体65及び上端部板体66が順次積層
されたものであり、各板体に設けられた火炎溝形成開口
67がどれも同一の形状であるから、5枚の板体が積層
された状態では、中心部の間隔が広い火炎溝61が構成
される。
【0050】本実施形態では、火炎溝形成開口45の溝
幅が、中央に向かうに従って直線的に増大して行く構成
を例示したが、溝幅の増大は、直線的である必要はな
く、例えば二次関数的に増大するものや、指数関数的に
増大するものであってもよい。また大きなアールを有す
るものであってもよい。
【0051】(実施形態3)図8は、本発明の第3の実
施形態の炎孔部材の構成部品の正面図である。図9は、
本発明の第3の実施形態の炎孔部材を、下端部板体を外
して下側から観察した背面図である。前記した第2の実
施形態の炎孔部材60は、各板体に設けた火炎溝形成開
口67を中心に向かう程幅広く設計し、火炎の中央への
過度の集中を防止したものであるが、この様な構成とす
ると、逆に火炎の衝突が弱まり、淀み点を形成しなくな
って保炎効果が損なわれる場合がある。
【0052】そこで本実施形態の炎孔部材70は、流路
形成開口(流路形成溝)71の構成として溝幅の異なる
ものを混在させ、中央に向かう程、溝幅が広い流路形成
開口71を配した。即ち図8に示す流路形成用板体6
5’では、流路形成開口71は、中央のものが最も幅が
広く、周辺に配されたもの程、溝幅が狭くなっている。
従って図8に示す様に、溝幅には、「c<b<a」の関
係がある。本実施形態の炎孔部材70では、流路形成開
口71は、中央に向かう程、溝幅の広いものが配されて
おり、流路形成開口71の開口密度は、火炎溝形成開口
67の交差部近傍の方が端部に比べて高いため、火炎の
衝突が確実に行われ、淀み点を形成して火炎が安定する
【0053】(実施形態4)図10は、本発明の第4の
実施形態の炎孔部材の構成部品の正面図である。図11
は、本発明の第4の実施形態の炎孔部材の上端部板体を
外した状態における正面図である。図12は、図11の
A−A断面斜視図である。本実施形態の炎孔部材75
は、図11に示すように下端部板体41と、閉塞用板体
76,流路形成用板体77及び上端部板体44が下から
順に積層されてなるものである。本実施形態で採用する
下端部板体41と、上端部板体44は、先に説明した第
1の実施形態で採用したものと同一である。
【0054】これに対して中間部に配される閉塞用板体
76と流路形成用板体77は、先の実施形態と大きく相
違する。即ち本実施形態の炎孔部材75で採用する閉塞
用板体76は、全体が円形であり、十字状の火炎溝形成
開口45の周囲に、長方形状の通気開口78が並べて配
されている。なお、火炎溝形成開口45の交差部分に設
けられた通気開口78については、加工上の理由から正
方形に近い形状をしている。通気開口78はいずれも独
立しており、火炎溝形成開口45に開口するものではな
い。通気開口78と火炎溝形成開口45の間の板状部分
は、閉塞部79として機能する。
【0055】一方、流路形成用板体77は、十字形状を
しており、4か所の部位が扇形に大きく切り欠かれてい
る。そして中央部に火炎溝形成開口45が形成されてい
る。流路形成用板体77は、図10の様に火炎溝形成開
口45を二辺として4個のエリア77abcdに仕切ら
れる。また各エリア77abcdには、流路形成開口
(流路形成溝)80がそれぞれ10本設けられている。
流路形成開口80は、火炎溝形成開口45に比べて十分
に小さい小溝状の開口であり、火炎溝形成開口45の二
辺に開口している。さらに本実施形態では、流路形成開
口80は、火炎溝形成開口45に対して垂直方向に伸び
ている。そして本実施形態で採用する流路形成開口80
は、火炎溝形成開口45に比べて短いため、図10を基
準として、火炎溝形成開口45の水平方向に伸びる辺の
近傍に設けられた火炎溝形成開口80群は、いずれも当
該水平方向に伸びる辺に開口し、垂直方向に伸びる辺の
近傍に設けられた火炎溝形成開口80群は、いずれも当
該垂直方向に伸びる辺に開口している。
【0056】本実施形態の炎孔部材75は、上記した下
端部板体41と、閉塞用板体76,流路形成用板体77
及び上端部板体44が下から順に積層されてなるもので
ある。本実施形態では、各板体に設けられた火炎溝形成
開口45がどれも同一の形状であるから、4枚の板体が
積層された状態では、深さを有する火炎溝84が構成さ
れる。
【0057】また本実施形態では、流路形成用板体77
の外形が十字状であり、閉塞用板体76の外形が円形で
あって、両者の形状が異なるため、両者を重ねた際に外
周部と連通する空隙82が形成される(図12)。
【0058】また炎孔部材75の火炎溝84内に目を移
すと、最も上に積層された上端部板体44が単に火炎溝
形成開口45が設けられた板であり、その下の流路形成
用板体77は、火炎溝形成開口45に開口する流路形成
開口80を持つ。またその下部に積層された閉塞用板体
76は、火炎溝形成開口45の周囲に閉塞部79を持
つ。従って、流路形成用板体77の火炎溝形成開口45
の流路形成開口80に対する開口部分は、その上下を板
状の部材で囲まれる。その結果、流路形成用板体77の
火炎溝形成開口45の流路形成開口80に対する開口部
分は、火炎溝形成開口45自体の板厚部分によって両側
面が囲まれ、上面を上端部板体44によって囲まれ、下
面を閉塞用板体79の閉塞部79によって囲まれる。従
ってこれらの部材によって、炎孔部材75の火炎溝84
内に開口83が形成される。当該開口83は、噴射孔と
して機能する。
【0059】次に炎孔部材75の内部を見ると、流路形
成用板体77には扇形の大きな切り欠き部85があり、
これの下部に配される閉塞用板体76には通気開口78
が配され、流路形成用板体77と閉塞用板体76を重ね
た時、図11,12の様に流路形成用板体77の切り欠
き部85と、閉塞板体76の通気開口78が重なる。そ
の結果、図12の様に前記した切り欠き部85によって
構成される空隙部82と、通気開口78が連通する。そ
してさらに通気開口78の一部と流路形成用板体77の
流路形成開口80が重なる。そのため流路形成用板体7
7の切り欠き部85によって外周部と連通する空隙部8
2が形成され、さらに空隙部82と閉塞用板体76の通
気開口78が連通し、またさらに通気開口78と流路形
成用板体77の流路形成開口80が連通して通気経路が
確保される。その結果、炎孔部材75の外周部と、火炎
溝84内の開口(噴射孔)83が連通する。
【0060】本実施形態の炎孔部材75を使用して火炎
を発生させる場合についても、後記するように炎孔部材
75の外周側から混合ガス等を導入して火炎溝84内の
開口(噴射孔)83から噴射させるが、本実施形態の炎
孔部材75では、図12の様に上から三段目の閉塞用板
体76の通気開口78から、上から二段目の流路形成用
板体77の流路形成開口80に入った後、開口(噴射
孔)83から噴射されるので、混合ガス等は斜め上方向
(火炎溝84の開放側)に付勢される。そのため混合ガ
ス等は開口(噴射孔)83から斜め上(火炎溝84の開
放側)に向かって噴射される。
【0061】以上、説明した第1〜第4の実施形態で
は、いずれも流路形成用板体77を閉塞用板体76に対
して火炎溝の開放側に近い部位に配した。この構成は、
噴射孔から噴射される燃料ガス等を火炎溝の開放側に付
勢する作用があり、流路抵抗の低減や炎孔部材の傷み防
止、逆火防止に寄与することができる効果がある。しか
しながら本発明は、この構成に限定されるものではな
く、いずれの板体を火炎溝の開放側に近い部位に配して
もよい。
【0062】また第1〜第4の実施形態では、いずれも
流路形成用板体77の各エリアに、火炎溝形成開口45
の2辺に開口する流路形成開口80を設けた構成を例示
した。このように一つの流路形成用板体77の各エリア
に、火炎溝形成開口45の2辺に開口する流路形成開口
80を設ける構成は、少ない積層枚数で交差形状の火炎
溝の両側面に噴射孔を形成させることができ、炎孔部材
の小形化・軽量化に寄与することができる効果がある。
また炎孔部材自体の熱容量を低下させることができ、炎
孔部材に逃げる熱を減少させることができる。しかしな
がら、本発明は、このような火炎溝形成開口45の2辺
に開口する流路形成開口80を設けた構成に限定される
ものではなく、流路形成用板体77の各エリアに、火炎
溝形成開口45の一辺のみに開口する流路形成開口を設
けても良い。以下、流路形成用板体の各エリアに、火炎
溝形成開口45の一辺のみに開口する流路形成開口を設
けた例について説明する。
【0063】(実施形態5)図13は、本発明の第5の
実施形態の炎孔部材の分解斜視図である。図14は、本
発明の第5の実施形態の炎孔部材の構成部品の正面図で
ある。図15は、本発明の第5の実施形態の炎孔部材の
上端部板体を外した状態における正面図である。本実施
形態の炎孔部材88は、図13に示すように下端部板体
89、垂直側流路形成用板体90、閉塞用板体91、中
間板体92、水平側流路形成用板体93、閉塞用板体9
4及び上端部板体95が下から順に積層されてなるもの
である。ここで上記した構成部品の内、下端部板体8
9、中間板体92及び上端部板体95は、同一構成の部
品である。また閉塞用板体91,94についても同一構
成の部品である。さらに垂直側流路形成用板体90と水
平側流路形成用板体93は、同一構成の部品を向きを変
えて配置したものである。
【0064】即ち下端部板体89、中間板体92及び上
端部板体95は、略正方形の板体の中心部に十字形の火
炎溝形成開口45が設けられたものである。
【0065】また垂直側流路形成用板体90と水平側流
路形成用板体93は、略正方形の板体の中心部に十字形
の火炎溝形成開口45が設けられ、さらに流路形成開口
(流路形成溝)96が火炎溝形成開口45の一方の溝に
対して水平に設けられたものである。本実施形態では、
流路形成開口96は、十字形に交差した火炎溝形成開口
45の特定の一列に開口している。
【0066】閉塞用板体91,94は、略正方形の板体
の中心部に十字形の火炎溝形成開口45が設けられ、さ
らに火炎溝形成開口45の周囲に正方形状の閉塞部97
が設けられたものである。また閉塞用板体91,94の
角の部位には切り欠き部98が設けられている。
【0067】本実施形態の炎孔部材88は、上記した下
端部板体89、垂直側流路形成用板体90、閉塞用板体
91、中間板体92、水平側流路形成用板体93、閉塞
用板体94及び上端部板体95が下から順に積層されて
なるものである。本実施形態についても、各板体に設け
られた火炎溝形成開口45がどれも同一の形状であるか
ら、7枚の板体が積層された状態では、所定の深さを有
する火炎溝が構成される。
【0068】また炎孔部材88の火炎溝51内では、垂
直側流路形成用板体90と水平側流路形成用板体93の
火炎溝形成開口45に開口する部位は、それぞれ閉塞用
板体91,94の閉塞部97と、下端部板体89、中間
板体92及び上端部板体95に挟まれる。その結果炎孔
部材88の火炎溝51内に開口(噴射孔)が形成され
る。
【0069】さらに垂直側流路形成用板体90と水平側
流路形成用板体93が概ね正方形であるのに対し、閉塞
用板体91,94は、角の部位に切り欠き部98が設け
られているので、両者を重ねたときに空隙部が形成され
る。即ち、両者の平面形状が異なるため、両者を重ねた
際に空隙部が形成される。さらに図15の様に当該空隙
部と垂直側流路形成用板体90、水平側流路形成用板体
93に設けられた流路形成開口96の端部が重なる。そ
の結果、切り欠き部98によって構成される空隙部と、
流路形成開口96が連通する。即ち閉塞用板体91,9
4と流路形成用板体90,93が積層されて両者の間に
外周部と連通する空隙部が形成され、さらに空隙部と流
路形成開口96との間に通気経路が確保される。その結
果、炎孔部材の外周部と、火炎溝内の開口(噴射孔)が
連通する。
【0070】(実施形態6)図16は、本発明の第6の
実施形態の炎孔部材の正面図である。図17は、図16
のC方向矢視図である。前述した実施形態1〜5の炎孔
部材は、いずれも平板状の板に開口状の流路形成溝を設
けたものであるが、流路形成溝は開口によるものに限ら
ず、板をプレス等によって凹変あるいは凸変させて形成
したものであってもよい。図16に示す炎孔部材100
は、開口によらず、板を部分的に凹変させることによっ
て流路形成溝を形成した例を示すものである。
【0071】即ち、炎孔部材100は、図17の様に4
枚の板体101〜104を積層したものである。本実施
形態では、各板体101〜104は、凹変部の深さが異
なるだけであり、外形はいずれも類似する。具体的に
は、上下に配される板体101,104は、全く同一の
形状を持つものであり、中の二枚の板体102,103
は、上下の板体101,104に比べて凹変部の深さが
浅い。本実施形態では、板体101〜104のそれぞれ
が流路形成用板体及び閉塞用板体としての機能を果た
す。
【0072】各板体101〜104の形状は、図16の
通りであり、円形を基調として、外周部の4か所に円弧
状の切り欠き部105が設けられている。また中央部に
は、略十字形の火炎溝形成開口107が設けられてい
る。火炎溝形成開口107の内周部は、図16の様に大
きなアールが形成されており、中央(交点)に向かうに
従って溝幅が広がっている。即ち火炎溝形成開口107
の中央近傍の溝幅は、先端側の溝幅よりも広い。
【0073】また各板体101〜104は、火炎溝形成
開口107を二辺として4個のエリアabcdに仕切ら
れる。そして各エリアabcdには、小溝状の流路形成
溝108が設けられている。流路形成溝108は、本実
施形態では、板体の火炎溝形成開口107の周辺部であ
って、中心から略一定の距離の範囲に設けられており、
当該範囲に部分的に凹変部110を設け、当該凹変部1
10によって挟まれた領域が流路形成溝108として機
能する。本実施形態では、各エリアabcdにそれぞれ
6個の凹変部110が設けられている。また凹変部11
0の間隔、即ち流路形成溝108の溝幅は、中央に向か
うに従って広い。流路形成溝108は、前記した火炎溝
形成開口107の軸線に対して45°傾斜した角度をも
って平行且つ直線的に伸びている。そして中心側は、火
炎溝形成開口107に開口している。また板体101〜
104の外周部にも凹変部112が設けられている。
【0074】各板体101〜104は、図18に示すよ
うに、下二枚の板体101,102が、溝の開口が上方
向を向くように積層され、上二枚の板体103,104
は、溝の開口が下方向を向くように積層される。ここで
前記したように、中の二枚の板体102,103は、上
下の板体101,104に比べて凹変部の深さが浅いの
で、中の二枚の板体102,103と上下の板体10
1,104の間で空隙120,121が形成される。両
者の立体形状が異なるため、両者を重ねた際に空隙12
0,121が形成される。また中の二枚の板体102,
103の間にも空隙122が形成される。当該空隙12
0,121,122は、火炎溝形成開口107によって
形成される火炎溝123に開口し、噴射孔として機能す
る。
【0075】また炎孔部材100の内部では、外周部と
空隙120,121,122を連通する空隙部が形成さ
れている。その結果、炎孔部材の外周部と、火炎溝12
3内の開口(噴射孔)が連通する。
【0076】以上説明した実施形態は、いずれも金属製
の板体同士を積層して一組の炎孔部材を形成させたが、
金属の板体同士の間に断熱部材等の他の部材が介在され
ていてもよい。
【0077】(実施形態7)次に、本発明の炎孔部材を
使用した燃焼装置の構造について説明する。図18は、
本発明の炎孔部材を使用したコンロの断面図である。図
19は、図18の、コンロの燃焼部の斜視図である。図
16において、1は、本発明の実施形態のコンロを示
す。コンロ1は、主として家庭で使用されることを意図
したものであり、大きくハウジング2と、バーナ(燃焼
装置)3によって構成されている。
【0078】順次説明すると、ハウジング2は、亜鉛引
き鉄板やブリキ、あるいはステンレススチール等によっ
て作られた四角形状をした箱であり、天面に開口4が設
けられている。当該開口4は、燃焼ガスが排出される孔
であり、開口4の周囲には、五徳5が設けられている。
またハウジング2の側面には、空気導入用の開口6が設
けられている。開口6には、図示しないファンが接続さ
れる。さらにハウジング2の底面には、ノズル7が取り
付けられている。ノズル7は、燃料ガスを噴射するもの
であり、図示しないプロパンガスボンベに接続されてい
る。
【0079】ハウジング2の内部は、二重構造となって
おり、空隙8をおいて仕切り9が設けられている。仕切
り9は、底面と側面を持つものであり、前記したノズル
7は、仕切り9の底面を貫通し、仕切り9の内部に開口
している。
【0080】バーナ3は、図17の様に、大きく燃焼部
10、絞り板11,多孔質体12及び熱線透過体13に
よって構成されている。燃焼部10は、下部材14,中
間部材15及び蓋部材16によって構成されたケース1
7を持ち、その内部に炎孔部材20が配されたものであ
る。即ちケース17の下部材14は、筒状であり、一端
側(図面 上側)が開放され、他端側(図面 下側)は
中心部分に設けられた開口21を除いて閉塞している。
また開放側にはフランジ23が設けられている。
【0081】中間部材15は、一端(図面 下側)にフ
ランジ25を持ち、他端側が開放された部材である。ま
た蓋部材16は、中央部分に開口27が設けられた部材
である。蓋部材16の開口周辺は、垂直方向に折り返さ
れている。ケース17は、上記した下部材14,中間部
材15及び蓋部材16の三者が重ねられたものであり、
その内部は、仕切り板28によって二室に仕切られてい
る。そしてこの内の下側の一室が混合室30として機能
し、上側は燃焼室31として機能する。ただし仕切り板
28は、通気性を持つので、混合室30と燃焼室31の
間でガスは自由に行き来する。
【0082】炎孔部材20は、先に説明した実施形態1
から実施形態6のいずれかの構成をもつものであり、中
央には、十字形状に交差した火炎溝32が設けられてい
る。
【0083】炎孔部材20の溝32の内側には、先の実
施形態の説明で明らかな様に、多数の噴射孔33が設け
られている。当該噴射孔33は、溝32を構成する両側
の壁面に設けられており、溝32を介して対向してい
る。炎孔部材20の底は封鎖されており、炎孔部材20
の底部から溝32側へのガスの流入はない。
【0084】炎孔部材20は、ケース17の燃焼室31
の中央に配置されているが、炎孔部材20の外径は、燃
焼室31の内径よりも小さい。そのため炎孔部材20と
燃焼室31の内壁との間には図17の様に空隙36があ
る。炎孔部材20の溝32は、前記したケース17の蓋
部材16の開口27と面しており、溝32は開口27を
介して外部に露出している。一方、炎孔部材20の頂面
の外周寄りに部位は、図示しないパッキングを介して蓋
部材16の内面と接している。従って空隙36と外部と
は、炎孔部材20の噴射孔33を経由してのみ連通す
る。
【0085】絞り板11は、厚さが3mm〜10mm程
度の円板であり、中央に燃焼ガス通過開口34が設けら
れている。
【0086】多孔質体12は、具体的にはセラミック製
のポーラス体である。多孔質体12の材質は、チタン酸
アルミニウム、ムライト、コージライト或いはこれらの
混合材料が使用可能であるが、耐熱性が優れるという点
で、チタン酸アルミニウムが最も適切である。多孔質体
12の厚さは3mm〜20mm程度、より好ましくは3
mm〜10mm程度である。また多孔質体12の気孔率
は、75%〜85%である。
【0087】多孔質体12の形状は、円板状である。多
孔質体12の裏面(上流側)の中心には、円形の閉塞部
材37(図18)が設けられており、当該部分は通気性
が無い。閉塞部材37には、円形の金属板や、円形の耐
熱製セラミック、あるいはアルミナやシリカ等の耐熱性
の無機粉末を適当なバインダーで固めて成形した成形物
が活用できる。
【0088】熱線透過体13は、液体は通過しえない
が、赤外線等の熱線は透過するものであり、透明な耐熱
部材が採用され、具体的には石英ガラスが使用されてい
る。熱線透過体13は円板状であり、中央に開口38が
設けられている。なお熱線透過体13は、鍋からのふき
こぼれが、バーナ3内に落ち込むことを防止する機能を
果たすものである。
【0089】バーナ3は、前記した燃焼部10の上に絞
り板11が載せられ、さらにその上に多孔質体12が配
され、最も上部に熱線透過体13が配されたものであ
る。そしてそれぞれの間には、パッキンが配され、隙間
からガスが漏れない様に工夫されている。
【0090】またバーナ3は、図18の様にハウジング
2の仕切り9内に配され、バーナ3のケース17の開口
21は、ノズル7の近傍に位置する。一方、熱線透過体
13は、ハウジング2の頂面に設けられた開口4から外
部に露出している。また炎孔部材20の溝32内には、
点火部材40が配されている。
【0091】次に、本実施形態のコンロ1の作用につい
て説明する。コンロ1は、図示しない送風機からの送風
を受け、開口6からハウジング2内に通風され、同時に
図示しないプロパンガスボンベからノズル7を経てハウ
ジング2内に燃料ガスが導入されて使用される。即ち開
口6からハウジング2内に入った送風は、図18の矢印
の様に仕切り9の上部と、バーナ3との間を通って、バ
ーナ3の下部(図面の位置関係を基準とする)と仕切り
9の底部との間の隙間に入る。一方、燃料ガスは、ノズ
ル7から噴射され、同じく仕切り9とバーナ3の下部と
の間の隙間に入る。そして燃料ガスと空気は、共にバー
ナ3の開口21からバーナ3の混合室30に入り、両者
は混合される。ここで、本実施形態のコンロ1では、混
合室30内において、燃料ガスと空気が希薄状態(空気
過剰率1.4〜1.7)に予混合される。
【0092】そしてこの予混合されたガスは、仕切り板
28を通過し、燃焼室31に流れる。ここで燃焼室31
に設けられた炎孔部材20は、底部が閉塞されているの
で、ガスは、炎孔部材20の周囲とケース17の内面と
の間の空隙部36に流れ込むこととなる。そしてガス
は、炎孔部材20の外周部にある導入孔35から炎孔部
材20の内部に入り、溝32の内壁に設けられた噴射孔
33から溝32内に噴射される。そして点火部材40に
より、ガスに点火され、火炎が発生する。ここで本実施
形態のコンロ1では、燃料ガスを噴射する噴射孔33
は、溝32の内壁に設けられ、噴射孔33は溝32を挟
んで対向しているので、発生した火炎は互いに衝突す
る。そのため本実施形態のコンロ1は、安定した状態で
燃焼する。加えて本実施形態では、燃料ガスが噴射する
噴射孔33が十字状に配置されているので、噴射孔33
は、平面的な広がりを持って分布する。そのため火炎
は、平面的広がりをもって発生する。
【0093】そして本実施形態のコンロ1では、火炎お
よび燃焼ガスは、絞り板11によって絞られ、図18の
様に絞り板11の燃焼ガス通過開口34を経て空洞部3
9内に入る。ここで、燃焼ガスは、燃焼ガス通過開口3
4を通過する際に多孔質体12に対して垂直方向に方向
づけられ、さらに中央部分から多孔質体12に当たる。
しかしながら、本実施形態では、多孔質体12の中央部
分には閉塞部材37が設けられているので、燃焼ガスは
閉塞部材37が邪魔板的に作用して空洞部39の全体に
広がる。そのため、多孔質体12は、その裏面(上流
側)が均一に加熱される。そして燃焼ガスは、多孔質体
12の中を抜け、五徳5側に至る。多孔質体12を抜け
た燃焼ガスは、熱線透過体13の開口38から外部に噴
射し、五徳5に載置された鍋(図示せず)の底に当たっ
て鍋を加熱する。
【0094】一方、燃焼ガスが多孔質体12を通過する
際に、多孔質体12が加熱され、多孔質体12が赤熱す
る。その結果、多孔質体12から熱線が放射され、当該
熱線は、熱線透過体13を透過して五徳5に載置された
鍋(図示せず)の底に照射される。そのため鍋は、多孔
質体12から放射される熱線によっても加熱される。そ
のため本実施形態のコンロ1は、燃焼ガスによる対流加
熱と、熱線による輻射加熱の双方によって鍋等を加熱す
ることができ、熱効率が高いという効果がある。また前
記した様に、本実施形態のコンロ1では、燃焼部10に
おいて火炎が平面的な広がりをもって発生するので、鍋
等の底を無駄なく加熱することができる。さらに本実施
形態のコンロ1は、燃料ガスを希薄な状態で燃焼させる
ので、NOX の発生が少ない。
【0095】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の炎孔部材
は、交差した溝状の火炎溝形成開口を有する板体を積層
するものであり、板体を重ねることにより溝の深さを確
保し、交差した火炎溝を構成する。従って本発明は、簡
単な構成で、交差した構造の火炎溝を備えた炎孔部材を
製作することができる効果がある。そのため対向燃焼の
利点を生かしつつ、鍋等を効率よく加熱することがで
き、家庭用・業務用のコンロとして好適な燃焼装置の実
用化を図ることが可能となる。
【0096】そして特に請求項2に記載の炎孔部材は、
流路形成用板体およびこれとは面積又は形状が異なる他
の板体を有し、両者を重ねた際に板体の外周側と連通す
る空隙を形成させ、外周部から空隙を経て流路形成溝に
至る一連の流路を形成させ、外周部から入った空気又は
燃料ガス等を、火炎溝に噴射させる。この様に本発明の
炎孔部材は、簡単な構成で、交差した構造の火炎溝を備
えた炎孔部材を製作することができる効果がある。
【0097】さらに請求項3に記載の炎孔部材は、流路
形成用板体のエリアに複数の流路形成溝が設けられ、流
路形成溝は、火炎溝形成開口の二辺に開口させたもので
あり、一枚の火炎溝形成開口によって火炎溝に対して複
数の方向から燃料等を噴射することができる効果があ
る。そのため本発明の炎孔部材は、少ない積層枚数で交
差した構造の火炎溝を形成することができる効果があ
る。
【0098】また請求項4に記載の炎孔部材では、エリ
アに複数の流路形成溝が設けられ、さらに流路形成溝
は、火炎溝形成開口に対して斜め成分を有していて火炎
溝形成開口の二辺に開口する。即ち、本発明の炎孔部材
では、流路形成溝は、火炎溝形成開口に対して斜め成分
を有しているので、流路形成溝が交差することなく二辺
に開口することができる。本発明の炎孔部材について
も、一枚の火炎溝形成開口によって火炎溝に対して複数
の方向から燃料等を噴射することができる効果がある。
そのため本発明の炎孔部材は、少ない積層枚数で交差し
た構造の火炎溝を形成することができる効果がある。
【0099】さらに請求項5に記載の炎孔部材は、簡単
な構成で燃料ガス等が通過する流路を構成することがで
き、さらに簡単な構成で、前記した流路に空気や燃料を
導入する導入口を形成することができる効果がある。
【0100】請求項6に記載の炎孔部材では、空気や燃
料は、火炎溝の開放側に向かって僅かに角度付けられた
状態で衝突させることができる効果があり、既燃ガスの
排出が円滑であり、熱効率が高いという利点を備える。
【0101】また請求項7に記載の炎孔部材は、火炎溝
の交差部分で既燃ガスが過密状態となることが防がれ
る。そのため局部的な既燃ガスの流速の増加が防止さ
れ、騒音の発生が抑制される効果がある。
【0102】また請求項8に記載の炎孔部材では、既燃
ガス同士の衝突を容易にし、淀み点の形成を促進して火
炎を安定化させる効果がある。
【0103】また請求項9の発明は、製造が容易であ
り、且つ外形の小型化が可能な炎孔部材を実現すること
ができる効果がある。
【0104】さらに請求項10に記載の炎孔部材では、
部分的に断熱部材が積層されているので、燃焼室の雰囲
気温度が燃料ガスに伝わりにくく、逆火が防止されると
いう効果がある。
【0105】さらに請求項11に記載の発明は、請求項
1乃至10のいずれかに記載の炎孔部材を有し、当該炎
孔部材から空気又は燃料、或いは空気と燃料との混合ガ
スを噴射して火炎を発生させることを特徴とする燃焼装
置であり、従来技術と同様に噴射孔が対向し、火炎が衝
突するので発生する火炎は安定し、かつTDRも広い。
そのため燃料が希薄状態で燃焼させることが可能であ
り、コンロ等の低NOX化に寄与することができる効果
がある。そして特に本発明の燃焼装置は、交差した火炎
溝を持ち、当該溝に向かって前記噴射孔が開口している
ので、噴射孔の配置が平面的な広がりを持つ効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の炎孔部材の分解斜視
図及び炎孔部材を組み立てた状態の斜視図である。
【図2】図1の炎孔部材の構成部品の正面図である。
【図3】図1の炎孔部材を、下端部板体を外して下側か
ら観察した背面図である。
【図4】図3のA−A断面斜視図である。
【図5】図1の炎孔部材を多段に積み上げて構成された
炎孔部材の分解斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の炎孔部材の構成部品
の正面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の炎孔部材を、下端部
板体を外して下側から観察した背面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の炎孔部材の構成部品
の正面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の炎孔部材を、下端部
板体を外して下側から観察した背面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態の炎孔部材の構成部
品の正面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態の炎孔部材の上端部
板体を外した状態における正面図である。
【図12】図11のA−A断面斜視図である。
【図13】本発明の第5の実施形態の炎孔部材の分解斜
視図である。
【図14】本発明の第5の実施形態の炎孔部材の構成部
品の正面図である。
【図15】本発明の第5の実施形態の炎孔部材の上端部
板体を外した状態における正面図である。
【図16】本発明の第6の実施形態の炎孔部材の正面図
である。
【図17】図16のC方向矢視図である。
【図18】本発明の炎孔部材を使用したコンロの断面図
である。
【図19】図18の、コンロの燃焼部の斜視図である。
【図20】従来技術における燃焼装置の斜視図である。
【図21】図20の燃焼装置の断面図である。
【符号の説明】
1 コンロ 2 ハウジング 7 ノズル 20,40,60,70,75,88,100 炎孔部
材 41,62,89 下端部板体 42,76,91,94 閉塞用板体 43,65,77 流路形成用板体 43abcd エリア 44,66,95 上端部板体 45,67,107 火炎溝形成開口 47,64,79,97 閉塞部 48,68,85,98 切り欠き部 50,71,80,96 流路形成開口(流路形成溝) 51,61,84,123 火炎溝 53 空隙部 55,83 開口(噴射孔) 59 断熱材 63 第1閉塞用板体 64 第2閉塞用板体 65 流路形成用板体 65abcd エリア 65’流路形成用板体 77abcd エリア 78 通気開口 82 空隙部 90 垂直側流路形成用板体 92 中間板体 93 水平側流路形成用板体 108 流路形成溝 110 凹変部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若田 武志 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式 会社ノーリツ内 (72)発明者 永井 逸夫 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式 会社ノーリツ内 (72)発明者 廣安 勝 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式 会社ノーリツ内 (56)参考文献 特開 平7−280216(JP,A) 特公 昭57−41649(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23D 14/58 F23D 14/02 - 14/10 F24C 3/08

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の板体が積層されて交差状の火炎溝
    を構成し、該火炎溝に向かって複数の噴射孔が開口して
    いる炎孔部材であって、流路形成用板体と、閉塞用板体
    を有し、前記流路形成用板体は、交差した溝状の火炎溝
    形成開口と、複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形
    成溝が設けられ、当該流路形成溝は火炎溝形成開口に開
    口し、前記閉塞用板体は交差した溝状の火炎溝形成開口
    を有すると共に火炎溝形成開口の周囲に流路形成溝を覆
    う閉塞部を有し、流路形成用板体の流路形成溝の開放面
    の少なくとも一部が閉塞用板体の閉塞部によって覆わ
    れ、流路形成溝と閉塞部によって囲まれる空隙によって
    噴射孔が形成されていることを特徴とする炎孔部材。
  2. 【請求項2】 複数の板体が積層されて交差状の火炎溝
    を構成し、該火炎溝に向かって複数の噴射孔が開口して
    いる炎孔部材であって、流路形成用板体を有し当該流路
    形成用板体に隣接して積層される板体の少なくとも一方
    は、流路形成用板体と面積又は形状が異なり、両者を重
    ねた際に板体の外周側と連通する空隙が形成され、前記
    流路形成用板体には交差した溝状の火炎溝形成開口と複
    数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けら
    れ、当該流路形成溝は火炎溝形成開口に開口すると共に
    前記空隙と連通することを特徴とする炎孔部材。
  3. 【請求項3】 流路形成用板体には、火炎溝形成開口を
    二辺として仕切られるエリアが形成され、当該エリアに
    複数の流路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は、火炎
    溝形成開口の二辺に開口することを特徴とする請求項1
    又は2に記載の炎孔部材。
  4. 【請求項4】 複数の板体が積層されて交差状の火炎溝
    を構成し、該火炎溝に向かって複数の噴射孔が開口して
    いる炎孔部材であって、流路形成用板体を有し、前記流
    路形成用板体は交差した溝状の火炎溝形成開口を有し、
    当該流路形成用板体には火炎溝形成開口を二辺として仕
    切られるエリアが形成され、当該エリアに複数の小溝又
    は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられ、当該流路
    形成溝は、火炎溝形成開口の軸線に対して斜め成分を有
    していて火炎溝形成開口の二辺に開口し、前記流路形成
    用板体は他の板体と積層され、外部と流路形成溝とを連
    通する通気経路が確保されることを特徴とする炎孔部
    材。
  5. 【請求項5】 流路形成溝は、他の板体に積層されて当
    該板体によってその一部が覆われ、他の一部は解放され
    ていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
    載の炎孔部材。
  6. 【請求項6】 火炎溝は一方の面が開放され、流路形成
    用板体には、火炎溝の開放側に凸となった小溝又は小溝
    状開口から成る流路形成溝が設けられ、流路形成用板体
    の前記開放側から遠い方の面側に通気経路が形成され、
    当該通気経路と前記流路形成溝が連通していることを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の炎孔部材。
  7. 【請求項7】 火炎溝形成開口は、交差部の幅が他の部
    位の幅よりも広いものであることを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれかに記載の炎孔部材。
  8. 【請求項8】 流路形成用板体に設けられた流路形成溝
    の開口密度は、火炎溝形成開口の交差部近傍の方が端部
    に比べて高いことを特徴とする請求項7に記載の炎孔部
    材。
  9. 【請求項9】 複数の流路形成用板体と他の板体との組
    み合わせが多段に積層されていることを特徴とする請求
    項1乃至8のいずれかに記載の炎孔部材。
  10. 【請求項10】 断熱部材が積層されていることを特徴
    とする請求項1乃至9のいずれかに記載の炎孔部材。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    炎孔部材を有し、当該炎孔部材から空気又は燃料、或い
    は空気と燃料との混合ガスを噴射して火炎を発生させる
    ことを特徴とする燃焼装置。
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